知事記者会見 令和6年5月14日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和6年5月14日 知事記者会見
令和6年5月14日 記者会見室
知事のロサンゼルス訪問
資料1(PDF形式 621キロバイト)
それでは、発表事項が4項目です。一つは、来週からロサンゼルスに出張させていただくことになりました。目的は三つありまして、一つは答礼と申し上げますか、昨年、2回目の県人会世界大会を行いましたので、南カリフォルニアの和歌山県人会の皆さんを訪問させていただくのが一つ。それから、和歌山フェアを行っていますので和歌山フェアinカリフォルニアの視察。三つ目が一番大きいです。昨年のトランスボーダー展は、和歌山の移民の歴史と芸術作品の展覧会をロサンゼルスに拠点がある全米日系人博物館と連携して、和歌山県立近代美術館で開催しました。元々、全米日系人博物館は、多様性、それから公平、包摂とか、まさに和歌山県、或いは県立近代美術館が目指している方向性と非常にフィットする組織で、昨年も展覧会の際に責任者のアン・バロウズ館長さんと意見交換し、県立近代美術館館長とアン・バロウズ館長さんの間で、ぜひ(姉妹ミュージアム)提携したいということになり、私が立会人という形で調印式を行いたいと思っています。これが一つ目の発表事項です。
高等教育共創コンソーシアム和歌山×県振興局による「地域魅力創出プロジェクト」キックオフ会議を開催します
もう一つは、万博絡みです。和歌山大学を中心に、10を超える高等教育機関が高等教育共創コンソーシアム和歌山を作っています。そこと県とはいろんな連携を行っていますが、今回、「地域魅力創出プロジェクト」ということで、万博を目指して新しいプロジェクトを行うことになりました。そのキックオフ会議が5月19日に和歌山大学松下会館で行われる。中身は2枚目の資料を見ていただきますと、和歌山大学等の学生さんが41名、7つのプロジェクトに応募してくださいました。振興局ごとのそれぞれの歴史とか、郷土料理など、7つのテーマを学生さんたちが研究をする。チューター(指導員)という意味で、大学院生など13人が指導することで、それぞれ7つのテーマについて研究されて、できることであれば、来年の万博のTEAM EXPOパビリオンがあり、ここに出展をしたらどうかということで、新しい試みをしていただくことになりました。若い人たちを巻き込んでの、万博の気運醸成プロジェクトにもなりますし、高等教育共創コンソーシアム和歌山と和歌山県、特に振興局とのコラボレーション(共同作業)、協力ということですので、私自身も大変楽しみにしています。キックオフ会議に、私も参加させていただく予定です。
MRT(エムアールティ)株式会社が和歌山市にITシステム開発拠点及びコールセンターを開設
それから、進出協定が2件ございます。一つがMRT株式会社(のサテライトオフィスの開設で)、和歌山市役所で進出協定調印式をさせていただくことになっています。基本的にはIT会社でコールセンターの開設がメインです。
寺本パイル織物株式会社が橋本市に工場を増設します
それから、寺本パイル織物株式会社が橋本市に工場増設するということで、橋本市役所で協定調印式を行います。以上が、発表事項です。
秋篠宮皇嗣同妃両殿下のお成りについて
それから話題事項で、資料はお手元にあると思いますが、一つは「みどりの愛護」のつどいに、秋篠宮皇嗣同妃両殿下のお成りについての情報が書かれています。ぜひ、御取材等よろしくお願いをしたいと思っています。実際、(お成りの)御日程が決まりましたが、少し前に私自身が宮内庁と連絡を取りまして、秋篠宮皇嗣同妃両殿下に(お成り御日程)全体のレクチャーに、東京へ行って、いろいろとご説明をして参りました。その中で、秋篠宮皇嗣殿下はたいへん和歌山に何度もお見えになられ、私は知らなかったのですが、龍神村に3回行っておられます。秋篠宮殿下はいわゆる生物学の先生であられますので、「岸本知事、龍神地鶏を知っていますか。」と聞かれまして、「いや知りません」(とお答えしました)。龍神地鶏は300年前から飼育をしている純血の日本鶏で、軍鶏ぐらいの小さな鳥です。絶滅を危惧されているため、今、県の畜産試験場養鶏研究所で保存しています。一方で、商業用の鶏と掛け合わせて、「龍神コッコ」という新しい品種を作って、その卵や、或いは、その卵を使って「龍神コッコ」のプリンなどを龍神村で作って、地域おこしに役立てている。そのことを全て秋篠宮殿下がご存知でいらっしゃって、大変勉強になった次第でございます。いずれにしましても、秋篠宮皇嗣同妃両殿下をお迎えするということで、県庁としては万全の体制で臨んでいきたいと思っています。詳細につきましては、担当課にお問い合わせをいただければと思います。
新総合計画策定本部 第1回本部会議の結果について
それから、5月10日に行いました新総合計画策定本部の第1回本部会議の結果について、実際、担当課長からレクチャーをしていると思いますので、参考までに配付をさせていただいています。なお、当日の本部会議では、本部員が活発な議論をしていただきました。議論の中身を、全て報告はできませんが、例えば、福祉関係のビジョンを作るには、和歌山県の経済見通しが必要だという意見がありました。2040年に向けた和歌山県の経済がどうなるのか、それによって福祉のあり方もずいぶん変わってくる。おっしゃるとおりで、財源問題もありますので、和歌山県の経済見通しをどうするのか。和歌山県の経済見通しを作ることになれば、当然、和歌山県の財政見通しも、その経済を前提に当然作るということになります。昨年、財政危機警報を発令した時は、10年間の推計をしましたが、2040年までの財政見通しを作るのか、作らないのか、そういうような議論もあり、私自身は県庁職員が今までと違った不都合な真実に目を背けない(ことも重要だと思いますし)、本部員の意見の中でも県民の皆さんとそういう不都合な真実をきちんと共有していくことも重要ではないか、県民の皆さんにも自分事として考えていただくような計画にしていきたいという議論もありました。そこはしっかりと職員にたたき台を作っていただいて、しっかりタウンミーティングをはじめ、熟議の場で県民の皆さんにも情報を共有しながら議論いただきたいと思っています。
以上です。
質問と回答
読売:一点目の姉妹ミュージアム提携の件で、県立近代美術館と他の国のミュージアムの間で、姉妹ミュージアムを提携するのは、初めてなのかというのと、この提携をきっかけにどういうことを期待していくのかというところ、2点お願いします。
知事:和歌山県立近代美術館が他の海外の美術館と姉妹ミュージアム提携を結ぶのは、おそらく、これが初めてだろうと思っています。それから、先ほども言いましたように、県立近代美術館の学芸員の皆さん、全米日系人博物館の学芸員の皆さん、それぞれの館長さんのリーダーシップで、昨年の展覧会は本当に素晴らしい展覧会として、高く評価をいただいております。いわゆる多様性、公平性、さらには包摂といったような大きなテーマの中で、日系人の移民の皆さんの歴史、或いはカリフォルニアを中心とした芸術活動に焦点を当てた素晴らしい展覧会になりました。その後も、多様性、公平性、包摂といったような大きな枠の中でいろんな提携をしていけると思います。元々、県立近代美術館は和歌山県出身のアーティスト、芸術家の作品をずっと収集し、学芸員の皆さんもそこに焦点を当てた研究もされてきています。まさにカリフォルニアは大勢の和歌山県出身の芸術家が渡米されていますので、そういう意味でも今後いろんな成果が期待できるのではないかと考えています。
読売:もう一点、発表項目外ですが、先日、上富田町の知的障害者の支援施設の虐待事案の件で、発表の翌日(5月10日)に県も監査に入られたと思うのですが、この事案に対する知事の受け止めと、一義的には施設が取り組むべきことだと思うが、監査でどういうことを明らかにして、どういうふうに再発防止の指導されるのかというところをお願いします。
知事:社会福祉法人和歌山県福祉事業団は、県内で一番大きな社会福祉を担当していただいている団体で、いろんな経緯がありますが、現在75施設、それから働かれている方が約1380名という大変大きな組織です。私、自身も知事に就任してから、もちろん(事業団の)本部は当然ですが、いくつかの関係施設の視察に既に行かせていただています。私が視察に行かせていただいた範囲では、職員の皆さんが非常に献身的にお仕事をされている姿を目の当たりにして、大変、頭の下がる思いをした経緯があったものですから、今回の事件を聞きまして、大変、心を痛めています。このことにつきまして、悪い人が1人いて、その方の個人的な悪い行いということなのか、それについては、組織内では処分が行われたようですが、また今後、刑事的な捜査等があるのか、ないのか分かりませんが、個人の話(としての問題と)、それから、仮に個人がそういうことをするのを、なぜ防げなかったのか。或いは、組織として仮にそれが発覚した時に、なぜすぐに止められなかったのか。これはまさに組織の問題ですので、これについては監査を今やっています。そういうことについて監査の結果をお伺いしながら、県として指導していきたいと思っています。現時点、まだ監査中ですので、私の方から予断を持った発言は差し控えたいと思います。
日刊工業:万博の件でお聞きします。今日、発表されました高等教育コンソーシアムの件で、このコンソーシアムの狙いと期待をまず伺いたいというのと、それに関連するかどうか分からないが、和歌山県として出されるパビリオンに関して、今の準備状況と期待を教えていただけますか。
知事:高等教育共創コンソーシアム和歌山は、かなり前から活動していたのですが、今回、和歌山大学の本山学長さんがご就任をされて、特に本山学長さんが、この共創コンソーシアムに力を入れられたいということで、リーダーシップを発揮されています。和歌山県としても大賛成ですので、今ある高等教育の皆さんの活力を県に取り込んでいきたい。それが今回の一つのプロジェクトになったということだと思っています。今後、コンソーシアムもそうですが、和歌山大学さんと国際的な問題、或いは地域振興の問題とかで協力体制を作っていきたいとお話を進めているところです。
それから、万博全体につきましては、関西広域連合のパビリオンは順調に建物ができてきています。どこかで、関係のある知事さんと一緒に視察に行こうかと話になっていますが、その中で和歌山ゾーンの所は、吉本総合プロデューサーのもと、万博推進課長を筆頭に、万博推進課の若い皆さんが非常に一生懸命やっていただいていまして、着々と準備が進んでいます。多分、日本全体としても、これは世界的にも和歌山ゾーンに対する期待値はめちゃくちゃ低いだろうと思う。だけど、だからこそ、あっと驚くような素晴らしい展示にしていきたいということで吉本総合プロデューサー、万博推進課長、はじめ、みんな張り切っていますので、乞うご期待ということで、よろしくお願いいたします。
朝日:今の件に追加で質問ですが、今回、学生さんが参加されるということで、学生さんに向けてどういうことを期待して、パビリオンで発表をしてもらうか、お気持ちをお聞かせてください。
知事:県庁職員も新入社員は22、3歳でしょうが、中堅の方は30代、40代、私も含めて部長からはおじさんが多いわけです。振興局ごとにあげているいろんなテーマ、我々にとっても大事なテーマなので、若い感性、県庁職員では発想もできないような新しい発想で(良い発表成果を)作っていただいて、教えを乞いたいと非常に期待をしています。ミレニアム世代という方々でしょうか、突拍子もないような発想を期待したいと思っています。
NHK:虐待事案の話に戻ってしまうのですが、監査も行われている最中ということで、いつ頃までに終了できる見通しなのか分かればというところと、いち早くというところかもしれませんが、その辺りの知事の所感を教えてください。
知事:現在、まさに監査中で、きちんとした監査が必要だと思っています。特に、いつまでというふうに期限を切って、この期限までということは今の時点では申し上げられません。できるだけ関係者の皆さんのご協力を得ながら、緻密に監査をして、とにかく絶対再発を防止しないといけない。担当者の方の思いもあると思いますが、知事としては、しっかりと時間を掛けて、十二分な監査をしてもらいたいと思っています。
毎日:万博の件で、知事就任当初から現場重視、地域の振興局重視ということをおっしゃられていたかと思うのですが、地域の振興局と学生さんが連携することでの、その期待というものがあればお聞かせください。
知事:テーマを振興局ごとで作ったということで、振興局が主役だということを我々としては表に出したいし、また、そうやって振興局の近くに行っていただいて、振興局の職員と学生さん達が協力して、いろんな勉強をしたり、プロジェクトをしていく中で、できれば和歌山県の行政にも興味を持っていただいて、和歌山県庁に応募していただければ、(専門科目の)ペーパーテストがない枠もありますので、この学生さんたちの何人かが、和歌山県庁を希望していただければいいなと、振興局の魅力を知っていただければと思っています。