知事記者会見 令和4年11月15日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年11月15日 知事記者会見

令和4年11月15日 記者会見室

県工業技術センターによる「コア技術確立事業」の成果

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 まず、工業技術センターの「コア技術確立事業」の成果が出ましたので、報告させていただきます。

3ヵ年計画で、3テーマを実施中ですが、この三つについて、結構良い成果が出てきて、これはすごいぞと思うようなものがあるので、令和4年度が全部終わっていませんが、途中で発表させていただきます。
 (資料の)次のページを見ていただきますと、それぞれ出ていますが、太陽光アップコンバージョンフィルムの開発。これは、かなりすごいのではないかと思います。今、日東電工と共同開発をしていますが、どんなものかと言うと、光の中には、可視光線と、人にはほとんど見えない、かつ、例えば太陽電池なんかで反応しない光がある。その(反応しない)光を、このフィルムを介して透過させると、可視光線に変わる。その結果、見えるようにもなるし、太陽電池なんかでも使えるようになるので、これは、このフィルムを貼った太陽電池をいっぱい作ったら、ものすごいエネルギー効率よくエネルギーが取り出せるではないかということです。そこに書いていますが、光の変換効率は、今2%程度だそうですが、これを貼ると3.7%になるということで、これはすごいと思います。これはずっと続けて(研究を)やっていて、黄色のところ(光)が出てきたのが今回ですが、前も、緑が青になるというのがあり、アプリケーションは、そこ(資料)の下に書いているようなことです。
 その次に、化成品の生産性向上のための光反応手法の開発です。これは、有用化合物を合成する時に、いろいろな分析もしないといけないけど、それをいっぺんにやってしまう、合成した途端にすぐやってしまうというようなシステムを作りましたということで、これはあまり私は理解していません。でも、ここ(資料)にあるように、学会誌にちゃんと取り上げられて、立派な研究ということで評価されています。
 その次は分かりやすいのですが、微生物の育種技術の高度化です。古道酵母を改良して、吟醸香(リンゴ香)を高生産するオリジナル酵母を、そこから作出いたしました。これで、尾﨑酒造が(清酒)太平洋の別ブランドを作っている。それから、ユーグレナKishu株。ユーグレナは他にもあり、東京大学グループが開発したもので、随分、高く売っているものがありますが、これは、あまりお金儲けをやる気がないので、ユーグレナKishu株をどんどん皆さんにお分けして製品を作ってもらおうということで、いずれも県内の企業ですが、すでにゼネル薬工が『食べるユーグレナ』を作っているし、剤盛堂薬品が『活蔘甦(かつじんこう)』というのを作っていて、こういうので健康ブームなんかに乗って、製品が売れるかもしれない。
 (資料の)1枚目に返っていただきまして、さらに、今、これからどんどんやると言っているものがあって、低コストカーボンリサイクル技術、或いは、さっきの光アップコンバージョンのさらに発展型で、高度な光学特性を有する機能性フィルムの開発技術をやろうということです。それから、和歌山県産の新規微生物の作出もやっていくということで、なかなか頑張っています。皆さんこれは画になると思うので、じっくり取材して、載せていただいたら面白いかと思います。

総務省統計局、独立行政法人統計センター、公立大学法人和歌山県立医科大学及び和歌山県がデータサイエンス分野における連携協定を締結

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 その次は、統計局統計センターの関係で、和歌山県に統計データ利活用センターを置いていただいています。我々は、その表裏で、データ利活用推進センターを置いて、一緒に作業したり、PRしたりしていますが、今回、和歌山県立医大が、いろいろな研究をする時に、統計データ利活用センターやデータ利活用推進センターの機能を借りて一緒にやりたいというお話があり、和歌山県を入れて4者で連携協定を締結します。11月18日14時30分から知事室でありますので、取材にお越しください。

株式会社隈研吾建築都市設計事務所が和歌山市に新オフィスを開設

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 その次は、世界で一番有名なぐらいの建築家である隈研吾(くまけんご)さんが、和歌山市に新オフィスを開設してくれることになりました。今、隈さんのところは、ここ(資料)にあるような県信ビルや、もう一つぐらいビルのリノベーションを請負ったり、有田市で今建設中の統合中学校の設計をされたり、いろいろ協力をしてくれています。そういう意味で、隈さんがオフィスを和歌山に作ってくれて、ここで和歌山の仕事もするかもしれないし、ここを発出して世界の仕事をするかもしれないということで、非常にいいのではないかと思っています。調印式は、11月24日10時30分から県庁で行います。

知事監視製品の新規指定について

PDF形式を開きます資料4(PDF形式 1,277キロバイト)
 それから、知事監視製品の新規指定をします。「性懲りもなく、まだ止めないのか、こいつら」というふうに思うのですが、和歌山県は、監視製品を作っています。ニューカマーの人は、何やそれはと思われるかもしれませんが、分かっている人は手を上げろなんてことは言わずに、説明します。
 (資料にある)こういう怪しげな物は、本当に危ないことが分かったら、薬事法(現在の薬機法)で、法律的に禁止薬物になる。そうでなくても、それぞれの地方公共団体で、指定薬物として、これは使ってはいけませんということもある。しかし、国の禁止薬物になるには、かなり長い調査期間が要るので、なかなか追いつかないし、東京都などは指定薬物の制度を作っていますが、これも、やっぱりいきなりお前怪しいから禁止だというわけにはいかず、何らかの形で証明をするため、結構時間がかかる。そうすると、そのうちに売り逃げをするというとんでもない奴が出てくる。その時に、元々、薬事目的で承認されていないものを、例えば、吸引するとか注射するとかは、一般的にはいけない。そういう中で、悪い奴は何を考えるかというと、これはアロマですとか、お香ですとか、言って売る。お香を禁止するのは、ちょっと憲法上どうかという議論があるので、和歌山県は、ちょっと知恵を絞りまして、アロマとかお香とかで売っているなら、アロマやお香として売ってください。それで、直接吸引するとかではなく、アロマ用の用法で使いますという誓約書を消費者と交わしてください、消費者もそれを交わしてから買ってくださいというのが、和歌山県のルールです。逆手とり作戦です。
 その結果、これはやばいと言って、まず和歌山県で(悪いことをする)店がなくなりました。それで、和歌山県の人とは取引しませんと言い出した人も、大分現れました。だけど、そんなこと関係なく、適当にどんどん新製品を出して、おそらく、ちょっと目を付けられたら止めてしまう。こういうことが後を絶ちません。
 だから、望むらくは、我々は、製造過程を追跡するのはちょっと無理なので、製造過程を追跡する能力のある厚労省とかがもっと真面目に考えていただいたらいいのではないかと思っていますが、我々は、よくない消費者は直接捕まえますが、和歌山県の消費者を守るために、そういうことをやっています。これが監視製品です。

このやり方はいいと思っていて、あまり地方公共団体は人の真似をしないという特色があると知事になって16年思います。和歌山県はものすごい真似していますが。だけど、いくつかの都道府県は、これとそっくりな制度を導入しているようです。
 以上です。

質問と回答

産経:太陽光アップコンバージョンフィルムについてです。県として共同開発ということですが。

知事:共同開発は最近です。これは、かなり長く(研究開発を)やっていて、3年間で(テーマを)グルグルまわしていくのですが、確か3年間で2回目です。1回目の時は、日東電工はついていなかったけど、これはいけると思ったので、大量生産をするとかは彼らは得意だから、一緒に組んでやりましょうということに、最近なった。

産経:分かりました。今後、開発した物について、どんな用途や市場への期待は。

知事:この(資料の)下に書いていますが、明らかに太陽電池ではないかと思います。私なんか、そんなに科学的知識がないので、たくさん世の中にある太陽電池に1枚マークを貼りつけたら、効率がものすごく良くなると思ったら、みんな貼りつけます。そのようなことをできるから、これはすごいのではないかと思いますが、その他にいっぱいあるかも(しれません)。そこは、科学者、技術者でないと分からない。(資料の)下の方に書いている、光UCフィルムで可視光に変換、発電効率の向上を目指すとか、いろいろあります。いろいろな所に使えると思いますが、自分の想像力で言うと、大量に使えるのは、太陽電池ではないかと思います。世界に全部売れたらものすごいことになるでしょう。

朝日:隈さんのオフィスですが、県から誘ったのでしょうか。

知事:そうでもないです。私が「お願い」と言った覚えはない。(県の)誰か言ったかもしれないけど、どちらかというと、前から仲良くさせてもらっているので、和歌山も面白いし、関西で初めてなので、和歌山へ置いてあげようという話が出て有り難い、そんな感じです。

NHK:隈さんのオフィスについてです。今回、関西で始めてのオフィスが和歌山ということで、隈さんとして和歌山にこだわりみたいなものは伺っていますか。

知事:この間も「和-nagomi-」で対談させてもらったりしたのですが、やっぱり、和歌山が持っているいろいろな要素、特に精神的な要素は面白いというようなことは言っておられました。だから、建築家はちょっと芸術家みたいなとこがあって、いろいろなことを想像する時のモチーフとして、和歌山にいろいろなものがあるというふうに思ってくれているのではないでしょうか。一回、面白がって、一年ぐらい前の「和-nagomi-」を見てください。対談しています。バックナンバーを見たらすぐ分かる。
 申し訳ない。間違えました。隈さんとは「和-nagomi-」はやっていませんでした。「和-nagomi-」ではなくて、今年の2月28日、イイノホールでニューワークライフスタイル(というフォーラム)をやった時に、隈さんに出ていただいた。これはビデオありますか。

企業立地課長:ホームページにあります。
 

ビデオがあるそうなので、隈さんと和歌山の関係について知りたい方は、いろいろ話が飛んでいたからあまり役に立たないかもしれないけど、そっちを見てください。申し訳ない。誤解しました。一緒に写真撮ったので「和-nagomi-」だと思い込んでいましたが、違いました。申し訳ない。

NHK:先ほど、ここから世界にみたいなこともおっしゃっていましたが、和歌山にオフィスができることで、どんな期待をされていますか。

知事:立派なオフィスができたら、和歌山に隈さんのオフィスがあると言ったら、和歌山市、和歌山県のネームバリューが上がります。とりあえずそれが第一ですが、第二に、ここを拠点にして、和歌山でいろんな仕事をしてもらってもいいと思います。県信ビルは改装依頼も既に来ているし、中学校も立派なものができていくとすると、隈さんが設計した物がいっぱいできてきたら、それは価値があることだと思うので、そっちも良いと思います。さらに、和歌山のお仕事だけしていただくというのは、喜びも半ばで、関西で一つですから、関西中のお仕事を受注して、そこで設計してもらったり、現場管理をしてもらったりする要員が和歌山にいるのは、ものすごくいいことです。それが世界に伸びていったらもっといいと思います。

毎日:鳥インフルエンザの件です。アドベンチャーワールドがまだ開園されていないわけですが、今のところ、経済への影響は。

知事:それはあるでしょう。幾らあるかは計算していませんが、やっぱり、アドベンチャーワールドへ行きたいので(和歌山へ)来る人は、随分たくさんいると思うので、閉園していたら、その分の需要層は欠落しますから、これは痛手だと思います。

毎日:相談窓口を設置している金融機関もすでにあるそうですが。

知事:何を相談する窓口。

毎日:経済関係のことで。

知事:例えば、アドベンチャーワールドにお弁当を持っていっている人とかですか。

毎日:どういうものが対象になるか分からないですが、県として今のところ対応は。

知事:別にありませんが、そういうことは視野に置いておかないといけません。

毎日:開園の見通しですが、非常に関心が高いと思っていて、最終的に園が決めることだとは思うのですが。

知事:そうです。実は、この間、家きんが感染しましたが、これは鶏と一緒です。農水省の規律があって、(制限区域が)半径いくつとか、現実に円は何日ぐらい置いておけとか、そういう議論が一つあります。だけど、ものすごく狭い範囲内なので、(鶏が)大量にある鶏舎と同じにしなくてもいいのではないかという議論はあると思うので、農水省などが今後指導して、上手くやっていくのだろうと思います。
 もう一つは、(園内の)他の所へ広がっていないかどうかは、園としては非常に関心がある。これは、聞いてみたら、法律がないので、家きんのスキームではなく、園が自発的に考え、環境省なんかとも相談しながら、いっぱい入っている希少動物を守るというのとのつり合いで、どういうふうにするかという議論は、これからずっとあると思います。ただ、今やらなければいけないことは、広がらないようにそれぞれ動物をうまいこと隔離して、あれっと思ったらちゃんと検査をして、それ(感染した鳥)はちょっと他所へ寄せて、他の動物にうつらないようにする。これをきっちりできて、大丈夫だと思ったら開園すればいいと思います。

毎日:感触としてはどれぐらいですか。

知事:分かりません。

朝日:今の関連で、二つの制限区域の解除と園の再開は。

知事:別です。ちょっと複雑ですが、農水省の基準だけではないし、半径いくつ以内うにゃうにゃというのも、鶏舎を守るというところで考えたものです。今回は、ごく限られた、お見せしたり飼育して実験したりするための動物ですから、(鶏舎と)ちょっと違うと思います。農水省のスキームと動物園全体に及ぶ規律とがまた違う。ちょっと複雑です。

朝日:養鶏業者とかには制限区域とかがありますが、動物園でああいうものが発生した場合、いつまで動物園を閉鎖すればいいのか。もちろん安全性が確認されるまでということでしょうが、期間の定めだとかは、はっきりしていないのでしょうか。

知事:していないです。まず、動物園にいる、いろいろな野生の鳥を飼っているものは、家畜伝染病予防法の家畜に入らない。だから、別のスキームで、法律が全部あるわけではないが、やっぱりうつらないようにするのと、他所へ持っていかないようにするためには、立ち入りを制限しておかないといけない。そういうことを、動物園が考えるというのもある。法律に基づいて、農水省の管轄できっちりやるのと、その外側に家きんでないものがいる。これはちょっとまたややこしい。だけど、いずれにしても、安全を守り、お客様には迷惑かけない、他所にうつさない。そういうことで、アドベンチャーワールドは、真摯に対応してくれています。

朝日:農水省などいろいろなところと相談しているのでしょうが、安全性の確認には、県も関わっているのですか。

知事:もちろんです。しょっちゅう。農水省は上っ面でいるだけだから。

朝日:ここにほとんどいないですから。

知事:どちらかというと、県でちゃんと面倒を見ています。

NHK:質問が変わりますが、新型コロナウイルスの感染者が、県内でも増加傾向にあると思います。これについて、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

知事:私は、もう第八波は始まっていますと、ずっと言っています。第八波は始まっているけど、始まったら行動制限するかと言ったら、もうそういう時代ではなくなってきている感じがあります。だけど、まず、リスクが高まっているのだから、うつらないようにするのとうつさないようにするのがないと、命に別状があるかないかに関わらず、BCPというセンスでも、罹って熱が出たら、会社を休まないといけないとか、本人が通勤できないとか、いろんな問題があるから、やっぱりうつらないようにした方がいいです。
 さらにもっと言うと、この病気で毒性が弱くなっているとはいえ、やっぱり何人かは亡くなるわけです。特に、体の弱い人と、ワクチンを打たないで大丈夫だと思い込み過ぎた人が若干ある。その方は亡くなりましたが、そういう方もいるので、やっぱり広がらないほうがいい。広がると、どこかから隙間で、(体の)弱い人とか、亡くなる可能性のある人に(ウイルスが)入ってきます。だから、できるだけ感染は抑制しないといけない。
 そのためには、行動制限に頼るのはちょっと無理だというふうになりつつあるので、ワクチンを打って、できるだけうつらないように或いはうつさないようにする、重症化しないようにするのと、きちんと検査をして、人にうつさないように行動する。つまり、お医者さんへ行って検査をして、うつっていたら家に少し居ていただく。ほんの1週間以内ぐらいです。そうしたら、うつらなくなるので、あまり社会に広がっていかない。そこをいい加減にすると、ウワーッと広がってから大騒ぎになる。若干、今、そのブワーッと広がるのがあまりよくないという風潮もなくなっているので、それは危ないです。最後は病院へ(負荷が)行きますから。

時事通信:データサイエンス分野における連携協定についてです。和歌山県立医科大学は、総務省統計局統計センターと連携して、どのような研究をしたいのですか。

知事:一般的に、これと全部決めているわけではないが、医学は、やっぱり治験の積み重ねみたいなところがある。そうすると、結局、治験というのは統計です。そういう意味で、個々の経験の積み重ねを医学的な治験にどういうふうにして持っていくかが、統計です。そういうことについて、これからもっと本格的にやりたいと思っているのではないですか。

時事通信:こういう統計局と統計センターとの連携協定の締結は、都道府県でいうと何例目でしょうか。

知事:それはちょっとよく分かりません。私も良いことだからいいのではと言っただけで、初めてだからやれとか言った覚えがない。どうですか。
 

企画総務課長:全国の都道府県で何例目かは、今、手元に持ち合わせていません。


知事:知らなくてもいいのではないでしょうか。

産経:前の話に戻って恐縮ですが、アドベンチャーワールドについてです。関係法令がない中で園が一生懸命対処しているという状況で、県として、今やっていること、できること、スタンスという部分でいうと、どんなことでしょうか。

知事:アドベンチャーワールドも動物園ですから、獣医師さんはいっぱいいる。その獣医師さんは、動物に感染症がうつらないようにするというのは、知見も経験も随分ある。だから、プロ集団を相手にしていると言ってもいいと思う。ただ、我々が鳥インフルエンザ退治でいろいろ苦労して積み重ねてきた経験が、彼らにあるかというとないかもしれない。だから、こういう点は大丈夫ですか、ああいう点は大丈夫ですかとか、そういうような議論はできると思います。そういう意味で、いろいろ専門家同士よく相談して、最善の道を探っていったらいいのではないかと思います。

産経:最善の方法を探る中で、何らかの支援、応援の要請とかがあったら、適宜対応する。

知事:結構あって、例えば、一番初めの処分の時も応援に行っています。実際にどうやったかは知りませんが、何人かは行って、いつでも応援するというような感じになっています。

産経:これからも引き続き要請があればということですか。

知事:はい。要請がなくても(応援します)。

紀伊民報:新型コロナの話に戻ります。第八波はもう始まっているという認識でよろしいですか。

知事:絶対そうだと思います。その証拠に、和歌山県、鳥取県、東北地方、北陸地方とか、従来成績が良かったところ、あまり(感染者が)出なかったところが、いっぱい出ている。何か知らないけど、大都会は出ない。そんなはずがないので、要するに、全数把握を止めてから、自発的に(陽性者登録センターなどに)入れる人が少ない所は、うんと小さく出ているのではないかと思います。そうすると、どうなっているかというと、その人が誰にも知られていないわけですから、その人が自発的に天国の神様ときっちり約束して、隔離して、人にうつさないようにしてくれているかどうか分からない。だから、いっぱいうつっている可能性があって、それはものすごく危ないのではないかと、私はずっと思っています。

紀伊民報:第八波が始まっているのは、全国的な話なのか、和歌山県内でも。

知事:全国的にもそうですが、和歌山県内も含めてです。

紀伊民報:どのあたりのタイミングから入ったというふうに考えていますか。

知事:底からです。1ヶ月ぐらい前に、(感染者数が)二桁(近く)になった時が底だと思います。そこからウワーッと増えている。他の県でもそうです。和歌山県は、一番感度が早かったと思うけど、今、上から順番に比べると、西日本がちょっと少ないけど、東北地方とか、ちょっとしかいなかったところが、ものすごく増えている。北海道が過去最高です。だから、結構、全国的にもう第八波に入っていると思います。

日刊工業:工業技術センターの技術開発です。これは、やはり県内産業への貢献を期待された研究開発だと思いますが、今回、日東電工と太陽光コンバージョンフィルムを開発されて、どう和歌山県の産業に活かしていくのか、そのあたりを教えていただきたい。

知事:これは、直接的に考えるのと、間接的に考えるのがある。コア技術の開発は、個々の企業に対して、例えば、こうやって助成してやるということでやっているわけではなくて、およそ和歌山県の将来の産業を見た時に、こんな技術開発をしておいたらいいというふうに思って、工業技術センターが、先端的なことをやっている。一方、すぐに役に立つのは、ラボです。だから、従来からの試験依頼とかはもちろんありますが、今、新しい武器として、コア技術開発とラボと、二通り新しく付け加えた形でやっている。
 後者のラボの方は、ものすごい機械を装備していて、プロの世界では、なんという装置をいっぱい持っているのだ、和歌山県いいねという話になっていて、過去にお金があった時、みんなそこへつぎ込んだから、今のところ最新鋭の機械がいっぱいある。それを、中小企業の方は、自分で買わなくていいから、そこへ行って実験をさせてもらって、これでいけるということを確認できるという意味では、業種的にも、直接、役に立つようなラボ構成にしている。

それから、先端的な技術開発をしてレベルを上げておかないと、やっぱり中にいる人の士気にもかかわるし、良い成果を上げていったら、みんなに注目される。それをもって、直接どこにこうやって役に立つということでなくても、やっているのがコア技術開発です。
 特に、3番目の微生物は、すぐにスポンサーがついてやっている。今度のものは、例えば、フィルムメーカーが県内にあるかというと、ないことはない。そういう方と、今後どうしますかというのは、ご相談があって、これでやりますかと言って上に貼るものでなく下に増やすとか、いろいろフィルムもいっぱいあって、そういうところで使えるかとかがあったら、そことまた組んでやればいい。
 だけど、一般的には、和歌山県のメーカーが、世界のフィルムメーカーの最先端を行っているわけでないので、最先端を行きそうな日東電工なんかと組んで、量産してもらって、特許収入をガバッといただく。そうすると、10年分ぐらいの研究資金が稼げるかもしれないとか、そういうようなことを夢見ることも可能です。

日刊工業:立地を期待してというわけではなくて、パテント収入を期待してということですか。

知事:これをもって企業に来てもらうというのは、ちょっと遠いかも。

日刊工業:隈さんの事務所の進出です。隈さんと言えば、木質建築のイメージがすごく強くて、先ほどあまり言及されていなかったのですが、紀州材の活用であるとか、県内のインテリア、エクステリア業者にとってのビジネスチャンスとしては、どうですか。

知事:良いと思います。ものすごく今、関心を持っておられる分野です。当然、紀州材というか、紀州の杉、ヒノキは、割と品質がいい。木材としての品質がものすごく良いので、そういう所に、期待して何か作ってやろうというようなことを考えるという点で、非常にいい所にいらっしゃるということかもしれません。

日刊工業:これに関連して、正社員5人体制ですが、これはクリエイターの方が移住してくるということなのか、それとも現地で何か。

知事:今は、分かりません。後で聞いてください。人事の問題になるから、本当に分からないかもしれない。

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