知事記者会見 令和4年2月8日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年2月8日 知事記者会見

令和4年2月8日 記者会見室

株式会社隈研吾建築都市設計事務所との包括連携協力に関する協定の締結について

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 今日は、会見事項は少ないのですが、二つとも隈研吾さんとの話です。

 一つは、隈研吾建築都市設計事務所と包括連携協定を結ぶことになりました。2月16日に、先方へ行って結んできます。

 何を協力してあげようと言っているかというと、地域特性を活かしたまちづくり・地域づくりに協力しましょう。それから、産業の振興、それから、教育・人材育成に関することです。

 ちょっと何のことか分かりにくいですが、この間も行って話をしてきました。隈さんは、やっぱり、人間の生き方で、高層に高層にというか、高いビルを建てて、その中でみんなまとめて住むというのはちょっとどうか、できるだけそれはなくしていった方がいいのではないかというような考え方を、強く持っておられます。そういう意味では、和歌山のような、平面的な余裕のあるようなところを、どういうふうにして、魅力あるところにしていくかが大事だろう。

 そういうことを考えると、町でも地方でも、いろいろやることがあるのではないか。今、有田市が、隈研吾事務所に、今度統合される、有田市の中学校の校舎の設計を依頼して、私もどんなものになるのかよく分かりませんが、立派なものができるであろうというふうに思っています。その中で、こっちに来てくれた事務所の人が、和歌山はとっても良いところだと、隈さんにいろいろ情報を提供してくれて、隈さんも、そうかという話になって、もちろん、自分も何度か来たことがあるので、そうだなということで、協力してあげようということになりました。

 まだ、具体的になっていませんが、有田市の中学校以外でも、例えば、設計とか再建とかで協力して、良いものにして、魅力あるまちづくりをしていこうというようなことも考えてくれているし、具体的に設計でそういうことをしてくれなくても、いろいろな情報提供や発信で、和歌山にとって役に立つようなことをしてあげようという気持ちはあります。そういうことについて、包括協力協定を結ぶことになりました。

 取材登録書がいるそうで、よかったら皆さん書いてください。東京のお仲間に頼んでもいいかもしれません。

世界的建築家の隈研吾氏をお招きし、東京で企業誘致・転職なき移住フォーラムを開催します

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 その最後に言ったことの一環で、東京で、企業誘致・転職なき移住フォーラムを開催します。2月28日で、新型コロナが収まっているといいのですが、新型コロナがある程度あってもやります。もちろん、感染対策はきちんとして、これは大人しいシンポジウム型なので、こういうものまでやってはいけないと誰も言っていないので、やります。

 隈さんと、ウフル、白浜にサテライトオフィスを作ってくださっている、AIなんかを専門にするような会社ですが、ウフルの園田さんと、私が出してもらって、隈さんに基調講演をしてもらったり、私が、和歌山の企業誘致や転職なき移住のキャッチフレーズにしている、New Work×Life Style(ニューワークライフスタイル)を喋って、みなさん、和歌山に関心を持ってくださいということを、言おうと思っています。隈さんは、先ほど言ったようなこと、これからの生き方や、そういうようなことをいろいろ喋ってくれるのではないかというふうに思っています。前に資料提供していますが、改めて申し上げます。
 

 発表は以上ですが、新型コロナの話で申し上げたいと思います。

 新型コロナについては、感染がなかなか止まらない状態です。昨日、一昨日と400人台になって、ちょっと減ったように思いますが、これは、ひょっとしたら休日ということが効いている可能性があり、土日の情報が少なかったというところも、あるかもしれません。従って、今日も心配だと思っているような状態が続いています。全国的にも同じような状況ですが、我々は、やっぱり、こういうことになっても、命は守っていかないといけないので、その手立てをいろいろ考えないといけません。

 初めのうちは、オミクロン株というと、若い人や壮年の人たちが、ちょっと油断してうつったというのが多かったのですが、段々と、家庭、施設、病院を経て、そういうところに(感染が)入り込んでいて、体が弱い基礎疾患のある高齢者に、今、どんどん広がりつつある状況です。毒性は、デルタ株に比べて弱いかもしれませんが、今、申し上げたような方について言えば、やっぱり元々、体が弱いので、ちょっとした新型コロナの刺激というか病気による悪影響が、体にとって非常に致命的になる可能性があります。従って、そういうところについては、やっぱりちゃんと守っていかないといけない。

 従来は、病院に全員入院ができていたので、例えば、家庭の人、今、家庭で療養していただいている人はもちろんですが、施設あるいは病院で、もし新型コロナ病人が出たら、隔離という意味でも、全員、新型コロナ病床に入っていただいて、残りのところをウイルスがない状態にするという作戦で、ずっとやってきました。

 しかし、今、余りにも数が多くて、家庭も当然ですが、施設や病院といえども、全員入院はできません。そうすると、もし施設で(感染者が)出たら、家庭で出た場合と同じような感じで、例えば、介護を要する人も含めて、うまく隔離して、部屋割りなどを変えて、介護をしてもらわないと、新型コロナになったからすぐ病院へお願いしますというわけにはいかない状態になっています。だから、前とは違うので、みんな家庭にいるのと同じような感じで、軽症の時は、それぞれ面倒を見てくださいということしかない。幸い、施設などは、契約のお医者さんが必ずいると思います。従って、家庭の時にはマッチングをして、クリニックの方に面倒を見てください、監視をしてくださいというふうに頼んでいますが、それと同じように、顧問のお医者さんみたいな人たちに、様子を見ていただいて、普通の症状だったら、軽快まで施設で面倒を見てください。これは危ないとなったら、保健所に連絡していただく。こういうふうにやってもらわないと、新型コロナと言った瞬間に、救急車(を呼ぶ)とやったら、それこそ、助かる命も助からなくなる。従って、今、新型コロナで、これは危ないという時に、ぜひお医者さんが保健所に言ってください。そこから入院措置をしましょうというふうに、やっていかざるを得ない状況になっています。

 こうやって、(感染を)抑えていって、数が減っていけば、また次の展開ができると思いますが、今は、そういう非常事態なので、新型コロナになったから、とにかくうちの施設から出ていってくださいということは、止めてもらいたい。それから、病院に入っても、ちょっと治ってきた段階で、新しい病床を空けておかないと、次に重症になりそうな人を面倒見きれませんから、出口として退院していただく。退院基準に達しない場合でも、退院していただくことはありますが、元の施設に戻っていただくことについては、ちゃんと受け入れてください。まだ、新型コロナが治っていないから、戻られたら困るというのは、新型コロナが治ってないから、家庭に戻ったら困るので外に居なさいと言っているのと同じです。良い時だけ面倒を見ます、悪くなったら福祉施設は面倒を見ません、それはおかしいので、悪い時も面倒を見てください。そんなことを、今、考えています。

 それから、今まで、クラスターになったら、全部発表していました。クラスターは、和歌山県は5人という独自の基準で、これになったら発表していました。これは、そういう場所に、知らないで出入りすると危ないですというようなことが根っこにあり、その施設が、悪いとか、けしからんとか、そういうメッセージは、初めから全くありません。こういう時勢ですから、結構、人が集まっているところ、例えば、病院や福祉施設などは、そういうことが起こりがちですが、それをいちいち発表していると、あそこは何か管理が悪かったという、非難しているように聞こえる感じがするので、これからは、原則として、クラスターの固有名詞は出さないことにします。ただし、例えば、かつてあったように、特定の飲食店でみんなが群がって、片っ端らからうつっていて、それを知らない人がどんどん行ってしまうというような可能性のあるところについては、私どもで判断をさせていただいて、名前を出させていただくことにしたいと思います。

 もちろん、クラスターが何件、どんな施設かというのは発表しますが、例えば、学校、或いは福祉施設や病院については、そこへ、知らない人がどんどん行くわけではありません。中の人は全部わかるし、それについてあえて発表する必要はないだろうというふうに判断して、私の責任で、今日から、発表するのはやめます。

 以上です。

質問と回答

産経:まず、クラスターの発表基準ですが、名前を公表するところについては、その後、他の人が入っていく可能性がある場合という理解でよろしいですか。

知事:結構です。不特定多数の人が、後で知らないで入っていく可能性があるところというふうに考えたいと思います。

産経:これまで、利用者が特定できない場合、飲食店とかで、この日に感染機会があったけど、その日に居た人が分からないという状態の時、施設なども公表していたと思いますが、そういったケースはいかがでしょうか。

知事:今のはものすごくいい質問で、その可能性はあると思います。ただ、段々と、そこまで手が回らない事態になっていることも事実なので、その必要性を感じた時は、もちろん店主に相談の上で、名前は出させてもらうかもしれません。ただ、初めに言っていたように、(利用者が)少ししかいなくて、誰か来ていた可能性がある時に、全部抑え込みたいと思うようなことが、現実的にはできなくなってきているので、そういうふうに思うことがあるかどうか分かりません。だけど、そのように判断したら、今のは、論理的に正しい選択だと思います。そういうことは、いろいろ考えてやらせてもらいます。

産経:公表基準に関してですが、今、保健所の積極的疫学調査が、なかなか人手が難しいという、今の状態だからやるという話なのか、今後、感染が収まってきても、同じような運用をしていくのか。

知事:感染が収まってきても、余計に同じと考えた方がいいかもしれません。つまり、ウンと感染が少ないけど、不幸にして、1ヶ所だけそういうことになってしまった。でも、施設も、周りの保健所も、病院も、完璧に一生懸命守っていて、他の人も入ってこない。それが分かりきっているのであれば、あえて名前を出す必要はないかもしれない。

産経:先週土曜日から、まん延防止措置の適用が始まり、時短要請もスタートしていますが、土日週末の実態、人流などはいかがでしょうか。

知事:まん延防止等重点措置の時短要請に対する見回りについては、今日から本格化いたします。だけど、前々から、そういう目的だけではなくて、繁華街や集客施設は、我々の通常の行政の一環として、見回らせてもらっていました。そういう意味では、その前から、かなり人数が減ってきていましたが、やっぱり多くない。ウンと減ってゼロかというと、そうではないのですが、大いに減っている感じはあると思います。その前も、かなり少なかったことも事実です。

産経:今日から、職員による見回りがスタートですが、改めて、飲食店の皆さんに、一言呼びかけをお願いします。

知事:飲食店の皆さんは、元々、感染源にたくさんなっている証拠もないし、なぜ私たちだけに措置をするのかという人達と、どうせならお金を貰おうという人と、二通りあると思います。後者については、あまり言うことはないのですが、前者については、それでも可能性がゼロではないので、こんな(感染状況)になってくると、ありとあらゆる可能性のあるところは、封じていかないといけないと思い、ご迷惑をかけ、大変申し訳ないですが、ご協力いただけませんかと言うしかないと思います。

 自分のとこは、感染防止を一生懸命やって、お客の数は少ないけど続けていこうと思っていたところに、要請することになりますから、そういう方に対しては、大変心苦しい思いをしています。申し訳ないと思っています。

 ただ、全体で、無茶苦茶、感染が多いので、可能性のあるところについては、今回、手段があるので、手段があるところについては、やらせてもらいたいと思っています。

朝日:クラスターの非公開に関して、確認ですが、固有名詞を出すことで、非難しているように取られかねないというお話だったと思います。それは、非難が寄せられているということなのか、それとも、知事がそういうことになるのを懸念されているということですか。

知事:どちらかというと、福祉施設の人たちは大変で、感染者もすぐに施設から出してもらえるわけではない。感染した途端に出してもらえるわけではなく、感染者が、ウンと重症になる恐れがあるまでは、看病し続けないといけない。そういう時に、あそこはクラスターですと言われると、一生懸命やっているのに、すごくルーズな経営をしていたのではないか(と思われる)。そしたら、感染が収まっても、あそこは信用できないと思われたら、これだけ一生懸命やっているのにとても嫌だという声は、たくさんあります。それはごもっともだというふうに思います。

 そういうところは、ご自身で、他の人が入ってくるなんてあり得ないし、中の人たちを上手いこと隔離して、一人一人別室にして、一生懸命お世話をしているので、あえて名前を出しても、そんなに影響はないはずです。つまり、(固有名詞を)出さないことの悪影響はないはずです。だけど、県民に、どのぐらいのところでどんな感染が起こっているかは、皆さんを通じて出してもらった方がいいので、福祉施設とか高齢者施設とか学校とか、そういうことは言わせてもらいます。それで、そういうところが危ないというようなことは、分かってもらったらいいので、固有名詞は必要ないのではないかというふうに、私が判断しました。

朝日:見回りに関して、見回り隊を出すことになると思いますが、結構、振興局も含め人員が逼迫しているところで、そこについてのご所感を。

知事:見回りの人員ですか。

朝日:今後、見回りに、結構人手を割かれることになると思いますが。

知事:それは、県庁部隊を中心にして、動員してやるしかないのではないか。人手が足りないのは、どちらかというと保健所周りです。これも、県庁の職員、或いは市町村の方々が、みんなで一生懸命支えてくれています。看護師協会の方もそうだし、DMATの人もそうで、みんなで支えてくれていますが、そこのところの人手の足りなさと、全体的に見回りができないかどうかは、またちょっと違います。両方が完全に分かれるわけではないけど、それはちょっと違います。(見回りは、)不正なんかあったらまずいので、そこはきちんとやる。

朝日:昨日、IR対策特別委員会が開かれて、区域整備計画案が示され、パブコメの日程等も発表になりました。まず、特別委員会では、内容や計画案の中身に対して、資金計画などが具体性に欠けるのではないかというような指摘があがりましたが、そこ自体の受け止めを。

知事:まず、今、IR業界をめぐる、世界の情勢が悪い状況です。なぜかというと、新型コロナがある。もう一つは、個々の国の政策とかが、若干響いている可能性もある。そういう意味で、私は、ずっと順調に進めてきた和歌山県の計画では、我々が補助金でそれを支えるわけでは全くなく、事業者がどう思うかによると、ずっと言い続けてきましたが、はっきり言うと、事業者が、ひょっとしたらギブアップをしてしまうのではないかという心配を、とてもしていました。だけど、最終的にギブアップしないで、頑張りますというふうに言ってきてくれたのが、今回の公表した計画の中に入っています。

 やり方は、いろいろあると思います。世界でも、こういうビジネスをやる時はこういうやり方でやる、日本ではこういうやり方でやる、日本の中小企業ではこういうやり方だ、大企業はこうだ、みんな違うと思います。ですから、そのやり方が、自分が思っているイメージと違うのは、ちょっと不安ですが、だからといって、そのやり方を全部変えて、自分のやり方でやってくださいと今すぐ言っても、できないかもしれません。だから、やると言って、一応これはきちんとしている、真面目にやろうとしているというふうに思える状態になっていますから、そのやり方にかけるしかないのではないか。こちらが、自分のやり方、自分の思っているイメージとちょっと違うから止めろと言ったら、それで終わってしまうし、法的責任も、こっちが負ってしまうことになります。

 そういうことを考えると、そのやり方に沿って、我々は、可能性にかけてみるしかないのではないかというふうに思います。何で可能性にかけるかと言ったら、和歌山県の雇用は、とても心配な状況です。一生懸命いろんなものを足していますが、エネオスみたいなことが起こる可能性がある。エネオスだって、何とか新しい雇用をそこで生んでもらえるように、今、頑張ろうとしていますが、そんなものは確実ではない。従って、何でも雇用に結びつくようなものは、可能性にかけて、前向きに進めるしかないのではないか。そんなふうに思います。

 ただ、そんな時にやってはいけないのは、さっき言いましたように、我々の流儀と違うから、それは気に入らないと言ってもしょうがない。もう一つは、無理やり、それを糊塗するようなことをしてはいけない。例えば、企業がやる気がないので、半額ぐらいは県でお金出してくれますかというようなことに、乗ってはいけないと思います。

 だから、我々は、堂々とデュープロセスを踏んで、法律の本旨に基づいて、運用していくしかないのではないか。そんなふうに思います。

朝日:昨日の特別委員会で、県議の方々の説明を聞いていると、IR推進派の方なども、これで(国に)通るのかとか、そういう面での懸念というか指摘が多かった。

知事:みんな、心配なんです。私だって、全く心配ありませんと言える立場にありません。将来のことは、どうなるか分からない。だけど、例えば、他の企業でもどうか、他のケースを考えてもどうかと言ったら、どことは言いませんが、全部、名前が挙がってピシャッとしているような会社、日本的に言うと、何となく日本的な形にうまくはまっているようなところでも、止めたと言われたら、あっという間に吹っ飛びます。そういうプロジェクトではなくて、現実の企業でも、止めたと言われたら吹っ飛びます。そういう意味では、デュープロセスに沿って、我々は心配だけど一生懸命支える、やってはいけないことで支えるのではなく、手続きをきちんとすることで支えることを、やるしかないのではないかというふうに私は思います。県議の皆さんのご心配は、本当にその通りだと思います。私だって、もちろん心配はしています。

朝日:昨日の委員会の中で話題に上がった、県議によって配っている資料が違うのではないかというところで、1回、委員会が止まったりしましたが、そこはどういう認識ですか。

知事:そこは、コメントはございません。

朝日:昨日、理事が、住民説明会の日程が、当初は14日の予定だったのが、最低3日というふうにおっしゃったように、新型コロナの影響で、結構、短縮になるのではないかという現状です。住民への理解というところでいうと、結構、不十分になりかねないような現状だと思いますが、そこについてのご認識を。

知事:新型コロナがコロナですから、すべてを犠牲にして、元のスケジュール通りに強行するのが皆さんの本意かというと、どうかというふうに思います。ただ、新型コロナだからといって、関心のある人に情報も与えられないようなやり方をするのは、間違っています。だから、そうならないように、新型コロナの中でも、うまく折り合って、最善の方法でやるしかないのではないですか。

共同通信:IRの質問ですが、知事は以前、長崎、大阪、当時は横浜とかも誘致を進めていた時に、和歌山で独自のIRをというような旨をおっしゃっていたと思いますが、昨日の特別委員会で、事業者側、当局、県議会議員の皆さんからも、やはり、どうしても先に公表されている大阪と比較する声が上がっています。知事としては、大阪と比較してみたり、そのあたりはどういうふうに考えられていますか。

知事:見たら分かりますが、大阪は、和歌山とはスコンと違います。大阪は大阪のやり方があるので、我々がとやかく言うつもりはない。だけど、比較すると随分違うと思います。例えば、和歌山県は、ずっと言っているように、公的機関である我々が一銭も出しません、その前提で考えてくださいと言っていますが、大阪は、初め、むしろお金をくださいという方だった。だけど、土壌改良費に、和歌山でいうと、義務的経費を除いて、私が年間で自由にできるお金の何年分かを、そこへつぎ込むというようなことをされています。それは、大阪は大阪の判断でそうされたらいい。

 それから、大阪の資本構成を考えると、オリックスという、日本企業の大企業がスポンサーでついています。そうすると、オリックス流というか、日本流のフォーメーションで、いろんなことを書いていきます。我々に、そんな企業はない。従って、これまで、IR資本が、世界でやってきたようなやり方でやるから、十分でしょう、任せてくださいと言われたら、それにかけるしかない。だから形は違ってくるので、それはしょうがないのではないですか。

 それから、我々は、ものすごく口酸っぱく、依存症がここで発生しない工夫を、徹底的にやってきました。それは、和歌山の対策には書いているけど、大阪はあまり書いていない。例えば、我々は、(IR)カードを発行して、限度額を決めて、一発破産なんてのは絶対防ぐという工夫をしている。もちろん、同じことやられてもいいけど、それを、初めから書いているのと、フワッとしか書いていない、その違いはあります。だから、こうやって比べると、みんな違います。それを、総合的に考えて良いか悪いかは、数の問題ではなく、一つ一つが良いか悪いかを判断するのが国の仕事で、国交省とカジノ管理委員会の仕事だと思います。だから、違うのは当たり前ではないですか。

共同通信:その違いの中で、どれだけ国に認めてもらうものを作るかどうか。

知事:そうです。

共同通信:大阪は大阪ですが、大阪の夢洲が土壌改良とかが必要なので、昨日も、やはり、懸念される議員先生から質問があり、マリーナシティでは、今のところ、土壌調査やボーリング調査は行われていないし、見通しもありませんが、そういうのを実施すべきかどうか、知事としては。

知事:もちろん、事業者が、例えば、実施したかったらしてもいい。だけど、大阪と違って、初めから(場所が)ここだと分かっていて、何十年もコンクリートで覆われて利用されているところです。だから、それはそういうものだと思って、レギュレーション上問題ないと思ったら、事業者もしないかもしれないし、するかもしれない。

 だけど、もう一つの話は、前提として、我々は何もしません。ここで、あなた方が、ビジネスチャンスがあると思ったらやってくださいという前提で始めているので、ずっと言っているように、一銭も出しません。何があっても出しません。その結果、事業者が止めたと言われたらしょうがありません。

 だから、大阪をとやかく言うつもりはありませんが、別に、大阪と同じことをしないといけないのではないかという質問自体が、かなり間違っていると思います。

共同通信:そうすると、事業者の良心と判断に任せるということですか。

知事:いやいや、良心は関係ない。事業者のビジネス判断です。

 それから、違法なことをやってはいけません。例えば、いろんな環境基準とかに反するようなことをするのは、いくらビジネス判断でもいけません。それをちゃんとクリアするという前提で考えた時に、ここは推測ですが、おそらく、大阪の事業者は、土壌改良をしてくれないとやってやらないと言ったのではないかと思います。でも、我々は、初めから一銭も出しません。自分たちで考えて、やれるかどうかは自分で考えなさいという話だから、そういう議論が出ても、我々は乗らなかったと思います。

NHK:新型コロナのお話で、新型コロナ感染者の面倒を見ないと言っているような施設とか、そういうような差別的な発言があったような事例はありますか。

知事:今回の第六波だけではなく、いろいろ考えると、やっぱり、施設では、新型コロナの患者を扱うのが、うつると嫌だから困ります。新型コロナが無い状態だと、機嫌良くサービスをして、ビジネスとしてやっていますが、新型コロナになったら、やっぱり新型コロナ(に対応する)専門のところへ出して、残り(の利用者)を感染しないようにするのが、一番楽です。

 これは、考えてみたら、家庭もそうです。今、家庭でも、例えば、子供さんがうつった時に、以前は、病院に全員入院できていたから、(普段は)うつらないようにしながら、仮にうつったら、その子供さんには、病院に入ってもらっていました。一部、ちょっとだけホテルを使った時もありますが、大体、基本的には、病院に入ってもらった。その結果、家庭の中は、感染者がいない状態ですから、濃厚接触者としてのご両親やご家族が、しばらく様子を見て、発症しなければそれでいい。そういう状態になっているのと、施設も同じように、今は、(病院に感染者を)出してください、自分たちは新型コロナ以外のところで勝負したいと思いますと言っても、それは、家庭も無理なように無理です。だから、新型コロナになっても、命が危ないという状態でなければ、面倒を見てくださいということは言わないといけない。

 そうすると、施設から、新型コロナで大変だから救急車に来てくださいと(いうのは)、それは間違いです。ちゃんとお医者さんが判断をして、医学的に、これは今危ないということでなければ、それはできませんと、言わざるをえない。家庭でもそうです。それとともに、今度は、まだ退院基準は満たさないけど、他の危ない人たちに(病院へ)入っていただくために、病床を空けなければいけないので、出口としての早期退院、退院基準に達しないけど早期退院を、今やり始めています。ホテルへ行ったり、家庭に行ってもらったりする。それと同じように、施設に戻ってもらう。そういうことをする時に、嫌だと言われたら、それは困ります。だから、家庭も施設も病院も、みんな同じモードでやるしかない。

 新型コロナ病床をこれ以上増やすのは、逆に言うと、普通の医療が滅茶苦茶になる可能性があります。それはなかなか難しいので、何とかやり繰りをしていかないと、しょうがないのではないかと思っています。

NHK:まん延防止等重点措置が出て間もないですが、見通しというか、知事がお考えになっている、今後の状況をちょっと教えていただければ。

知事:期待を込めて言うと、しばらく頑張ったら、ピークを過ぎるのではないかと期待しています。その期待が前提ですが、やっぱり、蛇口のところを、みんなで気をつけて閉めていかないと、蛇口がジャージャー漏れて、どんどん感染して、その一定の比率で、重症者もたくさんになると、ほんとに命が危なくなるので、やっぱり、蛇口を閉めることが大事で、保健医療行政も必死でやらないといけない。

 そのためには、保健医療行政が保つように、みんなで協力してくださいというところもあります。以前は、一般の県民の人たちには、どちらかというと、そこのところに、そんなに協力は求めませんでした。新型コロナかなと思ったら、病院に行ってくださいというのがせいぜいで、感染していたらすぐに病院に入ってもらう。そうすると、一般の人は病院にお任せでいいわけです。だけど、これからは、それができなくなっているので、自宅に籠もって、他の人にうつさないようにしてください。うつっていない家族と、分かれて生活してください。買い物などは協力しますというモードに変わっています。同じく、施設や病院も、そのモードに変えてもらって、健康な時と同じように、感染に気をつけながら世話はしますが、命が危ないと思うような症状が出そうだったら、病院に優先的に入っていただくということしかないのではないか。

読売:クラスターの固有名詞の件ですが、話を聞くと、一定の理解はもしかしたら得られるというふうに思いますが、原則、固有名詞は非公表として、場合によっては出しますという理解でよろしいですか。

知事:場合の方を、ちゃんと書いてもらいたい。場合というと、勝手に恣意的に考えられるようです。さっき言いましたのは、場合を特定したわけです。つまり、不特定多数の人がそこに立ち寄ることによって、感染が拡大する恐れのある場合が一つ、それから、ひょっとしたらないかもしれないけど、産経新聞さんが言われたように、公表することによって、感染者が自ら検査をして、感染を止める効果がある場合ぐらいで、前者の方が、圧倒的に多いと思います。そういう、場合によりといい加減に書かないで、特に、前者の方である、不特定多数の人が、そこに行ってうつってしまう恐れのある場合等以外は、原則、固有名詞は非公表とします。

読売:その場合の、発表する、しないの判断は、誰の判断になりますか。

知事:我々の、保健医療当局が判断します。責任は私です。

読売:これまで、全員入院の断念があったり、まん延防止等重点措置があったり、ずっと感染者が増えてきている状況があったと思いますが、このタイミングで取り止めるというのは、何か理由がありますか。

知事:これは、今、言ったように、特に、施設や病院の中に、随分入り始めています。そこで、さっき言いましたように、施設なんかも家庭と同じように考えていただくしかない。施設だからといって、施設から感染者を(施設外に)出すのは、全員駄目です。そうすると、施設の中で、その人達を面倒見ていただかないといけない。その結果、ちょっとしたきっかけで、他の人にもやっぱりうつす可能性もあります。5人以上出たら、自動的にどこの企業がクラスターですと言われたら、ちょっと辛いということもあり、今日時点で、そういうことを言わせてもらいました。

朝日:類似した質問で恐縮ですが、先ほど質問させていただいた配付資料の件で、ようは、特別委員会は、区域整備計画の内容を調査・審議する場で、最終的には県議の同意をもって国に提出することになる中で、やっぱりあそこで調査・審議をすることは大事です。その上で、やっぱりある程度、情報は、県議によって差があるよりか、広く平等に共有すべきかというのが、一般的に考えられると思います。先ほど、ノーコメントとおっしゃいましたが、改めて、そこについてのご認識と、もしノーコメントと言うのなら、その理由も教えていただけますか。

知事:ノーコメントというのは、私は、その詳細を知らないからです。別に、私が誰に渡しなさいと言ったわけではないし、そういうことは知らないから、ノーコメントと言ったわけです。

 一般的には、それぞれの担当の判断で、いろいろ説明する強弱があっても、それはしょうがないと思います。それぞれの判断で、そういうことがあるかもしれないけど、どちらかというと、多くの人に情報はたくさん出しておいた方がいい。だけど、それができなかった時に、例えば、誰々から、いろいろ関心を持っていることがよく分かっておられる誰々に、この点はこうなりましたと説明するのが、悪いことかと言われたら、悪いことではないと思います。

 ただ、一緒にして欲しかったと言われることも、理解できます。これが、一般的なコメントです。

NHK:先ほど、知事が、クラスターの固有名詞を言わないとおっしゃった時に、私が責任を取られるとおっしゃったのですが、これは、公表しないで、感染が拡大した場合に責任を取られるという意味ですか。

知事:もちろん、それもあります。だけど、今の感じで言えば、それによって感染の拡大は、論理的に考えられません。むしろ、発表しないのは、情報公開の原則に反するのではないかとNHKに言われた時に(対する)、私の判断です。私の判断で、判断したのは私ですから、その責任は私にあります。そういうことを言っています。NHK様が、そうだなというふうに思っていただいたら、あまり言わなくてもいい言葉だったかもしれません。

毎日:IRですが、最終的な議案として出すのに、あと1ヶ月ぐらいあると思います。それに向けて、さらにより良いものに仕上げていくために、努力されていかれるのだろうと思いますが、昨日の委員会の中でも、委員さんの中で、地元経済界の盛り上がりがないのは非常に残念だ。今、出てきている出資者や借入に関するところは、ある意味外資系のところが多いので、馴染みがない部分があることが大きいと思います。最終的に仕上げるにあたり、地元とのタイアップといいますか、それを県として働きかけておられるのか、或いは今後されていかれるのか、その辺のご意見いただけますか。

知事:今のは、前半間違い、後半はあまり意味はないかもしれない。変な言い方をしましたが、間違いというのは、地元、特に経済界から、ものすごくやってくれという話があります。絶対にやってくださいと、常に私は言われています。経済界の人で、反対と言う人がいたら、ごく少数派だと思います。そういう意味では、盛り上がりはものすごいです。なので、盛り上がりに欠けるというのは、全くの間違い。何でそんなことを言うかという気がします。

 二つ目は、出資者の中に、地元の企業が入っていないではないかという議論があります。だけど、(事業の)大きさを考えたら、今、出資だけでも、4700億円の3割、少数株主として考えられるというだけでも、結構、単位が大きい。だから、(地元の)その人たちに、そういう状態で、出資してくださいというのは、現実の問題として難しいのではないかと思います。

 大阪の場合は、日本流に、オリックスが奉加帳をまわして、オリックスがついてるからまあいいかと。昔で言うと、電力会社が奉加帳をまわして、それぞれの有力企業が(お金を)出すとか、ワールドマスターズゲームズみたいな時に、関経連が頑張っていただいて(お金を)出すとか、そういうことで、できていますが、その時の(出資額は)、一個一個がそんなに大きくはないけど、やっぱり大企業ばっかりです。

 和歌山県の企業で言えば、和歌山固有の企業で大企業は、そんなにないでしょう。それから、特に、こんな問題についていつも関心を持っているわけでもないかもしれません。従って、そこは、(出資を)集めに行くことがないからといって、盛り上がっていないというのは、間違いだと思います。

 いずれにしても、これが上手くいった時に、もちろん後で出資するチャンスは、いくらでもあると思います。メジャーの株主が持っているものを買いに行くのは、いつでもある。それから、別に株主になっていなくても、例えば、取引相手として出てくるのは当然あるので、和歌山の経済界の人は、ほとんどこれを期待しているのではないかと思います。その時に、議会でも申し上げたように、特定の人をえこひいき的に、不合理にひいきするようなことがあってはいけませんと、重々、メジャーな推進主体には言っているので、そこは目を光らせていきたいと思います。ものすごく関心があります。

毎日:そういう意見が出たということです。

紀伊民報:クラスターの非公表のことですが、どこまで教えていただけるかというところで、件数やどんな施設かは教えていただけるということでしたが、保健所管内や市町村別や、それぞれの人数は、公表されますかか。

知事:人数は(公表)した方がいいと思いますが、保健所管内はちょっとペンディングにさせてください。というのは、露骨に分かってしまうことが多い。ですから、ちょっと、今、考えが至りませんので、今日の午後の発表まで、少しペンディングです。

紀伊民報:和歌山市と紀南で、感染状況が変わってくるので、その辺はちょっとお願いしておきます。

知事:そうですね。ちょっと、考えさせてください。

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