知事記者会見 平成31年3月19日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
平成31年3月19日 知事記者会見
平成31年3月19日 記者会見室
果樹試験場が開発!食味・食感がよいカンキツ新品種「はるき」
発表事項がいくつかありますが、第一は、「はるき」を果樹試験場が作りました。なかなか美味しいので、皆さんは後ほど食べていただけますので、ぜひ食べてください。私もいただきましたが、甘くて酸っぱくて、サクサク感があって剥きやすいといいところばかり。一見ちょっと見てくれが悪い、汚れているのが結構あるというような感じがありますが、これは一時的なもので、ちゃんと育てればきれいになるということであります。
配付資料を見ていただきますとお分かりでございますが、平成14年から果樹試験場の諸君が清見と中野3号ポンカンをかけて、作ろうというふうにしたわけです。初めはこればかりではなかったと思うんですけど、やっぱりこれが一番いいぞということでだんだん絞っていって、この「はるき」を作ったということであります。これでできましたが、この苗をたくさん作らないといけないですよね。苗をたくさん作るのが今年からの仕事で、苗木の流通が平成33年(2021年)から始まります。それから、それを植えてもらって、農家からバカバカと出てくるというのは、平成38年(2026年)からになるので、こういう話というのは随分長いですね。しかし、研究所の諸君が本当に一生懸命作りました。皆さん、いっぺん食べてみてください。
それから、これは言わずもがなかもしれないけど、最近は、3年間で農林水産業競争力アップ技術開発というのをターゲットに一生懸命取り組んでもらっていますが、それの一環で28年度から30年度、今年度までの3年間でやろうということで完成したということであります。
(株)Ultimate Life 及び (株)クレアネットが田辺市へ進出します
2番目は、田辺の秋津野ガルテンにあるところの新しいITオフィス「秋津野グリーンオフィス」に4部屋を提供しますと言いましたが、すでに2社が決まりました。両方とも大阪にある企業で、一つは、Ultimate Life(アルティメット ライフ)、もう一つは、クレアネットということであります。それぞれ資料の下に載っておりますけれども、Ultimate Lifeは、フィットネスの関係の通信販売、ネット販売なんかをしているところで、その販売系のシステムの開発をするということです。それから、クレアネットの方は、ウェブマーケティング事業をしていて、事業の拡大とか人材育成の拠点にするということで、秋津野グリーンオフィスに進出してくれることになりました。進出協定の締結については、3月26日の14時30分から行いますので、どうぞ取材にお越しください。
恋野橋の被災に伴う代替路(仮橋)の利用開始について
その次は、恋野橋ですが、ちょうど私が選挙をしている11月頃に傾きまして、もう傾いた橋はきれいに撤去しましたが、新橋を造っている最中で、それは来年の春ぐらいにできるんですけど、それまでものすごく不便になるわけです。したがって、県土整備部の諸君がいろいろ考えてくれて、近畿地方整備局から仮橋を借りて、この仮橋は、なんか鉄の網目みたいな感じでパッと作っていくんですけど、ここに作ろうということになりまして、もうちょっと早くできる予定だったんですが、作り始めると流れが急だったり地盤が悪かったり、慎重にやっていたので、3月24日にできるということになります。約1年間、次の橋が完成するまでの間、これでもって何とかしのいでもらおうと思います。また、これよりもさらに上流の少し行ったところで人が通れる橋というのは、もう既に整備をしておりますし、それから、橋本駅から恋野橋の南側の袂までタクシーでグルッと回ってきてもらうというサービスもしています。これは仮橋ができたら終わりということであります。
平成31年度第1四半期 県管理道路の供用について
その次は、平成31年度の第1四半期にこのような道路ができていきますということを、予め皆さんにお知らせをしておきたいと思います。心はですね、平成30年度に造ってしまおうかなあと思った道路が少しあるんですけど、天候がものすごいことになったり、それから岩盤が出てきたりして、かなわなかったというところもあります。しかし、ダラダラやっているわけではありませんので、このぐらいのタイミングでできますということで、少し我慢しつつ安心してもらおうということで発表させてもらいます。
一つは、これは別に遅れたわけではないんですけど、一般県道那賀かつらぎ線のJRの鉄道の上を越して、京奈和自動車道のかつらぎ西インターチェンジと国道24号線を真っすぐ結ぶ立派な道が4月にできます。なお、これができるときに下の踏切を廃止してとかJRに言われるんですけど、そこは何とか廃止しないでそのままにしてもらいまして、住んでおられる人が向こう側に行ったり、あっち側に行ったりすることもできるようになります。インターチェンジを降りて、高野山とか国道24号に行こうという人は、この道でパッと行けばいいということであります。
それから、国道370号の阪井バイパス。この弟分の木津バイパスがもうできているんですけど、より長い東西にできる阪井バイパスが、今年度末で供用するはずでしたが、ちょっと天災で工事が遅れたのと、それから岩盤がすごく出てきて、ゴリゴリ削っているとやっぱり時間かかったということで、平成31年6月にできますので申し上げておきます。
それから、諸井橋(もろいはし)と愛宕橋(あたごはし)という紀の川市の貴志川と桃山の二つの橋がありますが、諸井橋の方は、たま駅長で有名な貴志駅の真ん前にある橋で、それから愛宕橋の方は、山田ダムのところにある。いずれも貴志川と和歌山市の南の方をつなぐ大変重要なところにあります。それぞれちょっと狭くすれ違いが困難であるのと、老朽化が進んできたので、この際、すっと通れるような立派な橋を造ろうということで取り組んできましたが、両方とも6月の終わりぐらいに開通するということになりました。これを予め皆さんに申し上げておきます。
和歌山下津港国際コンテナターミナルのガントリークレーンの設置完了及び外貿コンテナ航路の寄港再開について
それから、この間の台風第21号のものすごい風で、和歌山下津港のガントリークレーンがグニャッと歪んでしまいました。新しいガントリークレーンを買いますが、新しいのが入る前にしばらくの間、ガントリークレーンを一つ借りてつなごうということになりました。それが3月25日に設置が完了いたします。姿としては、もう大体できあがっているから、資料の写真にあるように二つ並ぶということになります。左の方は、グニャッと歪んでしまった方で使い物になりませんから、これから右の方ができて稼働している間に撤去して、新しいものをここに入れるということになります。新しいのは来年の3月ということであります。
開催目前! わかやまサイクリングフェスタ2019!!
それから、わかやまサイクリングフェスタがもう間もなく、今週の週末に行われます。コースが4つあって、24日はこの4つが次々とマリーナシティから発進して、またマリーナシティに戻ってくるということになるわけであります。前日祭が3月23日にございまして、開会セレモニーが17時からあるということです。前日イベントの中で大事なのがいろいろあるんですけども、ここには書いておりませんが、サイクリングを振興しましょうという市町村長の会議が、同日に行われるということになっております。その一部の方、今治市長なんかがそうですが、次の日に「私、走ります」と言って、走ってくれるということになっております。
土日はずっとサイクリング関係のイベントが続々と続くということであります。今年もまたインドネシアからたくさんの方が参加をしてくれました。おもしろいですからいろいろ見ていただいたらいいのですが、2枚目の写真にあります羅祥安(トニー・ロー)さんという台湾の方は、台湾の世界一の自転車メーカーであるジャイアントというカンパニーの今は最高顧問で、元は経営もやっていたということであります。この方が実際に来て「私も走りたい」と言っておられる。
それからその次に、キナンサイクリングチーム。キナンは、新宮で建設資材を貸したりする全国的な企業ですけど、このキナンサイクリングチームというのは、個人とチームの両方のアジアチャンピオンであるようです。そういう立派なチームですが、こういう方もちょっと走ってくれるということです。別に今回はレースではないのでね。レースのチャンピオンです。弱虫ペダルみたいなものですね。そういうことになっております。
観光客数 過去2番目を記録 好調維持!
その次に観光客の集計ができました。それで集計ができて、ちょっと良さげに書いてありますが、「観光客数が過去2番目を記録 好調維持」と書いてあるんですけど、一番良かったのは一昨年で、一昨年を超えるかなと思ったけど超えなかった。初めのうちはちょっと良かったけど、夏ぐらいに台風が3つ来たので、さすがに超えなかったという感じですが、そんなに悪くはありません。右肩上がりぐらいで、まだきているんじゃないかというふうに思います。今年は、災害がなければですが、楽しみだなというふうに思っております。各地方別の入込状況についても、次のように出ています。
それからその次は、外国人の宿泊客ですけど、これも好調維持とありますが、去年ちょっと下がったので、今年は、一昨年以上に回復するかなあと思っていましたが、これもやっぱり台風が3つ来て、さすがに台風で被害のあったところはちょっと減ったということで、昨年よりは増えましたけれども、一昨年を超えなかったということであります。地域的に見ると、やっぱり和歌山市とか白浜とか、そういうところがちょっと減っています。和歌山市なんかは、かなり台風で被害を受けましたので、そういう意味では、一昨年まではいかなかったかなというような感じであります。
去年は、なぜ減ったかと言うと、大阪なんかにホテルがパカパカできたので、無理矢理、和歌山へ来ていた人たちが大阪に引き上げてしまったというところが多かったんですけど、それでも例えば、高野山、あるいは熊野、白浜、そういうことと関係のないところは、結構伸びていたんですね。今年もその勢いは、そんなに変わりはないと思いますけれども、去年は、台風でちょっと減ったというのと、勝浦に関しては大型ホテルがかなりリニューアル中なので、キャパがだいぶ減っているというところもあります。そんなようなことでこれからだなあというのが、観光客の関係の統計であります。
和歌山県は、ずっと毎年同じベースで統計を取っているんですけど、推計ももちろん入っていますが、政府も同時に統計を出していて、政府のものについて言えば、外国人観光客数なんていうのは、もう一昨年を超えているぐらいですね。ガバッと増えているんですけど、和歌山県とちょっと違うというのが、何で違うのだろうというふうに思うところもあります。
中国山東省長が来県します
それから、山東省の省長さんが来県されます。これは、和歌山県と山東省の友好関係35周年なんですね。この際、いろいろ友好を深めるようなイベントをしましょうということで、まず今年、省長さんが来てくださるということになりました。3月24日と25日に和歌山にお越しいただきますが、24日は会談をして友好を確かめ合った後、祝賀会を夕方にする。それから次の日は、山東省ビジネスセミナーをするということになっております。次のページの上を見ていただきますと、中野BCを見に行ったり、大日山荘を見に行ったり、老年大学友好交流会を開催するということであります。また、紀の川市は濱州市と姉妹関係なので、濱州団が紀の川市を訪問する。なにせ山東省の省長さんが来ると、たくさんの人が付いて来るので、一気に大勢の方が和歌山県を訪問してくれます。省長さんの全体のスケジュールは、その後、大阪を経て東京に行って、韓国とフィリピンを回って帰るという旅程のようであります。
私が前に行った時も話をしているのですが、結構、将来のことを考えて、かつ実務的にいろいろきちっとやろうというふうな雰囲気の方で、特に、高齢者対策をぜひ勉強させて欲しいとの話がありました。もう一つは、青少年の友好関係の増進ですけど、そういうことをぜひやっていこうというようなことを言われました。山東省との関係では、12年前ぐらいから少し実務的にもお互いにプラスになるようなことを貢献し合おうではないかということで、和歌山県側からは、昔々からの公害の克服の技術について、最近ちょっと減りましたけど、かなり精力的に技術移転をしてきました。それは喜ばれているのですけど、やっぱり中国も高齢化社会に入り、これからは、日本以上に深刻になる可能性があるので、先を読んで、和歌山県ではどんな立派なことをしているかということを勉強したいようで、「そういうのを教えてくださいね」と言われて、「いや、なかなか悩みながらやっているんですけどね」という話をしていますけど、いくらでもノウハウなどは勉強してもらったらいいと思います。こちらは、観光とか技術交流とか、輸出をしたい企業、進出したい企業なんかも結構ありますから、そういう関係を強化していきたいし、それから、山東省はものすごい人口を抱え、経済力は中国第3位ぐらいですから、どんどん和歌山に遊びに来てくださいという話もしたいわけですが、そういうこともやりつつ、今の協力もやっていこうと、こんな感じであります。
以上です。
産経新聞:カンキツ「はるき」についてですけども、県内ではみかんの厳選出荷などで温州みかんの単価自体が上がっている中で、あえて新品種を投入する狙いというところを教えてください。
知事:それは、みかんは美味しいですけど、みかん以外にも他の物も美味しいでしょ。特に、こういうのを晩柑と言うんですね。晩柑というのは、みかんのサイクルが終わった後、もう1回出てくるわけです。そういうときにも良い品種が続々とあって、和歌山の晩柑、晩柑と言うと名前があまり美しくないけど、後で出て来るちょっと大き目の柑橘も美味しいということであれば、ものすごくいいわけですよね。ですから、良い品種を投入して、和歌山の農家の方にせっせと作ってもらって、それでまた全国にちょっと良い値段で出すということができればよろしいわけですね。こういう点についても、結構今、熱心に取り組んでくれているので、いずれこの晩柑も含めて、(みかんの出荷額)総合1位をまた狙いたいというふうに思いますね。
産経新聞:そのうえで、この「はるき」に対する期待という部分でいうといかがでしょうか。
知事:晩柑は、結構みんな美味しいですよ。甘いし、ほどよく酸っぱくて、大変美味しいです。それからシーズンは、みかんがもうなくなった頃に出てくるので、これまたよろしいですけど、いろいろみんな特徴があるんですよ。当たり前ですけどね。これは、そのいいところの特徴をいっぱい持っていると思いますね。まず味が良いということで、とても甘くて、ちょっと酸っぱくて、みかんらしい良い味ですね。それから、剥くときに苦労するとなんかちょっと辛いですよね。手がぐちょぐちょとか、ナイフで切らないと到底食べられないとか、そういうのだとなかなか消費者に受けないでしょ。そういう意味では、結構剥きやすいです。さらにあまりぐちょっと型崩れしない。剥きやすいのといっしょだけど。それから、食感がさくさく、なんかさくさくと言うとすかたんみたいだけど、程良いさくさく感があって、とっても美味しいということで推奨です。ただ、出荷できるのは平成38年(2026年)以降、農業は悠久の時がかかるということですね。
産経新聞:重ねてですけども、温州みかんは年末にかけてですが、晩柑類で良い新種が出てくることで、農家さんの売り上げが上がる時期が通年というか、秋から春にかけて出荷ができるとか、そういう期待などもあるんでしょうか。
知事:それは一番はじめに言ったでしょ。もっと言うと、温州みかんもちょっと晩生(おくて)の方を開発しましたね。和歌山は、極早生、早生は強い。それで晩生の方になると、あまり強くないんですよ。それで「きゅうき」を開発して、これから市場に出始めていくということになるので、晩生の和歌山の温州みかんがブワーッと全国に出るような感じになるはずです。そんなことを言ってもそのうち(温州みかんは)なくなる。その後は、はるきだけではなく、まだ不知火(しらぬい)とかいっぱいありますけど、そういうのがバラエティー豊かに出てくるといいですね。
共同通信:約半年後にラグビーのワールドカップが迫っておりまして、先日、ようやく和歌山県の上富田の方もキャンプ地に正式に決まりまして、改めて県として期待することを教えてください。
知事:二つあって、ナミビアが上富田に来てくれるというので、ナミビアのチームをみんなで応援して、あまり強くないと思うんだけど、頑張れというふうに言ってあげて、いいところで合宿ができて良かったと思って帰ってもらったらいいなあというのが一つあります。もう一つは、ワールドカップというのは、特に、アングロサクソン系の人たちが、長く日本に応援に来るんです。スケジュールは、毎日試合をして、パッと帰ってしまうんじゃなくて、例えば、イングランドのサポーターは、イングランドのチームばかりを追っかけて、あっち行ったりこっち行ったりするでしょう。そうすると、初めのうちは、1週間に1回ぐらいかな。もうちょっと短くて、5日に1回ぐらいかな。その程度なので、その間、サポーターはすることがないわけですよ。そうしたら遊びにあちこちへ行くわけですね。そのときに、「和歌山においでよ。いいよ。」と言って、特に、西洋の方なんかの特化係数が和歌山は高いんですよ。だから、そういう方々に和歌山を味わってもらったらいいんじゃないかという作戦を我々はとっています。この間、BBCとかCNNとか、そういうところで宣伝を打つようなことはもうしていますけど、そういうのを見て、来てもらったらいいなと思いますね。もちろん一個人としては、テレビを見て、ゴリゴリ応援したいと思います。
読売新聞:秋津野グリーンオフィスの件ですけど、今回は東京とかではなくて大阪からということで、これは何かあったのでしょうか。
知事:大阪でも宣伝しているから、丁度良かったのではないかと思います。別に東京ばかりでなくていい訳ですからね。ある意味では、大阪の街の中で仕事をしている人の方が、白浜なんかに来たら生産性が上がるのではないかな。というのは、東京は、結構緑もあるし、通勤なんかはすごく大変だけど、職場環境は大阪よりも都会的ではないんですよね。大阪が一番都会的だと思うんです。古くからの街だし、街の中に緑はないし、ビルはガンガン建っているしね。そういうところの人たちが、白浜なんかを使って生産性を上げていくというのは、とてもいいんじゃないかと思いますね。だから、大いに狙い目だし、なるほど来てくれたかという感じがします。全国の方に来てもらったらいいわけですから、別にどこがと言うつもりはありません。
読売新聞:今回は、田辺ということで、あえて大阪を狙ったということはなかったですか。
知事:そんなことはないです。たまたまでしょ。だから、田辺も白浜も両方とも大阪の企業なんかが、我々としてはターゲットですね。
時事通信:観光客数の統計の件で、知事が国の統計と県の統計の数字が違ったということを言われていましたが、それは、この資料の数字はすべて県の統計で、この一番最後のページにある日本政府観光局が発表した数字と最後の数字がちょっと違うとは。
知事:その違いはどうしたとか、おかしいじゃないかとは言わないでね。それぞれが作って出しているからね。そういうことです。
読売新聞:先日、明石市長が出直し選に出馬されて、当選されたということについて、どう思われるかをお願いします
知事:明石市民の判定が下ったのだから、それは他県の人がコメントするような話ではないんじゃないでしょうか。
読売新聞:一旦、ご自身で責任をとると言って辞めて、その後、やっぱり期待の声とかもあって出馬したという点についてはどうでしょうか。
知事:いや、もうそれは、泉さんの判断なので、これも他人がとやかく言うものではないんじゃないでしょうか。
朝日新聞:別件ですけれども、自衛官募集のことについて、2月議会の予算特別委員会のときに、知事が(住民基本台帳の自治体における情報提供について)それぞれの自治体の対応が提供と閲覧に分かれているから、提供するように働きかけていきたいというような発言があったかと思うんですけど、そのあとに県の職員の方が自衛隊の方たちと一緒に自治体を回られているというお話を聞きまして、自衛隊の方は募集についてお願いに行くのはわかるんですけど、県の方がわざわざ一緒に付いて行くのは、なぜでしょうか。
知事:知りません。
朝日新聞:これは別に知事が指示したことではない。
知事:私が指示したのは、安倍総理が、結構市町村で非協力的なところがあるとおっしゃったでしょ。あれあれと思って、それで和歌山の雰囲気からするとそんなのはないのになあと言って、それぞれの事情を聞きに行ってもらった。それは県が行った。そうしたら実は、伝統的に提出していただけますかという人と、閲覧させてくださいと頼むところと歴史的に分かれていて、言われるとおりしているんですというのがほとんどの回答でしたね。だから、もし自衛隊が閲覧ではなくて提供を求めたいなら、「頼んでくれたら出しますよと言っている」と言っておられましたから、そんな話は伝えましたね。あとは自衛隊の方がされたらいいんでしょう。
朝日新聞:今、その4月の募集に向けて、県の市町村課の職員の方が一緒に回られているらしい。そのことについてはどう思われますか、
知事:別に付いて行っても構わないんじゃないの。あまり本質的な問題じゃないよね。
朝日新聞:ただそこで県が、閲覧で対応されている市町村に提供しなさいとか指示をされているのかなと思って。
知事:僕の一番初めの前提を聞いてないでしょ。その(市町村に提供しなさいと指示する)必要がないよね。
だから、必要がないことをしていると言って、それで何か問題視しているあなたがおかしいんじゃないの。非論理的な人だよね。
朝日新聞:そうなんですかね。
知事:だって、もともと聞きに行ったのは、県で聞きに行った。そうしたら、「お求めに応じてやりますよと言われていますよ」と言っているわけですよ。それをまたもう1回提供にしてやれよとか、何か言う必要は全くないでしょ。必要ないことをやる必要はないわね。一緒に行ったか、付いて行ったかは、そんなものはどうでもいい話で、そんなことを何かいうのも変だよね。
朝日新聞:だから純粋にどうして付いて行っているのかなということです。
知事:だから、知りませんと言っているじゃないですか。行って悪いわけではないよね。あまり意味のある話ではないと思います。
NHK:別件ですが、沖縄の地元紙が全国の知事に辺野古移設について、民意を尊重すべきかどうかというアンケートを取ったという報道が出ていたんですけれども、仁坂知事は非回答という話ですけど、これは何かどういうようなことでしょうか。
知事:他県が他県でしているようなことを、例えば、明石市長がどうだとか、沖縄の投票がどうだとか、そういうことについて、いちいち私たちがコメントをすることはおかしいなと思っているんです。だから、そういうことは答えません。
NHK:その問題についてどうこうという話ではなくて、他の都道府県の問題については答えないというスタンスだということですか。
知事:そうです。例えば、和歌山の問題について、何かいろいろな争いごとがあると。要するに論争事があるというときに、他県の人たちに意見を求めて、他県の人がこう言っているからそうだろうというのも変だし。それから、それについて当事者でない人が、いろいろ何か言うのも無責任な感じがするので、答えないことにしているということです。
読売新聞:和歌山市民会館の開館が遅れることがほぼ決まったということで、これについて何か支援するとか考えはあります。
知事:支援はありません。県立医大の薬学部の方が早くできてしまって、授業が始まった後、工事が続くのは嫌だなあとか思うけど、仕方がないですよね。だから、そういうことになるけれども、我慢して授業をしてくださいと、次期薬学部長なんかには言っていますけどね。できるだけ静かに最後は工事をしてもらったらいいと思いますけど。
読売新聞:この間の市議会では、今の市民会館を耐震化するか、設計し直すか、それか金額を上げるかという3案を市役所側が示したということですけど、知事としたらどういう手法がよろしいと思いますか。
知事:わかりません。まず、それは市の当局と議会がよく考えてされたらいいと思います。ちなみに、和歌山県でも同じようなことがたくさんあるんですよ。特に、凝って新しいものを作ってちょっと勝負と思っていたら、設計のときに張り切り過ぎてコストアップになって、誰も引き受けてくれなかったというようなことがないことはないんです。最近の例で言うと、和歌山県が補助金を出して建設した南方熊楠記念館。なかなか立派な東京の事務所に今の設計を作ってもらったんですね。予算を初めからいくらぐらいと決めてあるんだけど、できるはずだと言うけれども、だれも(入札に)応じてくれなかったということがあって、仕方がないなと言って、設計も良かったし、和歌山県は少し予算を増やして、応じてくれるようになったということもありました。よくある話だと思いますけどね。