知事記者会見 令和4年1月18日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和4年1月18日 知事記者会見

令和4年1月18日 記者会見室

新型コロナウイルス感染症の対応について

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 今日の発表は新型コロナだけにしました。新型コロナについて、ちょっと大変な状況になっていますので、皆さんに発表させていただきます。
 

・ 感染動向及び最近の主な集団感染の状況

 まず、皆さんにお渡ししている一枚目はこんな紙(資料1ページ)で、今の状況は、あっという間に過去最高になっています。それを、お配りしています。

 その次(資料2ページ)に、お手元に配っていると思いますが、最近、集団感染がすごいので、どんな状況でうつっているか、ちょっとおさらいをしてみたい。そういう(うつりやすい)ところで、やっぱりちょっと気をつけてもらわないといけないと思います。

 まず、第一番目に、新年会や誕生日会など、大勢が集まって行われた飲食により多数感染し、さらに家族内や友人等に感染している場合があります。これは、いろいろ合わせると56人になります。56人を分けると、二つの塊です。最大が34人で、集団で感染し、その集団で感染した方の家族にも、うつっている数も含めてです。そこであまりうつらないように、我々の部隊で必死になって感染防止をしていますが、陽性者を隔離してもやっぱりうつりますから、そういう意味では、二つの案件で、計56人、最大は34人です。

 その次は、成人式後に、どうも同窓会がいっぱいあった。成人式に出るなとは言わないけど、穏やかにやってくださいと言っていましたが、やっぱり、前々から大規模な同窓会を企画していたところが結構あって、そういうところでうつってしまった。84人と書いていますが、これは3件です。うち2件は、同じお店で隣り合わせでやっておられて、高校へ行った時の同級生が一緒というのがあり、交じっているようで、そこで最大40人の塊です。40人といっても、そこで40人うつっただけではなく、家族にもうつっているので40人になっています。全部で、その関係が84人です。

 それから、スポーツ遠征や県外チームとの練習試合、県内での合同練習により集団的な感染となり、さらに他の学校等にも感染したのが116人です。塊としては6つあり、最大は39人です。これがあるので、今、練習試合とかは、しばらく全部禁止にして、練習もマニュアルに従って、校内で練習する時もちょっと気をつけて、フルにやらないようにというふうにしています。

 それから、医療機関や高齢者施設などの利用者及び職員に感染が拡大しているのが23人です。これは本当に危険で、医療施設或いは高齢者施設に引き込まれないように、最大の注意をしていかないといけないのですが、一つの例で言うと、外泊した人が帰ってきた時に、陰性だったけど、後で、ウイルスが増えて陽性になって、人にうつしたというのがあります。(従事者の)皆さんが頑張ってくれているので、そんなに多くなく、院内で局部的に止めてくれているようですが、高齢者や病人は体が弱っていますから、命に関わることがあると思うので大変危険で、注意して欲しいというふうに思います。

 これが実態ですが、そこで、昨日、皆さんに取材をしていただきましたが、医師会と協定を結んで、自宅療養の道も開きました。我々は、元より、可能であれば入院で対応したいと思っていますが、とても数が多くなっているので、今、トリアージといいますけど、この人はそう悪化しないだろうとか見極めをつけて、自宅で待機していただいていることが、結構あります。その待機中も、病状が急変したら大変なので、保健所で監視をする場合ももちろんありますが、それの手が足りなくなってきたら、医師会にお願いをして、ウォッチを続けてもらうという道を、昨日、開いたわけです。まだ頼んでいませんが、今日ぐらいから、どんどん頼んでいくのではないかというふうに思います。そうせざるを得ない状況です。もちろん、感染が収まってきて、病院に空きが出てきたら、病院の方がケアがより十分ですから、そっちに戻していきますが、今はとても数が足りないので、そうせざるを得ない状況です。
 

・ 自宅で療養中の健康管理

 その時に、こういう紙(資料3ページ)があります。この紙を、自宅療養或いは自宅待機をお願いした人に、必ず配ります。これは漫画で書いていますが、結構、一個一個が大事なので、ぜひ、よく頭に置いてやってもらいたい。一番上に書いているのは、自分でも、こういうことになっていると意識してやっていただかなければいけない、体温チェックとか、うんとお年寄りなどは中々できないかもしれませんが、HER-SYSに報告するとか、担当医による健康観察、こういうのがあることを分かってもらいたい。

 真ん中に書いているのが、症状が強くなったらすぐに連絡を(してほしい)。もちろん、昨日の約束に従って、例えば、かかりつけ医が様子を伺ってくれる場合は、定期的に一日何回か連絡が来ると思いますが、その間でも、急に苦しくなったとかもあり得るので、そういう時は、例えば、うとうとする、だるい強い倦怠感、発熱が持続、ゼーゼー咳、胸が痛い、息が早い、ひどい頭痛、食欲不振・食べられない、嘔吐・下痢、こういう症状が強くなったら、すぐに連絡してください。

 生活上のポイントが、一番下に書いています。できれば、個室に入っていただいて、家族とはできるだけ接触を絶っていただいて、家族にうつることをできるだけ防ぐことをやらないといけない。その時に、個室では、換気をぜひ励行してもらいたい。家の他のところもそうですが、例えば、窓は開けておく、その代わりに、今は寒いからヒーターをどんどん焚くとかをしながら、何とか感染を広げないようにしてもらいたい。こういうのを配りますので、守りながらやってください。
 

・ 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について

 その次は、ワクチンについてご説明いたします。新型コロナウイルスワクチンの3回目接種ですが、(資料4ページの)一番上に、12月から医療従事者、1月から高齢者、3月から一般と書いています。政府も、多分、ワクチンが足りないので、オタオタしているのだろうと思いますが、8ヶ月経ってからやりましょうと言っていたのが、今、どんどん短縮されています。その都度短縮みたいな感じで、意図は、別に悪意でやっているわけではないが、結果論として、市町村が、対応についてものすごく混乱していました。(市町村が)誰に接種券を出したら、ちゃんと(国がワクチンを)送ってくれるのかが一番大事で、接種券を出しすぎると、それこそ大混乱になって、(ワクチンの)玉切れで市町村が酷い目に遭うことがあります。従って、まだ少し市町村の対応で混乱していたところがあると思いますが、そんなことを言っていられないし、どんどん早まりそうなので、高齢者全員には接種券を出しましょうと、今、県から働きかけをしています。

 そこで、24日の週の後半ぐらいから、本格的に、高齢者の第3回目接種が行われる。例えば、8ヶ月経っている人は、一番初めに接種券をもらっていますからやっていますが、ちょっと遅れた高齢者の方もいらっしゃいます。その方に対しても、どんどん接種券を出しましょうということになっている。出しましょうということは、逆に言うと、1月24日ぐらいには、ワクチンは足りるから、やってしまいましょうということです。

 ファイザーとモデルナが(ありますが)、本当は、一回目にファイザーを打っていたから、(次も)ファイザーの方がいいけどというお気持ちの方が多いと思いますが、実際、国からくる量が、半々ぐらいになっています。ファイザーが足りないということでしょうが、慎重な国も、モデルナでも大丈夫、交互接種をやっても大丈夫だし、その方がいいという説もあると言ってくれていますから、新型コロナに罹るよりは、モデルナを打った方がはるかにいいというふうに思いますので、モデルナも選択肢として、皆さん考えていただいたらどうかと思います。

 一般は3月から始まります。この時は、初めから、確か7ヶ月とかいうふうに国が言っていたと思いますが、(資料の)上に書いていますが、4月4日の週までには、和歌山県にいる、2回目接種済みの対象者72万人ぐらいの(うち)98%分のワクチンが配分される予定なので、その頃は、どんどん打っても大丈夫だろうというふうに思います。従って、一般の方は3月からで、高齢者は、もう始まっていますが、24日から加速化して打てる予定、こういうふうにお考えいただいたらいいので、接種券が届いたら、すぐに申し込みをして予約をしてください。
 

・ 在住外国人に対する感染対策等の注意喚起について

 その次(資料5ページ)は、在住外国人に対する感染対策等の注意喚起についてですが、県庁のルートを使って、外国人の方々に対して、次のような注意喚起をしています。外国人の方は、日本語がおぼつかないような方も中にはいらっしゃると思うので、こういう記者会見、或いは新聞報道、テレビ報道、そういうものでピンとこない可能性があります。それで、そういう方(外国人)は、割合、同胞意識が高いので、(集まって)実は新年会でうつってしまったグループがいます。それも、うつっていない時は、麗しい良い話だと思いますが、今、ものすごい感染(する可能性)が高いので、そういうのはちょっと止めて、日本語がよくお分かりなる県民と同じように、いろいろ守ってくださいということを、いろんな(国の)言葉でホームページで発信する。それから、外国人サポートメールで発信をする。それから、国際交流センターには、それぞれのコミュニティとルートがありますから、そのルートを通じて、コミュニティ同士でマンツーマンでどんどん広げてもらう。こういうことを、今、一生懸命やっています。
 

・ 和歌山県新型コロナウイルス感染症予防対策認証施設への対策徹底

 その次(資料6ページ)は、新型コロナウイルス感染症予防対策の徹底についてで、今、感染予防対策をしているお店は、認証して認証章を(店に)張ってもらっています。ところが、オミクロンがきついので、全く何も(対策を)やっていない認証店ではないと思いますが、認証店でもうつった例があります。従って、念には念を入れて、それぞれのガイドラインを守って、本当に慎重にやってくださいという通知を、昨日、発出したところです。
 

・ 県内経済団体等へのBCP(事業継続計画)の再点検等について

 その次(資料7ページ)は、同じく、昨日、発出しましたが、企業によっては、感染者が出た結果、事業が継続できないというようなことが起こりかねない。従って、事業継続計画をそれぞれ作っておられると思いますので、それの再点検、計画に従って言えば、次のページにあります。例えば、従業員の健康状態を毎日確認しているか、熱が出ている人が交じっていると危ないから、すぐにお医者さんに行きなさいと言って、他の人もちょっと慎重に行動してもらうことが必要ですが、そういうことをちゃんとやっていますか、ということをチェックしていただいて、職場でも、事業継続のための感染予防対策をちゃんとやってくださいということを、全県的に発出しています。
 

 県民に対する一般的なメッセージは、この間、申し上げたように、大人数、集団での会食は控えてもらいたい。それから、飲食・カラオケは気をつけて、特に換気が大事です。症状があったら、クリニックに行ってください。無料検査は、症状がない人が念のためにということですから、症状がある人はクリニックです。特に、ここが一番大事なところだというふうに思います。

 それから、学校教育現場には、結構、いろいろな制限を課しています。今ちょっと不便だとか、不満だと思う生徒さんもいらっしゃると思いますが、この感染の凄さを考えると、やっぱり守ってもらったほうがいいということです。それから、学校では、結構あっちこっちで感染が広がる可能性がある。それは、インフルエンザと同じなので、学校の休校や学級閉鎖を、躊躇なくやってもらったらいい。昨日現在で、公立だけ調べて私立は入っていないかもしれませんが、高校8校、中学校5校、小学校6校が、学級閉鎖ないしは休校しています。そのうち、学校を休校しているのは、高校1校、中学校2校、小学校4校です。大変(感染が)流行ってくると、学校の中は、どうしても子供さんたちの交流があるから、うつる可能性があるので、短期間の学級閉鎖ないし休校はやむを得ない。全県的にやるつもりは、今のところありません。それぞれで対応していけばいいというふうに思っています。

 以上です。

質問と回答

産経:昨日の医師会との連携の話で、今日にも実際に稼働というようなお話でしたが、実際に、自宅療養の導入を今日からやるということの方針でよろしいですか。

知事:ある意味では、昨日からです。昨日、約束して、昨日から可能にしています。ただ、自宅療養と自宅待機というのは、必ずしも分けられるものではない。我々は、できることなら、入院させてあげたいと思っています。その方が、より安全度が高まるし、ケア度も万全ですから、当初は自宅待機というふうに思っていますが、今日もたくさんの感染者がありそうだし、病院に全員どんどん入っていただくのが、現実的には無理になってきています。その時は、ずっと軽症で治っていく人については、自宅療養で最後までということがあり得るので、自宅待機が自動的に自宅療養になる可能性はあります。

 自宅待機でも自宅療養でも、ケアはしないといけない。そのケアのキャパが、保健所の人たちがちゃんとできる場合は、自分でやればいいのですが、新しい方々の積極的疫学調査に奔走している時は、症状が落ち着いている人のケアが、どうしてもおろそかになります。従って、医師会の方々にそれをお願いして、見張っていてもらうことが大事です。でないと、病状が急変した時に、命がなくなる可能性だってあるから、そういう措置を始めたので、自宅待機と自宅療養は同じだと考えていただいたらいいと思います。昨日は、まだ頼んでないと思いますが、今日なんかは、もう頼まざるを得ないというふうに思います。

産経:昨日の締結式の文章を拝見させてもらうと、県が自宅療養者と認めた人についてと書いています。そういう意味でいうと、今、発症して、県が認定したPCRで陽性となった方は、基本的には、自宅療養者になりますか。

知事:なると思っておいていただいたらいいと思います。

産経:入院調整中の方は、みんな基本的にはそういう運用に。

知事:自宅療養者と自宅待機者は、あんまり差はない。なぜ待機と言うかというと、できるだけ(病院に)入れてあげたいと思っているので、一応、待機というふうに言っていますが、現実の問題としてこう増えてくると、それは当分無理だということになります。そうすると療養者になります。

産経:ということは、実質的には、今日以降は。

知事:確か報告によると、昨日は頼まなかったと言っていましたが、今日はもう頼まざるを得ないと思います。頼むか頼まないかは、現実に、陽性者を、どうしようかと思う時に、ご本人などに(どの)お医者さんを選択していただくかとか、保健所の手がどのぐらい足りているかということも含めて、その関数で個別に違ってきます。だから、一律にこうしろと言っているのではないし、病院の入院はもう一切しないと言っているつもりもないです。

産経:その中で、ホテルのキャパシティを増やす取り組みをされていましたが、目途はどのような感じですか。

知事:今、いくつか当たっていますが、現実的に、お客さんの予約が入っているとかがあり、すぐにはできないみたいです。従って、今から用意をして、1週間とか2週間とかぐらいは、どうもかかるそうです。だから、こっちの方はすぐにはできない。だけど、これも多くしておかないと動きにくいから、できるだけ多くしておくということです。

朝日:ワクチン接種に関してです。1回目、2回目は、優等生的にやってこられましたが、3回目に向けての意気込みというか見通しみたいな部分と、モデルナとファイザーで取り扱いが違うという懸念も、以前、取材で聞いたことがありますが、そういった懸念みたいな部分がもしあれば、教えていただけますか。

知事:まず、第一に、できるだけ早く打った方がいい。(ワクチンを)たくさんいただければ、「それ、いけ」と言ってやりますが、多分、8ヶ月とか7とか6とか、ムニャムニャ国が言っておられるのは、実際に送れる数が、そんなになかったからということでしょう。幾らでも来れば、すぐに、例によって和歌山のマシーンを発動して、バーッとやれるわけですが、来ないかもしれないときにはやれない。従って、来る見通しがついた時点でドッといくことになって、多分、大丈夫という24、25日ぐらいから、全面的に接種展開ができる。これは高齢者で、医療関係の方も、まだ完全に終わっていないので、これも早く終わらすということでしょう。

 次が、一般人、若い人が3月からになりますが、この人たちの量は、4月初めには結構そろっているのではないかというふうに思うので、3月は予約が取りにくい状態になるかもしれませんが、4月になると、全量フルスロットルで突っ走れるのではないか、そんなふうに思います。従って、できるだけ早く打ってもらった方がいいということです。

 ファイザーとモデルナも、本当は、和歌山県は、初めから個別接種で走ったから、ファイザーが多い。集団接種や職域で稼いだところはモデルナが多いけど、(和歌山県は)ファイザーが多いので、皆さんの気分としては、両方効くと言っているから、同じものを打ってもらった方がいいけどと、多分、思っておられると思います。だけど、現実には無くて、では変えたら問題かというと、問題ないと厚労省が言っておられるので、どっちでも、とにかく早く打った方がいいというふうに申し上げたいと思います。

 モデルナの問題は、(打ってもらう人の)量がそろわないとやりにくい。20人分がそろわないと、一つ(の箱を)開けられないことになっているので、その点については、量が固まるところをモデルナで、例えば、施設で出かけていって集団接種しているところは、モデルナの方が向いているかもしれません。そんなふうに、それぞれの市町村が、今、頭を絞って、対応を考えてくださっています。

 1回20人と言いましたが、15人です。1回15人をそろえないと、ちょっと無駄になる部分が出るから、15人が塊になっているようなところで、モデルナがいいそうです。だから、職域とか集団接種とかには使いやすい。20人と聞いていましたが、15人の間違いです。

朝日:公立で小学校4校が休校とおっしゃったと思いますが、前に、確か、岩出市内全6校が休校みたいな話を伺った記憶がありますが。

知事:岩出で6校でしたか。ごめんなさい。ひょっとしたら、私が間違っている可能性があります。さっき、慌てて教育長から取材したのが4つだったので、申し上げました。ちょっと自信がありません。

 岩出は、休校は6校です。新型コロナ陽性者が出た学校は4校ですが、念のため、全6校が休校です。訂正をいたします。

NHK:入院に関してです。自宅待機をしてもらって、もしかしたら最後まで自宅待機で終わって、自宅療養になるかもしれないというような話で、見通しとしても、当分は無理かもしれないというような話があったと思います。現時点で、これまで全員入院でやってきましたが、それが今、一時的にできていない状況というような認識でよろしいでしょうか。

知事:方針としては、できるならば入院をしてもらった方が、本人の安全は一番確実だし、実際に、ケアの手間というか手続きや段取りも、入院の方が、実は楽です。ですから、きちんと対応できるので、その方がよろしいということになっていますが、とてもではないが、厚労省が、そんなに増やさなければいけないのかと、全国でブーブー言われた(病床の)数があって、その数を、和歌山県は忠実にクリアして増やしていましたが、それでも間に合わないぐらい感染力が高くて、一気にたくさんの感染者が出るので、これは無理です。

 ですから、別にそっち(自宅)がいいと言っているわけではなく、そうせざるを得ない状況に、今、追い込まれています。そうは言っても、自宅でいる人を放置するかというと、それはものすごく危険なので、そっち(自宅の人)を放置するということではなく、ちゃんとウォッチをする、或いはケアをする、そういうことの段取りをきちんと整えましたということです。

 オミクロンは、大したことないと言っている人が多いのですが、確かに、重症化する人の比率は圧倒的に少ないけど、こんなにたくさん(の感染者数)になってくると、やっぱりそれは何人か(重症化する人が)出てきます。その個人にとっては、確率の問題ではなく、個人の命は一分の一です。だから、その一分の一の命は、絶対に守らないといけないし、そのための最善は尽くさないといけない。だから、確率的に一人や二人が死んでもいいではないかというような対応は、とてもじゃないができない。そのために、本当は入院がいいけど、無理だから、ホテルや自宅を使いながら対応していこうということです。

毎日:ワクチン接種ですが、知事ご自身、3回目はもう打ちましたか。それとも、これからですか。

知事:もう打ちました。

毎日:いつ打たれましたか。

知事:1月の初めぐらいで、その時は、(1回目接種から)9ヶ月経っていました。私は、(1回目は、ワクチン接種が始まった)初日の次の日、近所のお医者さんで、一番初めに申し込んで、二日目においでと言われて打ちました。2回目が終わったのが、5月7日でした。そこから8ヶ月経っているので、接種券が早々と来たので、申し込んで、1月7日辺り、仕事をし始めてしばらく経ってから、打ちました。まだ、三週間は経っていません。

毎日:ちなみに、ファイザーですか、モデルナですか。

知事:ファイザーでした。特に、私はどっちを希望したというわけではないのですが、たまたま、そのお医者さんに来ているものがファイザーだったのではないかと思います。選んだわけではありません。

毎日:特に体調が悪くなったとかはなく。

知事:私は、一回目も二回目もへっちゃらで、三回目もへっちゃらだったのではないかと思いますが、最近、いろいろ心労が多くて、あまり元気とは自分では思わないのですが、高熱が出たわけでもないし、ものすごい頭痛とか、動けなくなるとか、そんなことはなくて、普通に仕事をしています。

毎日:できる限り多くの方が、早めに打っていただきたい。

知事:それは、間違いなくそういうことだと思いますが、皆さん、今、二回打った人は(次も)打ちたいという人が圧倒的に多いので、「まだか、まだか」の気分の方が多いと思います。それは、やっぱり、県としては、市町村と組んで、早く打ってもらいたいけど、物が来なければ早く打てない。別に、8ヶ月でなければいけないと、こっちが決めたわけではないので、そういう意味では、(国が)早く獲得して送ってくれれば、それでいいということです。ここが一番大事なことですが、そんなに獲得が上手にできていなかったのではないかという感じがします。

毎日:トンガの噴火による津波の影響ですが、ちょっと時間が経ってから来た、しかも夜で、唐突感がありました。今後、現地でどのような被害が出てくるか、状況がまだ分かりませんが、県として、今回、学んだこと、或いは対応を今後活かしていかないといけないこととか、今の時点でお考えはありますか。

知事:今はありません。県の危機管理監グループもちゃんと対応していたし、僕は心配で、「どう、どう」と、こっちから(聞いて)、「全然、(被害の)報告はありません、大丈夫です」と何度か連絡が来るけど、テレビを見ていると、(津波高が)串本90センチ、御坊90センチと言っているから、本当かと。そういうこと言うと、ちょっと個人的な話になりますが、やや感情的なことを言うと、心配になって市長さんにも聞いたら、やっぱり「大丈夫、全然へっちゃら」ということだったので、ホッとしました。

 だけど、テレビを見ていたら、室戸漁港で漁船がひっくり返ったりしていますから、ちょっとしたことで、ああいうことにはなった可能性はあります。あそこは80センチで、串本は90センチ(の津波が)来ています。そういう意味では、無事で良かったというのが、非常に正直な感想です。

 特に、何かがおかしかったことはないので、これまで通りの対策を、一生懸命進めていくしかないのではないか。津波対策は、和歌山県は、ものすごくレベルの高いことをやっていますが、完成していません。だから、その完成を早くしておかないといけないというのが、一番大事なことです。

毎日:早く完成というのは、具体的にどういったことですか。

知事:例えば、避難困難地域があります。3連動は過去最大と考えていただいて、巨大地震は理論値最大と考えていただいたらいいのですが、3連動で何地域、巨大地震で何地域と、それぞれで避難困難地域を割り出しています。避難困難地域では、現実の問題として、津波が来る方が早いという、ちょっと拙いところです。津波が来るのが逃げるより早かったら、場合によっては死んでしまいます。それは耐え難いので、避難困難地域を解消しましょうという運動を、一生懸命やっています。一番初めに解消されたのが美浜町ですが、徐々にそれがどんどん広がっています。ただ、全部ではなくて、まだ残っているとこもある。

 そうすると、避難困難地域の解消のために、いろんなメニューがあります。高いビルや避難タワーを建てるとか、高台移転するとか、岸壁を強化するとか、いっぱいありますが、そういうのをまとめて対策を全部やってしまわないと、ひょっとしたら、南海トラフの本当に恐ろしい地震と津波があったら、連絡をしても逃げるのが遅くなって死んでしまう可能性があるのは、耐えられない。そういうようなことがいっぱいあるので、そんなことを、やっぱり急がないといけない。私が一番気になっているのは、避難困難地域です。

紀伊民報:自宅待機が結果的に自宅療養になる可能性があって、区別ができないというお話がありましたが、同じ考え方で、ホテルで待機されている方も、区別せずに宿泊療養が始まっているというふうに考えてよろしいですか。

知事:これも、結論を言えば、そういう可能性があります。だけど、第一陣は全員入院で、第五波までは、それで辛うじて乗り切った。第二陣の備えは、それがいっぱいになってきた時に、しばらく入院していた人を、どんどんホテルへ出してしまう出口戦略です。第三が、ホテル入口戦略で、ホテル療養ないしホテル待機です。第四陣が自宅、こういうふうな備えです。第三陣になった時、今、もう一部なっていますが、それは、ひょっとしたら、自宅と同じようにホテル療養で終わる可能性はあります。だから、入院できればいいけど、ホテル療養で、最後まで居ていただいて、大して悪化しなければ、それでいいということはあり得ます。第二陣のホテルは出口ですから、入院した後の人なので、それは、ホテル療養の後半療養、後半療養in the hotelということで、他所とはちょっと違いますが、第三陣になると、他所と同じようになってくるかもしれません。

 今もう、とにかくものすごい数になってきたので、一陣、二陣、三陣ぐらいが突破されていると考えていいと思います。

NHK:トリアージをしながら入院に繋げているということでしたが、具体的には、無症状の方よりも症状のある方を優先したり、基礎疾患のある人を優先したりなど、具体的には、どういうようなトリアージを行っていますか。

知事:まず、病状を見ないといけません。無症状の人は、一番、大丈夫かと思います。それから、オミクロンであまり顕在化していませんが、過去の例で、随分、医者に行くのを躊躇して、1週間や10日ぐらい後で、病状が悪化してから、新型コロナと発見された場合がありました。そういう方は、いきなり肺炎になっているとかが、結構ありました。そういう方は、とりあえず一番危険なので、すぐ入院です。しかも、レベルの高い治療のできる病院に入れた方がいいかもしれません。そういうこともあるし、基礎疾患がたっぷりの高齢者は、ひょっとしたら悪化した時に命が危ない。そういうのは、優先的に診るということは、当然やるでしょう。それを、保健所と健康局で判断をして、「あっち」、「こっち」と言う。一番大丈夫そうな人は自宅に居ていただいて、その方について、保健所でウォッチできない時は、医師会の方に頼んでやってもらう。トリアージは、こういうことです。

NHK:例えば、無症状の方はまず自宅療養にしてもらうとか、そういう方針ですか。

知事:相対的な問題だから、全部、そんなものを初めから決める必要はない。だから、無症状な人はあっちと初めから決めておいて、例えば、ちょっと感染が収まってきて、病院がガラガラだとしても、無症状だからあっちだと言うのは間違いです。患者のためには、あんまりリスクが少なくないことになるので、えいっと決めることは危険です。

紀伊民報:県内で、全員入院を、唯一、第五波も含めて堅持されてきた中で、自宅療養や宿泊療養が始まり、結果的に全員入院が維持できなくなったということですが、それについての受け止めをお願いします。

知事:何でそんなことをしているかと言うと、患者さんの健康を考えて、それが一番ベストだからです。だけど、感染者と(病床の)キャパとを考えたら、ベストなことが、段々できなくなっているのが現状なので、その時は、ベターなことをしないとしょうがない。だから、ベストのことができなくてちょっと残念ではあるけれども、現実に応じて、次はベターなことを考えていかないといけないということで、もうしょうがないかというふうに思っています。

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