知事記者会見 令和元年11月5日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和元年11月5日 知事記者会見
令和元年11月5日 記者会見室
首都圏でプレミア和歌山PRイベントを開催します
今日は、発表事項が二つプラスアルファです。第一は、首都圏でプレミア和歌山PRイベントを開催します。プレミア和歌山、大分定着して参りまして、プレミア和歌山を目指して頑張ろうという人や、どんどん磨きがかかったりなど、いろんな良いことがありますが、このプレミア和歌山を宣伝しようということで、大体椿山荘ですが首都圏で毎年やっています。プレミア和歌山の審査委員長の残間里江子さんが本当に一生懸命協力してくださいまして、(資料の)次のページにありますが、残間さんの人脈で、知名度が高そうな人をプレミア和歌山パートナーに選んでもらっています。非常に各層に跨ったいろんな専門的な方々が入っていますが、その方々と一緒に試食をしながらトークショーをして、これをPR誌に載せることも考えております。それから、プレミア和歌山も最近、審査員特別賞と奨励賞を選んでいますが、その選んでいる方々のインタビューを、皆さんやパートナーがいるところでやろうというものもあります。たくさん美味しいものが出ますので、皆さん、出張旅費を支局から貰って行かれたら良いのではないでしょうか。
就職氷河期世代を対象とした採用、UIターン型職務経験者を対象とした採用を実施します
その次は、ちょっと準備をしていましたが、就職氷河期時代を対象とした採用と、UIターン者の採用を、県庁は始めたいと思っています。来年度はもう採用者が決まっていますから急に入れるわけにはいかないので、再来年度の4月からということで、今から用意しといてもらって、細かいことはまだ決まっていませんが、人事委員会でも議論をして了承をいただきましたので、発表したということでございます。一つは、就職難の時代がずっと続きました。日本経済の状況もずっと悪くて企業経営もあまりよろしくない、日本の競争力が無いので、海外に出て行かざるをえないような時代がずっと続いた。そのずっと続いた時代の真ん中より前の段階ぐらいで、流動的な雇用制度を作っておかないと、誰も雇ってくれなくなって企業がいなくなってしまうような時代があった。そこで、労働雇用システムのフレキシビリティー(柔軟性)を達成するような制度改正が次々と行われた結果、日本は終身雇用以外はちょっと考えられないような雇用形態でしたが、非正規雇用という形が、派遣もあるし限定的な形もあるし、様々な形でいろいろ起こりました。そこで、正規社員として就職出来なかった人が、結構自信もあるし、しばらくはアルバイトをして食いつないで来年また受けるとか、そういういろんな方が出てきたと思います。或いは、もっと自由なほうが良いので、稼げる時に稼いで、あとは自分で自由時間をたくさん取ろうというような人生観があった人もいると思います。ところが、そういう方々がだんだん時間が経つと、これちょっとまずいなと思っても、なかなかそこから脱出が出来ない事態が起こっているのが、今の状況だと私は思います。組織に入っていると、だんだん鍛えられます。同じような分野でどんどん経験も積むから、どんどん能力も高まっていくのですが、転々と職業が変わらざるをえないような状況だと、それが出来ない。従って、年も取っているし、もう正規雇用としてなかなかいきにくい、ということでそのまま固定化されていて、人手不足の中で変わった現象というかちょっと困った現象が起こっているということもあります。それで、今でも満足しておられる人はそれで良いと思いますが、この際、やっぱり正規雇用のほうが良かったなあと思う人は、どんどん雇ってあげたら良いと思うのです。そこで和歌山県は、36歳から45歳で、直近過去1年の間に正規雇用で就労していなかった人で、かつ正規雇用で就労した期間が通算3年以下の人、つまり露骨に言うと、非正規雇用で今もいるしずっといた人、一回就職したらいけないというのはおかしいので、こういう限定項を付けていますが、ぜひ皆さん志願してくださいということです。問題は、県庁に若いとき、現在は35歳までオッケーとなっていますが、35歳までに入っていて、オンザジョブトレーニングで県庁のいろんな仕事を覚えて、仕事の回り方とかを頭の中に置いた状態で仕事をするのと、急に結構年を取ってから入って同じことをやれと言われても、なかなか出来ないところもあります。そんなことを考えないで適当に雇っている組織もありますが、それはやっぱりまずいだろうということで、人事課長や人事委員会が慎重に考えてくれて、これ(資料)に書いていませんが、初めは特定の仕事を指定して、ちょっとルーティーンに近いような仕事か、或いは対外折衝みたいなこと、長い社会生活の中で割合上手に出来るようになっていると思うので、そういうところに行ってもらって、しばらく様子を見た上で、県庁の中の仕事の回り方みたいなものも覚えてもらって、それでしばらくしたら、どんどんと他の人たちと変わらないところへ取り立てていこうと今考えております。初めに入った仕事がずっと向いている人は、そこでずっといてもらって良いかもしれませんが、しばらくして、もっといろんな仕事をしたい人は、能力を見て普通の仕事に入ってもらうということをやっていきたいと思います。最初の年は5名程度ということです。誰でもいいから途中で雇うということではありません。その次は、UIターン型の職務経験者。一般的に県庁が進めている第二就活の一部でもあると思いますが、例えば、別に和歌山生まれでなくても良いのですが、和歌山で育って、大都会で仕事に就いてなかなか経験も積んで立派になったけど、やっぱりちょっと和歌山に帰りたいと思う人がいるとすると、そういう経験を活かして、和歌山県政のどこかにはまってもらったら、ものすごく有能な人として、和歌山県のために尽くしてくれるのではないかと思っています。従って、そういう方をお雇いしますが、その時に考えとかなければいけないのは、和歌山県庁は、県民の税金で成り立っているので、県民の税金の稼ぎ手である和歌山県の企業から抜いてしまったらまずいだろうということで、和歌山県外に本社を置く企業等で職務経験を7年以上有する方となっておりまして、和歌山の企業に就職している人は駄目です。これはもちろん雇わないと言っているわけではなく、特別枠でありませんので、普通のルートで受験しくださいということです。試験の詳細は、実施機関である県人事委員会で決めていただくことになります。
「第105回近畿ブロック知事会議」の結果
それから話題事項として、第105回近畿ブロック知事会議が行われました。今回は近畿ブロック知事会と関西広域連合の会合をダブルで行いましたが、午前中の一番初めは、関西広域連合の委員会が岩出市にある旧県議会議事堂で行われました。それが終わりまして、昼食会から近畿ブロック知事会議に移りました。昼食をそこで取っていただいて、根来寺を皆さんに見学をしていただいて、バスに乗ってマリーナシティに着きまして、マリーナシティホテルで近畿ブロック知事会議を行いました。いつものスタイルですが、二部に分かれていて、皆でディスカッションをしましょうというのと、国に対する要望との二つがあります。ディスカッション項目については、健康寿命にしましょうということにいたしました。健康寿命、和歌山県でもあまり芳しくないので、何とかしなければいけないといろんな工夫をしていますが、実は各県とも成績が良かったり悪かったりしますが、同じような悩みを抱えていて、皆どうしたものかなあと色んな事をやり始めていますが、あまり効かないなとか、そういう悩みの開陳みたいな会議であったかと思いますが、ちょっとした差で滋賀県が今その成績が良いので、滋賀県が何でこんなに成績が良くなったのかということを、ちょっと自慢風でも良いから喋ってくださいということで、キーノートスピーチは滋賀県の三日月知事にやっていただいて、そのあと、皆さんからいろんな自分ところの経験を踏まえて議論をしてもらいました。特に何かを決めるということでは無いのですが、和歌山県としては、あまり成績が良くありませんから、そこで述べられたことなんかを大いに勉強して、さらに良い政策をとって、県民の健康寿命を長くしようと思った次第です。皆そうだと思います。それから国への提案要望は、(資料の)次のようにずらっとありまして、これは大体議論をして、要望事項案として次のページにかけてずっと書いてあるようなことについて、そこで要望しましょうということになりました。中身の文案については、そこの場で整理して、今、事務的に仕上げをやろうとしているところでして、仕上げはそれぞれの提案県がやるので、提案県にこういう条文に直してくださいという話をして、書いている線に沿って細部の調整をして、仕上げて国に要望することになります。
以上です。
時事:就職氷河期世代を対象とした採用ですが、要は、社会のタイミング、経済のタイミングによって上手くいかなかった人に、ちょっと下駄を履かせるということなのかなと思いますが、こういう形で採用された人は、公務員にはいろいろ等級があると思うのですが、一番下からのスタートになりますか。それとも、同世代の方と同じところからスタート出来るのでしょうか。
知事:なかなか県庁は芸が細かくて、年齢を加味してかつ等級をやっています。年齢になったら同じ給料を皆もらえるわけではなくて、要するに、新入生ではあるけれども、等級表のどこに格付するかは、人事課長が慎重に考えて決めます。採用は主事なので一番下ですが、一番下の中で年齢によってこのぐらいとかを人事課長が決めます。
時事:気になったのは、下駄を履かせてもらっているということで、これで採用された人はずっと和歌山県に採用していただいた気持ちでいなければいけないのか、それとも頑張れば出世も可能でしょうか。
知事:出世は出来ます。出来ますが、和歌山県に入った人はたくさんいる。それで、40歳ぐらいの人が23歳ぐらいで入ったとすると、17年間、仕事をこうやれああやれ、こうやったら馬鹿もんと言われたり上手くいったり、いくつかのポストを経て、特に事務系はグルグル回って、それで県庁の職員として素養を身に付けています。その素養を急速に身に付けてもらわないと、いきなり管理者にすることはなかなか難しい。従って、それが出来るかどうかを少し見せてもらうというのもある。だけど、いきなり勉強ばっかりして人の弟子をやっていて研修期間ですというわけにいかないので、すぐに出来そうなポストをいくつか選んでそこで働いていただいて、文学的定義をすると、勤務先としては振興局とか県税事務所を中心に現場での対人交渉力等を活かせる分野で活躍していただこうと、最初の頃はそう考えています。非正規雇用にしても、40歳ぐらいまで生きてこられた人だから、人との付き合いとかは出来ると思います。そうすると、初めからもう全部県政のことを見てやってと言っても無理だけど、例えば、用地交渉に行ってくださいとかは、用地交渉の中身を覚えたら、人との話しは出来る。そういう人を選ぶわけですから、そういうところでやっていて、やっている内に後ろで何が行われているかを勉強すると、用地交渉ではなくて例えば県土整備部でいうと、公共投資の計画なんかも、ちょっと全体にやってみたいというようなことを段々と思ってきて、この人なら出来るとなったらそっちにいったら良いし、県土整備部だけではなくて福祉もやりたいとなったらやったら良いし、段々そうなっていくことを期待していますが、いきなり言っても無理だし、私はここに向いているからそれをずっとやりたいとなったら、それはそこでやってもらったら良い。税金を取りに行く人とか計算をする人とか、そういうのは割とすぐ入りやすい仕事です。いきなりバーンと入ったら、きっとびっくりしてスポイル(台無しに)されます。そういうこともちゃんと考えて、人事課長は、なかなかうんと言わなかったということです。
時事:最初はいろいろ考えてくださるけれども、実力次第では、当然出世の道とかでハンデは無いということですか。
知事:ありません。
読売:今日は「世界津波の日」に当たりますが、改めて知事から防災の大切さのご所見を一言いただきたいと思います。
知事:もう語り尽くされていますが、和歌山県は、必ず南海トラフの地震津波にいつか襲われる。襲われた時に命だけは絶対助かろうというのが今の目標で、ハードウェア、ソフトウェア、いろいろ積み重ねてきました。もちろんハードウェアを早く完成させるとか、新しいソフトウェアの道具なんかはあったらもっと作るとか、そういうことは大事ですが、それに加えて、せっかくある制度を使って皆が命が助かるようにするということは、やっぱり県民一人一人の方々が、それを上手く利用することが必要です。例えば、裏山に避難場所を作っているのに、いざとなった時に忘れていたら死んでしまいます。そういう意味では訓練も大事だし、いつも何か思い起こしておくことは大事で、我々行政も同じです。何か欠けているとこや滞っているところは無いかとかを、いつも考えていないといけない。もうずっと危機がそこにあると思っています。
読売:やっぱりそういう思いを持つのに、今日という日を契機にということでしょうか。
知事:こういう日なんかを各新聞にいっぱい書いてくれたら、そうだなと思い出します。それから、時々訓練をやっています。この間も、国土交通省主導の訓練をやりましたが、ああいうのも大事です。和歌山県は別のやり方でも考えています。そういうことをいろいろやっていって、思い出していくというのは大事だと思います。
産経:採用の件に関連して、就職氷河期世代、UIターンと二つの枠組みということですが、社会的意義というところで就職氷河期のお話をされましたが、いわゆる県政、自治体として県がこういう方たちを採用することによる利点というか、多様性の部分とかいろいろあるのかなと思いますが、そういうところを県として通常の採用では無くこういう採用をすることで、高まる部分というのはどこでしょうか。
知事:県政は、実験してはいけません。県民の皆さんの幸せを我々は達成しなければいけないので、仮にもちょっとやってみようなんて言ってはいけない。それから、機能がガガッと落ちるようことはやってはいけません。従って、その上で、やっぱり就職氷河期の時に正規雇用に就けなかったから、ちょっと人生において足踏みをしていて結婚や家庭がなかなか持てない人達を、ちゃんと今の時代は救える、むしろ必要としているのだから、そういうところへ戻ってもらおうということは、社会としてものすごく大事なことです。我々は、民間企業にもそれは呼びかけていて、商工観光労働部を中心に各企業を回ったりいろいろやっていますが、県庁が自分もそれに乗り出しましたというのは、大きなメッセージになるのではないかと思ったのでやりました。ただし、さっき言ったみたいに、機能が落ちるようなことがあってはいけないし、実験というようないい加減なつもりでやっているわけではありません。従って、お入りになった後の処遇とお幸せ、それから県民に対するどのぐらいの貢献を期待するか、それがレベル以下だったら困る。だからいろいろ考えて、パッケージでこの制度を作ったということです。
産経:UIターン型でいうと、県外の企業で活躍されていた方になると思いますが、そういう方たちは、まさにそこで身につけた能力の発揮というところを期待されていますか。
知事:こっちはどちらかというと、和歌山で働きましょう運動の一つです。従って、和歌山にいる人を引っ張って横取りするということをやってはいけない。ただ、特に大都市圏などで、ちょっと東京でなくても良かったのだけどなあと思いつつ、職業生活の真ん中ぐらいまできているような人がいます。そういう人が、そこで何もしないでいたかというと全然違って、ものすごくハードな仕事をしながら生きてこられた人でしょう。それは組織人としての動き方とかはいろいろ知っているし、分野分野の専門知識もあります。そういう人が和歌山へ帰って来てくださって、行政というジャンルで活躍してやろうというなら、それはやったら良いと思います。
紀伊民報:近畿ブロック知事会議ですが、滋賀県の長寿の要因として様々な指標があって、それを競争して切磋琢磨しようということが荒井知事(奈良県)から提案がありましたが、和歌山県としても同じような話でしょうか。
知事:もちろんです。だけど、聞いていても何か和歌山でやっていることが多い。兵庫県知事が言っておられたけど、制度を作ったけど皆が乗ってこないのだよねと。そうなんだよなあという妙な共感を覚えましたが、嘆いてぼやくのが知事の仕事ではないので、少しでも前へ進むように頑張らないといけません。
紀伊民報:何か近畿ブロック知事会議でランキングをつけて発表するということになるのでしょうか。
知事:それは荒井知事からお話があったので、和歌山はビリの方にくるから嫌だなと思いましたが、嫌でもやっぱりやらないと、
【緊急地震速報による訓練により一時中断】
そういうことでございます。
紀伊民報:県民の健康寿命を延ばすという意味で、意気込みを一言いただければと思います。
知事:やっぱり寿命が長いほうが良いに決まっているし、病気で体が不自由になってというよりも、健康でいろいろ楽しいことが出来るほうが良いに決まっているわけですから、そのためのいろんな手段を県庁も考えて、これからもっと考えますけど、ぜひそれぞれいろいろ参加していただいて、自らの健康長寿を達成するようにお願いしたいと思います。
紀伊民報:県の人口の話ですが、推計人口がどんどん加速する状態で減っていて、出生数が年々減っているのが一因かと思いますが、そのあたりの受け止めはいかがでしょうか。
知事:最近の人口が減っているのは、どちらかというと亡くなる人が多いのが一番の原因です。それは高齢化がずっと言われて久しいわけで、皆さんの寿命が延びていたのですが、やっぱりちょっと長くはもたない。だから、今はものすごく亡くなる人が多いので、そういう意味では、自然減が急速に拡大している現状です。これはしばらく続かざるをえないので、従って人口は減ります。問題は二つあって、出生数がそんなに伸びてない。或いは、合計特殊出生率も2以上になろうと思っていますが足踏みしています。それから、社会減がまだある。ちょっとぐらいあっても良いことにしていますが、やっぱり3000人もあるというのはまだ多すぎる。努力の結果、高校生の県内就職率もだいぶ増えたりいろいろしていますが、やっぱりまだまだです。だから、治るべき病気で亡くなられる人はいけないので、それはちゃんとやらないといけませんが、お年寄りの亡くなる方が、不慮の事故とか寿命が尽きてというのはしょうがないとして、人口が減っていくというよりも、子供の数がまだ増えていないのと、社会減がまだそんなに減っていないほうがむしろ問題です。
紀伊民報:子供の数が、年々過去最低を更新しているわけですが、新たな対策とかはありますか。
知事:過去最低になるのは当たり前です。つまり、人口が減っているわけだから過去最低になるのですが、合計特殊出生率なんかもそんなに伸びていない。それで問題は、もっといろいろ分析すると、家庭を持った人の子供の数はじわじわと増えています。ところが未婚の方がじわじわと増えている。子供の数の問題としては、むしろそっちの問題が一番大きいでしょう。だから皆さん、どうしてもという人は別ですが、結婚は楽しいから大いに恋をしましょうということです。
テレビ和歌山:沖縄県の首里城の火災を受けて、コメントをいただけますか。
知事:もうびっくりしました。何かよく分かりませんが、報道によると漏電みたいですが、あんなことになってしまう。やっぱりこれは大変な損失だから、そうならないように、いろいろ備えは県内の文化財でも結構していますが、もう一度チェックする必要があるかもしれません。
共同:話が戻りますが、就職氷河期世代対象採用で、細かい点で試験内容は人事委員会のお答えかもしれませんが、共通試験が大卒程度で、資格のところは特に学歴は書いていません。そのあたりはいかがでしょうか。
知事:もともと、和歌山県は学歴で試験をやるわけではないのです。例えば、I種とIII種がありますが、試験科目がちょっと違うだけで、I種の場合は別に大学卒業資格を要しているわけではありません。それと同じことを書いているということです。
共同:つまり、最低限義務教育を終えていれば、資格を満たしているということでしょうか。
知事:大学卒業程度の問題を出す。つまりI種として採用するということです。
共同:それぐらいの能力を持っている人を欲しているということでしょうか。
知事:そうです。ただ、やっぱり試験をやることになると、どうしても学校を出たての人のほうが、点が高くなるでしょう。だから、同じように受けなさいというと落ちる可能性があるし、35歳を過ぎていたら受けられない。無尽蔵に採用は出来ないから、特別枠を作って、その集団の中で競ってもらう。面接は相変わらず重視されます。
朝日:細かいところで恐縮ですが、就職の件で、今まで採っている新卒にプラスしてこういう人たちを増やすのかというところと、UIターンに関しては、これまでもUIターンで和歌山に来る人を採用していたかと思いますが、今回打ち出しているものとの違いがあれば教えてください。
知事:従来も特別枠を作って、公務員試験のペーパーテストだけで裾を切られるのが可哀想な境遇の人に対しては、そこがあまり決め手にならないような試験方法で選んでいる場合もあります。そういう意味で、今回この二つを作るわけですが、全体として和歌山県の定員をどうするかという問題がもう一つあります。従ってこれを入れた結果、そのまま一般行政職を減らすかどうかは、ちょっと大きく見てみないといけませんが、ひょっとしたら一般行政職は少し減るかもしれません。自動的ではないので10人減らすとか、そんなことを言っているわけではありません。