令和2年12月10日 和歌山県高病原性鳥インフルエンザ対策本部会議記者会見

和歌山県高病原性鳥インフルエンザ対策本部会議記者会見(令和2年12月10日)

広報課長:それでは会見を始めます。
 

知事:本日、紀の川市の鶏舎において、高病原性鳥インフルエンザの鶏が確認されました。そこで、法律に基づきまして、対策本部を設置し、対応を只今決めました。それを皆さんにご報告したいと思います。

 発見されたのは、紀の川市の農場です。昨日、農場から、どうも死んだ鶏がいるという話があって、簡易検査をすぐしたところ、陽性でした。

 そこで、PCR検査をして高病原性かどうかを調べたところ、今日の早朝、高病原性であることが分かりましたので、対策本部を作って、これから殺処分その他の作業をしないといけないことになっています。

 鶏舎においては、6万7000羽の鶏が飼われていまして、これは卵を出荷するための鶏舎であります。

 この後すぐ、県庁の第一陣が現場に出向いて、1日4交代制で、どんどん殺処分を行い、早期に完了させたいと思っております。今のところ、我々の目論見ですが、14日9時までに完了したいというふうに思っていまして、特に、支障がなければ、そこで、完了できるのではないかというふうに考えております。

 それから、自衛隊に災害派遣要請をいたしました。今日は、信太山の陸上自衛隊37連隊の山田連隊長も一緒に参加してくださいました。その場で、災害派遣要請をいたしましたところ、受けますというふうに言っていただきましたんで、自衛隊もほぼ同時に、現場に出てくださることになると思います。

 1回目はちょっと間に合いませんが、約150人体制で、1日4交代で回していく。その動員は、県庁の中では既にできています。

 それから、高病原性鳥インフルエンザというのは、濃厚接触をずっとやってると、人間にうつる可能性があります。従って、やっぱり全く危険がないわけではないのですが、ちょっと鶏舎に近づいた位では、簡単にうつりません。今までもたくさんの事例があって、殺処分に大勢の県の職員や自衛隊員が行ってくださっていますし、鶏舎の方もたくさんいますが、1人も鳥インフルエンザの病気になった人はいません。なので、そんなに恐れる必要はありません。

 また、既にそこに存在する卵やお肉から、このインフルエンザがうつることはないというふうに、科学的に証明されています。

 従って、卵を買うのを止めようとか、鶏肉を買うのを止めようとか、その必要は全くありません。

 ただ、恐ろしいのは、その生きた鶏のところ、他の鶏舎にこのウイルスが入り込んだら、鶏同士で割と簡単にうつるので、そこは、この鶏舎はもうしょうがないとして、他のところにうつらないように止めなきゃいけない。ということで、さっさと殺処分をして、ここを清浄化するということと、それから、同時に原因をさらに究明して、実は、ものすごい防衛線を引いてたんですけど、残念ながら突破されてしまいました。

 ずっと、全ての鶏舎に注意を出したり見回ったりしていて、どこかに感染の穴はないかというふうに見張ってたんですけど、残念ながら突破されてしまったので、もう1回さらに精緻な目で見て、どこに問題があったのかというのを突き止めた上で、他の鶏舎に対しても、指導をさらに強化していきたい、そんなふうに思っています。

 それから宮内副大臣、我々がご連絡してますので、早速、心配をして駆けつけてくださって、我々からお話を申し上げる、あるいは要請もその時にさせていただきたいんですが、そんな段取になります。今、議会中ですから、議会のお休みの時に県庁でお会いすることになっております。

 私からは以上です。
 

広報課長:それでは質問をお受けします。
 

朝日新聞:まず、県内で鳥インフルエンザが発生したことに対しての受け止めをお伝えください。
 

知事:ずっと感染が及んできていて、香川県で猛威を振るった後、淡路島にいって、さらに五條市まで、和歌山を通り越してということですから、いつ起こってもおかしくない状況でした。これは鶏舎の防衛をきちんとしなければいけないということで、県としては最善を尽くして来たつもりですが、結果としては、残念ながら、和歌山の鶏舎でも発生してしまったということで、残念に思っております。ただ起こってしまいましたんで、法律の定めに従って、これは急いでやらないとうつる可能性が強いから、早急に殺処分を完了させて、原因究明も一層精緻にして、他に波及することのないようにしたいと思います。

 それから、さっきちょっと言い忘れましたが、消毒ポイントを5ヶ所設けていますので、一般の方々もそこで消毒していただくことになります。
 

朝日新聞:今、全庁を挙げてコロナ対策の方に人が出ている状態で、県庁としても余裕がない状態だと思いますが、その中で鳥インフルエンザが発生して、また全庁体制で取り組まないといけない、このあたりはどうでしょうか。
 

知事:これは大変つらいです。コロナと本件とはちょっと違って、コロナはずっと続く戦いだと思ってるので、継戦能力を高めるのが大事です。それから、やっぱり専門的な仕事になるので、県庁の中でもコロナで本当に大変な部局があります。そこが、疲れ過ぎないように、他のところから応援をするということですが、その下には各地域の保健所があります。その部隊と、今回、動員して頑張ってもらう部隊とは、ちょっと違います。応援をする時は、両方とも重なることもあるんで大変なんですが、できないことはありません。

 ただ、そうかと言って、一般的に県庁は今忙しいので、余剰人員もほとんどない中で、これをやらなければいけないのは、ちょっとつらいなと思います。
 

朝日新聞:高病原性鳥インフルエンザは確定でよろしいですか。
 

知事:いいです。
 

朝日新聞:県から報道発表があったのは、疑似患畜となっていますが。
 

畜産課長:正式には、これから国で検査します。県の場合、H5までは確定しています。国の検査で、多分今年だったらH5N8、高病原性鳥インフルエンザと最終的に確定するということで、確かに疑似患畜ですが、ただ、疑似患畜で殺処分は進めていきます。
 

朝日新聞:現段階では、高病原性の疑いが強い、にとどまると言うことですか。
 

畜産課長:はい。ただし、もう鶏が死んでいますので、ほとんど高病原性と疑って間違いないかと思っています。
 

知事:理科系的に、正確を期すからこうなりますが、高病原性の鳥インフルが発生しましたと言い切って結構です。
 

時事通信:確定検査は農林水産省によって行われますか。何日ぐらい要しますか。
 

畜産課長:農林水産省の動物衛生部門という専門の研究機関があり、今日はそこへ材料を持っていって、最終検査していただく。大体2、3日はかかるのではないかと思ってます。
 

知事:もうちょっと言いますと、実は平成23年にも同じようなことが起こりました。その時は、県では、実は今の段階までの検査能力がなかった。だから、簡易検査をした後、すぐに検体を農林水産省に送って全部見てもらいました。そういうことしかできなかったので、その時は、本当の常識的な意味での疑いぐらいだったので、お互いが陰性になってしまったこともありました。

 しかし、今回は、県の中に、高病原性かどうかを判定する機器もあるし、検査能力も備わっているので、我々でさっさと検査して、高病原性だと判定して間違いないんです。

 ただ、例えば、ウイルス種は何だとか、あっちとこっちが一緒だとかちょっと違うとか、その辺の話は、和歌山県では分からないので、農林水産省に送って、本格的に確定することになります。だけど、そこはまあどちらかというとプロの世界の話で、県民との関係、国民との関係で言えば、別にそっちはあんまり大事なことではありません。
 

テレビ和歌山:前回も紀の川市で、最終処分は埋設だったと思いますが、今回は焼却ということで、何か状況に違いがあるのか、どういう理由で焼却になりましたか。
 

知事:その方がいいのではないかなというふうに私は思っています。ただ、それをするにしても、いろんな手続きが必要で、今、分かったばっかりなので、そこはまだ完了してるわけではない。従って、いろいろ一番いい方法を、これから確定していくことになります。

 前の時は、埋設までは簡単にできたのですが、埋設したもので、もうウイルスが絶対にありませんという状態になったものについて、厳重に密封してますから、地中で土に返らない。従って、最終的には焼却処分をしました。しかし、結構お金もかかったし大変だったので、できれば私としては焼却が適当ではないかというふうに思っています。
 

朝日放送:昨日、最初に鳥が死んでるのが見つかってますが、これはどのぐらいの規模で死んでる鳥が見つかったんですか。
 

畜産課長:通報があった時は、1羽が死んでいて、周りがちょっとおかしいと。実際、農場へ立ち入った時には、5羽が死んでいます。
 

毎日新聞:今現在、県内の他の農場で同じような状況が起きていませんか。
 

知事:ありません。
 

毎日新聞:自衛隊への災害派遣要請ですが、本部会議で、要請を正式に決定した、お受けいただいたということですか。
 

知事:決定をしたというか要請をした。それで、先方にその場で受けていただいたということです。
 

毎日新聞:自衛隊も、同じように殺処分の作業を手伝ってくださるということですか。
 

知事:そうです。前回も、ちょっとタイミングがずれたんですけどお願いして、大変、上手に効率よくやってくださった。今回も、結構数が多いので、助けてくださいというふうにお願いしました。
 

読売新聞:対策本部会議の中で、県が149人体制であたって、自衛隊からも130人くらい出していただくという話だったと思いますが、常に280人程度で対応に当たるという理解でよろしいですか。
 

知事:はい。常時大体そのぐらいの人が、殺処分してくれることになります。
 

時事通信:殺処分が、9時からということですが、取材をしたら、準備次第、早急に始めるというふうに答えていただきまして、現時点で開始したかどうか分かりますか。
 

知事:私はここでいるので、透視術がないから分からない。

このページの先頭へ