○公衆浴場衛生基準等に関する条例

昭和23年12月2日

条例第41号

公衆浴場衛生基準等に関する条例を、次のように定める。

公衆浴場衛生基準等に関する条例

第1条 公衆浴場法(昭和23年法律第139号。以下「法」という。)第2条第3項の規定による公衆浴場の設置の場所の配置の基準及び同法第3条第2項の規定による公衆浴場の衛生、風紀の基準は、この条例の定めるところによる。

(昭25条例31・昭44条例27・一部改正)

第1条の2 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 一般公衆浴場 公衆浴場のうち、日常生活における通常の保健衛生上必要な入浴のために設けられたものをいう。

(2) その他の公衆浴場 一般公衆浴場以外の公衆浴場をいう。

(3) 原湯 浴槽の湯を再利用せずに浴槽に直接注入される温水をいう。

(4) 原水 原湯の原料に用いる水及び浴槽の水の温度を調整する目的で、浴槽の水を再利用せずに浴槽に直接注入される水をいう。

(5) 上がり用湯 洗い場及びシャワーに備え付けられた湯栓から供給される温水をいう。

(6) 上がり用水 洗い場及びシャワーに備え付けられた水栓から供給される水をいう。

(7) 浴槽水 浴槽内の湯水をいう。

(8) 貯湯槽 原湯及び原水を貯留する槽をいう。

(9) ろ過器 浴槽水を再利用するため、浴槽水中の微細な粒子等を除去する装置をいう。

(10) 集毛器 浴槽水を再利用するため、浴槽水に混入した毛髪その他の比較的大きな異物を捕集する網状の装置をいう。

(11) 調節箱 洗い場及びシャワーに備え付けられた湯栓に送る湯の温度を調節するための槽をいう。

(12) 循環配管 湯水を浴槽とろ過器等との間で循環させるための配管をいう。

(13) 循環式浴槽 原湯及び原水の使用量を少なくする目的で、浴槽水をろ過器等を通して循環させる構造の浴槽をいう。

(14) 気泡発生装置等 気泡発生装置、ジェット噴射装置等微小な水粒を発生させる設備をいう。

(15) 回収槽 浴槽からあふれ出た浴槽水を回収し、貯留する槽をいう。

(昭44条例27・追加、昭55条例31・平16条例18・令3条例13・一部改正)

第1条の3 一般公衆浴場の配置の基準は、公衆浴場間の直線距離300メートル以上とする。ただし、知事において、利用者の数、土地の状況等を考慮し、必要と認める場合は、この限りでない。

(昭25条例31・追加、昭30条例38・昭44条例27・平16条例18・一部改正)

第2条 公衆浴場の構造設備は、次の各号の条件を具備しなければならない。ただし、次条第2項に規定する施設にあっては、第3号から第5号まで及び第9号を除く。

(1) 浴場の出入口は、男女を区別し、かつ戸障子の開閉によって浴室及び脱衣場を外部より見透しできないようにすること。

(2) 浴室及び脱衣場は、すべて男女を区別し互に見透しできないよう、高さ1.8メートル以上の完全な障へいを設けること。

(3) 脱衣場の面積は、男女各14平方メートル以上、天井の高さは、3メートル以上とすること。

(4) 浴槽の築造は、石材、煉瓦、人造石又はこれに代るべき不浸透質材料をもってするのほか、その構造は次によらなければならない。ただし、同一の浴室に2以上の浴槽を設けるときは、その1つの浴槽を除いては次のからまでの規定はこれを適用しない。

 槽底は外部地盤面の高さ以上

 内法面積は、4平方メートル以上

 深さ0.7メートル以上

 露出部は洗場の表面より0.3メートルから0.5メートルまで

 浴槽内に階段を設けるときは、踏面は0.2メートル以上

(5) 浴室の天井の高さは3.7メートル以上とし、その中央に湯気抜窓を設け、その大きさは、浴室の床面積の12分の1以上とすること。

(6) 脱衣場及び浴室の窓は、開閉自由であって、床面積の5分の1以上(出入口を含む。)とし、あけた場合でも外部より見透しできないようにすること。

(7) 天井に硝子窓を設けるときは、金網入ガラスを使用すること。

(8) 浴室の周囲は、床上1.5メートルまでは、煉瓦又はコンクリートをもって築造し、その他は全部板張又は防湿材料をもって築造すること。

(9) 浴室の面積は、男女各20平方メートル以上とし、床は不浸透質材料をもって築造し適当な水垂勾配を造り汚水が、屋外下水溝に完全流下するようにすること。

(10) 排水溝は、煉瓦その他不浸透質材料をもって築造し、完全な暗きょとすること。

(11) 脱衣場の床面は、浴室の床面より高くすること。

(12) 脱衣場の床下地盤は外部地盤より0.06メートル以上高くし、コンクリート又はしっくいたたきとし、適当な換気方法を講じ完全な防の設備をすること。

(13) 脱衣場及び浴室の床面における照度を10ルクス以上の照度に保有し、停電又は故障のための予備装置を施すこと。

(14) 貯湯槽は完全に排水することができる構造とすること。

(15) 循環式浴槽を設置している場合は、次に掲げる措置を講ずること。

 ろ過器は、1時間当たりのろ過能力が当該ろ過器に係る浴槽の容量以上であり、逆洗浄等の適切な方法でろ過器内のごみ及び汚泥を排出することができる構造であるとともに、ろ過器の前に集毛器を設けること。

 浴槽における原湯又は原水の注入口は、循環配管に接続せず、浴槽水面上部から浴槽に落とし込む構造であること。

 循環してろ過された湯水は浴槽の底部に近い部分から補給される構造であること。

 浴槽水の消毒に用いる塩素系薬剤の注入口又は投入口は、浴槽水がろ過器内に入る直前に設置されていること。

(16) 打たせ湯及びシャワーは、循環している浴槽水を用いる構造でないこと。

(17) 気泡発生装置等を設置する場合には、連日使用している浴槽水を用いる構造ではなく、点検、清掃及び排水を容易に行うことができ、空気取入口から土ぼこりや浴槽水等が入らないような構造であること。

(18) 内湯と露天風呂との間は、配管等を通じて、露天風呂の湯が内湯に混じることのない構造であること。

(19) 浴槽からあふれ出た浴槽水及び回収槽内の水を浴用に供する構造になっていないこと。ただし、これにより難い場合には、浴槽からあふれ出た浴槽水を回収する配管は直接循環配管に接続せず、回収槽は、地下埋設を避け、内部の清掃を容易に行える位置又は構造になっているとともに、回収槽内の水を消毒することができる設備が設けられていること。

(20) 水位計は、配管内を洗浄し、及び消毒することができる構造又は配管等を要しないセンサー方式であること。

(21) 配管内の浴槽水を完全に排水することができる構造とすること。

(22) 調節箱を設置する場合は清掃を容易に行える構造とし、薬剤注入口を設けるなど消毒が行えるようにすること。

(昭33条例60・昭34条例49・昭44条例27・昭55条例31・平16条例18・平21条例25・令3条例13・一部改正)

第2条の2 その他の公衆浴場のうち蒸気、熱気又は砂等を使用して浴室に同時に多数人を入浴させる施設の構造設備は、次の各号の条件を具備しなければならない。

(1) 浴室内の放蒸器、放熱器等は直接身体に接触しないような構造とし、浴室内に温度計を備えること。

(2) 入浴者の休息に必要な休息室を設け、その面積は脱衣室と同等以上とすること。

(3) 脱衣室、浴室及び休息室の出入口の扉には、施錠の設備をしないこと。

(4) 前各号のほか、規則で定める事項

2 その他の公衆浴場のうち個室を設けて入浴させる施設の構造設備は、次の各号の条件を具備しなければならない。

(1) 前項第1号及び第3号に掲げる事項

(2) 床面積は10平方メートル以上とし、適当な広さの脱衣室と浴室とに区分すること。

(3) 個室の出入口とびらに通路床面から1メートル以上の位置に無色かつ透明なガラス窓(縦0.3メートル横0.3メートル以上のもの)を設け、内部の見透しをさえぎるものを置かないこと。

(4) 個室内の照明用電燈は、当該個室以外の場所で点滅又は減光する装置とすること。

(5) 前各号のほか、規則で定める事項

(昭44条例27・追加、昭55条例31・平16条例18・令3条例13・一部改正)

第2条の3 知事は、公衆浴場の構造設備について、前2条の規定によることが困難であり、かつ、入浴者数その他特別な事情により公衆衛生上及び風紀上支障がないと認める場合においては、その基準を緩和することができる。

(昭44条例27・追加、平16条例18・令3条例13・一部改正)

第3条 公衆浴場の下足及び傘の置場は適当な場所に設けなければならない。

(昭44条例27・令3条例13・一部改正)

第4条 公衆浴場の脱衣場の設備は、次の各号の条件を具備しなければならない。

(1) 換気孔を設けること。

(2) 脱衣箱には施錠又はこれに代るべき設備をすること。

(3) 洗面所を設けること。

(4) 紙くず箱を1個以上備えること。

(昭44条例27・昭55条例31・令3条例13・一部改正)

第5条 公衆浴場の浴室の設備は、次の各号の条件を具備しなければならない。

(1) 入浴者数に応じた十分な数の湯栓及び水栓を備えること。

(2) 洗い桶及び腰掛を充分に備えること。

2 その他の公衆浴場には、前項に定めるもののほか、必要に応じた数のシャワー装置を備えなければならない。

(昭44条例27・昭55条例31・平16条例18・令3条例13・一部改正)

第6条 一般公衆浴場の営業者又は管理者は、次の事項を遵守しなければならない。

(1) 浴場の内外は常に清潔を保つこと。

(2) 浴場の出入口には、男女識別の看板を掲げ、かつ、夜間は標燈を点ずること。

(3) 浴槽水は、常に満水状態に保つとともに、十分にろ過した湯水又は原湯を供給することにより浴槽からあふれ出させ、清浄に保つこと。

(4) 水道法(昭和32年法律第177号)第3条第9項に規定する給水装置により供給される水(次号において「水道水」という。)以外の水を使用した原湯、原水、上がり用湯及び上がり用水並びに浴槽水は、規則で定める基準に適合するよう水質を管理すること。

(5) 水道水以外の水を使用した原湯、原水、上がり用湯及び上がり用水は、1年に1回以上水質検査を行い、その結果を証する書類を検査の日から3年間保管すること。

(6) 浴槽は、毎日(循環式浴槽にあっては、1週間に1回以上)、完全に換水し、清掃すること。

(7) 浴槽水は、塩素系薬剤を使用して消毒し、浴槽水中の残留塩素濃度を毎日測定して、規則で定める残留塩素濃度となるよう努めるとともに、当該測定結果を記載した書類を検査の日から3年間保管すること。ただし、原湯又は原水の性質その他の条件によりこれにより難い場合には、他の適切な措置を講ずること。

(8) 浴槽水(客ごとに完全換水し清掃するものを除く。)は、1年に1回以上、連日使用している浴槽水は1年に2回以上、水質検査を行い、その結果を証する書類を検査の日から3年間保管すること。

(9) 貯湯槽を設置している場合にあっては、次に掲げる措置を講ずること。

 貯湯槽の原湯の温度を、通常の使用状態において摂氏60度以上に保つとともに、最大使用時においても摂氏55度以上に保つこと。ただし、これにより難い場合には、レジオネラ属菌が繁殖しないように貯湯槽内の湯水の消毒を行うこと。

 定期的に貯湯槽の生物膜の状況を監視し、生物膜の除去を行うための清掃及び消毒を行うこと。

 設備の破損等の確認及び温度計の性能の確認を行うこと。

(10) 循環式浴槽を設置している場合には、次に掲げる措置を講ずること。

 ろ過器は、1週間に1回以上、十分に逆洗浄して汚れを排出するとともに、ろ過器及び循環配管については、1年に1回程度は生物膜の状況を点検し、生物膜がある場合は適切な方法で生物膜を除去し、及び消毒すること。

 配管の状況を正確に把握し、不要な配管を除去すること。

 浴槽水を塩素系薬剤によって消毒する場合は、当該薬剤は、浴槽水がろ過器内に入る直前に投入すること。

 浴槽水がある時は、ろ過器及び消毒装置を常に作動させること。

 集毛器は、毎日清掃及び消毒を行うこと。

(11) 水位計に通じる配管は1週間に1回以上、適切な消毒方法で生物膜を除去すること。

(12) シャワーは1週間に1回以上、内部の水が置き換わるよう通水するとともに、シャワーヘッド及びホースは6か月に1回以上点検し、内部の汚れを1年に1回以上洗浄し、及び消毒すること。

(13) 調節箱を設置している場合は、生物膜の状況を監視し、定期的に清掃及び消毒を行うこと。

(14) 浴槽に気泡発生装置等を設置している場合は、定期的に清掃及び消毒を行うこと。

(15) 消毒装置を設置している場合は、維持管理を適切に行うこと。

(16) 浴槽からあふれ出た浴槽水を回収する配管及び回収槽の内部の清掃及び消毒を定期的に行うこと。

(17) 第5号及び第8号に規定する水質検査の結果、規則で定める事項が水質基準に適合しなかった場合は、その旨を知事に報告すること。

(18) 営業者は、自主管理を行うため、自主管理手引書及び点検表を作成すること。

(19) 新たに営業を開始する場合又は営業を休止した後に再開する場合にあっては、浴場内を十分に消毒した後に営業を開始又は再開すること。

(20) 脱衣場は、しばしば消毒をすること。ただし、病毒汚染のおそれがある場合はその都度すること。

(21) 浴槽内に浴温計を1個以上備えること。

(22) 入浴者共用の手拭、くし、刷毛等の類を備えないこと。

(23) おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと。ただし、介助を必要とする者が利用する場合であって、その利用形態から公衆衛生上及び風紀上支障がないと認められるときは、この限りでない。

(24) 男女の区別した客用便所を設けること。

(昭44条例27・昭55条例31・一部改正、平16条例18・旧第7条繰上・一部改正、平21条例25・令3条例13・令3条例45・一部改正)

第7条 その他の公衆浴場の営業者又は管理者は、前条各号(第22号を除く。)に掲げる事項のほか、次の事項を遵守しなければならない。

(1) 浴用に供するタオル、くし、ブラシその他の物品は、客1人ごとに消毒すること。

(2) 従業員に、風紀を乱すおそれのある服装又は行為をさせないこと。

(3) 直接客に接する従業員が伝染性の疾病にかかっているとき、又はその疑いがあるときは、業務に従事させないこと。

(4) 浴場内に風紀を乱すおそれのある設備、装飾、物件等を設け、又は置かないこと。

2 個室を設けて入浴させるその他の公衆浴場の営業者又は管理者は、前項各号に掲げる事項を遵守するほか、営業時間を日の出から午後12時までの間において定め、これを客の見やすい場所に明示しなければならない。

(昭44条例27・追加、昭55条例31・一部改正、平16条例18・旧第7条の2繰上・一部改正、令3条例13・一部改正)

第8条 この条例は、公布の日から、これを施行する。

第9条 この条例施行のとき、現に従前の和歌山県令により営業の許可を受けて、公衆浴場を経営しているものは、第7条第1号第3号第4号第5号第7号及び第8号を除きこの条例を適用しない。ただし、第2条中の第13号第4条第2号第4号第5条第2号及び第7条第2号第6号の規定に適合しないものは昭和24年3月31日まで、第2条第1号及び第2号の規定に適合しないものは、昭和24年12月31日まで適合するよう改めなければならない。

(昭24条例1・昭55条例31・一部改正)

(昭和25年8月12日条例第31号)

この条例は、公布の日から施行する。

(昭和30年10月10日条例第38号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例施行前に法第2条の規定により許可を受けて設置した公衆浴場については、第1条の3の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(昭44条例27・一部改正)

(昭和33年12月25日条例第60号)

この条例は、昭和34年1月1日から施行する。

(昭和34年10月15日条例第49号)

この条例は、公布の日から施行する。

(昭和44年10月20日条例第27号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例の施行の際現に法第2条の規定により許可を受けて設置した公衆浴場のうち、この条例による改正後の公衆浴場衛生基準等に関する条例(以下「改正条例」という。)の規定により特殊公衆浴場となるものについては、その営業者は、当該公衆浴場の構造および設備につき改正条例の規定による特殊公衆浴場についての構造および設備に適合しない部分があるときは、昭和44年12月31日までにこれを適合するように改めなければならない。

(昭和55年7月22日条例第31号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例の施行の際現に公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第2条の規定により許可を受けて設置した個室を設けて入浴させる特殊公衆浴場の営業者は、当該公衆浴場の構造及び設備等につきこの条例による改正後の公衆浴場衛生基準等に関する条例の規定に適合しない部分があるときは、昭和55年9月1日までにこれを適合するように改めなければならない。

(平成16年3月24日条例第18号)

1 この条例は、平成16年10月1日から施行する。

2 この条例の施行の際現に公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第2条第1項の規定による許可を受けている者が経営する公衆浴場で、改正前の公衆浴場衛生基準等に関する条例第1条の2の普通公衆浴場又は特殊公衆浴場に該当するものは、それぞれ改正後の公衆浴場衛生基準等に関する条例第1条の2の一般公衆浴場又はその他の公衆浴場とみなす。

(平成21年3月26日条例第25号)

この条例は、平成21年4月1日から施行する。

(令和3年3月24日条例第13号)

この条例は、令和3年6月1日から施行する。ただし、第2条に9号を加える改正規定及び第2条の3の改正規定は、令和4年4月1日から施行する。

(令和3年10月5日条例第45号)

この条例は、令和4年4月1日から施行する。

公衆浴場衛生基準等に関する条例

昭和23年12月2日 条例第41号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第4編 環境生活/第6章 環境衛生/第3節 旅館・公衆浴場及び興行場
沿革情報
昭和23年12月2日 条例第41号
昭和24年2月11日 条例第1号
昭和25年8月12日 条例第31号
昭和30年10月10日 条例第38号
昭和33年12月25日 条例第60号
昭和34年10月15日 条例第49号
昭和44年10月20日 条例第27号
昭和55年7月22日 条例第31号
平成16年3月24日 条例第18号
平成21年3月26日 条例第25号
令和3年3月24日 条例第13号
令和3年10月5日 条例第45号