知事記者会見 令和5年5月10日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和5年5月10日 知事記者会見

令和5年5月10日 記者会見室

大阪・関西万博における和歌山館(仮称)の出展基本方針を決定しました!

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 発表事項ですが、大阪・関西万博における和歌山館の出展の基本方針を決定したので、ご報告したいと思います。お手元に資料をお配りしていますが、出展テーマは、「和歌山百景-霊性の大地-」です。出展の意義はここに書いているとおりですが、関西広域連合の共同パビリオンの中の和歌山館です。それぞれの館とのバランスもありますが、風光明媚な観光地は、全国どこでもあります。関西の他の館も、みんなそれを売りにされるようですが、和歌山は、何といっても、熊野・高野に代表されるように、歴史があり、文化があり、これを話すと長くなるので止めますが、特に精神性という意味で、熊野・高野のスピリチュアリティを中心に展示をしていきたいと思って、霊性の大地というようなテーマを作っています。
 これは、今の段階のテーマで、この前、今、和歌山のブランディングをしていると申し上げましたが、和歌山県のブランディング全体の中で出てくるコンセプトも、これに近いものになる可能性は高いのですが、万博(の和歌山)館の展示に繋がるようなものであれば、そこで統一をして(いくので、出展テーマが)変わる可能性があるとお考えください。霊性の大地というテーマは変わる可能性はありますが、このこと自体が和歌山県のブランディングに繋がっていくような中身ではないかと思って、今、作業を始めているところです。
 展示の構成は、紀伊山地の巨木を彷彿させるトーテムです。資料にあると思いますが、和歌山の森林をイメージさせるトーテムを作って、そこにいろんな映像を、個別に流したり、まとめて同じものを流したり、いろんな工夫ができるという意味で、神聖な空間を表現したい。それから、中央にステージを置いて、いろんなパフォーマンス、和歌山の伝統芸能或いは県内産業の魅力を、人をとおして発信していきたい場所です。それから、何といっても和歌山はフルーツ王国ですし、第一次産業を中心に県の発展を考えるという立場から、農業、水産業を始めとして、和歌山の美味しいものの飲食可能なエリアとして、カウンターバーを設置して、食の魅力も届けたいというふうに考えています。できるだけ力のあるシェフの方なんかにも幅広く声をかけて、良い素材で、とても良いものを提供していきたいというふうに思っています。
 上質なサービス、上質なコンセプトを大事にしていきたいと思っています。これが今日の発表事項の一番大事なところと思っています。なお、あと1年半以上あるので、これから作業をしていきます。

「わかやま森林と樹木の日」記念行事の開催について

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 もう一つは、「わかやま森林と樹木の日」記念行事の開催についてです。5月28日に有田川町で行います。私も参加するので、ぜひ、取材をお願いしたいと思います。 
 以上です。

質問と回答

共同通信:大阪・関西万博についてです。以前、県は観光を前面に押し出して、VRで観光地を映像で映し出したりという構想もあったと思いますが、これは、岸本知事が就任されてから、大きくテーマ変更をされたということですか。

知事:私が就任して、いろいろディスカッションをしました。担当課だけでなく、手挙げ方式で、全庁横断の若手職員の皆さんに、大阪・関西万博の和歌山館の展示についてディスカッションするチームを作ってもらい、ディスカッションしていただきました。私も、その中に時々入って議論していく中で、ある意味、霊性の大地ということで、観光にも繋がるし、カウンターバーで和歌山の美味しいものを提供するのは、まさに観光の一端です。ここに来ていただく方は、大体1万人ぐらいの外国人のパビリオン関係の方が、期間中にいらっしゃると思います。1万人はいい加減な数字ですが、万博会場にいる関係者、いわゆる内輪のスタッフの方々にも来ていただいて、特に、外国の方にもここで美味しいものを食べていただいて、リピーターとして、(和歌山に)帰ってきていただくというようなインバウンド対策にもなります。
 基本的には、そんなに大きなコンセプトの変化はないと思っています。手法としてこういう形になっているだけで、そんなに大きく中身が変更されているとは思っていません。ただ、3Dの映像は、昭和の大阪万博の時だったらうけたかもしれませんが、今の時代で3D映像がうけるとは思われない。それは古い技術で、ちょっと今の時代にはそぐわないのかなという意見は、たくさんありました。
 それから、今、東京大学先端研と、和歌山を素材にしたメタバースの作り込みをしているので、それとのコラボも上手くできないかということは考えています。そういう新しい技術へのチャレンジは、この中に潜んでいるというふうにお考えいただければと思います。3Dは余りにも古すぎるので、若い人たちの支持を得られなかったということだと思います。

産経:関連してです。まず、県の基本的な方針として、万博とどう関わっていくか、また、万博にパビリオンで出展することで、どういう狙いを持ってやるのか、その辺の知事のお考えをお願いします。

知事:大阪・関西万博は、まさに関西広域連合で、一丁目一番地に掲げています。だから、大阪・関西で、大阪万博ではなく関西万博なので、和歌山県もそれに入っているから、私たち自身が主体だというふうな意識を持っています。かつ、これをきっかけに、できるだけ和歌山県を知っていただきたい。(県を)国内外に発信をしていく、とても良い機会だと思っているので、最大限それを活かしていきたい。
 一方、おそらく現時点で、国内外から和歌山県のパビリオンに注目している人はゼロだと思います。誰もいないと思うし、期待感ゼロだと思います。だから、めちゃくちゃチャレンジする。誰も期待していないから、思いっきり挑戦しようと、担当者の皆さんには発破をかけています。失敗したら、その時は私が謝ればいい。もともと期待されていないので、一発大逆転で素晴らしいものを作りたいと思っています。そのことによって、インバウンドの方も含めて、和歌山とはこういうことかと(思ってもらう)。
 その時に売りたいことは、まさに、精神性、サステナビリティ、或いは静謐(せいひつ)さとか、そういう、和歌山県の持つ主として精神的なもの、或いは古事記、日本書紀以来の神話の時代から、和歌山が非常に重要な地位を占めていたというような物語を、伝えていきたい。例えば、熊野だと、1300年前に、いろんな霊場の中で、女性が入れた霊場は熊野だけだと思います。そういう意味では、1300年前から、熊野は、いわゆるジェンダーフリーだったという物語もある。また、蘇りの地であるということで、特に、障害を持っている方が熊野詣をする時は、本当にみんなで地域の人が支えてまいれるようにする。これが、小栗判官照手姫の物語に繋がるわけです。
 そういう精神的なものを持っている和歌山県を、この万博をとおしてアピールしていくことによって、一つは、お客様を(和歌山に)呼んでくる。もう一つは、和歌山県民の方々にもぜひ行っていただきたい。小中高校生には、補助金出してでも、一回は行ってもらうような仕組みを考えています。どの程度の補助ができるかわかりませんが、とにかく和歌山県の子供たちも行く。そういうことで、和歌山県民の方々にも和歌山を再発見していただく一つのきっかけになるのではないかと考えています。

産経:手挙げ方式で若手職員といろいろディスカッションをして、当初(案)からブラッシュアップしながら、今の形になったというふうに理解していますが、今後の流れとして、この辺りまでにここまで進めたいというようなスケジュール感みたいなもので、決まっているものがあればお願いします。

知事:それは、万博の開催日時までに、万博推進課が、火の玉になって、このコンセプトで実現していく。ここから先は実務の話なので、担当者にお任せをします。

毎日:今の関連で、このコンセプトでいくと、高野山そのものと協力してやっていくことになりますか。

知事:和歌山百景なので、和歌山県全体が霊性の大地ということです。もちろん、その中の一人のアクターとして、高野山の皆さんと協力するのは、他の和歌山県のいろんな団体と協力するのと同じレベルで、協力をしていきたいと思っています。

毎日:特に高野山に特化しているわけではなく、全体的にですか。

知事:和歌山県全体が霊性の大地なので、百景という意味をよくお考えいただきたいと思います。

読売:テーマの部分で、精神性を皆さんに伝えるのはなかなか難しいと思いますが、パビリオンでどんな工夫をしていきたいか、改めて教えていただけますか。

知事:万博が始まったら、楽しみにしてください。今、種明かしするわけにはいきません。

読売:一応、テーマが決まりましたが、知事の感触としては、どんなテーマになったというふうに思われていますか。

知事:素晴らしいテーマになったと思います。本当に職員の皆さんが作ってくださった案なので、これで突き進んでいきたいと思っています。

紀伊民報:人口のことでお伺いします。4月1日現在の推計人口が発表されて、90万人を割りました。2月にはすでに割っていましたが、90万人を割ったことについて、知事の受け止めをお願いします。

知事:人口が減少することは、長期推計で予め分かっていたことなので、そういう大きなトレンドの中で、一回一回の統計で、一喜一憂する必要はないと思いますし、その度にコメントを出す必要はないと思っています。
 前から申し上げているとおり、日本全体として人口が減少していくのは、もうどうしようもないことです。出生率をいくら上げても、母数の女性の数が減っています。私が子供の頃は、200万人を超える赤ちゃんが生まれていて、半数が女性です。去年は80万人を切りました。40万人を切る女性の方が(将来出産して)、出生率が3になったり4になったりしても、4になったらわかりませんが、子供の数は減る。そういう大きなトレンドの中で、捉えていくということです。
 ただ、その中で、和歌山県のためには、できるだけ(県の)外からも来ていただいて、子育てがしやすくて子供が産みやすい環境を、我々が基盤整備をして、少しでも、減る数或いは減るスピードを抑制していく。そういう大きな方針は変わらないので、いちいち、統計のたびに一喜一憂する必要はないと思っています。

紀伊民報:2015年に県が策定している長期(人口)ビジョンで、2060年に70万人を確保するとなっています。すでに途中の段階で、想定より少なくなっていますが、この先、ビジョンを見直す予定はないのですか。

知事:長期推計は、必ず見直します。長期推計は、ある一定の年度の間の長期推計なので、次の長期推計を見直す時期が来たら、見直します。

紀伊民報:(長期人口)ビジョンのことですが。

知事:ビジョンも含めて、知事も変わったわけですから、ある一定の年限が立てば、それは見直されるべきだと思います。

紀伊民報:近くその予定はないですか。

知事:明日、明後日は変えません。

NHK:今週の月曜日から、新型コロナが5類に移行しました。実際に移行して、いろんな新しい取組や変わった点があると思いますが、トラブルではないですが、何か支障が出ていることはありますか。

知事:まず、医療体制については、実は4月1日から新しいシステムに変えています。例えば、入院患者は、4月から保健所単位でやっていて、今後は病院単位になっていきますが、それは非常にスムーズに移行されています。患者さんの数が非常に少なかったので、どちらかというと、我々にとっては良い風が吹いていたということで、今現在、問題があるという報告は、一切上がっていません。個人の皆さんも、今日もそうですが、マスクをされている方はされているし、されていない方はされていない。或いは、私も一昨日に愛徳整肢園へお伺いしましたが、そういうところへ行く時は、私も職員も、必ずマスクをして参ります。それは、割と上手くそれぞれのご判断で機能されているのではないかと思っています。
 ただ、前に申し上げたように、今はオミクロンですが、新たに特殊な型、或いは新しい感染症が起きる可能性はあるので、まさに9波に備えて、いろんなシミュレーションは福祉保健部の方でやっていて、油断しないようにしたいと思っていますが、5月8日以降、大きな問題が生じていないということは申し上げられると思います。

読売:万博開幕まで残り二年ですが、県内の機運醸成という部分を、知事としてどのように受け止めていらっしゃるかと、さらに機運醸成を高めていくために、どのようにしていきたいかという意気込みを教えていただけますか。

知事:おそらく、これは県だけでやれることでもなく、例えば、入場券が発売されるようになれば、放っておいても機運醸成はされるだろうと思います。その辺の万博協会全体の流れに遅れないように、我々としては、いろんな準備をしていきたいと思っています。
 一方で、県庁前の看板も、早急に万博の機運醸成のためのものを作りたいと思っていて、近々、県庁正面のロケットの(看板の)反対側に作りたいと思っています。それから、まさに今日も、和歌山館の展示の内容を発表して、皆様方がこれを記事やニュースにしていただければ、そのこと自体が機運醸成に繋がっていく。こういう機会をどんどん増やしていって、いろんな、こういうこともやります、ああいうこともやります(と打ち出していく)。例えば、空飛ぶクルマの実証実験も万博絡みなので、できる限り万博絡みのニュースソースを提供していくことで、機運醸成の努力は最大限していきたいと思っています。それについても、(記者)クラブの皆さんにはご協力をいただければ大変ありがたいと思っています。よろしくお願いします。

読売:機運醸成という部分で言うと、本格的にはこれからが本番というような認識でよろしいですか。

知事:もちろんそうです。

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