令和2年12月14日 知事記者会見

令和2年12月14日 県民の皆様へのお願い(令和2年12月14日) 会見概要

 PDF形式を開きます令和2年12月14日 発表資料(PDF形式 418キロバイト)


 今日は最近の感染の動向と、それから県民の皆さんへの最新のご注意を申し上げたいと思います。

 まず、(資料2ページ)こうやって見ていただきますと非常によく分かるんですが、県内の感染は、かつてに比べると随分上がってきています。最近は10人を超えるような感染の日もあるし、それで第2波の時よりも高いし、第1波よりももちろん高いということで、油断をしてちゃいかんということであります。

ただ、和歌山県の政策は、基本的には、感染症の拡大防止のためには、保健医療行政を一生懸命やりましょうと。それで頑張るので、県民の皆さんは、最小限のご注意だけ守っていただいて、それで普通の生活とか、普通の経済的な活動とか、やってはいけませんとあんまり言いませんから、頑張ってくださいと、こういうことをずっと基本としていました。

 そういう頑張りがございますので、この11月20日位から、大体こう見ていただきますと、入院患者の数が横ばい、ないしはちょっと減り気味だということで、これが際限なく拡大していくと、ちょっとまずいんですけど、そういう点では、今のところ、現政策で行けそうな感じがすると、こんな感じでございます。

それで、ステージということを皆さんよく言われます。感染状況のステージというのは、ステージI、II、III、IVというふうに、政府が決めてるんです。最近、ステージIIIがいっぱい分かれたとか言って、文句を言ってる人もいますけれども、基本的にはステージI、II、III、IVとこう考えると、和歌山県は今どこにあるかというと、(資料3ページで)大体ステージIIの中にはまっているというふうにお考えいただいたらいいと思います。一つだけ、ステージIIIの感染者急増期に特有の指標がありまして、それが入院患者が入っていただく病床の占有率が、現在27.8%で、ステージIIIの基準が25%なので、これだけちょっと超えてるということです。

 これも最近、ここ2、3日はちょっと下がってますが、そんな感じです。ただ、和歌山県は必ず全員入院していただいてますから、他県と単純に比較すると、これ全然違います。だけど、和歌山県は少なくとも全員入院ということを前提にして、まだというか、もうというか、27.8%のところにいますというのが現状です。残りのところはステージIIの中に全部入っています。

 それから、感染の状況も、ちょっとさっき見たような意味では、際限もなく増えているというよりも、直近一週間が50人で、先週一週間が55人なんで、ピークアウトまでは言えないんですけど、ちょっと感染が頭打ち傾向にあるなということで、これもステージIIIなんかは、全然違うということでございます。

こういう現状を基にして、最近の感染状況、これは技監から、毎日皆さんに報告をさせていただいてます。皆さんからも質問を受けていただいてますが、我々が一番今懸念してるのは、高齢者が結構います。高齢者ばっかりではないんですけど、感染者に高齢者が結構いまして、この高齢者の方は元々体が弱い、それから基礎疾患がある方が結構多いわけです。長年生きておられますからね。

 従って、そういうところに、コロナが悪さをすると、結構重症化、重篤化する。場合によっては、亡くなられることもあるんで、それを我々はやっぱり恐れてます。

 それから、大阪のように、高齢者がかなり増えてくると、重症患者の数が随分増えて、それで、ひょっとしたら、重症病床がいっぱいになる可能性だってないことはない。今のところは、まだ4分の1ぐらいよりもずっと下ですから、大丈夫なんですけど、これはそんなに多くの容量を持っていませんから、従って、ここは注意しないかんということだと思います。

 そこで、今日のお願いは、(資料4ページ)大阪が不要不急の外出は控えるように、府民に言われた。その期間が、元は12月15日まででしたが、29日まで延長しますと大阪府知事が言われました。

 そこで、我々もそれに完璧に合わせて、第一に大阪府への不要不急の外出は控えるようにお願いするというのは、継続してもらいたい。で、29日まで、少なくとも継続してもらいたいと、そんなふうに思います。

 それから二つ目、これが新しいことですが、感染が拡大している地域から、帰省等される方は、高齢者等へ感染させないような行動をお願いします、ということを申し上げたいと思います。帰省をやめてくださいとは言いません。言いませんが、帰省をされた時は、例えば、身内に高齢者の方がいらっしゃったら、ひょっとしたら、無症状でウイルスを持っておられる状態で帰って来られる場合があるでしょ、その時に、うつしたら大変なので、従って、念のため、やっぱり感染防止を、家族の中とか知り合いの中でも、きちんとやって欲しいというふうに思っているということです。

 この帰省等の「等」は、帰省というと、和歌山に家があって帰ってくる人です。だけど、親類の若い人たちが、あるいはお年寄りが、親類を訪ねて来る場合もあります。例えば、普段は東京に住んでいるお孫さんが和歌山のおばあちゃんのところに来る場合、これは帰省とは言いません。従って「等」もつけてあるということです。

 一般の観光客、見ず知らずの人が、和歌山へ来ないでくださいと言うつもりはありませんし、その方に、高齢者にうつすなと言ったって、どこに高齢者がいるか分かりませんから、それは難しいと思います。

 それから高齢者等の「等」は、高齢者と体の弱い方、疾患を持っておられる方を、私は想定しています。従って、帰省やあるいは親類を訪ねて和歌山に来られるのは、そこまで全部止めるつもりはありませんが、お帰りになった時、あるいは来られた時は、高齢者とか体の弱い人にはうつさないように注意をしてくださいというふうにお願いをしておきたいと思います。これは、29日までではなくて、年末年始ずっとそういうことでやってくださいというお願いであります。

 残りの10ヶ条、これはただいまのところ継続で、いちいち申し上げませんけども、ここに書いてあるところを、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

●質問と回答

朝日:今回の県民の皆様へのお願いで、帰省等で高齢者に感染させるような行動は控えてというのが入るのは、11月から第3波に入って、高齢者の感染が広がって、医療機関にも負担がかかっているからということですか。

知事:負担がかかっていて、大阪みたいにもうたまりませんということではないけれども、これが急増したら大変なことになるので、予防的に今、皆さんに呼びかけておいたほうがいいなあというふうに思っているというふうにご理解ください。

朝日:年末年始、新年会や忘年会とかで会食する機会が増えると思いますが、その点について県民の方には何かお願いや呼びかけはありますか。

知事:もうこれは、前々から言っている10ヶ条に尽きるんではないかと思います。例えば、新年会をする、成人式を祝う、これまで全部止めなさいと言うつもりはないんですが、その時に、朝まで俺の下宿で飲み明かそうといって、いろんな地域の人が集まってきて、それでやると、かつてうつりました。今も注意をしています。そういうことを守っていただければいいんではないかと思います。

時事:大阪府が不要不急の外出の自粛を求める、これを延長するということに合わせてということだと思いますが、大阪府での感染状況を、知事は今どのようにご覧になってますか。

知事:結構多いんです。大阪はかなり努力をしていると思うんです。それは二つの意味で、一つは大阪府知事も呼びかけて、あんまり羽目を外した行動は止めようというようなことを言っておられるし、それから盛り場の営業時間とか、そういうことをいろいろ言われてるし、不要不急の外出も止めてくださいというようなことを言われてるし、そういう意味でも努力をしておられる。それからもう一つ、感染症法上の問題としては、大阪府知事もかなり意識はして努力をしておられると思うし、大阪府に関しては、保健所のバラバラな状態って別にないので、そういう意味では、結構努力をしておられると思います。しかし、やっぱり感染力の方が強いというのは明らかなので、今、本当困っておられるんじゃないかなあというふうに思ってるのが現状です。

時事:先日、知事がホームページで公開されたメッセージで、大阪が危ないというタイトルで、大阪府の行政としての対応をちょっと批判的に論じてらっしゃいますけれども、そこについてはいかがでしょうか。

知事:批判をした覚えはなくて、本当に心配をしているということなんです。間違ったことをしてるというのは批判をしなきゃいけない。だけど、私はあくまでも大阪府民ではありませんので、批判をするというのはおこがましいと思います。で、別に批判をしたわけじゃない。だけど心配はしている。心配の中身は、やっぱりこんなに多くなってるから、手が回らなくなってということもあるでしょうから、我々が死にものぐるいで感染症を抑え込むためにやってることと同じことはやれていない状態になってますよね。それを何とかやれるような状態にまず戻して、それが行動の変容のところもあると思います。その上で、そこを引き締めるということが大事じゃないかと思います。ただ、それは減ってから引き締めると決める必要はないんで、引き締めながら減らすということもないでしょう。

時事:大阪府知事が、今日の記者団による取材で、知事のご指摘に対して濃厚接触者の調査を国の基準を超えてさらにやるのは、今の大阪府ではちょっと難しいということをおっしゃってるんですが、そこはどのように。

知事:そうでしょうね。ただ、国の基準を超えてというのはちょっと変です。国の原則基準は、濃厚接触者は全員やりなさいなんで、そこは変わってない。二つ、新しいお願いが大臣からあって、まず、福祉施設とかそういうところで出たら、徹底的に調査しなさい、してくださいというのが第1の基準で、和歌山県なんて、全部もう徹底的にやってます。特に病院とか福祉施設なんかは徹底的にやってくださいというのが、一つのお願いです。

 二つ目は、かなり手一杯で、ちゃんとできてないところについて、せめて福祉施設とか医療機関とかそういうところは、防衛的な意味で検査をして、中に引っ張り込まないようにしてくださいというお願いもあるんです。

 だから、国の基準って何を言っておられるのか分かりませんが、原則論的な基準から言えば、濃厚接触者は全部しなきゃいけないんで、ちょっと混同があるかもしれません。

 多分そんなに言ったって全部できないということだと思うんです。そこは、本当に大変なんですから、できない時は、それはしょうがないかもしれません。だけど、できるようにしようと努力をし続けるということは大事なことなんで、もうやらんでもいいんだって決めた瞬間に大爆発になります。大阪府知事はよく分かっておられると思いますけど、マスコミの方も誤解なきようというふうに思います。

NHK:大都市部で行動変容の呼びかけもある中で、なかなかやっぱり各地で人出も減っていない状況もあり、和歌山でも、済生会有田病院で起きてから10ヶ月が経って、対策疲れもあると思いますが、そこのところで改めて県民に呼びかけをお願いします。

知事:私たちが、感染症との戦いにおいて、一番努力をしなければいけないのは、やっぱり我々行政だとずっと思っています。初めは、あんまりよく分からなかったので、例えば、自粛とかあるいは営業の停止とか、緊急事態宣言の時には、国の指導とまでは言わないですが、サジェスチョンで、こういうのがいいのではないですかというようなことを言われたのに、あんまり反発もしないで全部乗りました。そういう意味では、私も国を責めるつもりはなくて、あの時は、全部、これを抑え込めばとにかくそれで終わってしまうから、それまでは必死で頑張ろうというつもりでやったと思います。

 だけど、和歌山はそれで抑え込んだし、関西は本当に抑え込んだんですが、他所でそれができなかったところもあり、だんだん広がってきて、とうとう第2波、第3波になっているし、世界を見たら、収まるどころの話ではない。だから、世界との関係を完全に断つというのはできないとすれば、あるいはもうちょっと簡単に言えば、日本国内の他地域との関係も断てないとすれば、それは完全に抑え込むようなことを願って、4月、5月にやったようなことはできない。それをやると、あの時に起こったように、経済はペッシャンコになるし、あの時は短期だったからまだいいですが、多分、人々の健康とか心の傷とかが、もっとすごくなってきます。あの時は、お医者さんに行くことすらみんな嫌がったわけで、そうすると、既往症なんかの手当がちゃんとできないとか、がんが早期発見できないとか、別の意味で命に関わるような話がたくさん出てきます。

 だから、今の方針で、我々はしばらく行こうと思ってるということは、技監の配下の人たち、保健所の人たち、病院で頑張ってる人たち、本当に苦労をかけてるわけです。その苦労に支えられて現在あるということで、もうやらんでもいいですとは言えない。だから、ワクチンができ、薬が完璧に整備されるまでは、やっぱりこれを我慢してやっていかないといけない。

 それで、仕事だから頑張ってやれというのは間違いで、できるだけみんなで助けていかないといけない。それは、我々行政は、例えば、援軍を少し送るとか、保健所の専門家でなければできない仕事以外は別のスタッフが助けるとか、そういうことをしないといけない。それに加えて、県民の方も、そんなに無茶苦茶な制限はしてないので、最低限の注意は守りながら生活をしてください、仕事をしてくださいと。これが今の姿で、これでしばらくやっていくしかないと思ってます。

読売:GoToトラベル事業ですが、12月28日から来年1月11日まで、全国で一斉に停止するという方針が夕方に出ているようですけども、知事の所感というか受けとめをお願いします。

知事:和歌山県の方針としては、別に、もともとGoToだけに囚われているわけじゃないんです。あまり制限しない方がいいんですけどねと。その前提としては、和歌山県のように保健医療行政をきちんとやるという前提で、あまり制限しないでいいんですけどというのが基本で、プロモーションはそれに必要があれば、やってもいいんじゃないかというくらいの感じでした。国が全体を見ておられる訳だし、それから、あれは国の制度なので、そのようになったら、それを前提にして我々考えるしかないということだと思います。ただ、どうなるかはまだ聞いておりませんから、何とも言えません。

産経:今回の自粛の継続について、今回も、大阪の更新に基づいて大阪からの引き込みを抑えるために継続しますという理解でよろしいですか。

知事:そうです。大阪府自身が、大阪府民に対して不要不急の外出をするなと、主として、大体大阪のエリアのことだというふうに解釈できると思うんで、そういうところへ、わざわざ不要不急に行くというのは、やっぱり大阪の方針にも反しますねということで、一緒にやったらいいんじゃないですかと思ってます。

産経:それで言うと、12月4日からスタートしていますが、今日までの期間の県内への要請の効果についてはどのように。

知事:これは、ある程度効いていると思います。私が言うことだけじゃなくて、大阪がちょっと危ないというマスコミ報道がたくさんありますから、そういうこともあって、少しは効いていると思います。ただ、大阪で、例えば、食事をするのをやめましょうと、食事のところはもうずっと前から言ってるわけですが、(食事を)してうつったかなと思うような事例も結構あるので、100点満点にはいかない。でも、何らかの意味でメッセージは届いてるんじゃないかと思ってます。

毎日:念のための確認で、大阪府では、大阪市内全体で飲食店の営業時間を制限されるということでしたが、県内では今、保健医療行政で抑え込めているということで、今のところ検討はされていない。

知事:はい。今のところは必要ないんじゃないかと思っています。もちろん、何でも抑えれば抑えると、感染防止にはプラスです。だけど、その分だけ逆のマイナスも出てきます。ですから、和歌山において、今のところ、営業時間を短縮することは、プラスとマイナスを考えるとマイナスの方が大きいんじゃないかと。そんなふうに私は判断しています。

朝日:確認ですが、今回の措置、大阪への外出は29日までですけれども、大阪が29日以降も延長することになったら、和歌山県としても延長しますか。

知事:はい、もちろん、それは協力という意味もありますから、合わせていくしかないと思います。

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