知事記者会見 令和5年3月28日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和5年3月28日 知事記者会見

令和5年3月28日 記者会見室

ANA客室乗務員が県庁職員として兼業します!

PDF形式を開きます資料1(PDF形式 195キロバイト)
 それでは、定例記者会見を始めます。お手元の資料の順番で説明します。
 全日本空輸株式会社の客室乗務員に、県庁職員として兼業していただくということで、前からある制度です。今回は、木村静香(きむら しずか)さんが、企画部地域振興局移住定住推進課へ配属になり、1年間の任期で、新規採用です。武田真奈(たけだ まな)さんが、商工観光労働部企業政策局企業振興課へ配属になり、新規採用です。石澤藍(いしざわ あい)さんが、環境生活部環境政策局環境生活総務課ジオパーク室に配属になり、令和4年度に引き続いて2年目になります。辞令交付式は、4月3日月曜日13時から知事室で行うので、取材等をお願いしたいと思います。
 これは、新型コロナで、全日本空輸株式会社の社内事情もおありの中で、県として、ぜひ民間のいろんな能力の高い方に来ていただくというのが、上手く合わさってできた制度だと聞いています。実際、私も去年12月に就任してから眺めていると、やはり、県庁の中に新しい風というか、客室乗務員としてのおもてなしの心で情報発信をしていただく業務にそれぞれ携わっていただいていて、大変良かったと思っています。
 もうひとかた、全日本空輸株式会社から、佐野秀史(さの ひでふみ)さんに来ていただいていて、ちょうど丸々2年経ちます。令和3年4月から、一般職の任期付職員として採用させていただいて、商工観光労働部企業政策局企業振興課主幹で働いていただいています。2年経ちましたが、来年1年も、こちら(県庁)で働いていただくことになっています。私も、佐野さんと何度も一緒に仕事をしていますが、やはり、民間企業で培ったいろんなセンスの良さなどが、ものすごく県庁にとってプラスになっていると思いますし、周りの職員にも良い影響をもらっているというふうに思います。そういう意味では、和歌山県庁の改革を掲げている私としては、民間の方に来ていただいて、県庁の職員に刺激を与えていただくのは、大変いいことだと思っています。
 そういうことで申し上げると、県庁の人事の仕組みを抜本的に改革していきたいと思っています。例えば、今、中途採用の年齢が35歳までになっていますが、そういうことを取り払って、幅広く中途採用の方を大規模に採用していくようなことはどうかというようなことも、今、宿題として出しています。そういう意味では、採用試験を無くすとか、いろんな議論を始めたいと思っていて、人事について、後程ご質問もあるかと思いますが、4月1日の新年度に向けて内示が行われました。前から申し上げているとおり、今回の目玉は、地域振興監と人事委員会事務局長の人事です。私がやりたい、振興局の改革と人事制度の大改革を、二人のエースに担っていただきます。ここに一人いるのでなかなか言いにくいのですが、WBCのように、県庁にはエースがたくさんいます。中継ぎもいればリリーフも抑えもいますが、地域振興監と人事委員会事務局長は、ダルビッシュ選手と大谷選手というぐらいのスターが行くので、ぜひマスコミの皆さんもご期待をして見守っていただければと思います。

県内事業者の皆様へ 令和5年度支援策の一覧を作成しました!

PDF形式を開きます資料2(PDF形式 132キロバイト)
 もう一つは、毎年やっていますが、県内事業者の皆さんに、国の補助金或いは県の補助金制度の一覧表を作りました。ホームページにアップしているので、ぜひ、県下の事業者の皆様にこれを見ていただいて、自分の事業に役に立つようなものがあれば、県庁にお問い合わせいただければ、担当職員が親身になってお手伝いをしていきたいと思っています。
 以上です。

質問と回答

産経:客室乗務員の兼務についてです。民間の方に来ていただくメリットは説明いただきましたが、もともと、ANA側としては、新型コロナ禍の業務減退という背景がある中でということがあったと思います。今、観光業界が復活している中で、来られる方々も少なくなってくると思いますが、今後、ANA以外の企業さんとかでも広げていくような考えはいかがですか。

知事:おっしゃるとおりで、これは任期付きで一年毎の約束です。令和5年度は、全日本空輸株式会社からも兼業という形で派遣していただけることになりましたが、令和6年度については、その時の全日本空輸株式会社のビジネス環境の問題もあると思っているので、とりあえず、令和5年度はこういう形です。
 令和6年度以降は、全日本空輸株式会社に限らず、いろんな民間企業の方々とも接触をして、条件が合えば派遣していただきたいと思いますが、それぞれ人手不足が、これからどこの企業も常態化してくるので、さっき言いましたように、民間の力を取り入れるためには、やっぱり中途採用を大規模にやっていくことがメインになっていくのではないかと思っています。逆に、これまで、研修制度で一ヶ月だけ民間企業に県庁職員を派遣することもやっていましたが、これはいろいろ検証していて、あまり効果がない。一ヶ月だと、お客さん(扱い)で、本当の民間事情が分かるわけもないので、そういうのは止めたらどうかという議論を、今、始めています。
 従って、官民の交流については、全く新しい段階に入っていると思うので、まさにトライアンドエラーで模索をしていきたいと思いますが、基本的には、皆さんもそうだと思いますが、出向という形だと、やっぱり生ぬるいので、どうもそういうことではないのではないか。前から申し上げているように、県職員も、早期退職の方が大変多くなっています。若い方々に転職するなと言っても、価値感が違うので、官民の人事交流というか人事の流動化は、所与のものとして、我々もそれに対応することをどう考えていくかだと思います。それは、皆さんが所属する企業も全く同じ状況だと思うので、その意味で、人事委員会で、抜本的に県庁の人事の在り方を変えていきたいということです。

産経:重複するかもしれませんが、人事委員会の来年度の改革で、必要性の背景として、県庁の採用制度で、今、何が足りないという問題意識は、どういうところですか。

知事:足りないというか、今の世の中の状況に対応していないところが多いと思います。だから、いわゆる、県庁職員の採用試験の在り方では、ペーパーテストをやっている企業は、今はそんなに無いので、ペーパーテストで採用することに意味があるのかというような抜本的な問題。或いは中途採用の方をもっと採りやすくするため、中途採用で入った方の処遇をもっと良くするなど、いろんなことを考えていかなといけない。社会の環境が変わっていて、どこの一流企業でも、入った人のかなりの数が3年以内にお辞めになっていて、それはもう変えられない。或いは、年功序列制度も、霞が関ですら変わってきているのに、やっぱり県庁も変えていかないといけないと思います。
 さらに言うと、20代は入ってからずっと主事です。霞が関だと、25、6になると係長で、責任ある仕事を与えられて、20代後半でもバリバリと仕事ができる。そういうふうに県庁がなっているのか、なっていないのか。私としては全く白紙の状態なので、全部、人事委員会の方々、或いは人事課の皆さん、或いはそういうことを経験された方々で、しっかりと検討していただいて、今の社会情勢に合わせたように、人事の採用も変えていくことをお願いしているところです。

読売:発表項目外ですが、昨日、串本古座高校の宇宙探究コースのカリキュラムの素案のリリースをいただきました。これに関して、期待感、どんな人材を育成したいというところがありましたら、教えていただけますか。

知事:二年後ぐらいからの募集になりますが、ぜひ、串本のロケット射場ができたことと併せて、宇宙に対する興味がある高校生の皆さんには、全国から応募していただきたいと思います。そのためのカリキュラムは、大変、斬新なカリキュラムになっていますし、全国から来た場合の寮の在り方は、串本町の皆さんとよく相談しながら、できる限り、全国から保護者の皆さんが送り出しやすいような状況の受入体制をどうやって構築していくかについて、県庁挙げて取り組んでいきたいと思っています。

毎日:中途採用の件でお聞きします。民間から来た人が県庁で働くにあたって、県庁が受入側になると思いますが、今の県庁の仕組みや風土などで、中途採用の人がより活躍できるために、改めないといけないようなポイントや、県庁が抱えている課題みたいなものは、何かお考えがありますか。

知事:予断を持って申し上げることはできませんが、民間で働いた年数をどのようにカウントするかについて、もう少し柔軟であってもいいのではないかというふうに思っています。場合によっては、民間で働いた年数をより重くカウントすることがあってもいいし、民間で管理職をやっていたような方は、最初から管理職で働いていただいてもいいのではないかなど、いろんな課題はあると思っています。それも含めて、人事の担当者の皆さんで、よく研究してもらって、前に進めていただければと思っています。

毎日:確認ですが、知事としての大きな方針としては、中途採用を増やす流れに持っていくのですか。

知事:そうです。だって人が足りない。実際、技術系の方は人手が足りなくて困っているので、どんどん中途採用の方の処遇を良くして、入っていただきたいと思っています。

毎日:統一地方選が今週告示されると思いますが、今のところ、県議会選に関して、14選挙区中9選挙区で、無投票になる公算が大きいという予測です。そうすると、過去一番多いことになろうかと思いますが、こういった状況、どうしてなり手がなかなか見つからないのか、その理由の部分を、岸本さんとして、何か分析しているところや思うところはありますか。

知事:私自身、これまで17年間、18年間、和歌山市の中での草の根の政治活動で、ようやく、去年の知事選を通じて全県を回ってきています。その中で、県会議員のみならず、市町村の議会議員のなり手が少ないことについては、いろんな原因もあると思いますし、これから勉強していきたいと思いますが、やっぱり、処遇の問題。それから、政治そのものに対する有権者の皆さんの期待感とかが、かなり下がってきていることもある。まだ、国会議員だと定数が割れることはありませんが、ざっくり言うと、普通の人生を歩んでこられた方々が、落選のリスクを負って立候補して(議員を)やるかというと、なかなか、若者たちが目指すような職業ではない。これもちょっと前の報道で見ましたが、子供たちに、なりたい職業を聞くアンケートがよくありますが、政治家は100番台で、タトゥー師の次でした。もちろん、タトゥー師は立派な職業ですが、(政治家は)100番以下です。それは、まさに、国民の政治に対する評価が、地方議員も含めて、なり手が少ないということになってくるのではないかと思っています。
 ある意味、私も含めて、政治家は変わった人がなるものです。怪しいとまでは言いませんが、変わっています。それはおかしいので、私は、できるだけ普通の人が普通に挑戦して、市民目線で議会の民主主義を進めていくような世の中にしたいと思って、ずっとやってきました。私自身、街頭で立ち続けたのは、政治家は怪しくない、ひたすら自分の信念を街頭で訴える、そういうのが政治家だというのを、和歌山の子供たちにぜひ知って欲しかったというのもありました。

だから、できれば、今、知事になったばっかりなのであれですが、少し業務にゆとりができれば、和歌山県下で、政治家を目指すような人たちを育てるような活動が何かできないか。小学生でも中学生でもいいし、或いは20代、30代の方々で、今、まちおこしをやっている方や移住定住で頑張っていただいている方など、地域のパブリックなものに関心のある人たちはたくさんいます。そういう人たちの中から、議会へ進出する方を増やしていけるようなことも、何か応援できないかとは思っています。

時事通信:発表項目外で、先日、文化庁が京都に移転されましたが、その受け止めと、中央省庁の地方移転について、知事自身はどのようにお考えになっているのか、聞かせていただけますか。

知事:文化庁が京都に来たら、大変喜ばしいことだと思っているし、和歌山県からも職員を派遣しています。まさに、京都という伝統ある地へ、文化庁の8割ぐらいの業務が移られると聞いていますが、大変歓迎したいと思いますし、和歌山も、統計部門に来ていただいて、県庁ともコラボ、或いは和歌山県下の大学とも協調していて、総務省の統計部門の一部が和歌山に来てくださったことは、ものすごい効果が出ています。和歌山県としては、中央省庁の移転の恩恵を受けている県で、まさにリモートで仕事ができる時代なので、他の県にも、中央省庁がいろんな形で拠点を移される(のはいいことです)。
 もう一つは、やっぱり、首都直下型地震のリスク分散ということもある。実際、皆さんは若いからご存知ないでしょうが、首都移転の国会決議はある。首都移転の候補地は3ヶ所あって、首都移転することになっていた。それが、なにか有耶無耶になっていますが、首都移転ぐらいのことは、やっぱりこれから真面目に考えていただきたいと思っています。

NHK:人事の話です。知事室長がいる前ですが、今回、地域振興監が目玉ということで、地域振興監をどういった観点から選ばれたかと、どういった活躍を期待されているかの2点を、教えていただけますか。

知事:どういった観点からというのは、栗山監督が、ダルビッシュ選手や大谷選手を起用したのと全く同じです。何をやるかは、全面的にお任せしています。次の地域振興監がやりたいようにやっていただく。

NHK:地域の活性化に繋がれば、何でもやって欲しいみたいな形ですか。

知事:全幅の信頼を置いていますから、全てお任せします。

NHK:今回、振興局長もいろんな方を任命されていると思います。やっぱり、振興局長も、すでに幹部でいらっしゃるかもしれませんが、今後の幹部を養成するという観点から選ばれていますか。

知事:それは次の段階です。これも人事の問題で、今は、本当に偉い方がなっていますが、できれば登竜門にしたいと思っています。要するに、50代前半から半ばぐらいの方々を振興局長にアポイントして、そこで2、3年、じっくりと地元の方と膝を突き合わせて地域振興ができる方の中から、次のステージに行く。県で言う部長職は、振興局長として成績の良かった方を抜擢するような人事ローテーションもあるのではないか。さらに、30代、40代で一度は振興局へ出る。仕事のできる中堅の有能な方に、振興局へ出ていただくようなこともしていきたいと思っています。地域(の)振興局を中心に、人事のローテーションを回していくようなことは、今後していきたいと思っています。
 今回は、私のできることは限られていたので、まさに、部長級の優れた能力のある方になっていただいて、内々示をさせていただいた時に申し上げたのは、部屋にいるのは止めてほしい。知事の代理というか営業本部長なので、ともかく管内を走り回って、いろんな情報をもらったり、いろんな相談に乗ってもらったり、ともかく県庁の顔として走り回ってくださいと申し上げたので、そういうことを期待しています。

NHK:走り回ってくださいということですが、それによって、県にどのような効果が出てくることを期待されていますか。

知事:一つは、地域(の)振興局を飛び越えて、地域の方々、市町村長、企業経営者の方、いろんな団体の方が、県庁に対して直接いろんなことを持ち込まれるケースが、昔に比べて多いと聞いています。そうではなくて、振興局が窓口になって、相談して、いろんな仕事ができる。それで、振興局が、逆に地域の方の味方になって、県庁の本庁と戦うというのは変ですが、いろんな制度を変えたり補助金をもらうことについて、振興局が、市町村側に立って県庁とやり合うような、そういう機能を充実させたいと思っています。今はスルーされるようなことが多いと聞いているので、振興局が中心になるような行政に変えていきたいと思っています。

朝日:3月18日に、ネットメディアのデイリー新潮が、衆院の和歌山1区補選に関する記事の配信をしている中に、岸本さんが自民党に入党されたというような記述がありました。その後、22日に、岸本さんの代理人から、事実と違うという申し入れがあって、24日に訂正されていますが、県民の中には、岸本さんは自民党に入ったのかというふうに思っている方もいるようです。その辺、事実関係の確認として、教えてください。

知事:事実関係としては、(自民党に)入党とした事実は全くありません。従いまして、デイリー新潮に対して、私の顧問弁護士から、内容証明郵便で訂正をお願いして、訂正されたということです。自民党に入党したことは、皆さんはご存じだと思いますが、一度もそういう事実はなく、去年5月に離党して以降、私はずっと無所属で来ています。どういうことか分かりませんが、裏を取らずに先走った報道があったので、淡々と手続きを取ってやったというだけです。良い機会ですが、私はずっと無所属なので、ご理解よろしくお願いしたいと思います。

朝日:人事の件で、田嶋理事の担当名が、IR担当から地域プロジェクト担当に名前が変わっていました。4月以降、IRに関して、県庁の組織としてどういう組織体制にするのか変更があったのかというふうに疑問に思ったのですが、その辺はいかがですか。

知事:昨年、私が就任する前に、IR担当の業務は無くなっているというふうに理解しています。ただ、理事の任命をする時に、IR担当を付けて任命されていたようなので、それが、この4月1日に、新たに理事として、後追いで任命しているものが取れた。事実関係としては、もともと、県議会で否決された後、(IRの)業務をしていないということです。田嶋理事は、大変有能な方なので、まさに、県有地の売却の問題等で、大変大きな課題を抱えていますが、今後は、そのことを主に担当していただく。これも、県にとっては、相当、財政的なインパクトのある話で、また田嶋さんからでもレクチャーを受けていただければいいと思いますが、県の財政がひっくり返りかねないぐらいの大きな課題を、来年度、我々は抱えています。田嶋さんに、主にその問題をやっていただくということで、担務はそうなっています。

朝日:細かい確認ですが、田嶋さんの地域プロジェクト担当という中に、IRも含まれるという理解なのか、含まれていないという理解でいいのですか。

知事:現在は、含まれていません。ただ、政府が、新たに(IRを)応募することがあれば、その時に考えます。田嶋さんは、そういう意味ではノウハウがあるので、その時には、新たにそういうことをしていただくこともあると思いますが、具体的に申し上げると、コスモパーク加太の公社所有地の問題が、大変な課題です。和歌山県財政がひっくり返るような課題なので、これを主にやっていただくということです。さらに言うと、私は、例えば、教育の問題では、高校も、工業、農業、アート、体育など、いわゆる専門の学科の高校を、統合ではなくたくさん作っていきたいという夢があるし、りら高校或いはきのくに国際高等専修学校や、今度、また中辺路にバカロレアの基準を取る小中一貫の学校ができるような動きもあります。そういう新しい中で、将来的にはインターナショナルスクールのようなものも考えたいと思っているので、そういうことも含めて、少し田嶋さんには考えていただきたいと思っています。

関連ファイル

このページの先頭へ