知事記者会見 令和5年9月11日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和5年9月11日 知事記者会見

令和5年9月11日 記者会見室

和歌山未来創造プラットフォーム・ワーキングチームの新たなテーマに「子供食堂」「不登校」を追加します!

PDF形式を開きます資料1(PDF形式 103キロバイト)
 それでは、定例会見を行います。今日は、発表事項が2件です。一つは、和歌山未来創造プラットフォームのワーキングチームに、二つのチームを追加するという件です。現在、六つやっていて、「観光、DX、地方創生、ワーケーション、国際化、文化・芸術」というところでスタートし、かなり動いてきています。今回は、子供食堂のワーキングチームと不登校のワーキングチームを作らせていただきました。
 「子供食堂」は、県としても、補正予算で予算化するなど全県200の小学校区全てに子供食堂を作るという目標に向けて、全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅誠さんにチームリーダーをしていただいて、県職員数名と一緒にスタートする。
 「不登校」の方は、小幡和輝さんという和歌山出身の方ですが、「学校は行かなくてもいい」という本を出しておられ、今、東京でベンチャー企業の社長さんをされている方です。彼は、私の友人で、10年間不登校をされていて、本人に言わせると、幼稚園、小学校、中学校と10年間不登校していたプロの不登校ですが、定時制の高校に行ってから、和歌山大学観光学部を出られ、今はベンチャー企業をされている方で、彼を中心に、教育委員会職員と一緒に不登校のチームを作りました。具体的にすでに動き出していて、令和6年度の予算措置等についても、ご提案をいただいて具体化していきたいと思っています。
 不登校は、大変切実な問題ですが、日本政府も、わざわざ学校に行く必要はないということに制度を変えました。ただ、学校に行けない場合に学びの場が無くなることが問題で、学びの場をどう提供するか。逆に言うと、まさに不登校問題は、所得の格差問題に直結するわけで、所得が高ければ、別に学校に行かなくても家庭教師を雇えばいいし、いろんな学習手段がありますが、学びの場をどうやって提供していくのかが最大の課題であるというのが小幡和輝さんの問題意識で、私も意気投合したので、今回、子供食堂と不登校のワーキングチームを作らせていただきました。

日本語能力試験に合格した外国人労働者の皆さんにきいちゃんのぬいぐるみを贈呈します。

PDF形式を開きます資料2(PDF形式 321キロバイト)
 2点目は、私が就任してから、和歌山県の中小企業の経営者の皆さん、特に外国人労働者と共生、共存されて働き場を作っていただいている方々と、何度か勉強会を始めました。そういう会社の皆さんで協議会を作ってもらったらどうかという動きもしていますが、いろんな悩みを聞く中で、一つは日本語教育です。外国人労働者の皆さんを大事にして育てて働いてもらう、そういう意欲のある経営者の皆さんから、自分たちが(日本語教育を)やっているけど、できれば県で、いろんな形で日本語学習のサポートをしてもらえないかというのが、出てきた課題の一つです。
 今後、いろいろ具体化していきますが、まず最初に、日本語能力試験に合格した外国人労働者の皆さんにインセンティブをつけるということで、N1、N2は大変レベルの高い試験ですが、いわゆる、N1、N2、N3に合格された方に、県として応援するというメッセージで、きいちゃんのぬいぐるみと図書カードを報奨することからスタートしようではないかということで、今日発表させていただきます。
 以上です。

質問と回答

産経:子供食堂のチームリーダーに、むすびえの湯浅先生がなられました。子供食堂に関する第一人者だと記憶していますが、県の方で、目標を立てて整備していく中で、特に、どのようなアドバイスや知見をもらいたいなど、その頻度の話も含めていかがですか。

知事:まず、会議はリモートで近々やりますが、職員と何回か行う中に私も入り、その上で、和歌山県の中に、子供食堂の協議会のようなものを作りたいと思っています。それは、実際に子供食堂のサービスを提供していただいているNPOの方々や、或いは県社会福祉協議会を事務局にして、関係する方々で協議会を作って進めていき、その協議会に、湯浅さんにも入っていただいてご指導いただく。私の師匠でもありますが、要するに、世代を超えた繋がりを地域に持っていくのが子供食堂の主眼だというのが、むすびえの湯浅さんが全国展開されている事業です。その辺、特に、子供さんは無料だが大人からは300円取って、その大人の中には、お一人住まいの高齢者の方も入っていただく。或いは、料理を作る段階でも高齢者の方に入っていただくというような、地域の方々が、世代を超えて、3世代とか4世代の方々が交流する場を作っていくという意味の子供食堂を、湯浅さんにご指導いただきたいと思っています。

NHK:1点目に関連して少し広い話になりますが、ワーキングチームという形で、外部の方からの助言という部分の重要性と、今すでに動き始めている六つのチームについて、議論等の進捗についての受け止めは、どういうふうにお考えですか。

知事:まず、「観光」は、完全に実働部隊と一緒に動いていて、この間の聖地リゾートのキャッチコピーから、いろんなロゴの変更は、坂之上先生のチームでやっていただいています。
 「DX」は、天野さんが、現在、ChatGPT等の生成AIを使った情報発信についてこれからやりましょうということで、チームを組成したところです。
 「地方創生」は、glafit株式会社の鳴海さんがチームリーダーですが、いわゆる職場体験をするキャリア教育を、中学生に対して出前授業のようなものを全県的にやっていくようなプロジェクトを考えていて、準備中です。
 「ワーケーション」は、島田由香さんを中心に、庁内関係各課職員を含めて五、六人でチームを作って、島田さんを中心に、梅ワーケーションなんかをやっていただいていますが、県職員も私も参加させていただいたり、そういうことを始めています。
 「国際化」は、私の友人である平和酒造の山本典正さんで、世界的に、お酒の輸出やいろんなブルワリー(醸造)の活動をされている方ですが、今、チームを作ったばっかりで、これからの議論になるかと思います。
 「文化・芸術」の吉本秀樹さんは、県立近代美術館を中心にいろんなプロジェクトをやろうではないかという話で、一回議論してチームを作りましたが、今、吉本さんには万博のプロデューサーをやっていただいているので、まずは、万博の和歌山ゾーンを通じた文化・芸術をやっていこうということになっています。それに、「子供食堂」と「不登校」が加わる。
 外部の方にチームリーダーになっていただきますが、外部の新しい考え方を入れることに加えて、横断的なチームができる。私が県庁に入って驚いたのは、ものすごく縦割りがきつくて、同じ局でも隣の課が何をやっているか分からないみたいなところがたくさんあり、それではチーム力がない。昨日のラグビーではありませんが、ワンチーム、アワーチームにしないといけないので、ワーキングチームを作ることで、横断的な横串を刺すことができるので、それの練習をするという意味もあります。外部の有識者だけではなく、外部の有識者プラス、縦割りを廃止し横串を通す実験というふうにお考えいただければと思います。

毎日:外国人労働者の皆さんに報奨するというところです。外国人労働者のモチベーションをアップさせるということですが、広い目で見ると、例えば、外国人の方に和歌山県の労働力不足の補足をしてもらうという意味なのか、それとも、人権的な問題として外国人労働者の環境を整えるということなのか。何か視点があってのことだと思いますが、そこをもう少し教えていただきたい。

知事:そもそも、日本政府も技能実習制度の見直しをしています。技能実習制度がいろんな問題を含んでいるわけで、外国人労働者の人権問題は、最優先されるべきです。その上で、和歌山の外国人労働者と一緒に働いている経営者の皆さんは、本当に真面目な方が多くて、私も幾つか視察しましたが、場合によっては個室の社員寮を作ったり、或いは、社員寮の周りに、例えば、ベトナムの方だと畑仕事が好きなので芝生を全部つぶして畑にするとか、土日はレクリエーションをするとか、人権に配慮した方々が多いのですが、制度として日本政府が見直すわけですから、我々としても、これからは、高度人材或いは特定技能というような形で、外国人労働者の方に働いていただく必要があると思っています。
 一方で、すでに日本は貧しい国になっていて、台湾や韓国と比べても、裸(実際)の給料が劣っていて、魅力ある職場ではなくなっています。そのことに加えて円安だから、外国人労働者が来ていただくような魅力ある場ではなくなってきているという危機感もあります。その中で、いわゆる高度人材として、できれば正規職員として雇っていけるような、日本人と同じ仲間として受入れるようなことを、県としては、企業経営者の皆さんと一緒に目指していきたいと思っています。
 それにはかなりの道のりがあるので、一歩一歩進めていく中で、我々ができることとして、日本語教育のサポートは、今回はモチベーションだけですが、できれば何か大きな枠組みみたいなものが作れないだろうか。そして、我々の仲間として外国人労働者を受け入れていくことのスタートだとお考えいただければと思います。

毎日:発表事項外ですが、八郎山トンネルの調査があり、新たなデータや報告もあったと思いますが、今の時点で、改めてどのようなご感想や所見をお持ちですか。

知事:皆さんもご取材していただいたとおりで、委員会で、ご視察いただいた先生方のお話は、私も報告を受けました。私も、土木技術の専門家でありませんが、役人をやっていた人間からすると、およそ考えられないようなことが起きているというふうに感じています。ただ、どのような形で復旧工事をするのかについては、県土整備部長も、年内を目途に方向性を出していきたいとおっしゃっているので、委員会の先生方と一緒に、一日も早く開通するように、復旧工事のやり方について、早く検討していただきたいと思っています。
 先生方が、施工記録も残っていないし、余りにも工事がずさんで、昭和30年代の職人さんが経験と勘でやっていたような感じだという感想を漏らされていましたが、施工記録が残っていないことについては、大変遺憾ですし、そんなことがあるのだろうかというふうに思います。施工記録が残っていないことについては、私としては納得がいきません。そしてまた、この工事に関わられた方々の責任の問題で、会社として、従業員に対しての責任追及とかがどのようになっているのかについても、聞き及ぶところでは、ちょっと理解しかねるようなこともあるようです。その辺について、会社の皆さんにも誠意を持った対応をお願いしたいと思っています。

産経:発表項目外ですが、県立自然博物館の件です。7月の会見時点で、県教育委員会に検討してもらっているので、その結果を待って報告を出したいというお話だったと思いますが、その後、県教育委員会から検討結果の報告はありましたか。

知事:今、県教育委員会で、あらかた新しい自然博物館の案を、専門家の方の意見をいただいて、おそらく、水族館を山の上に作ることがほぼ不可能であるということを県教育委員会も踏まえて、それを前提に、自然科学博物館みたいに科学が入って、例えば、白木海岸で非常に特色のある和歌山初の恐竜の歯も見つかっているので恐竜とか、或いはジオパーク的な紀伊半島の素晴らしい地質学的なもの、或いは発酵食品が発祥の地ですから発酵というプロセス、特に宇宙など、まさに今和歌山県が置かれている、いろんな自然科学のものを系統的に展示するようなアイデアを考えていただいているようです。具体的には任せていますが、その案を基に海南市とお話し合いをされていると聞いています。その辺は任せているので、ある程度骨格が見えてきた段階で、ご報告を受けることになるかと思っています。

産経:では、現状、報告を完全な形で受けたというよりかは、中間報告的にそういう話で進んでいる。

知事:そうです。中間報告を受けて、具体的な話は県教育委員会にお任せして、それについて、海南市に対してボールを投げている状況だというふうに認識しています(※令和5年9月県議会文教委員会(9月25日)で、宮﨑教育長から「教育委員会としては、県にボールがあると認識はしていたが、知事への説明が不十分であったことから、知事の発言につながった。」として謝罪しています。 )。

関連ファイル

このページの先頭へ