知事記者会見 令和4年5月17日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年5月17日 知事記者会見

令和4年5月17日 記者会見室

和歌山県立医科大学医学部入学選抜における 特別枠(産科枠、不足診療科枠)の設置について

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 発表事項は、前々から言っておりましたが、県立医大の入学制度に、産科など不足科目の特別枠を、具体的にこんなふうに作ります。資料にありますが、令和5年度の募集定員は100名で、県民枠は20名です。その中は、もともと(令和4年度は)学校推薦型5名、一般選抜型15名ですが、それぞれ、学校推薦選抜の中で3名程度、一般選抜の中で2名程度を、特別枠にする。正確に言うと、推薦のところに、産科枠を持ってきて3名程度、特別枠も一般選抜のところに2名は不足診療科枠にする。全部で5名を別枠にして、特に、産科、小児科、精神科とか、不足している診療科の人達を組織的に養成していく。これが第一点です。

 第二点は、書いていませんが、考えてみたら、和歌山県だけの話では全くなく、もっと深刻な県がいっぱいあります。特に、産科は本当に全国的に深刻で、どの県でも人を集めるのに苦労していると思います。私たちは、特別枠の制度で、和歌山県の県民枠の中で工夫したということですが、国に対しては、そうではなくて、例えば、もともと地域枠をいただいていますが、地域枠をさらに増設して、産科については全国的にたくさん養成しようと、お決めになった方がいいのではないか。特に、少子化対策を一生懸命やると、国も、和歌山県も言っているわけですから、産科がなくて分娩ができませんというのは、笑うに笑えない話になります。産科の特別枠でも作って、産科の人材を豊富に供給できるようにしないといけないのではないか。これは、国に対して要望していきたいと考えています。

令和4年度(第40回)土砂災害防止「全国の集い」を開催します

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 話題事項になりますが、令和4年度土砂災害防止「全国の集い」を開催いたします。主催は、国土交通省と和歌山県の共催です。投げ込みで皆さんに資料を提供していますが、今日は報告をしたいと思います。6月1日に紀南文化会館の大ホールで、大々的なシンポジウムをやる。基調講演とパネルディスカッションです。それから、6月2日は田辺市のいくつかで現地研修会を行います。取材される方は、紙を書いて出してください。最後に、パンフレットがついていますが、裏側を見ていただきますと、全国治水砂防協会の岡本正男(おかもとまさお)副会長に基調講演をしていただきます。その後、パネルディスカッションで、コーディネーターにNHKの松本浩司(まつもとひろし)解説主幹。県もいろいろお世話になっている先生ですが、京都大学防災研究所の藤田正治(ふじたまさはる)教授。それから、廿日市市の白水浩(しらみずひろし)宮島支所長、この方は知らないのですが見識のある方でしょう。和歌山県の森川智(もりかわさとる)砂防課長。コメンテーターに国土交通省の三上幸三(みかみこうそう)砂防部長が参加してくれます。久しぶりに、和歌山での全国的な催しです。

熊野川総合水防が開催されます

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 その次は、5月28日土曜日に、熊野川総合水防演習を、国交省が中心で自治体も協力して行います。紀伊半島大水害から10年を経て、熊野川の河川整備計画ができて、これから、あの水害レベルだと何とか溢水などがしないように止めましょうというぐらいのところまで計画はできていますが、今後、実行していく。すぐには、できないので、同じようなことが起こった時に、どうやっていろいろ頑張るかということです。これについては、パンフレットの裏を見ていただきますと書いていますが、水防訓練、氾濫発生を想定した救出・救護訓練の2つがあります。川が壊れないようにいろいろやりますが、例えば、洗掘の防止とか、そのような時にはこんなふうにするというようなことを訓練してみせる。それから、避難訓練が出てくる。それから、氾濫が起こってしまったとなると、救出をしたり、緊急の排水をしたり、TEC-FORCE(テック・フォース)が来て、いろいろ検査をするとか、そういうことがあります。そういうことを、実際に災害が起こってしまったらどうするかを、皆で訓練をするということです。全体としては、2時間半ぐらいでやります。

一般国道42号新宮道路の用地幅杭設置式が開催されます

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 (熊野川総合水防訓練と)同じ日に、登場人物が同じで、5月28日土曜日の午後から、ちょっと前に事業化をしていただいた新宮道路ですが、用地幅杭設置式を行います。場所は、ちょうど新宮道路が上の方を通ることになる、新宮市立(総合)体育館で行います。用地幅杭式で、いろんな挨拶をしたり、説明をしたり、これから頑張りましょうといって土盛りをして、杭を打つというようなことが行われます。この道路がなぜ必要かは、お手元の資料の中に述べています。

 以上です。

質問と回答

NHK:県立医大の特別枠ですが、改めて、県内でどういった背景があって、どういった狙いで設置するのか。

知事:県内どこでも、分娩を行ってくださる産科のお医者さんが随分不足している。クリニックも、民間の病院もありますが、それでもあまりたくさんないし、最後頼りになるのは、地域の拠点病院です。そういうことで、何とかもたしていたが、少し前に、新宮市民病院(現在の新宮市立医療センター)と有田市民病院の両方とも、分娩ができなくなりました。つまり、やってくださっていたお医者さんが色々な事情で退職したりして、(対応が)できなくなり、分娩停止がしばらく続いたのです。ただ二つの病院の特殊な状況でなく、全国的に、分娩を行う産科のお医者さんが圧倒的に不足しています。それで、新宮医療圏や有田医療圏の分娩ができないことになったら、「皆さん、赤ちゃんを産んで育てましょう」なんて我々キャンペーンをしているけど、そういうのがちょっとおかしくなります。そこで、ものすごい苦労をして、二つとも、いろんな手だてをして、お医者さんを集めてきて、お金もたくさん使って、今、ようやく分娩が再開できるようになったところです。

だけど、抜本的に対策をうっておかないとまずい。新宮に着目した時に、実は、三段構えで対策を打っているわけです。

一つは、直接、新宮に来てくださいませんか、有田に来てくださいませんかという、お医者さんをリクルートする。そのために、いろいろお金もかかるので、そのお金も県費で出して、努力をして、リクルートしてきたというのが第一です。

第二は、県立医大の養成の中で、産科がかなりウィーク(弱い)です。それで、ほうっておくと、産科に来てくれる若い人達がいなくなるので、ちょっとまずいということで、県立医大の産科に、寄附講座に近いようなものを県のお金で作って、そこで研究もしてください、必要な時には不足のところへ行ってくださいというような要員を確保しておこう。これが第二の構えです。この二つはすでに実施しています。

第三の構えは、もうちょっと時間はかかるけど、若い人たちを養成していかないとまずいので、義務付きの特別枠になります。無事に県立医大に入れたら、医師免許を6年で取り、初期研修2年。その後、今ある県民枠、地域枠と一緒に考えると、県内の病院でおそらく9年になると思いますが、義務年限のところだけは、和歌山県立医大ないしは和歌山県の要請に応じて、地域拠点病院の産科医として勤務してください。期限が切れたら義務がなくなるので開業をしようと構わないのですが、その間はやってくださいという人を作っておこうというふうに、三段構えで考えた。

この三段目の具体的な姿が、今日発表したものです。

NHK:全国募集で、いろんな方が受けられると思いますが、どういった人に来て欲しいというか、呼びかけというかがありましたら。

知事:医師として、特に産科の医師不足で、人々が困っているのだから助けてあげようというのが、仁術としての医学だと思うので、そういう志の高い人に、ぜひたくさん受けてもらいたいというふうに思います。

NHK:和歌山南陵高校で、給料未払いによってストライキが行われて、授業が行われなかったと思いますが、それについて知事の受けとめを教えてください。

知事:学校経営というのは、生徒第一で考えてもらわないといけないので、生徒に負担がかかるようなストライキは、好ましくないことは明らかです。だけど、先生方も人間だから、給料未払いがずっと起こっているわけですから、それは、やっぱり経営をしている企業というか機関が、もっとちゃんとやってくれなければ困ります。和歌山県は、激しく学校に対して、今、申し入れをして是正のお願いをしているというとこです。

毎日新聞:(医大の)入学選抜の件で、先ほど知事もおっしゃっていましたが、国への要望をこれまでも様々されてきたかと思いますが、今の現状を踏まえて、新たに要望していきたいようなことはありますか。

知事:新たに要望というのは、我々は、自分が持っている県民枠の中を少し犠牲にして、特別枠を作って、養成をしようとしている。考えてみたら和歌山県の特殊事情であれば、そういうこともあるかもと思いますが、全国至る所で産科医が不足している。そうすると国も本腰を入れて、恒久的な対策を考えていかないといけない。地域枠は僻地や、医療過疎のところへ行っていただくような方を養成しようというのが趣旨ですが、国は例えば、臨時枠として地域枠を持っているわけで、いろんな科目があるけど、特に、困っているのが産科であるとすれば、地域枠に相当するような別枠を設けて、全国で産科医をプラスアルファで養成するということをやった方がいいのではないかと思います。和歌山県としても、国民としてもそう思います。前々からこれは要望していましたが、今回も要望の季節なので、特にそれは強く言っていきたいというふうに思います。

毎日新聞:これまでの説明の中で、特に産科の話でしたが、今回の中では、③の医療枠Cのところで、小児と精神もあるけど、そちらの二つに関しても。

知事:この間の新宮市民病院(現在の新宮市立医療センター)の分娩停止みたいなことにはなっていないのですが、やっぱりずっと、精神科と小児科は不足気味だと思っていた。ちょっと正確でないかもしれませんが、その科目を選択した人に対しては、奨学金という形の少しインセンティブを差し向けてあげましょうという制度を作って対応してきたのですが、それだけだと不十分なので、枠としても作ったらいいではないかと思って、これも加えさせてもらいました。

毎日新聞:南陵高校の件でお聞きしたいのですが、先ほどのお話で、現状厳しく是正を申し入れているとうことでしたが、今後、和歌山県として、どのように指導なり対応されていく方針でしょうか。

知事:今、申し上げましたことしかできません。とにかく、学校経営をきちんとして、給料の遅配なんかをしないで、生徒本位の教育をきちんとしてくださいということを、言い続けるしかないと思います。

朝日新聞:産科の特別枠ですが、仮定の話で、知事がおっしゃったように全国的に非常に産科医が不足していると、おそらく、若い志望者の奪い合いになるかと思うのですが、この枠を取れるという勝算はいかがでしょうか。もし、枠が埋まらない場合はどういうふうな対応をされるのでしょうか。

知事:それは、あまり良い創造力でないと思います。ちょっとレベルの違う話が頭の中で混乱していませんか。まず、今ある産科医に和歌山へ来ていただこうと思ったら大変です。奪い合いと言ったらおかしいですが、本当に来ていただくためには大変なので、お金も使って来ていただいているのが現状です。一方で、これからお医者さんになろうという人は、医学部の志望者はすごく人気があります。その中で、産科は特別に和歌山県でとってくれるということになると、志のある人で医学部を志望する人で産科もいいと思う人が、たくさん来てくれるのではないですかと思います。

現状では、医学部に合格したら産科よりもあっちの方がいいという人は多いと思う。だけど、医学部に入れるのだから、じゃあ産科も行きましょうという人は、ものすごくたくさんいると思います。という創造力ではないかと思います。

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