知事記者会見 令和4年9月6日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年9月6日 知事記者会見

令和4年9月6日 記者会見室

和歌山下津港に定期RORO船が就航します!

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 それでは、今日はいくつかありますが、和歌山下津港に定期RORO船が就航することになりました。この間、実験をしていただいていた大王海運という会社の社長さんがお見えくださり、非常に意気込みを語っておられましたが、我々としても、和歌山下津港を活用していただけるということで、大変ありがたいと思っています。背景を言いますと、元々ずっとRORO船はありますが、最近、更に意義が高まっています。こういう時は、それは何ででしょうとクイズを出したい気持ちになり、職員にはやっていますが、記者さんにはやったら申し訳ないので言います。

 一つは、地球環境です。それと、ちょっと横の方に引っかかっているのは、燃料費の高騰があります。別々に考えると三つになりますが、トラックでバンバン走り回ると、その分だけ排ガスも出るし、CO2も出ます。省エネでやった方がいいので、もちろん、普通のRORO船ですから重油を焚いて走りますけど、それでも効率的には随分違うので、地球環境問題にはよろしい。

 それから、特に最近はエネルギー価格が高いので、燃料節約ができることは安上がりになるので、トラック業界とか荷主のコスト削減になる。

 三つ目は労働問題です。例えば、運転手さんが疲れて事故に遭うようなことが起こります。それに対して、運転手さんの労働条件を、例えば、過労にならないように、何時間に1回はちゃんとした所で休ませないといけないとか、或いは2人乗りにしないといけないとか、1回でなんぼ走ってはいけないとか、結構、規制が大変です。そうすると、コストの問題もさることながら、圧倒的に、今、運転手さんは人手不足です。そうすると、物が運べないというようなことになって大変になりますから、例えば、関西と東京の間は、RORO船で荷物だけ積んでいって、運転手さんはそこで寝る。今度は、東京港とかその辺に着いたら、別の地元の運転手さんが来て、それを運んでいく。こういうふうにすると、労働問題も解消する。

 そういう意味で、RORO船は、ものすごくこれから意義が出てくる。和歌山下津港は、瀬戸内に面していて、昔から大阪-東京を運ぶ航路の一つです。それから、神戸港とか大阪港は混んでいるから、なかなか、そこへ全部持って行ってというのは大変なので、従って、和歌山下津港で積み替えたら、特に、和歌山或いは大阪南部の荷物は、そこへ持ってきて積み込んでいったら、港は空いているし、非常にいいのではないかということです。聞いてみたら、前の港湾空港局長が、いろいろセールスをして、努力をして、大王海運がこれいいではないかということで乗ってきてくれたので、前港湾空港局長に感謝をしたいと思います。非常に良いことが始まります。毎週土曜日1回、行って帰ることになりますが、今回、一番初めの儀式として、10月8日12時から12時40分まで式典をします。記者の諸君もおいでいただいたら、中を見せてくれるのではないかと思います。

ワーケーション自治体協議会/総務省が、「ワーケーション・コレクティブインパクト(WCI)2022」を開催し、和歌山県でも官民参加型ワーケーションイベントを実施します

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 その次は、私が会長をやっているワーケーション自治体協議会と総務省が、ワーケーション・コレクティブインパクト(WCI)2022、WCIはどこかで聞いたことがある名前だと思いますが、ワーケーション・コレクティブインパクトの略だそうです。これは毎年やっていて、確か今年で2回目だったのではないかと思いますが、11月に、全国で和歌山県を含め6ヶ所で開かれることになりました。和歌山県ではどうするかというと、コレクティブというのは、集まって集めてということなので、ワーケーションに興味のあるような、国の役人さん、地方公務員、民間企業の方、個人でもチーム単位でも何でもいいから、これに参加したら、個人としてワーケーションをしているだけではなく、いろいろ為になるお話も聞けますし、みんなでちょっと遊んだり、交歓もできます。そういうことを考えたわけです。そこで、和歌山県については、白浜町で11月21日から23日まで、2泊3日で皆さんお集まりくださいということで、これから公募を始めることになります。
 その前提として、次のようなイベントも行います。11月21日と22日に、講演会、パネルディスカッション、ワークショップをやります。21日は、冨山さんに来ていただきます。皆さんもご存知だと思いますが、和歌山出身でないのですが、お父さん、お母さん2人とも出身で、大変、一生懸命和歌山のために頑張ってくださっていて、経営共創基盤という会社の会長さんです。この会社は、白浜空港のコンセッションに参加して、今、南紀白浜エアポートを運用してくれている。それから、みちのりホールディングスというのも傘下に収めていて、東北地方のたくさんのバス会社を蘇生させて、ちゃんと経営をしている。こういう人ですが、経済評論家として、私は一番、偉いと思っています。つまり、バランスがとれて無理がない。大体、一つのことをワーッという人が多いけど、後の事はすっとこどっこいで忘れていますが、彼は、目配りも全部効いていて、矛盾なく立派なことを言う人で、ものすごく頭のいい人だと思います。ワーケーションについても、ちょっと関係のある話で、新型コロナ禍で企業経営が変わる中で、ワーケーションをどうやって展開していったらいいかという話をしてくれるはずです。
 2日目の基調講演は、早稲田大学教授の入山章栄(いりやま あきえ)さんに、ワーケーションの意義と可能性というのをやってもらいますが、パネリストで入山さん、それから、日本におけるワーケーションの生み親は本当にこの人で、元和歌山県職、当時、総務省からの出向職員、辞めてしまったので、今、メルカリの政策企画参事(の天野宏(あまの ひろし)さん)に来てもらいます。それから、ワーケーションを身をもって、ワーケーションになるのか、二地域居住というか、移住の最先端というか、そんなような感じの活躍を、和歌山をベースにしてやってくださっていて、昨日も、DXシンポジウム出てもらいました島田由香(しまだ ゆか)さんに出てもらいます。私が、不肖ですがファシリテーター、皆さんの聞き役をするということです。
 3日目は、希望者対象のミニツアーも行くぞ、どっかいいとこ連れていってあげるよというようなこともあり、皆さん、ぜひ、どんどん来てください。

県内小学校等への県産農水産物(かき)の提供を実施します

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 その次が、県内小学校等への県産農産物の提供ということで、今年の第3弾、かきを10月4日から14日まで小学校と特別支援学校の全部に持っていきます。かきと言っても、ものすごく美味しいし、栄養もあって、非常にいいのですが、(皮を)剥く癖をつけないと食べられない。だから、そういう内容で、どうやったら剥けるのかを子供の頃からやっておけば、それから、かきは美味しいなとか、そういうふうなことがいろいろ身に染みついてもらったらいいなということでやります。それから、ショーをやるというような感じで、贈呈式を10月7日に紀の川市名手小学校6年生の教室でやることになります。この時に、取材も受け付けますので、どうぞ、皆さん、テレビなどで映していただいたらいいではないかということです。

和歌山大学大学院観光学研究科観光地域マネジメント専攻(専門職大学院)の開設について

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 その次は話題事項で、和歌山大学大学院観光学研究科がありますが、これを、いわば発展的に二つに分けて、専門職大学院を一部作ります。専門職大学院というのは、専門職大学というと、学問の匂いがあんまりしないというような感じがあって、専門職養成校というような感じも若干ありますが、専門職大学院というのはまた違って、学問の世界に進もうという人は普通の大学院に行ってもらって、ありとあらゆる知識を身につけているものすごいプロフェッショナルになりたいという人は専門職大学院に行ってもらう。というようなことを、今、世の中の教育体系で二分化している。
 私も経済産業省の役人をしていて、外国の人と、いろいろ渡り合ったり仲良くしたりしますが、名刺を見たら、Ph.D.と書いている。それじゃあ、この人たちは、日本の大学院で学者さんを目指して頑張っているような人だったのかというと、全然違う。だから、いろんな知識を幅広く身につけるために、ちょっと熟成期間を長くして、Ph.D.をとっている、博士をとっている人がいて、マスターの人も結構多いです。そうすると、私は学士ですから、ちょっと肩書き上カッコが悪いというような感じは、今や国際場裡においてはある。そうすると、日本の人たちは分かっているので、専門職大学院でみっちり勉強して、熟成期間は長いけど、出てからガバっと稼ぐということをみんな考える。ちなみに、例えば、東大とか京大とかも、この専門職大学院は、それぞれの学部であります。
 ということになっているので、和歌山大学にも、専門職大学院を作って、観光という領域において幅広く活躍する。観光学を教えるのではなく、観光という領域において、幅広く活躍する人を養成しようということです。来年4月から始まりまして、入学定員10人で、近く、ひょっとしたら募集が始まるのではないかというふうに思います。和歌山大学でも、今日発表しているので、和歌山大学に取材に行かれても面白いと思いますし、企画部の部長、局長、或いは文化学術課長とかは、ものすごくよく知っていますから、そういうところに取材に行かれてもていいかもしれません。どこに行っても大丈夫だと思います。

全国「みどりの愛護」のつどいを誘致します!

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 その次は、全国みどりの愛護のつどいを誘致します。これは、都市公園を緑でアピールしようというような催しで、国交省の都市局が中心になってやっているものです。大きな公園があって、緑豊かなものでないと、なかなかできない。和歌山城公園はバッチリだし、和歌山城ホールという素晴らしい式典をやる会場もありますから、これはものすごくいいなということで、和歌山城も売り出せるし、誘致しようということで、今、和歌山県と和歌山市で頑張ってやっています。令和6年が今議論になっているので、そこにはまるといいということで、令和6年春、まだ何時とは決まっていません。今年は奈良県で行われました。来年は、福岡県北九州市ということです。秋篠宮様が、新型コロナとかそういう支障がなかったら、わりとお見えになる。皇室の話は過去しか語りません。お見えになる予定とか、そんなことを言ってはいけません。過去においてはお越しになったことがあるということです。
 以上です。

質問と回答

産経:ワーケーションについて背景的な話を確認したいのですが、和歌山県は、全国的にいち早くその取り組みを進められていたと思います。今回のイベントでは、目的で、新たな生活様式として社会全体への浸透というふうに謳われていますが、和歌山で四、五年取り組みを進めてきて、どういうふうに変わってきたのか、その進み具合についてどのように感じられているかというところ、いかがですか。

知事:ワーケーションそのものは、私は、旅行の一種だと思っていて、いろんなワーケーションがあるけど、旅行の一種で、単に、今日は旅行を楽しみ今日はお仕事とビッシと分けるよりも、環境のいい所へ出かけて行って、お仕事もちょっとやるけど、いろいろな楽しみもして、家族サービスもしてというようなことが、いろいろ自由自在に設計できるようになったところが大きいと思います。
 その背景は、我々がワーケーションだ、どうだと言って大騒ぎしたこともありますが、あと二つあって、一つは、東京一極集中とか大都市集中とか言いますが、大都会の高層ビルの中に、みんな通勤ラッシュに耐えながら通って、仕事している時はどこでも同じという中で、少し発想にゆとりがなくなっているとか、モチベーションがだんだん欠けてきているとか、要するに、都会疲れがあります。従って、ちょっと気分を変えて、浩然の気を養いながら、創造力をかき立てて仕事をしようというのは、一つの流れとしてあると思います。
 もう一つは、やっぱりIT機器の発達です。通信、コンピューター、スマホ、その他、Wi-Fi、ありとあらゆるものが、こういうことが自由自在にできることの下支えをしてくれています。そういう意味では、これから、自由自在に仕事の場所、遊びのやり方とか考えることができる。それがワーケーションだと思います。
 それを、まだまだ、そんなこと言っても、これでもう飽和かとういうとそんなことはないと思う。もっとどんどん進めたら、皆さんの幸せになるし、和歌山の観光にもなるということで、こういうことはもっと進めたらいいと思います。その時に、和歌山県は昔から、「昔、和歌山、今はなし」ということが結構ある。昔、和歌山、一番初めに始めて、どんどん人に広げていくという、ある意味では文化発信地です。まさに、ワーケーションもそういうふうにして、名称使用は和歌山に限るとか、そんなつまらんことは言わない。みんな仲間に入って、ワーケーションをみんなで盛り上げて、そしたらどっかへ行くだろう。あとは、それぞれの魅力に応じて、みんなお客さんを集めればいいではないかということで、ワーケーション自治体協議会を作った。その自治体協議会と応援してくれている総務省が共催して、総務省のお金をちょっといただいて、コレクティブインパクトという、名前はかっこよくて、このかっこいい名前を作ったのは総務省の方で、和歌山県の人と思えないような気がするけど、そういうのをやったわけです。

毎日:和歌山大学の専門職大学院についてですが、先日、エイチ.アイ.エスのアンケートでも、和歌山の観光の満足度が高まっているという結果が出ています。今回、こういった人材育成をする大学院を新設するということで、県内への影響という意味で、知事から期待するようなところはありますか。

知事:和歌山大学ですから、国立大学で(観光学研究科の)博士課程を持っている全国唯一の大学です。だから、何も全部その人たちを和歌山で独り占めにして、和歌山で働けと言う必要もないと思います。ただ、大学院にも和歌山の人は行きやすいから、高度な知識を身につけるためには、例えば働いている人だって、大学院に割といける。そういうことで行ったらいいし、和歌山にずっと勉強して居てくれるわけですから、和歌山の観光地としての魅力、観光産業としての魅力と改善余地みたいなものが、いろいろみんなわかる。そうすると、自分が行ってここを立て直してやろうとか、ここで一旗揚げようとか、ここで働いたら楽しいなとか、そういうことも考えてくれるチャンスは増えます。そういう意味では、大変期待はしていますが、ケチなこと言っても仕方がないので、世界中で活躍している人材がここから出たらいいと、私はそう思っています。

毎日:ちょっと話題が変わりますが、先日、自民党県連が、和歌山県出身の総務官僚の小谷さんを推薦するという方針を決めたところです。これまで、仁坂知事は自民党県連から推薦をいただいていたという状況で、今後、小谷氏が擁立された場合に、支援や協力などをするお考えはあるのでしょうか。

知事:基本的には、私は、選挙でお世話になった時は選挙でお返しする。個人の好みとかしがらみとかは別にあまりないので、従って、そういうふうに考えていて、常にやっていました。そういう意味では、自民党の推薦になるということであれば、応分の応援は、せざるを得ないと言えば嫌々みたいだけど、することになるのではないかと思います。ただ、こんな人は止めた方がいいと思ったら、その義理を果たさない。説明して、申し訳ないと言って果たさない可能性があるけど、なかなか良さそうです。そんな感じはしました。
 というのは、いくつか理由がありますが、一つは若いということです。私が辞めた時に、私は年寄りですとは言わなかったけど、最近、70歳を過ぎると、ちょっと人脈などが消えつつあります。知事になってから、知事であるということを利用してと言ったらおかしいけど、それをきっかけにして、新しく知り合いになった人は結構いますが、昔から割とたくさんの人を知っていたので、自己紹介無しで「やあやあ」とか「あのね」といって、いろんなことを言えるわけです。それで、理屈が合ってサブスタンスが合えば、和歌山県は、いろんなご尽力を期待できたわけです。だけど、70になると何が起こるかというと、官界とか政界は、あんた誰というような人ばっかりが、今、第一線にいて、年寄りがちょっとになってしまった。官界に至っては、もうほとんどいない。それで、あんた誰から始まるのは、他県の、例えば県庁出身の人なんかと変わらない。だから、ちょっとメリットが失われたなあという感じですが、辞めると言ったわけですから、ちょうど良かったのではないかと自分では思っている。そういう意味では、若い人ができて、若い人は若い人なりの彼らの層の人脈と、民間でいうともうちょっと上の人の人脈が、ばっちりあるから、その人が成長していくでしょう。そうすると、結構な戦力になっていくのではないかというふうに思います。
 その証拠にと言ったらおかしいのですが、最近、知事になった人は、40代の人が結構多い。僕らから見ると子供みたいな感じがするけど、関西でもそうだし、全国でも、そのぐらいで結構みんな(知事に)なっています。私は、自分がなった時が56歳で、自分でやや自負があったということもありますが、論理的に言うと、そのぐらいが一番良かったのではないかと思っていたけど、最近の動向から見ると、その辺の人よりも、もっと若い人を選んでみんなで育てるというふうに、全国が舵を切り始めています。最高齢が1人だけ60代がいて、66歳の福岡県、副知事から上がった人ですが、知事が死んでしまったから。そんなことがありますが、若い人の方がいいだろうというのはあります。
 それから、青森県の三村知事は仲良しなので、青森県から来るというから、どんな人ですかと聞いたら、とにかく明るい。それから、職員や青森県の県議会議員とも、ニコニコしながら上手くやっている。それから、無茶苦茶面白い。三村さんってご存知だと思いますが、よく喋って無茶苦茶面白いですが、私と漫談のできる唯一の人ですとか、そんなことを言っていました。
 もう一つ立派だなと思ったのは、絶対、公私混同しない。私は、心の中はともかくとして、今、一般職の公務員ですから、県庁の中に和歌山県の知事選挙の話、例えば、資料が来るとか、そういうことをやってもらっては困ります。辞表を出した後はいいのですが、まだ辞表を出していないので、まだ今は青森県の総務部長として、ちゃんとやっていかないといけないというふうに思っていますから、その点は、ちょっとご注意くださいという感じのことを言われました。だから、ああなるほど、これは公私混同をちゃんとしない、自分のことを考えないきちっとした人だなというふうに思って、ちょっと感心しました。まだ顔を見て会ったことはないです。夜中に電話で話したぐらいです。

知事:さっき、総務省からちょっとお金をもらえるのではと言ったけど、全然くれないそうです。そしたら、総務省は何がうれしくて。

情報政策課長:総務省の方も、テレワークを進めるために、PRや国家公務員への呼びかけとか、そういったものをやって盛り上げていきたいということです。

知事:協力してくれる。お金ぐらいくれたらいいのに。ちょっと失礼しました。

産経:先ほどの質問に絡んでです。知事は、6月の県議会の引退意向の時に、自分が辞めることで、新しい人が出やすくなったというふうに言われていました。その時から、すでに岸本さんは出馬表明されていて、対立の構図というか選挙戦になる見通しになりました。新しい人が出てきたということへの受け止めと、選挙戦になるということについては、いかがでしょうか。

知事:あの時は、仁坂か岸本かというような構図だった。私も、多選でそろそろ辞めたらという声も強いし、一方では、岸本さんも、例えば、高速道路を取り上げた張本人が今頃何を言うかとか、或いは自民党と選挙戦を激しくやったのに何であんな人をウニャウニャとか、要するに、両方とも反感がありという感じがあった。だから、私が辞めると言ったら、全く第三者を、県内でもいいのですが、どこかから選んできて、みんなで一から出直そうというきっかけになるのではないかなと思ったけど、なかなかならない。なかなかならないなと思っていたら、とうとうなったという感じです。あの時は、こういうふうになったらいいなというふうに思っていました。でも、それは、僕はなったらいいなというだけで、自分が動いて主導してやる話ではないので、だから、ならないんだねというふうに、ずっと思っていました。

だから、あの時の、一種の予言と言ったらおかしいけど希望みたいなものが、小谷さんを、自民党がみんなで推すことになったということで実現したのですねという意味で、感慨が少しあります。

読売:先ほどはっきり聞き取れなかったのですが、小谷さんと電話で話されたというふうにおっしゃったのですか。

知事:はい。電話で話をしました。

読売:それは、いつぐらいのことですか。

知事:昨日です。

読売:やっぱり、知事選に向けてのお話ということですか。

知事:勤務時間外ですから、私、立候補を考えておりますのでよろしくというご挨拶みたいなのがあって、小谷さんも青天の霹靂みたいなところがあったようですが、私も政治家になろうなんて全く思ってなかったので、ちょっと青天の霹靂みたいなのがあったけど、郷土のために尽くすというのは、こんな幸せなことはなかったと。まあ、まだやっているから、ないと言わないといけない。そういう意味で、あなたも選挙戦は大変だろうけど、頑張って、就任したら、今までの人生で蓄えたものをみんな投入して、頑張ったらいいのではないかというふうな、そんなお話です。
 それで、話をして、受け答えとかそういうのを見ていると、人物が大体わかります。そういう意味で、なかなか良いなというふうには思いました。

読売:非常に細かい話ですけど、電話がかかってきたということですか。

知事:はい。

読売:先ほど、応分の応援はせざるを得ないというようなご発言だったり、印象についてのお話を聞くと、やはり、小谷さんを支持するというか、現時点ではそういうお考えであるということでいいのでしょうか。

知事:そうなるでしょう。さっきも言いましたように、私は、別に政治的人間ではないので、誰でなければいけないというようなことを初めから決めて(いない)。政治というのは一種のパワーゲームだから、そういうことはあんまりしないのですが、選挙で応援してもらったら選挙でお返しするというふうには決めていて、ずっとその通りやってきました。だから、自民党或いは公明党が、応援するからよろしくと言ってこられたら、一回目からの義理がありますから、そういうふうになるでしょうというような、論理学の問題です。ただ、この人だけは止めた方がいいですと個人的に思えば、それはそう申し上げて、少し引かせてもらうことはあるかもしれないけど、なんかものすごくいいです。だから、躊躇なく応援をすると思います。
 ただ、これからの話で、そうなったらそうすると思います。自分が選挙戦をやっているわけではないので。自分がやっている時も、ちょっとそんな権政は行政よりも不熱心なところがあったような気がします。
 尾花市長もそうでした。前の日まで鬼のように仕事をしていた、行政を。

NHK:発表事項外ですが、新型コロナについてお伺いさせてください。感染者数で見ますと、全国でも下落傾向が続いていると思いますが、下がり切っていない中で、今、県としての呼びかけは、どういうふうに考えていますか。

知事:先週申し上げた通りで、それぞれ用心をしながら活動してください。用心の仕方は、換気、マスク、ここは危ないというようなところは用心するとか、手洗いとか、そういうことです。一方、特に、保健医療行政の方は、頑張って感染者をできるだけ少なくするように努力し、医療の方は、本当に命が助けられるものであれば、助けようということで、行政と一体になって、入院調整をトリアージして、つまり、レベルがいっぱいあるので、命が危ないような人から優先的にしかるべきところに入れる。それをやっていったら、一番命が助かります。それでも亡くなる命はあるけど、そういうところを遺漏なきようにしていこう。そこで頑張るから、県民の人たちは用心し、普通の生活をしてくださいというふうなのが、和歌山県のメッセージです。これは、第七波のずっと前から、それでやってきました。
 聞かれていないけど、今いろいろな見直しが政府である。法律ですからどんどん見直したらいいけど、感染症法の見直しも少しあるかもしれないし、特措法の見直しも検討はされていると思います。ただ、その時にやっぱり大事なことは何かというと、命は救わないといけないので、論理的にどうやったら命が救えるかを優先的に考えないと、自分の責任を免れたいとか、或いはもうしんどいから嫌だとか、そういうふうに考えると、無茶苦茶になってしまって、国中がおかしくなる。それで、経済なんかの支障になるから感染症の話はほっておこうとか言ったら、実は、感染症が爆発したら、経済が一番打撃を受ける。だから、少なくとも、保健医療行政の行政官たるものは、きちんと感染を抑え、入院調整をきちんとやり、入院の病院を確保してということは、サボらないでやらないといけない。それを政府はちゃんと分かっていないと、最終的には政府にしっぺ返しが来るというような感じがします。
 それと、やっぱり科学的な知見に基づいていろんなことをしないといけない。特に、最近、療養期間を短縮してはどうかというようなことがあって、私なんか、良いなという気持ちもあります。ところが、現実に起こっていることは、全ての人に関してではないが、一部の高齢者とかそんなに高齢でない人でも、無茶して早く退院すると、悪化してとんでもないことになったり、或いは、療養期間が過ぎていても、その後、またぶり返してしまって病院に逆戻りというようなことも結構あります。1例や2例ではありません。和歌山県は現場を全部分かっていますから、そういうことをちゃんと把握をしているので、いろんな制限緩和とかをやる時は、ちゃんとエビデンスをきちっと押さえた上でやらないといけないと思います。

NHK:そういう意味では、国の方では、療養期間の短縮は、本当に前向きに検討されている状況だと思いますが、その方針については少し疑義がある。

知事:いや、それはよく分からない。だから、国はもっとエビデンスをたくさん持っていると思うので、そういうのをきちっと詰めた上で、こうだと説明をして、エビデンスを示して、ここはこうだけど、これはこう考えるからこれでいいとか、そういう説明責任はいるでしょう。だから、何となく大変大変とみんな言うから、NHKが毎回煽るのでやっておこうとか、そういうことをすると、人が死んでいくから、ちょっとまずいかもしれません。NHKと言ったのは、失言です。

朝日:小谷さんの電話の件ですが、小谷さんの方から応援して欲しいとか、そういった発言というのは。

知事:いや、まあ挨拶です。心の中ではそう思っているかもしれないけど。

朝日:電話で話をされて、小谷さんが立候補する感触みたいなところ、知事としてはどういうふうに受け止めたという。

知事:立候補する感触。

朝日:はい。そこはもう間違いない。

知事:立候補したいのでよろしくといって、県連に持っていったのでしょう。だから、立候補はするのではないか。止めるということはあり得ないのではないかな。

朝日:すごく細かい事で申し訳ないのですが、知事の携帯に連絡が入ったということですか。

知事:はい。

日刊工業:RORO船について教えていただきたいのですが、6月にトライアルをやられたと思います。この成果はどのようなものだったのでしょうか。

知事:データ的に僕はどう聞いているかは分かりませんが、少なくとも、実験をしてみてこれはいいと思ったから、定期化してくれた。だから、大王海運は評価をしてくれているのではないかと思います。詳しくは、ちょっと担当にデータとかがあるならもらってください。だけど、それは会社の問題がだから、言わないかもしれない。

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