知事記者会見 令和元年8月27日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和元年8月27日 知事記者会見
令和元年8月27日 記者会見室
“紀伊山地の霊場と参詣道”世界遺産登録15周年記念キャンペーンを実施します
今日はたくさんありますが、お盆休みのものが溜まっていたかなと思います。
まず、“紀伊山地の霊場と参詣道“世界遺産登録15周年キャンペーンを、これから実施いたしますので、その全容を発表させていただきます。今年の10月1日から年度いっぱい半年間でやるぞということでございます。第1は、特別企画として世界遺産の寺社で、特別企画、初公開とかがいろいろ実施されますので、この機会にどうぞというのが一つあります。それから2番目はウォークイベントでございまして、そこ(資料)に書いてあるように、町石道、中辺路、大辺路、それぞれみんなで歩いて道普請をしましょうということでございます。それから、世界遺産登録15周年記念の10万円プレゼントということをやります。2泊以上宿泊してくださる方を対象に、現金10万円とかプレミア和歌山の商品とかが当たります。それから、手ぬぐいを差し上げます。それから、「高野山・熊野を愛する100人の会」を発足させました。9月3日、「和みわかやま東京レセプション2019」という観光中心のPRイベントを東京のホテルニューオータニでやりますが、その時に披露することになっていて、一部の方々に出てもらいます。どんな人がなっているかは、こっそり観光振興課に聞きに行ったら、教えてくれるのではないでしょうか。それからキャンペーンパンフレットなどの情報発信で、お手元に配付しているものです。こっち(表面)から見たら高野山、こっち(裏面)からみたら熊野という、なかなか粋なパンフレットを作りましたが、そんなものとか、特設WEBサイトを作って、いろんな行事とか魅力とかが一覧になったものを掲載しています。それから二次交通と書いてますが、要するにバスなどをこの機会に拡充しようというのがいくつかございまして、京都から高野山とか、関空から高野山とか、高野山から熊野、即ち本宮大社までとか、いくつか兼ねて行きたいとか、すぐ行きたいとかそういう人のために、こういう便利なバス便を作りましたので、これを運行します。それから、交通事業者とのタイアップということで、JR西日本とか阪急阪神(ホールディングス)とか南海フェリーとかが、それぞれこの機会にキャンペーンをやってくれるので、ありがとうという感じでございます。それから7番目が、これ結構大事なのですが、(三重県・奈良県・和歌山県の)3県で世界遺産登録15周年連携事業ということで、去年の3県知事会議で具体的に決めて、今、それぞれ担当を決めて実施しています。聖地巡礼ツアーは和歌山県、記念シンポジウムは三重県、吉野・高野・熊野スタンプラリーは奈良県、それぞれ事務局はそんな感じになっていますが、みんなで協力してやっております。細かくは別添にいろいろ書いてありますので、それを見てください。
人気自転車レースアニメ「弱虫ペダル」と「WAKAYAMA800」のタイアップ企画を実施します
その次は、人気アニメ「弱虫ペダル」、実は私はこれを職員から借りて、ものすごく愛読していますが、めちゃくちゃ面白い。皆さん読んだことないでしょ。ぜひ読んでください。1巻から読むと62巻まで出ているので止められなくなります。そんなことでございまして、小野田坂道くんが主演する人気アニメであります。この弱虫ペダルとWAKAYAMA800とコラボいたしまして、10月から12月までキャンペーンをいたします。具体的にどういうふうになるかというと、弱虫ペダルのこういう(資料にある)絵がいろいろ出ていますが、そんなものをどんどん発信してもらいますけれども、さらに特別版といたしまして、(資料の)写真にありますが、横に写っているのが坂道くんでございまして、小野田坂道くんとポイントで一緒に写真が撮れるというのが一番の肝のところでございます。そういうことで、どういうふうにしたら良いかというと、(資料の)参加方法などに書いていますが、それを見ていただいてやっていただくと、そういうことが出来ていくことになります。さらに、弱虫ペダル限定グッズを最終的に差し上げるということもあります。特別版ウェブサイトは、(資料の)下に書いてあるとおりで、具体的に説明がもっと詳しく分かることになっておりますので、この機会に弱虫ペダルの好きな人も、まだ読んでいない人も、和歌山のサイクリングで楽しまれたら、えらい楽しいということになるわけであります。
「南紀白浜空港機材大型化 「ボーイング737-800」定期就航」空港の利用促進についてさらなる取組を実施します
その次、「祝」と書いてあるのは気持ちが表れていますが、南紀白浜空港の機材が大型化されます。現在は、南紀白浜空港は羽田空港との間で、1日片道3便、往復6便飛んでいるわけですが、特別の時以外はエンブラエル190が飛んでいるわけです。95席ですね。これが、最近、いろんな意味で流行って参りましたので、便によっては全く予約が取れないというのが続出しています。例えば3月が一番すごかったのですが、3月の東京に帰る最終便なんかは、毎日ずっと見ていると3分の1ぐらい満席、残りも空席2とか、そんなのばっかりがズラーッと並んで、これだとなかなか予約が出来ない。もう行けないので諦めた、なんてことになると辛いから、昔みたいに737にまた戻してくれませんかという話を、JALに熱心にしていました。この間もJALの副社長にお願いをしに行った時に、その前にOKと言ってくださっていたので、今日の発表を楽しみにしていたわけです。(資料の)2枚目に、こんなふうになりますというのが、上の方に出ております。さらに、これはJALの好意というか戦略というところも表れていますが、この際、料金を下げますと言ってくださった。料金を下げるというのは、通常の料金、出発の直前に行って乗せてと言ったときの料金は下がっていないのですが、特割という制度がたくさんあります。その特割について、特便3、特便7、先得割引タイプA、ウルトラ先得という色んなものがあり、こういうものをさらに下げてくれることになりました。これはかなり白浜便を優遇してくれているということでございまして、どこと言いませんけども、類似の空港、割と近い地方空港の特便3と比べると、白浜便は随分安くなったということです。これによって、観光客も良いと思いますし、それから特便3なんかは、ビジネス客にぴったりだと思います。75日前から計画をして、これウルトラ先得ですが、予約をするのはビジネスの場合は難しい。観光客は、初めから楽しみにして予定を立てて、これで予約しておくというのも良いと思いますので、うんと安くなります。さらに、ビジネス客は特便3なんか使ったら、うんと安くなります。特便3を使うと、白浜と羽田までの往復が2万4000円です。これは新幹線を使うよりも安いことになりますので、ぜひ皆さんそれをお使いください。皆さんお使いくださいというのは、どういうことかというと、一番上の1のところでございますが、この取組を行います。まず、南紀白浜空港サポーターズクラブを設立しようということです。また、機材大型化キャンペーンを実施して、商品が当たるなんてのをやってみる。次に白浜発の旅行造成。これは東京からは結構来ますが、逆の場合が少ない。そうすると、東京へ行く朝一の便がちょっと少ないかなというところもありますので、白浜発の旅行造成に係るインセンティブの付与もやりたい。それから、航空機乗り継ぎ利用というのがございまして、白浜に来る場合もそうだし、例えば、札幌から来るときに羽田を経由して白浜に来る時に、乗り継ぎ便を使うと随分安くなります。そういうものを意識して、旅行パッケージを作っていこうということであります。それから、首都圏をはじめ全国に発信PRを行うということで、項目が2つございますが、こんなことを一生懸命やるぞということです。この中には、観光客を呼ぶのはもちろんですが、ビジネス客が最近白浜にIT関係の方々が来られて、ちょっと需要が増えてきたというのがありますし、それから串本で今ロケットの建設が花盛りですから、この関係の方がよく見えることもありまして、随分増えてきています。こういう方にも来てもらいたいと思うし、観光客ももちろん来てもらいたい。さらに言うと、和歌山の方々がこの便を利用して、余所へ行くということが出来ますと、また737もいっぱいになる。いっぱいになったらまた増便してもらうと、こんな感じでどんどんやっていこうと思っておりますので、これから一生懸命キャンペーンを行います。キャンペーンの具体的な話は、今方針だけを発表しましたので、これから続々と、1個1個こういうのをやります、ああいうのをやります、募集します、というようなものを、これから発表していきますので、期待してください。
「和歌山県人会世界大会」一般参加者の募集を開始します
その次は、和歌山県人会世界大会を11月24日にやることになっております。和歌山県は、今年の11月は忙しいです。ねんりんピックもあるし、(県人会世界大会の)記念式典・コンサートが11月24日にあります。16時から17時半でございますので、これに皆さんおいでいただけませんかというわけです。もちろん、そこに書いてあるような海外の県人会とか、国内の県人会からも参加者を募っていますから、全体で500人以上の方がお越しになると思います。それから、県内の関係者の方も随分お越しになるのですが、一般の方々もこの際だから見に来ていただいたら、あるいは交歓をするために来ていただいたら良いと思います。特に、自分の親戚の方なんかが海外に行っておられる方は、ぜひ来ていただいたら良いと思います。募集人数の目処は1000人ぐらいで、9月1日から10月20日まで、1人1回の応募で4人まで申し込み可能でございます。いっぱいになったら、抽選をさせていただきます。それから全体として、県人会世界大会はどんなふうにやるかというのを、もう1回ご説明しておきますと、オープニングがこの発表になるわけです。(県人会の方々には)11月24日までに和歌山に来てねということになっていて、日曜日の午後の早めからアバローム紀の国で、和歌山体験ブースというのをやります。例えば和菓子を作ったり、平安衣装を着たり、ジュースを作ったり、醤油を作ったり、いろいろございまして、海外から来られた人を中心に、先祖はこういうことをやっていたんだなあ、というようなことを体験してもらったら良い。それから、16時からアバローム紀の国の隣の県民文化会館大ホールで、17時半まで記念式典を行います。その時には、さっきのパンフレットにありましたように、宮沢和史さん、人気のシンガーソングライターですが、この方に記念コンサートをやっていただきます。それから歓迎レセプションを、今度はまたホテルアバローム紀の国に戻って、鳳凰の間で、海外から来られた方を中心に、18時半から20時半まで行います。それから、その次の3日間、25日、26日、27日は、ふるさとめぐりツアーをやります。それぞれ自分のルーツはどの辺だというのは、みんな知っておられるわけですから、そのルーツの辺りに行ってもらったら良いのではないかということで、紀北コース、紀中コース、それから紀南コース、紀南コースの人数が多いのですが、それぞれ希望者を募って、バスで行ってもらうことになります。現地で、それぞれの市町村とか地元の方のご好意で、歓迎の色んな催し特色のある催しをやることになります。
「ねんりんピック紀の国わかやま2019」音楽文化祭・講演会の観覧者を募集します
その次、ねんりんピック紀の国わかやま、これもえらい迫って参りました。全体としては、11月9日から12日まで、和歌山県下中で大々的に行われますが、9日はだいたい1日開会式です。これは、ねんりんピックのハイライトみたいなものですが、この間(令和元年7月2日知事定例記者会見)ご説明をいたしました。10日は、県民文化会館の大ホールで、太田裕美さんもゲストでお越しになる音楽祭をやります。他には、おのみなと幼稚園の方々、コスモス支援学校夢コスモス、それから海南高等学校太鼓部、秋津野炭琴26、そういう方々が次々と出てこられて、楽しくやられるのですが、第2部は太田裕美さんが(ステージに)立ってくれるということになります。それから11月12日は、世界的に有名なデューク更家さんの講演会です。この方は新宮市出身で、歩いたり、体操したり、そういうものの伝道者ですが、演題が「ウオーキング寿命は健康寿命」。私も、ちゃんと真面目に聞かないといかんなという感じがいたしますが、その講演会を、和歌山県民文化会館の小ホールで行います。それぞれ、お越しになりたい方は申し込みをしていただきますが、申し込み期限が9月30日であります。(チラシには)いろいろ書いてありますので、こんな形で申し込んでくださいということであります。
豚コレラ緊急対策を実施します
その次が、豚コレラでございます。豚コレラについては、和歌山県ではまだ発生していないのですが、隣の三重県北部、和歌山県と県境の接しているところではなく、むしろ発生地により近いエリアです。岐阜県が一番初めに発生し、愛知県やその辺を中心にして今広がっていますが、それに近いところの三重県で、もうすでに発生をしています。これが発生したら大変で、全部殺処分をしなければいけないことになるので、鳥インフルエンザ事件が10年前ぐらいにありましたが、あんな悪夢になると思っているわけです。何といってもやっぱり予防するのが一番大事なので、予防のための対策をやれることはやってもらっていますが、さらにそれのレベルを上げるということをどんどんやろうと思っています。和歌山県は、そんなに豚を飼っている農家や企業、それからイノシシを飼っている農家、企業は少なく、頭数も少ないのですが、それでもやっぱりありますから、そういうところで発生しないように、そこをちゃんと囲い込んで消毒するということであります。よく豚とイノシシが近似なので、野生のイノシシにうつってそれが広がっているので、野生のイノシシから豚にうつるという話があって、イノシシの侵入を防いでおいたら大丈夫なんていう話があります。これ多分間違いで、何故ならば、野生のイノシシがかかっているとしても、ウイルスというのは、イノシシと触れたねずみとか死骸を食べた生物とかにうつります。それから、鳥からもうつると思います。それが豚舎に飛んできたら、あるいは入ったら、あっという間にうつってしまうということが、多く起こっていると思うのです。そこで、そういう小動物にも侵入されないように、鳥インフルエンザと同じようなカバーをきちっとしておかないといけない、ということであります。そのための予算もきちんと取って、我々支援をしていきたいと思っておりますので、徹底的にやるということであります。
国際博物館会議(ICOM)京都大会2019で和歌山県の取組をPRします
その次が、国際博物館会議(ICOM)が京都であります。ICOM京都大会2019ということで、世界中の博物館の方々が集まってきて、博物館の進歩・発展を目指すということで、いろんな議論をしたりする。138の国と地域の博物館関係者約4万4500人が会員になっていて、全員来るわけではないでしょうが、かなりの方々がお越しになるわけです。3000人ぐらい来ると言われています。全体会合は、京都の国際会館で行われますが、和歌山県関連では二つイベントがあります。一つは、国際会館アネックスホールで和歌山県ブースの出展。(資料で)ご覧のような、例えば3Dプリンターで制作した仏像レプリカとか、触れる図録とかについては、和歌山県立博物館は大変な先達者です。そういうものに世界的な関心が高まっているので、ちょっとみんなに披露して、世界中で真似をしてもらったら良いと思っています。これには、和歌山工業高校の生徒さんなんかも随分手を貸している話です。どういうことかというと、古い仏像というのは、これはもう大変な文化財なのでそのまま触るわけにいかないし、それからひょっとして、山寺なんかにある場合、盗まれる可能性もあるということで、そのレプリカを作っておこうということです。それが、3Dでちゃんと形ができて、彩色をすると、本当にそっくりのものが出来ていくわけです。本物は、例えば県立博物館みたいなところに収蔵しておいて、本体を二つ作るとしたら、一つは、山寺あるいは村の神社の神殿かなにかにもう一度戻して、もう一つは、県立博物館のロビーかなんかに置いて、解説つきで、例えば、目の不自由な方が触って分かるとか、そういうことが出来るようにしたのが、画期的なことです。それを、京都へ出向いていってご披露するのが一つあります。それからもう一つは、これは分科会活動として、ICOMの方々が分かれて各地域にオフサイトミーティングに行きます。これは和歌山だけじゃないと思いますが、和歌山もそういう意味で大変立派なので行こうじゃないかという話になって、9月5日にお越しになります。紀伊風土記の丘を見学して、それから、世界津波の日高校生サミット2018を去年やりましたけど、その取組を発表してもらったり、パラレルセッションで、先ほど言いましたレプリカの作成の話とか、あるいは地域住民と災害の記憶の共有化を目指す印南中学校の実践活動とか、あるいは、近代美術館、県立自然博物館及び和歌山市立博物館の教育普及活動とかを発表してもらう。それから、さらに次の日は、高野山に行っていろいろ見てもらう。こんな感じでございまして、和歌山もこのICOMの中に、結構重要なパーツとしてはめ込まれている感じであります。
「第88回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2019」へ和歌山県内の企業が出展します
それから、8月21日に発表しておりますが、今年の秋のインターナショナル・ギフト・ショーに和歌山県内の企業が出展をいたします。出展する企業は、(資料の)下の方に出ているような形です。我々、こういう世界的に注目の集まっている専門見本市を狙って、和歌山県のこれはと思うような企業に集団で出てもらうような細工をしていますが、それの一環で、これは家庭用品とか雑貨とかそういうものの希望者を募って行こうじゃないかということであります。
「全国食の逸品EXPO」に和歌山県ブースを初出展します
それから、今度は食ですが、「全国食の逸品EXPO」、これ実は初めて開催されます。今までフードショーとか、スーパーマーケット・トレードショーとかを狙って出していましたが、ちょっと色彩を変えて、食通にパチッと受けるようなものを全国から集めてやろうじゃないかというのがこの食の逸品EXPOで、和歌山にはピッタリのものがいっぱいあるから、よし勝負、ということで企画をいたしましたら、16業者が参加することになったということであります。8月27日から29日まで、東京ビッグサイトで行われます。
徳島県と防災ヘリコプター相互応援協定を締結します
もう一つは、徳島県と防災ヘリコプター相互応援協定を締結いたします。9月1日に発効であります。防災ヘリ同士で相互応援する。これで、(資料の地図の)こんなふうに30分でどこまで行けるかという話になるわけです。徳島県の円の方が大きいなと思いますが、これは何故かというと、徳島県の(防災ヘリの)速度が速いということで、30分で行き着けるところが大きいということでございまして、その代わり和歌山県(の防災ヘリ)は、搭載人員数が多いということであります。お互いに協力して頑張ればいいということであります。
以上です。
毎日:まず発表事項でお伺いしたいのですが、南紀白浜空港の定期就航に関して、いろんなキャンペーンをやられるということで先ほど説明をいただきましたが、これは何か新たな予算措置を組んで検討して取り組んでいくという理解でよろしいでしょうか。
知事:場合によってはそういうことになるかも知れませんが、実は例えば、観光の予算とか、港湾振興の予算とかが無いわけではない。だからその内容として行えば、別に新しい予算措置はいらない場合もある。だから予算措置については、ちょっとよく分かりません。もっと大量にお金をガバーッとかけたほうがいいなあと思ったときは、躊躇なくやりますけど。その時には補正予算を(議会に)出さないと行けない。
毎日:もう一つ続けて。和歌山県人会世界大会ですが、もしかしたら以前に説明いただいているのかも知れませんが、11月という時期にこのような大会をやられる意義、意味について、知事の口から少しご説明いただけますか。
知事:県人会は、あちこちで私は大事にしていて、特に国内の県人会も、私が知事になってからちゃんとフォローするようにしています。歴史的には、海外の県人会には、例えば5年に1回とか周年行事があって、それで皆さんに会いに行って、和歌山のことを説明したり交歓したり、皆さん喜んでくれるので、そういうことをやってきました。時々、県人会の方々の中には、特にブラジルの方に多いのですが、和歌山にちょっと里帰りということで皆さんがお見えになったりすることがあって、毎年毎年では無いのですが、そういうこともありました。それから、それらの方々に対する思いというのは、やっぱり我々は和歌山県人で、和歌山でも頑張らないといけないのですが、和歌山県人が海外で、あるいは国内の他のところで活躍しているのを見ることは大事なことで、頑張っている人は褒め称えてあげて、共感を持つというのは大事なことじゃないかと私は思っています。そういう前提で、きょろきょろっと余所を見ていますと、沖縄県は和歌山よりもっと移民が多いのですが、何年間に1回、大県人会大会を沖縄で行います。それで、世界中からワーッと沖縄出身の人が来るわけです。これ良いぞと勧めてくれた人は、露骨に言うと鶴保さんです。鶴保参議院議員に言われて、彼は沖縄担当の大臣をやっていたでしょ、それであれ良いぞと言われて、そうですね、やりましょうということで、企画をして予算を取ってやることにしたということでございます。毎年は出来ませんが、時々やったら良いのではないかと思います。
読売:発表事項で「弱虫ペダル」ですが、漫画とのコラボレーションというのは各地で行われていて、今回和歌山でも行うということで、この機会に、こういうところを楽しんでもらえたらというのを、原作をお読みになった知事から、漫画のこともちょっと絡めながら一言いただければと思います。
知事:残念ながら、(アニメの主人公達の)彼らはインターハイがターゲットです。残念ながら、和歌山では走っていません。富士山に登ったり、榛名山に行ったりはやっていますが、和歌山県では走っていない。だけど、人気があることは事実なので、アニメの内容は自転車レースですが、レースでなくてもゆっくり走るということも含めて、自転車は健康に良いし、観光の大事な手段、体験観光の極たるものだと思います。そういう意味で、WAKAYAMA800というキャンペーンを実施して、それで本当にブルーラインを800km引いています。それだけあります。それで、余所だとここ大事というのはありますが1点豪華主義で、和歌山には、海もあるし、それから山も川もある。川沿いをずっと走るとか、山を下ってくるとか上がっていくとか、海沿いで景色を見ながら走るとか、いろいろ出来る。そういう意味で、変化に富む800キロメートルを走ってくれというのが我々のキャンペーンの主眼です。そうすると、突如として弱虫ペダルのキャラクターが現れて、円月島の前で、牧島君の隣で記念撮影するということがあったら、やっぱり自転車の人達も面白いでしょ。それで、これを企画会社と協力して作ったということです。
読売:発表事項外になりますが、来週、紀伊半島大水害から8年目の慰霊式なども9月4日に行われるということですが、先日の台風10号でも、県で実際されたダムの事前放流なんかは特に紀伊半島大水害の翌年から協定を結んで、全国では先駆的に行われてきた事例だと思いますが、そういった災害の教訓を活かすということが、これまでもそうですがこれから大事になってくると思いますが、改めて、全国で豪雨災害がどこでも起き得る現状において、紀伊半島大水害を体験した和歌山県が、災害の教訓を活かすことはどういうことなのかについて、知事から一言ご所見をいただければと思います。
知事:どういうことなのかという哲学を語ってもしょうがないので、行政報告会なんかで説明していますが、ちょっと偉そうに言うのはあまり得意ではないので言いにくいのですが、和歌山県で現在やっている防災対策のラインナップはもう世界一だと思います。だけど、いつも行政報告会で言っていますが、これはやっぱり犠牲者、あるいは他所の犠牲者の教訓です。だから失敗の歴史と言っても良いかもしれませんと言っています。和歌山県はとにかく、災害が起こったら必死で頑張るけれども、一個終わったら反省をして、さらに対策を強化しとくべきではなかったかということを、ずっとやってきました。その結果、あれだけのものが加わったわけです。今言われたダムの事前放流も、事前放流は当たり前ですが、営業用資産まで事前放流してもらっているわけです。そういうことについては、これまでのベストだと思われているやり方で椿山ダムが上まで(水が)いって、入る量と出る量を一緒にせざるを得なくなったという、辛い出来事があったからです。そんなことがあったら、すぐに直すということをやってきたので、いろいろ充実してきています。ただ、これで終わりであるはずが無いといつも思っています。想像で直す部分も、もちろんあります。別に被害が起こったからではなくて、想像で直す部分ももちろんあって、例えば、和歌山防災ナビアプリは、想像で一生懸命ハイテク化して頑張ってくれたわけですけど、実際に起こって、しまったと思って直すというのも結構あります。例えば、関西電力とNTTと応援協定を結びました。あれなんかは、昨年の21号の停電がなかなか解消出来なかった教訓を活かしてやったことです。そういうふうに、具体的に対策で我々は考えていかないといけないということです。
毎日:改めて発表外で、先日、メガソーラー、大規模太陽光発電に関しまして、一部の事業者が県や和歌山市を提訴されたという案件があるようですが、この提訴につきまして、知事のご所見をお伺いできればと思います。
知事:とんでもない提訴だと思います。要するに、自分の都合で早く審査をしろと。手続きはもう決まっているのに、その手続きがグズグズしているのはけしからんと。無茶苦茶です。無茶苦茶言うのも自由だから、訴訟を起こしたのですが、訴訟については、もう完膚なきまでに叩きつぶさないといけないと思っています。我々は、これの何に文句があるのかという感じできちっとやっているわけですから、訴訟で堂々と争わなければいけないというのが大事です。それから中身の話をすると、要するに、グズグズしているのはけしからんと言うけど、リクワイアメント(必要条件)があるわけです。従来は、毎日新聞にもちょっと従来型のことが書いてありましたが、例えば、関連自治会の同意を取って来いという話があって、これも一つの手続きですが、最近はちょっと危ないかなあということもあって、太陽光条例をきちんと作って、太陽光条例の中できちんと審査をしているわけです。それで、意見のある人は別に自治会単位でなくてもいいから、懸念はどんどん言ってらっしゃいと。その懸念についての判断は、科学的にきちんと専門家がやりましょう。少しでも懸念があれば、それを直してもらうし、直せないと言うのだったら、それは駄目ということになるでしょう。それからもちろん、住民が気付かないことでも、行政が気付くことがあるので、太陽光条例にずらっと安全審査の中身をたくさん書いてありますから、それについて行政がきちんと詰めて判断をしてやっていかないといけない。この両方がそろって初めて、太陽光条例はOKになり、さらに、その太陽光条例で合意された内容で、住民の人たちはみんな満足する、あるいはそういうものだよねとなった改定計画を、林地開発の許可の時に出してもらったら、林地開発も進み始めるということになるわけです。こうなっているのに、とにかく期限が来るから早くやらないのはお前が悪いと、とんでもないと思います。もう一つは、こんな制度を作った政府と、その時の担当をしていた人、政治家も含めて、反省してもらいたいと思います。大体FITであんなに優遇するから、こんな話になるのではないかと私なんかずっとあの時から言っていたわけです。みんな太陽光が良いんだ良いんだと言って、それがまるで世界を救うというようなことを言いつのった人たちがいっぱいいた。それが、同じ人が反対とか言っている場合が結構ありますが、一体あの時あなたは何を言ったかということも、大いに反省してもらいたい。もっと言うと、FITの価額は全部、利用者の料金に乗ります。だから、あまり無茶をやったら、それこそ日本が電気料金で潰れてしまうということなのに、あまり後先考えないでやった政府は、いかんなと反省してもらいたい。誰だ、と思いますよね。今はちょっと反省して、グズグズしていたらいけないぞという話になったので、今度は早くしなきゃいけないと言って、訴訟を起こす業者もいる。こういう業者がはびこるような制度を作った人が悪いと思います。それから、ちょっと良かったなと思うのは、県は、弁護士も雇えるし専門的な知識もあるから、訴訟なんか起こされてもへっちゃらですが、これが例えば住民に対して起こされたら、ちょっとまずいなあと。実はこれが私のもともとの懸念だったので、制度を別のスタイルに変えました。県が矢面に立って戦うことが出来るから住民は守れるという意味で、良かったのではないかと思います。
毎日:関連して。一部の事業者が、造成の許可を取り下げるという形で県に連絡をしてきたというお話があるかと思いますが、そのことについてどのように思われていますか。
知事:そこは自由ですね。私は別にすべての太陽光がいけないなんて全然思ってないわけで、やっぱり太陽光は良いかもしれないけど、制度的にさっき言ったみたいに、電力使用者に料金が乗るわけですから、ちょっと問題だなと思うけど、そこは目をつぶるとしたら、適法になされている太陽光は別に悪くないと思います。ただ、だからといって何でも良いというわけではないので、特に斜面の木を切ったりして大量に作ると、やっぱり災害が起こったり景観上の問題が起こったり、いろいろな副作用が出て参ります。こういう点は、きちんとしなければいけない。これをクリア出来た人は、堂々とビジネスをやれば良いというのが基本的な考え方です。何でも反対というわけではありません。その結果として、当然のことながら、きちんとしたルールを作ったのですが、それがクリアできないと判断して止めたのではないですか。止めたのも自由だし、それについて、とやかく言うつもりはありませんし、惜しいとも思わないし、ああそうですかというぐらいの感じです。太陽光って雇用が発生しません。だから、そんなに我々がすがらなければいけない話では無いし、推進しなければいけない話では無いと思う。だけど、いじめたり、わざと意地悪をしたり、そんなことは全くやっておりません。淡々とやっているわけです。
毎日:先ほど訴えた業者に対して厳しい言葉がございましたが、知事としては業者が出している事業内容そのものについても、相当の疑義を持っていらっしゃるという理解でよろしいのでしょうか。
知事:いや、私自身は別に自分で審査をしているわけではなく、制度は自分でいろいろアイデアを出して作りましたけど、審査は担当の人が淡々とやってくれているし、もっと大事なことは、担当以上に専門家の方々、これ圧力かかると困るから公表できませんけど、専門家の方々がきちんとやってくれているので、そういう方々の科学的な審査に依存すれば良いだけのことです。別にけしからん業者だとは思うけど、だからといって一切認めないとか、そんなことを言う権限はありません。
時事:発表内容に戻りますが、先ほど「弱虫ペダル」がめちゃくちゃ面白いと。さらに、和歌山はこうやって観光に自転車を活かしていますし、この間はシクロサミットも開催されました。それでちょっと疑問に思ったのですが、知事ご自身は、今自転車に乗っているとか、昔乗っていたとか、そういうのはあるのでしょうか。
知事:そんな答えにくいことを聞かないで欲しいのですが、残念ながら無いのですねえ。最近、自転車に乗るのは、災害対策本部の参集実験、サドンアタックというのを和歌山県はやるわけで、きっともうすぐどっかで行われます。それで、危機管理局の誰かだけが、いつ参集ということを発する権利を持っていて、バーッと電話をかけてきて、参集がかかると一刻も早く本部に行かないといけない。その時に、公用車は来るはずがないので、走るより自転車の方が早いから、その時は自転車で走るために、ちゃんと官舎の車庫にママチャリが入っていて、このママチャリでどどどっと行くわけです。(弱虫ペダルの)小野田くんと一緒です。あれママチャリから始めたのですから。もちろん子供の頃、高校生ぐらいの時までは、和歌山市に住んでいたわけですから、自転車が主たる移動手段です。自転車で北島橋越えて向こうまでバーッといったり、貴志のあたりまで行ったり、もうあちこち走り回っていました。その頃の感覚と今と比べると、坂道を登りにくいなあ、ちょっとまずいなあという感じがいつもしています。
時事:もう1点、発表外になりますが、串本町でロケットシンポジウムを初めて開催しました。実質あの規模できちんとした地元でのロケットについてのお披露目は初めてだったと思いますが、実際に行かれて串本の人たちの反応はどうでしたか。
知事:串本の人たちの反応は取材に行ったわけではないのですが、会場の雰囲気は大変ぴりっとしていて盛り上がったと思います。それから、私はむしろ聴者として、たくさんの人の講演とパネルディスカッションを聞いたのですが、ものすごく勉強になりました。自分も多少は勉強しているから、多少のことは知っていますが、やっぱり専門の方々がそれぞれ、特に講演で3人が出てこられて、いろいろしゃべっているのを聞いていると、はあそうだったのかというような新しい話がたくさんあって、これは面白いですよね。
時事:どういうところが特に思いましたか。
知事:特に露骨な言い方をすると、一番よく分かるのは、株式会社ALEの社長である岡島さんがぼやいていました。要するに、自分のところはもうじき2台目を打ち上げる。1台目の時も随分待たされたし、2台目は待たされないかなと思って、随分前から海外の小型ロケットの打上げ会社とちゃんと契約をしてお金も払ったのに、急にお前は後回しだと言われた。自分のビジネスで、来年オリンピックもあるしいろんなことをしようと思っていた時に、いろいろやろうと思っていたビジネスが全部おじゃんでけしからんと。一刻も早く信頼できるスペースワンの打上げ場が出来たら、2号機はお金を払ってしまっているから無理として、3号機をもし打ち上げるとすると、今度は信頼できる人にすぐ頼めるわけです。そんなことになるので、これは絶対早く作って欲しいと思っていたので、とても嬉しいということを言っていました。実はああいうような話なのです。岡島社長だけじゃなくて、例えば通信をやる人とか、放送をやる人とか、それからそれを媒介する人とか、そういうことについてのニーズはすごく出ているわけです。それで、テスラのイーロン・マスク社長のビジネスモデルで、何千発、何万発、なんかそんな規模で、宇宙に小さい衛星を置いといて、いろんな通信をする。それから、これ私の意見ですが、多分自動車の自動運転は、今は地上の形状でやっていますけど、GPSの精緻のものだったら、もっと簡単に出来ると思います。今は人ぐらいまでもちゃんと識別が出来ますから、人が来たぞといったらぱっと止まったり出来る。だから、それがまた新しいビジネスになるのではないかと思います。よく言われているのは、通信と放送が一つの塊で、もう一つは観測です。これも和歌山県は、実は衛星会社と契約をしていて、大規模な災害が起こったら、どこでがけ崩れが起こっているかというのは、衛星でパッと教えてもらう。第一陣で。もちろん精緻に見に行かないといけないので、人間が見に行ったりドローンを大分整備して見に行くことにしていますが、一番初めの第一陣は衛星でパッと見るとパッと分かります。そんなことを、我々はもう装備していますが、そんな需要がものすごく増えていくわけです。さらに、これ自分の意見だけど、制御が次に待っているのではないかなあと思います。制御というのは、自動運転その他です。そんなのが次に待っているのではないかなあと思います。そうすると、どんどんどんどん広がってきます。小さい衛星で全部やりますから、ロケットで何月何日までに打ち上げてくれなんていう需要とか、1個壊れたからそこの代わりに置きたいんだというような話がバンバン出てくるわけで、それはスペースワンの需要になります。これは面白い。そうすると何が次に起こるかというと、その常勤している人たちが、そこにずっといます。これは時事通信社のエリート記者ぐらい頭の良い人がいます。そうすると、面白いでしょ。それから、子供たちの励みにもなる。それから、観光客がどのぐらい来るか分かりませんが、今でもいっぱい行っています。ホリエモンのロケットでも皆ワーッと見に行っています。あんなふうに多分なります。そうすると、(年間に)20発打っていくわけですから、ちょっと飽きが来て1回1回がそんなにたくさん来ないかもしれないけど、継続的にたくさんの人が来てくれるようになるでしょうね。それはまた面白いですよね。いろいろ面白いことがたくさん出てきて、これは楽しい。
時事:かなり手応え感じられたということでしょうか。
知事:今、もともと知っているものもしゃべったのですが、知らない人に対してもそういうことが次々と語られたので、これはいろんな理解が深まったのではないかと思います。一番これの重要性が分かってないのは、マスコミだと思います。こんな世界大競争の話を、ローカルな話のまま留めておくなんて、信じられないと僕は思います。私は和歌山県知事だからローカルな話だけで良いのです。仕事が潤うから、それで良いと思いますが、これは世界大競争の始まり、5Gとかに匹敵するような話だと思います。