令和3年2月12日 知事臨時記者会見

知事臨時記者会見(令和3年2月12日)

「第三波」を踏まえた対応策の追加について

知事: この間、新政策を発表しましたが、その後、状況をいろいろ考えて、ちょっと追加をしようと思いましたので、追加のところだけご説明をさせていただきます。

 タイトルは、「第三波」を踏まえた対応策の追加ということで、その(資料一枚目の)下にあるように、「検査体制の強化」が一つで、もう一つは「雇用の維持と事業の継続」、手っ取り早く言うと救済が二つ目の柱で、両方やろうというふうに思いました。


 中身を見ますと、二枚目に新型コロナウイルスの検査体制の強化とあり、前から計上している部分も合わせて、(追加分として)約1億円になり、差し替えみたいな感じです。抗原検査体制の強化と環衛研(和歌山県環境衛生研究センター)の機能強化です。

 環衛研は、この間から言っていますが、さらに次世代シーケンサー(ゲノム解析用機器)を導入しようというふうに思っています。どこから感染が来たか、感染研(国立感染症研究所)にいろいろお願いして分析してもらっていますが、もうちょっと(国に)助けてもらう必要があるかもしれませんが、もう少し早く県内でも分かることになります。

 抗原検査体制の強化は、一部の病院、一部というのは後で説明しますが、一部の病院とすべての高齢者・障害者施設に、抗原検査キットを必要部数、配っておくということです。

 これは、どんなふうに使うのかと言うと、例えば、病院に新規でお入りになる前に、症状がなくても抗原検査をすると、疑わしきというのが出る可能性がありますから、そういう時はPCRをちゃんとかけて、その病院に(PCRが)なければ保健所で手配してやることになるし、自分のところでできればそれに越したことはないということになります。


 それから、福祉施設でも同じようなことをやる。新しく入る人もそうですが、入っている人で、本当に症状があったら、ちゃんと申告いただいて、病院やクリニックで検査をしてもらったらいいのですが、ちょっとこれは疑わしき例がある、例えば、濃厚接触者らしき人と、どうもひょっとしたらそう(接触があった)かもしれないとか、いろいろちょっと不安感があると、こういう時に(抗原検査を)やってもらえばいい。症状があったら、とにかくクリニックなどに行っていただくことが必要ですが、そういうの(抗原検査)を、新しく入る人と、施設で働いてる人、この方々にやっていただこうということです。だから、新しく入る人と、何か変だという疑わしい懸念がある人は、これで調べてもらったら良いことになります。

 もうちょっと解説すると、現在、環衛研と和歌山市の保健所(正しくは、衛生研究所)に、幾つか忘れましたがPCRの検査装置が結構たくさんあります。それから、予定も含めて今のところ16の病院に、70分ぐらいで検査ができるようなPCRの検査機器を入れる。これは、年度内に整備予定で、もうほとんど入れていますが、若干、今、入りつつあるところがあります。16は地域の中核病院で、大体はコロナを扱っていただいていますが、そういうところにはこれを入れておこうということです。この趣旨は、例えば、昔、別のところで起こりましたが、入院患者が救急搬送された時に、一刻を争って手術しないといけないと思ったら、実はその人がコロナ患者で、治療に当たった多くの医師、看護師さん、コメディカルの人に、ブワーッとうつりました。そんなことになると困るので、これから入院してもらうとか緊急手術という時に、PCRを70分でできるものをかけてもらえばいいというふうに思います。ただ、ここまでは、結構、検査技師の方が習熟してないとなかなか扱えない。従って、どこでも同じようにバンバンやっていいというものでもないということです。


 その次は、すでにこの間から皆さんにご報告しているような形で2月補正に計上していますが、61の救急医療機関に、正式な名称は「遺伝子検査装置(ID NOW)」と言いますが、これを入れておこうということです。これも一応、医学の知識のある人でないと扱えませんが、正式な名称ではなく、私はよく言いますが、イメージで言うと、一人用のPCRというふうに言っていいかもしれません。正式な名称は、「遺伝子検査装置(ID NOW)」で、2月補正で計上して、61機関に入れておこうということです。これは、救急告示病院・診療所は全部と、初期救急医療機関6診療所を合わせて全部で61機関になります。


 その次に、今申し上げました、抗原検査キットを配付する。これは、入院できる医療機関と高齢者施設・障害者施設の全部で、入院医療機関は83医療機関、高齢者施設・障害者施設の施設数は2170と考えて、全部配っておこうということです。


 その次は、三枚目の紙にありますが、救済です。まず、飲食・宿泊・旅行業給付金を作ろうということです。その業種で、令和3年1月または2月の売り上げが、対前年同月比50%以上減少したところについては、事業規模に応じて給付金を県独自で差し上げようということです。どんなふうに差し上げるかというと、給付額のところに書いています。5人以下は15万円、51人以上は60万円。もともと15万円も稼いでなかったところは、ちょっとご遠慮いただこうというふうに思っています。


 その次は、地域交通運行継続給付金を作る。対象者は、乗合バス、貸切バスをやっておられるところや、タクシー、地域鉄道、フェリーで、こういうところは、実はずっと調子が悪かった。それで、これはちょっと救済に入らないと具合が悪いのではないかということで、最大300万円。例えば、バス会社では一律100万円配りますが、合わせて、たくさんバスがあるところは1台につき10万円(の加算)と考えて、巨大なバス会社で、たくさん(バスが)あるところは、300万円が上限と考えています。タクシーも、法人は100万円、個人は20万円配りますが、法人のタクシー会社で(タクシーが)たくさんあるところは、1台につき加算で5万円掛ける台数で、これも上限300万円。地域鉄道とフェリーは、いきなり300万円。こういうふうに考えて給付いたします。


 そういうことで、16億円程度の補正予算を組ましてもらおうというふうに思いました。何でそういうふうにするかと言うと、この間、業況調査をしました。そしたら、やっぱり一番傷んでいるところは飲食・宿泊・旅行業のあたり、ずっと延々回復していないところが交通系ということが、明らかです。従って、そういうところに少しでも耐えてもらうために、こういうふうに配っておこうではないかということです。


 なお、和歌山県は、例えば、飲食についても、時短を要請していませんが、例えば、尾身分科会長のご発言でも、急所はここ(飲食)だとか言われて、全部シャットアウトしていないけど、全体的に緊急事態宣言で人の往来が少なくなる上に、飲食はちょっと怖いという気持ちも一般的に流布していて、こういうところが特にやっぱり打撃を受けている。別に、飲食や旅行業や宿泊業が悪いことをしているわけではないので、ぜひ少しでも、このお金で耐えてもらおうというふうに考えてます。

以上です。
 

質疑と回答

毎日:抗原検査でお伺いします。これまで、県内でも、新規入院した方などから感染が広がっていたかもしれないという例があったことを踏まえて、こういった対策が必要ではないかということになったという理解でよろしいですか。

知事:それでいいと思います。ただ、新規だけに限ってないのは、例えば、何かの関係ですり抜けてしまった場合もある。そういう時に、本当に症状が出てきたら、これは危ないということで、病院だったら自分で調べる、あるいは福祉施設だったらクリニックへ行ってもらって調べてもらったらいいのですが、ちょっとそこまででもないけど、というような時があります。そういう時は、どんどんこのキットで調べてもらったらいいということで、考えました。
 

毎日:先ほどおっしゃったように、入院医療機関では、県内83機関すべてで対応できる。
 

知事:83機関というのは、もちろん全部の医療機関ではありません。入院できる医療機関が83機関で、日帰りで帰っていただくような医療機関は入ってません。
 

毎日:施設の2170は、すべてですか。
 

知事:施設は全部入ってます。
 

毎日:各病院や施設に配られる抗原検査キットは、入院患者数などそれぞれの規模に応じるのかもしれませんが、今回の予算で、それぞれの施設がどれぐらいの数の検査をできるようになりますか。
 

知事:でこぼこがあるので一律ではありませんが、全部で、医療機関に関して言えば、約2万7000人分。高齢者・障害者施設は、約5万7000人分の計算にしています。それで、多分、大小に応じて配って持っていてもらうということです。
 

毎日:これは、特に特別な資格とかがなくても、その施設の方とかで対応できる検査ですか。
 

知事:抗原検査は、別に(検査技師のような)プロがやらなくてもできるので、ちょうどいいだろうというふうに思いました。
 

企画総務課長:今の5万7000人分等々の部分ですが、4225人も新規の入所者数で含まれています。
 

知事:分かりました。さっきちょっと間違って、施設に入る全員を2170施設で計算したら、6万1000人分とお考えください。ちょっと計算間違いしたので、5万7000人ではなく6万1000人でお考えください。入院医療機関と高齢者・障害者施設全部を合わせると、8万8000人分になります。
 

毎日:飲食・宿泊・旅行業への給付金ですが、これまで、春先などで現金給付は、これは一種の災害のようなものなので、実施しないとおっしゃっていましたが。
 

知事:そんなことは言っていません。今の言葉尻を、私の過去の発言にとらえると、まず、休業補償をしますかというのはずっと昔にあって、和歌山県は休業補償はしませんと言っていた時期があります。これは、現状においては撤回していて、もし休業要請をするのだったら、休業補償はしないといけないというふうに、現在は思っています。当時は、なぜそうだったかというと今の(毎日新聞の)発言になって、とにかく全部でシャットアウトするんだ、国を挙げての災害だ、危ないのはそこだ、それを我々はみんな信じていた。それをちょっと信じすぎだと今は思いますが信じていたので、そういうことであれば、それは災害と一緒だから、休業補償というのは、補償はおかしいのではないかと言いました。

 その時も、そうは言っても救済はしますと。それは、休業要請業種だけではなくて、全部について救済しますと和歌山はずっとやってきました。その救済については、雇用調整助成金と金融、お金を貸して返してもらわないといけないのですが、有利な金融で救うこと以外は、大体去年の12月で切れています。国の措置も、和歌山県の措置も切れてます。従って、1月2月に、急に菅総理の方針転換により、飲食なんかがガターンといきました。そういう時に対しては、これは救済ですが、やっぱり打撃も大きいし救済したほうがいいというふうに思いました。補償ではありません。
 

毎日:1月、2月に限っているのは、国の持続化給付金とかが切れてくる時期で、空白地帯になるからということですか。
 

知事:12月で切れてしまって、1月2月はない。今、どこが一番傷んでるかはそこ(今回の支援対象業種)だから、そこをターゲットにして救済をしようというふうに思いました。
 

NHK:抗原検査キットの配付ですが、いつ頃から始めるご予定ですか。
 

知事:まず予算が通らないといけません。予算が通るのは、よく分かりませんが、新政策一般と一緒になる可能性があって、ちょっと今、情報はありません。いずれにしても、議会のことを勝手にこっちで言うわけにはいけないから、予算が通って(からの話)で、いつか分からない。従って、それが通ってからすぐに執行したい。できるだけ早く配り終えたいというふうに思っています。
 

産経:予算執行の部分ですが、スタートがいつからするかは議会の承認後なので、現状は分からないという部分があると思いますが、いつまでにやるという話でいうと、2月補正なので年度内ですか。
 

知事:原則は年度内ですが、大体、予算の執行は繰越が認められることが多いのですが、(繰越は)2年も駄目で、大体1年です。来年度までは、繰り越す可能性はあるけど、そんなことをするつもりはない。たまたま執行が遅れたらもちろんやりますが、できるだけ早く配った方がいいでしょう。どんなに遅くても、議会は3月初めぐらいには議決してくれますから、そしたら、急いでやったらいいということになります。
 

産経:検査体制の強化と、雇用維持と事業継続給付金の方と、両方ですか。
 

知事:全部一緒です。そういつもりでやりたいと思います。
 

共同:環衛研の機能強化の部分で、次世代シーケンサー(ゲノム解析用機器)を導入するということですが、これまでは国に依頼して、解析結果をこちらで分析するというふうになっていたと思いますが、これを導入することによる意義というか、そういったところをどう考えていますか。
 

知事:大体のところが、早く分かります。それから、例えば、多分これちょっと間違ってたら、どこかで訂正する必要がありますが、例の変異株も、割合疑わしいやつはすぐ分かるのではないかと思いますが。
 

共同:これを県で導入した後は、これからの感染者は、ほとんどすべてゲノム解析を行う予定ですか。
 

知事:すべてかどうか分かりませんが、できるだけやっていったらいいと思います。ただ、容量があるので、全部できるかどうかその辺は分かりませんが、別に制限する必要性はないので、やれる限りどんどんやっていって、傾向を掴むことが大事だと思います。
 

共同:以前、健康推進課にお尋ねしたら、結構専門的な知識が必要というふうに伺っていましたが、人材の部分に関してはどうですか。
 

知事:まず、環衛研はプロの集団なので、そこは大丈夫だから入れます。今度は、解析して考えるのも我々がやらないといけない。それは、健康推進課の職員が、今でも、環衛研の分析をもとにして、いろいろ言って「これはこっちから来たかな」とか解析をしてくれているので、そこは能力的には十分扱えることになります。
 

読売:今回の飲食・宿泊等の給付金の件ですが、給付金の額は、何か参考にしているものとかありますか。
 

知事:ありません。大体このぐらい使おうかなと思ってるようなお金と、たくさん損害を受けてるところがあると思いますが、こういうのでは全部カバーできないので、それは無理です。だから、このぐらい差し上げたいなと思うような相場感の問題です。
 

読売:例えば、給付額15万円で5人いらっしゃるところだと1人当たり3万円で、本当に生活の足しになるかぐらいの額ですが。
 

知事:そうです。足しです。やっぱりいつも言ってるように、経済を地方も含めて政府のお金で全部支えようというのは、全く無理です。だから、経済はちゃんとまわしていかないと、それこそ本当に生活に困って悲劇が起こるということが考えられます。その前にちょっと息継いでくださいと言うぐらいです。
 

読売:今回、「わかやまリフレッシュプラン」みたいな支援策ではなく、給付金という形を取った理由は何かありますか。
 

知事:これは、直接困っている人にとりあえず出そうというので、以前も、国で持続化給付金があって、我々は持続化支援金だったかな(県は事業継続支援金)を足して差し上げたり、救済のためにしています。そういうような意味でやりました。プラスアルファで、リフレッシュプランを観光についてやったわけです。そこはまだ我々は(今は)踏み切れていません。
 

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