令和4年1月27日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見(令和4年1月27日)
広報課長:それでは会見を始めます。
知事:先ほど、健康福祉部技監から発表しましたように、とうとう、490人という、ちょっと、かつての和歌山県からすると信じられないような感染者が出ている状況です。我々は、実は、他県でも今回はあまりやっていませんが、和歌山県の方針として、あまりどんどんやるというわけではなかった不要不急の外出の自粛も、いち早く手は打って皆さんにお願いをして、いろいろな状況をずっとウォッチさせてもらっていますが、それでも止まらない状況です。
従って、次の手は、まん延防止等重点措置の申請をするということしかありません。私は、それをしないと言っているわけではないけど、必ずしも、それが感染の主たる原因というわけではないということなので、もうちょっと状況を見させてもらおうと思っていました。特に、大阪その他近隣県が、今日から時短を始めます。時短を始めると、たくさんの人が和歌山へ流れてくることになると困るので、(そうなったら)直ちに申請しますというふうに言っていましたが、どうも、490人の感染者を考えると、可能性だけで申請をしようというふうに思い、先ほど、山際大臣にお願いをいたしました。
ただ、これは、形の上では、まん延防止等重点措置の適用について、ご相談を申し上げるということになり、事務的な手続きを経て、いつ要望したかが決まるので、我々としては、お願いしますというつもりでいますが、形式が整うのがいつになるかは、今の時点ではわかりません。
それから、中身として何をするのかについては、当然、基本的対処方針に基づいて(対策をすることになりますが)、今までやってきていなかったこととなると、まん延防止等重点措置で、その地域になると時短の要請をすることになります。どこをやるかについては、まん延防止等重点措置の場合、区域を県知事が決められます。論理的に言うと、大阪なんかに近いところ、或いは盛り場の多いところは、和歌山市周辺ですが、今回のケースで言うと、全県的に感染が広がっているし、今、現にたくさんの人が来ているということではなく、予防的にやるということで、全県を対象にしたいというふうに思います。
従って、今まで、随分たくさんの措置をやってきましたが、措置の追加ということになりますと、時短を全県についてやるということにしたいというふうに考えています。
もちろん、ずっと前から申し上げていたように、私が、不要不急の外出は自粛と言ったことも加わっているし、その前からオミクロン株が広がっているので、やっぱり皆さん自衛されて、かつ県知事からも要請したので、それが加わって、人出或いはサービス業関係のお客さんの入りは、随分減ってきています。 従って、ずっと申し上げていたように、これについては、ちゃんと救済をしたいと思いますが、政府に認められて、まん延防止等重点措置の地域になり、それに基づいて時短をお願いした時は、当然、協力金が出ることになります。その協力金のあり方は、国によって決まっているので、それに従って出ます。ところが、現状では、飲食店の協力金は、その他の業種に対する救済に比べると、かなり大きい。従って、もちろん法律に基づいてこれが出るので、いただくことにいたしますが、他の業種との公平を考えて、救済の時には、まん延防止等重点措置の協力金をいただいている方については、それを控除させていただくということは、やらせていただきたいと思います。その分、他の業種の方々に手厚くしたいというふうに、私としては思っています。
以上です。
広報課長:ご質問をお受けします。
産経新聞:山際大臣にご相談と言われましたが、いつぐらいにどういうお話をされて、どういうご返答があったのでしょうか。
知事:今日の午後、和歌山県の現状をご説明しがてら、一日で490人も出ていることを鑑みると、和歌山県も、まん延防止等重点措置の申請に転じたいというふうに申しました。それについては、イエスとかノーとかというよりも、それは大変ですからということで、非常にシンパシーを感じるようなご発言がありました。
ただ、どうも手続き的に言うと、電話で一言申し上げたら申請になるわけではないようなので、そこについては、事務的な手続きを経て、正式に申請したことになるということを言われています。
産経新聞:和歌山県としては、これから事務的な手続きに入るということですが、
知事:もう入っています。
産経新聞:それも、今日からということですか。
知事:そうです。
産経新聞:他府県の状況を見ると、対策本部会議を開いたりして、時短は何時からだとか、時短とお酒の提供、ワクチン・パッケージの適用等々について、詰めています。そのあたりは、どういうスケジュールで検討されますか。
知事:これは、常に、瞬時に検討しています。もちろん、私が1人で決めるわけではなくて、情報収集はそれぞれの司司でやっているので、私のところへパッと情報を集めて、今回も決定いたしましたので、県庁の関係する幹部は知っています。
和歌山県は、対策本部を開いてどうのこうのという悠長なことは、いつもしないで物事を決めている。ただ、形の上では、みんなに情報は共有して、これでやることにしようということをもって、本部を開いたことにするということに、ずっとしています。
産経新聞:今後は、対策する案を早急に固めて、国との調整を経て、出せるタイミングで速やかに出して、要請するという形になりますか。
知事:はい。もうすでに手続きが始まっているので、地域については、国に認めていただいたら、適用対象になります。そうすると、特措法に基づいてしなければいけないことの中で、まだしていないことは、私は時短だけだと思います。他のことをもっとたくさんやってもいいのですが、時短についてはやりますと申し上げています。
中身の細かいことは、まだ議論をしていませんが、基本的には、和歌山県は、そんなに夜遅くまで人がたくさんいるわけではないので、結構、浅い時間で時短をすることになるのではないかというふうに思っています。
産経新聞:今週月曜日の定例会見の時には、時短について、今日は考えていませんという説明をされて、そもそも、その時点で、夜の飲食店もそんなに流行っていないし、(大阪などから)バッと(人が)来たら、その時考えるという説明をされました。その状況は、月曜日からある意味変わっていないと思いますが、考えを変えられた理由はどういうところですか。
知事:元々、あまり流行っていなくて、みんなが群れているから止めなければいけないというわけではない。だけど、大阪が時短をした時に、その影響を見て、ドッと人が来るようだったら、それはすぐしないといけませんというふうに言っていました。
(大阪などの時短は)今日からですから、実は、今日の結果を見てということを、その時は想定していました。ただ、(感染者の)増え方が尋常ではないというふうに思うので、様子を見て確かめていたら、間に合わないかもしれない、もっと広がってしまっているかもしれないと、今日は思いました。この(感染者の)出方は尋常ではないので、中身を慎重に確かめるというよりも、予防的に可能性があるからやってしまおうというふうに思いました。
まん延防止等重点措置になってもならなくても、時短以外、基本的対処方針に書いていることは、全部すでにやっています。従って、時短をするかどうかは、大阪その他の動向によるというふうに思っていましたし、それを実証的に確かめてからしようかと思っていましたが、理論的に可能性があるなら先にやってしまう。なぜかと言うと、490人というものすごい感染がある中で、時間が遅れたら、もっとすごいことになる可能性があります。すべて可能性ですが、その可能性のところを摘んでおこうというふうに考えました。
NHK:(感染が広がる)可能性があるのでということでしたが、今後、申請手続きを進めていく中で、もし、大阪から人が来ていないような現状があった場合は、要請を見直すとか、そういったことは考えていますか。
知事:それは、極めて堅苦しい理屈の問題ではないかと思います。一回申請をしておいて、あんまり来ないから止めるというのは、ものすごくマイナスというか危ないメッセージを発してしまう可能性もあります。ですから、そこは可能性を封じてしまうというふうに決断しました。現実には、我々は、しばらくの間は時短できません。してもいいけど、無理矢理はできないので、多分、適用時期になってからやると思いますが、その間に、(大阪などから)来ないとなっても、そこは可能性にかけたので、いちいち、今おっしゃるようなことはいたしません。
NHK:月曜日の時点で、まん延防止等重点措置は、飲食店の時短であって、アナウンス効果とかを求めるのは邪道だというようなお話がありました。今回についても、やはり、あくまで飲食店(への感染対策)というところでしょうか。
知事:基本的対処方針により、飲食店の時短を必ずやりなさいとなっています。場所とかやり方とかは、私に任せられている。ですから、まん延防止等重点措置をお願いしますと言った瞬間に、それはもう宿命づけられます。
NHK:期待する部分としては、飲食店を時短して、(人が)来るところの可能性を潰すというところだけですか。
知事:そうです。もちろん、飲食店も、今まで、夜遅くに人がいないわけではありません。その人が感染している可能性もあります。ただ、そこばっかり(感染が)あるかというと、今、世の中で議論になっているように、そこばっかりではないだろうというのは、一般的な意見になっているし、私もそう思います。
ただ、今、我々としてやれることは、それしかない。そうすると、それもマイナスにはならないだろうから、プラスアルファでやってしまう。490人も(感染者が)ある状態を放置したら駄目だから、ちょっとでも可能性があるところはやってしまう。こういうふうに思いました。
NHK:手続き上のものがあると思いますが、いつまでに、まん延防止等重点措置の適用を目指すとかはお考えでしょうか。
知事:国のスケジューリングが許せば、私たちはそうやって決断したのだから、この瞬間にでも認めていただいたら、それでいいです。ですから、あとはもう国次第ということで、できるだけ早くお願いしますというふうに言うしかないと思います。
毎日新聞:まず、今の県内の感染状況の認識をお伺いしたいのですが、感染爆発なり或いは市中感染なり、今どういう状況だというご認識でしょうか。
知事:まず、爆発です。それから市中感染です。今言われたことについては、全部そうだと思います。
毎日新聞:県全体ですか。
知事:県全体です。
毎日新聞:(感染が広がる)可能性という点であったら、もうちょっと早めに協議を開始するというアナウンスをされても良かったのではないかと思います。ややちょっと後手に回った感も感じられますが、それはいかがですか。
知事:それは、甘んじて批判に耐えたいと思います。やっぱり490人も出なければ、もうちょっと様子を見たのではないかという気はします。例えば、そこがものすごい感染源で、そこさえ抑えれば(感染が収まる)というのだったら、可能性やいろんな議論もしないで、とにかく抑えに行っています。例えば、1月初めに発生したオミクロンの発症は、いくつかのルートがありますが、大規模な会食などがいくつかありました。それから、新年会とか成人式を踏まえて(会食が)あったというところから始まっている。それから、スポーツ合宿その他から始まっている。他のところは、そんなに広がっていなかったので、そういうところは、早速抑えなければいけないといって、パッと抑えにいったわけです。それは迅速にしなければいけない。だけど、今、どこからどうなっているかわからないような状態で、ボンボン(感染者が)出ています。ですから、すべての可能性を全部潰すというと、一切外出をしてはいけませんとなって、自粛どころの話ではないので、そんなことはできません。
ですから、若干、状況を見ていたところはあって、可能性があるとすれば、もっとやっても良かったのではないかというのは、結果論ですが、それが間違いというのも言えません。ただ、できなかったことは事実だと思います。
朝日新聞:まん延防止等重点措置に消極的だったのは、経済的な影響であるとか、或いはそれだけが(感染の)原因とは見られないというところですか。
知事:あまり経済的な原因はありません。なぜならば、すでに経済的には、かなり落ち込んでいて、それ(まん延防止等重点措置)をというのは、ちょっと道義的にどうかという議論はあるけど、経済がそれでガタガタになるという話は、すでにガタガタになっているということです。
ただ、まん延防止等重点措置が、発動できる残された唯一の手段になって、それに時短がくっついていて、マイナスの効果は別にないわけだから、感染がさらに拡大するという可能性を考えて、予防的にやってしまえというふうに思ったということです。
朝日新聞:今日の午後、(山際大臣に)ご相談ということでしたが、要するに、490という数字を聞いて、ちょっとこれは跳ね方が酷いというところですか。
知事:そうです。ずっと毎日、様子を聞いています。実は、ちょっと保健医療行政の手が回らなくなりつつあるというのが、ここ1週間ぐらいありました。それは、みんな健闘してくれていますが、一部のところで、洪水のように漏れている可能性があって、そういうのを放っておくと、止めどもなく広がるので、どこかを申し上げるつもりはありませんが、いろいろ相談して、できるだけそういうところの穴を塞いで頑張って、保健医療行政の積極的疫学調査を続けるということを、やってきました。
そういうのを、毎日、状況に応じてやってきていますが、どうも、この数からすれば、それこそ本当にそういう努力をしても、(感染を抑えるのは)ちょっと難しいかもしれないというような感じになってきています。ですから、その時点でまだ残っている措置、例えば、不要不急の外出自粛が残っているとすれば、すぐに(その手を)打ちますが、それはもうカードとしては切ってしまっているので、継続的にお願いしますと言うしかない。そうすると、残されたカードは何かというと、まん延防止等重点措置で時短をするということしかない。それじゃあ、もうやろうということです。490人のインパクトというのは、そういう意味です。
朝日新聞:今、洪水のように漏れているとおっしゃったのですが。
知事:洪水のように漏れていったら大変だと。
朝日新聞:先ほど、健康福祉部技監にも質問させていただきましたが、要は、積極的疫学調査で、濃厚接触者の検査とかも、ちょっと後手に回ってしまっている状況ですが。
知事:250人から300人の時点でもちょっと危なかったので、その時は、てこ入れをして、(陽性者の感染状況を)追えるようになるのではないかというぐらいの期待はありました。きちんと追えるようになっていけば、希望的に言えば、いつか(感染者数が)落ちてくることもあります。そうなると、あとは、重症化を防いで命を助けることが大事になりますが、ちょっと(今は)追えないかもしれないということなので、これは、残されたカードは全部切らないといけないということだと思います。
読売新聞:まん延防止等重点措置の期間は、現段階でどれぐらいをお考えですか。
知事:むしろ、国がお決めになると思います。感染状況を見て、こんなの長くやると国も大変なので、そんなに長くは認めてくれないと思いますが、国次第です。
読売新聞:どの程度必要だろうとかいう、知事のお考えを。
知事:あんまりよくわかりませんが、オミクロン株に対する見方として、私は、今日この瞬間には、全然楽観的ではありません。まだもっと増えるのではないかと思って、こういうことをやっています。ただ、専門家の中では、いずれ落ちてくるというような人もいますから、そういうことを政府はいろいろ考えて、我々は、今のところ最後に乗っていこうとしているグループですが、それをどこまでやるかは、これから政府が決めてくれると思います。
産経新聞:これまで、全国的な状況を見て、申請しても適用してもらえるかどうかも、判断の一つというような話がありました。現状、和歌山県内の感染状況としては非常に厳しい状態になっていますが、全国的な状況から見て、(まん延防止等重点措置の)適用条件に当たると、知事は思われていますか。
知事:今言われたのは、前政権の時の話です。多分、私はそういうふうにして申し上げたつもりで、今回の政権に関する判断で、そういうことを言った覚えはないのですが、ひょっとして間違って誤解されているとしたら、ごめんなさい。
前政権の時は、まん延防止等重点措置の対象は、割合、横並び、底並びを議論されました。和歌山県は、当時、感染は結構あるけど、まだ全員入院体制を堅持できていて、他のところは、医療が大崩壊してめちゃくちゃになっていたような感じでした。従って、全員入院というのは、他の地域のように、ホテルや自宅を療養対象として考えたら、あの時は(病床使用率が)最高96.5%もありましたが、実質的には、その五分の一とかに下がってしまう状況でした。そういうことを考えると、ご冗談でしょうと言われてしまいますというのは、当時の相場としてありました。
現在はどうかというと、方針として、どうも、それぞれの知事のご要請に答えますという感じです。ですから、まん延防止等重点措置で時短はやりたくない、やるのはおかしいと言っておられるところは申請しないし、そうでないところはする。それで、(申請)したら、どんどん認めていきますという感じなので、認めてくれるのではないかと思っています。
現に、和歌山県よりも、もっと感染が大したことないところがありますが、それも、もう(まん延防止等重点措置区域に)なっています。それは、知事のその時の考え方だと思います。
広報課長:他にございませんか。これで会見を終わります。