「紀州うめどり・うめたまご」ブランド化推進協議会会長細川清さん(株式会社紀州ほそ川代表取締役社長)

名人対談

和歌山県には、様々な分野でそれぞれの道を究めた「名人」とも呼べる方々がおられます。このような方々は和歌山県の誇りであるとともに、その活動は県民の皆さんにとっても励みとなります。そんな「名人」から高い志や歩んでこられた人生についてお聞きし、県民の皆さんにご紹介したいと思います。

プレミア和歌山認証などで注目される「紀州うめどり・うめたまご」ブランド化推進協議会会長細川清さん(株式会社紀州ほそ川代表取締役社長)さんと仁坂知事との対談です。

細川社長:今日はお越しいただきありがとうございます。知事さんが来られる時に梅の花がちょうど満開だといいなと思っていたのですが、今年は去年より10日くらい早く咲きました。

梅の花
梅の花

仁坂知事:去年は2月11日のお祭の時に来ましたね。今日はどうかなと思いながら来たんですが・・・

細川社長:先週暖かかったので散り始めました。本日はわざわざありがとうございます。

仁坂知事:早速ですが、まずは中小企業庁長官賞受賞おめでとうございます。異業種交流成果表彰の中で特に最優秀であるということで、全国で1つですよね。本当におめでとうございます。ある意味では当然だと思います。梅干製造業の細川さんと養鶏業者の方々とのこれほど見事な農商工連携は無いなぁという感じがします。

細川社長:こちらがびっくりするくらいです。去年は農商工連携88選(補足1)に選ばれ高い評価をいただいて、その他にも「紀州うめどり」への取り組みではたくさんの賞をいただきました。
(補足1 農林水産省と経済産業省が、農林水産業と商工業等が連携し、それぞれの技術や特徴を活用している先進的な取組を選定。)

仁坂知事:今ようやく実ってきたということですよね。それともうひとつ、紀州うめどりも「地鶏・銘柄鶏食味コンテスト(補足2)」でナンバーワンになりました。これもさすがだなと。これは養鶏農家の方が出品されるわけですね。(補足2 2008食肉産業展・食肉産業関係8団体による実行委員会が開催)

細川社長:はい。養鶏業者が直接出品するんです。2006年、大阪でコンテストが開催された時は3位だったんです。今度08年は東京であるけど出すか、と言われて、落ちたら格好悪いという意見もあったんですが、落ちたら黙ってたらいいんやから、出そう出そうと。

仁坂知事:養鶏農家の方に出そう出そうとおっしゃったのは細川さんですか?

細川社長
細川社長

細川社長:はい、そうです。せっかくだから出そうよと。出してみたら見事一位になったんです。
千何百人くらいからアンケートを採り、試食して、審査員には一般の方もあり専門家もありの中での一位です。コンテストの前から、肉の張りが良い、歯ごたえが良い、肉汁が多いという声が出てきていたんです。優秀賞の三河地どりにしても、宮崎地頭鶏(じとっこ)にしても、おいしい地鶏の血統種にだいたい80日から120日、普通のブロイラー鶏の倍くらい期間、餌を食べさせて育てるんです。

仁坂知事:うめどりはそれよりもっと美味しかったということですね。 

細川社長:はい。

仁坂知事:それは凄いですね。やっぱり梅の力はもの凄いですね。

細川社長:梅の機能性が鶏を元気にする、元気だから結果的に美味しい。本来の味が100パーセント出ると。

仁坂知事:無理やり餌を食べさせるんじゃなくて、元気にしたら美味しくなるということですね。その自然さがなんとも言えませんね。

細川社長:そうです。梅が身体に良いということを鶏が証明してくれたんです。

仁坂知事:そういうことですね。

細川社長:面白いのは、鶏の元気の度合いは産卵率で解るんです。元気がデジタル化されるように、ちょっと体調が悪くなると卵を産むのが落ちる。体調が良ければどんどん産むんです。

仁坂知事:元気だと卵を産むんですか。どれくらい違いますか?

細川社長:1パーセントくらいです。飼料効率も1パーセントくらい向上するんですが、鶏は品種など極めるところまで極めているんで、その1パーセントアップがなかなか難しいんですよ。それと、黄身がこんもりとして卵の質も良くなりました。そういうところの改良が難しいんですが、うまく数字に出てきました。「うめたまご」はビタミンB群の葉酸が普通の卵より30パーセントも高いという結果も出ました。

仁坂知事:なるほどね。紀州うめどりの鶏の品種はそんなに変わった鶏じゃないですよね。例えば名古屋コーチンのような、特殊な鶏じゃないですよね。

細川社長:ブロイラーではごく一般的な、チャンキーという普通に飼われている鶏種です。普通の期間で普通に飼って最優秀賞だったんです。

仁坂知事:やっぱり、人間である我々も梅をたくさん食べないといけませんね。

細川社長:そうですね。梅で、毎日元気ですね。

仁坂知事
仁坂知事

仁坂知事:そういうのは結果なんですけれど、これに至るまでは長い歴史があると思うんですね。細川さんは梅干しをずっと作っておられるわけですね。創業は戦後すぐぐらいですか?

細川社長:戦前から父が梅農家でずっとやってきてました。僕は農家の長男だから三重大学農学部へ行って、卒業後漬物屋に勤めて、梅干しに将来はあるのか、ミカンづくりの方が良いんじゃないかと考えていたんです。

仁坂知事:そうすると細川さんご自身が梅干し屋さんを創業されたんですね?

細川社長:はい。私が帰ってきた頃、昔ながらの梅干しから、かつお梅とかおいしい調味梅の時代に移る、ちょうど梅干しが伸びてくるタイミングだったんです。

仁坂知事:そこで梅干し屋さんを始めたわけですね。

細川社長:はい。名古屋の漬け物屋に勤めたお陰で辞めるときに、梅産地に帰るんだから、叔父さんも梅干し屋をやっていることだし、うち(漬け物屋)の梅干しをやってみないかと言って頂きました。最初は農業と半々でしたが、段々と事業に育てていただいたんです。

仁坂知事:それでどんどん大きくなって、伸びてこられたんですね。それで次は梅酢ですか。梅酢からは何がとれていくんですか?

細川社長:梅のエキスと塩ですね。梅エキスの効果は証明され、注目されているので梅酢の用途は出てきています。

仁坂知事:この梅酢を鶏に食べさせたら良いんじゃないかいうのは、いつ頃お考えになったんですか?

細川社長:1999年です。梅エキスの血液サラサラ効果がわかったその後です。梅エキスブームが終わって、次の用途開発をしないといけないなということになって、鶏に食べさせたらどうかと考えました。

仁坂知事:人間にも血液サラサラ効果の用途もあるでしょう?

細川社長:あります。でも、人間は気紛れなんですよ。ブームになるとぱっといくけれど、そのうち飽きてしまうとだめですからね。
こちらに梅酢エキスを用意しました。ちょっと酸っぱいですけど一度飲んでみてください。

梅酢を飲んで…
梅酢を飲んで

仁坂知事:・・・美味しくはないですね。(笑)でも身体には良さそうですね。それで、これからの再利用として、気紛れな人間ではなくて素直な鶏に食べさせてみようと考えられたと。(笑)

細川社長:梅の効果で、鶏の免疫力は上がってきました。しかし、畜産に導入するにはデータが要ります。畜産はビジネスだから簡単にはいかない。それで県の養鶏試験場にお願いしたんです。

仁坂知事:梅酢は効くかい、と。

細川社長:養鶏試験場の所長が、梅酢には塩分があるし鶏は汗腺が無いので塩分には弱いだろうと言うので、まず塩分ストレスの限界はどこかということから始めたんです。すると梅酢の濃度が濃い方が長生きした。所長が思っていたことと反対だったので興味を引いて、どうしてだろうか、と。もっと研究してみようかということになったんです。

仁坂知事:なるほどね。

細川社長:それで、飼料に梅酢から塩分の抜いた梅BX70を入れてみた、すると同様の結果が出たので、これは面白いなと。産卵率も上がり、またその卵が美味しかったわけです。卵がこれだけおいしいんだから、ブロイラーは直接肉を食べるんだから、結果が出るのはもっと早いだろうと、ブロイラーで飼育試験をやってみたら、鶏が元気になって駆け回り、モモ肉がスケート選手のように大きくなったんです。

仁坂知事:それで美味しくなったと。

細川社長:はい。それでモモ肉と胸肉とだと、モモ肉の値段は胸肉の倍くらいするんですよ。すると採算効率も良くなるからと養鶏業者さんがのってくれて、そこからブランド協議会が始まりました。

仁坂知事:そうですか。やっぱり駆け回っているとモモが張るわけですね。

細川社長:スケート選手や競輪選手のようになります。

仁坂知事:なるほど。細川さんところは原料を供給する用意があるわけですね。だけど養鶏はご自分ではされていないわけだから、養鶏の方々と協力していかないとなりませんよね。それはどういうふうにしてうまく協力ができていったんですか?

細川社長:そこは、県の畜産課さんが協力してくれました。養鶏家の方も困っているし、これでブランドを立ち上げて紀州の梅のブランドを鶏でも活かしていこうということで。それには養鶏試験場も一生懸命取り組んでくれました。梅酢を飲ませると鶏は夏バテしないという話で、梅酢の用途開発に力を入れてくれたお陰でここまで来たし、紀州うめどりも非常に人気が出てきました。

仁坂知事:それはそうですね。

細川社長:県の畜産課がメディアリリースをどんどんやってくれることによって箔が付き、消費者が信頼してくれたんです。

仁坂知事:畜産課はメディアリリースとか、よくやっていますか?

細川社長
細川社長

細川社長:はい、ありがたいです。うちが1社で鶏のことをやったとしても、人を集めるのは大変だったのに、畜産課の指導で養鶏の人を集めて面白い取組やからやってみないかとコーディネートしてくれたんです。

仁坂知事:良いことですね。

細川社長:養鶏試験場とうめどりを研究し始めてから今年でちょうど10年です。2005年に紀州うめどり・うめたまごブランド化推進協議会を立ち上げ、3年間で独り立ちを目指しました。県の補助金もいただきました。それで、最初にかわいらしい、女性に好まれるようなうめどりのキャラクターを作りました。店頭ではキャラクターでアピールできる部分も多いですからね。

仁坂知事:本当にそうですね。しかし、今のところでは生産量はそんなに多くないですよね?

細川社長:はい。生産量をもっと増やしたいですが、養鶏家の皆さんが儲かっているわけではないので。新規設備投資にはリスクがありますからね。

仁坂知事:これは投資が要るんですか。

細川社長:鶏を増やすには鶏舎等設備が必要です。既存のところは餌を変えるだけで経営リスクはないですけどね。今、有田養鶏さんはうめどりが100パーセントになってうまくいってます。和歌山でも2、3社ありますが同業者でありライバルでもあるので取り組みにくい面もあるようです。心広く持って、ブランドに育てれば、紀州梅のようにうまくいくのですが。

仁坂知事:今、うめどり・うめたまごのマーケットはどこまでいってるんですか?和歌山県ではよく見るようになりましたね。

細川社長:そうですね。卵や鶏肉は限られたエリアマーケットなので、あまり遠くへは行かないんです。

仁坂知事:遠くへいったら余計売れるような気がしますが・・・

細川社長:今は、うめどりの方は地域の既存の需要を間に合わせるだけで精一杯です。卵の方はもっともっと知名度を上げていく必要があります。

仁坂知事:大阪市場辺りは席巻したいですね。

細川社長:大阪でどんどんコマーシャルをして、人気がつけば面白いと思います。

仁坂知事:例えば、ヨード卵光は全国どこにでもありますよね。あれはマーケティングをやってるんですか?

細川社長:はい。飼料業者が商社と一緒にプロモートするんです。

仁坂知事:その役割を今度は細川さんに担っていただかないといけませんね。

細川社長:それぞれの養鶏業者さんや協議会でも知名度アップに取り組んでいるんです。いろんなところで話題にしていただけるとありがたいですね。最近では業務関係、例えばケーキ屋とか蒲鉾屋とかでは、うめたまごを「つなぎ」で使おうというところが増えてきています。

仁坂知事:業務用でかわいいうめたまごマークが消えてしまうところで結構使われているわけですね。

細川社長:半導体のインテル入ッテルじゃないですが、「うめたまご入ってます」というキャッチコピーを書いたポスターを今年作ったんですよ。

左:仁坂知事 右:細川社長
左:仁坂知事 右:細川社長

仁坂知事:それは面白いですね。鶏に効果が出て、次は真鯛ですね。これはどういうきっかけだったんですか?

細川社長:串本町の岩谷さんという真鯛の養殖業者の方が、魚価が低迷し、養殖が立ち行かなくなって大変なんだと。うめどりがあんなに美味しいなら鯛にも効果があるんじゃないかと使い始めたわけです。実際それを使ってみると、鯛が元気になった。さばいてみたら脂ものって美味しいと。そんな結果が出たので特許をとりました。幸い弊社が梅酢で07年の地域資源活用プログラム事業に認定して頂きました。すると水産試験場も空いている養殖池を使って良いよと協力してくれたんです。それで飼育して比べてみたら非常に良い結果が出て、これを「紀州梅まだい」とブランドにして、今回プレミア和歌山にも認定されました。誠にありがたく思ってます。3月から4月には和歌山市内の5つのホテルのランチフェアのメイン食材にも使っていただくことになりました。

仁坂知事:鯛はいつ頃から出荷されたんですか?

細川社長:昨年からです。

仁坂知事:まだ新しいんですね。

細川社長:はい。うめどりはマーケットができて、美味しいということが知られて来ましたが、真鯛はまだそこまでいってませんね。クエもマグロもシマアジもあって、みんな美味しいんですよ。

仁坂知事:クエもやっているんですか?次はマグロの話を聞こうと思ってたんですが・・・

細川社長:梅マグロも串本の岩谷さんがやってるんですが、マグロの餌のサンマやイワシに注射器で梅BX70を注入して与えるんですよ。すると餌臭さが無くて、脂身も非常に美味しくてと、良い結果が出ています。

仁坂知事:クエの養殖はそんなにたくさんやってないですよね。近大と水産試験場くらいですか。

細川社長:養殖業者もやってますよ。岩谷さんは、今のままでは串本の養殖はだめだ、養殖を何とか次の世代に残したいということで、うめどりの様にブランド化ならないかと頑張っているんです。岩谷さんが仲間と一緒にクエもマグロもやってます。梅酢を混ぜた飼料を鯛に与えると、病気をしなくなって飼いやすくなったそうです。あとは紀州梅まだいを有名にすることだけです。

仁坂知事
仁坂知事

仁坂知事:売るのには特効薬はないけれど継続が大事です。単発で終わってはだめですね。とにかく露出をする。しかも大勢の前にどんどん露出をする。ほんとは消費者の方にも売りたいんだけれど、そのためにはテレビや新聞等々、何十億円という宣伝費がかかりますね。個々の事業者は中小企業だから中々だせない。和歌山県だって中堅企業並みだからそれほどできない。総事業規模でもわずか5千億円ですからね。がんがん宣伝している大企業の方がずうっと大きい。したがってどうするかというと、たくさんの人が来る所へ身をさらしに行こうというのが作戦ですね。昔は365日、24時間流通というのが日本の特色だったんですよ。特に、糸偏、魚偏がそうです。農系もそうですね。市場があって、仲買人があって、みんな生産の現場に見に来て引っ張っていってくれたんですね。生産者は作ればいいと。でも今はなかなかそういう人が生きて行けなくなった。すると今度は流通の業者が集まるところに、どうだーっと言って持って行く、私はこの方法がものすごく良いと考えています。例えば食品の世界では、FOODEXはバイヤーが10万人、スーパーマーケットトレードショーは7万人集まります。様々な業種毎の専門見本市がありますから、そういうところへどんどん行って、和歌山の産品はどうだ、と積極的にやるのが、販売促進の一番の眼目だと思っています。
これに加えて、みんなで行こうというのが「プレミア和歌山」です。紀州うめどり・うめたまごが代表選手なんですが、かたまってやると、和歌山県はスケールが中堅企業並みとはいえ、多少の宣伝はできるわけです。個々の企業がやると零細企業が多いですから、良い物を作ってもアピールしにくいですから、かわいらしいプレミアマークの威力でアピールできないかと思ってるんです。私はプレミア和歌山のことを「日本のミシュランだ」って言ってるんですよ。

細川社長:今回は、梅干しは勿論のこと、うめどり、うめたまご、梅まだいも「プレミア和歌山」に認証いただいてありがたかったです。県の養鶏試験場でもそうですし、今、水産試験場でも取り組んでくれていて、良い結果が出てきているんですよ。

仁坂知事:ほぅ、それは良かった。県の施設が役に立ち、県の職員が評価されていると嬉しいですね。

細川社長:水産試験場の場長が、びっくりするくらいの、こんなに効いていいのかというくらいの成果が出ました。

仁坂知事:それは鯛でですか?

細川社長:はい。今まで効かなかった病気、ウィルスにも、非常に免疫力が上がって効いて。場長が間違っているかもしれないから、もう一回やらないと出来すぎやで、というくらいの結果が出たんですよ。これも試験場が取り組んでくれたお陰です。うちみたいな小企業だとこんな実験はできないじゃないですか。地域資源活用プログラムに選定していただいたお陰で試験場の方もやってやろうということになって。

仁坂知事:地域資源活用型プログラムの認定をもらわなくても、試験場はやったらいいんです。やっぱり民間の人と協力しながらやっていかないと、県の試験場は唯我独尊になるとあかんのですよ。

細川社長:しかし、民間では目先の利益を追うところがあるので、どっちかというと出口が近いんですよね。

仁坂知事:それでいいんですよ。逆に県の試験場で例えば素粒子論をやるとか、学者崩れになるとか、そういうことをやっちゃいかんのですよ。そういうのは大学とか国の研究所とかへ行けばいいんですよ。地方の研究所っていうのは、県民のために役に立つことを一緒にやるということに意味があると思います。

細川社長:その意味で、今回プレミア和歌山のお墨付きをいただいて評価を得てるんだというのは、誠にありがたいことです。

仁坂知事:審査はなかなか厳しいんですよ。審査委員会が厳しくて、ばたばたと落とされました。

細川社長:昨年、日本だけでなく世界へということで、フランスのシアルの展示会へ行ってきました。梅干しもいろいろとPRしましたが、向こうのシェフにも好評でした。信頼や安心という面で、日本のブランドイメージは非常に評価が高いことにも気づかされました。

仁坂知事:外国での日本のイメージは日本人が考えるより評価が高いですね。それは我々日本人の今までの努力の結果だと思います。

細川社長:日本人の誠実さ、正直さは高く評価されていますね。そういうところへ日本が出て行く、和歌山が出て行く、私もそういうところへ便乗させてもらえて非常に勉強になりました。

仁坂知事:梅干しは酸っぱいのでヨーロッパではどうかと思いましたが、よく考えてみるとイタリアにはバルサミコ酢があって、酸っぱい味で勝負してるわけですよ。なかには何十万円もするもの凄いブランドになってるものもあります。アメリカやヨーロッパでは梅干しは売れないという人も結構いますが、生の魚だって健康ブームで寿司という形で売れたんだから、梅は身体に良いということがもっと流行ればきっと梅干しも売れる。もっと簡単なのは梅酒ですね。あるいは、みかんジュースのものすごく美味しいものだとか、みかんそのもの、柿、桃、水産物等々考えていくと夢は膨らみますね。

細川社長
細川社長

細川社長:今、梅酒の話が出ましたが、昨年の7月、みなべ町は梅酒特区に認定されました。これをどうにか地域の活性化に活用できないかと考えているんです。それで先日、先進地のワイン特区の勝沼を視察してきました。そこで梅酒をこの地域で根付かせるヒントがありました。

仁坂知事:どのようなヒントですか?

細川社長:小さなところがワイナリーを中心にして観光をやってるんですね。結構いっぱいあって、それぞれがテイスティングをやって、それで観光客を寄せてるんですね。みなべも観光客はたくさん来ていますから、梅酒のテイスティングしたり・・・

仁坂知事:梅酒の郷、ですね。非常に良いと思います。うめどりのバーベキューもするとかね。

細川社長:梅酒もあるし、その他もいろいろ出てくると非常に面白いと思いますね。
これからの取組で言うと、今、4社の企業と県立医大と寄付講座で梅干しの効用研究を進めているんです。1社500万円ずつ出しているんですが、中小企業にはちょっと荷が重いところもありますが。

仁坂知事:県には活用できる資金、例えば元気ファンドとか、いっぱいあるんですよ。今年は農商工連携ファンドを作るんですよ。農商工連携のための専用ファンドで20億円くらいだから、果実は年間3千万円くらいですかね。公募ですから、ぜひ手を挙げてくさだい。和歌山には、みんなと競争してでもとってやろうという雰囲気がないですね。格好良くプレゼンしてね、それも知恵ですから。考えて、夢を描いて、みんながなるほどと思ったら、和歌山県では使えるお金は結構多く用意しています。

細川社長:それは良いことを聞きました。今度エントリーして頑張ってみます。

仁坂知事:最後に、細川さんの抱負があればお聞かせいただけますか。

梅仙庵にて
梅仙庵にて

細川社長:今、養鶏業者は鶏糞の処理に困っていて、一方梅農家は肥料が高くなって困っています。これを地域全体でうまくリサイクルできる循環型の体制づくりを展開していきたいと思っています。

仁坂知事:鶏糞を袋に入れるだけで肥料になるんじゃないんですか?

細川社長:なりますけど、農家の人はきちっと結果が出ないと不安なんですよ。肥料をやりすぎたら失敗しますしね。うめ研究所で研究してくれて、結果も出ているんですが、実際に農家に使ってもらうには、マニュアルづくりをしないといけないんです。

仁坂知事:うめ研究所は一生懸命やろうとしてくれているんですね。

細川社長:はい。農家にとってはアカデミックなところは敷居が高いんですよね。

仁坂知事:県の研究所や工業技術センターはなかなかがんばってくれています。技術がすごいと思うような中堅企業でも実験は工業技術センターの装置を使ったりと、うまくやっていますね。地域の中小企業のためにやるという雰囲気があります。これは頼もしいことですよね。

細川社長:中小企業は人材もそんなにあるわけじゃないですからね。協力していただいて非常にありがたいですね。うめどり・うめたまごからさらに鯛や牛、イノブタにも活用していきたいと考えていますので、今後ともそれぞれの研究所に協力していただけたらと思います。

仁坂知事:ぜひ夢を実現させてくだい。今日はどうもありがとうございました。

細川社長:実現に向けて頑張ります。ありがとうございました。

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