知事記者会見 令和3年8月24日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年8月24日 知事記者会見

令和3年8月24日 記者会見室

県民の皆様へのお願い

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 今日は、発表事項というか、私から申し上げたいことは三点ですが、まず、新型コロナの関係で、皆さんに説明とお願いをいたします。

 昨日は、退院者が結構多かったので、まだ入院率100%を確保していますが、今日は、かなり多くの感染者が発表されると思います。そういう意味で、和歌山県が頑張ってきた入院率100%が、ちょっと無理かなという感じのところまで追い込まれています。命に別状があるようなことになったら困るので、最善の手は尽くして、他所で(あるように)放置されてるようなことは、もちろんすぐには起こりませんが、それでもかなり苦しくなってきていることは事実です。

 感染の状況を見ていますと、どこが大変かというのは、ステージで表されていますが、和歌山県は、二通りに分かれます。一つは、病床の関係あるいは医療の関係のグループと、もう一つは、PCRの陽性率なども含めて、新規陽性者の関係です。

 前者については、先ほど、全員入院がちょっと怪しくなってきていますと申し上げましたが、入院率100%で、全国でこんなところは他にありません。だから、(感染者の処置を)他県並みに運用しようと思ったら、まだまだ余裕はたくさんありますが、そうすると次の問題が発生する。つまり、重症者が増えてくる可能性があるので、あまりよろしくありませんが、少なくとも、(今は)全国一に近いぐらいの状況です。

 後半の新規発生者ですが、これはかなり多い。だから、今、何をしなければいけないかというと、もちろん、入院調整とか感染者のケアなどはちゃんとやりますが、発生者を抑えていかないといけないというのが、和歌山県の今やらなければいけないことです。

 それで、先週から、皆さんに、不要不急の外出を控えるようにと申し上げています。和歌山県は、「緊急事態だ」とか「まん延防止」だとか「自粛」だとか、そんなことをむやみやたらと言ってきたわけではないので、これを言ってるということは、かなり大変なことだというふうに思っていただきたい。これは三回目で、一回目は、安倍政権の4月、5月ぐらいの時に、全国がそうなってしまったので、協力しようということで、徹底的にやった時のモードです。二回目は、第四波で、和歌山も大変になってきたので、しばらくやっていただきました。今回の第五波で、三回目になります。他所のように、しょっちゅうこんなことを言ってるところではないので、その分、皆さん、ぜひ深く受け止めてもらいたいというふうに思っています。

 その上で、さらにどこをどう注意しなければいけないかということですが、一言申し上げておきますと、我々は、飲食店の状況や観光業界がどうなってるかなど、全部詳細にウォッチをしていますが、どうやら、かなり多くの県民の方が、自粛モードに入っていただいたと思います。例えば、飲食店は、お盆の頃までかなり流行っていましたが、急速にお客さんが無くなってきて、特に、県外の人が目立ったけど、それも急速に無くなってきつつある状況ですし、観光業界は、喜ぶべきことではありませんが、ホテル、旅館の予約キャンセルが急速に進行しつつあって、逆に大変になりつつある状況です。だから、県民の皆さん、あるいは近隣府県の皆さんも含めてかもしれませんが、自粛モードをよく理解して、協力していただいているというふうに思います。

 その上で、もう一回復習ですが、効くところに対策をうっていかないといけません。どこが効くかというと、家族が一番多いんですが、家族に接するなというわけにはいきません。その次が、県外との関係、県内の関係でも、職場や学校が多いのですが、後で学校の話はしますが、仕事をするなというわけにはいきません。だから、仕事をする時は、テレワークなんかで対応してもらったり、直行直帰をやってくださいという話をしています。それから、県外との関係で言うと、帰省が圧倒的に多かったのですが、これは、かなり今収束しつつあるというふうに考えてもいいと思います。時期が時期だということもありますが、そんな状況です。

 あと、県外ナンバーがいっぱい走り回ってけしからんとかいう話がよくあります。それは、基本的には、それぞれの県で県外に行くなと言っておられるわけですから、あまり褒められたことではないし、我々も困ったことだと思っていますが、そこがものすごいかというと、県内観光のところを見ていただきますと、そんなにない。むしろ、通勤や通学の方が多い状況です。飲食も、よく政府が言うのは、時短、飲食店のお酒の提供禁止というのが、決まって出てきます。あるいは、デパートなんかの営業停止というのが出てきますが、大都会と違って、我々の状況を見ていますと、そんなに、そこに人がいっぱい集まってワンワンやっているわけではありませんし、現実に、そんなにたくさん、そこから(感染者が)出ているわけではないということを考えると、緊急事態宣言やまん延防止にして、政府の言うとおり、とにかく全部閉めてしまうとしても、効果はそんなに大きくないかもしれないということもあります。だから、みんな科学的にやらなければいけなくて、掛け声だけではどうしようもない。掛け声を求める県民の方はいると思います。その気持ちは痛いほど分かりますが、やることは同じなので、やることをちゃんとやらなければいけないというのが、私が考えているところです。もちろん、実態が変わってきたら、あるいは変わりそうだったら、迅速に手は打ちます。

 そういうことで、職場と学校がちょっと危ないというのがあり、学校については、ひょっとしたら全国初めてかもしれませんが、いち早く手を打ちたいと思います。県立学校は、夏休みが8月31日まであります。現在の惨状がどのぐらい続くかよく分かりませんが、少なくとも、8月31日までは夏休みのままでいてもらう。今どんな感じかというと、PCRの陽性者が増えていて、家庭でうつるのが明らかです。そうすると、うつってまだ発症していない子供さんがいるとすると、学校に来てしまう。子供さんは、今のところ、ほとんど重症にはなっていません。だけど、高熱を発する子はいて、親御さんからすると心配でしょうがないと思います。だから、そんなに無茶苦茶悲劇的にはなっていませんが、うつすことはうつす。そうすると、友達にうつして、その友達の家へ入って親にうつして、親の職場に入っていくことが結構考えられますので、学校の交流を通じての感染を、ちょっと抑制しなければいけないというふうに思っています。

 そこで、実は、県立学校の夏休みは8月31日までと決まっていて、それまでに、学校の独自の判断で、早く始めているところもありますが、31日までお休みしてもらおうというふうに思ってます。

 そこから先は、状況を見てみないといけませんが、分散登校とオンラインを検討していこうというふうに思って、今準備をしています。手緩いではないかと言われるかもしれませんが、実は、学校というのは、働いてる親御さんにとっては、学校があるから自分たちも働けるというところがあります。第一波の時に、我々は、学童預かり、学校で子供さんを預かって、保育園のような感じでやるということをやりました。それは、親御さんが働けないと困るからということです。そのように(休みにすると)、ものすごく(保護者に)負担をかける上に、かえって学校へ行ってた方が安全というところもあるかもしれない。いろいろ、この辺は難しい。従って、いろいろ状況を見ながら、少なくとも分散登校とオンラインを検討していこうかというふうに思ってます。

 小中学校は、基本的には市町村のご決定です。我々は、もちろん、一律にお願いしますと言ってもいいのですが、子供に対する感染状況が、市町村ごとにものすごく差があります。たくさん発生してるところ、ほぼ収まったところ、これからも危ないところがあると思います。従って、それぞれの市町村における感染状況を見て、市町村の小中学校は、適切に対応するように依頼したいと思います。私立学校も、市町村に準じて、それぞれ適切に対応するように、いろいろ考えてもらいたいということです。まず、自分の管理下にある県立学校から、こうやっていきます。

 観光ですが、先ほど言いましたように、急速に予約が減っている。特に、リフレッシュプランをしばらく遠慮してくださいとか、あるいは、県民の方々に不要不急の外出を自粛してくださいと言ったこともあって、県民の観光需要が急速に今落ちています。県外の人は、予約がまだ入っているところがありますが、今急速にキャンセルが出始めている状況です。しかし、こういう(感染)状況の中で、さらに予約を取るのは、この際やめていただけませんかと、観光業者に言いたいというふうに思っています。宿泊施設は、県外からの新規宿泊予約の受け付けを控える。県内は良いかと言うと、良いというよりも、一般的に不要不急の外出の自粛がはまってるから、ことさらに言わなくてもいいということで書いていませんが、今は、別に奨励しているわけではありません。

 それから、イベントとか催物の開催は慎重にということをお願いしたい。これも、先ほど言いましたように、和歌山県も、盛り場がそんなに栄えてるわけではないし、集客施設がものすごい(人が集まる)わけではないので、そんなにそこで感染が発生してるわけではありません。しかし、今、こういう(感染)状況のもとで、例えば、県主催のイベントなんかをやっても、皆さん安心して喜んで参加してもらえないかもしれないというところはあります。従って、この際、延期できるものはどんどん延期してしまおうというふうに思いました。

 お手元に資料をお配りしてるのではないかと思いますが、9月5日に予定していました紀伊半島大水害10年追悼式は、とりあえず9月5日に集会をするのは止めようというふうに思いました。9月5日は記念日ですから、私は、それぞれの被災地に慰霊に行きますが、そこへ人に集まっていただく必要はないので、県の防災の責任者として、亡くなられた方に、頭を垂れていこうというふうに思っています。9月5日がこれ(重要な日)なので、時期的にはどうかと思いますが、新型コロナが収まったら、遺族の方々などにも集まっていただいて、改めて、追悼式をやろうというふうに思っています。時期は未定です。

 それから、ジオパーク探偵団の発足式が9月11日にあり、その時に子供さんを集めて、いろいろジオパークについての勉強とか現地で実習してみるとかもやろうとしていましたが、これも延期です。

 それから、和歌山県誕生150年記念式典が9月25日で、楽しみにしていましたが、延期します。時期は、いつになるか分かりません。

 それから、9月29日に知事表彰式があります。これは普通は5月にやっていますが、5月はちょっとまずいので秋に延ばしていました。表彰される人はもう決まっていますが、9月29日はまだちょっと危ない感じがするので、延ばそうと考えています。

 それから、わかやま産品商談会in和歌山が9月30日です。これも、まだその頃は危ないかなというふうに思うし、そんなにたくさんの人ではないのですが、割と狭い会場に、多くの人に集まってもらうのが趣旨なので、これも延期します。

 さらに申し上げておきますが、ワクチン接種は、早く予約をしてもらいたいというふうに思います。ワクチンに関しては、65歳以上の高齢者で、二回目(を打った人)が、市町村の接種だけで87%で、打てない人とか絶対打ちたくない人を除くと、ほぼ飽和しているというふうに思います。しかも、一回目と二回目の差が、ほとんど1%もないぐらいなので、二回目を打ち終わったかなという感じはしています。

 しかし、厚労省がいつも発表している、市町村が行っている一般接種は、8月22日現在で、和歌山県では、一回目が53%、二回目が43%ぐらいです。これは全国二位で、一位は山口県ですが、これには医療従事者が入っていません。医療従事者は、県の別のシステムでやったので、これを入れると、和歌山県で言えば、一回目が64%、二回目が53%になります。さらに、職域(接種)が入っていません。(下線部は誤りで、職域接種は入っています)職域は、はっきり分かりません。要するに、県別にきちっと分けてないので分かりませんが、我々の見立てだと、和歌山県では4%(下線部は誤りで、2%です)ぐらいというふうに思っています。だから、実際にワクチンを接種している人は、64と53に4ぐらい足してもらった数(下線部は誤りで、4は足さず64と53です)が、ワクチン接種の数になると思います。それで、二回目が大事なので、二回目が終わってる人が、4を足したとしても57(下線部は誤りで、4を足さず53です)ぐらいです。これが80ぐらいになってくると、お年寄りはかなり感染が少なくなってますから減ってくるし、全体の感染が減ってくるのは明らかです。それから、重症者は、お年寄りがかなり少ないので、重症化リスクも大分消えてきます。

 従って、ワクチンを早く打たないといけないわけですが、予約をしておかないと打てません。予約が、今またちょっと増えつつありますが、ぜひ、早めに予約をして、スケジュールをきちんと決めておいてもらったら、少し安心かなというふうに思います。

 ただし、ワクチン接種後も、引き続き、マスク着用等の徹底をしてもらいたい。二回打ったから大丈夫といって、大暴れモードになったら、それは、本人にも、今までのリスクの10分の1ぐらいになってると思いますが、やっぱり感染リスクもないことはないし、もしそう(感染者)だったら、他の人にうつすことがあるので、社会的責任も考えると、ぜひ、マスクをして、手洗いなんかをきちんとすることは、今までどおりやってもらいたいと思います。

 それから、症状が出れば、通勤通学を控えて直ちにクリニックを受診。これが、感染を拡大させないための、ものすごく大事な手段です。これが遅れると、ものすごい数の接触者が出てきて、囲い込んでいくのはものすごく大変になりますし、(受診が)遅れた人は、重症化リスクがとても高い。今、それと同じような形で、分かっているのに、あまり面倒が見られなくて、自宅で待ってくださいと言われてるような方が、他県にいっぱいいます。その中で、重症化して大変だという人が、かなり報道されてます。要するに、ああいうふうになるのと同じです。ですから、すぐにクリニックへ行って、和歌山県はちゃんとPCRをやっていただけますから、一応、感染の有無を確認してもらいたい。感染があったら、すぐに濃厚接触者を割り出して、囲い込んでいきます。それから、当然、家族に発熱があったり症状があったりしたら、ちょっと家族が変なので、今検査してますから、私、出勤控えますというのは、大いに歓迎したいというふうに思います。

 その他のお願いですが、こういうこと(資料)です。特に、今回追加したわけではありませんが、県外への通勤通学は直行直帰し会食は控える。それから、テレワークを積極的に活用してもらいたい。それから、飲食・カラオケは慎重に。これは、いろいろ調べますと、ごくわずかのカラオケ喫茶みたいなところを除きますと、大体、特にお酒を提供する夜の飲食店は、カラオケができるところが圧倒的に多かったのですが、カラオケはもう止めましょうというふうにやってくださってる飲食店がすごく多いということで、慎重にやってもらいたいというふうに思います。

 もう一つ、飲食でちょっと最近目立つというふうに思うのは、ファミリーレストランあるいは回転寿しなどで、食べていただくのは結構ですが、若者が、かなりの人数でお越しになって、食べた後、すぐにマスクをしないで、一時間とか二時間、話し込んでいるケースがある。それは、他のお客さんにも大変迷惑になると思いますし、感染リスクがありますから、ぜひ、食べたらマスクをしていただくということを励行してもらいたいと思います。我々、ずっと、いろいろ調べに行ったり、見回りに行ったりしていますが、そういうことをお店の方に聞くことが結構多い。お店の方も放送とかで言っていますが、お客さんですから、無理やり、すぐにマスクをしてくださいとかはちょっと言いにくいところがあります。だから、和歌山の若者は、ぜひ、みんなそういうことを思っているということで、考えてもらいたいということです。それから、遅くまで集団で会食・宿泊をしないということは、当然です。

 一つ追加で申し上げておきますと、自粛要請をやっていますと、経済の調子が悪くなってまいります。特に、サービス系の方々には、もう一回打撃を与えてしまうことになり、当然、救済はしないといけません。それは、次の9月議会にかけるべく検討をしています。一番の主力になると思われるのは、直接的な救済で、売り上げがウンと下がった。その基準は、昨年もありますが、一昨年に比べるとウンと下がったようなところが結構あるので、そういうところについては、4月から6月分の救済措置は講じていますが、7月から9月も、これから特に大変な目にあってしまわれる方が多いと思うので、ちゃんと救済措置の用意はしておきたいというふうに思っています。その他も、ずっと使えるものはたくさんありますから、そういうことを使いながら、何とか生き延びてもらうようにしていきたいというふうに思います。

新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴う宿泊療養施設の利用開始について

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 その次の発表は、これ(資料2)で、目次にも書いていますが、新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴う宿泊療養施設の利用開始です。9月1日から、新しいホテルをリクルートし、今準備をしていますが、名前を出してもよろしいということで、和歌山市の「東横INN」にお願いをいたしました。

 宿泊療養の対象は、和歌山県の基本的な考えとして、出口として使う。退院するということは、もううつらないことがほぼ分かっているので退院になりますが、何が出口かと言うと、悪化しないことが分かっている患者さんは、ホテルへうつってもらってもいいだろう。まだ人にうつす可能性があるので、ホテルの中で閉じこもっていただくことになりますが、自宅へ帰って、例えば、家族にうつすようなことはない。それで、退院基準まで大丈夫だったら出ていただくということで、今の入院の最後のところで使いたい。これを使いますと、入院率100%では当然なくなりますが、そっちの方が、安全確保と感染の拡大防止には役に立つので、それはもうやむを得ないということで、あらかじめ発表します。

 9月1日からで、今急いでもらってますが、それまでの間、ちょっと今、危機的な状況になっているので、しっかり頑張っていきたいというふうに思います。

きのくに線におけるサイクルトレインの実証実験について

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 その次は、新型コロナと離れますが、ずっと前から頼んでいた、きのくに線におけるサイクルトレインの実証実験を、9月1日から始めます。新型コロナで、どのぐらいのお客さんが来ていただけるか分からないし、お客さんが、(自転車で)外を走っている分には良いのですが、どこかへお泊まりするとかになると、一般的な新型コロナ対策からしたら、ちょっとまずいところもありますが、いつまでも新型コロナが今のような状況だとは思いませんので、これは大変ありがたいことだというふうに思います。

 どうするかというと、多分、全国で初めての試みではないかと思いますが、普通列車に、自転車を分解しないでそのまま入れて、サイクリストが持って、行き先まで行ってもらうということです。

 田辺から新宮までの各駅間です。平日は、9時から17時まで、土・日・祝日は、終日、つまり始発から終電までです。何で平日はこう(いう時間設定)かというと、通学通勤があるので、時間帯によっては割と混んでいて、混んでる時に自転車は大きいのでちょっとまずいから、その時間は避けてもらって、9時から17時までの時間です。

 (資料3の)写真にあるように、座席に座って、自転車を持ちながら行ってもらってもいいし、立ってもらってもいいということで、やっていきたいと思います。

 和歌山県は、サイクリングで県興しをしていきたいと思っていますが、何分すごく遠い。だから、良いところを走って、あとは汽車でちょっと繋いで休みながら、次の絶景スポットみたいなところを走るというようなことができるようになるし、行きは(自転車で)走って、帰りは疲れるから(電車で)帰ってきて、車を駐めてるところから帰ることもできます。

 そういうことで、これはものすごく良い話だというふうに思います。ちょっと時期が悪いのですが、9月1日から、これを始めていただきます。

 以上です。

質問と回答

朝日:県立学校の夏休みですが、夏休みを延長するということではなくて、もともとある休みを取ってもらうということになりますか。

知事:そうです。県立学校では、規則だと、8月31日まで(夏休み)と決めています。ただ、校長の裁量で、少し前に(学校を)始めることは許されていますが、ちょっとその裁量を遠慮してもらって、8月31日までは、家で様子を見てもらう。よく言われている、学校が再開されると、みんなが集まってきて、家庭の中で潜在的にうつってる人が友達にうつしまくって、パッと広がる。これを、政府などもちょっと懸念しています。我々も、どのぐらいそこにリスクがあるのか分かりませんが、今、こんなに(感染状況が)大変だから、ちょっと手を打っといた方がいいということです。

 ちなみに、今まで分かっているだけで、大学生・専門学校は別ですが、学校に通っている子供さんで、51人います。場所的には、多いところと少ないところがあるので、小中学校については、そういうことも勘案して、それぞれで考えていただいたらいいということです。

朝日:51人というのは、感染している人数ですか。

知事:そうです。学校でうつったわけでなく、子供さんが感染している数で、ほとんどは家庭でうつっています。

朝日:ちなみに、9月1日以降、休みを延長するということは、検討していない。

知事:検討していなくて、どちらかと言うと、休むのは、もっと(感染者が)出てきたら別ですが、完全に休むのは止めようかと思っています。なぜかというと、休むことによる弊害がまた出てくる。例えば、子供たちが、群れてどこかへ遊びに行くことになると、むしろ危ないところもあります。それから、家庭にいると、子供たちの面倒を見なければいけないので、仕事ができないというような、大人に対する問題も出てきます。従って、完全に休むのは止めようと、今のところ思っています。

 ただ、すぐ9月1日に始めていいかというと、それはちょっとまだ危ないかもしれないので、分散登校という形で、工夫をしてもらおうというふうに思っています。それとオンラインを合わせて、どうやって学校を維持していくかを考える。例えば、小学校とかは、オンラインはちょっと無理でしょう。中学校以上になると、オンラインはあり得るかもしれませんから、その辺をいろいろ工夫しながらやっていこうということです。

朝日:小中学校は地域ごとに(決める)で、高校の場合は、県内のいろんなとこにありますが、一律で31日までは(夏休み)ということですか。

知事:そうです。県立学校は、そのようにする。県立中学校も、そういうふうにしようと決めました。

NHK:宿泊療養についてお聞きしたいのですが、利用開始が、「東横INN」さんで9月1日から始めるということで、「ホテルいとう」さんも確保されていたと思いますが、その運用はどうなりますか。

知事:「ホテルいとう」は、一回解除しました。今は、一般客の方々が入っていて、「ホテルいとう」でもう一回という手もありましたが、スピードという観点からすると、こっちの方が早いということと、若干、テナントさんとの関係で、その後に困難が生じたところもありますので、まずは「東横INN」でいこうというふうにしています。

NHK:9月1日からということですが、現在、病床使用率が9割を超える日もある中で、それまでに満床を迎えてしまった時の対応は、どう考えていますか。

知事:それは、しばらく待機していただかないとしょうがないと思います。その時に、順番に待機というわけではいけません。重症度や症状に応じて待機をしてもらわないといけないし、ずっと言ってるように、今、無症状とか軽症でも、急速に悪化することがある。ですから、そのウォッチはものすごく丁寧に見ていかないといけない。さらに病床の確保も、進行中です。いろいろ合わせ技一本でやるしかない。

NHK:今、感染者が増えている中で、出口として宿泊療養を使われるということですが、その後、もし下がった場合は。

知事:出口と言いましたが、(資料に)書いていますが、(陽性と)分かっている人で、無症状とか軽症者で、特に若い人であまり悪化しない人がいます。そういう人は、直接、宿泊療養してもらうこともあります。その時の判断でやっていきたい。出口が基本ですが、状況に応じて入口も使うということです。

NHK:もし感染(者数)が減った場合は、その基準を戻したりしますか。

知事:基本的には、入院が一番いいと思っていますから、入院できる限りは入院してもらったらいい。それは、悪化リスクにも備えられるし、感染拡大にも有効ですから、それが一番いいのですが、無理なものはしょうがないので、セカンドベストを常に考えていかないといけないということです。ですから、可能になれば戻します。

和歌山放送:新型コロナの長期化による経済の低迷が続いていますが、例えば、税収の減少、もしくは県の新型コロナ以外の主な政策などへの影響はどうでしょうか。

知事:いろんなところに影響が出てくることは明らかです。だからといって、新型コロナの拡大防止で、やらなければいけないことをさぼるわけにはいかない。やることをやって、苦しくなったところには、救済・助成をしていくというしかないのではないか。

 もう一つは、無駄なことはなかなかできない。例えば、県民に対する給付とか、減税をするとか、そういうことをすると、みんな嬉しいわけです。それは嬉しいに越したことは無いけど、県の持続可能性は、その分だけ急速に無くなっていきます。だから、先のことも考えて、必要なことをやらなければいけないけど、過剰なことは、やりたいけどできないということです。

毎日:学校の、9月以降の分散登校、オンライン授業についてですが、昨年の休校要請の後は、5月から7月ぐらいまで、多くの学校で分散登校などがあったと聞いてます。今回の目途は、大体何ヶ月ぐらいこんな状況になりますか。

知事:当然の質問だと思いますが、分かりません。つまり、今、一番大変なのは、さっき言ったみたいに新規感染者で、それがずっと収まってくるのが大事です。その次は、新規感染者が多すぎて、和歌山県はまだ完璧でしたが、ちょっと危なくなっている入院で、これも危なくなってくる。もっと言えば、他所で起こっているように、重症者が増えていくようなこともあり得ます。その辺の状況を見て、重症者は増えないし、入院の余地も増えてきて、感染者もある程度収まってきて、まあ大丈夫だということになると、そういう制約はなくしていきます。

毎日:宿泊施設に、県外からのお客様の予約を自粛してくださるようにということで、(救済などは)9月議会で補正を考えているということですが、宿泊施設に対して具体的に新たに補償というのは、何かありますか。

知事:宿泊施設、サービス業、飲食とかの業種を中心にして、4月から6月期にえらい大変な目にあったところには、救済措置を考えています。その他、感染防止のために積極的に投資をする人に対しても、いろいろな助成はたくさんありますが、今の質問に直接答えると、救済という意味では、それが一番だと思います。当然、サービス業の中でも、一丁目一番地のところぐらいに、観光業者は入ってくると思います。例えば、サービス業の中で、ITサービスは、そんなに打撃を受けてないかもしれません。それから、従来は、製造業があまり(打撃を)受けていないということで、大体の製造業はやっていませんでしたが、製造業の中でも、例えば、食品系とか衣料系とかで、とても大変なところが結構散見されるようになっています。そういうところは、今回の対象、あるいは4月から6月も含めて、遡って対象にしていったらいいのではないかというふうには思っています。ちょっと微修正はしますが、基本的なところは、7月から9月の対応についても、県議会に対してお願いをしようというふうに今思っています。これは、県議会がお決めになることなので、実際には、県議会のご判断によります。提案するということです。

産経:県主催のイベントの延期についてです。一般的に主なものを書いていただいていますが、基本的には、9月いっぱいのものは延期するということですか。

知事:別に9月とは限りません。(イベントを)見た時に、その趣旨は何だということを考えたら、延期した方がいいと思うようなものが、いくつかあります。だけど、例えば、慰霊祭を止めるわけにはいけない。それは、10年前の大悲劇を我々は忘れてはいけないから、人を集めてみんなに慰霊祭に参加してもらうことは良いけどリスクがあるので、そっちは止めてお参りに行こうというふうに変えました。だけど、遺族の方に対して、やっぱりお悔やみを申し上げたりしたいので、時期を後ろに倒しても、ぜひやりたい。開催の時期は、これから探っていきたい。同じようなことは、和歌山県150年記念もそうだし、その辺がいくつか出てきます。

産経:10月以降に予定されてるようなものについても、感染状況によって延期も考える。

知事:あり得ます。

産経:ただ、現状、すでに延期を決めたもので言うと、9月のものについては、すでに決めましたということですか。

知事:9月だけかどうか分かりませんが、とにかくこれは延期するということで、たまたま9月が多かったということです。

日刊工業:宿泊施設へ新規宿泊の予約受け付けを控えるようにという話で、この真意を伺いたいのですが、ビジネス目的を含めてということですか。

知事:まず、不要不急の外出はやめましょうというのが、来られる人、我々、両方の共通の目標になっています。だから、基本的には観光客です。どうしても、県の行事で来ざるをえないとか商談を、全部お断りしてくださいということはできません。だけど、和歌山県は、基本的には観光県ですから、商談で来られる人よりも圧倒的に観光で来られる人が多いわけです。それで、新しい方は、ちょっとご遠慮いただこうというふうに思っているということです。

 それから、先ほど、具体的に言いませんでしたが、飲食店なんかも、今、盛んに、常連客には入っていただいていますが、一見のお客さんにはご遠慮いただいているという状況が、かなり報告されています。それも、どちらかと言うと、皆さん、感染リスクを考えて、我々から言うと、不要不急の外出の自粛の協力に入ってもらっているし、ご自身の方から言えば、自衛に入っていただいているということだと思います。

NHK:イベントの話がありましたが、国文祭を控えています。国体が中止の方向で議論されたりしている中で、国文祭についての考えは。

知事:国文祭は(中止を)考えていません。なぜかというと、国文祭で、人がみんな集まると思うのは、開会式の時だけです。開会式と、あえて言うと、その何分の一で閉会式の時だけです。閉会式・開会式ともに、感染対策をしながらやることはできると思います。基本的には、全国的な大会ですし、それを止めてしまうのは、我々が考えて、自発的に日程を設定した県内のものに比べると、かなり大変だということもあります。

 私は、国体とかオリンピックは、アスリートが一生懸命やればいいんだから、無観客でその人達だけ戦っていただくのを、感染対策を十分にして、スタッフや主催者が守ってあげればいいと思っていますが、今回の場合も、割とそれに近いような運用ができます。ですから、開会式の時も、感染対策を考えて、お客さんをまばらにしてやりますし、ウェブ中継や、テレビ中継、NHKの放送とか、そういうことを対応してもらえば大丈夫だし、出演者やスタッフは、ワクチンを打っていただいて、感染しないようにしといていただければ、何とかできるのではないかというふうに思います。

 美術展とかは、ワーッと見に来てくださるのは、あんまりない。どちらかと言うと、作品が来るということになります。そうすると、その作品を見ていただくことになるので、できると思います。

NHK:全然別の話ですが、この前、横浜市長選があり、IR反対の方が当選されました。それについての受け止めと、県のIRの計画に影響はないと思いますが、その影響について教えてください。

知事:まず、あまり理屈ではなく、「ほれ見ろ」とか「やっぱりIRは良くないんだ」と言う人が、増えるだろうなというふうには思います。ただ、和歌山県は、意味もなくIRを推進しているわけではなく、和歌山県の今後の発展を考えたら、人口も減ってきて、この衰退趨勢を食い止めるためには、かなりの投資をしていかないといけない。そうすると、投資のチャンスはそんなに無いから、これからの流れであるところのIR、別にカジノだけではありませんから、そういうことに投資をしていただくのは、歓迎しないとしょうがないというふうに思っています。

 私は、かつて、東京や横浜のように栄えているとこだったら、別にIRはしませんけどというふうに、ずっと言っていました。林市長は親しいのですが、林市長なりに、横浜の将来に限りがあるというふうにお考えになったらしく、そういうふうに言っておられました。だからやっているんですと言っておられましたが、和歌山はそれの比ではなく大変な状況ですから、大きな投資という意味では、チャンスは狙った方がいい、和歌山なら、というふうに私は思っています。

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