知事記者会見 令和4年1月24日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年1月24日 知事記者会見

令和4年1月24日 記者会見室
 

 今日は、発表事項がたくさんありますが、新型コロナの関係については、この間申し上げたものが、現在も続いているので、後でご質問に答えて、いろいろ申し上げたいと思います。

 それから、昨日、二人が亡くなられましたが、いずれも基礎疾患のある方で、お一人は基礎疾患があってお年寄りの方でした。ご冥福をお祈りしたいと思います。亡くなられた方が出たのは残念ですが、措置は十分させていただいたつもりです。それでも亡くなられる人が出る病気なので、あまり甘く見ないほうがいいということを(以前から)申し上げているとおりです。

株式会社ケミックが紀北橋本エコヒルズ「紀ノ光台用地」に進出し、併せて本社を移転します

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 発表事項ですが、株式会社ケミックが、紀北橋本エコヒルズの「紀ノ光台用地」に、別会社が使っていたところを買い直して、ご覧の(資料の)ような工場を建てるというのと、併せて本社も移転してくれることになりました。大変ありがたいことだと思いますが、この地域の重要性が、どんどん評価されつつあります。今、「あやの台北部用地」について、一生懸命開発しています。もう、売り出していて少し埋まりつつあるようですが、できるだけ早く用地を完成させて、どんどん皆さんに使っていただければ、雇用にもなるということだと思います。

 ケミックの進出計画についてですが、いろいろなところを(作業効率が上がるよう)統合していって、結構大きな企業になっていきます。(今回は)新規地元雇用17名を予定していて、投資額は8億円あまり、令和5年4月に統合して、操業を開始することになります。

 来週の月曜日、代表取締役の蓼沼さんに来ていただいて、橋本市長の平木さんとともに、知事室で、進出協定の調印式を行います。1月31日11時30分からなので、取材してください。

和歌山太陽誘電株式会社が印南町に工場を増設します

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 その次は、和歌山太陽誘電株式会社が、印南町に工場を増設することになりました。これは、コンデンサーとか、積層チップインダクタというようなものを作っている、世界的な大手の会社の一つですが、和歌山県では、積層チップインダクタの主力生産拠点として、印南町で事業を展開してくれています。今、駐車場として使っている空き地に増設して、駐車場を少し離れたところに開設することになります。

 今回は、3年間で正社員30名を増やしてくれて、投資予定は16億8500万円です。操業は、2月に開始予定で、実はもう作っていたということです。

農林水産関係 試験研究機関の研究成果を発表します

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 その次は、農林水産関係の試験研究機関の研究成果を発表します。毎年、テーマを公募して、3年間で特別な研究をしてもらうことになっています。なぜ公募するかというと、研究員だけがテーマを決めていると、やっぱりちょっと視野が狭くなる可能性があるから、農業関係者などのニーズを踏まえてやろう。それから、農業振興をしている行政から言うと、こういう技術開発があるといいということもあるので、そういう観点からも、テーブルの上に、自分がやりたい或いはやって欲しいテーマを全部出して、専門的知識のある方が優先順位をつけて採択していくということを、ずっとやってきました。(選んでいたテーマが)3年経ちましたので、その結果を発表することになります。

 これは、いつもだったら、どこかの研究所で公開して、お見せしたり或いはセミナーをやったりなど、いろんなことをやりますが、新型コロナがあるので、ユーチューブで配信することにさせていただきます。

 中身について、一覧は、次の紙が2枚あるし、詳しいものは、こっち(資料15ページから)に、写真入りでいろんなことが書いています。今日は、いちいちご説明しませんが、興味をお持ちの人は、ぜひ、担当課或いは研究所に行って取材していただくと、面白い画が撮れたり、お話が聞けるのではないかというふうに思います。どうぞ、よろしくお願いします。

 解禁は今日ですが、ユーチューブは、2月20日から1ヶ月間(配信)することになります。

新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴う宿泊療養施設の利用開始について

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 それから、宿泊療養施設を、今、リクルートしていますが、新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴って、そのうちの一つ、田辺の「ガーデンホテルハナヨ」が、1月22日から利用開始になっています。できれば、(資料の)(1)のように、病院に入っていただいて、発症後5日から7日経って、これはあまり悪くならない(と思われる)方は、24時間ずっと(健康)観察しなくても大丈夫なので、(病院から)ホテルに出ていただいて病床を空けていただくというように使おう。ただ、(1)では追いつかなくなっているので、(2)のような使い方、すなわち入口でホテルを使うことも、やらざるを得ない状況ですし、もっと言えば、できるだけクリニックの方に協力していただいたり、或いはまだ人手が足りていれば、県庁そのものが様子を伺いますが、(誰かが)様子を伺いながら自宅療養を余儀なくされています。そういうことで、(1)、(2)の使い方がありますが、もう(2)の状況になっているという感じです。もちろん、(1)の使い方もさせたり、臨機応変に県庁で指令してやっていくことになっています。

 「ガーデンホテルハナヨ」さんには、大変感謝をしたいと思います。しばらくの間、「ガーデンホテルハナヨ」さんは、宿泊として一般の客を泊められないのですが、県のためにといって協力してくれました。感謝したいと思います。

「おいしく食べて和歌山モール-FOR BUSINESS-」をオープンします!

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 その次は、「おいしく食べて和歌山モール-FOR BUSINESS-」をオープンします。「おいしく食べて和歌山モール」は、消費者が直接申し込むことができるものですが、この間から発表しているように、産品商談会in大阪とかが、新型コロナのために、なかなか予定どおり開催できないことになっています。従って、人気が高まっている「おいしく食べて和歌山モール」に、BtoB、つまり、業者さんが商談して買いたいというようなことが、できるような仕掛けを作って、そこに出品している人などに、消費者ではなく、業者さんが、扱いたいというオファーを、どんどんすることができるようになります。

 特徴は、(資料中段に)1、2、3、4とありますが、検索機能、情報提供機能が強化されているので、ぜひ皆さん、マスメディアで報道してくれるとありがたいというふうに思います。よろしくお願いします。

 以上です。

質問と回答

関西テレビ:IRのことについてお伺いしたいのですが、現在、当初の予定よりスケジュールの進行が遅れています。現状の進捗状況と、改めて、申請期限が迫る中で、誘致を目指すことに変わりはないか、和歌山が誘致した時に、どのようなメリットがあるとお考えでしょうか。

知事:順番を逆にして、答えてもいいですか。まず、誘致をしたいと思う点について、変わりはありません。それは、最後の質問になりますが、和歌山が、かつてそうだったように、このままだとなかなか県の勢いが挽回しにくい。今、昔みたいに、大きな製造業の投資案件はあまりないし、そういう投資をやっていかないと、今日時点ではちゃんと営業している、業種であったり、お店であったり、或いは工場であったりしても、世の中の変化とともに段々と落ちていく可能性があります。だから、既存の企業に頑張ってもらうのはもちろんですが、新しい血も導入して、勢いを増していかないといけない。これが、和歌山県が、50年かけて勉強した教訓ではないかと私は思っています。今は、IRのような大型の投資案件は、あまりないので、これを誘致したいと思った。

 今の計画は、我々の計算によると、コンサルに計算してもらいましたが、大体、年間の波及効果が、所得効果で3000億円ぐらいあるらしい。そうすると、和歌山の県民所得は3兆5000億円ぐらいなので、3000億円増えるということは、10%弱、階段が上がるということです。そういうふうになったら、いろんな良い効果が出てくるというふうに思っているので、これは誘致をしたいと思っています。

 ただ、嫌いだと言っているのは、ちょっと我慢してくださいというふうに思うので、嫌い好きというのはちょっと置いておいてください。だけど、いろんな方が心配しておられる、県民或いは日本国民が依存症になりませんかというのは、なりません。なぜならば、そうならないような仕掛けをいっぱい作っていて、法律も作っているし、プラスアルファで和歌山県も工夫をしているので、なりようがないでしょうとちゃんと説明できるようになっているので、自信を持ってお勧めします。

 次に、一番初めの問題で、遅れているという話がありましたが、遅れているのは、あまりよろしくありません。ただ、IRというのは、先ほど誘致したいと言いましたが、あくまでも県庁がやる仕事ではない。県庁の自分の事業ではなく、民間事業ですから、和歌山県は、一切お金は出しません。別に助成を出すわけでもありませんし、便宜を図るわけでもありません。しかし、国と和歌山県の規制は厳しいけど、これが、「ビジネスチャンスがある」と思って、それを乗り越えて入ってきてくださる人は、大歓迎です。

 今、世界的に、新型コロナの状況があまりよろしくないので、なかなかビジネスチャンスの計算が、いろいろ難しくなっているのは、何となく想像できます。今、遅れているのも、県庁の段取りが悪くて遅れているわけではなく、やっぱり民間の人たちがちゃんと(事業計画を)出せるかどうかという(ことで)、いろんな段取りをして結論をつけていってもらわないといけない。我々は、きっちりとした計画が出てくること期待していて、1月末までにその設定をしています。それまでに出てきたら、粛々といろんなところにお願いをして手続きを進めていきますが、出てこなかったらちょっと困ったことになります。

関西テレビ:現状は、当初の予定からは遅れているが、予定通りいけば、1月末までには、民間から事業計画が出てきて、そこから4月末までに粛々と進めていくので、特に不安とかは思っていない。

知事:不安といえば、ちゃんと事業者が、資金の目途なんかも付けて、「なるほど、これは大丈夫だ」と思うようなものを出してくれるかどうかです。出して欲しいと期待はしています。別に、絶対出てこないとは思っていませんが、我々ができることではない。資金計画が苦しいから、何百億円もお金を出すなんてことは、絶対にしません。

関西テレビ:出てこなかった場合に、誘致を止めるというお考えはありますか。

知事:誘致を止めることは、言う必要もないし、そういう議論にはならないと思います。ただ、今、手続きは粛々と進んでいて、4月末までに、我々は申請書を出さないといけない。これは県の責任で出さないといけないので、(民間から)出てこなかったら、それを出せません。その時にどうするかは、いろんな応用になるのではないですか。ひょっとしたら、次の(申請の)機会を国が設定すれば、その時までにできるかと思うし、それがありませんと言うなら、とりあえずできません。そこは論理学の問題で、そうしたいと言っているわけではありません。

関西テレビ:先ほど、好き嫌いは置いておいてというお話がありましたが、IRの誘致について、反対している市民の声なども多くあると思います。和歌山市長は、今日の臨時の市議会で、住民投票については否定的なお考えを出されると聞いていますが、知事はどう思っていらっしゃるかというところと、住民投票を行わない場合、そのような反対の声については、どのように対応されていくつもりですか。

知事:住民投票は、何を今頃言っているのですかというふうに私は思います。なぜならば、3年前に県知事選挙があって、それ(IR)は止めましょうと、シングルイシューとして主張しておられた候補が、対立候補でした。私は、他所は知りませんが、IRは絶対に必要です、私は断固推進しますと言って、多数の支持を得て県知事になったわけです。従って、そこで民意は十分反映しているつもりで、民意が反映されていないというのは、何を今頃言っているのですかということです。

 もう一つは、反対の人も含めて色んな人と、今までもシンポジウムなどを何度もやってきましたが、先ほど言った、レギュレーションでこうなります、唯一のリスクはこんな感じで、これはこうやって塞いでいますと、いろいろ説明していますが、あまり理解しようとはしない。要するに、嫌いという感じかもしれません。それはそうかもしれませんが、民意はもうすでに下っていると思います。

産経:先ほどの質問に関連して。IRの住民投票については、先ほどお考えをいただきましたが、一方で、国に申請する時に、地元自治体の同意が必要になってきます。プロセス上、住民投票をして可決が得られれば、地元同意の大きな後押しになると思いますが、その辺りについては、どういうお考えですか。

知事:それは、産経新聞さんのご意見ではないですか。私はそうは思っていません。法律上は、和歌山市は、市長が代表しておられるので、市長さんがいいですと言ったらそれでいいし、駄目ですと言ったら、そこで止まる。それが法律です。市長さんのこれまでのご見解は、自分が決めるけど、議会のご意見も聞いて決めますと言っておられるので、それはやっていかれたらいい。それにもう一個加えなければいけないと言っておられる人も、署名者にはいますが、それは、しなければいけないということではないでしょう。

NHK:新型コロナに関連してです。週末で、感染者が1日300人を超える日が続きましたが、県内の感染状況についてはどうお考えですか。

知事:オミクロンは、ものすごく感染力が高いので、我々が初めから用意していた防御線が、三つ突破されています。ようやく、整備した第四の防御線、つまり、自宅待機ないしは療養を、医師会のご協力も得て、(県の)手が足りない時は、医師会にお願いしたお医者様に、電話等で聞いていただいて、ウォッチしていただいて、危ないと思ったら保健所が対応するというやり方の、第四陣を大いに使わざるをえなくなっています。自宅待機ないし療養の方が1500人ぐらいいらっしゃるので、入院とホテル療養だけではとても間に合わない状況になっていて、それだけ、大変感染力の高い深刻な問題です。

 そういう意味では、尾身さんは、今回は逆のことを言っておられてよく分かりませんが、あまりやりたくなかったけど、和歌山県は、人流抑制の一種である不要不急の外出自粛を、県民にすいませんと言ってお願いせざるを得ない状況まで追い込まれています。

 だけど、もう一つ大事なことは、保健医療行政が頑張って、蛇口を締め続けることが大事です。そこを放棄してしまったら、大爆発がいくらでも起こって、自然感染、集団感染まで止まらないことになります。いくら、いろんな受け皿としての療養体制を整備しても、どんどん来てしまったらどうしようもないので、できるだけ感染者数を減らすことをやらないといけません。それに一番役に立つのは、やっぱり保健医療行政だと思います。それを必死になって今やっている。一部、あまりにも増えすぎて、感染者を追えなかった時期があります。そうすると、実はもっと増えるので、そこのところの体制作りも、和歌山市と相談して、随分強化されつつあるので、そこが効いてくると、急には減らないと思うけど、ひょっとしたら、一本調子で増えるのが止まるかもしれないという期待はしています。ただ、ものすごく恐ろしい。

 もう一つは、オミクロンは、どんどんワクチンも乗り越えられてしまいますが、重症化にはものすごく効いているという科学的見解はいっぱい出ているので、ワクチンも急ぎたい。これも、オミクロンの急拡大に間に合っていませんが、やっぱりやらないといけない。

 だから、なかなか敵が手強いので間に合っていないけど、それぞれやらなければいけないことは、一生懸命やるということではないかと思います。

NHK:そうした中で、いろいろな手を打っていて、不要不急の外出自粛も求めている中で感染者が増えてきていますが、次の手といいますか、まん延防止等重点措置なども含めて、どういうことを考えていますか。

知事:まず、実態が酷いところに手を打たないといけない。例えば、学校で結構流行っているので、今、それぞれの学校の判断ですが、どちらかと言うと積極的に、学級閉鎖とか、学年閉鎖とか、学校閉鎖とかを怠りなく(やってください)という話をしています。そういうことは、結構やっていかないといけない。それから、マスク、手洗い、飲食店利用の際の感染防止対策、そういうようなことは一生懸命やらないといけない。同時に、我々はいろんな可能性を探っていこうと思っているので、まん延防止等重点措置も、決して、絶対にしないと言っているわけではない。

 ただ、理屈があるか、或いは効くか。何のためにやるかというと、お金をばらまくためにやるのは、不公平になるし、他の県民にとっては自分のお金ですから、無茶なことはできないが、必要だったらやらなければいけない。その必要があるかどうかを、今、ずっとチェックしています。現状では、特に夜の飲食店は、全然流行っていない。そうすると、感染防止対策上、そこを止めてしまう。そうすると、協力金が欲しいから(営業を)止めて欲しいという人もいるかもしれませんが、程々に常連客と少しだけやる人もいるでしょう。そういう人にとっては、なんだ(それは)という話になります。

 その時に、メルクマールになるのは、近隣の県です。実は、今までずっと、今日も含めて、大阪も全く時短をしていない状況なので、どうも理屈が立たない。前の時に、一回ちょっとだけ和歌山市でやりましたが、あの時はちゃんと理屈があったが、どうも(今回は)理屈がない。だけど、明日からおそらく(大阪で)時短が入ります。その時に、大阪から大挙して(人が)やってくるような事態が観測されたら、それは躊躇なく、来ているところを止めないといけないと私は思っています。そういう事態になるかどうかは、ずっと注意深く見続けていきます。

 大都会などは、やっぱり群れるから、そういうのはかなり有効ではないかと、私はずっと思っていますが、地方圏で、あまり流行っていないところについて、(時短)措置をするのは、理屈が立たない、困ったというふうに思っています。

NHK:飲食店への効果もあると思いますが、他の都道府県では、アナウンス効果に期待する声もあります。その点についてはいかがですか。

知事:アナウンス効果は、NHKの報道によります。まん延防止等重点措置という名前で、何が起こるかを間違って理解してアナウンス効果と叫ぶのは、おそらく邪道です。なにか、戦前みたいな感じがします。それはあまりよろしくないと思います。

 だけど、和歌山県としては、最大のアナウンス効果を、すでに発出しています。あとは、国の助けを借りて、時短の強制力をつけるかどうかの問題です。そうすると、それを必要とする実態がないのにやるのかということになるので、さてさて(どうしたものか)というのが悩ましいということです。

読売:まん延防止等重点措置ですが、つまり、絶対しないと言っているわけではないということは、当面は、そういった。

知事:当面というか、必要があったらしなければいけない。政策は、大義名分というか理由があってやります。いろんなところに迷惑はかけるし、お金も使うから、理由がある時に、県民全体の幸せのためにやらないといけない。だから、そういう事態になったら、躊躇なくすぐにやるということです。

読売:すぐに国に要請するという状況ではないということですか。

知事:今日は(しない)。抽象的に質問されても(困ります)。当分とか言われても、当分とは一週間のことか、何となく一週間は様子を見るのかとか、みんな、そんなふうに思ってしまう。だから、表現があまり適切ではありません。

読売:現時点、この今の時点で検討しているわけではない。

知事:なぜなら、どこも時短していなかったから実態がない。それから、あまり(飲食店が)流行っていない。そうすると、なぜそこ(飲食店)にだけ手を入れるのか。止められないけど、もっと(感染が)流行っているところは、他にもあります。だけど、なぜ(そこだけ)そういうことをするのかについては、やっぱり説明責任があります。だから、なかなか苦しい。

 あれ(まん延防止等重点措置)は、全く意味がないというふうに言っておられる知事さんもいますが、そこまで私は確信犯ではありません。

読売:IRのことに戻りますが、三年前の知事選で、そこの民意を得ているとおっしゃいましたが、今日から臨時の市議会が始まり、住民投票が行われるか、行われないかの判断があります。市議会の判断や、住民投票がもし行われた場合の結果が、今のところの県の方針に影響することはないというお考えですか。

知事:そんな場合分けの質問は、答えられないことが多い。よく、チャートを作って、こっちへ行ったらこうすると、理科系の学者さんがやりますが、それに近い。

読売:今日から始まりますが、市議会の判断は、注視していますか。

知事:ありとあらゆることは注視しています。だけど、市議会の判断を一番注視しなければいけないのは、市長さんです。我々は、市を相手にしていて、代表は市長さんなので、市長さんが一番適切に考えてくれるのではないでしょうか。

朝日:まん延防止等重点措置に関してです。仮定の質問だと思いますが、可能性としてあるとしたら、今後、また、前回と同様に大阪から人が流れてきたりとか。

知事:そうです。やっぱり、今の(県民の皆様へのお願い)自体が、アナウンスメント効果が高過ぎるということだと思いますし、そのための救済策はちゃんと別途用意しています。さっき、アナウンスメント効果を狙ってと言いましたが、アナウンスメント効果は、もちろん、マスコミなどの情報で、オミクロンが流行っているというアナウンスメント効果がある。さらに、この間、不要不急の外出自粛をせざるを得なくなりました、お願いしますと私が言っています。いつも言っていないことを、それだけ(厳しいことを)言うのかということで、もっとアナウンスメント効果があります。それに対しては、救済はちゃんとしなければいけないというふうに思っていて、それも併せて申し上げています。

 しかし、事態がさらに変わるとすると、大阪が、今までしていなかった時短をします。時短をされた大阪の人が、人口は和歌山の8倍ありますから、ドドドッと(たくさん)和歌山へお越しになるというようなことになったら、それは望ましいことでもないし、やっぱり我々も防衛線はしないといけない。今までも、(時短は)関係なくても大阪のお客さんは何人かはおありになるでしょう。だけど、何人かおありになるから全部駄目というのは、和歌山だって、かなり感染が市中にあるので、全部来るなとは言えない。だけど、大挙してドーンと来るのは、大阪の措置に対する、今は脱法行為です。そういうのに対して、防御線を引かないのは、ちょっと間違いのような気がするので、前もそういう観点から、部分的にちょっとだけやりましたが、これから、そこはよく注意していかないといけないと思っています。

朝日:新型コロナに関してです。いわゆる、和歌山モデルの支柱は、全員入院と積極的疫学調査でしたが、前者がちょっと難しくなる中で、今、保健所が結構逼迫していますが、積極的疫学調査に関しては、こういう厳しい状況でも、引き続き堅持していく。

知事:これを止めるということは、いくらでも感染してよろしいということと同じです。人流は、本当に家に閉じこもって、ありとあらゆる活動を停止したら効くかもしれないけど、やっぱりせいぜい僕らが言えることは、不要不急の外出は自粛しましょうと言うぐらいです。そうすると、本当に効くのは、積極的疫学調査です。だって、感染している可能性のある人を全部調べに行って、封じ込めていくわけですから、それを止めてしまったら、それこそ何のための行政か分からない。苦しいのはものすごく苦しいのですが、みんな死力を振り絞ってやってくれています。一生懸命やろうとしているけど、ちょっとドドドッとやられているところが見受けられたので、そこは和歌山市とも相談して、強化してもらって、大分回復していくと思うと、市長さんも言っておられました。

朝日:先日の、助っ人が入ったりとか、そういったことですか。

知事:そうです。助っ人は、あちこちから入れています。

朝日:IRに関してです。民意は選挙等で得ている、それはそうだと思いますが、その後、例えば、サンシティの撤退とか、クレアベスト社がゴタゴタしているとか、パブコメがまだ得られていないとか、そういう状況もあります。市民団体の訴えを聞いていると、そういうところを指摘する声とかもあったりしますが、そういった部分に関しては。

知事:市民団体は、本当はやって欲しいのですかね。手続きが遅れているではないかとか(言われますが)、別に、反対なのだから放っておけばいいのであって、遅れているではないかと、あなたに対して、心配してくださっているのですか。

朝日:いや、何で住民投票が必要かという理由づけの部分で。

知事:論理的には逆です。だから、多分、推進したいのではないでしょうか。さっき、知事選の時(に話)がありましたと言いました。今、いろいろ言われましたが、例えば大阪は、昔から決め打ちでした。オリックスとMGMのグループにやらせると、デュープロセスはなく、いきなり決めてしまった。仮に、知事選挙の時に、私がMGMにやらせますと言って民意を問うたら、今、和歌山は違いますから、その時は民意を問うたとは言えないでしょう。だけど、IRを推進しますと言って、どこにやらすとか、いついつまで何とかとか、そういうことを言っているわけではなく、全力を挙げて頑張りますと言っただけなので、だから、充分、民意は問うていると思います。

朝日:その後、結構いろいろあって、住民投票は、それを、やる、やらないという部分になってくると思います。そういうところに反映するという意味では、する意味が無きにしも非ずかと思いますが。

知事:何かちょっと論理的ではない。頭脳明晰なるあなたにしては、言っていることを自分で反省すると、違うのではないか。どこが違わないか、絶対に違わないところを言っていただければ答えますが。
 

 本当に、オミクロンが大変で、さっき質問がありましたように、積極的疫学調査を止めてしまったら、それこそ、ヨーロッパやアメリカと一緒で、感染の住人に任せることになってしまいます。これは、やっぱり、行政としてはそういうことをしてはいけないというふうに思っていて、本当に大変ですが、みんな必死になって死力を振り絞って、頑張ってくださっています。諸外国の状況を見ていると、しばらくしたら感染が落ち着いてくるという例もあるようなので、ここしばらく、本当に死力を振り絞って頑張るというふうに行政は考えています。従って、県民の方も、普段言っていない不要不急の外出自粛について、そんなに(行動することを)心配しなくてもいいと言っていた知事が、心配だと言っているということなので、それぞれの行動を引き締めてやって欲しいというふうに思っています。仕事に行くなとか、学校に行くなとか、そんなことは言っていませんが、不要不急の外出はできるだけ自粛してもらいたい。

 それから、保健所の調査には、ぜひ協力していただきますように(お願いします)。悪いようには絶対しませんから、家に居てくださいと言ったら居ていただいて、ケアしていただけるお医者さんをちゃんと割り当てるとか、ちょっと危ないですから入院してくださいと言ったら、ちゃんと分かりましたと言って(入院して)いただく、誰にお会いになりましたかと言ったら、秘密は守りますから、ちゃんと喋ってくださいということを申し上げたいと思います。

 もう一つ、(体調が)おかしいと思ったら、必ずクリニックへ行ってください。それを怠って、気力を振り絞ってオフィスに行くと、そのオフィスが、例えば、普通のオフィスでもいけませんが、福祉施設や病院だったら、とんでもない悲劇が起こります。そこは、それぞれクリニックへ行って、新型コロナでないかどうかを判定してもらってください。それから、無症状の方も、心配だったら、無症状の検査機会もあるので、利用していただいて結構です。

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