令和3年5月28日 知事臨時記者会見

知事臨時記者会見(令和3年5月28日)

「県民の皆様へのお願いの変更等」

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知事:今日、緊急事態宣言の延長等が行われると思いますので、それが行われたという前提で、予めこれに対する見解とか県民に対してどういうメッセージを出すかについて、申し上げておきたいと思います。

 まず、(フリップの1枚目を)見ていただきますと、緊急事態宣言の延長がなされた、それから、もう一つ、一部を除いてまん延防止措置の重点区域の延長もなされたということで、我々の県民に対するメッセージも、もうしばらく、不要不急の外出を控えるようにお願いしたいと思います。

 和歌山県は、基本的なポリシーとして、あんまり制限、制限というと、いろいろな副作用がたくさん出て、県民生活が壊れていったり、あるいはもちろんビジネスも経済も駄目になっていき、それによって深刻な他の不都合が出てくることも考えられるので、あんまり制限、制限ということだけに頼らないというふうに、ずっとやってきました。ただ、変異種の猛威によって、和歌山も随分多くの人が感染するようになってきたので、これはやっぱり、ちょっと保健医療行政の頑張りだけでは防げないということで、4月から不要不急の外出を控えるということを、お願いするようにしました。

 これで、随分、和歌山県も感染者が減って参りました。ちょっと危なかった時期もありますが、依然としてというか、全員入院というポリシーは堅持することができています。しかし、近隣の府県あるいは日本全国を考えると、感染の山を完全に越したとも言えないし、山を越してもまだ大分残ってるというふうに思いますので、あんまり油断しすぎると危ないというふうに思います。

 もちろん、我々の保健医療行政もまだまだ気を抜かないで頑張りますが、あわせて県民の皆さんにも、どうぞ不要不急の外出を控えるということで、平にご協力をお願いしたいと思います。

 その他、少し手直しをしたいというふうに思っています。

 まず、学校の部活動については、大分前に、実は、県内校も含む練習試合で、随分多くの生徒さんが感染した事例がありました。全国大会や近畿大会などに繋がるような県大会などは、やっぱりそれを目標にして頑張ってるんだから、たとえ無観客でもやるということですが、そのプロセスとしての強化試合や練習試合は、しばらくちょっと止めてといた方が安全ではないですかというふうに思いました。大会も、特に、4月5月にあった県だけの大会は中止しようかというふうに思って、そのように運用してきました。だけど、いくつかの中学校で練習試合で連鎖的にうつったころから、ずっとそういう事例が観察されていないので、もう学校の部活動の制限は緩和していいだろうというふうに考えました。それで、県外はまだ感染者がかなり多いのでちょっと用心をして、県内校との練習試合や校内活動は、感染防止対策を十分講じた上で実施してもらって結構ですということにしようと思います。

 それから、その(フリップ1枚目の)下にあるように、県外校との練習試合、合同練習等は引き続き禁止にしたい。県外の状況が改善されてきたら、もちろん解除しますが、今は和歌山県の中で大丈夫だろうという判断ができるということです。ということで、これは一つ緩和します。

 それから、営業時間短縮要請を、和歌山市の飲食店に限って21時以降の営業は自粛してくださいと言ってきました。これは、法律の24条9項の措置として行い、協力金もお支払いし、その前提としては内閣官房の了解も得て行ってきましたが、関西はちょっと収まってきたけど、全国的に感染が全体的にはどんどん広がっている事態で、和歌山よりももっと深刻なところがたくさんある。その中で、和歌山は、感染者も少ない上に時短をして、その心は予防的な時短だったわけですから、このまま続けるのはいかがなものですかというような意見が政府の方からあり、これはしょうがないなということで、和歌山市の21時以降の時短要請は、我々からは言わないことにいたします。

 ただ、安全にやってもらわないと困るので、これについては、パトロールと言ったらちょっと言い過ぎですが、我々は見守りをずっと続けようと思います。和歌山市にも、それをお願いしようと思います。

 仮に、予防的措置が解除された結果、本当に大ラッシュが起こっているということであれば、それはまた内閣官房に言って再開することはあるかもしれませんが、今のところ大丈夫だろうと思っているので、監視だけは続けさせていただくということで、これは解除いたします。5月31日をもって解除ということです。

 もう一つ、今、抗原検査を、何か疑い事例があるかないかにかかわらず、とにかく福祉施設に、あるいは福祉サービスの全従業員に、一週間に一回ずつやってくださいというお願いをしていました。これを変えまして、全員体制から、体調不安あるいは疑い事例がある方々にやってくださいという、元のやり方に変えたいと思います。

 もともと、県内の様々な医療機関、福祉機関あるいは福祉サービス機関に、いろんな機器を配っている。一番レベルの高いやつはPCRの検査装置で、一番軽いものは抗原検査キットですが、これをたくさん配っていて、それで、もともと体調不安の職員を対象に、随時実施してもらう。ちょっとでも、例えば、家族がうつってるとか、実際に体調が悪くなくても、ちょっと心配ですがというような時に、どんどんやってくださいということで配っています。それに(そのやり方に)戻すことにしたいと思います。とにかく片っ端からやるのは、費用も膨大なものになってきますし、感染がちょっと収まってることもあるので、この(フリップ2枚目の)青のところの体調不安の職員、不安というのは実際に体調が悪いということだけでなく、ひょっとしたらうつってるかもしれないというような方にも、随時、抗原検査キットを使って検査してください、何かあったら言ってください、ということにしたいと思っています。令和3年6月7日からそのようなシステムに変えたいというふうに思います。これは何で6月7日からでしたか。
長寿社会課長:今週の週末まで施設に配らせていただいたキットで、6月6日の週までは検査できるので、6月7日からは、通常の方に(変える)ということです。

 そんなふうに長寿社会課長が言っておりますので、6月7日からそのシステムに変えることにしたいと思います。

 まだまだたくさん、注意事項やお願いがあります。これ(資料2枚目)については、そういうことを全部溶け込んだ形でまとめていますので、これが、今、県民に対するお願いの全てです。よろしくお願いします。

 それから、昨日、関西広域連合の会合がありました。そこで、(資料を)お配りしてると思いますが、我々は「緊急事態宣言の再延長について」ということで、自分たちが府県民に訴えたいと思ってることと、政府に対してお願いしたいことの両方の形で、短い方がいいだろうということで、一枚紙にまとめて声明を発表いたしました。一番大事だと思うところだけ集めて入れました。ぜひ、それを報じていただきたいというふうに思います。もちろん、和歌山県もそれに縛られます。

 それから、直接、関西広域連合の構成の府県市民の方々に、今一度責任ある行動をということで、感染防止の徹底をお願いすることにしています。

 特に、この中で、私が特にお願いをして強調して入れてもらったんですが、ちょっとでも症状があるとか、ちょっとでも変だったら、お勤めにあるいは学校に行かないで、クリニック、その他、とにかく検査できるところへ行って、新型コロナの検査をしてください。そしたら、早期にいろんなことが分かります。これが長引くと、本人がものすごく悪化してしまうこともあります。今の世の中、何のこれしきと思ったらいけない。医療機関も、何だこんなの大したことないと初めから決めつけないで、ごく初期で症状があまり出てない場合もあります。それも公費で検査できるので、PCR検査をぜひやってもらえるようにお願いしたい。それがすぐできなかったら、抗原検査でも何でもいいから、とにかく検査をしてもらいたい。最近の事例を見ますと、どっちかが十分ではないのがあります。住民の方々がなかなか行かないケースと、住民の方々は結構早めに行ってるけど医療機関が検査をしないで済ましてしまって、やっぱり(症状が)いけないとなって、ずっと罹ってから、もう一回あるいは別のところへ行ったら、あっという間に陽性が確認されたというようなことがある。最近の事例はものすごく変化していて、そういう人(熱が上がる人)もいるけど、熱がいきなり上がるとも限らない。ですから、熱は大したことないし、気分が悪くて味もちょっと変だけど、まあ大丈夫だろうと思うのは、普段だったら美徳かもしれないけど、今はとにかくそれは止めてもらいたいということを、関西一円でお願いしたいというふうに思っています。

 こっち(資料6枚目)で言うと、特に、我々は議論して、ワクチンの問題とかいろいろ載っています。ワクチンも、和歌山県は接種が早いんですが、これはやっぱり、全行政が一丸となって、全医療機関にとにかく協力依頼をして、それぞれの町に合った一番ふさわしい形でどんどん打ってるから、早く済んでいます。ところが、早く済んでるということは、配分量は同じですから、実は在庫が一番少ないと言ってもよろしいかと思います。つまり、もう配分されたけど、倉庫に眠ってるやつが一番少ないということと、全く同じことを言ってるわけです。従って、その人たちが次に進めなければ、せっかく体制ができてるのに待たないといけない。そんなのは、日本のためにならないから、どんどん(ワクチンを)回してくださいと、河野大臣にも言いに行きましたし、全体として早くやってくれということを訴えています。

 もう一つは、インド株がやっぱり怖い。従って、インド株を封じ込めるためには、ここ(資料)にございますように、変異株をどうやったらいいのかということについて、知見があったら、全国に早く発信して欲しいし、情報提供もどんどんやって欲しい。この関係では、和歌山県も含めて、インド株だということを早期に見つけ出すのは、大変難しい。和歌山県は、変異株だということを見つけるのは、一、二日後ぐらいでできますが、「これは何株だ」については、国立感染症研究所に検体を送って調べてもらっています。最終的にはそこで判定が下りますが、これが結構時間がかかる。各県とも同じような状況です。従って、これが分かった頃には蔓延してるので、イギリス株でひどい目に遭った関西としては、ボーッとしてはいけないというのが、我々全員の考え方です。従って、それを何らかの形で、できるだけ早く返してくれということと、自分たち自身も、これちょっと危ないのではないかというような話を、完全でなくてもいろいろ分かったら情報交換しましょうというふうになっています。テクニック的には、6月1日ぐらいから、インド株が分かるような試薬が購入可能になってくるらしい。そういうことも、みんなで買ってどんどん判定をつけていこう。今、イギリス株がものすごく増えているので、イギリス株でなければひょっとしたらインド株かもしれないというようなことを、考えた方がいいというような意見もありました。我々も同様です。

 これの一番の決め手は、まだ少ないんだから、一番頑張って欲しいのは検疫です。海外から入ってくる人について、徹底的に調査をしてもらいたいのですが、今、関西でいくつか発見されてるインド株について、実はいろんなことが分かっていて、検疫を抜けるときは陰性だった。その後、陰性でも2週間の自宅待機ですが、その自宅待機の間に発症してるということがあります。具体的な例が和歌山は無いので知りませんが、ひょっとしたら、その人がそうなったかどうかではなく、可能性として、その方々が自宅待機を守らなかったら、いろんな人にうつしてしまうことになる。これは可能性で、今なった人がそうだと言ってるわけではないので、決してそう書かないでください。従って、やっぱり地元の保健所が、それをちゃんと理解していないといけないと思うので、検疫を通り抜けて、今自宅待機をしてる人が誰であるかについての情報を、住所が分かってるのだから、必ず自治体に早期に通知してくれないかということを書いています。

 そんなことで、水際対策とその後の連絡について、ぜひちゃんとやってくれないと、インド株がまた流行ってしまったら遅いという危機感を、我々がものすごく持っているということで、この声明に載せています。

 以上です。

質疑と回答

朝日:県民の皆様へのお願いですが、まず一点目で、不要不急の外出を控えるというところで、今まで期間を区切ってたのが、期間を外すということですか。

知事:いやいや、そういう意味ではなく、しばらく続けますという意味です。永久にやりますということを、メッセージとして出してるわけではありません。しばらく続けますということです。

朝日:どれぐらい。

知事:分かりません。感染状況を見て考えたいと思います。私のようなポジションにいる人からすると、キツイことを言っておいた方が、何となく身が安全というところはあります。だけど、その結果、自分の身が安全かもしれないけど、県民生活がガタガタになる度合いが高くなってくるのも、あまり良くないと思っているので、まあ大丈夫かなというふうな判断がつけば、こういう一般的な自粛要請は止めたいというふうに心の中では思っていますが、まだ、5月31日を超えた6月1日からの時点ですぐに止めてよろしいというのは、ちょっと逆のメッセージが出すぎるかなというふうには思います。従って、しばらくそのままにしておくということです。

朝日:今、緊急事態宣言の再延長が6月20日の方針になっていますが、それより超えるとか、それより短くなる可能性もありますか。

知事:あります。

朝日:短くなる可能性もある。

知事:はい。和歌山県の状況を考えます。

朝日:今の和歌山県の状況で、すごく県内の感染者が減っている状況を見ても、まだ、不要不急の外出を控える。

知事:でも、(新規感染者数が)すぐ二桁になります。和歌山県の私の心の中の満足水準から言えば、0人とか1人とか2人とか5人とか一桁とかだったら、たまにはしょうがないという感じもあるかもしれませんが、油断するとすぐ二桁になるような状態は、やっぱりまだ少しちゃんと注意した方がいいと思います。

朝日:しばらくというのは、感染状況を見て、状況がどうなったらこれも外せるというのは、今のところは。

知事:大分減ってきたらです。現在の病床状況は、例えば、十人増えたらいっぱいとかはないですが、すぐ悪化します。酸素を吸ってる人(酸素投与者)用に確保してる病床からいうと、決して余裕があるわけではない。ですから、ワーッと増えてきて、どんどんその人達が酸素を吸わないといけないような状態になったら、ちょっと逼迫度が高まってきます。もっと悪い想像をすると、その人の中には、全国的重症者、すなわちICUに入って挿管しなければいけないような人が、中には一定比率出てくる可能性があります。だから、油断はできない。今、深刻かと言われたらそんなに深刻ではないかもしれないけど、油断はできない。そんな状況ではないかと思います。

朝日:一方、時短要請を解除する中で、時短要請は解除するけど、不要不急の外出を控えて欲しいと(なると)、なかなか和歌山市の場合だと、お店が開いたとしても行きづらい思いもありますが、その辺りは。

知事:それは、どうせこういうやつはみんな要請ですから、それぞれの判断です。やっぱり我々は要請してますが、どうしても「うーん」という方まで強制はできないし、どうしても開きたいというお店があったら、それは言わないですが、まだお客さんは少ないかもしれませんねということは、想像していただいたらいいと思います。

朝日:知事としては、今回、政府と協議した結果、他のことも含めると、予防的な意味でやってる和歌山県は、ちょっと一回時短要請を止めようかということですが、知事としては、実際はまだ時短要請を続けたいということですか。

知事:ちゃんとお金もいただけて、どうせ外出の自粛要請は続けなければいけないと今は思ってるから、(時短要請を)もうちょっと続けてもいいかなという気持ちはあります。だけど、もともと(それほど感染の)実態のないところへ、大爆発している大阪からウワーッと来るかもしれない中で、あの時は和歌山も多かったし、自分たちも大爆発するかもしれなかった。それが、大阪からの乗り越えで引き金を引かれたらかなわないということについて、(国に)非常に訴えやすかった。だけど、世の中の相場からいうと、和歌山自体が収まっていて、何となくこの秩序が少しできてきたような気もするし、大阪なんかも、前よりは大分マシになってる。そういうことを考えると、政府として、時短要請で協力金をくださいというのはもう止めてくださいというのは、そうだろうなという感じはあります。

朝日:今後も見守りは続けていくということですが、どんなところを見守る。

知事:実際どうなってるか。例えば、どこかの店が時短要請がなくなったから、もうやるぞと言ってやって、ものすごい大ラッシュが起こってるということになると、ちょっとやばいです。そういうことになっていないかどうか。何人かのお客さんは、ずっと昔から来てたわけだから、実際、禁止する権限は何もないけど、すごい大ラッシュが起こって、その一帯が群がってますということになると、ちょっとこれは危ないというふうに思います。そうすると、また内閣官房にお話をして(時短要請を)やらせてもらうということも、あるかもしれません。そんな状況です。

朝日:ちなみに、今回の時短要請(の解除)は、和歌山市長からどうですかという話もあったかと思いますが。

知事:はい。和歌山市長は(時短要請を)やってくださいと言っておられます。

朝日:事前に、時短要請を解除することはお伝えしている。

知事:もちろんです。

産経:不要不急の外出を控えるという部分(の解除)については、感染状況を見てというお話でしたが、具体的にどの指標を見るかというところで言うと、病床と日々の感染者数ですか。

知事:今の状況を見れば、新規感染者数だと思います。

産経:そこを一番重視して判断する。

知事:というのは、(病床の)ストックのところは、ちょっと今、空きも出始めていますが、そっちが逼迫するまで、感染者がいくら増えてもいいですというわけにはいかない。だから、やっぱり今の和歌山にとって一番大事なところは、新規感染者数ではないでしょうか。

産経:今日にも、大阪など9都府県の緊急事態宣言の延長が決まります。和歌山県はちょっと外れますがそこについての受け止めと、大阪が引き続き(延長)される中で、和歌山市内に関しては緩和されるという判断になってしまいます。そのあたりの整合性についてお願いします。

知事:まず、全体的なレベルの高さから言えば、やっぱり大阪も随分減ってきて、今、一番多かった時の3分の1ぐらいになっているので、大阪もよくやられたというか、ここまで持ってこられたと思います。だけど、じゃあメッセージを完全に変えていいかというと、それは政府の判断だけど、ちょっとできないでしょう。だから、延長だとお考えになってそう決定されるのは、妥当だというふうに私は思います。

 和歌山と大阪との関係でどうかというと、前よりも、感染状況が大分減っているのは明らかです。特に、阪南あたりはかなり減っていて、和歌山県の紀北とそんなに変わらないぐらいになっているということもあり、かつ、このやってる措置(時短要請)は、かなり予防的にねじ込んでやらせてもらったところもあるので、これを続けるのはいかがなものかと言われた時に、抗する材料がない。こういうことでしょう。

読売:今回、不要不急の外出を控える要請について期限を切らないということですが、これまで、緊急事態宣言の期間に合わせて、5月31日までとかにしてきたと思います。今回、それに合わせた要請にしない理由は何かありますか。

知事:その前に、ひょっとしたら解除できるかもしれないということもあるし、ずっと続けるということもあるかもしれないので、当分ということにしたいということです。

読売:一方で、期限を切らないことで、いつまでこれを続けたらいいのか分からないという、県民からの不安とかがあるのではないかと思いますが、それについてはあまり懸念されていない。

知事:あんまり私の想像では、そんなふうには思われないと思います。仮に、新聞の見出しが、永久に自粛だと知事が言ってますといったら、それはいつまでだと。期限を明示しないで、もうずっと続けるんだというふうに言ってるとすれば、いつまでだというふうには思います。だけど、ひょっとしたら解除できるかもしれないけど、まだちょっと早いので、当分続けますというのがメッセージなので、それを伝えていただいたら、今のような懸念は多分出ないのではないか。期待してます。

読売:基本的に、6月20日よりも前の解除を目指すというイメージでよろしいですか。

知事:目指すというか、こんなのは目指せない。努力の関数ではなく状況の判断の関数で、そういう可能性は排除できないから、当分の間というふうに思っていただきたい。

読売:時短要請の解除についてですが、予防的措置が解除されてラッシュが起きることについては、今のところ大丈夫だろうと思っているというふうに話していましたが。

知事:今の現時点で大丈夫だろうと思っています。大丈夫でなければ、その材料を(国に)持っていって、(時短を)もっとやらせてくださいというふうに言いますが、言う材料がないということは、逆に言うと、大丈夫だろうということになります。しかし、案に相違してということはあるから、ちゃんとウォッチしながらやっていきます。

読売:言う材料がないから大丈夫であろうというのは、どういう意味でしょう。もう少し詳しく教えてください。

知事:発言が論理的でなかったかもしれません。さすが聡明な方で、そういう論理ではなく、状況を二つ並列的に並べたと解釈して欲しいと思います。もうちょっと言いますと、現状を考えたら、大阪も(感染状況が)落ちてる、阪南地域もあんまり感染がない中で、ものすごく遠くから和歌山へ飲みに来るかというと、あまり考えられないので、近場から来るとすると、あんまり可能性は多くないだろうというのが一つと、現実に和歌山の感染もかなり収まってきてるので、大丈夫かなというのもあります。

 さらに言うと、もともと、実態があんまりなかった。そこに多くの人が集まって感染してる実態はなくて、予防的にやった措置ですから、いろんな意味で、これは絶対続けるぞということについての、合理性がなくなってきつつあるという判断です。

NHK:ワクチンの話で、河野大臣に要望した話があったと思いますが、河野大臣がどういうふうに答えたとか、手応えについて教えてください。

知事:まず、(ワクチン接種で)全体を早く終わらせるのは国の方針でしょうと言ったら、全くその通りだと。和歌山のように早く終わってるところが待たされるのは、全くまずいでしょうと言ったら、その通りだと。完全に意見は一致しました。河野大臣が言っておられたのは、しかし、ファイザー社のワクチンの確保が、そんなに余裕がないと言っておられました。従って、和歌山がどんどん打てるから湯水のようにどんどん提供できるかというと、ちょっと実務的に難しいところがある。しかし、モデルナがかなり余裕があって、同じように効くので、これを提供することはかなり可能性は高い。ただ、モデルナとファイザーを混同すると、何かおかしい。ファイザーを一回打った人はファイザーを打たないといけない、モデルナの人はモデルナになるので、同じ個別接種機関などに、ファイザーとモデルナを一緒に突っ込むのは、実務的にもあまりよろしくない。従って、集団接種を、今後、和歌山市なども補足で一般の時に考えるという話もあったので、そういう時には、モデルナを大いに投入するということでどうかという案があって、それは評価すべきだと思います。考えてくださった。

 しかし、と私はちょっと食い下がりまして、次に(接種の順番が)来るのが、基礎疾患のある人です。基礎疾患のある人は、かかりつけ医なんかが一番(疾患を)よく分かってるわけですから、やっぱり個別(接種)で、集団接種場に全部誘導して(接種)というのは、あまり合理的ではない。だから、少なくとも、基礎疾患のある人をやってる間、それから60歳以上の人は、退職してる人が結構多いから、仕事に縛られてるわけではないので、クリニックに行きやすい。そういう人については、ファイザーをできるだけたくさん回していただいた方がいいのではないでしょうか。一般が始まったら両方併用ということが、いいのではないかと思います。大体、国の接種計画では、少ない中でみんなに配ってやろうというふうに考えておられると思いますが、それについて、始めから接種状況が一定であると考えて多分計画を作っていると思うので、それにこだわらないで、早いところはどんどん配った方がいいので、もともとの接種計画を変えていただいて、早いところにどんどん配る。そしたら、競争になって、和歌山だけではなく、多くのところで早くなるのではないですか、というようなことを言っておきました。これについて、すぐに全部わかったといえるはずがないような話なので、これから河野大臣が考えてくれるんではないかと、そんなふうに期待しています。

毎日:時短要請の話に戻りますが、まだ31日まで数日ありますが、現時点で、要請したことに対する効果なり手応えは、知事はどのように受け止めていますか。

知事:初めのうちは開けてた店もあるようですが、100%ではないけど、かなり守ってくださったとうふうに聞いています。和歌山市は、割と密に監視しておられますから、かなり良く効いてますと聞いてます。当然のことながら、人通りも夜中はないわけですから、夜中の営業によって感染が起こったということについて、聞いてません。従って、効果はあったというふうに思います。

 ただ、実は、(時短要請を)始める前も、そんなにたくさん人がいたかと言うといなかった。だから、この政策一丁でバーンと一気に人出がなくなって、去年4月の緊急事態宣言下における国民生活みたいに、一気に変わったということではない。もともと、あまり流行ってなかったところが、これを聞いてちゃんと店を閉めてくれた。それによって感染もさらに防げたということではないでしょうか。

毎日:今回の時短要請の解除の判断について、飲食店側から、もうそろそろいい加減、開けて欲しいみたいな意見があって、それを踏まえたというのは特にないですか。

知事:ないです。どちらかというと、もともと実態があんまりなかったので、全員ではないと思いますが、かなりの方々は、協力金をもらった方がよりマシだったかもしれません。そのぐらいの実態でした。我々も、初めから実態がたくさんあるといって説明したわけではなく、予防的にやらせてくれと言って運動したわけです。早く開けさせてくれという要望があったことはありません。

朝日:実態というのは、そもそも和歌山市に飲食する人がいないことを言うのか、大阪から流れ込んできている人がいただろうという実態がないのか、どっちの実態のことを指していますか。

知事:さっきの質問に対する実態は、お客さんがとても少なかったのが実態です。和歌山市における夜の盛り場は、そんなにたくさんの人がいたわけではない。特に、1月、2月以来、飲食が急所ですと尾身さんに言われてしまってから、飲食需要がドタンと落ちました。その流れの中で、夜中もやっぱりさらに少ないのではないか。もともと、飲食需要の中で、夜中需要はさらに少ないのが実態だったというのが、基本的な実態です。

 次に、大阪から(飲食に来ているか)というとどうかと言うと、若干あります。増えてきたかと言ったら、まだそんなに増えた感じはないけど、若干ありますというのが我々の観測で、あの時に発表した。しかも、私自身が確認してませんが、和歌山市長なんかの情報では、お店の方が、大阪から人を連れてくれば、今の流行ってない状態を解消できるのではないかという営業を始めてますという情報もあったので、これは危ないということで、予防的に止めたとあの時も言ってました。なので、(今)予防的に止めるというような余裕のあることは、全体の中で主張しないでくださいというようなことを、内閣官房に言われておりますということです。

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