知事記者会見 2025年11月5日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
2025年11月5日 記者会見室
「和歌山県第二種特定鳥獣(ツキノワグマ)管理計画」を策定しました。
話題事項が3つです。まず、和歌山県第二種特定鳥獣、今回の場合はツキノワグマですが、その管理計画を作成いたしました。昨年度、環境省及び紀伊半島の3県(三重県、奈良県、和歌山県)が連携して生息数調査を実施したところ、推定生息数は467頭となり、環境省が示す管理可能な400頭を超えたため、個体数管理の計画を定めた第二種特定鳥獣管理計画を策定いたしました。これは、ツキノワグマです。保護政策から今度は管理政策へと転換いたします。今までは、人的被害や人につきまとう等問題行動を起こした個体に対して有害捕獲を実施しておりました。今回はそれに加えて、人の生活圏やクマの生息域などゾーニングの考えを取り入れ、人の生活圏に出没した個体に対し有害捕獲を実施します。また、クマの目撃事例が例年より多く秋に大量出没が見込まれる年には、人の生活圏への出没防止を目的に、緩衝地帯で捕獲を行い個体数を減少させます。和歌山に生息するクマは、紀伊半島3県にわたって生息しております。三重県、奈良県とも連携しながら対策を実施してまいりたいと考えております。県民の安全・安心の確保を最優先として、ツキノワグマ対策を実施してまいります。
国民参加の森林(もり)づくりシンポジウムの開催について~第49回全国育樹祭1年前キックオフイベント~
続きまして、国民参加の森林(もり)づくりシンポジウムの開催について、第49回全国育樹祭1年前キックオフイベントです。第49回全国育樹祭の1年前キックオフイベントとして、国民参加の森林づくりシンポジウムを11月29日土曜日に、県民文化会館にて開催いたします。シンポジウムのテーマは、本県が全国に先駆けて実施してきた森林教育です。当日は、教育評論家の尾木直樹さんに講演いただき、県内外の教育関係者や森林教育を実施されている方々が、これからの森林教育の在り方について意見交換をいたします。事前申込みの締切は、明後日7日金曜日までとなっておりますので、ぜひご参加いただきたいと思います。
「ワカヤマソウリュウ(和歌山滄竜)」デザインの宝くじが発売されます!(第2821回近畿宝くじ)
資料3(PDF形式 235キロバイト)
3つ目です。「ワカヤマソウリュウ」デザインの近畿宝くじが発売されます。第2821回近畿宝くじです。この度、平成18年に有田川町で化石が発見された「ワカヤマソウリュウ」、それを図柄にした宝くじが11月12日から12月9日まで発売されます。近畿府県の各売り場及び宝くじ公式サイトにてご購入いただけます。和歌山県内で発売された宝くじの売上の約4割は、県の歳入となります。道路や河川の維持・修繕等の公共事業や文化振興など県民の身近な暮らしに役立っております。宝くじの購入は、ぜひ県内でお願いしたいと思います。現在、海南市にある県立自然博物館においては、「ワカヤマソウリュウ」の実物化石が展示されています。ご関心のある方は、ぜひ県立自然博物館の方にもお立ち寄りいただきたいと思います。
質問と回答
読売:発表項目外なのですが、「世界津波の日」制定から10年を迎えます。知事としての受け止めと、防災・減災について今後どのように進めていくのか改めてお願いします。
知事:安政の南海地震で広村の村民を津波から守ったと言われている「稲むらの火」の故事にちなんで、津波対策についての理解・関心が深まることを目的として、11月5日今日ですが「世界津波の日」に定められました。ちょうど今年で10年目になります。和歌山県では、これまで津波の犠牲者を1人でも減らす対策をハード・ソフト面から進めてまいりましたが、地域住民の方の迅速な避難がやはり一番大事かなと思っております。本日も県内各地で津波の避難訓練(等)が行われていると思いますが、県民の皆様には地域で催される訓練に参加していただいて、また、地震や津波から命を守る取組について考えていただいたりしながら、日頃から災害への備えを今一度点検する機会にしていただけたらなと思います。県としても今までどおり、今まで以上にこれからも防災に関して一生懸命取り組んでまいります。
日刊工業:「ツキノワグマの管理計画策定しました」の項目でお聞きしたいのですが、まず、今回管理計画策定されたということで、現状400頭を超える結果という、ここら辺の現状の受け止めと、あと和歌山県として今後具体的にどういったアクションをしていくのかという2点お願いします。
知事:平成10年(度)のクマの、ここ(資料)にも書いているのですが、(平成10年度クマ類の生息実態等)緊急調査報告書によると180頭であったと、一応400頭までであれば保護する目的で、管理ではなくて保護ということになるのですが、(令和6年度の推定生息数が)467頭ということで、それを超えたし、そして、今年現在でも結構な目撃情報というのが発生しています。とにかくクマにつきましては、今、秋田県等でいろいろな被害情報というのが出ておりますので、和歌山県としてもクマに対する被害を食い止めるためにも、クマが生息しているところに立ち入らないように、または、もし立ち入る場合でも複数人で行くということ、それからクマ鈴とかラジオを流しながら歩くとか、そういったことでクマに出会わないようにするということも大事なことかなと思っています。そういったことを呼びかけながら、クマに対してはやっていきたい。ただ、今、秋田県等で起こっている日常にクマが街中に出てくるというような状態には、(和歌山県は)今のところなっていないということなので、あのようなたくさん出ているところというのは、4,000頭以上が生息しているという地域でもありますので、油断をしているわけではないのですが、確かに今のこの「和歌山県第二種特定鳥獣管理計画」というのを策定したので、ぜひともこれからの目撃情報も含めて、しっかりと管理していきたいと思っています。
NHK:大きく2点伺いたいのですが、和歌山県、ゾーニングといっても観光地がクマのことだったり山の中にあったりすることもあると思います。インバウンドの方とかもいらっしゃると思うのですが、そういった登山客だったりとか観光客への注意喚起などで、具体的にクマ対策で考えられていることがあれば教えてください。
知事:やはり先ほども申したように、とにかく山の中へ入っていく場合には、入っていくなとは言えませんが、入っていく場合には複数人で行動するとか、クマ鈴とかラジオを鳴らすとか、とにかくクマと出会い頭にならないようにということが一番大事だと思っていますので、まずはそこの注意をしていただきたい。それから、(クマと)会ってしまったら、慌てることなく、慌てて逃げてしまうと追いかけられるということもありますので、クマの習性からするとクマをじっと見ながら背中を見せずにゆっくりと離れていくという、こういうのがマニュアルになっていますので、そういった行動をとっていただきたいと思います。いたずらにと言ったらおかしいのですが、そんな観光地にクマが出没した話もあまりないので、そこまで大騒ぎを和歌山県ではしていかない方がいいのかなと思っています。ただ、世間一般的に大変被害を受けている状況がありますので、皆さん方はそういったことを認識していただいて、和歌山県もクマの第二種特定鳥獣管理計画を策定したということもわかっていただけるような広報はしていかないといけないと思います。
NHK:これは全国的な話題かと思うのですが、外国人とかへの注意喚起で何か考えられていることありますか。外国人観光客とかへの注意喚起とか考えていることありますか。
知事:注意喚起は特にしていかないのではないかなと思うのですが、ちょっと待ってくださいね。
自然環境課長:外国人への注意喚起については、また観光地を持っている市町村さんと協議しながら、どういう方法がいいのかというのを検討していきたいと考えております。
NHK:あともう1点、先ほど読売さんの方から出た「世界津波の日」の関係のことなのですが、南トラ(南海トラフ地震)の新(被害)想定が去年(度の令和7年3月)見直されて、来年度の末(令和7年度中を予定)ですかね、(和歌山県の)被害想定の見直しというところがされると思うのですが、そちらの進捗状況と、それから南トラの発生確率が9月の末(9月26日)に2つのパターンが提示されるなど、少し混乱があったかなと思うのですが、それが何か被害想定の策定とか進捗に影響を与えているのかどうかというところをお聞かせください。
知事:計算方法がいわゆる変わったというか、表示方法が変わったというか、そういうことでありまして、実際に和歌山県に南海トラフで発生する地震の確率が変わったわけではないので、もちろん変わっていませんということも広報しながら、皆さんと変わらずに続けて対策を行っていくというのは、スタンスは変わっていない。
NHK:新被害想定は、計画どおり出てくるという感じですかね。
知事:はい。
知事:先ほど県の取組ということでクマの関係(について)おっしゃっていただいたのですが、(10月28日に)三重(県)で独自に緊急銃猟の机上訓練とかやったりしていますので、それに(和歌山県が)参加してまいりましたとか、11月11日には、これはまだなのですが、鳥取県でまた独自に(訓練を)実施される計画がありますので、それにも参加していきたいということで考えております。
産経:知事、昨日(11月4日)出席されましたが、紀勢線の方で(特急くろしおの増便)実証実験始まったと。紀勢線の方が30何億円(31.2億円)の赤字で、しかも、(輸送)密度が想定の2,000人の半分以下(960人)でしかないというような状況の中、実証実験でJRの方が繰り返しているのが在り方を考えていきたいと、この実験の結果によっては、だからもう廃線、それからバスへの転換、その他のことというのを地域で協議していかざるを得なくなると思うのですが、そのような中で今回の実験とかで、県としてはどのような支援、支援と言ったらおかしいですね、利用促進を図っていくのか。インバウンド頼みでやっても、結局それが駄目だった場合は、可能性としては上下分離(列車の運行を担う主体と、鉄道インフラの維持管理を担う主体を別の者とする仕組み)、バスへの転換、そのようなことが起こってくると思うのですが、そのようなことも想定して、何らかの手を打っていくというお考えをお持ちでしょうか。
知事:当然、例えば今おっしゃっているのは、たぶん白浜-新宮間だということだと思いますが、なぜ白浜-新宮間なんだという議論から始まって、とにかくあらゆる手は尽くしてまいりたいと思っています。どんな地域が、例えば新宮-白浜間が廃線になるとかそういうふうな状況にならないようにやっていきたいと思っているので、あらゆる手を尽くして頑張っていきたいと思います。
産経:何か、あらゆる手の中に具体的な方策はございますか。
知事:場合場合によって手の打ち方も変わってくると思うので、どんなことでもやります。廃線なんかには絶対させないつもりです。
産経:同時に紀勢線というのは非常に風光明媚なところを通っていまして、海が真横にあって、南海トラフ(地震の発生)時の避難とかそういうような大変なことが発生するというのもあるのですが、その辺についても何か具体的な話し合いとかされているのでしょうか。
知事:それはもう当然、起こったときにどうなるかということのシミュレーションができているのですが、その上での話し合いというのは、どういう意味の話し合いですか。
産経:例えば、海から近い、津波が来ているというときに、それが数分で来るというのが南紀の実情ですので、果たして乗客の安全確保をどういうふうにしていくのか、また行政としては線路脇にきちんとした避難路を作るとか、かなりこれはお金もかかるし、かと言っておざなりにはできない問題があると思うのですが、その辺のことは何か具体的に進んでいることはあるのでしょうか。
知事:もちろん電車に乗っているときに緊急に地震が起こったという想定で避難訓練も何度か実施もしておりますし、それ以上のことをどんどんしていかないといけないというのは確かにそうかもしれないので、これからも、今、津波対策・地震対策は常に進化しておりますので、そういったことも含めて対策はしていかないといけないと思っています。風光明媚であるがゆえに、非常に危険な津波のときには非常に被害を受けるというのはもう当然想定されておりますので、昔は凄く良い景観で良い(鉄道路)線だよねというふうに、今でももちろんそうなのですが、津波には非常に脆弱な状態にあるのかなと思っているのですが、付け替えという話まではいかないですから、今の状態でいかに安全に走行できるかというのは常に考えております。
産経:その辺のことは協議会とかを通じて話をしているという認識でよろしいですか。
知事:そうです。
共同通信:また発表項目外なのですが、高市政権になって与野党の協議も進んで、ガソリン税の暫定税率の年内12月31日をもっての廃止が決まりました。さらに地方財政にも影響がある地方税の軽油引取税も来年の4月1日に廃止することも合意がされています。和歌山県もかなり財政状況としては、なかなか苦しい部分もあると思うのですが、一方で物価高が進んでいて和歌山県(では)車使う人も多いですし、輸送コストとかも上がっている中で効果あると思うのですが、単純にこのことに対しての受け止めと、一方で財源というのも大事な部分だと思うのですが、その辺についてどのように対応していきたいかというのを教えてください。
知事:減税の話になりますので反対ということはもちろん言えない話だと思いますし、和歌山県として一番申し上げたいのは、やはり国の代替財源というのが今議論を進められているということは聞いているのですが、地方の減収に対して代替となる恒久財源というのが絶対に必要となりますので、その措置について責任ある対応を求めていきたいと思っております。ガソリン税に関しましても大きな額、軽油引取税にいたってはもっと大きくなりますので、それが無くなってしまうというのは、とてもとても耐えられませんので、それは各県そうだと思いますが、和歌山県としても代替財源の確保をしっかりと求めてまいります。それはもう、やっていきます。
共同通信:もしもわかればでいいのですが、だいたい和歌山県としてどれぐらいの減収になるという試算などありますか。
知事:試算してみますと、ガソリンの暫定税率に関しては(約)4億円、それから軽油引取税に関しては(約)32億円ぐらいになるという、試算の中ではそういう見込みです。
共同通信:それが全部無くなるというのは当然耐えられるような状況ではないので、恒久的財源をぜひ求められるように、知事としても知事会などを通じて何かしら働きかけていきたいというお考えでしょうか。
知事:もちろん知事会でも働きかけますし、知事としても働きかけていくのですが、もちろん議論もなされているということは承知していますので、そういったことにも議論に入っていくわけにいかないのですが、きちんと議論してくださいということは丁寧に対応していきたいと思います。
財政課長:先ほど数字の話が出ましたが、知事が申し上げたとおりではあるのですが、ガソリンの地方揮発油譲与税に関しては、県の方で約3億円、市町村で約1億円、合計で和歌山県全体で(約)4億円ということです。軽油引取税の方は県のみでございまして、こちらが(約)32億円の減収となる見込みです。いずれも令和7年度当初予算ベースということでございまして、その点も含めて補足させていただければと思います。
知事:「津波から逃げろ!」というイベント(「世界津波の日」制定10周年記念シンポジウム)が県民文化会館小ホールで11月21日に行いますということで、申し込みの締切が10月31日までとなっていたのですが、11月19日まで延ばしておりますので、ぜひご参加の方をよろしくお願いしたいと思います。


