知事記者会見 令和4年1月31日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年1月31日 知事記者会見

令和4年1月31日 記者会見室

株式会社プラタが紀北橋本エコヒルズ「小峰台用地」に進出します

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 発表事項は二つで話題事項が二つですが、まず、プラタという会社があり、スマートフォンカバーを主力とした携帯電話周辺機器とか、或いはカメラ・時計などの小売や雑貨・アクセサリーの卸売を行っています。この会社が、紀北橋本エコヒルズ「小峰台用地」、一番初め(の造成した時)から、(造成場所が)病院の近くなので、工場を作るわけにはいけないというところでしたが、そこの一つが空いています。橋本市民病院の南側になりますが、そこに進出してくれることになりました。

 (資料の)下にありますが、進出計画概要は、投資額が12億2400万円で結構大きく、新規地元雇用31名ということで、人を雇って、ここで大きくしてくれることになりました。もともとの本社は、大阪市内にあります。

 調印式は、2月10日木曜日の10時半から11時まで、橋本市役所で行います。

Sera Creations(セラ クリエイションズ)が田辺市で「企業の森」による森林保全活動の実施を決定!

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 その次は、「企業の森」の関係ですが、Sera Creations(セラ クリエイションズ)という会社、和楽器アイテムの開発、環境問題と音楽活動のコラボレーション企画・運営を行っているということだそうですが、音楽関係のSera Creations(セラ クリエイションズ)が、企業の森事業を活用し、龍神ですから「龍の棲む森」ということで、やってくださることになりました。

 調印式は、2月7日の16時から知事室で行います。(活動する)場所その他は、次の写真(資料2ページ)で詳しく載っています。

 これで、(企業の森は、)全部で、ちょうど100番目になります。

「和歌山県ライフラインのリダンダンシー点検」第3回プロジェクトチーム会議の開催について

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 その次は、話題事項ですが、「和歌山県ライフラインのリダンダンシー点検」第3回プロジェクトチーム会議の開催です。ここでいろんな議論がなければ、一応これで点検作業は終了で、後は実施あるのみということにしたいというふうに思っています。

 和歌山市の水管橋落下事件をきっかけにして、落下するような脆弱な構造になっているようなところや、壊れそうなところはないかということを、様々なインフラについて調べた。さらに、それでも、天変地異もあるし、壊れた時には、リダンダンシーという、別のところから代替手段を講じることができるかどうか。できたほうがいいが、どうだろうか。できた方がいいと思っても、例えば、費用の問題とかいろいろあるので、そういうことを考えると、どうしようか。そのようなことを考えていて、特に、今回の第3回のプロジェクトチームでは、どうしようかというところが、中心になってくるのではないかというふうに思います。

 2月3日14時から、災害対策本部室で行います。皆さんご承知ですが、県庁もそうですが、市町村、インフラ関係の民間事業者の方、国も入ってくれています。

関西広域連合「関西・第6波拡大阻止徹底宣言」について

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 話題事項ですが、関西広域連合が木曜日にあり、「関西・第6波拡大阻止徹底宣言」ということで、府県民の皆さんに、こういうことを守ってくださいというようなことをお願いする宣言を、発出させていただきました。もちろん、和歌山県もワンオブゼムですから、これも共通に県民の皆さんに申し上げたいというふうに思っています。

 以上です。

質問と回答

NHK:新型コロナの感染状況ですが、連日、400人を超えている状況です。知事は、今の感染状況をどう見ていますか。

知事:もう大変で、ものすごい勢いで(広がって)、本当にうつりやすくてかなわないということで、それぞれの方が、注意をしていただく必要はあると思います。もちろん、それなりに皆さん注意はしていただいていると思うし、やっぱりちょっと嫌だなという恐怖心もあると思いますが、それで仕事を休むわけにはいかないというような人も多いと思うので、うんと気をつけて、できるだけ、例えば、今まで言われていたような、手洗いとか或いはマスクとかについては、注意をしながらやってくださいと言うしかないと思います。

 一方、行政の方は、やっぱり、うつってもしょうがないと言っていると、本当にものすごく増えます。本当はもうちょっと少なくて済むかと思っていましたが、和歌山にしてはものすごく(感染者が)多いので、感染防止の手が足りないところもあります。そういうところを、みんなで補い合いながら(やらないと)、行政の方でその努力を怠ったら、県民の皆さんに、それだけ負担をたくさんかけることになるので、そういう意味では、歯を食いしばってみんなで頑張っているということです。特に、弱くなったところというか、突破されつつあるところを放置すると、そこからどんどん広がるので、周りからも応援に行くとか、別の部署の人が応援に行くとか、そういうことをやりながら、必死になって止めていかないといけないというふうに思います。

 あまり(感染の入口で)ジャージャーっと漏れると、いくらオミクロン株は軽症者が多いとはいえ、やっぱり、最近も亡くなった方が出ています。とても身体が弱っている人ですから、最善のことはしたつもりですが、お亡くなりになって大変残念で、ご冥福をお祈りいたしますが、そういうことがいっぱい起こってくる可能性がある。

 それから、比率は少なくなっていますが、一定の重症化リスクはあります。その一定の重症化リスクのところで、感染者数が無茶苦茶増えると、今度は、病院の負担とかも、もう一度増えてくる可能性があります。和歌山県も、NHKが今日発表していましたが、今、重症者は、国の基準でいうと2人です。だけど、2人の他に、酸素を(投与して)吸わないと、危ない人が大分います。それから、それになりそうな人、つまり肺炎になっているような人が、もっといます。この層がワーッと増えてくると、それこそちょっと危ない。和歌山県は、その層がそんなに今のところ増えていない。初期から面倒を見ているからではないかと思いますが、他県を見ると、その層が随分増えてきているような気がします。だから、やっぱり、感染の防止、一番初めの水道の蛇口を閉めるという努力を忘れてはいけない。それは、行政と県民の皆さん、要するに国民の皆さん、両方が注意をしないといけない、努力をしないといけないということだと思います。

NHK:そうした中で、先週、まん延防止等重点措置の事務的な手続きを進めていくという話がありましたが、今は、どのような段階で、内容としてはどこまできていますか。

知事:まず、お願いしますと申し入れ、事務的にいろんな資料を出したりしています。これは、「はい、分かりました」と一発でOKしてくれないので、それを、今、審査されているところだというふうに思います。審査をされる、すなわち協議をしていますが、協議が整ったら、一応、災害対策本部を正式にやってくれという話があるので、正式な災害対策本部を経て、国に、今度はもう一回、形式的な要件を整えたようなお願いをして、国で閣僚会議で決めていただいて、そこからいろいろな手続きを経て、まん延防止等重点措置の実施になります。

NHK:内容の方で、固まってきているところはありますか。

知事:内容は、時短の周辺しかありません。その他のことは、実は、ずっと説明しているように、基本的対処方針に書いていることは、ほとんどやってしまっている。もちろん、やっていなかったところは、それをやらないといけないのですが、例えば、不要不急の外出の自粛は、かなり前にお願いをしているところなので、従って、(残っているのは)時短です。これを必ずやりなさいということになっていて、それをやらないというのは、まん延防止等重点措置になる意味がないので、それも加えようと思います。あまり効果がないとか、そんなことは言ってられないので、この間から(協議を)やらせてもらっています。時短をどういうふうにするかについて、国と、実態に基づいて協議をしていて、ほとんどメニューは決まっていますが、その必要性などを、国に事務的にも了承していただいたら、手続きが前に進むことになります。

NHK:大阪から人が来たらというような、予防的なところもあるということでした。週末を迎えましたが、そうした実態は。

知事:ドタバタしていて、むしろ(まん延防止等重点措置の指定に)先に踏み切ってしまったので、チェックをするのが逆になっているので、これからもう一回、ギリギリ調べてみたいと思います。

産経:先ほどの話に関連してですが、スケジュール感として、目途はありますか。

知事:私の方は、踏み切ったからには早くやってもらいたいという一言です。ただ、大阪や兵庫や京都を見ていたら、これもそんなに(要請に踏み切ったのが)早いわけではないのですが、踏み切ってから実際の実施まで、少し時間がかかりました。だから、その辺の時間感は、やむを得ないというか、そうなるのかなという感じがします。私の気持ちとしては、早くやってもらいたいというふうに思います。

産経:つまり、一定程度時間はかかるけど、ある意味、国との調整の中で決まってくるところで、県としては早くして欲しい。

知事:最近は、あなたは(まん延防止等重点措置の指定は)駄目というのは全くないのですが、お願いと(国に)言ってからは、段階を踏んでやっていくみたいです。段階なんか踏まないですぐやってくださいというのは、なかなか通用しないようです。

紀伊民報:企業の森ですが、今回で100件目ということで、改めて、この事業の意義とこれまでの効果について、どのように捉えられているか教えてください。

知事:全国的にもそうですが、特に、和歌山県の林業が、戦後すぐに大変栄えた。それで、人工林も天然林もどんどん伐採して、当時は、それがパルプ原料などにもなったし、住宅用の需要も非常に堅調だったので、林業家は、大変活況を呈していました。それで、立派な林業家なので、次の資源として、一番有用な材を植えようということで、猛烈な勢いで、スギ・ヒノキの植林が和歌山で行われた。ところが、それが成長してきて、さあ売るぞとなるちょっと前ぐらいから、林価がすごく下がってきて、手を入れると赤字(になる)。従って、じっとしているのが一番よろしいということで、山が、スギ・ヒノキの純林のまま間伐が進まず、あまり成長しない状態、要するに有用材として成長しない状態になっていった。それから、単一樹層ですから、例えば災害なんかには弱いし、環境ということを考えると、生物多様性というような意味でも、あまりよろしくない。

 従って、そういうことを、政策的には林業の振興で対応していくけど、やっぱり企業のお力もお借りしてちょっと助けてもらおうというのが、この企業の森です。どう助けてもらうかというと、大体、(助けてもらうのは)大きな企業とかが多いので、都会で働いてる人がいます。そういう人たちは、今も特にそうなってきましたが、この事業が始まった時も、たまには、自然の中でいろいろな労働もして、気分転換してやっていこうというような気持ちもあるし、社会的な貢献をするという、企業としての理念もありました。そういうところを我々も訴えて、100件ぐらいどんどんやってもらえました。

 それで、(事業内容は)よくお分かりだと思いますが、すでに伐採されたけど、次の手を入れる元気がないようなところの地域を、企業の森にしてもらって、たまには(企業の人に)来ていただいて、植樹をする。その時も、周りはほとんど植林なので、どちらかというと、元の和歌山の山に戻るような樹木を植えてもらう。植えてからは、あっという間に草も茂るし、イノシシ或いはシカも入ってきて荒れてしまうので、大きくなるまで、しばらくの間は、下草刈とかで森林組合の人たちにいろいろ助けてもらう。もちろんお金を払っていただくので、森林組合としても、ちょっとした収入になる。

 これは、そういうバランスの事業です。だから、企業も、社会的貢献をするし従業員も良いしということで、一方向が良い。それから、森林組合も雇用になるから良いし、和歌山県全体としては、災害防止或いは環境保全という面でも良いということで、三方みんな良しというような事業として、宣伝をしてきました。

 いろんな企業に協力していただいたので、本当に感謝していますが、まだまだあるのではないかと思います。時々、担当部署が熱心になると増えていきますが、不熱心になると減っていくということの繰り返しなので、これからも頑張って数を増やしていきたいというふうに思います。

共同通信:一部の報道で出ていますが、衆院選の区割りの10増10減です。知事意見の区割り審への答申が、おそらく10日ぐらい前に締め切りだったと思います。減少の対象になっている都道府県からは、懸念する声とかが出ていますが、どのような意見をつけられましたか。

知事:まず、まだ仕掛かり中で流動的ですから、詳しく語るわけにはいきません。我々の意見を求められて、まず、和歌山県を代表しているのは私なので、私たち和歌山県の意見としては、その一、法律に反することは言えない或いはできない。現状は、10増10減なので、その10増10減の中でどうしたらベターかについて言えと言われれば、言わざるを得ないことになります。

 しかし、法律違反の行動はできないけど、意見を言うのは自由です。従って、10増10減は望ましくないのではないか。何もそこまでしなくても、それが少しずつ先送りになっていくかもしれませんが、慌てて10増10減をしなくてもいいのではないか。法律で決まったことなので、行動として違法行動はできないが、意見は言えるとすれば、早めに法律改正でもしていただいて、10増10減でなく、もうちょっと地方の意見が反映できるような制度を作って実施して欲しいというのが、私たち和歌山県の意見です。

読売テレビ:まん延防止等重点措置の話ですが、飲食店に時短を求めていくのは、県内全域の飲食店でよろしいですか。

知事:そうなると思います。特に、例えば、大阪との関係を重視して限定しろということであれば、自ずと鉄道が通っているところを中心に(求めることに)となります。だけど、国からは、そこを限定しろという、強い指導というか態度はない。従って、考えてみたら、皆さんが言うような、何でそこだけやって違うところはやらないのかというような議論を(否定できない)、それほどの蔓延状況になっていると、私は思います。従って、全体としてやりたいというふうに思っています。

読売テレビ:もし決まっていれば、酒類の提供はどうされるのか教えていただけますか。

知事:これも、基本的に、まん延防止等重点措置の基本的対処方針を見ると、どういうふうにするかは決まっています。だから、それと関係なく勝手にやるとすれば、いろんなことが考えられますが、そのやり方でやるしかないということです。

毎日:新型コロナですが、保健医療行政として、さらなる手を打たれるお考えはありますか。今日から、三つ目のホテル療養の施設が稼働しますが、さらに増やすとか、そういった部分のお考えをお願いします。

知事:それは、そっちもやっています。だけど時間がかかるので、そんなに決め手にはならない。でも、多々益々弁ずなので、そっちの方の努力もしています。

 一番大事なことは何かというと、みんな一生懸命頑張って、保健所の職員或いはそれの司令塔である県職員、みんな頑張っています。できるだけ感染を抑え込みにいかないといけないというのと、それから、自宅療養を余儀なくされていますから、病院に入っていただいて後はよろしくお願いします、では済まなくて、急に悪くなることも結構あるから、ケアをしないといけない。そのケアをどういうふうにするかについて、和歌山県のクリニックや病院の方々に、本当に面倒を見ていただいているので、そういうところの足腰をより強くしていくことが大事です。

 従って、例えば、今本当に大変で、過労などが出ているようなところについては、できるだけ専門性を要しないような仕事は、別の部署の人たちがどんどん応援に行って、やってあげないといけない。例えば、和歌山市も、市長さんが一生懸命それをやっていますから、我々もそういうことを全部やらないといけない。それから、面倒を見てくれるクリニックの方々のリクルートもやっていかないといけない。そういうことだろうというふうに思います。

毎日:具体的に、県庁内でサポートするような体制は、取られつつありますか。

知事:何度も画に描いて発表しています。

毎日:人員的に、他の部署の方たちを一時的に集めてサポートするようなことは。

知事:保健所の対応に行っているし、福祉保健部の担当の人たちは大変だから、その周りの人たちも、少し応援に行ったりしています。現場である保健所が特に大変なので、画に書いたような応援体制を組んでやっていて、それをもっとたくさん(人を)出して(欲しい)とか、あそこが今大変だからよろしくとか、そういうのが、臨時的にどんどん行ったり来たりすることになります。

毎日:基本的には、保健所の支援というのが、今のところはお考えですか。

知事:保健所が一番大変です。でもうちの指令本部も、ものすごく大変です。

毎日:IRですが、来週、県議会の特別委員会が開かれるというリリースもいただきました。その先、いわゆる公聴会或いはパブリックコメントを、実施できるにあたるだけのものが(事業者から)出てきたというふうな状況ですか。

知事:(締切が)今日です。その質問は、ちょっと答え保留にしてください。

毎日:ということは、まだ出てきていない。

知事:朝から聞いていない。それから、朝から聞いていたとしても、今日終わってからでないと駄目です。だから、1日早い。

読売:区割り審の話に付随して伺います。詳しくは語れないとおっしゃった一方で、10増10減については、意見を口に出されました。それは、区割り審から求められた意見照会の中で、そういう意見を書いて出したという理解でいいですか。

知事:区割り審からは、法律に基づいて何がいいと思うか言ってこいということで、しかも、それには基準が書いています。その基準は、法律事項ではないのですが、総務省が決めた基準で、その基準にも則って書いてこいというふうに言われます。だけど、その他に何でも言っていいというところもあるので、そういうのを全部総合して考えると、先ほど言ったようなことしかできないということです。

読売:つまり、特段の意見があれば意見を求めるというような項目もあったみたいですが、そこに(書いた)ということですか。

知事:最後の点は。でも、露骨に、手続き的なことをそこに書くのは、ちょっと僣越です。だから、少なくとも、制度を抜本的に変えて欲しいということについては、申し上げました。

読売:県選出の国会議員の皆さんからも、やはり地方の声が届きにくくなるというようなことで、特に、世耕議員は、議員数の増というのも提唱されています。知事は、将来的な衆議院の選挙制度の在り方で、こういったものが望ましいというものがあれば、お考えを聞かせてもらえますか。

知事:衆議院は一人区ですから、人口の増減に応じてある程度考えていかないといけないことは明らかなので、今のまま固定しろということは、多分言えないだろうというふうに思います。

 ただ、それを拙速にやらなくてもいいのではないかというふうにずっと言っていて、いろんなやり方があるのではないか。今言われたところもそうだし、巷間言われている3増3減で今回はいこうというのも、そうだと思います。私は、そういう制度の専門家ではないので、何が良いか分かりませんが、そんなに慌てて、10増10減だと決まったからどんどんやろうというふうにだけは言わないでくださいということは、和歌山県としては言いたいと思います。

 参議院は、またちょっと別の意見があります。

読売:それも聞かせてもらえることはできますか。

知事:地方自治があって、法律で県が47置かれているのだから、代表が1人もなくなる参議院の選挙は、私は憲法違反ではないかと思います。一方では、1票の格差が憲法違反だと言うけど、県を全く無視するような参議院の法制は、憲法違反ではないかというふうに思います。そういう議論も、本当はやってもらいたいというふうに思います。合区反対です。

産経:先週、有田市のエネオス和歌山製油所が、機能停止を発表されました。直接、会社の方にも行かれたと思いますが、改めて、その受け止めと、あの製油所は、和歌山県或いは有田市にとってどういう存在なのか、知事のご認識をお願いします。

知事:まず、私は、今、和歌山県を一生懸命脱皮させようとしているところです。なぜかというと、(和歌山県の)産業構造は、私の幼少のみぎりから現在まで、あまり変わっていない。その間、日本の産業構造は随分変わってしまって、和歌山県だけ昔の名前で出ていますという感じなので、これはちょっと危ないと思うので、この15年、ずっと努力してきました。だけど、(今は)そんなに大きな投資案件がない。特に、製造業の投資案件がすごくあった頃は、ちょうど私が知事になる直前ぐらいで終わっています。

 そうすると、今ある製造業にしても、鉄鋼と石油と化学で7割ある和歌山県の構造を、急に変えるわけにはいかない。従って、その中で、できるだけ新しいものを付け加えてやっていってもらって、かつ、何とかそれ自体として脱皮していってもらいたい。そういうのが、我々の願いです。経営があるので、何らかの対応をしなければいけないというのはそうだけど、和歌山県の置かれているポジションからすると、それ自体として何か脱皮をしながら存続してもらいたいというのが、我々の悲願ではないかと思います。

 今回の件については、その恐れが、急に顕在化したしたということだろうと思います。しからば、これからちょっとドタバタがあると思いますが、何とか、我々の悲願を達成できるような形で、エネオスが、あそこで脱皮して欲しいというふうに、強く思っています。社長と議論をさせてもらいましたが、私たちもそれは考えないでもない、何も考えないで、全部、太陽光を敷き詰めて(しまう)なんて思っているわけではありませんと言っておられたので、期待はしていきたいと思います。

 ただ、具体的にどうなるか分からない。それから、雇用と影響力はとても大きい。影響力から言うと、製造品出荷額の、和歌山県で2割弱、有田市で9割強を占めている、ものすごい大きな存在です。従って、その大きな存在が、小さい存在になって存続しましたといっても、あまり意味がない。だから、今の雇用の大きさを、できるだけ維持できるよう、或いはひょっとしたらそれ以上になるように、そこにおける脱皮を経営として考えてくれませんかというのが、私の願いです。

 協議会を作ってやりましょうというのは、むしろ私が言ったのではなくて、(エネオス側が)それは考えていますから、協議会を作って考えましょうというふうに言ってくれたので、期待は持っています。しかし、和歌山県は、石油業界が、これから新しいエネルギー産業としてどういう点でどうなっていくのかについて、そんなに定見がありません。従って、その協議会には、県サイド、すなわち県とか市だけではなく、経産省も入って欲しいというふうに言いました。それは、こちらからの希望です。そうなっていくのではないかと思います。

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