知事記者会見 令和5年6月1日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和5年6月1日 知事記者会見

令和5年6月1日 記者会見室
 

令和5年度6月補正予算案の概要

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 6月補正予算の概要について、私の方から概略をご説明させていただき、その後、財政課長から詳細をご説明させていただきたいと思います。

まず、全体ですが、今回、物価高騰に対する取り組みということで、国から交付金をいただいています。それから、昨年度の交付金も繰り越しがあるので、その財源を充当するというのが、基本的な立て付けになっています。
 エネルギー・原材料・食料等高騰対策ですが、今回の補正の目玉は、LPガスです。これまでは、LPガスは対象とならなかったわけですが、特別高圧電力の利用者と合わせて対象にします。これは、国からも推奨があり、特に和歌山県の場合は、LPガスをご利用いただく方が多いので、これの負担軽減があります。
 それから、地域を支える交通・運送事業者の燃料費等に対する支援です。これも、前回に引き続いての施策になっていますが、バス・タクシー・鉄道・フェリー・トラックというような事業者を対象にさせていただいています。
 それから、一般公衆浴場は公定価格ですが、生活衛生関係施設ということで、一般公衆浴場・クリーニング所の燃料費に対する支援を、今回、行うことにしました。
 あとは、ある意味、自動的に燃料費が上がって物価が上がるということなので、福祉施設、医療機関等の光熱費等に対する支援。同様に、農林水産業の皆さんがお使いいただく燃料、或いは肥料・飼料等の高騰に対する支援で、47億2000万円を計上させていただいています。

それから、特に私の公約でもありました農林業者については、中小企業者の従来の施策に加えまして、今回も、効率的な生産性向上に繋がる機械や設備の導入についての補助金制度を作らせていただきました。これが9億5000万円です。
 それから、生活の支援ということで、子育て世帯を支援するための施策で、1億8000万円を計上させていただいています。

二つだけ、私の方でご説明させていただきたいのは、一つは、紀州材生産力高度化支援という事業です。実は、令和5年度当初予算で、製材業に対する、効率を高める機械や設備の導入については、新規で作らせていただきました。これの増額と拡充を入れて、2億4427万円となっています。
 それから、今回の新規ですが、林業そのものの生産効率を高めるという形で、原木生産の林業者にも、3億円強の補助事業を作らせていただきました。3分の1の補助で上限5000万円ですが、さらにインセンティブ枠ということで、林業も製材業も、それぞれ仕事量をある一定の基準で増やしていただくところについては、3分の1の補助を2分の1にかさ上げをするということで、インセンティブを付けさせていただきました。これが、一つの私の公約との関係での目玉になります。
 もう一つは、子供食堂です。実は、子供食堂については、小学校区、大体和歌山県で200ありますが、一つの小学校に一つの子供食堂を置きたいということで、これも選挙公約でした。今、50の子供食堂があるので、あと、できれば150作ると200になります。従って、今後3年間で50ずつ増やしていきたいと考えていて、今回は、その1年目の50ヶ所を、新規開設される場合に40万円、こういう支援をしたいと思っています。

これもお釈迦様に説法ですが、子供食堂というのは、名前は子供食堂ですが、実は、おじいちゃん、おばあちゃんから3世代ぐらいの多世代の方々が交流する場所だということになっています。これは、今、全国で子供食堂を推進している「むすびえ」という団体があり、代表の湯浅誠さんが全国行脚しながら、多世代交流の拠点が子供食堂ですという運動をされています。それと軌をいつにしまして、多世代交流や学習支援を行う場合には、さらに20万円追加で補助する。補助率は10分の10です。既存の50の団体が、新たに学習支援や多世代交流のための備品を購入する場合には、20万円の補助をさせていただく、こういう立て付けになっています。
 これを、ぜひ、来年、再来年も続けていくことによって、小学校区一つに、一つの子供食堂ができるというようなことを目指していきたいと思っています。プランの名前として子ども未来課に付けていただいたのが、「どこにも子供食堂プラン」ということで、4000万円の予算を計上させていただいたところです。
 以上です。

質問と回答

産経:まず、大枠の金額の話で、冒頭、国の財源を使うというような説明もあったと思いますが、2月に発表された警報との兼ね合いで、これによって、県財政への影響はあるのかないのか。

知事:基本的に、実は、歳出のうち国からもらう交付金がほとんどなので、県財政に対する影響は、まずありません。少し国の国庫を出していただく事業の分担金や負担金がありますが、これもとても小さな金額です。一般財源も400万円ぐらい使いますが、全体の56億3200万円からすると、1000万円ぐらいになるので、県への財政負担は、ほぼないとお考えいただいて結構だと思います。

産経:子供食堂に関してですが、選挙の時から、全小学校区へということを言われていて、今回、方針として、期限を切って、改めて目標設定をされたということになっています。改めて、子供食堂の必要性であったり、これにかけた知事の想いみたいなところをお願いします。

知事:子供食堂は、全国的にもそうですが、地域コミュニティの柱になるような施設です。昔だったら、それこそお寺や公民館活動とか、地域のコミュニティで行われるいろんな場がありましたが、今、そういう場が段々なくなってきています。月に、1回、2回、3回、公民館であったり小学校の会議室であったり、いろんな場所で集まる場を作ることの一つのきっかけとして、子供食堂が作られました。かつ、いろんなボランティアが参加されているので、もともと多世代の方が参加をしている。
 特に、和歌山市内は、実際、私もずっと議員時代に見てきましたが、子供さんは無料です。大人は300円ぐらい取るのが普通です。そして、ご近所の単身のお住まいのおじいちゃん、おばあちゃんにお声を掛けてきていただく。おじいちゃん、おばあちゃん、親御さんは300円払いますが、そういう多世代の方々が集まる。和歌山市内だと、和歌山大学などの大学の生徒さんたちがボランティアで学習指導してくださるのと上手くマッチしていますが、大学が近くに無い地域でも、それこそ、学校の先生をリタイアされた方がボランティアで宿題を見るとか、そういうのが自然に行われているのが、子供食堂です。これは、いわゆる地域コミュニティの核とする場としてぜひ活用していきたいということです。

産経:「むすびえ」さんのデータを以前に調べたことがあって、近畿の中で和歌山県が一番低かったように記憶しています。それを踏まえて、3年後、全国的にどのぐらいの水準までみたいな辺りはありますか。

知事:全国の水準は、私はあまり気にしていませんが、少なくとも、小学校区に一つ作って、200の子供食堂は、3年間でぜひ達成したいと思っています。そのための予算を、今回は補正ですが、来年度、再来年度も、着実に作っていきたいと思っています。実は、財源としても、企業版ふるさと納税で、子供食堂へのご支援もいただいているので、そういうのも活用しながら、ぜひ進めていきたいと思っています。

読売:林業の関係で伺います。インセンティブ枠を創設した狙いを、改めて教えていただけますか。

知事:実は、林業や製材業の生産量を拡大していきたいというのは、和歌山県の長期計画に入っていて、今、現状から長期計画の達成までの少し隙間があるので、長期計画を達成するために、このようなインセンティブを付けさせていただくことで、業者の方は、補助率が上がるし、県としたら、結果として事業量が増えるというので、一石二鳥を狙って、こういうインセンティブを設けさせていただいたところです。

読売:そうすると、インセンティブを設けることで、県内の林業が今後さらに活性化していく。そんな願いを込めたものですか。

知事:そうです。

読売:子供食堂で伺います。学習支援・多世代交流のための備品購入と書いていますが、具体的には、どんなものを想定して組み立てていますか。

知事:これは、例えば、かなり自由な裁量があると思いますが、学習支援ですから、学習用品、机、或いは20万円でどれだけ買えるかわかりませんがIT関係のものも入るかもしれません。それから、多世代交流ですと、食器なども大人用のものもいるかもしれませんし、ここは、かなり自由に、それぞれの団体が、ご要望されるものについて応援していくという趣旨です。

読売:こういう制度が新しく作られることによって、子供食堂の新設に係る担い手の負担を助けることに繋がると思っていますか。

知事:まさにボランティアでなさっているので、食材などは、ほとんど寄付をしていただいている形です。だけど、例えば、場所の借り賃が発生する場合もあるでしょうし、鍋や釜などいろんなものも持ち寄りではありますが、そういうちょっとした設備関係のものを買うとかは、なかなか食材ほどはご寄付いただけないと聞いています。本当に、これが大きいか少ないかはあれですが、ボランティアの団体が、初期的に一歩踏み出すのには、結構大切なお金かとは思っているので、できるだけご利用いただくようにお願いしたいと思っています。

産経:補正予算の説明で、知事が会見されるのは結構珍しいと思います。今回、なぜ会見にされたのでしょうか。

知事:できるだけ丁寧に皆さんにご説明するのが知事の仕事だと思っているので、私にとりましては、当然のことだと思っています。

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