ようこそ知事室へ 知事記者会見 平成30年9月3日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

平成30年9月3日 知事記者会見

平成30年9月3日 記者会見室

統合型リゾート(IR)誘致推進に向けた体制整備について PDF形式を開きます資料1(PDF形式 151キロバイト)

 今日は、(発表事項が)5つございまして、1つは、IRの準備をどんどんしていかないといけないんですが、今まで専用の部屋(課室)は作っておりませんでしたが、企画総務課にIR推進室を設置することにしました。室長は、とりあえず企画総務課長が兼務でございますが、今までいろんな仕事をしている人(がIR推進の業務)も担当していたのですけれども、専従で7人置くということになっております。来年の4月以降は、さらに人が増えるかもしれません。
 それからもう一つは、プロジェクトチームをもう既に作っておりまして、第1回の発足式を7月13日にしております。IRということになると、インフラの建設も必要だし、それからいろいろな健康問題の話もまじめに考えないといけないし、それから他の産業との関係、そんなことも考えないといけないし、たくさん考えることが出てくると思います。そういうことで、関係しそうな課のみんなに集まってもらって、それぞれの専門的な知見を生かして、みんなで力を合わせてIRを推進していこうということであります。

平成30年台風第20号により被災された事業者の方々への事業再開補助金の募集を開始します PDF形式を開きます資料2(PDF形式 225キロバイト)

 それから2つ目は、台風第20号の被害がありました。この間(8月28日記者会見)、発表しておりますけれども、県で復旧事業の助成をしようということになっているもののうちで、これは名前をつけると事業再開補助金の募集で、これをこれから行います。これは企業立地補助金と同じようなもので、修復に要する設備投資の10%を補助しますというものであります。(補助対象経費の)上限は2億円。100万円以上の損害があった場合、対象になるということになります。11月30日までに出してくださいということになっているわけであります。その他、国にももうちょっと助成してくれないかというような話もあるし、それから実際に(国に対して)申請を出しておかないといけないというようなものもありますので、それは個別に事業者の方々に、商工の方から指導しているということです。特に田辺市本宮町の川湯温泉が一番被害が大きいので、こういう制度を利用して、早期に復旧して欲しいというふうに思っているわけです。他のところの方々も対象者であれば使えます。

下請取引条件の改善に向け、聞き取り調査を開始します PDF形式を開きます資料3(PDF形式 121キロバイト)

 それからその次は、下請取引条件の改善に向けて、世耕経済産業大臣と私との間で協力のお約束をいたしました。全国で初めてなんですけれども、「和歌山県下請等中小企業者の取引条件改善に向けた取組に関する連携協定」を結びましたが、具体的に話をいたしまして、今後、(配付資料の)下の絵にあるような形で、製造業を中心に約200社への聞き取り調査をいたします。和歌山県は、産業別担当者とかいろいろ作っているので、そういう担当者が中心になって、受注者を中心に、和歌山にある下請中小企業を中心に調べに行って、それで問題があったらそれを整理して、その都度、国の方と情報共有をして、それでできることなら国の方で、大企業とか発注者に直して(指導をして改善して)もらうというようなことをしていこうと思っているわけです。
 日本の経済の今は、儲かって上手くいっているところは、ものすごく儲かって上手くいっているんですが、それが地方の下請とか、あるいは原料供給者とか、そういうところになかなか(利益が)回っていないという嫌いがあります。だから、これは大きく定義すると、価格転嫁の問題になります。そういうところからの価格をもうちょっと上げてもらわないと、地方に今の景気の良さが回ってこないということになるわけですが、それはその中でも2つあって、取引条件なんかがあまり望ましくない姿を残しているがゆえに、そういうこと(価格転嫁)がなかなか捗らないという場合と、そうとも言えないけども、価格の交渉上なかなか認めてくれないという場合の2つあるわけですが、特に前者については、それは是正できることですからね。後者については、お願いをしたりしないといけないことなんですが、前者については是正できることだし、それからひょっとしたら違法である可能性もあるということなので、これについては大いに調査をして、それで暴いていこうという考え方であります。
 9月7日にこの説明会があります。県庁の北館2階で、午後1時30分から3時30分まで、県の職員にいろいろ説明をして、それで意識を高めておこうとこういうことでありますね。

日本ルナ株式会社が「バニラヨーグルト 和歌山県産有田みかん」を発売します PDF形式を開きます資料4(PDF形式 341キロバイト)

 それからこの両側に並んでおりますが、日本ルナ株式会社が「バニラヨーグルト 和歌山県産有田みかん」というのを出してくれることになります。これはもう4回目でございますが、なかなかおいしい。今年は、9月17日から全国で発売されるということになりました。この間、社長がお見えになっていました。これなんかは開発するのはえらい大変で、日本ルナの女性を中心とするような開発チームが、一生懸命「こうやったらおいしいかな。こうやったらおいしいかな。」と試行錯誤をして、ようやく開発した商品で、伊藤農園と組んでしているんですね。そんな感じであります。

サンヨー食品株式会社が県産「醤油」を使用した「サッポロ一番 名店の味」カップ麺を発売します PDF形式を開きます資料5(PDF形式 169キロバイト)

 それからもう1つはサンヨー食品。サッポロ一番のブランドで有名なサンヨー食品が、井出商店という和歌山濃厚豚骨醤油ラーメンの発売をしてくれました。これは井出商店も大いに協力して作ったそうです。
 以上です。
 

  • Q&A

    NHK:発表項目以外で恐縮なんですけれども、まもなく紀伊半島豪雨から7年ということで、まず節目ということと、奇しくも全く同じ4日に、また同じ台風第21号が来ているということも含めて、ちょっとお話を聞かせていただけますか。

    知事:紀伊半島大水害は、とんでもない災害を和歌山県にもたらしました。いろいろ工夫をして力を合わせて、ものすごい早期復旧ができたと思うんですね。いろんなところに行ったらごく一部を除くと、和歌山県ではそんなんあったかなというぐらいの印象になっていると思うんですが、だけどやっぱり、そこから我々は、多くのことをとっさにいろいろ工夫したことも含めて勉強しましたね。勉強した結果は、和歌山県の災害防災の政策になって、和歌山県の防災政策がレベルアップしているんです。だから例えば、ダムの水を先に抜いておく。これは当たり前なんですが、実は関西電力が利水空間として持っている分まで協定を結んで抜いてしまうという、ひょっとしたら企業の営業活動の妨害みたいなところまでお願いをして、必死になってしているわけです。その他たくさんの対策も前よりは、我々の防災力が上がっていると思います。ところが、その防災力を使えるかどうかというのは、まずその使う方の人たちが油断なく、あるいは機動的にちゃんと使えるかどうかということも大事なことなので、それについては、この間の台風第20号の時も、いろいろと改善点も見いだされたので、さらにみんなで注意するようにしているんですね。もう1つの問題は、この間は、川湯温泉が大変なことになりましたけれども、残りの地域についてもものすごく局地的豪雨で、古座川の七川ダムも但し書き操作(異常洪水時防災操作)を辛うじて免れたので、大変な一帯大被害というのはなかったんですが、あれがもしそこ(但し書き操作)へ至っていたら、ひょっとしたら逃げ遅れた人がいるんじゃないかという懸念はものすごくあるんですね。したがって、今回は、もっと大きい台風がくるわけですから、住民の方もやっぱり市町村の言うことを真摯に聞いて、事前に逃げるようにしてもらいたいというふうに思いますね。行政、それから住民の両方それぞれが自覚を持って、油断なきようにしていかないと、ちょっと間違うと命を落とすということになりますので、そういう点では注意をするようにしないといけない。特に今日から明日にかけて勝負だと思うんですね。これからいろいろ市長さんなんかに注意をするし、振興局にも非常事態宣言みたいな感じで動き回ってもらいますが、上手く(住民を)逃がしておかないと、避難勧告や指示が出たけれども、ほとんど逃げていませんでしたでは、ひょっとしたら済まないかもしれない。それを放送や新聞の方も、ぜひ大いに報道してください。お願いします。

    読売新聞:台風第20号の時と比べて、何か運用面等で改善されたことはありますか。

    知事:まずダムについては、この間、ちょっと申し上げたと思いますが、何かもうちょっとできなかったかなといろいろ内部チェックをしました。その結果、例えば、七川ダムは、事前にたくさん放流して、一番下まで抜こうと思っても、あまり水が出ないというような構造になっているので、それは無理だったというような話になっているんですが、一方、あの時は、七川ダムは修理でほとんど下まで抜いていました。今度もそうしようというふうに思っているし、残りのダムについてもできるだけ極限まで抜いておいて、それで放水量をちょっと少なくする。もうちょっと少なくしてもらったら、浸かなかったというようなところが若干あるので、そういう点では、そういう運用をすればいいかなというふうに思います。
     もう1つは、熊野川の奈良県側にたくさんダムがあるんです。J-POWER(電源開発株式会社)のダムですが、国土交通省にお願いをして、J-POWERにいろいろ協力をしてもらって、それに近いようなこと(運用)をしてもらわないといけないということで、お願いをしているところです。
     後は避難ですね。明日の昼前ぐらいから危ないらしいですけれども、少なくとも午前中までには、念のために逃げといてもらった方がいいと思います。ほんの1日ですからね。

    読売新聞:奈良側のダムですが、同じように水を減らしておくというような話ですか。

    知事:これはまず、J-POWERのダムは、基本的に利水ダムなんです。それで、そのダムの運営協議会を作ってあって、国土交通省が音頭を取ってJ-POWERにお願いをして、それでいろんな操作もしてもらうということになっているわけです。和歌山県ほど極端なことはしていないですけれども、この間の例から言っても、もうちょっと抜いといてもらったら良かったんだけどなあというような感じはするし、それから流す量はもうちょっとだけ少なくしてもらったら、熊野川の日足(ひたり)のところまで来なかったかなというような感じはあるわけです。日足はいつも浸くから構造的に直さないといけないというところもあるんですけどね。(水量を)少なくしようとしたら、初めから抜いとかないといけないでしょ。だからそんなミックスチャーでしてくれませんかというふうにお願いをしている。どこまでできるかは、和歌山県のように契約してちゃんとできるようになっているわけではないので、話し合いの結果なんですけど、国土交通省にお願いしています。

    読売新聞:結果というのは、今日のうちには分かるような感じなんですか。

    知事:まあ、国土交通省を通じてね。

    読売テレビ:全く別の話題で恐縮なんですが、白浜町の方で進んでいるIT企業の誘致についてお伺いしたいんですけれども、県として飛行機代の半額補助ですとか、金銭面でかなり手厚い補助がなされていると思うんですが、ここまで力を入れてこられた狙いというのを教えていただけますか。

    知事:これから伸びる産業を誘致したいというのはもともとあるわけですが、白浜というのは、2つの意味でものすごく魅力がある所ですね。1つは、東京に実は近い。ちょっと飛行機代が高いけど、えらい近い。飛行機は、(往復)3便も飛んでいるわけですから、東京を中心にIT産業が栄えてるときに、時々行って向こうと打ち合わせをするというのは必要になってくると思うので、そういう点ではものすごく便利なところである。それから2つ目は、東京をやめてどこかに行きますといっても、大都会といったら似たようなもので同じでしょう。それよりもやっぱり、通信と多少の交通があれば、どこに行ったっていいわけですから、自然の豊かな浩然の気の養えるところへ行って、それで創造力を大いに発揮したらどうですかというような話が、昨今の風潮と結構合っているんですよね。我々は、テレワーク、それからワーケーション、そういう新しいアイデアを前面に押し立てて、今、一生懸命宣伝をしているということです。何もないところへ持ってくる(誘致する)のはなかなか大変なんですが、株式会社セールスフォース・ドットコムとか、その前からあるクオリティソフト株式会社の活動によってちょっと弾みがついているので、この弾みを生かして頑張っていけば、もっともっといけるというふうに思っていて、だんだんと進んでいますよね。まだまだこんなもんでいいというわけでもないので、もっと頑張りたいと思っています。

    読売テレビ:企業を誘致することによって、県として、地元としてもかなりメリットは出てくると思うんですけれども、例えば、その地元の雇用ですとか、深刻とされている若者の流出ですとか、その辺りに関して何か狙いみたいなものはありますか。

    知事:産業の誘致というのは、ありとあらゆる意味でそういうことなんですよね。つまり、雇用を増やそうとしているわけです。別に企業だけ来て、雇用無しの企業なんて、何の意味もないです。雇用のために誘致しているわけですが、雇用が段々と(増える)、次の時代に発展する産業の方が良いですよね。それから製造業だけだと、ちょっと自分は製造業のラインに入るのは物足りないというような人が、随分たくさんいるでしょう。そうするとIT企業なんてまさに創造性の発露ですし、それから新しいトレンディーな部分だから、大変良いんじゃないかというふうに思います。だからハイテク産業・IT企業というようなところは、特に狙いたいというところなので、今ちょうどきっかけが出来て良かったなあと思いますね。
     それは、我々も次の時代に備えないといけないでしょ。だから、来年からすべての小・中・高等学校でプログラミング教育をしますから、高校を卒業したときには、全員がプログラミングができますというぐらいの教育を施すというふうに決めて、準備をガンガンしているところなんですね。こういうことも、今度は来てくれる方の企業からすると、地元で割と簡単に能力のある人を雇えるといういうことになりますから、十分な武器になるんじゃないかと思っているんですけどね。

    読売テレビ:その県として育てたITの人材を誘致した企業に雇ってもらいたいと。

    知事:そうですね。よくIT企業とかハイテク企業の人に来てくださいと言うんですが、人材はいますかと言うんです。「いや、いるよ。あなたの会社を見てよ。ものすごく優秀な人は和歌山出身の人が多いだろう。」とか言うんだけど、企業の人は、外形標準で考えたがるんですね。そういう意味では、和歌山は大学が少ないので、よそ(他府県の大学)へ行って、その大学を出て、それで(他府県の)会社に入っている。そして結構伸しているという方が多いんですね。そうすると、人材の宝庫というよりも人材が少ないところというふうに、つまり大学の存在が外形標準になるんですね。だから、大学をそんなに急に増やすというのは、まあ増やしているけれども、そんなに簡単ではないので、それならば外形標準でも、高校を卒業すれば、みんなが一流というようなところであるということがわかれば、だいぶ武器になるでしょう。だから、そういうことを今一生懸命考えています。

    読売テレビ:その大学進学にあたって、若い方が出て行かれるということに絡んでなんですが、先月お盆の時期に、田辺市の方で行われたUターンフェアの取材もさせていただいたんですけれど、ちょうど若い方が戻ってくる時期にも関わらず、かなり人は少ないという印象を受けたんですけれども、やはりその若い方が進学にあたって出て行かれて戻ってこないという状況に関しては、知事も何とかしたい課題というふうな認識は持たれてますか。

    知事:これは、読売テレビの勉強不足をものすごくよく表している質問です。事前取材をサボっているという体質をよく表している質問です。

    読売テレビ:すみません。具体的にどこが勉強不足かを教えていただけますでしょうか。

    知事:後で(説明は)1時間くらいかかりますから。また取材に応じて差し上げます。ちょっと事前に勉強してきてください。

    読売テレビ:どの辺りがですか。

    知事:担当から教えてあげるから。誰がいいかな。商工労働(担当者)がいないけど、すぐに行ってちゃんと教えて差し上げます。でないと(今)1時間ぐらいしゃべらないといけない。そう(勉強)したら、僕のところへもう一回来てくれていいから。

    読売テレビ:実際ですね、そのUターンフェアを開催された商工会の方も、例年に比べてかなり人は少ないと。

    知事:そんな話じゃないと言っている。ちゃんと説明するから、そこでなるほどと言って事前の情報を得てから質問してください。

    読売テレビ:事前の情報といいますと。

    知事:ちゃんと教えますから。あなたに教える。そんなのをここで講義をしたらみんな迷惑でしょう。だからそういうことを言っている。
     こういうことがあってというのがちゃんとある。そういうことを、それがどんな狙いであるとか、何を考えているのかとか、まだいまいちじゃないかとか。そこで質問する。そういうことです。

    読売新聞:IRの分なんですが、7月に出来ていて、今公表されているプロジェクトチームなんですが、何かタイミング的に意味があるんでしょうか。

    知事:別にないんですが、プロジェクトチームはさっさと作ってもう活動していたんですが、IR推進室というのを、この際作っておくというのを思いたったので、前のプロジェクトチームも含めて一緒に念のため発表したと、このぐらいの感じでしょうかね。

    読売新聞:皆さんで集まったりとか、何か取材可能な場面は近々ありそうですか。

    知事:毎日もう集まってガンガンしているけどね。企画総務課に取材に行ってもらったら、みんなが集まってゴソゴソしているところなんて、いつでも撮れると思うよ。

    NHK:また話しが変わるのですが、串本町のロケットですが、8月の末で大体役員会議があって、買収率はどのぐらいかみたいなお話をされるという話を聞いていて、今の進捗状況はどういった感じでしょうか。

    知事:進捗は、具体的な数字はよくわからないんですが、何となく進んでるようには思います。特に支障があるかというと、大きな支障はないんじゃないかなあと思うんです。ただ、全部買収ができているかというと、よくわからないので、いろんな不測の事態を避けるために、あるいは不確定要素とか資金問題とか、いろいろ会社として考えないといけないことがあるから、まだ正式にどこどこで何をするということを発表するタイミングではないというふうに聞いています。逆に言うと、いろんな支障が出たら止めたと言われる可能性はある。今時あちこちで、そんなのいいなあと思っているようなところもあるかもしれませんよね。ですから、あんまり我々に変な支障が出たら、ちょっと問題になると思うんです。会社の方とよく相談をしながら、いろんな問題をひとつひとつ潰していくというのが大事だと思いますね。

    NHK:今のところ大きな支障は生じていないと。

    知事:今のところ大きな支障があって、もう止めになるだろうということではないんですけど、そうならないことを冷や冷やしながら願っているということですね。

    読売新聞:この井出商店のラーメンはもう食べられましたか。

    知事:いいんじゃないでしょうか。まあラーメンですね。インスタントラーメンです。実物(本物)の方がいいな。実物は、めちゃくちゃ美味しいもんね。やっぱり実物よりはちょっと落ちるかもしれませんね。だけどその評価はみんな違うので。それから実物を井出商店に並びに行って食べるのは大変ですよね。だから、いいんじゃないでしょうか。

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