知事記者会見 令和5年12月20日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和5年12月20日 知事記者会見
令和5年12月20日 記者会見室
和歌山県生成AI利用ガイドラインの策定について
資料1(PDF形式 1,735キロバイト)
それでは定例会見を開きます。今日は発表事項が二つ、話題事項が一つです。一つ目は、資料にありますが、和歌山県の生成AI利用ガイドラインを作りましたので、そのご報告です。これは、かなり時間を掛けて、行政企画局を中心に庁内の(その他)7課で、いろんな実験というかトライをして、その職員の検討の結果でガイドラインを作らせていただきました。詳細は後ろに(資料を)付けていますので、担当者から聞いていただければと思いますが、ガイドラインの概要を私の方でご説明いたします。
一つは、安全性が確保された契約済みのサービスに限定する。つまり、普通に無料或いはいろんな約款に同意するというのをクリックしたら使えるものは、採用しません。後でまた説明しますが、あくまでもきちんとしたセキュリティや条件を(クリアし)、安全性が確保された契約済みのサービスに限定をする。従いまして、先ほど言いましたような、不特定多数の利用者に提供されるような一般的な生成AIサービスは使用しないというのがポイントです。
それから、データ入力時の遵守事項としては、県情報公開条例第7条に定める「非開示情報」、個人情報や審議・検討中の情報等は入力しない。
それから、生成物を利用する際は、必ず生成AIを利用して作成したことが分かるようにする、或いは内容の正確性等については複数人でチェックする、当然ですが、著作権などの権利侵害に注意する、生成物をそのまま使用することはせず必ず加筆修正をする、というようなルールを作りました。
後ろに(資料を)付けていますが、アンケート調査をしたところ、やはり問いの立て方で答えが全然変わってくるので、命令文作成のコツや活用事例集を作って、利用促進していきたい。参考資料を見ていただくと、8月から11月までの実験の結果、9割の人が仕事の効率が上がったという結果が出ているし、次のページでは、今後も活用したい人が圧倒的に多いし、業務時間もかなり削減できることが分かりました。一方で、先ほど申し上げたように、命令文の作成方法に迷うという方が結構多かったので、そういうことについては、担当部局で今後整理をしていく。
なお、生成AIについては、和歌山県内でも、いろんな市町で活用の先例があります。一番我々に近い和歌山市との違いを説明すると、和歌山市は、約款への同意により利用可能となるサービス、ChatGPTなどを対象とされていますが、和歌山県は、そういうサービスは利用しない。あくまでも、入力データがAIの学習に利用されないことが確認された契約に基づくサービスに限定する。それから、和歌山市は、画像生成AIを使われるようですが、和歌山県では、画像は使いません。文書生成AIに限定する。その辺が大きな違いかなと考えています。
韓国から南紀白浜空港へ国際チャーター便が運航します
二つ目ですが、今年、ベトナムとのチャーター便を南紀白浜空港で飛ばしましたが、来年2月、韓国から大韓航空の国際チャーター便を飛ばすことになりました。146人乗りのチャーター機が4往復し、約440人のお客様に来ていただき、和歌山城、円月島、橋杭岩、那智の滝などの観光地を巡るツアーや、温暖な土地柄なので、ゴルフツアーが予定されています。なお、2月3日の歓迎セレモニーは、私も参加してお出迎えする予定にしています。
これを皮切りに、南紀白浜は、温泉があってゴルフ場があるので、韓国の観光客の皆様には、おそらく今後人気が出てくるものと思います。これも、できれば1回限りではなく、どんどん飛ばせるように努力をして参りたいと思っています。
運転代行配車プラットフォーム「AIRCLE(エアクル)」を展開する株式会社Alpaca.Lab(アルパカラボ)が和歌山市に新オフィ スを開設
話題事項で、運転代行の配車プラットフォーム「AIRCLE(エアクル)」を展開しているIT企業のAlpaca.Lab(アルパカラボ)が、和歌山市に新しいオフィスを開設されます。この後、調印式を行いますので、よろしくお願いします。
運転代行も人手不足で、これからは非常に効率性が重んじられてくると思います。そういう意味では、AIRCLEというプラットフォームで効率よく配車をするなど、いろんなメリットがある企業に進出していただいたということです。
以上です。
読売:生成AIのガイドラインの策定についてです。職員の仕事の効率が上がるという方も多いし、アイデア出しなどで使われているということですが、知事ご自身は、生成AIの機能や能力に関してどのように評価されているのかと、サービスを限定されるということで、危険性などその辺りはどういうふうに考えていますか。
知事:まず、実際に作業の効率性という意味では、非常に大きい効果があると思います。ただ、ものを理解して答えを出しているわけではなく、例えば、算数も筆算はできていない。だから、我々の頭の使い方と全然違うものなので、もちろんプライベートな利用で私も使ってみましたが、自分が知っている分野のことにしか使わない。自分の知っている分野だと嘘だと分かりますが、自分の知らない分野は怖くて使えないというような使い方をしています。
危険性については全くそうなので、まさに、我々が打ち込んだものが学習されるようなことのないような契約に限るというのは、今回のガイドラインに盛り込ませていただいたところです。
共同通信:先ほど、和歌山市との違いについて説明があったと思います。一つは、ChatGPTとかは認めないのと、文章に限定して画像に関しては使わないということですが、どういう理由でそういうふうになったのですか。
知事:まず、いろいろ注意をしたとしても、画像の場合は著作権の問題がかなり大きいのではないかと思っているので、まずは安全性を見ながらです。ある程度世の中が進んできて、画像の生成AIを使っても、著作権の問題が基本的にクリアできるような状況になれば、また担当の方でいろいろ試行錯誤すると思いますが、現状、私も昔、経済産業省で著作権を担当していたので、県として著作権がちょっと難しいようなものは、まずは触らないというふうに考えたということです。
産経:生成AIの利用です。いくつか利用した業務のアンケートがありますが、業務の分野として、どこまでに限定するというような考えはありますか。かなり広げていくことになりますか。
知事:これもトライアンドエラーですが、現状のガイドラインのルールに基づいて、職員にはいろいろトライしてもらったらどうかと思っています。使い勝手の良い業務もあるし、当然、使い勝手の悪い業務もあるでしょうから、こちらで決めることではなく、トライアンドエラーでやっていく。それを、担当課で取りまとめながら、ある程度の集積ができれば、それをまたガイドラインに入れていくような形で、ステップバイステップでやっていくのだろうと思っています。
NHK:チャーター便のことでお伺いします。前回のベトナム便だと、ベトナムに向かう便に県職員なども含めて同乗し、向こうでの公務等もあったと思います。今回は、そういったものではなく、和歌山から韓国に行くのは、民間の方や旅行者の方が中心になりますか。
知事:また担当に聞いていただければと思いますが、今回は、146人乗りでビジネス的にも十分成り立つフライトなので、基本的にはビジネスベースのチャーター便というふうにご理解いただければと思います。今後、韓国とも、いろんな市といろんな提携をする中で、いわゆる、観光の促進或いは青少年交流などに繋がる場合は、ベトナムのようなケースもあり得るかなとは考えています。
NHK:チャーター便は、しばらく期間が空いて、ベトナムがあって、今回、韓国が決まってということだと思いますが、今後は、またこういった形で近隣の国とのチャーター便を誘致していくような方針ですか。
知事:これは発表した話ですが、当然、今年もずっと、担当者が幅広く水面下でいろんなところに交渉に行ってくれていて、その成果が出たということです。来年以降、職員の努力が実って、いろんなことが花開くといいなと思っています。
時事通信:発表項目外ですが、18日に、政府が、ライドシェアの一部解禁を認める方針を定めたと思います。県としても、ライドシェアの研究会を開いたりして、ライドシェアに前向きに取り組んでいると思いますが、改めて、知事の見解と、県としてどういう方向性で進めていくつもりなのか、お伺いできればと思います。
知事:今、県としても、タクシー会社或いはIT企業の方、関係のある方で勉強会を始めています。政府の方で、もう少し具体的なものが出てくると思いますが、今、担当者から聞いていると、私たちが考えている方向と政府が考えている方向性は、同じような感じではないか。つまり、解禁するにしても、例えば、タクシー会社が運営主体になるとか、事故が起こった時の処理をどうするかとか、課題としてみんな考えることは共通してくる。課題に対応してまずはスタートしてやっていくという内容が、ほぼ同じ方向を向いているので、私どもとしては、国の解禁については歓迎し、それに合わせて、和歌山の関係者の皆さんのご意見も聞きながら、和歌山独特の問題があればそれをクリアしながら、ともかく前へ進めていきたいと考えています。
読売:発表項目外で、昨今、報道にもある、自民党の派閥の政治資金問題の関連ですが、県内の議員に関して、何人か名前も挙がっている方もいらっしゃいます。予算編成の時期ですし、地方行政にも影響を与えるのかなと考えていますが、その辺りの危惧はいかがですか。
知事:県の予算編成には、あんまり大きな影響はないと思っていますし、国政の話なので、県知事として特に何かコメントするべきものだとは考えていません。
ただ、政治家として考えた時に、私の場合、貧乏な野党にいたので、(今回の件は)想像を超えるようなことであり、そのことで政治不信がものすごく強くなっていることについては、政治家の一人として、誠に遺憾で残念でなりません。
読売:一応確認ですが、知事も国会議員時代、パーティーなど政治資金に関しての管理は正しく行われていたということでいいですか。
知事:はい。基本的に、政治資金収支報告書は、きちんと監査を受けながらやっていましたし、野党だったので、派閥のパーティーも無かったので、そういう問題は全くないと理解しています。