知事記者会見 令和5年11月22日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和5年11月22日 知事記者会見

令和5年11月22日 記者会見室

令和5年梅雨前線の豪雨災害に対する検証結果について

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 それでは、定例会見を開きます。発表事項ですが、6月の台風2号の影響による豪雨災害について検証を行いました。これまでなかった、短期間に集中して雨が降る、いわゆる線状降水帯に対応するため、この際、県庁の中の体制も見直してはどうかということで、危機管理局がしっかりと検証しました。お手元に資料をお配りしていますが、少し詳しくご説明し、ご質問があれば担当から補足させていただきたいと思います。
 2枚目を見ていただくと、検討項目として、短期と中長期で分けました。短期は、職員の防災体制、情報収集の仕方、災害救助法の適用、児童生徒の登下校についてです。中長期は、線状降水帯の予報や発生に対応した避難情報をどう発令するのか、今回問題になった高速道路の規制について、NEXCOにお願いする話ですが、これについても検討しました。それから、河川整備計画の点検です。これが表紙で、1ページからお願いしたいと思います。
 まず、線状降水帯等についての今後の対応ですが、追加で資料をお配りしています。この資料(資料2ページ)ですが、現在の県庁の警戒及び配備体制は区分に書いているとおり、これまで、この体制で県庁の備えをしてきました。一方、線状降水帯等によって、これまでと全く違った状況になったので、仕組みの簡素化と機動性を持たせた見直しを行っています。改正案を見ていただくと、これまで警戒体制が二種類ありましたが、ほとんど被っていた内容なので、一つにして簡素化し、その中で「水防配備態勢1号が発令されたとき」というのを新たに入れました。
 それから、これまで配備体制が二つありましたが、一つにしました。そこに、配備体制の風水害のところを見ていただくと、「顕著な大雨に関する気象情報」というのが線状降水帯のことですが、線状降水帯の情報が県内に発表された時は、配備体制という形でスタートさせる。
 それから、現在の配備体制2号と災害対策連絡室を一本にし、災害対策本部の制度に変えました。これについては、線状降水帯が発表された後、配備体制を取り、かつ非常に大きな災害になりそうであれば、「知事が必要と認めたとき」ということで、機動的に災害対策本部を設置することにします。災害対策本部は、従来、関係各部署に連絡して全職員が出るという、大変機動性に欠ける仕組みだったので、災害対策本部非常体制1号は、全職員ではなく関係する部署だけを機動的に集めるというのが、一つのポイントになっています。災害対策本部非常体制2号は、大変大きな地震或いは大きな災害が発生した場合で、従来通り全職員が待機する形になると思います。これが職員の防災体制です。
 3ページですが、情報収集については、ご存知のとおり市町村が基本的に現場対応をしますが、災害が大きくなればなるほど、市町村職員は、そちらの対応にかかりっきりで、県庁に情報収集するよりは現場に行ってくださいとなります。従って、まず、基本的には、県庁の振興局から市町村にリエゾンを派遣する。それから、幹部間のホットラインを開く。これは、8月、9月の災害の時にこのとおりにして、非常に情報収集のスピードが上がりましたので、これは定着をさせたいと思っています。
 次に、災害救助法の1号基準と4号基準があります。1号基準は、市町村の規模によって対応が違ってきますが、昭和20年代に作られた制度で、人数が少ないところほど不利な配分になっているので、小さな市町村でもちゃんとした対応が取られるように直して欲しいということで、すでに全国知事会で私自身が発議して同意をいただき、全国知事会の要望に格上げされているし、和歌山県独自でも、内閣府に申し入れをしています。災害救助法の4号基準はややテクニカルな部分ですが、4号基準に基づき災害を受けた市町村の災害復旧時点での対応が、住民にとって有利になることがあるので、これもできるだけ弾力的にやっていってはどうかということで、検討しました。
 5ページですが、今回、問題になりました生徒の登下校です。これは、当日、子供さんが登校してからいろんな手当がなされたので、現場も大変ご苦労されたと聞いています。これを、例えば、前日などに校長先生の判断で前広に対応できるようにして欲しいということです。災害は全てそうですが、いろんな情報を収集した中で、空振りになったとしても、命と暮らしを守るためなので、その辺はご容赦いただいて、前広に判断してはどうかというのが、骨子となっています。
 7ページですが、線状降水帯予報等についての避難命令の発令の仕方です。気象庁或いは気象台と綿密に連絡を取っていますが、この前申し上げたように、現時点で、予報の能力がそれほど精緻ではないというような問題があります。一応、今お聞きしているのは、的中率が大体4回に1回ぐらいしかない。線状降水帯の発生は、大体3回に2回ぐらいは見逃してしまうということで、現在は、まだ予報精度が低い。ただ、これは、これから気象庁で予報精度の向上を図られるということで、いろんな形で線状降水帯の予報精度が上がり、早めの発令等もしていただけるようになっていきます。少し細かい字で恐縮ですが、括弧に令和11年度ぐらいまでのタイムスケジュールを書いていて、できるだけきめ細かな線状降水帯の予報が今後行われるということなので、それに合わせて我々も対応していきたいと思っています。
 8ページで、当然、高速道路の安全を守っていただくわけですが、例えば、一番下に書いている、通行止めの解除をする際にも非常にきめ細かな基準があり、例えば、1時間当たりの雨量が2ミリ以下の状態が6時間以上続くことで初めて解除されるそうですが、全く被害が起きていない道路で6時間も止められると、その前の(時間を)入れると、(かなり長くなる)。今回もかなり交通に支障がありましたので、例えば、そこをもう少し見直していただけないだろうかというようなことを、NEXCOにお願いしていきたいと思っています。
 河川整備計画の見直しは、当然のこととして今後もやっていきたいと思いますし、9月補正予算で手当したところです。防災関係の体制の見直しは以上です。

和歌山県と一般社団法人42TokyoがIT人材の育成・確保に関する連携協定を締結します!

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 2番目の発表事項ですが、一般社団法人42Tokyoと連携協定を締結することになりました。42Tokyoは、ご存知ない方もおられると思いますし、耳慣れない団体ですが、実は、フランスのエンジニア養成機関の日本版です。ここは、世界31ヶ国、52キャンパスで展開されていて、非常に高度なIT技術を学ぶ機関であり、授業料が無料で、入学試験はありますが卒業などはなく、一定の技術を取得された方が、そのままIT企業に就職をされるというような形の、世界最先端のITエンジニアの学校です。私どもとしては、和歌山県内の教育機関と連携し、IT人材を育成するのに、学習機会の提供などをいただいてコラボしていきたいということが一つです。 
 それから、和歌山県内の企業におけるIT人材の確保で、42Tokyoで学ばれた優秀なエンジニアの方に和歌山へ来ていただいく。今、IT企業の進出が大変多いので、そういうところに、42Tokyoで一定の技術を獲得された方に来ていただくような形の協定を結びます。27日に(協定式を)行います。

高等教育共創コンソーシアム和歌山、和歌山県及び公益社団法人2025年日本国際博覧会協会との連携推進に関する協定を締結します

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 3番目ですが、万博との関係で、高等教育共創コンソーシアム和歌山、万博協会、和歌山県の間で、機運醸成も含めて博覧会を契機としたプログラムを作るという意味で協定を結ばさせていただきます。

わかやまジビエフェスタ2023-2024開催について

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 話題事項として、(12月から)わかやまジビエフェスタを開催します。県庁の食堂も2ヶ所あり、ジビエをやっているので、ぜひご利用いただければと思いますし、資料のとおり、いろんなところでジビエフェスタをやっています。ぜひ、県民の皆様にも幅広くご利用いただきたいと思います。
 以上です。

質問と回答

読売:災害体制の検証結果の件です。職員の配備体制の基準の変更により、災害対策本部が基準としてより開きやすくなるイメージがあると思います。その中で、この間の大雨の時でも問題になりましたが、災害救助法のいわゆる4号基準として、災害対策本部を開いていることが一つの目安になると思いますが、その辺りが適用されやすくなるのを意識されましたか。

知事:それはあまりないです。むしろ、災害対策本部を機動的に開くほうがポイントだと思っています。4号基準はテクニカルな問題で、そんなに大幅にメリットがあると考えていません。むしろ、災害対策本部を機動的に開く結果として、4号基準の適用に目配せをする。これは大事なことです。

災害対策課長:補足ですが、まず、河川整備計画の見直しについて、知事から「当然ですが」というコメントがありましたが、河川整備計画の見直しは、まず、河川の被害状況の結果を見て、必要に応じて、計画の見直しや災害復旧の方法を考えていくと聞いており、その辺は順番があるので、資料のとおりです。
 2点目は、知事から「避難命令」という発言をしましたが、避難については、あくまで避難情報の発表ということで、避難命令ではありません。

知事:失礼しました。お詫びして訂正します。

NHK:今回、配備体制2号が災害対策本部非常体制1号に変わりますが、動員の配備人員は、関係課及び地方機関の必要人員になっています。災害対策本部であるところの重要性や意味合いと、リエゾンの派遣若しくはホットラインの開設で、災害対策本部設置前の段階でと基準を定められていると思いますが、具体的な知事のご判断や設置及びリエゾン派遣について、基準があるのかを伺えればと思います。

知事:まず、弾力的に開けるようになりますが、当然、災害対策本部なので、配備体制の状況より、より重厚なものにならざるを得ないと思っていて、実際の運用としては、相当違うことになろうかと思っています。運用は、今ここで事細かく文章ではなかなか申し上げられませんが、配備体制2号と災害対策本部非常体制1号とはかなり違ったものになり、重厚である。ただし、(現行の)災害対策本部よりは機動的に設置できるところにメリットがあると考えています。
 リエゾンや幹部間のホットラインは、ある程度、災害の規模が小さい場合でも機動的にやっていこうと思っています。とても効果があったので、かなり大きな災害が予測されない場合でも、様子を見ながら弾力的に運用していきたいと思っています。

時事通信:災害対策の体制について、(実施が)令和6年度からになっていますが、令和6年度4月1日からですか。

知事:そういうことです。

時事通信:早めに始める方がいいと思ったのですが、4月1日にした理由は何かありますか。

知事:いい質問です。早めにしたほうがいいかもしれないので、検討させていただきます。役所は、予算などがあり、年度毎にスタートするので、どうしても頭が年度で区切られてしまう。今やるべきことはやっています。今回、やっているものはやっていますが、確かにおっしゃるとおり、3月1日からやってどこが悪いのだと言われるとそうかもしれないので、預からせていただきます。

時事通信:発表項目外ですが、11月9日の毎日新聞で、行政委員の報酬についての記事がありました。兵庫県と和歌山県がまだ月額制になっているという指摘だったと思いますが、これまで見直しを進めなかった理由と、今後見直す予定があるかどうかについて教えていただきたい。

知事:これは、ぱっと見た感じ、月給制と日額制で単純に比較されてしまいますが、すごく難しい問題があります。つまり、例えば、監査委員や公安委員の方が、役所に出てこられる日に日給が出ますが、実は、それぞれの委員は、役所からいろんな書類を届けられて、ものすごい量の資料を読み込まないといけなくて、自宅での作業量が結構ある。ですから、役所に出てくる時に日当2万5000円なのか3万5000円なのかは別にして、それで払うことが合理的なのか、ご自宅でやる作業量については、報酬を出さなくていいのかという問題もあります。
 それから、日額であるべきだという訴訟に対し、月給制でも合理的だという裁判所の判例も出ているので、そもそも月給制は合理的であるという判例が出ています。一方、日給を2万5000円や3万円、自宅での作業量も含めて計算してお支払いするというのもあるかもしれない。実は、併用制が多く、新聞に出た兵庫県、和歌山県と完全に日給制のところの数県以外は、月額の良いところと日給の良いところ、多分、月額は基本的な作業量に応じた月給で出てきていただいた時は日給、と併用しているところが圧倒的に多く、ほとんどの地方公共団体は併用している。
 その上で申し上げると、さらにもう一つ、月給制で非常に高い月給を払っているところと、和歌山県は、申し訳ないのですが、実は報酬が決して高くない。従って、本当に委員の方には申し訳ないのですが、日給制で月1回出てきて3万5000円お支払いした場合、おそらく、ものすごい予算が増えてしまう。それは、委員のご貢献に対してそうすべきかもしれませんが、そういう問題点があるので、私どもとしては、今、自宅での作業量などの調査を始めています。現時点で、和歌山県の今の月給制の給与水準からして非常に合理的な制度ではないかと思っていますが、いろんなご指摘もあるので、一度ここで見直すべきではないかと思い、いろんなことを、今、調査を始めているというふうに思っていただきたい。ただ、単純に日給制にすれば行政改革が進むみたいな話では全くないということだけは、ご理解をいただきたいと思います。

時事通信:今、調査を進めている段階ですか。

知事:そういうご指摘もあったので、今言ったように、ご自宅での活動量は委員会によって違うと思います。公安委員の先生方と人事委員会の先生方、委員会が幾つかあるので、それも含めて(調査します)。場合によっては、それぞれ委員会ごとに変えてもいいかもしれません。

読売:発表項目外ですが、今月10日にあった八郎山トンネルの2回目の検討委員会の件です。その後、調査が進んで、トンネルの側面にも施工不良が見つかったのと、トンネルを支える支保工の部分にもズレが見つかったという話も出て、覆工コンクリートを一度ほとんど剥がす結果になったと思います。それに関しての受け止めと、段々と調査が進むにつれて、ずさんさがどんどん浮き彫りになってきている中、浅川組さんは、県内でも他のトンネル施工にも関わっていらっしゃいます。他のトンネルに関して、一応検査をしているというふうに聞いていますが、同様の事案がないかという調査など、改めて追加で何かされるお考えはありますか。

知事:まず、この間の検討委員会のご結論については、虚心坦懐、受け止めさせていただき、その通りにしていきたい。これは、専門家の皆さんのアドバイスなので、そのとおりに淡々としていきたいと思っています。
 淺川組さんがなさった他のトンネルは、今おっしゃられたように、すでに県土整備部できちんと検査をしているので、現時点で、他のトンネルについて問題はないと聞いていますが、今後いろんな情報収集をしながら、適宜適切に対応していきたいと思っています。

読売:今回の件に関して、改めて、現時点で、淺川組さんに追加の刑事告訴等の処分や、例えば、検査を見逃した県職員の処分や対応などで考えられていることはありますか。

知事:まず、制度に基づいた施工業者への処分はすでに終わっています。これは、ルールがあり、法治主義の国なので、ルールを遡って変えることはできないので、それは終わっています。
 県職員のお話ですが、現状、県土整備部の勤務状況、実際の現場の感覚等も含めて、県土整備部ではいろいろ検討していると聞いていますが、今後いろんな情報収集しながら検討していきたいと思っています。

NHK:豪雨災害の体制についてです。検証を踏まえて、改めて、早いタイミングで対策本部が設置できる体制になったと思いますが、6月の雨の段階で、記憶が定かではないのですが、県は対策本部を設置しなかったと思います。検証を踏まえて、本部を設置するということで、当時、意思決定などの段階で課題があったとお考えなのか、当時はできること、必要なことをやったというふうにお考えなのか、その辺り教えていただいてもよろしいですか。

知事:6月の災害の後の記者会見でも申し上げたとおり、あの時の判断は正しかったと思っています。それはそれとして、今後、大きな災害が起き得る場合を考えて、機動的に災害対策本部を作っているようにしておいた方がいいのではないかというふうに考えたところです。

産経:災害の関係です。リエゾンを8月、9月の段階で派遣しているということですが、これは、接近時なのか、実際に被害が出るまでなのか、雨などが降る前なのか、どの段階で派遣していますか。また、リエゾンについて、人的派遣になると、新宮だと広域だし、伊都はまだ範囲が狭いですが広域です。人の派遣以外に、人が行けない場合のオンラインなど、そういうようなバックアップの体制は何か考えていますか。

知事:まず、市町村に派遣するので、そのために振興局があり、振興局はそれぞれの市町村と常に綿密に連携しているので、そこに人が出せないことはない。
 ただ、一方で、今回、私の体制になってから、大きな災害が起きた場合は、気象台、電力会社、鉄道、高速を含めた、県庁と市町村との間に、常時回線を開いたリアルタイムのオンラインでの情報共有はしています。それは実際にできているし、当然のこととしてやっています。これは常に画面が開いているので、それなりに役に立ったというふうに理解をしているし、続けます。
 それから、かなり早めにリエゾンを出していますが、タイミングについては担当者から説明させます。

災害対策課長:派遣のタイミングですが、もちろん、どのタイミングで派遣するかは、それぞれの現場の状況等に応じて対応させていただいていますが、場所によります。例えば、8月の台風7号の場合は、接近時より早めに、振興局から各市町村に派遣しているというふうなことを聞いています。

産経:早目というのは、何時間前とか1日前とかになりますか。

災害対策課長:時間など、そこまでの資料を持ち合わせていませんが、1日前からはありません。ただ、気象台からの情報の共有は、早い段階、接近時から情報の共有を逐次やっているので、接近の状況に応じて、職員を派遣している、ないしはホットラインを開設しているというのが、取組状況です。

時事通信:発表項目外ですが、今、政府が自治体のシステム移行を進めていると思いますが、その中で、移行困難システムを申請する自治体も増えています。県の状況は、今どうなっているかを教えていただきたい。

知事:県のやっている事業は、福祉関係で二つの事業をやっていますが、和歌山県はスムーズに移行できるよう準備が終わっています。

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