知事記者会見 令和5年1月17日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和5年1月17日 知事記者会見

令和5年1月17日 記者会見室

令和5年2月 南紀白浜=東京(羽田)の臨時便運航に合わせて記念式典及び各種キャンペーンを実施します!

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 それでは、記者会見を始めたいと思います。お手元に資料が配付されていると思いますので、それに沿いまして、簡単に説明し、質問をお受けしたいと思います。
 最初ですが、2月に、南紀白浜空港=羽田便が、1便増便されて4便になります。これは、1ヶ月だけの、ある意味、試行期間になりますが、ご存知のとおり、羽田の発着枠は大変取りにくいわけで、このように、1ヶ月だけでも試行する、発着枠を取るというのは、本当に大変なことだったようです。私が赴任する前ですが、担当の県庁職員、国土交通省航空局の皆さん、ご協力をいただいたJALの関係者の皆様に、この場をお借りして、心からお礼を申し上げたいと思います。
 ただ、これは、ある意味、発着枠の見直しをする際の参考になる資料で、これまでも利用客が増えていますが、県としても、最大限、2月の実績として、できるだけ大勢の方に南紀白浜空港を使っていただきたいという意味で、キャンペーンを(実施して)応援しています。
 内容は、資料を見ていただきますが、まず、臨時便の初便の行きと帰りについて、記念式典をさせていただきます。白浜から羽田へ行くのは、副知事に飛んでもらおうと思っていますので、ぜひ、取材をお願いしたいと思います。それから、前泊・後泊支援キャンペーン、乗って当てよう!南紀白浜空港増便キャンペーン、旅行商品助成など、できる限りご利用を促すような方策を取らせていただきます。
 私自身の出張も、これまでは、関西空港或いは新幹線を使っていましたが、2月を中心に、今月もそうさせていただきますが、できる限り東京出張に南紀白浜空港を使うことにしたいと思います。東京に出張する県庁の職員も、特に2月は、全員、南紀白浜空港から飛んでくれという指示を出したところです。
 できるだけ、和歌山県民全体として、2月の南紀白浜空港の増便については、ご協力いただいて、ご利用いただきたいと思います。実際、和歌山の経営者の皆さんは、東京出張が多い方がたくさんいらっしゃるので、商工観光労働部を通じて、利用する時はぜひ南紀白浜ということは、すでに、個別にお願いに上がっているところです。ご理解いただきたいと思います。

(一社)日本ウェルビーイング推進協議会×和歌山県 2月に「和歌山Well-being Month」を開催します!

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 2月のこの(南紀白浜空港臨時便の)キャンペーンの関連もあって、日本ウェルビーイング推進協議会と和歌山県で、「和歌山Well-being Month」を開催します。資料を見ていただくと、何日間か連続或いは不連続かもしれませんが、いろんなイベントを行います。東京からお客さんに来ていただくので、増便に対応した一つのキャンペーンだし、テレワーク、ワーケーション、Well-beingについての気運醸成もあります。
 私も、2月18日に、テレワーク・ワーケーション官民推進協議会の設立総会があるので、参加させていただいて、島田由香さんとも、その場で意見交換をしてみたいと思っています。
 

「おにぎりミーティング(OMTG)」開催中です

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 次に、就任して、ちょうど1ヶ月が経ちました。また、後でご質問もあるかと思いますが、知事として、県庁職員の意識を変えていただく。就任の時に申し上げたように、前例が無いとは言わず、失敗を恐れずに挑戦していくことについて、職員の意識を変えていきたいということもあるし、私自身、若い皆さんの意見を聞きたいし、職員一人一人の顔と名前を覚えたいので、おにぎりミーティングを始めました。略してOMTGと部内で呼んでいますが、お昼休みの1時間、知事室に、大体8人から10人ぐらいが、お弁当、サンドイッチ、おにぎりとかを持ち寄って来て雑談会をするということで、ざっくばらんに裃を脱いだ懇談会を始めました。
 足元を一番固めないといけないので、知事室は、52名で5回(に分けて)懇談会をしましたが、非常に勉強になりましたし、エンカレッジングでした。民間から来られた中途採用の方もたくさんおられ、一人一人の問題意識、仕事のやり方の改革、或いは個人のご趣味とかを聞いて、和気あいあいのミーティングをしています。
 (これから、)入庁して六、七年の若手の方々、採用が途中の方は少し年齢がまちまちですが、これをやっていきたいと思っています。すでに、一回、9人でやりましたので、今のところ、60人を超える皆さんと意見交換をしています。これは、随時、昼休みを使って、任期中は続けたいと思っていて、1人でも多くの職員の方と、おにぎりミーティングをしていきたいと思っています。できれば、振興局に出張した時は、振興局の職員とも、おにぎりミーティングをセットしていきたいと思っています。
 

田辺市秋津地区、上芳養地区で住民との意見交換会を行いました

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 次の資料ですが、従来、県でやっていた行政報告会は止めて、むしろ、私が住民の皆さんの意見を聞く会に変えました。
 第1回目を田辺市秋津地区、第2回目は上芳養地区でやりました。1月9日に、まず、秋津地区では、大体100人超えておられたと思いますが、町内会の会長さんを筆頭に集まっていただきました。秋津地区は、川に挟まれていて災害が多いところだということで、防災対策を中心に、地域住民の防災対策についてのご説明を聞き、農業地域でもあるので、農業活動の実態、或いは、子供会などもそうですが、地域活動をするけど参加する方がなかなか増えない、減っていくというような実情も意見交換をし、大変勉強になりました。
 上芳養地区では、県のジビエの認証処理施設を見学した後、ゲストハウスTaoで、鳥獣害対策をなさっている皆さん、地域おこし協力隊員、具体的に、大阪出身で、東京で8年ITの会社に勤めた方が、農業をやりたいので、地域おこし協力隊で上芳養地区へ来た若い方、梅農家の方、ジビエ料理のシェフ、或いは処理施設の責任者の方とも、じっくり意見交換ができて、鳥獣被害対策の現状、Iターン、Uターンのヒントみたいなものもいただきました。
 これから、こういう会合を、できるだけ頻繁に行っていきたいと思います。今は、レクチャーやご挨拶を受けたりで、1月はなかなか大変でした。2月は、議会があるので、3月以降、できるだけ地域に足を伸ばしたいと思っています。入学式や卒業式に合わせて、地域へ出た時に、住民との懇談会をしていきたいと思っています。
 

チョコレート製品製造大手の株式会社たにぐちが日高川町に工場を増設

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 次が、この後、11時から調印式があるので、ご参加いただければと思いますが、チョコレートの株式会社たにぐちとの進出協定をいたします。
 

わかやま産品商談会 in 大阪を開催いたします!!

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 最後ですが、わかやま産品商談会を1月20日に大阪で行います。これは、伝統的なフェアですが、私も参加して、売り込みに行って参りたいと思います。
 (各)担当部局に申し上げたのですが、今、和歌山県の(施策の)レクチャーを受けていますが、割と、いろんなイベントをやったらやりっ放しで、効果があったかとか、全然フォローがなかったので、こういうフェアをしたら、やりっ放しではなく、例えば、産品商談会をやったら、その結果、成約件数が何件あったかというようなことも、しっかりとフォローしてくださいという指示をしました。その辺も結果が出ましたら、ご報告をしたいと思っています。
 以上です。

質問と回答

読売:冒頭の話でも出ましたが、就任から1ヶ月で、今のところ、何か感じられているところ、所感があれば教えてください。

知事:ちょうど1ヶ月ですが、和歌山県庁の職員がものすごい優秀。別に、べんちゃらを言っているわけではなく、本当に皆さん優秀で、真面目すぎるぐらい真面目で、職務に対して真正面から取り組んでいることに、ある意味、感動を覚えました。私が霞が関の官僚やっていた時は、もうちょっといい加減だったような気がして、大変素晴らしい仲間と一緒に仕事をできている感じがします。ただ、真面目過ぎて、資料もたくさん作るし、大勢の方がご説明に来るとか、万全を期すような体制になっている。別に、100点満点を取る必要はなく、何の試験でも60点を取ったら合格なので、その辺は、少し肩の力を抜いていただくように変えていきたいと思います。
 財政の話は、今度、予算の時にしますが、かなり貧乏な和歌山県ですが、トヨタ自動車株式会社で働いていた私からすると、ものすごい無駄が目に付きます。あまり言わないようにしていますが、一つだけ言ったのは、(資料は)カラーコピーは止めてくれと。対外的なものは、もちろんお客様ですから、カラーコピーにしますが、自分たちで使うのは、カラーコピーは止めてくれ。白黒とカラーでは、コストが10倍違います。トヨタ自動車株式会社にいた時は、もちろん白黒ですし、裏紙を使う。一回使ったコピーの裏にもう一回印刷していて、そこまではまだお願いしていませんが、そういうような感じです。

読売:資料の4番目で、意見交換会をされたとあります。従前だと、行政報告会という形で、仁坂前知事が、各地域でご説明されていたと思いますが、それを止めて意見交換会という形に変えた理由を、教えていただけますか。

知事:まず、お聞きすると、行政報告会は、割と、人数が多く、一方的に県が説明して質疑応答ということですが、むしろ、私は、今回、知事になって、街頭活動を封印しているので、なかなか現場の声を聞く機会が減ってしまいました。できる限り現場の声を聞くためには、15人とか20人ぐらいが限度ですが、そういう小さな集会を開いて、ご意見、ご要望、ご不満、いろんな現場のニーズを拾い上げる方が、私は新入生なので、その方が効果があるのではないかと思って、変えたところです。

読売:今日、阪神大震災から28年を迎えます。その辺り、今、感じられていることと、和歌山と言えば、南海トラフの危険性はずっと指摘されていることで、防災対策にどうやって取り組んでいくか、教えてください。

知事:朝のニュースや昨日の夜にそういう報道があり、思い出していましたが、ちょうど、阪神淡路(大震災)の時は、私は、主計局で厚生省の予算を担当していました。当時、我々は、復旧予算の査定をしなければいけないのですが、上司の命令で、全員、土曜日曜、自費で、一切、兵庫県や神戸市には言わずに、黙って(被災地に)入って現場を見てこいという指示をいただき、震災後一週間が経った頃に行きました。そのことを思い出して、現場を見た時の生々しい感覚が今でも残っています。
 和歌山県も他人事ではなく、就任の時も申し上げましたが、防災対策、或いはその後の第一次の復旧、長期的な復興計画を作ることが、ある意味、知事の一番の仕事ではないかという思いは、今も変わっていません。従来、県としては、かなり、これまでずっと入念な対策をされてきたことは学習しましたが、さらにどういうことが付け加えられるか。前に申し上げたように、道の駅にいろんな防災のコンテナを置くとか、これの研究会に県として参加する、或いは、この前、津波タワーも、基準を満たしていないものが、2ヶ所(の町で)県内に見つかりましたので、現地を視察したいと思っていますし、できる限りの防災・減災対策に、県庁挙げて取り組みたいという思いを、新たにしたところです。

共同通信:発表項目で、南紀白浜=羽田間の増便についてです。もちろん、和歌山県内の方に使っていただくのもあると思いますが、東京から来る方に向けて、キャンペーンなどを押し出していきたいというのを感じます。プロモーションとして、どういったことをされているのか、知事として、東京から来られる方に対してどういうふうにアピールしたいのか、羽田を使って来られる全国の方に向けてメッセージがあれば、教えていただきたい。

知事:お泊まりいただくための、前泊・後泊キャンペーンも広報していますし、乗って当てよう!キャンペーンや旅行商品の助成は、まさに来ていただく方の対策で、これも徹底的にやって、広報も担当者が入念にやっています。東京事務所はそのためにあるので、東京事務所が、各省庁やお付き合いのある各企業に、お願いをしてきたところです。そういうことをやりながら、ぜひこの機会に、南紀白浜の自然とアドベンチャーワールド、或いは少し足を延ばしていただいたら世界遺産もありますし、和歌山の自然を満喫していただくよう、全国の皆さんには、心からお願いをしたいと思います。

共同通信:おにぎりミーティングに関してです。若手職員からは、どのようなアイデアが挙がっているのか、言える範囲で教えていただきたいのですが。

知事:何でも言えますが、やっぱり、本音の話が聞けます。思ったより残業が多い、有給休暇が取りにくい感が少しあったりする中で、具体的に言うと長くなりますが、仕事のやり方をこう変えたらいいのではないか、こういう仕事を新たにやったらいいのではないかなど、割とざっくばらんにお話いただけた。それは、あまり当てずっぽにいい加減なことはできませんが、アイデアをいただいたら、知事室長や政策審議課長にお願いして、原課に、私の意見として伝えるようにしています。非常にいろんなヒントがいっぱいあるのと、やっぱり過去の人事政策が良いと思うのは、いろんな部署を、皆さんバランスよく歩んで来られている方が多くて、それぞれの経験を聞くと、それぞれに身に付いている感じもありました。あと、若い人なので、いろんなご趣味があって、ゲームをやるのは当たり前だと思いますが、ゲームを観戦するのが趣味の人が何人かいて、県庁内で、そういうクラブを作ろうではないかと話になったりもしています。ゲームの観戦も、素晴らしいゲームの観戦もあるけど、くだらないゲームの観戦もあるらしく、おじさんには全く分からない世界が分かったりして、大変楽しいです。

共同通信:報道の人が入って見ることもできますか。

知事:頭撮ぐらいはいいと思いますが、報道があると、本音が聞けなくなるので全部というわけにはいきませんが、ぜひ、頭撮はしていただければと思います。

時事通信:おにぎりミーティングについてです。まず、若手職員を対象にされた理由と、順次対象職員の拡大ということですが、最終的には全職員とやるご予定ですか。

知事:目標は全職員です。若手からというのは、偉い人は、よく部屋に来てくれて説明してくれるので、だんだん名前や顔とかキャラクターは分かりますが、若い方は、知事室へ入る機会がないので、そういう方から順番にということと、やっぱり、働いた年数が少ないほどフレッシュですし、組織に対して批判的なはずで、人間、長年おりますと、なあなあになると言うと少し言葉がまずいかもしれませんが、少し大人になっていくので、むしろ、大人ではないとんがった人たちの意見を聞きたいという趣旨で、若手からです。しかし、知事室は52名全員、若い人から長老まで聞いて、それはそれで勉強になったので、できれば全職員を対象にしていきたいと思っています。

産経:タウンミーティングではなく、意見交換会についてです。辻立ちを封印して、その代わりにというようなお話もされていますが、今後の方針として、どんなところに行くかの順番や頻度は、どのようにお考えですか。

知事:今、ご質問にあったタウンミーティングというのがとてもいい感じなので、今後、タウンミーティングにします。名前をいただいてありがとうございます。タウンミーティングは、当然ですが、ともかく、知事は、私が想像していた以上にめちゃくちゃ忙しい。ですから、2月議会が終わった後、私が出張するようなタイミングで進めていきたいと思っていて、ある程度、私も仕事に慣れてくれば、週一回ぐらいは行きたいところですが、そういうと担当の方も大変でしょうから、月に一回か二回は必ず行けるようにしていきたいと思っています。

産経:1月4日の仕事始め式の挨拶の中で、人事に関して、どの部署に入っても、スイッチを入れ替えてというようなことを発言されました。感想として、特定の部署で人数が増減したり、仕事のやり方が変わったりとか、かなり、大胆に人事方針を変えていくようなメッセージのように受け取れましたが、現状、どのようなお考えですか。

知事:基本的には、4月の人事異動に向けて現在作業中で、人事当局にお任せをしているところです。これから順次、幹部人事を含めて相談いただくことになろうかと思います。予算もそうですが、人事は組織の根幹をなすものです。人事は、人事課長が責任者として、年度が始まってから、ずっと1年間、次の人事異動を考えておられるわけです。私が就任したのが12月17日ですから、人事異動のある程度の骨格や機構改革も、ある程度決まっていて、これを、短兵急に、一月や二月で、知事の思いつきで変えるような気持ちは毛頭ありません。
 ですから、そこは、今までの積み上げを、私が、自分の常識や長年の経験でチェックさせていただくことになりますが、人事当局も、当然、時代に合わせた改革はお考えですし、機構改革もきちんとしていただいているようなので、私としては、その流れをフォローしていく、エンカレッジしていく、応援していく、こういう立場です。

大胆な改革は、予算においても、人事においても、再来年度に変えていきたいと思いますが、私が言っている、振興局をともかく重視することについては、少しお願いをして、人事の面でも、機構の面でも、新規を打ち出すような調整をしているところで、4月乞うご期待ということで、お待ちいただければと思います。

毎日:先ほど、無駄な部分が幾つか見えてきたというふうなことをおっしゃっていましたが、今のところ、カラーコピー以外に、何か無駄が目に付いたようなところは、幾つかありますか。

知事:ちょうど、DXが来年度、和歌山県庁も本格化するので、おそらく、来年度末にはペーパーレス化ができると思っています。庁内にWi-Fiを引くので、パソコン1台持っていれば、すべての会議ができるようになります。今は、紙が溜まっていて、皆さんも各課を回られたら机に紙が積んであって、ここは昭和かというようなことですが、これは、来年度末には解消されます。そういう無駄というか、昭和の時代のやり方或いは仕事の仕方で、私もトヨタ自動車株式会社におりました感じで言うと、ちょっと、やっぱりスピードも遅いし、いずれ組織を変えないといけないのですが、意思決定が重層化しているというか、もっとフラットな意思決定、そういう本質的なところは数え上げればきりがないのですが、一遍にはいかないので、少しずつ職員の意識を改革していく。
 ただ、申し上げたいのは、無駄なこともそうですが、やった事業のフォローアップです。この感覚が、少し県庁の方は少ないのではないかという印象を持ちました。PDCAサイクルが回っていないような印象を受けたので、チェックしてアクションというチェックのところが、これからの私の課題というふうに思っています。

毎日:先日、知事査定が始まったと思いますが、仁坂前知事に比べて対象事業数が非常に少なかった印象でした。対象事業の選び方を変えた部分は、何かありますか。

知事:予算というのは、担当者同士の積み上げで、事業担当が一番現場を分かっていて、その方々がやりたい事業があって、財政課が査定をしていくということですから、私は、現場の人たちの知恵とか議論を重視したいと思っています。知事が思いつきで、何やれこれやれというのは、よっぽど大きな政策マターはそうですが、県庁は、9割ぐらいはルーティンで、県民の、本当に仕事や命や暮らしや教育に関わる仕事をコツコツしているわけですから、そこは職員の皆さんにお任せしたい。本当に政治的な問題は、私が相談に乗るということで、従って、数を絞りました。基本的には、職員を信頼して、職員同士のディスカッションに委ねるという趣旨です。

毎日:県政とは違いますが、今、国で防衛費の増額とそれに伴う増税について検討されています。岸田首相は、将来世代への責任として対応すべきものといって、2027年度まで段階的な増税方針を打ち出していて、これらの議論で、議論が足りないのではないかという指摘もありますが、岸本知事は、今回の防衛費の増額と増税の議論について、この間どのように見ていますか。

知事:県政とは全く関係のないご質問なので、お答えする必要はないと思いますが、政治家岸本に対してのご質問と受け止めます。
 世界情勢が変化する中で、防衛費に対して、一定の枠をはめるのではなく、本当に十全な抑止力が担保できるような健全な議論が行われることは歓迎したいと思っています。ただ、もともと、日本の財政は大変厳しい状況です。実は、県の財政もそうで、これはまた2月に発表しますが、防衛費を借金でやるというのは、およそ世界の常識から外れているので、そこを岸田さんがおっしゃっているだけの話なのだろうと思います。
 私は、もともと出自が大蔵省ですから、皆さんに色眼鏡で見られますが、日清・日露戦争を戦った時に、皆さん本を読んだら簡単に分かりますが、どれだけ国民が増税に応じたか、日本政府がどれだけ増税したか、ものすごいことです。当時、まだ国力が弱い日本が、日清、日露で戦うために、歯を食いしばるような増税をして、それでも足りないので、特に日露の時は、高橋是清さんがヨーロッパを駆け回って、日本の国債を買ってもらう。ロスチャイルドが買ってくださったわけですが、そういうことをやってきた私たちの先輩のことを考えれば、借金で国を守るというのは、国を守ることにはならないし、国を守るというのは、防衛費だけでは守れない。経済力です。経済力がなければ、国を守ることはできません。
 ですから、どうやって経済力を強めていくのかという議論も併せてやらないといけない。このまま借金がどんどん続いて、日本銀行もあっぷあっぷで、国債をこれ以上買うことができなくなってきています。マーケットがおそらく許さないでしょう。そういう時に、やっぱり健全な財政こそが国を守るということで、実は、あまりレクチャーしてもいけないのですが、戦後、財政法ができて、国債を発行するのを禁止した時の趣旨は、第二次世界大戦に向けて、膨大な国債を発行して戦争をした。国債が発行できないということは、憲法に基づいて戦争しないというこの国にまさにふさわしいということで、財政法ができた経緯がある。そういう、本来の考え方に立ち戻った時に、私は一政治家としては、岸田総理のおっしゃっていることは当たり前のことではないかと思います。

紀伊民報:南紀白浜=東京便の4往復化です。恒久化するためには、利用客数をかなり増やさないといけないと思うのですが、どの程度まで増やさないといけないとか、JALから打診などはあるのでしょうか。

知事:それは、JALが決めることではなく、要するに、羽田の発着枠をどう取れるかに関係します。それは、大きな話なので、どれぐらい客を増やさないといけないかは、今の段階で申し上げることはできないと思います。

紀伊民報:利用客数を増やさないといけないというのは。

知事:利用客数を増やさないといけないのは明らかで、始発と終発に、お客様がガラガラだったら増やさなくていいのではないかとなる。もともと、小さい飛行機を大きくしていただいていますが、さらに増やすためには、発着枠を増やすしかない。しかし、羽田は、発着枠を取るとなったらとても大変です。それは、もちろんJALのご判断もありますが、国土交通省航空当局のご判断になるので、ものすごく大きい話だと思います。
 少し先走って言うと、成田の発着枠は、比較的、まだ国内は羽田ほどではないというふうに聞いているので、成田=南紀白浜を格安航空会社に飛んでいただくのは、模索はしていきたいと思っています。

紀伊民報:Wi-Fiを県庁に引くというお話ですが、振興局を含めて全館ですか。

知事:振興局についてはまだ聞いていませんが、県庁の本館内、多分別館もだと思います。要するに、今我々、みんな一人一台パソコンを持っていますが、有線なので、会議の時に持ってこれない。Wi-Fiだったら持ってこれて、そうすると紙がいらないので、そういうことをまず始めたいと思います。振興局もやるのかどうかは、後で担当者からお答えします。
 

情報政策課長:来年度から、本庁を先にさせていただきます。振興局は、今後設置する方向で検討しているところです。


紀伊民報:来年度の事業で。

知事:そうです。

朝日:部長会議についてお伺いします。部長会議のやり方を少し変えられたという話を聞いていますが、どういうふうに変えたかとその狙いを教えてください。

知事:部長会議は、一回やらせていただきましたが、次回から変えるということです。振興局も含めて各部局から、いろんなご報告をいただいて、それをみんなで聞くという、情報共有という意味で、大変意味のある会議だと思います。要するに、県庁の幹部級が全員そろって、他の部署の問題点や課題をシェアする、共有するということは、とても意味があるということだと思いますが、それはリモートでもできるわけで、集まる意味は、フリーディスカッションではないかと思っています。部長クラスの皆さんは、本当に長年県庁でお仕事され、いろんな部門を経験され、見識も人格も立派な方がなっているわけですから、例えば、中途採用者をどうしよう、振興局の位置付けをどうしよう、途中で辞めてしまう人が県庁もある程度いる、或いは原因はいろいろあるだろうがメンタルの問題を抱える職員もいる、そういう課題ごとに、フリーディスカッションをするような会議に変えていった方がいいのではないか。三人いれば文殊の知恵で、私一人で悩むよりは、そういう経験豊かな部長たちのフリーディスカッションの中から、県政の進む道を見つけていきたい。これも、トライアンドエラーです。やって、あかんかったら変えます。失敗するかもしれません。でも、失敗したら変えればいいだけ、元に戻せばいいだけなので、一遍やらせてください。

朝日:タウンミーティングですが、聞きっ放しだとあまり意味がないと思います。住民から出た意見を、どう県政運営に活かすのか、そういったところの考えを教えてください。

知事:全くその通りで、いろいろいただいた宿題を、県で、できることできないことがあるし、できることも、すぐできること、時間が掛かることがあるので、それは振興局を通じて、振興局から皆さんにお答えを返していくような仕組みを作っていきたいと思います。
 ともかく、振興局が主役というような行政に変えていきたいと思っているので、振興局を前面に押し立てて、住民の皆さんにお返しをしていきたいと思っています。

NHK:発表事項外ですが、海南市のいじめ問題について、教育行政の内容で恐縮ですが、3点ほど聞かせてください。

何年か前から、いじめが原因で学校に行くことができない児童がいる中で、海南市が法律に則った調査を行っていなくて放置されていたという問題が明らかになりました。まず、こうした問題が県内で発生しているという点について、知事の受け止めを教えていただいてもよろしいですか。

知事:海南の事案は、皆様もご存知のとおりの経緯をたどっています。おそらく、海南市教育委員会或いは首長さんのご判断の中で、現場のことは、いろいろ複雑な事情もおありだったのだろうと推察できますが、保護者から訴えがあって、いじめの疑いがある以上、しかも法律の要件の30日以上の不登校があったわけですから、どんな現場でのご事情があるにしても、淡々と第三者委員会をお作りいただいて、むしろ、海南市のご当局が、第三者委員会を開かなくてもいいというような判断をしたことが正しかったのかも含めて、検証していただいた方が良いわけで、今回の県の教育委員会の指導は正しかったと思っています。
 そういう意味で、今後、いじめの問題は最大限の課題として、県教委としても取り組んでいるし、当然、各市町村の首長さんも教育委員会も、真剣に取り組んでおられると思うので、今後は、県教育委員会と市町村教育委員会が、これまで以上に密接な連携を取っていただいて、もちろん県教委にはそんなに権限がありませんが、そこは、お互い教育に携わる者同士、今まで以上により一層の連携を密にした上で、対処していっていただきたいと思っています。

NHK:併せて、この問題については、県教育委員会から、同じ趣旨だと思いますが、調査をするようにという助言があったのですが、まだ、海南市教育委員会としては応じていない状況になっていると思います。もちろん、独立性というのは大事な点だと思いますが、県教育委員会からの助言に応じてこなかったこれまでの経緯、相手方の態度や姿勢については、どういうふうに受け止めていますか。

知事:それは、いろんなご事情があるのでしょうが、先ほど私が申し上げたことに尽きます。私は現場にいないから分かりませんが、県教育委員会担当者と市町村教育委員会担当者が、より一層連携が密で信頼関係ができていて、お互いにアドバイスをしたりされたりする関係が、より緊密というか、より信頼関係が厚くなるようになっていれば、こういうことはなかったのかもしれない。だから、さっき私が答えたのに全て尽きますが、今後、ともかく、県庁の中も縦割りで、県と市町村は別の組織で独立だけど、同じ教育行政をする仲間として、教育への情熱を共有し、一人でも、いじめで苦しむ子供さんがいなくなるようにするにはどうすればいいかという気持ちを共有するような信頼関係を作っていくことが、一番近道ではないかと思っています。

NHK:この問題は、当該児童だけではなく、県内のいじめとかで苦しんでいたり悩んでいる子供が注目している問題だと思いますが、和歌山県教育委員会の第三者委員会設置要綱もある中で、どういう姿勢で、この問題の調査に当たって欲しいか。

知事:こういう事案がある中で、海南市のご当局が一番悩まれていると思いますから、海南市のご当局のご判断を待ちたいと思います。県知事が、海南市教育委員会の行動に対して、何か物を言うというような、おこがましいことをするつもりはありません。

毎日:今の件で、追加でお聞きします。海南市の対応を待ちたいと思うということでしたが、今後、新たに助言を再び行うとか、そういったようなことを検討してやるような予定はありますか。

知事:それは、今後、海南市の状況をよく見守りながら、県教育委員会担当部局で判断をさせていただきたいと思っています。

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