知事記者会見 令和3年6月2日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年6月2日 知事記者会見

令和3年6月2日 記者会見室 


 今日は、もうじき議会がありますので、議会中は(記者会見を)ちょっと止めることにしてるんで、議会直前の記者会見です。

 記者会見の前に、最近ちょっと慣例化してますが、新型コロナについて、最新情報を申し上げたり、県民の皆さんに対するお願いを申し上げたいと思っています。

 まず、資料はありませんが、新型コロナの状況です。このところちょっと感染者数も減ってきて、病院の病床の関係もちょっと楽になってきて、これだったら県民に悪影響が出ないということで、困ってる近隣府県を助けようということで、新型コロナの軽症者の患者さんを受け入れますと、月曜日に発表させてもらいました。近隣もちょっと前よりは落ち着いてきておられるので、需要があるかどうか分かりませんが、それがあったら、我々の保健当局に相談をしてもらうということでやっていきたいと思います。

県民の皆様へのお願い

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 そんな状況なので、県民の皆様へのお願いを、形式的に同じことばっかり言い続けてるのはいかがなものかというふうに思っていますので、これをちょっとモードを変えたいというふうに思います。どんなふうに変えたいかについては、一言で言うと、4月中旬以来、不要不急の外出は控えてくださいというふうに言っておりましたが、この週末まで様子を見て大丈夫そうだったら、来週月曜日から、この(フリップ1枚目)モードに切り換えたいと思います。それは、安全な生活・安全な外出を心がけて欲しいということです。どこが違うかということですが、前は目的が違って、外出目的で規制をしていました。例えば、酒を飲ませるもの、あるいは個人の楽しみだけのもの、そういうものは不要不急かもしれないということで、それはできるだけ控えて、感染しないようにしてくれということでした。しかし、目的で縛るのは、人間の自由を縛るし、あるいはひょっとしたら尊厳を縛ってるのではないかというような気もするので、混乱期を除いて、できるだけ避けたいと思っています。だからといって、野放図に、外出されたり行動されたり生活されたりすると、いつまた感染が大流行ということになる可能性もあります。その可能性は全然消えていないので、従って、行動規範、行動について縛ろうというふうにしました。それで、安全な生活・安全な外出を心がけるということを、うまくいけば月曜からしたいというふうに思っています。

 逆に、ちょっと最近危ないと思っているのはこれ(フリップ2枚目)で、例えば、各テレビなんかを見ていても、野外は3密を避けるという意味でいいんだろうということで、和歌山県なんかは、割と自然が多いところで、野外ブームと感染者が少ないので、県内の人もいますが、県外の人が随分たくさん和歌山に来ているのが目につきます。2019年ぐらいから比べてどうかというと、それ以上増えているわけではないのですが、あんまり好ましいことではない。我々も、少なくとも今は、不要不急の外出は自粛してくださいと、県民の皆さんにお願いをしているところだし、和歌山がそうですから、もっと感染者が多い近隣他府県、あるいは遠くの方も含めて、全部このモードで統一されているわけです。だから、県外にどんどん行ってくださいと言っているところは一つもなく、関西広域連合では、それぞれの府県民に、他県に不要不急の外出をするのは止めましょうと呼びかけているわけですから、和歌山県の知事としては、それぞれのところで言われているので、来ていただくのは好ましくないというふうに思っています。

 しかし、強烈なことができるかというと、県民にも随分感染が広がっていた状況ですから、そんな差別待遇もできないので、呼びかけることで終わることになります。しかし、様子をじっと見ていると、先ほどの野外ブームがテレビなんかでガンガン(放送)されていると、皆さん、目的的(な)自粛でだんだんイライラしてくるから、和歌山に行ってやろうということで、キャンプとかバーベキューのところに、皆さん注目されていると思います。

 もちろん、一般的な御来県はそんなに好ましくはないですが、取り立てて絶対に来るなと言えるかというと、それぞれの県がそれぞれでやるのがルールですから、それ以上のことは言えない。しかし、管理をしてきちんとやっておられるところではなく、好きなところで勝手にバーベキューなんかをして、みんながワンワン集まっているのはよろしくないし、定められたところ(もある)かもしれませんが、あんまり密になって、大人数が集まってワイワイやっているのは、野外でもうつりますから、それ自体として感染リスクがあります。ですから、キャンプ場などの所定の場所で、管理者の定めるルール、例えば、この間隔を空けてやってくださいとか、もちろん直火はいけませんから、ちゃんと器具を使ってやってくださいとか、キャンプの設営、テントの設営についても、この間隔でやってくださいと、それぞれの管理者やあるいは市町村が、いろいろ注意をしていると思いますので、それを守ってやってくださいというのが、私たちの言いたいことです。

 特に、これが一番腹立たしいのですが、ゴミを置いていく人がいる。これは、我々のゴミのポイ捨て条例にも違反するので、とっ捕まえたいというぐらいの気持ちですが、ぜひ、ゴミは持ち帰っていただきたい。感染リスクを高めておいて、ゴミだけ置いていくのはとんでもない話なので、ゴミは持ち帰りましょう。

 この4点です。キャンプ場など所定の場所でやってください。至る所に自然はありますが、どこでやってもいいというものでもない。それから、管理者の定めるルールを守って、やり方に気をつけてやってください。それから、密にならないように感染対策をしてやってください。それから、ゴミは持ち帰りましょう。これを新たに加えたいと思っていて、今までの注意事項の中に加えます。もちろん県外の人もそうですが、県内の人ももちろんこれは適用ですから、和歌山県民だから好きなようにやっていいというわけではありません。ちゃんとこのルールを守ってやってほしいということです。

 もう一つ、県民の皆様へのお願いに追加です。

 和歌山県は、ワクチンの接種率が日本一先行しているので、少なくとも一回目を打ちましたという人が、特に高齢者に随分たくさんいます。(しかし、)高齢者の方々が勘違いをして、一回打ったからもう大丈夫と言って野放図な行動をすることは、医学的にも間違いです。二回目を打って三週間ぐらい経ったら、報じられているように、ファイザーやモデルナは95%ぐらい感染しないとか悪化しないとか、というように効くみたいですが、一回目に打った瞬間に効くわけではありません。従って、今、むしろ気が緩んで、すでに一回ワクチンを打ったからマスクなんかしなくてもいいというようなことを考えている人がいたら、これはとても危険で、他人に対しても本人にとっても危険なので、ワクチン接種後も、引き続きマスク着用等の対策をし、ルールを守って生活してくださいということを、呼びかけておきたいというふうに思います。この二つが追加です。

 そうすると、全体がどうなったのかということになると思います。

 これは、皆さんのお手元に(資料を)配っていますが、こういうふうに溶け込ましたような形です。お願いすることが随分増えてきて、この中には、ひょっとしたら、しばらくしたら取ってもいいかと思うようなこともありますが、今日の時点では、取るのを止めて、むしろ二つ追加して、うまくいけば月曜日から全体のモードを変えることを考えていますが、小さく書いているので、なかなか見ていただけない可能性があるから、県民の皆さんに直接申し上げたいと思います。

 まず、普段の生活ですが、うまくいけば来週の月曜日から、安全な生活・安全な外出を心がけるというのが大原則です。しかし、その他にもたくさん守っていただかなければいけないことがあり、これは個別の注意で、以下、それを申し上げます。

 特に感染が拡大している地域に出かけての会食や接待を伴った飲食をしない。端的に言うと、わざわざ感染がまだまだたくさんある、大阪とか兵庫とか東京とかに行って飲んでくるのは、ものすごく危険ですからお止めになってください。和歌山で、ルールを守って楽しんでいただいたらいいのではないかということです。

 それから、遅くまで集団で会食・宿泊をしない。もう大丈夫だと言って、朝までみんなで盛り上がろうというのは、ちょっと危険です。感染力が高いから全員感染になる可能性もあるので、集団での会食とか宿泊は止めましょうということです。

 それから、はっきり言うと、カラオケのリスクが大分減ってきたとは思います。最近、カラオケで感染者が出たというのは、ちょっとなりを潜めています。ただ、ちょっと前までさかのぼると、御坊(保健所)管内で、かなりたくさんの人のクラスターが、カラオケ周辺で出ています。その前には、御坊には(そういうクラスターは)なかったわけですから、従って、まだちょっと、家族以外とのカラオケはお止めになった方がいいのではないかと(いうことです)。だから、お友達でみんなで行きましょうというのは止めていただいて、家族ないしはお一人で楽しむ、あるいは家で練習するということで、将来に備えてもらいたいということです。

 それから、もちろんですが、カラオケ・ダンス等の大規模な催しで、大クラスターが起こったことがありましたが、それは依然として全然危ないですから、これは本当に止めてもらいたい。今、そういうことをやるのは止めてもらいたいということです。

 これが、直接的な県民の皆さんへのお願いです。

 それから、緊急事態宣言あるいはまん延防止等重点措置との関係でいうと、他県はまだまだ悲惨な状況にあります。従って、依然として、こういう地域への不要不急の外出は控えてもらいたいということです。例えば、和歌山県内は、目的によって遊びに行きたいというのも自粛はお願いしませんが、どこどこの県に行こうかというのは、不要不急の時は止めてもらいたい。先へ延ばせるやつは延ばしてもらいたいということです。期間は、政府対策本部が、緊急事態措置を実施すべき区域、あるいはまん延防止等重点措置を行うべき区域として指定している期間、これは続けます。

 その次は、新型コロナに罹ったかとか、あるいは、お店とかはどうするのかというようなことです。まず事業者向けで、各事業所では、感染拡大予防ガイドラインを遵守してもらいたい。和歌山県は何回もパトロールに行ったりして、遵守状況を見させていただいています。かなり成績は良いと思いますが、それこそ気の緩みで、もういいとかというふうに思わないで、ちゃんと守ってやって欲しいということです。

 それから、職場内でのマスクの着用は徹底して欲しい。今、私はマスクを外していますが、これは、聴覚障害のある人のために口を見せるためにやってるので、普段は、執務室でもマスクをしています。健康に障害がある人は別ですが、ちょっと(感染のピークを)過ぎてきたから、うっとうしいから、暑いから、もう外すというのは、止めましょうということです。鼻マスクも同様で、この中にもちょっといますが、鼻をすぐ出す人は、マスクを変えたほうがいいのではないかというふうに思います。

 それから、在宅勤務・テレワークの積極的な活用をやってもらいたい。一番成績が悪いのは、おそらく県庁ではないか、あるいは市役所とかそういうところかもしれません。なかなか、在宅で仕事をしてこいと言うと、要するにサービスができない場合が多い。そういう意味では、エッセンシャルワークの典型かもしれないけど、全部できないわけではない。ウェブ会議なんかはどんどん導入していますが、一対一でコミュニケーションをする、例えば、県庁の人と打ち合わせをする場合も、県庁は一定のやり方でそれを歓迎しますから、それについてぜひ適用して、要するに、事前に面会のアポではなくウェブ面会のアポを取ってもらって、やったらいいのではないかというふうに思います。今のところ、本庁はそれが完全にできるので、皆さん、まず電話でアポを取ってもらったら、例えば、新宮や勝浦からわざわざ和歌山市の県庁に出向かなくても、打ち合わせができます。振興局や研究所などは、今ちょっとその細工をやっていますので、もうちょっと待っていただいたらできるようになると思います。ただ、県庁というのは、セキュリティの塊みたいなところでもあるので、ちょっと(データを)横に抜かれる可能性があるようなソフトでやりたいというのはご遠慮願いたいということで、県庁が定めたモードでやってもらいたい。県庁以外のところで、それをインストールしていただいたらできます。ぜひ、テレワークを積極的に活用してもらいたいということです。

 それから、感染防止策が徹底されないイベントの開催の延期・自粛も、しばらく続けようと思います。これは、特に政府から、次の二つを言われています。一つは、大規模集客施設・小売店での催し物・バーゲン等は、延期・自粛してもらいたいということです。なかなか線引きが難しいのですが、一年に一回、ドーンとやるぞというようなやつ、人が群がるようなやつは、ちょっと遠慮してもらって、もうちょっと感染が収まってからにして欲しいというふうに思います。それから、感染防止策が徹底されないイベントの開催の延期・自粛をお願いしたいのですが、すべてのイベントを全部やめてくださいと言ってるつもりはないので、中身を考えて判断してもらったらいい。全部を自粛するというと、それこそ県民生活が止まってしまうところもあるので、県庁は、全部自粛するという方に舵を切ってるわけではありません。他のところもそうしていただいたらいいのではないかと思います。例えば、間を空けた形の入場者を制限したような学術的セミナーとかシンポジウムとかは、ちゃんと後で手を洗っていただいたり、ちゃんとマスクを着用していただければ、大丈夫ではないかというふうに思いますが、そんなことをいちいち考えて、やっていただいたらいいのではないかというふうに思います。

 今度は、もう一つ、医療系のお願いです。

 これは、今、一番お願いしたい項目ですが、症状が出れば通勤・通学を控えて直ちにクリニックを受診して欲しい。ちょっと効いてきたかなという感じもありますが、最近でも、40度の熱があるのにまだ勤務をして、サービスをしていた人がいました。それ(勤務しないの)は、やっぱり本当に本人も辛いと思いますが、そこで根性を出さないで、まずお医者さんへ行って検査をしてもらいたいというふうに思います。事業所では、従業員の皆さん全員に、どんどんお医者さんに行って検査してもらいましょうと頼むのですが、中には一人一人の個人に届いてない場合があります。そうすると、県庁もずっと続けていますが、事業所で発熱チェックなどをちゃんとするということを、やってもらいたいということです。

 ただ、先ほど高熱と言いましたが、最近、症状の出方が一様ではなくなっています。肺炎なんかになって、和歌山県的に言うと後で重症化する人の中に、微熱がずっと続いて体調が悪いけど高熱にはならなくて、だけど、やっぱりおかしいと言って、最後は、調べたら陽性で、その時にはもう肺炎になってる人なんかもいます。だから、様々な症状があります。頭痛があったり、気分が悪かったり、倦怠感があったり、味覚が変わったり、嗅覚が変わったり、いろいろあるので、何か変だなと思ったら、クリニックに行ってもらいたいということです。

 病院・福祉施設サービスは特に注意ということで、これは大流行の時に、危ないということで、すでに抗原検査キット、簡易PCR、その他、たくさん配っていますが、ちょっとあやしい、例えば、身内に濃厚接触者がいる場合とか、あるいは何かちょっと熱あるみたいとか、そういう時に調べてくださいとしていました。しかし、(感染が広まった時に)それだけではいけないということで、一週間にいっぺんぐらい、理由もなく全員検査してくださいというお願いをしてきましたが、感染がちょっと収まってきてるので、前のモードに切り換えて、何らかの理由がある時、あやしいとか、身内にこういう(濃厚接触者がいる)というような時は、やってくださいというふうにモードを変えました。

 それから、これはちょっと厳し過ぎるのではないかと思っていますが、病院や福祉施設、あるいは福祉サービスに入ったらまずいので、そういうところの職員は、家族以外との会食を控えてください。これはちょっときついので、こういうことをいつまで続けるかと思っていますが、もうちょっと続けないと危ないと思うので、もうちょっとお願いしますということです。

 濃厚接触者は陰性でもさらに注意というのは、特に第四波は、後々、ウイルス量がグーッと増えてきて発症するというのが結構多い。その間も、人にうつしまくってというのが結構多いので、一回PCR検査をして陰性だったから、やれやれと思って、さあ遊びに行くぞというのは一番よろしくない。だから、しばらくは、本当に大丈夫だったのかといって、保健所からのお願いがあると思いますのでそれをよく守っていただいて、ちょっと症状が出たら、再検査とか再々検査とかをやりますので、一回陰性になってもさらに注意というのがお願いです。

 医療機関も、せっかくクリニックに住民の方が来てくださっているのに、従来型の考え方で、こんなものはと言って、解熱剤でも処方しときますとか言って終わってしまうのが、かなりありました。従って、いろんな症状が出ますので、国費ですから、PCR検査をしてあげてください。場合によっては抗原検査でもいいかもしれませんが、とにかく検査をしてあげてくださいというのがお願いです。

 学校関係は、かなりクラブ活動の制限をしてきました。これも、全体の感染リスクが大分県内では減ってきたので、緩和しました。現在は、県外の学校との練習試合等は禁止をすることにしていますが、それ以外、つまり、県内の学校との練習試合などは、感染防止対策を十分に講じた上で活動してもらうということで、大会も、同じように準じてやってもらったらいいと思います。

 そういうことで、皆さんに、新型コロナ対策で、ちょっとモードを変える、モードを強化するモードを少し緩和する、予告編も含めて申し上げました。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 その次は、ワクチンの話をさせていただきます。お手元に二つ資料(フリップ9枚目、10枚目)を配っています。

 一つは、実は一昨日の夜ですが、6月後半の21日(及び)28日の週に配分する(ワクチンの)箱の決定がなされました。全国にこれだけ配りますと厚労省から発表があったわけです。それを見ますと、接種率の高い上位5県については、県から何箱ちょうだいというふうに言われたら、その通り差し上げますと。その一個前はかなり少なかったんですが、今度は満額回答をいただくことができました。その結果、それぞれの町に、これだけ(ワクチンを)配ることができることになりました。(資料の)最後のところが面白いんですが、「うち次順位の配分箱数」と言って、次順位というのは、今は、65歳以上の高齢者の接種を優先していて、これを早くしましょう。特に菅総理なんかは、ビシビシ鞭を入れて、7月末までに全国で全部終わるようにというふうに、今発破をかけてるところですが、和歌山県は、体制をちゃんと準備しましたから、そんなのはお茶の子さいさいでできるわけです。

 問題は、今まで配分量が一定ですから、接種をたくさんやって進んでるということは、後ろにある在庫が払底しかかってるので、実は、次の段階にどんどん打てるけど、ちょっと待てといって止めてるところが随分たくさんありました。数でいうと、ちょっと忘れましたが、いくつだったかな。すいません、かなりありました。それで、大分前から、待て待てと言ってるところと、この一週間ぐらいで待て待てと言ってるところがあって、待て待てとは言わないまでも、(ワクチンを)くれさえすれば、最後まで行けますというようなところが、結構たくさんあります。それを、全部とは言わないけど、つまり、和歌山県92万人ではないな、子供を除いて接種希望者全員ではありませんが、次順位の配分箱数も随分いただくことができました。

 従って、今、待ってもらってるところは、もう待つ必要はない。来ることは分かってるから、今ある在庫は、例えば、二回目に回さなければいけないので、接種を止めてたやつでも、次にファイザーが来るんだから、先に打ってしまってもいいのではないかという議論だってあり得るわけです。フレキシブルにどんどん考えて、前向きに、次順位、次は、基礎疾患のある人と60歳以上ですが、その次も含めて、どんどん、それぞれの考えに従ってやってもらっていい。それで、またあるところまでいくと、そろそろ在庫がなくなることに、当然なると思いますが、その時は、またお願いしてもらってくる。モデルナについては、この外側で配分していい、ただし、それは集団接種にした方がいいと思うということでしたので、今までのやり方に加えて、集団接種の機会を別に作ってもらって、モデルナをもらってさらに加速することが可能になってきつつあります。

 従って、和歌山は、在庫切れで全軍ストップということがなくて前に進める状況になりましたので、これは政府に対してものすごく感謝をしたい。先週、河野大臣のところに行って、今のようなことを力説してきましたが、多分聞いていただいて、いろいろ運動していただいたのではないかと思うし、事務的にも厚労省なんかにもいろいろそういうことを言っているし、県選出の国会議員も随分動いてくれたのではないかと、推測をしています。ということで、政府に大いに感謝をしたいということです。

 現在、5月30日の首相官邸ホームページで発表されたもので、和歌山県は、相変わらず、第一回目の接種率が4分の1を超えて高くなってます。他のところも、今の流れができたので、もっと進むというふうに思います。もちろん、和歌山県以外のところもどんどん進めればいいんで、1位というのは別に意味はないんですが、できるだけ早く終わりたいというふうに思っています。その時に、ワクチンとの関係でいうと、一回打ったから、あるいは二回打ったからもうええんやと言って、めちゃくちゃなことするのは止めましょう。ルールを守って、相変わらず(感染に気をつけて)生活をしましょうということが大事だというふうに思います。

 それから、今まで、4月、5月、随分傷んでるというか、損害が出て本当に苦境にある事業者の方々がたくさんおられます。その方々に対する救済、直接的な救済に加えて、さらに設備投資をして安全な店に作り変えるとか、そういうことについての予算づくりの原案を、今度の議会にかけたいと思っています。議会が通れば、できるだけ早く救済金をお配りするとかをしていきたいというふうに思っています。

 ちょっと長くなりましたが、今度は紙の発表にうつります。

和歌山県新型コロナウイルス感染症予防対策認証制度の認証状況について

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 一つは、その(新型コロナ)関係ですが、和歌山県新型コロナウイルス感染症予防対策認証制度の認証状況を、途中発表ですがさせていただきます。

 認証章を、ここでこうパッと見せようと思ってもらってたんだけど、さっき帰った時に持ってくるのを忘れました。きいちゃんマークがついたやつがあります(下線部については誤りで、認証章にきいちゃんマークはついていません)から、認証を認めますと言ったら、それを貼ってくることになっています。

 今のところ、できるだけ早くこれをもらっておいてもらったらいいというふうに思っていますが、これを上手いこと貼っておいてもらったらいい。だけど、中身は、ちゃんとガイドラインが守られてるかどうか、基準が守られてるかどうかを見せてもらいます。そういうことをやっております。

 このために、延べ人数ですが、4月22日から5月26日まで、県庁職員約4000(人)弱が、各お店とか施設に行ってチェックして、これを差し上げています。一部、ちょっと改善していただくところがあるところは、とりあえずこれは差し上げられませんので、それを申し上げて、直してもらったら、(認証章を)はいどうぞということになります。

 ぜひ、県民の皆さんも、他の店に行ってはいけないというつもりはありませんが、こういう店は、世の中の水準のガイドラインはちゃんと守ってる立派なお店ですということは、認識して欲しいということです。

 それから、国の方針にもよりますが、将来的に、Go To イートとかGo To トラベルとかいろいろ考える時に、これは斟酌することあるべしというような方針が出されています。具体的に、今のところこれに限るという話はありませんが、将来的には、これが効いてくる可能性もあるので、中身が大事ですが、ちゃんと中身をやったら、認証施設になっておいてもらったら得だというふうに思います。

「デジタル化推進シンポジウム」を開催します!

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 その次は、デジタル化シンポジウムを開催いたします。これからの世の中、どうやってデジタルを、社会生活やあるいはビジネスに取り入れていくかが、大変大事な時代になってくると思います。そこで、どんなことがあり得るのか、どういう世界になるのか、そういうデジタル化に伴う様々な問題について、語っていただくことにしたいと思います。

 皆さん、よくご存知だと思いますが、和歌山県ゆかりの人で全国で大活躍している、日本共創プラットフォーム代表取締役社長冨山和彦氏にメインの基調講演をしてもらって、パネルディスカッションは、日本IBMの関連会社社長の井上さんと、サイバーリンクス社長の村上さんと、インテリックス社長の木村さんに入っていただくということで、やりたいと思います。

 日にちは、7月8日13時30分から16時までです。アバローム紀の国鳳凰の間、大きい部屋でやりますが、感染対策があるので、そこにお入りいただけるのは200人しか駄目ということにしたい。だけど、せっかくこんないい話をしてるんだから、オンラインで同時配信をいたします。これを、ぜひ私は見てもらいたい。特に、ビジネスをやってる人はぜひ見てもらいたい。お年寄りも若い人もですが、ありとあらゆるビジネスをしてる人は見てもらいたいというふうに思っていますので、今、それを、各商工会議所とか商工会とか、そういう組織を使って、ぜひ見ろということをPRしています。

「第9期わかやま塾」開講のお知らせ

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 その次は、第9期わかやま塾開講のお知らせです。募集をしていましたが、58人の塾生が参加すると言ってくださったので、その方に来ていただくことにいたします。開催日時は、6月16日18時30分からで、第一回目の講義内容は、私が塾長で、塾頭は中野さんというのは変わらない。知識編と心掛け編があり、知識編としては、国の政治行政制度がこんなになってる、世の中はこうやって動いてるんですというようなことを、県総務部長、総務省幹部の田村一郎君から説明をしてもらいます。心掛け講義としては、タカショーを率いられて、大変立派にビジネスをやっておられる高岡さんに、やっていただくということにしたいと思っています。

 年間スケジュールは決まっておりまして、よっぽどのことがなければ、これでどんどん進めます。ただ、新型コロナが無かった前は、懇親の機会として、簡単なスナック菓子と飲み物で立食パーティーをやったりしていましたが、それはちょっと危なかろうということで、当分の間、それは中止です。3分の2以上(講義に)出ないと、修了証をあげないことになっておりますので、ちゃんと出席してくださいということです。

土砂災害の危険度のメール配信を6月7日から開始

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 発表の最後ですが、土砂災害の危険度のメール配信を6月7日から行います。バックグラウンドを言っておきますと、私の就任する直前ぐらいから、気象台と県で組んで、当時は5キロメッシュでしたが、この地域の土砂の状況は大変危険ですというようなことを、すぐに、県庁のホームページなどから発信できるような制度を作っていました。最近は、特にそれを精緻化して、1キロメッシュにしようといたしました。

 さらに今回は、いざとなった時、危ないかなと思った時にアプローチをするのでは見逃す可能性があるので、あらかじめ申し込んでおいていただいくと、プッシュアウトでお手持ちのスマホなどにピッと(情報が)入ってくる。そこは危ないですということが入ってくるんで、ご自身が住んでおられるところや通っておられるところを含め8ヶ所が指定できるんで、それをやっておかれると、その部分が危ないということになると、大分違います。ということを、ぜひ皆さん入れといてくださいということです。

「宇宙シンポジウム in 串本」を開催します

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 話題事項としては、宇宙シンポジウム in 串本。7月24日に、またやります。これも同じように、ものすごいメンバーが来てくださるんですが、そんなにたくさん押すな押すなで、会場に入っていただくことはできませんので、オンライン配信に大いに期待して、何万人という方が見てくれていいような話ではないかというふうに私は思っているので、それをどんどん、今やってるところです。

 以上です。ちょっと長くなってすみませんでした。

質問と回答

朝日:県民の皆様へのお願いですが、月曜日からというのは、今の感染状況で順調にいけば。

知事:まあ、そうだと一応予測して思っていますが、今日またちょっと(感染者が)増えるらしい。ただ、すでに囲い込みができてる人の中で発見されたのが多いんで、まあいけるのではないかと思っています。

朝日:不要不急の外出を控えるを、安全な生活・安全な外出を心がけるに緩和する。

知事:緩和という言葉は、今日のどこかの新聞にも書いていて、大阪府知事があまり使いたくないと言ってました。私もあまり使いたくありません。だから、皆さんに対するお願いのやり方を変えるというふうに考えて欲しいと思います。別に、単純に緩和するわけではない。今までは、目的規制です。規制というのは言い過ぎで、目的からするお願いで、不要不急だったら止めてくださいと言っていましたが、目的を問わない。例えば、遊びに行きたいというのも、それは違うでしょうと言うつもりはない。だけど、安全に遊びに行くやり方があるでしょう。いろいろ注意していること、ここに書いてないけど、マスクをしましょう、手洗いしましょう、密を避けましょう、当たり前です。そういうようなことを、ちゃんと気をつけてやってくださいということです。

 さっきちょっと言い忘れましたが、あんまり目的でギリギリやりますと、本当に真面目にお守りいただいた方は、ひょっとしたら、逆に命の危険があるかもしれない。つまり、例えば、検診も何ヶ月か後にしようなんて言ってると、別の病気が進行してるとか、ちょっと外は怖いから、外出を控えて家に閉じこもっていようといったら、どうしても運動不足になります。そういうのもよろしくないし、あんまり経済に水をかけるというのは、業況が不況になって、単に経済だけではなく、家族にとって、とても悲劇的なことが起こる可能性だってあります。そういうこともいろいろあるので、あんまり目的で縛っていくのはどうかと思うので、これはやっぱり態様で気を付けながらやってくださいというふうに、シフトしてしまおうと思っています。

朝日:そうすると、すぐにではないかと思いますが、リフレッシュプランなんかも徐々に検討していきたい。

知事:まず、態様を変えます。変えるということで、例えば、旅行なんてのは大体不要不急に近いですから、止めなさいというところをいいですというのと、今度は、アクセルを踏むのとはちょっと違います。アクセルも、全国で踏むのは、ちょっと今は危ないのでどうしても駄目です。県内だと、大分感染リスクが少なくなってきてると思いますが、それでも、今まで止めなさいと言ってて、すぐにアクセルを踏むのは、ちょっとやり過ぎです。だから、今ちょっと目的的に言うと、ニュートラルにまずしておいて、もうちょっとしたら、リフレッシュプランはお金もいただいてますから、まず、リフレッシュプランから、時期を見てアクセルを踏みたい。そんな感じです。

朝日:確認になりますが、バーベキューやキャンプのところです。これは、新型コロナが広まっていって、野外ブームになったことによる、キャンプやバーベキューの注意点ということでいいですか。

知事:幾つかあります。今言われたことが一つです。特に、県外の大都市なんかから、大自然の豊かな和歌山県に行って(する)というのが、すごい、割合理由のあることというか、そうしたくなる感じはあります。だから、ちょっと警告を発しておかないと危ない感じはあるので、一般的に、我々は、それはおかしいと思ってますと。つまり、それぞれの県で外出自粛せいと言われてるんだから、それを守るのは、他所の県の府県民として当然ではないですかというふうには思うけど、最低限、これだけは守ってくれというのが我々のお願いです。

 それは、県民に対してはいいのかというと、そんなことはない。県民の方々に対しても、同じことは言わないといけないというふうに思います。

朝日:そうすると、これは、県民の方プラスアルファ県外の方へもということでいいですか。

知事:大体、こういう話は属地主義と属人主義の両方です。それから、さっきの話にもうちょっと付言すると、新型コロナがなくなって、じゃあ(自由にやって)いいのかというと、また別の問題がある。これは、和歌山県の立派な自然とか環境を守るという点でも、ゴミを捨てられたら困るとか、ゴミではなくて排泄物をどっか適当にやられても困るというところがあります。例えば、川の茂みの中でいっぱいそんなことが起こったら、綺麗な川ではなくなってきます。それは、所定のトイレか何かでちゃんとやってくださいというのは、当然言わなければいけないことで、楽しむ時には、やっぱり、マナーと節度はあるんで、そのマナーと節度をちゃんと守ってもらうという目的もあります。

朝日:ワクチンの件ですが、今回、次の順位も要望できたということなのかと思いますが、中には次順位のものが0になってる自治体もあると思います。そこはまだ求めてないということですか。

知事:これは、それぞれの自治体で、進捗状況が違います。無理やりもらって、在庫を余らすのは止めよう。だから、今はお年寄りに打つのに精一杯だったら、ボンボンそっちを打ってくださいというのでいく。バンバンやったら幾ら要りますかというと、これだけ要りますと言って、それをみんな集めて集計してお渡したら、全部くれたということです。従って、まだこれから、さらにどんどんやりたいというところがあったら、それは我々として協力していきます。

朝日:モデルナの件ですが、先ほど集団接種でやるということですが、知事として、大規模接種だったりとかは。

知事:まず、和歌山県に関して言うと、県でやるのは、むしろ止めておいた方がいいと思ってます。特に、人口が多い和歌山市なんかでも、市役所がちゃんとコントロールして、必要なところをやろうとしてくれてるんで、それはお任せしたらいい。マンパワーなんか助けに行ったらいいかもしれませんが、県が横でやったら、接種状況の把握なんかで混乱します。だから、大阪や東京なんかで自衛隊がやってるとか、ああいう遅れてるところは、それはやったらいいと思いますが、(和歌山県は)別に遅れてなくて精一杯やってるんで、またさらにやりに行くのは止めといた方がいいと思います。和歌山市が、ひょっとして、もっと加速したいのでたくさん(ワクチンを)ちょうだいと言った時に、集団でやると言ったら、モデルナは割とすぐくれるような気がします。前回の河野大臣との会見の時もそんな感じだったので、モデルナを使ってどんどんやったらいい。

 もう一つは、企業接種があります。企業で、たくさんの従業員を抱えてるところは、別途、それぞれの産業医の方とかをリクルートして、どんどんやっていただくということになれば、もっと早まります。そういうことの可能性はあるかなというふうには思います。それも、モデルナを供給すると言っておられます。

紀伊民報:キャンプやバーベキューに訪れる人にルールを守って欲しいというところで、釣りなんかについても懸念する声があると思いますが、釣りなんかもメッセージに含まれることになりますか。

知事:例えば、ごみを捨てるという点では同じです。同じと考えていただいていいんですが、釣りはいろんなところでやります。だから、所定のとこで釣りをしろというのはなかなか難しいというところもあって、書いてないんですが、気持ちは一緒です。

紀伊民報:例えば、マスクをせずに釣りをされてる方が多いというようなこともあると思いますが。

知事:それは、誰もいないところ、向こう見ても100メーターぐらいのところに一人しかいない時は言うつもりはないけど、結構並んでる時なんかあります。そういう時は、ちゃんとマスクはして欲しいです。それは当然です。

産経:県民の皆様へのお願いは、基本的に新型コロナ対策というふうに理解していますが、バーベキューの件については、キャンプ場、所定の場所でというところであったり、ゴミを持ち帰りましょうというのは、かなり一般的な要請になってると思います。この意図というか、ここにあえてというのは。

知事:例えば、密を避けてやってくださいと言うだけだと、どちらかというとメッセージが違います。密を避ければ、ガンガン(やって)いいのかと言われたら困ります。だから、やっぱり今、バーベキューとかが流行りそうになって、みんながウワーと押し寄せるんだけど、こんなところでやらないでくださいというようなところでやられたら、近隣の農作業をやってる人なんかも困ります。そこに集まってやられたりしたら、あの人たち新型コロナをうつすのではないかという気になる。だから、所定の位置でルールを守ってやってください。それは県民の方もそうなので、広い意味での新型コロナ対策です。まあ、新型コロナがなくなってしまっても、これは残ります。

産経:感染対策として切り分けて、何でもかんでも入れてしまうと、訴求力がなくなったりとか、県の要請はどこまでいっても要請ですが、一定の心理的な強制力は少なくともある中で、あえてここに入れるのはどうかなという議論があると思いますが。

知事:いや、別に入れて悪いわけではないでしょう。言われてることは、整理学の問題として別に間違ったことを言ってるわけではないんだけど、別にそう言わなくていいではないのという感じもあります。

 現に、多くの方々から、この類の苦情というか懸念は、たくさん示されてます。ですから、眉をひそめてるような人がたくさんいて、あれでうつるのではないかと、みんな思ってるわけです。従って、そこはちゃんと、きっちりやってくださいということを言うのは、新型コロナ対策上も、大事なことではないかというふうに思います。

 それじゃあ、これは新型コロナだけの問題かと言うと違います。ゴミを捨てるななんてのは、新型コロナとひょっとしたら関係ないかもしれない。そういうことについては、今、懸念してることを全部ここへ入れているということです。入れてるのはおかしいではないかと、言わなくていいではないのということを言ってる。

朝日:話題事項になりますが、宇宙の件で。今年中に発射台ができて、今年度中に発射を見込んでいますが、県として、経済効果で670億円だったり、一年間の観光効果で13億円という指標もあります。新型コロナの影響で、ここら辺の指標に影響するのかとか、試算を見直すようなことは、どんなふうに考えていますか。

知事:試算も、平常時でこんなものですということを考えてるんで、いつ打ち上げたらこうなりますなんて、そんな厳密なものではない。当然、新型コロナで、みなさんの気持ちに少しブレーキがかかったりすると、見に来る人も少なくなるというのはあります。だから、普通に打ち上げた時に、普通に皆さんが見てくれるのはこのぐらいだろうからこんなもんでと言ってるので、当然、その時の状況によって影響は違ってきます。

朝日:改めて、ちょっと試算し直そうかなということは、今のところ。

知事:そんな性格のものでもない。

朝日:今、スペースワンの事業は、進捗状況としては順調なのか、それとも新型コロナも含めてどんなふうに。

知事:大変順調です。私も大分前に見に行ったのですが、大分でき上がってきてます。多分、(工事は)ずっと続いてるんで、今、かなりそこから進んでると思います。建物なんかも、土台なんかができてるとこが結構あったけど、建屋が建ち上がってくるし、そういう意味では、見に行きたいなという気持ちはあります。かなり進んでいて、秋ぐらいに(射場が)完成してしまうのではないかと思います。

産業技術政策課長:夏頃には完工する予定です。

知事:夏か。昨日誰か秋とか言いやがったんだけど、夏だって。

朝日:ちなみに、一番最近は、いつごろ見に行かれた感じですか。

知事:あれ、いつだったか。

産業技術政策課長:知事が行かれたのは、少なくとも去年の10月のシンポジウムの時に行かれました。

知事:去年の10月。なんかもう、日にちがワヤワヤになりました。今年になってからは行ってないかな。4月ぐらいからは、めちゃくちゃになってるから、行ってるはずがないんです。

朝日:やっぱり、生の現場を見ると、ワクワクしますか。

知事:ワクワクします。ものすごいワクワクです。

朝日:その中で、課題は、交通渋滞だったりとかがあると思いますが、どんなところに課題がありますか。

知事:私は、唯一の課題は、交通渋滞だと思っています。さっき後ろで発言してた産業技術政策課長なんかが、たくさんの人に見ていただいて、どうしたら渋滞が避けられるかということを、一生懸命、ずっとほとんどそればっかり考えてる。それで、地元の方々と、こんな形でやるかというような話が大分進んでるので、それをやると、渋滞はかなり緩和されるのではないかというふうに思います。

 一言で言うと、今のところ、入口のところで、射場の前を通ってる42号線しか動線がない。高速道路を今せっせと作ってるけど、まだできてない。そうすると、例えば、(道路が)二本以上あったら、今日は、こちらは射場見学のためにしましょう、高速道路は通過交通とできますが、今はできない。だから、例えば、新宮の人が白浜で仕事の用事があるとして、白浜だと311号線を通ったほうが良いので(例えるのを)やめて、新宮の人が串本の街に用事がある時に、渋滞で通れませんと言ったら腹が立ってしまいます。そういうことにならないように、通過交通はちゃんと通過できる、車で来た人はこの辺で止めて運ぶ、電車の人はこうやって運ぶ、そういう計画をちゃんと作っています。

朝日:直接の事業主体はスペースワンでありながら、その周辺の関係だったりとか、射場の見学場だったりとかも町が作ってると思います。そういったものに対して、県として、こういう支援策をやろうとかは、今後考えてたりしますか。

知事:それは多少あります。初期投資として、見に来る人は、自分でそれだけの代金とかコストとか払って見てもらいたいと思いますが、初めのちょっと刺激策として、そういう装置をちょっと作ってあげようかとか、そういうような政策は、予算の中に入れています。

朝日:知事としては、スペースワンに対して期待していますか。

知事:そうですね。ものすごく期待してます。

 これは、その一、和歌山のローカルな話ではない。日本のいろいろなプロジェクトの中で、少なくともベストテンぐらいに入るような、日本の期待の星です。つまり、ロケットはともかくとして、衛星が小さくなって、宇宙のビジネスのやり方がコロッと変わってくる。それをサポートする産業としての小型ロケット打ち上げ場なので、まだほとんど世界にないんです。しかも、立地がどこでもいいわけではない。これは、世界中の注目を集めてるプロジェクトです。これが第一です。

 第二は、やっぱり観光で見に来ていただいて、それを上手く捌いて、お金もいただいて、地元が潤えばいい、こういうのがあります。

 三つ目は、今度は産業としてのロケット産業があって、もちろん、射場打ち上げのために、かなりの方が常駐してくれて、打ち上げの時には応援の人がまたいっぱい来てということになるので、雇用とか人口とかいう点でもプラスになりますが、まだビシッとはできてないけど、だんだんと将来は、裾野産業とか関連ソフト産業とかの人たちが、この周辺地域で仕事をしてくれるようになったら、もっといいと思います。大体こういう大きいもの、例えば、トヨタ自動車があったら、その周辺にいろいろな関連産業が出てきます。そこまでは大きくないけど、ロケット発射場、スペースワンというのができることによって、それのサービス産業の裾野というのは、だんだん紀南の地に形成されるようになってくるということを、深く期待してます。

毎日:6月補正予算で、病床のことを伺いたいのですが、470床を530床まで確保する予算や、宿泊療養を追加で確保する予算を計上されていて、予算的にはしっかり対応されていますが、県としての考え方を伺います。

 病床数を増やすのか、あるいは宿泊療養を使うのかという優先順位と、最近、大阪府と兵庫県の新型コロナ軽症の方を、県内の医療機関で受け入れを調整しますとおっしゃりましたが、宿泊療養で、そういった他府県の方を受け入れる可能性もあるのかも含めて教えていただけますか。

知事:まず、宿泊療養は予備です。全員入院が、発症者にとっても、感染の防止のためにも、私はとても重要なことだと思っています。これを達成できてるのは、一時は和歌山県だけでしたが、今、わずか4県しかない。いろいろ発表されてる入院率で100となってるのは、今、確か4県です。これは、とても大事なことだと私は思ってます。100でなければいけないかというと、今は、現実と妥協して100でなくてもしょうがないのではないかという議論はあると思います。だけど、理想を言えば、100が良いに決まってるわけです。

 だから、第一の答えを言いますと、入院でやらなければいけない。宿泊は予備で、しかも予備のやり方で、段階があります。我々は予備のやり方として、基本的には、出口として予備を使いたい。入院病床が逼迫してきますと、(病床を)空けなければいけない。空ける時に、いきなり新規発症者にホテルへ入っていただいたら、ホテルの中で、多少は監視するとしても、容体の変化(への対応)なんてのは、100%でできるわけがない。その時に、急変して死んでしまうことがあったら、気の毒です。ただ、それは(全国で)いっぱい起こってます。従って、しばらくすると、人にはまだ感染させますが、これ以上そんなに(容体が)悪化しないという段階に来るんで、そういう時に、退院ではないけど、ホテルに移ってもらおうかということで、予備を作っておきました。従って、ホテルはそういうものです。

 今度は、他県の人を受入れることについてどうかというと、やっぱり和歌山県のために、(整備を)やったお金もそうだし、苦労してくださってる人は、みんな和歌山県の人なので、私が人道ということだけ考えてどんどん入れようというのは、なかなか受け入れてくれないところがあります。

 特に、和歌山県のリスクというのは、病床数は結構あるけど、和歌山県的重症、他県的中等症で(である)酸素吸入してる人は、やっぱり陰圧して(対応を)やらないと危ないわけです。ただ、設備がどのぐらい整ってるかというと、そんなにたくさんない。そこが今、100より下だけど、まだ結構埋まってて、実は、そこへ入っていただいたほうがいいんだけど、という酸素を吸ってる人(酸素投与者)が、普通の病床で(酸素を)吸っていただいたことが結構たくさんある。(そうすると)陰圧室ではないから、他のところへ結構うつる可能性がある。それはまずいので、そこのところは容量をちょっと小さくしろと。

 さらにICUとかHCUになると、もっと小さい。これは、他の病気で、救急救命を要するような時なんかに使わなければいけないんで、もともと少ない上にあんまり空けられなくて、新型コロナで最大40床ぐらい空けてもらうような約束はありますが、実際に稼動してるのは、もっともっと小さい。それが、全国的な意味での重症者が入らないといけないわけですが、入ってしまうとすぐに埋まってしまう量しかない。だから、軽症者だと思ってどんどん受け入れてしまうと、次に酸素吸入が必要になり、その中の一定の比率で、ICUに入らざるを得ない。そうすると、和歌山県の体制が破綻するんで、あんまりボンボン受け入れられなかった。だけど、ここまで来て、一定の見通しが立ったんで、それでちょっと人数を限らせてもらって、受け入れますということにしました。

 その時に、ホテルかどうかというのは、これは同じような意味で危ないからいたしません。つまり、他県の人とはいえ、ホテルの中で症状が急変してお亡くなりになるなんてことがあっては困るから、やっぱり、我々の考え方としては、いきなりホテルに入っていただいて適宜というのはいかんというふうに思いますので、それはいたしません。

毎日:530床まで増やすほうが、ホテル療養を使うよりも優先される。

知事:もちろんそうです。ホテルは予備です。もともと、入院病床を増やしておけばいい。だけど、一般病床を増やすのが今回の予算ですが、それがすべてではない。実は、中等症は結構窮屈、本当の重症、ICUなんかもっともっと窮屈。だから、そのリスクをいかにして一般病床のところで食い止めるかが大事なことで、ほうっておいたら、あっという間にこっち(重症病床)に移ってしまう。だから、早くクリニックへ行って、まだ症状があんまり出てない、肺炎なんかになってないところで、お薬も多少加味して、様子を見て、症状を抑えていく。それで、緩和したまま終わったら一番いいんです。そういうことが、和歌山のやり方です。

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