知事記者会見 令和4年12月19日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年12月19日 岸本知事就任記者会見

令和4年12月19日 記者会見室

岸本知事就任記者会見

 おはようございます。今日、初登庁をさせていただきました、知事に就任いたしました、岸本周平です。先ほど、登庁式でも申し上げたとおり、大変、重い責任を痛感しながらの登庁となりました。これからは、県庁職員の皆さんと、仲良く一緒に、県民の幸せを目標にしっかりと前へ進めていきたいと思っています。
 午後の職員訓辞と同じ内容になりますが、先ほどの部長会議で申し上げたことは三つです。
 まず、県庁のミッションは、県民を幸せにすることです。幸せは、人によって違うので難しい問題だと思いますが、幸せな人は、普通、笑顔でいらっしゃいますから、我々のミッションは、県民の笑顔を作っていく、増やしていくことだと申し上げました。そのためには、職員一人一人が幸せにならないと人を幸せにすることはできないので、それぞれ何が幸せなのかを真剣に考えて欲しい。一方、私が職場の長なので、職員の皆さんを幸せにすることは、職員の皆さんの能力が100あれば200出す。そういうことをするのが、私の仕事だろうと思います。その上で、和歌山県は、日本全体が抱えている少子高齢化、経済成長の鈍化、教育水準の低下、いろんな課題の中でも特に課題先進県だと思うので、職員の皆さんが取り組むとしても、実験の精神で、トライ・アンド・エラーを繰り返していくしかないのではないか。教科書も参考書もないので、新しいことをやっていきましょうと申し上げました。
 それから、大事なことは、私は17年間、どぶ板を踏み、路地裏から県民の目線で県庁を見ていましたが、県庁を見る県民の目線は、大変厳しいものがあります。それは、どうしても上から目線になるわけです。職員の皆さんにそういう気持ちがないのは、よく分かっていますが、私も、大蔵省や通産省に勤めていた時は、本人にその気がなくても、そういうふうに見られがちだという経験がありました。ただ、あくまでも、職員の皆さんの目標は、県民の笑顔です。上司の笑顔ではないので、そこは間違えないで、県民の方を見て欲しい。上司の顔色を伺うのではなく、県民の方を見て欲しい。私にも言えます。ですから、知事の私にも、間違っています、それは違いますと、堂々と言って欲しい。意見が違って当たり前ですから、意見の違いをぶつけ合いながら、笑顔で協議していきましょうと申し上げました。
 最後に、一番大事なことは、県庁内では、前例がありませんという言葉を禁句にしました。前例がないと言わないで欲しい。前例を作るのが僕らの仕事ですと申し上げました。まさに、実験の精神と繋がるのですが、トヨタ自動車株式会社にいましたら、毎日、カイゼン運動です。自動車を作るのも売るのも、毎日、カイゼン運動ですが、これは失敗ばっかりです。ただ、失敗した時に、私は驚いたのですが、トヨタでは上司は絶対に部下を叱らない。ナイストライ、またやり直そう、こういうことでした。そういう意味でも、前例を作っていくのが僕らの仕事だと申し上げたわけです。これは、午後の職員訓辞でも申し上げたいと思っています。
 以上です。

質問と回答

産経:就任、おめでとうございます。今日の登庁式で、これまで言われていたとおり、マネージャーとして市町村を応援するということを、重ねて強調されました。これから、具体的にどう進めていくのか、何から着手していくのかというところは、いかがですか。

知事:これは、職員の皆さんに現場へできるだけ行って、現場の声を聞いてもらうことだと思います。私も、現在白紙なので、職員の皆さんが現場に行って、現場のいろんな意見を聞いていただく。特に、振興局がこれから大事になってくると思います。今も、もちろん重要な機能を果たしていただいていますが、私の体制になりましたら、振興局を重視していきたいと思っています。振興局の職員が、それこそ市町村の味方になって、むしろ市町村長の肩を持って、知事部局とやり合うぐらいのことをやってもらいたいというふうに思っています。
 まず、それぞれの現場の課題をみんなで把握してもらう。難しいことが多いと思います。市町村がやりたいと言っても、そう簡単でないのですが、そのハードルを越えていく。それを、県の職員が駄目ですというのではなく、一緒にハードルを越えていく、知恵を出していく、そういうことから始めていきたい。

産経:そうすると、そうやって仕事を進めていく上で、トップが変わって組織が変わる時に、大体、組織の改編や人事のポスト的なものを変えたりする方が多いと思いますが、そのあたり、今のお考えはいかがですか。

知事:全く白紙です。とりあえず、今日から登庁させていただいて、いろんな組織の勉強をし、業務の勉強をしていく中で、問題点が見えてきたら、皆さんと相談しながら変えていきたいと思いますが、むしろ、職員の皆さんが、こういう組織にしたいというのが長年あったはずです。そういうことを挙げていただいて、職員の皆さんと一緒に組織を変えていく。明日から変えますということはあり得ないと思っています。私は、短兵急に何か変えていくつもりはありません。まず、じっくりと勉強させていただいて、どこに問題があるのか、職員の皆さんと一緒に、笑顔で協議しながら変えていきたいと思っています。

産経:知事の公務と少し外れるかもしれないのですが、これまで、岸本さんは、ずっと、週末、街頭に立たれているのが、代名詞のような形です。ただ、知事に就任されると、週末もかなり公務が入ってきて忙しいと思うのですが、そのあたり辻立ちをどのようにお考えですか。

知事:実は、私の唯一の趣味が、街頭演説だったわけです。土曜、日曜、国会に出る時は、東京に行く前の朝に駅でやっていました。これは、国会議員はある意味一人親方なので、私が暴漢に襲われても岸本が悪いということで済んだわけですが、今回、こういう大きな組織の長になりましたので、もし私に何か事故があった場合、私の責任ではなくなります。知事室長の責任になるわけで、これは、大変、組織に迷惑をかけることになりますし、さりとて、SPを付けるのは別の基準があるので、県警に警備をお願いするわけにもいきません。従いまして、いろいろ県庁の方とも相談をしながらですが、私としては、これまでやってきた辻立ちは、とりあえず封印をさせていただいて、むしろ、その代わりに、選挙中に公約で言いましたが、各地を回って、膝詰めでいろいろな方のお話を聞く。そういう活動を、土日に公務で行った時に合わせて、地域地域の方のお声を直接聞くような機会を増やすことで、辻立ちに変えていきたいと思っています。

NHK:ご挨拶の中でも、課題先進県というようなお話もありました。就任されて、まず第一に取り組みたいこと、後は、4年間の任期がありますが、継続的にどのような問題に取り組んでいくか、併せて教えてください。

知事:これも、選挙中の公約で申し上げたとおりですが、まず、農業、林業、水産業の第一次産業、これも実際に県庁へ入って、職員の皆さんと一緒に課題をまず総ざらいして、何ができるのか。併せて、新しい観光産業のあり方についても、どういうアプローチができるのか。その上で、子育て支援も、どういう形で、どのような財源をどのように工面してやるのか。この三本柱については、この4年間で、皆さんと勉強しながら、一定の成果を目指したいと思っています。

NHK:和歌山県で、これから4年間、舵取りを行っていく上で、どのような和歌山県像を目指していかれるのか、一言いただいてよろしいですか。

知事:これも、選挙中に申し上げたとおりで、子供たちが和歌山県が最高だと思えるような県にしていくことだと思います。子供たちが最高だと思うということは、大人も思ってもらわないと困るわけです。
 一方で、今回、半年間、全県を回りましたが、何となく、やっぱり和歌山県民の方は控え目で、非常に自分たちのことをあまり素晴らしいと思っていらっしゃらない部分もありました。そこは、4年かけて、和歌山県民の皆さんが誇りを持って、「和歌山は、すごく良い所だ」とみんなで言える、大きな自然に恵まれ、文化に恵まれ、歴史と伝統に恵まれ、いろんな意味で素晴らしい県だということを、そういう方向にしつつ、そういう認識を持ってもらうことを、心掛けていきたいと思っています。

紀伊民報:子育て施策をおっしゃった中で、選挙期間中に、小中学校の給食費や医療費の無償化に、県全体で取り組み進めるというお話がありましたが、いつ頃から実現したいと考えられているのか。

知事:まず、現在、県全体の30市町村の現状をよく調べさせていただく。多分、区々バラバラなものですから、その状況をよく勉強しながら、ステップバイステップで進んでいきたいと思っています。

紀伊民報:これについては、実現するという方向性でよろしいですか。

知事:実現の度合い、どこにターゲットを置くかということも含めて、まず、現状をよく認識してから、ステップバイステップで進めていきたいと思っています。

読売新聞:選挙期間中、全県を回られたというお話がありましたが、今日、就任式を終えられて、今、一番県の課題と感じている部分はどういうところですか。

知事:さっき申し上げましたように、日本全体と同じで、少子高齢化の問題、いわゆる産業競争力の低下、教育水準の問題などがあります。日本全体が抱えている課題と同じものが、より重たい形でのしかかっているということですから、それを一つ一つ、現状把握しながら、少しでも改善していくということだろうと思っています。

読売:一次産業のお話が先ほども出ましたが、考えている支援や、県庁でこういった部署を作るとか、今、何か考えていることは、ありますか。

知事:県庁の組織の中身を私は知らないので、まず、県庁の中の組織がどうなっているのか、この50年間どういう経緯をたどって今のような体制になっているのか。それから、農業、林業、水産業に対する支援も変わってきていると思うので、その変わってきた変化が正しかったのか、そうでなかったのか、これは検証しなければいけないと思っています。そういうことをしながら、職員の皆さんの知恵を借りながら、具体的な案を作っていきたいと思っています。

テレビ和歌山:通常だと、来月に知事査定で、予算も含めて仕上げていく時期だと思いますが、なかなか時間がないと思います。前任の仁坂前知事が、一応、令和5年度の新政策として、これまでされてきたようなことの骨格だと思いますが、割と作っていかれて発表もされています。それとの兼ね合いで、時間がない中で、もう一回、改めて職員さんから積み上げてこいというような指示をされるのか、その辺について、どうお考えでしょうか。

知事:予算については、私は、国の予算は、専門家だったのである程度の勘所は分かっているつもりですが、県予算は初めてで、全くやったことがありません。従って、私の場合は全く白紙の状態ですから、今、どのようなところまで作業が進んでいるのかも含めて、おそらく今週からレクチャーが始まると思いますので、それを聞きながら進めていきたいと思っています。
 ただ、私たち予算のプロからすると、予算策定の直前に、知事査定をして、大きな変更をするようなことは、あんまり聞かない。大きな変更をするのだったら、予算査定の前に、大方針を決めてからやるというようなやり方が、国のやり方です。今回は、時間がないので、来年以降は、進め方も含めて変えていきたいと思います。
 我々予算のプロからしますと、絶対守らないといけないルールがある。何かと言うと、私は主計局で叩き込まれましたが、予算に飛躍なしという格言があります。これはすごく大事です。急に予算をバッと増やしても、消化できません。急に予算をバッと減らしたら、その予算で事業していた方々が困る。増やすことを大方針で決めたら、徐々に増やしていく。減らすことを大方針で決めたら、徐々に減らしていく。これは人事もそうだろうと思いますが、予算については、特にそういうことです。その辺は、あんまり偉そうなことを言って私はプロだという気はありませんが、一つお任せをいただいてやっていきたいと思っております。

読売テレビ:これまでの衆院議員の経験を、知事としてどのように活かしていこうというふうにお考えですか。

知事:やってみないと分かりません。国会議員は13年やってきましたが、知事をやるのは初めてで、その経験がどうやって活かせるのか、乞うご期待ということで、見守っていただければと思います。

読売テレビ:仁坂前知事とお話する機会が先ほどあったと思いますが、そこでどのようなお話をされたのですか。

知事:それは2人の秘密です。

読売テレビ:仁坂前知事の路線や政策がいろいろあると思いますが、それをどのように具体的に変えていくのか、或いは、どの点を変えないでいこうというふうにお考えなのか、お聞かせ願いたい。

知事:やっぱり、行政は継続性がすごく大事で、私の知る限りでも、仮谷知事の県政があって、西口知事の県政があって、短い時間ですが木村知事の県政があって、そして16年間の仁坂知事の県政がある。それぞれに継続性があって、特に、仁坂知事のご功績は大変大きいものがあったと思います。
 従いまして、これまで続いてきた和歌山県政の流れを継承した上で、どういうところに問題点があるのか、これから私が中に入って勉強するので、変えるところがあれば変えていくし、継いでいくところあれば継承していくということだろうと思っています。

読売テレビ:仁坂前知事の功績は大きいという話ですが、岸本知事から見られる仁坂前知事の功績は、どのようなものがあるのか。

知事:これは、要約すれば、仁坂前知事が6月議会でおっしゃられたようなことだろうと思いますが、やっぱり、企業誘致をされたこと、南紀白浜空港の民営化の決断をされたこと、或いは串本にロケットの射場を持ってこられたことなどなど、本当に、和歌山県の発展のために尽力をされたと思っています。

毎日:この4年間で成し遂げたいことで、大きく考えていることはありますか。

知事:先ほど申し上げましたように、県民の笑顔を一つでも多く作っていくということに集約されると思います。

毎日:県庁の見る目が厳しいというご発言もありましたが、今の県庁或いは県職員の課題、或いは足りていない部分は、どういうところだと思われますか。

知事:笑顔だと思います。

毎日:特に国政を見ていると、政治家の言葉が軽いというような場面が目立つこともありますが、一人の政治家として、岸本さんは、これから県民にどういう姿勢で語りかけていきたいか、どういうふうに対応していきたいかありますか。

知事:いろんな意味で、今日の記者会見も報道されるという意味では、県民の皆さんに対して語りかけているつもりです。こういう広報の場も大切にしていきたいので、皆さんともいろいろな懇談の機会も増やしたいと思いますし、やっぱり何といっても、報道の皆さんを通じて、一番効率よく、幅広く県民の皆様に声が伝わるだろうと思います。
 一方で、私の場合は、実は、街頭演説と言っても喋ることはなく聞く方が専門ですから、さっきも言いましたように、街頭演説ができませんので、ともかく、機会を作っては、地方に行って、地域に行って、県民の皆さんの声を聞かせていただく。そういうことを、ともかく力一杯やっていきたいと思っています。

毎日:政党との付き合い方についてお聞きします。選挙に当選した時の映像を見た有権者を取材すると、万歳している周りにいるのが、やはり自民党の方が非常に多い。どういった政党と仲良くするかは、もちろん岸本さんのご自由だと思いますが、今後、基本的な政党との付き合い方やスタンス、どのように付き合っていくのか。

知事:まず、最初に、一般の方が映像を見られるご感想はその通りですが、ここにいらっしゃる皆様全員ご存知のとおりで、統一地方選挙が4月にあります。従いまして、統一地方選挙の候補者になり得る方は、あの場に上がれない。テレビは撮れない。皆さんがよくご存知のとおりです。ですから、万歳の場に、各政党で、県会議員の方や市会議員の方は登れない。そのように私たちは考えてやりました。それで、野党の国会議員は、和歌山県にいないので、映像としてそういうふうに映ったということです。そんなことをわざわざ私から申し上げることはありませんが、県民の皆さんに聞かれた場合は、そのように私はお答えしています。
 一方で、私は、自由民主党、立憲民主党、国民民主党、社会民主党から推薦をいただいて、今回当選をいたしました。この政党の皆さんとは、私は、大変良好な関係を持っているということです。政治ですから、推薦をいただいた政党とは、政策協定を結んでいますし、これから県政を推進するためには、一緒に協力し合いながらやっていきたいと思っています。

紀伊民報:仁坂前知事からの引き継ぎで、先ほど秘密ですとおっしゃいましたが、特に、これは実現して欲しいことや要望など、教えていただける範囲で教えていただきたいのですが。

知事:いや、特にございません。私から申し上げることはございません。

紀伊民報:要望があったかどうかについても答えられない。

知事:それも含めて、引き継ぎというのはとても大事なものなので、中身については申し上げることはできません。

紀伊民報:県民への発信という意味で、知事の会見は重要になってくると思います。定例会見の頻度ですが、仁坂前知事の時は大体週一回されていましたが、岸本知事はどうされるお考えですか。

知事:記者クラブの皆さんとご相談しながら、もし、いろんなご要望があるのであれば、知事室長或いは広報課長に言ってください。ただ、現在は、先ほど言いましたように、ならし運転中なので、従来のやり方でさせていただいたらいいかと思っています。ご要望があれば、広報課長に言ってください。

共同通信:最大のミッションは県民の笑顔を増やすことだとおっしゃっていますが、これまで、岸本さんは県民の方の声をたくさん聞いてきたと思います。具体的に、その笑顔を増やすために今何が必要か、何をしていくことが大事だと思っていますか。

知事:やっぱり、本当に真剣に皆さんの声を聞いて、何がお困りなのか、何が欠けているのか吸い上げることを、本当に真剣に私たちがやっていくということに尽きると思います。全部を実現することは難しいかもしれないが、本当に困っている話を聞き、いろいろな課題を聞いて、一歩でも二歩でもそれを解決するようにしていくという地道な努力を、毎日コツコツやっていく以外ないと思います。そんな、時代劇の大立ち回りみたいな派手なことはできないのですが、小さなことからコツコツとやっていく。そのためには、ニーズや困っていることを、現場にできるだけみんなで出ていって、現場のお話を聞かせていただくことに尽きると思います。

朝日:副知事人事について、今のところの考えはいかがですか。

知事:人事については、特に申し上げることは何もございません。

朝日:公舎には住まれるのでしょうか。

知事:はい。今、内装を少し変えていただいているので、工事が終わりましたら、移動したいと思っています。

読売テレビ:政党との関係でお話いただいたと思いますが、公明党や共産党とは、どのようにお付き合いしていこうと、現在のところ考えていますか。

知事:少なくとも公明党からは推薦はいただいておりませんし、共産党は選挙を戦ったわけですが、それはそれということで、県民の笑顔を作るという意味では、公明党の皆さんも共産党の皆さんも多分同じご意見を持ってくださるでしょうから、そこは、是々非々のお付き合いをしていきたいと思っています。

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