知事記者会見 令和6年10月8日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和6年10月8日 知事記者会見
令和6年10月8日 記者会見室
能登半島地震を踏まえた防災・減災対策の検証結果(中間報告)について
資料1(PDF形式 1,321キロバイト)
それでは、定例会見を行います。発表事項が4つあります。まず一つ目ですが、能登半島地震を踏まえた防災・減災対策の検証結果の中間報告について、お手元に資料をお配りしています。最終的には来年、年が明けてから最終報告を発表したいと思っていますが、当面の中間報告という形でまとめさせていただいています。内容的には、これまで申し上げたことにも重なりますが、県の(防災)対策について、能登半島地震の経験を踏まえて、再度見直しをさせていただいたということです。この中間報告、それから最終的な報告から県の地域防災計画の見直しについても検討してまいりたいと考えています。ここ(1ページ)に書いているとおり、検証は5つの柱から成り立っています。それから(2ページの)スケジュールは先ほど申し上げましたが、中間報告を関係の皆さんと整理しながら、県議会にも報告させていただいて、来年2月を目途に、最終公表に持っていきたいと考えています。詳細は、後ほど、担当課長からレクチャーをさせていただくと聞いていますので、私からは個別のお話は省略をしたいと思います。ただ、3ページにあるように、今回、南海トラフ地震臨時情報が出たということもあり、観光客に対する対応をどうするのか、それから4ページの避難所環境改善は、今回、県、それから市町にもご協力いただいたトイレカーの整備促進とか、キッチンコンテナによる温かく栄養に配慮された食事の提供などの取り組みをうたっています。5ページで、「災害対応体制の強化」で、本県の状況の②のところで、全国から応援職員に来ていただくことになると思いますが、受援体制についてしっかりと取り組んでいく必要があるということが、今回、特に分かってきた、能登半島地震の教訓の一つであると思っています。それから(6ページの)「発災初期における輸送体制」ですが、受援体制の中で、今担当部局で検討していて、民間の方々とどれだけ連携できるかということもテーマになってまいります。一つはCivic Forceさん、民間のNPO、或いは民間のNGO、そういうところと協定ができないか、担当者がそれぞれの関係団体とお話を進めてくれています。また、和遊協(和歌山県遊技業協同組合)というパチンコ、スロットの組合があります。パチンコ店は広い駐車場があり、それから景品が充実していまして、食料品もたくさんあります。それから景品の中に、例えば防災グッズをたくさん取り入れていただければ、店内に防災グッズが備蓄されている状況になります。そういう意味でパチンコ店というのは本当に防災拠点になり得ますし、これまでも県は協定を結んでいましたので、それをよりCivic Forceさんと連携を深める中で、県も含めて、どういう協定の見直しができるのかということも今検討しています。市町村との連携、それから民間のいろいろな団体、或いは企業との連携ということも、今後の中間報告(のブラッシュアップ)の中で考えていければと思っております。最終報告に向けてブラッシュアップしていきたいと考えています。
なお、防災減災対策につきまして、やはり必要な予算の確保が大事ですので、国土強靱化に係る国への要望活動を私自身がこの秋に行ってまいりたいと思っています。主として国土強靱化の計画の見直しとか、予算の確保というのがこれから年末にかけて目玉になってまいりますので、私が国に出向いて、予算の確保について要望することにしています。これが一つ目です。
知事のアメリカ・ブラジル・アルゼンチン訪問
資料2(PDF形式 220キロバイト)
アメリカ・ブラジル・アルゼンチンの訪問についてです。アメリカについては、フロリダ州と姉妹提携を結んでいて、来年が(姉妹提携の)30周年記念の年になります。それを控えてプレイベントがございますので、そこに出席して、そこからブラジル、アルゼンチンに伺います。昨年、和歌山県人会世界大会がありましたが、ブラジル、アルゼンチンで、それぞれ和歌山県人会の周年事業がございますので、県議会の代表団の皆さんと一緒に周年事業へ参加します。
第49回全国育樹祭キャラバンカー発進!~全国育樹祭への協賛第一号~
資料3(PDF形式 190キロバイト)
第49回全国育樹祭のキャラバンカーが発進をします。キャラバンカーは、ご寄付をいただいた車で、機運醸成のためにキャラバンをスタートさせるということです。
笠野興産株式会社が和歌山市に工場を増設します
資料4(PDF形式 297キロバイト)
笠野興産株式会社が、和歌山市に工場を増設していただくので、10月23日、場所は和歌山市役所で立地協定調印式を行いたいと思います。
以上が、発表事項です。
エンジン01(ゼロワン) in 和歌山有田を開催します
資料5(PDF形式 4,662キロバイト)
話題事項として、エンジン01 in和歌山有田を開催します。資料にありますが、11月22日から24日の3日間、有田市で開催します。エンジン01文化戦略会議という文化人のボランティア団体で、会員が100人規模です。名簿を見ていただければ分かりますが、著名な文化人の方々が年1回、全国を回りまして、シンポジウムとか、フェスティバルは今回初めて開催しますが、(多彩な講座やイベント)をやっていただくということです。今回は大会委員長がパティシエの鎧塚さんという有名な方ですが、望月前有田市長と有田みかんの関係で長い間提携をされていて、そのご縁もあって、実現がしたということです。実行委員の皆さんの顔ぶれを見ていただいても分かりますように、秋元康さん、林真理子さんとか著名な方々がおられます。これは本当にすごいチャンスで、(資料の)後ろに時間割(プログラム)が書いていますが、2日目に全部で40ぐらいの講義があり、それぞれ著名な方々が参加するシンポジウムで、めったにない機会です。ぜひ、県民の皆様にもご参加をお願いしたいと思っています。講座を聞くのは、一コマ800円で、インターネットで申し込みができるようになっています。初日のシンポジウムは、二つありまして、秋元康さん、夏野剛さん、鎧塚俊彦さんが中心の「エンターテインメントの未来」、それから田原総一朗さん、三浦瑠麗さんらが来られて、脱炭素社会のテーマ(のシンポジウム)で議論をしていきます。また、プロのマラソンランナーでした有森裕子さんと一緒に走るイベントも予定されています。最終日のシンポジウムも脳科学者の茂木健一郎さん、歴史学者の磯田道史さん、建築家の隈研吾さん、林真理子さんのシンポジウムなどがあります。ぜひ、ご参加をいただきたいです。県として広報も進めてまいりますので、ご協力をいただければと思います。
文化学術課長:エンジン01の関係です。先ほど知事から講座数40程度ということでお話いただいたのですが、資料の1ページ目、11月23日(土曜日)、一般講座73講座、ハローワーク(中高生向け職業講座)31講座と記載しています。併せて100余りの講座が予定されています。
3日間通してかなりたくさんの講座があるということですので、ご参加よろしくお願いいたします。
以上です。
質問と回答
朝日:発表項目外ですが、全国の信用保証協会のトップに副知事、教育長ら地元自治体の幹部が就いていらっしゃるということ(新聞報道)で、国は一概に否定されるものではないというような話ですが、いわゆる天下りではないかと疑念を持たれることにも繋がると思います。和歌山県では同様の事態になっていますが、知事の受け止め、お考えをお聞かせいただければと思います。
知事:報道(記事)を読みました。これは国でもそうですが、官僚をやっていた方がお辞めになり、どういう職業に就くのかということについては、昭和の時代は組織的な天下り、いわゆる鍵括弧付きの天下りというのがあって、それが必ずしも適切でない場合もあったということで、見直しがずいぶん進んできていると思います。国もそうですし、県もそうなっていると思います。
和歌山県信用保証協会の理事につきましても、2014年から透明性を保つために、協会で第三者委員会を作って、そこで審査をする。対象の方は経済団体の皆さんをはじめ、協会から推薦をお願いして、その方を審査するという形で、協会からご要請があった方を知事が任命するという形になっています。そういう意味では手続き的には、改善をされているというふうに考えています。さらに私も過去に和歌山県でどういう方がなっていらっしゃるのか、数名の方を調べましたところ、ほとんどがいわゆる商工労働関係の経験の長い方ばかりでありました。そういうことで考えますと、やはり商工関係に長く、和歌山県内の企業の事情に大変詳しく専門性のある方を第三者委員会でお選びをいただいて、任命してきたのではないかと考えています。昔のことは私も全く存じ上げませんが、2014年以降は、そういう意味では透明性のあるプロセスで商工労働関係に詳しい適任者が選ばれているというふうに理解をしています。
産経:アメリカ、ブラジル、アルゼンチンに訪問されるということですが、これまで知事が就任されてから(海外への訪問は)6カ国に7回行かれているということで、県人会の式典参加が悪いというわけではないですが、訪問以外に、何か友好関係、現地と県民との交流とか、そういうのを進めたり、何かの流通を進めたりするような形を残す考え、例えば、今回の訪問で農業関係の交流とか、そういうようなものの構築の下準備とかをされる予定はございますか。
知事:これまでの海外出張ではビジネスマッチング、青少年交流、或いはその国の政府と協定を結んだり、強化したり、或いは姉妹提携を結んでいる州との連携強化を幅広く、例えば、県産品の輸出も含めたいろんなことをしてまいりました。今回、フロリダ州は来年(姉妹県州提携)30周年の準備をフロリダ州政府といろいろ打ち合わせをするということがメインになっています。
ブラジル、アルゼンチンにつきましても、イベントはイベントとして、県人会の皆さんともいろいろな意見交換をする場所を設けています。なお、これまで青少年交流の一環としてアジア・オセアニアの高校生をお招きして、年に1回、国際課(県)主催でイベントをしていたのですが、さらに、これからは海外の県人会の皆さんを大事にして(いきたいと思っています)。県人会の方々はそれぞれの国の経済のリーダーになっている方が多いものですから、そういう県人会の二世、三世、四世になる若い方々をお招きして交流を深め、そういう方々に場合によっては和歌山で働いていただくとか、そういうこともしていきたいと思っています。今回はそういう下準備で、県人会の二世、三世を含めた経済界で活躍する方々、或いは若い方々を和歌山にお招きする準備をしてきたいと思っています。もう少し日程があれば、できるだけいろんなビジネス関係の交流もしたかったのですが、日程の都合があり、今回は弾丸出張ということであります。今後、まずは県人会の若い人たちとの交流を進めながら、ビジネスマッチング等も農業のみならずやっていきたいと思っています。
NHK:一点目の発表項目の中間報告ですが、これまでの会見等でもご指摘あったように、和歌山県の能登半島との類似性という部分をご指摘いただいていたと思います。改めて、それぞれの能登の課題と県内の状況を取りまとめた中で、能登で見えてきた課題と和歌山県で今抱えている課題で近いようなところがあったのか、知事としての受け止めを教えてください。
知事:半島という特殊性は全く同じです。助けに行くには、半島の付け根から行かないといけない。しかし道路が寸断され、孤立集落が非常に多くなっているということです。紀伊半島も同じで、北から、或いは三重県の方から、或いは奈良県の方から、南の方に行かないといけないときに、道路が寸断されている可能性が非常に高いということで、空路、或いは海路の重要性は全く同じだと思っています。そういう意味でドローンの活用、或いは、ヘリコプターの活用、少し先であれば、空飛ぶクルマも防災という観点で相当使い勝手がいいのではないかと思っています。(空飛ぶクルマについて)連携協定を結んでいる株式会社長大と話をしていても、商用運航で観光はもちろんあるのですが、実は防災が一番先に来るのではないかという話もしています。これも能登半島地震での教訓で、孤立集落をどうするか、道路が寸断されたときにどうするのかということを中間報告に書いていますので、能登半島地震での教訓を活かしていきたいと思っています。
NHK:もう一点、防災対策で和歌山県は毎年、ブラッシュアップを続けてこられていると思いますが、今回、このような形で大規模にまとめられたのは、これまでの対応を抜本的に変えるようなものなのか、さらにブラッシュアップしていくものなのか、これからの取り組みをまとめられた報告書の位置づけみたいなところを教えていただければと思います。
知事:抜本的に変える必要はないと思っています。基礎はしっかりしています。今回、分かったことは、能登半島地震で自分たちが応援に行ったときに、受入体制がなかった。自分たちはどうだとみたら、「ないよね」ということが分かったので、そこはブラッシュアップしていくということです。また「民間との協働が必要だよね」ということが分かりましたので、基本的なベースに加えていくということです。基本は変える必要はないと思っています。
もう一つは、新型コロナのときに訓練ができていません。県だけではなく、医師会さんとか、福祉関係の皆さんも新型コロナの前は相当訓練されていましたが、3年、4年(訓練の期間が)空いていると、そのときの知識も、人も変わっています。それは県も同じですので、きちんと訓練についてもしっかりと行っていく、そのスタートにしたいと思っています。