知事記者会見 令和3年8月31日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年8月31日 知事記者会見

令和3年8月31日 記者会見室

県民の皆様へのお願い

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 皆さん、おはようございます。それでは会見を始めます。今日は、新型コロナの流行がまだまだ燃え盛っていますので、それに対して、改めて、県民の皆さんに、追加的なお願いというか確認みたいなものを、まずしたいと思います。

 何をするかというと、今までお願いをしていたものは、ほとんどそのまま継続です。ごくごく最近の感染状況を見ますと、これは言っておかないと危ないというの(があるの)で、少し細かくなっていますが、それについて申し上げたいと思います。

 まず、和歌山県の感染状況は全国的に言えば下の方ですが、それでも学校については、かなり厳しく措置をすることにしました。しかし、さらに、グループと言ってもいいと思うようなところで、いろいろ感染も出てるし、ちょっと注意をしてもらわないといけないことがあるので、教育関係を一つ申し上げたいと思います。

 基本的には、こういうことになり、「学校教育現場での感染予防対策の徹底」です。例えば、県立学校は、今日まで休んでもらって、明日から(授業が)始まりますが、午前の部と午後の部に分けたり、座席が密にならないように、半分ずつにして、残りはオンラインでお家で見てもらうことにしたりして、しばらく凌ごうというふうになっていて、これも一つの感染対策のテクニックです。だけど、学校教育というのをもっと広くとらえると、いろいろと問題があるので、それについて、これから申し上げたいと思います。

 まず、学童保育とか習い事、塾などでの感染予防対策も徹底してもらわないといけないということです。実は、塾の先生が他所で感染して、塾で教えて、塾の生徒さんにうつしたところがあります。学校は注意しているけど、塾は注意してないというとまずいので、どんな小さい塾でも、塾を止めろとは言いませんから、感染対策を徹底的にやってもらいたい。少なくとも、学校に準じてやってもらいたいというのが一つです。

 同じようなことは、習い事、例えば、バレエを習いに行っているとか、お花を習いに行っているとか、英語を習いに行っているとか、いろいろありますが、そういう習い事の場でも、あまり密にならないようにとか、ちゃんとマスクをしておくとか、おやつなどは今ちょっと止めとくとかは、ぜひ徹底して欲しいということです。

 難しいのは、学童保育です。学童保育でも、感染が出ました。学童保育については、厚生労働省が作ってくれた学童保育の際のガイドラインがあります。このガイドラインをちゃんとよく見て、学童保育の際には気を付けてもらいたいというふうに思います。これに、一部書いていますが、特に、県からお願いしたいと思っているのは、学童保育は、大体、学校が終わってから学校でやることがあります。そうすると、結構たくさんの教室が空いています。だから、面倒だから一ヶ所にみんな集めてではなく、たくさんの教室を使えば、子供たちが密にならないで済みます。従って、空き教室等の活用で密集性を回避してもらうということを、ぜひお願いして欲しいということです。

 それから、今、おやつはちょっと止めておこうとなっていますが、どうしても食事をしなければいけない時は、密にならないように、食事中はワーワー騒いで会話をあまりしないようにして、食事が終わったらすぐにマスクをするということをぜひやって欲しい。

 それから、これはもちろん当たり前ですが、症状があって熱っぽいような時は、絶対に止めていただいて、むしろ学童保育に行くよりもクリニックに行ってもらったらいいということです。

 それから、保護者が休みで、健康が大丈夫で、子供の面倒を見ることができる場合は、やっぱりリスクを下げて、ご自身で面倒を見ていただきたいというふうに思います。

 それから、患者さんが出た場合は、濃厚接触者が誰かということが、ちゃんと分かってないといけない。学校の場合は、ちゃんと分かっています。塾の場合や習い事の場合も、ちゃんと分かっていると思います。だけど、学童保育の時は、今日ちょっとよろしくと言って、ポッと連れてくる時もあったりして、名簿の管理みたいなものがちゃんとできてない時があります。そうすると、A子ちゃんが感染していた、A子ちゃんのご家族が感染していた、ということが後で分かった時に、学童保育のグループは感染を疑わなければいけません。それを調べに行く時に、誰を調べにいったらいいか分からないと、そこからブワーッと(感染が)広がる可能性があります。従って、利用者の名簿や連絡先をちゃんと聞いておいてもらって、いちいちこの人が来ていますと言う必要はないけど、いざとなった時に、保健所に情報提供できるようにしておいてもらいたい。

 ということを、学童保育の観点では、ぜひお願いしたいと思います。

 もう一つは、最近、いくつか発生して困っているのがこれで、「医療現場においては、なお一層の感染予防対策」です。医療現場は、今まで、一番感染対策をしてもらっていました。割合、上手くいっていたと思いますが、最近、医療現場でむしろ集団感染が増えています。多分、医療従事者が、かなりの割合でワクチンを受けているので、あまり発症しないだろう、うつらないだろうということで、少し油断ができていたのではないかという感じがあります。ところが、よく調べてみると、医療従事者も、中には受けてない人がいます。その人などから、バッと罹った。受けている人だって、うつる確率は下がっているとはいえ、普通の場合に比べて10%ぐらいあるので、うつらないとも限らない。たくさんのウイルスが曝露されたら、やっぱりうつってしまいますから、とにかく、医療現場で注意をしてもらいたいと思います。

 その時に、今申し上げましたのは、医療従事者の方です。だから、ちょっと熱がある、あるいはちょっとだるいという医療従事者の方は、医療現場に行くのは止めて、ご自身が調べてもらったほうがいいというのが、まず大鉄則です。それから、もちろん、(自分に)症状が無くても、ご家族がうつっていて、自分がうつっているかもしれない、いわゆる濃厚接触者などの場合、それに加えて、最近起こったことは、病院から退院した人が、その病院の中でうつっていて、老人保健施設に入ったケースが結構あります。これは、我々としては大慌てになります。後で調べたら、実は病院でうつっていた。福祉施設の方は、今でも防御線はかなり引いてくれています。例えば、ルールがすでにあるので、新しく入ってきた人は、ちゃんとPCR検査や抗原検査をして、この人がうつっていないことを確認して、施設に入ってもらうとかサービスを受けてもらうことになっていますが、病院から来たから、絶対大丈夫だろうということで、抗原検査などをしてなかったケースがあります。

 病院もそういう状態なので、病院から来たからといって盲目的に信頼しないで、やっぱり施設側でも、その人はうつってないかを、抗原検査ないしはPCR検査で確認してもらいたい。従って、病院を信用するなというのは、言葉はものすごく悪いのですが、念には念を入れて、みんなが注意をしましょう。病院の患者さんの中には、もちろんそうでない人もあり得ますが、この人は余りにも体が弱くて、ワクチンを打ってはいけませんとお医者さんが判断した人が結構います。そういう人に、感染が及んでいったら、本当に命が危ない。最近、そういう意味では、和歌山県も死者が出ていますが、これは大体こういうケースです。若い人の場合は、初めからちゃんと医療加護があれば、命に関わることは、かなりかなり少ないと思いますが、今のようなケースでお年寄りがうつったら、まさに第四波以前の状況に戻ります。従って、命に関わりますから、ぜひ皆さんにお願いしたい。福祉施設の中にも、打ってはいけませんとなって打っていない人がいます。病院に入っていない人でも、特定の病気があって、この人は打たないほうがいいと医者が判断した場合は打っていませんから、そういう意味では、ぜひ注意をして欲しいということです。

 今、後段で申し上げたことはこれで、「病院を退院し、福祉施設への入所・利用時にも、検査を徹底」して欲しい。病院から来たから検査は止めとこうというのは、大変危険だということです。

 もう一つ、昨日の例を見ると、一番止めてくれと言ってるやつでうつったのが、かなりあります。何かと言うと、友人と、わざわざ大阪に行って、わざわざ大阪で飲食をして、うつって帰ってくるというのがあります。県外への通勤・通学、例えば、オフィスが大阪ですという人はたくさんいますから、そういう人に通勤しないでくださいと言っても無理です。だから、そういうところまで止めませんが、直行直帰して、会食は控えてくださいということを申し上げているのと、もっと言えば、若い人ですが、感染が拡大してる県外に出かけて、飲食等は絶対やめてくださいと言っているのをやってしまったのがあって、やっぱりかなり感染しています。いろいろ調べてみると、あれ(が感染源)だということが分かるので、それは本当に止めてもらいたいというふうに思います。

 飲食との関係で言うと、実は、飲食でうつるケースはやっぱり多いので、飲食を目の敵にするのは間違いだけど、特に、夜の飲食店はウォッチしておかないといけないので、我々は、夜の飲食店が多い、和歌山市とか田辺市とか新宮市とかで、見回りを結構やってます。一方で、通信会社の携帯の移動記録で、どこからどう来ているかも、大体、分かります。それによると、一般的には、飲食店で県外の人がウワーッと集まってワイワイ言っているのが多いのですが、どうもそれは、一部はあるかもしれませんが、たくさんあるケースではありません。1人、2人というケースはあるかもしれないけど、たくさんいるわけではありません。それは、ジーッと(状況を)見ているのと、ヒアリングと、携帯情報で分かっていますので、やっぱりガイドラインを守って、きちんとやってもらいたい。それが、すべての飲食店を救う道だというふうに思います。

 今、そんな状況で、飲食店の中で、一応ガイドラインなどをちゃんと決めていただいていますが、マナーの問題、あるいはそこが楽しいからといって、(ガイドラインを守らずに)やられているケースがあり、これはちょっと危ないと思っています。

 何かというと、主として、若い人たちがたくさん集まって、例えば、回転ずしやファミリーレストランのテーブルとか、普段だとそんなに感染リスクが高くないところ、そういうふうに自分たちも思っているのだろうと思いますが、そこにみんな集まってご飯を食べた後、非常に長時間、マスクをつけないで、そのままの状態でしゃべっている。普段だと楽しくていいのでしょうが、お店の人や周りの人から見ると、とてもなんか嫌な感じがすると思います。今、みんなで守っているのに、あの人たちは何だ、という話があるので、ぜひ、お食事が終わったら、すぐマスクをして欲しいということだけはお願いしたい。

 そこで、(参考資料12枚目の)こういう(ものがあって)、お話する時はマスクをつけてね、ご飯を食べ終わったらマスクをつけてね、ということを、きいちゃんが皆さんにお願いをしています。これは、平面の場合もあるし立体の場合もありますが、お店に置いておいてもらったらいいのではないか。特定の大きそうなお店には、お勧めして回っていますが、ダウンロードして勝手に使っていただいて結構ですから、それぞれのお店でこれを使って置いておく。そうすると、店員さんが、例えば、若者がさっき言ったみたいなケースで長くしゃべっている時も、県からも言われていますと、あまり反感を持たれなくて注意できるので、こういうのもご利用いただきたいと思います。

 残りのお願いについては、お手元にお配りしていて、今回は、残念ながら緩めるところはございません。ちょっと感染が減ってきた感じはありますが、今日はまた結構多いと思います。東京はちょっと減ってきていて、これが本当に減っているのか、検査をしなくなったのかよく分からないというのが、専門家の意見です。大阪は、検査をちゃんとしていると思いますが、まだ減っていなくて、じわじわ前週比を超えている状態なので、これがガガガッと減ってこないと、和歌山も安心できないところがあります。保健医療行政は必死になって頑張っていて、入院はちょっと余裕が出てきましたが、まだ、ぎりぎりかつかつな(状況な)ので、明日から予備でホテルも稼働し始めますけど、そんなに余裕はありません。従って、皆さん、特に危ないところは、一生懸命言っていますから、そういうところを、重点的に気をつけて生活していただきたいと思います。

 それから、お手元にこんなの(参考資料13枚目)が配られています。関西広域連合が、先週の木曜日にあり、みんなで宣言を出しました。今、忘れてはいけないのは、これから災害シーズンです。まさに、10年前の数日後に、大変な悲劇が和歌山を襲いました。これについても忘れないで、新型コロナ禍でも、自然災害の問題は忘れないで、ちゃんと避難をしましょうということも申し合わせて、皆さんにも言いたいと思いますので、それを申し上げておきます。

 そういうのを、常にまとめて、溶け込み型でまとめているものをお手元に配っておりますので、今の全貌はこれで分かります。

インフラ基盤のシステム開発などを手掛ける株式会社IAC(アイエイシー)ソリューションズが和歌山市に新オフィスを開設

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 新型コロナはこのぐらいにしておいて、残りの発表をさせていただきます。

 まず、インフラ基盤のシステム開発などを手掛ける株式会社IAC(アイエイシー)ソリューションズが、和歌山市に新オフィスを開設してくれます。そこ(資料)に書いているような会社で、東京都に本社があります。和歌山県で、当初、9人(の雇用)を予定して、和歌山分室を作ってもらう。こういうのがどんどん発展していくといいなというふうに思っていますが、進出協定の調印式を、9月6日月曜日、14時から県庁で行います。

ライオンケミカル株式会社が 有田市に工場を増設します

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 その次に、ライオンケミカル株式会社が、有田市に工場を増設してくれることになりました。もともと、有田市に本社を置く伝統のある会社ですが、本社の隣接地に新たな工場を建設するということです。こういう領域は、巣ごもりとか感染防止とかで、各商品のニーズが高まっているとこもあります。そこで、生産能力を増強して、現在、若干分散している製造拠点を、(製造毎に)増設した部分に統合していこうということで、意思決定をしていただきましたので、大変ありがたいことだと思います。

 新しいところでは、正社員30人と非正社員12名を予定しているということです。

 以上です。

質問と回答

朝日:県民の皆様へのお願いで、部活動のガイドラインに従って、練習試合を控えるというところがあったと思いますが、今回の教育関連の注意は、今までの感染状況と、明日からの学校開始の二つを合わせて、今日発表したというところですか。

知事:発表したというか、追加した。すでに、学校本体の関係は申し上げています。県ですから、県立学校については、こうしますとバシッと申し上げましたが、私立学校と市町村立学校は、それぞれの主体が考えてもらったらいいのですが、県を参考にしてやってください。その県を参考にしてというのと、今、市はかなりあちこちで(感染が)起こっていることは確実ですが、特に町村で言えば、(感染が)来ていないところがあります。そういうところまで、全部同じにする必要はないので、それぞれの状況を見て考えてくださいというのが、学校そのもの(の対策)です。

 それにプラスして、塾とか学童保育とか習い事を、併せてやっぱりちゃんと面倒を見ないとまずいので、それは今日、追加したということです。

朝日:学童で、教室を増やした方が密も避けられるということですが、それに伴って、支援員や指導員の増員とかは。

知事:すぐに言っても無理なので、運用でとりあえず努力してくださいと言うしかないと思います。どのぐらい続くか分かりませんが、よっぽど大変だったら、また、細かく手は打っていかないといけないと思います。

NHK:大阪支援というか、大阪では臨時的な医療施設を作ろうという話も今進んでいますが、関西広域連合としての支援の予定はありますか。

知事:今言われたように、大阪は、一所懸命頑張ろうとしています。いろんな手を打って頑張ろうとしていますが、東京との関係で言うと、感染が及んできた時期が、第五波については遅いので、東京は多分減っていると思いますが、これからもうちょっとの間、増えてくる可能性があって、それを乗り切らないといけない。だから、野戦病院と言っていいのか分かりませんが、会場式のものを作っていく。関西広域連合でも、こういうのはどうかと言って、みんなにそれぞれ考えろということで、もちろん和歌山県も考えましたが、そういう議論もしていて、大阪はやっぱりあれに踏み切ろうとしています。それは、大変評価すべきだと思います。

 大阪について言えば、和歌山と同じことはできないので、特に重症でない限り、初期は自宅にいていただくようにせざるを得ないみたいです。しかし、大阪府知事と議論していたら、お医者さんなんかも動員して、ケアのやり方を、結構、一生懸命やろうとしています。従って、その活動には、大いにエールを送りたいと思います。

 和歌山で、今、具体的にできることは、もともと、病院に余裕がある時は、そっちが大変だったら少し面倒を見る。でも、これはどうしても並行的に移動していて、今、こちらも(病床が)パンパンなので、いきなり軽症者を預かることは多分できないし、彼らとしては、軽症者は預かってもらわなくてもいいと思っていると思います。

 これから起こってくる可能性があるのは、今までは間に合っていますと言われていましたが、後方支援です。これは、(他府県には)使う必要もないから使ってないけど、我が県としては、まだ体制を整えていて、病院との間では合意に達しています。第四波の真ん中ぐらいまでは、(新型コロナが)治って退院基準をクリアしたけど、体が弱って家に返すことはまだ当分無理で、他所の病院ではその人を預かるのはいやだという場合に、病院から出せないから病床が空かないというケースが結構ありました。それは、これからひょっとしたらニーズが出てくるかもしれないので、大阪、あるいは兵庫でも京都でもいいのですが、使っていただいて結構ですという話は、もうすでに言ってあるけど、もう一回言っておこうと思っています。

 それと、関西広域連合では、(各府県が)どういう対応をしているかについて、詳細に登録して、事務局が全部まとめて、一覧性があるような形で発表しています。それを見ながら、これがいいと思ったら、真似をしたらいいというふうに思います。和歌山県も、実は、真似をしたケースはないのですが、真似をしたらどうかと言って、こうやると手間がかかるからこっちの方がいいかとか、まだ間に合っているからいいかとか、そういうケースはたくさんあるので、そういうことを、各首長さんが中心になって、部局とよく相談してやってもらったら、役に立つところは多いと思います。

 本当は、関西の資料を、他のところで見てもらいたいと思います。他のところで、関西以上に立派なところはあるけど、関西ぐらいやったら(いいのに)というところもあります。そういう意味では、本当は(他の都道県にも)見てもらいたいと思います。

産経:話が変わりますが、今週末で紀伊半島豪雨発生から10年を迎えます。改めて、所感と、これまでこの10年間で、ダムの事前放流から始まって、防災アプリの開発など、いろいろ対策をしてきたかと思います。その進捗状況というか対策の状況等を、どのようにお考えですか。

知事:まず、一言で言うと、あの悲劇を忘れてはいけないということです。ただ、忘れないぞ、いつまでも心の中において悼むぞ、死者に対して悼むぞ、犠牲者に対して悼みの気持ちを持つぞ、こういうのが一般には多いのですが、我々行政は、それだけではいけません。だから、忘れないで、次は、命は全部救うつもりで、頑張らないといけないということです。

 産経新聞さんがおっしゃったように、(あの時に)とっさにたくさんの工夫をしました。ほとんどの部分は、常備軍になって、ある意味では完成形になっていますが、なってないところは、まだあります。例えば、ハードウェアの整備も99%ぐらい終わっていますが、まだちょっと残っているところもあるし、あの時は破綻しなかったけど、強化をしておかないといけないところもある。それから、(住家)被害認定士は、かなり増えてきましたが、まだ目標値には達していないのではないかなと思います。そういうところを整備していくのは、もちろん大事なことで、これが第一です。

 第二は、例えば、事前放流も含めたダムの運用は完璧にできていて、これはしょっちゅう運用していますから、これは完璧だろうと思います。ところが、緊急援助隊などいろいろ制度として作っていますが、しばらく動いてない。そうすると、そんなのあったっけというふうに、指名されている人が思って、動けなかったらどうしようもないので、今ある制度や装備がちゃんと稼働するように、いつも気を付けていないといけない。

 住民の皆さんも、避難は大事なので、避難とか助け合いとかをちゃんとできるように、覚えておかないといけない、あるいは忘れたら思い出さないといけないということです。

 ですから、忘れないぞという意味には、具体的な準備をきちんと整えておくということが、やっぱり伴わなければいけないと、私は思います。

産経:予定されていた式典が延期になって、当日は各地を巡られる予定だと聞きましたが、そのあたりの追悼のお気持ちは。

知事:9月4日から5日にかけてでしたが、9月5日を慰霊の日と決めていて、10年ですから、毎年毎年、なかなか同じ事はできないのですが、10年目は、やっぱり身を引き締めて、さっき言ったみたい、真の意味で思い出そうというふうに思っているのと、もう一つは、やっぱり亡くなられた方は、本当にお気の毒なので、お悔やみを申し上げ、お祈りをしなければいけない気持ちはあります。

 やっぱり、新型コロナがちょっと怖いので、すぐにはうつらないかもしれないけど、普通の儀式で、無理やりどこかに集まっていただくのは、あんまり好まれないかもしれないから、これは、感染リスクが6月ぐらいみたいにストンと落ちた時に、やったらいい。しかし、慰霊の気持ちを捨てるわけにはいかないので、慰霊碑のあるところは、全部お参りに行こうというふうに思っています。わーっと(人が)集まってしまったら、何の意味も無いですから、みんなに、ついてこないようにと言いつつです。

毎日:新型コロナの話に戻って恐縮ですが、県立学校の分散登校とオンライン授業で、明日から、また学校が始まるということで、人流の動きに対応したものだと思います。当面の間とありますが、大体いつぐらいでこの措置を解除するのか。

知事:新型コロナの感染がシューッと無くなってきたらです。いつまでにそれが無くなるかは分からない。無くなったら、もちろん普通に戻します。

毎日:無くなるというのは、ゼロという意味ではないのですか。

知事:違いますが、ゼロにはなかなかならない。

毎日:ある程度、落ち着いてきたらですか。

知事:落ち着いてきたらです。今は、全然落ち着いてない。ちょっと減っても、40人とか30人で、30人、40人は、和歌山から言うとすごく多いわけで、信じられないぐらい多い。90人に比べるとマシだというだけの話だから、まだ全然落ち着いていない。だから、落ち着いてきたらです。

毎日:以前のような、10人とか、それぐらいがずっと続くような形ですか。

知事:数は、状況により、いろいろフレキシブルだから、10人になったら何とかと、パッと決めてしまうのはどうか(と思います)。多分、もういいなと我々が思う時と、御新聞が思われる時と、ほとんど一緒だと思います。

毎日:学校で流行ると、児童さんも多くて、さらにその家族さんに広がると、大変なことなると思いますが、学校あるいは学童保育などで、広がりを抑えるための方策として、例えば、抗原キットを回すだとか、そういったことは何かお考えだったりしますか。

知事:結構、あちこちに用意はしています。だから、ちょっと危ないかなと思ったら、パッと使ってもらったらいいのですが、定期的に、あんまりたくさん流行っていないところに使うと(物理的にも)予算的にもちょっと辛いので、マネジメントも含めて(考えて)、常に全員というふうにはしません。だけど、今でもやっていますが、例えば、新宮でかなり新型コロナ患者が出た時に、周りの方に、とにかく(検査を)やってもらおうといって、調べまわったりしましたし、今、田辺の辺りは、重点的にどんどんやってもらっています。だから、多く出たところには、保健所がいちいちこの人この人と言わないまでも、網がかけられるようにするために、抗原キットは使っています。

 さらにもっと有効なのは、実はクリニックです。つまり、自分で、ちょっと調子が悪いと思う時は、普通のお医者さんに行っていただければ、和歌山県はほとんど調べられる。ほとんどのところで、PCRができるようになっているし、できないところは、あそこ(の病院等)へ行きなさいというふうになっていて、抗原キットも、結構持っておられます。従って、これ大したことないと思ったら、とりあえず抗原キットで(検査を)やるとか、これはやばいと思ったらPCRをやってみましょうとか、そうやってお医者さんが判断してやってもらえればいい。ちょっと前は、お医者さんが、解熱剤出しますからと言って帰して、やっぱり新型コロナだったというケースがあり、これはいけないということでしたが、今、そういうケースは無くなっています。無くなっていますが、無くなったと確定できないから、ぜひ、お医者さんもどんどん調べてくださいということです。怪しそうなところには、ちゃんと手当てしています。

毎日:明日からホテル療養ですが、先ほど言及もありましたし、昨日、技監が質疑応答でもおっしゃられましたが、ホテル療養の使い方と、何のためにするのかを、改めて、説明をお願いします。

知事:ホテル療養は、いろんな考え方がありますが、和歌山では、原則として出口で使い、一部、確率の問題としてはほとんど(重症化が)ないと思われている、10代ぐらいの若年層には、入口としてホテルに入ってもらうこともあるべしと考えています。

 何でかということを申し上げますと、

 なんだ、何か間違ったこと言ったか。そこで言え。

危機管理・消防課長:紀伊半島大水害の被害が大きかったのは、4日から5日とおっしゃっていましたが、3日から4日が一番大きい。

知事:判明したのは5日やんか。ごめんなさい。邪魔をしに来たやつがおりまして。

 それで、何でかというと、やっぱり常に言っているように、この病気は、初めに肺炎になる可能性が一部の人にあり、そのまた一部の人は、どんどん重症化する、急激に重症化する可能性があります。ある確率でどうも起こっているみたいだというふうに思うので、初めからホテルに入ってもらうのは、あまり安全ではないから、先に病院に入ってもらう。でも、病院が一杯だったら入れないから、むしろ重症化リスクが無くなって、退院を待つばかりになっている人は、まだ退院基準には達しないけど、ホテルへ出ていただいて、病床を空けていただくほうがいい、これが和歌山県のホテルの使い方です。

 ただ、これは理想の形を言っているわけで、一番の理想は病院に全部行っていただく。その次は、出口でホテルを使いながらやっていく。だけど、その理想が達成できないほど感染が大きくなってきたら、原則にこだわってどうしようもないというわけにはいかないので、次の手はどんどん考えていくということです。

和歌山放送:菅総理大臣が、二階幹事長の交代も含めた党の役員人事の検討に入ったという報道がなされて、二階幹事長もそれを容認したということも報道されていますが、知事の受け止めを聞かせていただきたいのですか。

知事:中央政府や政界の政局の話は、全く私には情報が入りませんので、コメントのしようがありません。

NHK:その関連で、先ほどからちょっと各社も報道を始めていまして、一応、二階幹事長も、総理の、交代させるという話については了承を示したというところまでは、報道されています。幹事長という職に県関係者がいるということは、新型コロナ対策でも非常に関係があったかと思います。その点も含めて、受け止めをお願いします。

知事:私は、二階幹事長は立派な政治家だと思っていて、和歌山県のことについても、ものすごく一生懸命考えてくれるので、大変ありがたいと思っていました。いろいろ(なことを)、報告したり、相談したり、時々折に触れてやっていました。ただ、幹事長でなければ、そういう実力が発揮できないかというと、そうでもないから、そこは依然として同じように、報告したり、努力を求めたり、そういうことを、どんな時でもやっていきたいと思っています。

 ただ、さっき言いましたように、大事なことは、私は何の情報もないので、中央政局のことについて感想を求められても、何も言えませんということです。

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