知事記者会見 令和4年8月31日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年8月31日 知事記者会見

令和4年8月31日 記者会見室

敦謙國際智能科技股份有限公司(ドンケンコクサイチノウカギコフンユウゲンコウシ) (台湾企業)が日本におけるシステム開発拠点を和歌山県に設置

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 今日は、いくつかありますが、第一は、台湾企業の敦謙國際智能科技股份有限公司(ドンケンコクサイチノウカギコフンユウゲンコウシ)が、日本の開発拠点として、和歌山県にオフィスを構えてくれることになりました。9月1日に、進出協定調印式を行います。
 この会社はなかなか立派な会社だそうで、ITベンチャーですが、ホテルなどの宿泊予約や部屋割りとか、そういうホテルマネジメントのソフトウェアを作って、システムをきちんと入れて、ホテル経営を効率化するというようなビジネスをやっているようです。日本に進出したいということで、日本にもホテルはいっぱいありますから、そこに営業をかけたり、システムを売込んだりするのでしょうが、その開発拠点として和歌山県を選ぶということです。将来、増設したり増員した時に別のところへ移る可能性があるけど、和歌山県内で探しますという話で、とりあえずの拠点として、ニッセイビル。

企業立地課長:(和歌山市)吉田のプラザビルです。

 プラザビルに入ることになりました。9月1日13時30分から調印式を行います。

きのくに線における特急「くろしおサイクル」の実施について

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 それから、きのくに線で、特急を「くろしおサイクル」として、サイクルトレインにしてくれることになりました。今、御坊から新宮までサイクルトレインを毎日運行してくれていますが、非常に評判も良くて、これはいけるということなので、特急も使おうということになりました。特急は、座席も結構たくさんあるし通路も少ないので、自転車を入れるには、構造的に楽ではないのですが、工夫をして、1両を追加料金不要で、1人で横並び4席が使えることになりました。ただし、以前のように、通路に立てかけてくくりつけると何も汚れませんが、片方の座席の間に自転車を入れることになるので、シートが汚れてしまうと困るから、カバーを無料でお貸ししますから、そのカバーを (自転車に)かけて入れてくださいということです。完璧に分解して袋に入れた昔のスタイルではなく、自転車にカパッとカバーを被せてポンと入れる。こういうことで、白浜と新宮駅間の「くろしお」で、1日最大6往復ですが、自転車を積むことができることになりました。2枚目に、JR西日本の記者会見資料も載っています。

Twitter の広告を利用した薬物乱用防止啓発を実施します

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 その次は、これが面白くて、和歌山県は、大麻などの禁止薬物は当たり前ですが、危険ドラッグについて、厳しい規制をしています。危険ドラッグは、場合によっては、よからぬ方法で勝手に使ったりする利用者、或いは利用者にちゃんとルールを守らせるようにしないで物を売ったら捕まえるとなっています。しかし、最近ちょっと分かってきたのは、大麻がまた大復活して、かなり多くの人が利用している可能性があるというふうになりました。
 そこで、Twitter社と協力して、Twitterで警告がパッと出るという方法を考えました。例えば、私が検索して大麻をやろうと思って、スマホやコンピューターで、それらしいところへTwitterを使って行こうとしたら、バッと(資料の)右下の赤がガバッと出てきて、駄目と言われるというふうに仕組んでくれることになりました。大変ありがたいと思います。SNSを通じてこっそり入手するような人は結構いるので、この道を防ごうと思っていまして、Twitter社がまず手始めに協力してくれることになりました。仮に、今度は私が、大麻を検索するとこんなものが出てくるからそんなのを止めて、普通の検索をしていても、右の下の辺りに、すぐこの警告がポコンポコンと時々出てきて、注意を喚起するというふうになります。
 従って、大麻を買おうとして検索をかけたりしたら、後でボコボコ出てくることになります。皆さん、そんなことは絶対やめましょう。もちろん、これは危険ドラッグと違って、あっという間に捕まってしまい、皆さんマスコミのお世話になることになります。

知事監視製品の新規指定をします

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 次は、知事監視製品で、さっき言っていたような危険ドラッグの話です。本当によく出すと思いますが、次から次へとデザインを変えたり中身を変えたりして出てくるので、その度ごとに広報し、これを入手して勝手に使ったら捕まります。売る方は、例えば香料とかアロマとかにして売りますが、そういう用法ではなく、吸引するようなやり方を入手してする、或いは、そういう方法をちゃんと明示されないような形でインターネットも含めて入手して使おうとすると、捕まります。ぜひ皆さん、注意してください。

道路照明灯の電気料金の支払状況について

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 その次は、県庁のお粗末で、県民の皆さんに謝らないといけないことがあり、それが分かりましたから申し上げます。何かというと、電力会社と道路照明の契約をしています。家庭の電気だったら、使用量に応じて幾らという契約をするのですが、道路照明はそういうわけにいかないので、定額で契約して支払をしています。そうすると、状況が変化をすると、契約を廃棄して、もう使っていませんということで、お金を払ってはいけないのですが、二つのルートで、県庁が県民のお金を無駄に使って、不当に使ってしまったというのがあります。

一つは、例えば、交差点改良で照明が減った時に、減ったのだから料金を引いてくださいと、ちゃんと手続をとれば当然引いてくれたのですが、それを怠っていたのが幾つかあります。
 もう一つは、最近、道がどんどん改良されていて、旧県道の隣に立派なバイパス県道ができた、或いは二級国道もそうかもしれませんが、二級国道や県道が移ったので、旧県道は市町村道に移管した。こういうとこは結構ある。そうすると、市町村がその料金を払ってもらわなければいけないのですが、移管をした時に手続きをしなかったので、県庁がお金を払い続けていた。和歌山県全体として損したのではないのですが、県の財政、市町村の財政と考えたら、県の財政が不当に市町村の財政を肩代わりしていた。
 この二つのケースで、全体の金額は書いていませんが、バラバラに1400万円、200万円、180万円、4500万円という問題がある。特に、最後の4500万円と一番初めの1400万円が、損したところになります。不注意な行政をしていたことについて、かつ、実際にひょっとしたら取り返せないかもしれないので、県民に損をさせたことについて、行政のトップとして、お詫びを申し上げたいと思います。申し訳ありませんでした。
 もちろん、ただちに、これからは発生しないように注意していくし、ひょっとしたら返してくれるかもしれないところは、お願いしていきたいというふうに思っています。
 何でこんなことが分かったかというと、実は、大阪府で過払いしていたことが分かった。5月6日に報道があり、その時に、和歌山県にもないか、チェックをしようと担当部局が思いました。そこでやってみたら、アララうちもあったということで、出てきた。そういう意味では、自分たちで、あれっと思って自浄作用を発揮するという点ではまあまあですが、元々そういうことがないようにするのが当然なので、褒められたものではありません。ただ、隠してずっとほったらかしとか、人が何かあった時に、人に言われなければチェックしないとか、そういうことがないだけ、少しマシというのが言えるかと思います。

関西広域連合「関西 第7波を拡大させない徹底宣言」について

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 それから、新型コロナで、8月26日に関西広域連合の宣言を出しました。「第7波を拡大させない徹底宣言」というのが、いつものスタイルで出ています。もう発表されていることですが、皆さんに紹介したいと思います。

特に、今回、ちょっと変わったところですが、基本的な感染対策の徹底で、継続的な換気です。冷房を入れているのでもったいないと思って換気しないのは、結構危ないので、継続的な換気を特にうたいました。
 それから、(資料の)一番最後に、保健医療機関等の負荷軽減と出ていて、全数把握はしなくてもいい都道府県があってもいいというふうになったのですが、そこは触れてなくて、割合、全数把握する。和歌山県もですが、今まで通りやりますというところが結構あります。ただ、それぞれ大変で、医療のひっ迫を抑え込んでいかないといけない。従って、真に必要とする方に保健医療サービスを届けられるよう、症状が軽く、重症化リスクの低い方は、ほっとくわけではなく、我々は、相談窓口を利用していただきたい。すぐ救急車を呼ぶことは止めていただいて、相談窓口を利用をしていただきたい。
 それから、和歌山県もそうですが、自主的に検査ができるようになっているところがあります。それから、クリニックで陽性と判断された時に、自分で入力することも、できる人にはお願いしています。そういう、各府県市の医療・保健のひっ迫を防ぐための工夫をいろいろしているので、その協力をお願いしますと言っています。例えば、私が体調が悪いので休みたい。それは、上の方に書いているように、ぜひ休んでお医者さんに行ってくださいというのが我々のメッセージですが、企業或いは団体によっては、お医者さんの罹患証明、或いはそんなものを持って来い。或いは、家族が罹ったのですが、私はもう時期が過ぎているので、もう行ってもいいと思いますと言ったら、陰性確認を持って来い。いろいろなことで証明を求める人がいます。それは、ただでさえ大変な保健所や医療機関に来てしまうので、そういうのは止めてください。社員さんや職員さんですから、信じてあげてくださいとお願いしています。
 今度は、それをやや和歌山県流に具体化して書いたのがこれで、ほとんど変わっていませんが、最後の二つの緑色のところで、福祉保健部技監から報告している、MyHER-SYSで、自分で入力して、保健所が分かるようにして自宅療養してください。或いは、今、抗原検査キットを自由に買えるので自己検査も入れていますが、自己検査或いは登録制度を活用して抗原検査キットを送ってもらって検査して、その上(に記載)のMyHER-SYSなどに入れてもらう、或いはご連絡いただくとかをしてください。こういうことで、今、何とか乗り切ろうとしているので、ご協力をお願いしたいと思います。
 それから、この間、毎日新聞に救急車のことで、ちょっと事実と違う話が出ていましたので、皆さんに報告をしておきます。8月29日の毎日新聞ですが、「「命の選別」惑う救急現場」というのがあります。何となく、特集記事らしいセンセーショナルな話で、別に何を書かれてもいいのですが、間違いは間違いなので、間違いを三つ指摘します。
 一つは、ここが一番書きたかったことだと思いますが、和歌山県の判断で、当該問題について、不搬送という命令をしたと書いていますが、このケースについては、間違いです。実は、小さい方の病院と大きい方の病院で、医師同士で話をして、これは連れてきていただく必要はない、或いは連れてきてもらったら困ると、どう言われたかは知りませんが、それで止めておこうというふうに思われたので、これは県庁が不搬送を命令したわけではありません。
 その次に、「命の選別ではないでしょうか」と、格好いい言葉を言っています。その前に言っておかないといけないのは、県庁が不搬送を指示しないかというと、することはあります。それはなぜかというと、医療が結構ひっ迫しています。実際に、新型コロナの病床は楽なものではない。一番、命が危ない、命を失くすリスクが多い人、或いは手当てをしたら助かる人から、トリアージと言いますが順番をつけて、そうやって考えて、搬送をお願いしています。場合によって、救急車から連絡があって病院が断っている事態になった時は、そんなにリスクが高くなくて、今は、考えてみたら、もっとリスクの高い人を優先したいから、自宅に戻してください、施設に戻してくださいということがあります。これは、第二の問題として、命の選択ではありません。論理的に命を助ける順番をつけているわけで、Aさんの命とBさんの命を比べて、Aさんの命が大事だと、そんなことしているのではありません。よく、流行語で命の選択と言いますが、あれは、ほとんどの場合間違いです。一番危ない人から順番に病院に入れていかないと、キャパが無限ではないので、助かる命も助けられない。だから、不搬送をお願いすることもありますが、このケースは違う。二番目に、命の選択というのを軽々と使ってはいけませんというのが、第二の間違いです。消防士の人がそうおっしゃったのかもしれませんが、間違いは間違いです。
 三番目は、基本的に間違いです。そこを読みますと、「コロナではない発熱患者の受け入れを全ての2次救急医療機関に断られた結果、本来は重篤な患者に対応する3次救急医療機関に搬送する「禁じ手」ともいえる事態も起きている。」これは全く間違いです。一次救急、二次救急、三次救急とあります。二次救急でも駄目だという時は三次救急に行くのですが、別に禁じ手でも何でもなく、こんなことを禁じているのではありません。場合によっては、例えば、新型コロナ以外のケースで言えば、二次救急が誰も受け入れられなかったら、三次救急で何とか助けてもらうしかない。和歌山県は、三次救急を、大阪の南部、かつては奈良の南部にも提供していました。大阪の南部は今でも提供しています。だから、大阪の病院で救急を断られた人が、新型コロナはちょっと入れるわけにはいかないけど、感染症の問題がなければ、和歌山県は三次救急として提供しています。お医者さんが頑張ってくれているので、禁じ手でもなんでもありません。なんでこのような記事になったかよく分からないけど、基本的に認識の間違いがあると思いました。
 以上です。

質問と回答

産経:まず、くろしおサイクルについて確認です。県としては喜ばしいことかと思いますが、実現にあたって県がどのように関与してきたかという部分と、実現することによる期待、利用者への呼びかけというところを、一言お願いします。

知事:まず、歴史を語ると、やっぱりサイクリングをどんどん増やしていこう。だけど、和歌山県のサイクリングロードは、ものすごく広いので、往復を、サイクリングで行って帰ってくるのは大変で、泊まるか、或いは、頑張ってものすごく超人的に長時間かけて帰ってくる。それで、同じところを走るから、ちょっと楽しくないという人たちが多いというような話を聞きつけた和歌山県職員とJRで、サイクルトレインを試行的にやろうという案が私のところに来ました。それで、試行的にやるのは止めて、一ヶ月やってみますと実験なんかするなと。そんな実験をしても、こういう話が人口に膾炙するには時間がかかるから、毎日走ってないと駄目だと。特定の曜日だけちょっとやってみて様子みますと言うから、そんなことは止めて全部やれと言って、今のやり方を私が申し上げて、JRに言ったらやりますかという話になって、初めは半信半疑だったけど、結構人気が出てきて、利用者も増えた。そうすると、JRの方は、何十億円赤字があるとか言っているから、言うほどではないかもしれないけど、お客さんが増えることはいいことなので、ちょうど良かったということで、田辺-新宮で始めたものを御坊まで延長してもらって、もうちょっとやってという話を、今しています。それに味を占めたと言ったらちょっと言葉が少し悪いのですが、JRの方から、特急も使いましょうというふうに言ってもらった。これはJRの方の提案で、非常にありがたいことだから、ぜひやってください、ありがとう、というふうに、県庁としては言っています。

産経:多くの利用者も期待できるかと思いますが、そこに対する改めて呼びかけであったり、期待の部分はいかがでしょうか。

知事:多分、ちょっと利用の方法が違ってくるのではないか。普通列車を利用するのは、今日はもう疲れたから帰りは電車で帰るかとかいう、刹那主義的な利用方法だと想像します。一方、特急は多分違って、始めから片道だけ特急で最後まで行って(サイクリングで)帰ってこようとか、計画的に利用するのではないか。それを見越して、実際に、確か予約をしなければいけないというふうに思いますが、そんな感じで、ちょっと利用方法が違うのではないか。そうすると、サイクリングする人は、一律ではなくていろいろな人がいます。そのいろいろな人の中のある層に対しては、非常に魅力的になる可能性があるので、そういう人たちにどんどんPRをして、くろしおサイクルの6号車が、満員になって、みんなで楽しくやって来るというようなのもいいです。というので、我々はPRをガンガンしなければいけないということになります。

産経:道路照明の件で確認ですが、国市町へ移管した部分の4,500万円については、どうするのですか。

知事:こっちのミスですから、市町村に言ってみますが、返してくれるかな。いろいろこれから話し合いがあると思いますが、こちらの過失なので、あんまり強く臨めないところはあります。だけど、本来、我々が払うべきだったというふうに、進んで払っていただけるのはありがたいことだというふうに思います。ご迷惑をかけております。

朝日:電気料金の件ですが、国市町への移管のことで、返してくれるのだったら返してもらいたいというお願いですが、法的にはどうでしょうか。

知事:難しいです。こちらの過失で生じたことなので、そんなものを返還請求できるかという問題と、不当利得ではないですかというような話があって、不当利得で請求で法廷まで行って争うというのは、ちょっと難しいところがあります。成り行きは分かりませんが、一応、話をしてみようと思っています。

朝日:そうすると、県としてはお願いベースでちょっとお願いしてみるけど、裁判とかそういったことをしてまでするものではないし、するべきではない。

知事:そこまでは考えていません。大体、県民にとっては、市町村が払っても県が払っても同じだというところも、ないことはない。我々は、採算が違うからおかしいけど、県民まで下がっていったら同じかもしれないというところはあります。関西電力に払い過ぎたものについては、県民からすると損をしています。これはできれば返して欲しいというふうに思っているけど、これも、どういう成り行きになるか分かりません。

 いずれにしても、我々のミスでした。

朝日:原因で、関西電力による契約の変更・解除漏れというのがあります。①、②、③と原因を三つ並べていますが、県の原因でない、つまり相手側の契約の変更・解除漏れは、今回の件数の中の割合として、どれくらいを占めるのでしょうか。

知事:ほとんどないのではないですか。

朝日:ほとんどが、県の方が忘れた。

知事:例えば、関西電力にとっても、電柱がないのにお金を取りにいっていましたというのは、ある意味で、問題といえば問題です。だけど、もう撤去したから払わなくてもいいでしょうと、言う方が言わないとやっぱりいけない。そういう意味では、あんまりないのではないか。LED灯のところもそうで、料金を下げることを我々は主張できるのに主張しなかったのは我々のミスで、関西電力は、下がっているのだから取り過ぎですけどね、ぐらいは言ってくれるとよりありがたいけど、それを言わなかったからけしからんと、ちょっと責めるわけにはいかないというのはあります。

日刊工業:今回、台湾企業の誘致決定ということで、海外企業が進出してくるのは、ここのところなかったような気がしますが、誘致の経緯とかを、もう少し詳しく教えてくれませんか。

知事:我々、いろいろオールジャパンの金融機関に接触したり、何かいい案件ありませんかとやっています。そういう時に、さる金融機関からこういう話がありますと紹介してくださったのがきっかけです。それで、県の担当が、それと行って、話を詰めて、いいのではないかということで、今回のケースに至っています。

日刊工業:ここ(台湾企業)に聞くべきことだと思いますが、なぜ、和歌山を選んだのかというところは。

知事:それは、あんまりよく分かりません。我々は、この人たちに受けたかどうか分からないけど、和歌山は良いとこですと言っています。まず、関空に近い。それで、例えば、住宅、環境、教育、病院とか、そこで従業員が働くための生活のサイクルが、割と好適な環境に今あります。
 それから、本当はその二つ目に入れなければいけなかったけど、例えば、人を雇うというところでも、大都会で人を雇うのはすごく大変です。だから、和歌山だったら、まだ、それほどの大変さはない可能性があるので、和歌山でこういういい仕事をしますから来てくれませんかと人を雇いやすいことが、あるかもしれません。我々、そういうのを売り物にしているので、それのどこかがヒットした可能性があるということですかね。

日刊工業:それが、企業に響くということですか。

知事:響いていると思うけど。他の企業も含めて、一生懸命アピールしています。

日刊工業:20人近くというと、結構、大きな雇用だと思いますが、IT人材をこれだけ供給できるような環境にあるということなのですか。

知事:それはあると思います。毎年、和歌山出身の方々が、理科系、文科系でもいいですが、大学なんかに行っているし、和高専は立派ですし、工業系の高等学校はなかなか立派です。それで、自分の行きたいと思うような分野の働き場所がなかったら、和歌山で働けないけど、そういうのができて、こういう企業だったら将来自分のためになると思ったら、他所に行くのを止めて働いてくれるかもしれません。それから、大阪とか奈良とか、関西圏は人がいっぱいいます。そういうとこからも和歌山に結構来ているから、そういう点も狙えるでしょう。

日刊工業:雇用予定ですが、大きなオフィスを設置した後の雇用予定ですか。それとも、当初の雇用予定ですか。

知事:本当の当初ではないと思いますが、ビルで20人いくのか。

企業立地課長:まずは、コワーキングで進めて、事業展開に応じて、和歌山の中の大きなところに移るというようなことを想定しています。

知事:それは分かるけど、20人はどこの段階。

企業立地課長:雇用がある程度決まってきた段階です。

知事:究極の姿ですか。

企業立地課長:3年間の究極の姿です。

知事:究極の姿です。すいません。

読売:電気料金の件ですが、今判明している限りで、例えば、古いケースは、いつぐらいから過払いがあったとか、分かっているものはありますか。

知事:みんなバラバラだと思うけど、一番古いものでいつですか。

道路保全課長:まず(資料の)①のところでは、平成2年から過払いです。

知事:大分、ありました。

道路保全課長:④のケースでは、昭和39年から。

知事:ずいぶん、長い間でした。徹底的に調べたことが分かります。

読売:これは主に関西電力だと思いますが、協議は始まっている、それともこれから始めるのでしょうか。

知事:これからですかね。

道路保全課長:一部調査の段階で協議はしていますが、本格的には、原因をちゃんと究明した上で、それぞれの原因者と話をしていくので、これからです。

読売:原因①にある、関西電力による契約の変更・解除漏れは、大阪でもあったようですが、例えば、県から口頭で連絡をしたのに、関電がその手続をしなかったケースもあったりはしますか。

知事:それは分かりませんが、今のケースで、一言、言ったけど、実際にそうなっているかを、言った人は確かめないといけない。だから、言ったけどといって、責任逃れにはならない。

道路保全課長:多数までは確認できていませんが、一部、県の職員が必ず言ったけど直っていなかったものも、確認しています。

読売:では、原因③の県による契約の変更・解除手続漏れが、原因の主なものである。

知事:(契約変更等を)言わなかったというか、道路を作ることは一生懸命やったけど、道路の横に電柱が立っていて、そこで電気代を払っていたというのを忘れていたというのが多いのではないですか。それを嬉しそうに言ってはいけないので、そんなことはあってはならないことです。

NHK:第7波についての呼びかけなどもあったと思いますが、昨日までの時点で、前の週の同じ曜日と比べて、6日連続で感染者数は減少していると思います。今の感染状況をどのように思っていますか。

知事:現場に聞くと、ちょっと減ってきたという感じがある。これは、各県別に比べないと、他所と比べると無茶苦茶になる。NHKなんか、特に全国放送でやると、(各県の)把握率がめちゃくちゃ違います。和歌山、鳥取、島根、徳島とか、ああいうところは、完璧に一生懸命把握しようとしているから、時系列で縦に比べていくと減った増えたは分かると思います。そういう意味で、和歌山はがっちり抑えようとしていて、漏れはないと思いますが、そういう中で、ちょっと減ってきたというふうには思いますがというふうには言っています。ただ、毎日クラスターも出ているし、これから学校が始まるので、学校はうつりやすい。それがまた家庭に入ってというと、大変なことになる可能性がある。それから、お年寄りや病院にも、随分感染が入っているので、その方々の命がなくなっていくということが、すごく心配です。まだまだ油断はできないと思います。

NHK:先日、全数把握を継続すると言われています。8月19日の知事からのメッセージの中で、全数把握に関して一番大事なのは、今そこにいる患者を救うことと、感染の拡大防止を図ることで、報告業務に手がかかるので本業ができないのなら、全数把握を省略することは理解できるという、一定程度理解されるお話をされていたと思いますが、最終的に全数把握という判断をされたのは、どういった思いからですか。

知事:それは、全数把握といっても全数報告の方で、全数把握というのはほんとに難しい。勝手に全数把握を止めているところがある。つまり、全数報告はもちろん止めているけど、全数把握をせず、軽症者は来ないでくれといって、勝手にやっていて、どこに軽症者がいるか分からないから、NHKのデータにも入らないという県がいっぱいあって、感染(数)がものすごく減っているように見えます。あれは無茶苦茶ですが、そういうことではなくて、全数報告です。例えば、全数報告を止めることによって、どこが助かり、何が却って困るかということを、徹底的に分析してもらいました。そうすると、和歌山県では、ちゃんときちんとやっていて、入力が手間だったら、実は入力業者に頼んだりしているので、別にそんなにそこが大変ではありません。逆に、きちんとそれを把握しておかないと、つまり、HER-SYSに入れて分かるようにしておかないと、いつどこでサドンアタックが来るか分かりません。
 そうすると、先ほどちょっと言いました、入院調整とか、ああいうところがものすごく困難になってきたり、大混乱が起こったりする。それから、お医者さんも入力の手間は大したことないけど、一方、それを止めることによって、陽性と判断した人の面倒を見る責任が発生してしまう。大したことないから自宅療養ですねと帰った人を、保健所が把握していないから、お医者さんが、例えば、高熱が出てきたので助けてくれといった時に、大慌てで救急車を呼んであげたりしなければいけないけど、どのぐらいどう悪いのかという先ほどのトリアージなんか、お医者さんができるわけない。そうすると、大病院との間で大混乱が生じる。だから、そこはちゃんと科学的に保健所がやって欲しいという気持ちがあるから、初めから届けといた方がいいという考え方が強い。

ですから、どっちが得か、どっちが現実的に良いかを考えたら、政府の考えてくださったことにケチをつけるつもりはないのですが、和歌山県は採用しないほうが得だというふうに思ったということです。
 それは、また次のメッセージに、皆さんにも言ったけど、もう一回文章にして書いています。

産経:もう少しで、紀伊半島豪雨から11年になります。この11年という月日も踏まえて、ご所感をお願いします。

知事:もうあっという間に、11年かというふうに思いまして、今でも思い出すと、ちょっと恐怖に駆られるところもあり、もう一つは、あの時に、恐怖に駆られながら、必死になって現場対応した。その現場対応をほったらかしておくと、次はできないかもしれない。同じ仁坂という知事がいないかもしれない。もっといろんなことを考える人はいるかもしれないけど、逆に、私が考えて行けと言った話が、全部なくなってしまっている可能性がある。それはものすごくまずいので、考えた工夫は全部常備軍化していて、今度は忘れないようにしなければいけない。常備軍が、ちゃんと、いざという時にパッと自動的に動き出すような熟度を高めておかないといけない。それが、今一番大事なことでしょう。
 今、県庁の制度として言いました。しかし、一般県民の方も、逃げる方の主体で、その時に上手く対応するのは県民の方なので、避難などなどの熟度を高めておかないといけない。それは、訓練を時々したり、いろいろなことで熟度が落ちないようにしておくのが、大事なことというふうに思います。

毎日放送:安倍元総理の国葬について、和歌山県庁として弔意を示す予定はありますか。

知事:弔意を示す予定はあります。それで、何を答えたらいいでしょうか。

毎日放送:あるならば、具体的に何をする予定か、教えていただけますか。

知事:まず、国葬に参加をする気持ちがあるかということですか。

毎日放送:それもあります。

知事:それについては、全国知事会から、まだご招待が正式にない。ない状態で、つべこべ発言してはいけませんというふうに全国知事会から言われているので、確たることは言えません。ただ、個人的に私の気持ちを言えば、国葬があり、通知が来たら、それは行かしてもらいたいというふうには思います。ただ、議会との関係で調整をしなければいけないと思いますので、そこは議会のご意向も踏まえて、決定されるでしょう。

毎日放送:知事会との間で、勝手なことは言えないということですが。

知事:言ってはいけませんということです。私が言えないと言っているのではなく、言ってはいけませんと命令されている。

毎日放送:言ってはいけないということですが、もし、そうなった場合に、国葬での弔意に関して、何らかの通知を出す予定はありますか。

知事:通知ですか。国葬に対して、和歌山県が通知を出すのですか。

毎日放送:弔意に関してです。

知事:それは、何らかの工夫をして、和歌山県として当然いろいろやると思います。すでに、記帳なんかもしたかな。

知事室長:しました。

知事:国葬の当日に何らかのことはすると思います。

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