令和2年8月11日 新型コロナウイルス感染症発生状況 説明概要

令和2年8月11日 新型コロナウイルス感染症 発生状況 説明概要

 本日は新たに2名の陽性者が判明しました。発症の経過等につきましては、資料をご覧ください。
 

 72番の3は、和歌山市の20代女性です。職業は無職です。

7月28日、72番、72番の2の方と自宅で2時間ほどマスクなしで会話をしたということです。

8月9日、濃厚接触者として検体採取しました。

8月11日、陽性が判明しました。
 

 85番の7は、新宮保健所管内の20代男性です。学生です。

8月6日、85番の2や別の友人とゴルフし、その後、自宅で夕食を共にされています。

接触者として、同居家族1名を検査予定です。また、この方が発症したと言うことで友人3名を再度検査予定です。

 


新型コロナウイルス感染症 県内発生状況分析

PDF形式を開きます令和2年8月11日報道提供資料(県内発生状況資料)(PDF形式 1,683キロバイト)
 最近の感染状況を取りまとめて分析しました。詳細は資料のとおりですが、第一波を6月22日まで、第二波を6月22日以降に分けて、7月中を中心にまとめています。

 この結果は、和歌山県内での感染防止対策に生かしていきます。
 

(1)は、これまでの陽性率、7日移動平均、検査数です。7日移動平均しては、7月に入り、7月31日に最高7.0%を記録しています。7月23日に、検査検体数で最高の214件を検査しています。


(2)は、肺炎や発熱等を、連絡表等を基にした患者のまとめです。肺炎の患者は、第一波の時は多かったのですが、最近は、季節的な要因もあり少ない状況である一方、味覚・嗅覚異常で医療機関を受診し、検査依頼がある例が増えています。

また、3月から同じ傾向ですが、県外に行かれた方が発症等し、検査依頼される方が多い状況です。


(3)は、感染者数の推移です。第二波で、急激な患者数の増加を見て、7月31日に1日の感染者数が、これまでで最も多い13名を記録しました。


(4)は、年齢と性別です。性別は、第一波、第二波ともに、男性の方が女性より約1.3倍多い状況です。年齢は、第一波の時は、社会的に活発な50代が中心でしたが、第二波は、20代の特に男性の感染が多い状況です。


(5)は、症状です。発熱、せき、全身倦怠感等々、インフルエンザによく似た症状です。肺炎の患者は、第一波の時は60数%でしたが、第二波は、若い世代が感染の主たる年代となっていることもあると考えますが、比較的、第一波より少ない状況です。変わって、味覚異常、嗅覚異常を訴える患者さんが多い。これは、まとめた時点で入院患者さんもフォローしていて、最初は無症状でしたが、入院経過中に、味覚・嗅覚異常を呈する方が多い状況です。


(6)は、重症度です。第一波、第二波を比べると、第二波は、酸素投与が必要な重症患者が、第一波に比べるとやや少ない印象です。軽症から中等症の方が、全体として8割です。酸素投与が必要な患者は、全体としては約8%です。この間、4例目の死者が出ましたが、7月中まででは死亡者が3名です。 


(7)は、世代別重症度です。20歳未満、20歳代の若い人は、やはり軽症が多いのですが、当初は無症状で、入院後に症状を呈している。それから、やはり肺炎の患者も、併発があるのは、注意を要します。第二波では、40代、50代、60代の方は基礎疾患をお持ちの方が多いため、非常に悪くなっており、これは要注意と捉えています。


(8)は、同居家族内感染です。同居家族内の感染は、やはり多い感染源ですが、第一波、第二波とも、特に変わりはありません。1人の陽性者に対し接触があった家族で調べていますが、割合的にも変わらず、陽性者の率も特に変わっていません。検査数に対する陽性率は23%です。やはり同居家族内での感染は、要注意に変わりありません。


(9)は、感染経路です。現時点で、家族、県外の持ち込み、職場内、医療機関、福祉、友人間、不明という形で分けると、当初は、済生会有田病院の関連があり、家族や医療機関での感染が多かったのですが、3月以降は県外からの持ち込み例が増えており、7月は、県外からの持込例が最も多く、家族や友人間での感染が多い状況です。


(10)は、感染経路のうち原因不明の割合です。個人を特定したもの、あるいは疫学上、県外からの持込という形で特定したもので、不明者の状況は7月に入ってやや増えていますが、7月時点で8.1%であり、市中感染が広まっている状況は、特にないと考えています。


(11)は、入院期間です。当初の退院基準が、退院前に2回陰性を確認することでしたので、第一波の平均は約19日でした。6月12日に、退院基準が基本的に10日間になり、退院前の検査は義務づけられていません。現在の入院期間の平均日数は、約8日と短くなっています。
 

 参考として、新型コロナウイルスのゲノム解析、遺伝子の解析を、国立感染症研究所の病原体ゲノム解析研究センターに、当初の2月の時から依頼している結果の県分を分析しました。

 ウイルス解析は、全例は困難で、ウイルス量が結構多い人でないとなかなか出来ない現状ですが、そういう中で見ると、済生会有田病院の関係は、武漢、中国株でした。DMATの方もそうですが、DMATの時に初めて便の検査をしたのですが、一個体の中で、ウイルスが変異しているということも分かりました。その後、ヨーロッパへ行った友人から仲間へうつったのが14番で、ヨーロッパ株がおそらく首都圏に持ち込まれ、首都圏から全国に広まったと思われます。本県でも、埼玉、デイサービス、大阪、公立学校、東京や京都関係で感染者が見られます。


 よって、2月武漢、3月ヨーロッパ、4月首都圏に移動し、7月に東京、新宿クラスター等が大阪に入り、和歌山に来たと推察しています。新宿クラスターのウイルス解析が最近届いたので個別に見ると、34番は6月に感染していますが、その方も、関東由来の株です。新宿クラスターの株が36関連の中に、ウイルスが同一で横寄せになっています。その後、県外から県内への持ち込みが、非常に起こっているというのが、ウイルス解析の結果です。
 

 新宿クラスター関連の症例について、個別に検討を行いました。首都圏のクラスターから2系統に分かれており、例えば、61番のような大阪府から紀南に旅行された方と、県内での感染例のウイルスが一致するということが出ています。やはり何らかの形で県外に行く、あるいは県外の方との接触等があり、それが持ち込まれたということが明らかに分かる結果です。また、系統(2)についても、東京等に行った方から、県内に広まったということが分かっている状況です。

それから、県内でクラスターになった例も、和歌山市の分と重ねてみると、同じウイルスであったということも判明しています。
 

(同居家族において、感染防止の観点から気を付ける点)

 空間を同一にし、対面での食事、トイレやお風呂の共有などがあるので、そういう感染の機会が増えることは避けていただきたいと思います。

よって、症状が出た人は、家庭の中で、別室にしていただき、食事は時間をずらして対面を避け、お風呂に入るのは最後にしていただく。それから、こまめな手洗いやマスクの着用が重要かと思います。

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