知事記者会見 令和3年5月25日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年5月25日 知事記者会見

令和3年5月25日 記者会見室 


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 今日は、発表事項が三つありますが、その前に、例によって、この近辺を振り返って、県民の皆さんに、新型コロナの関係でメッセージを伝えたいと思います。

 まず、お手元の資料を見ていただきますと、最近の感染状況が載っています。ここのところ感染者は大分抑えられてきましたが、まだ高い日もあるし、23日、24日の発表はかなり低かったのですが、今日またちょっと増えてるので、まだまだ油断はできない。全国がむしろ拡大してる中で、関西全体が、先行していたというと変な言葉ですが、先に感染がひどかった関西がちょっと落ち着いてきたので、(和歌山に対しては)影響が大きいから、そういう点でも良い材料だというふうに思っています。ただ、そうは言っても、近隣県の状況は、前より良いというだけで、かなりたくさんの感染者がどんどん出てる状態なので、やっぱり気を付けなければいけないだろうというふうに思います。

 そこで、次のペーパーにございますが、不要不急の外出自粛は、もうちょっと我慢して続けて欲しいというふうに思います。

 時短要請は、5月31日までになっていますが、現在、内閣官房などと、これはどうですかというような相談をしている状況です。あまり実態がないところに予防的にやっているものですから、ちょっと批判も多いわけです。

 三つ目で、特に、飲食時の基本的な感染症対策の徹底です。これは、やっぱり一番うつりやすいのは、家族や一緒に暮らしてる人、あるいは一緒の職場は当然ですが、一番初めにうつってくるのは、やっぱり飲食が多い。その次がカラオケなので、両方とも飲食店系ですから、飲食時の基本的な感染症対策の徹底です。カラオケは、お友達とになると、どうしてもうつってる可能性が強いので、そうすると、どんどんうつってしまうから、当分は家族で楽しんでくださいと申し上げています。

 特に、いつもお願いをして、大分直ってきたと思いますが、まだちょっといまいちのところが時々あって、かなり大きな感染になるのが四番目で、クリニックなどで十分ですが、なかなかお医者さんやクリニックに行ってくれない人がいます。最近、後で猛烈に悪化する場合でも、熱が一番初めに出ると限らない人が多い。味覚がおかしいとか、頭痛がずっとしているとか、気分が悪いとか、そういうのも結構あります。それで放置してるうちに肺炎になっていくことがあるので、とにかく、これまで(の感覚)というのは忘れて、今の季節にちょっと何か体調が変な時は、クリニックへ行って、「様々な症状が出るので、これは新型コロナと違いますか。先生、ぜひPCR検査をやってください」というふうに頼んでもらいたいと思います。早ければ早いほど、本人の重症化のリスクも少ないし、家族にうつすとか、職場でうつすとか、そういうこともウンと少なくなるので、とにかく、早くクリニックへ行って検査をしてもらってください。

 それから、最近ちょっと発見されてるのは、実はクリニックへ行っているけど、クリニックの先生が検査をしてくれなかったケースがあります。これは、(症状などを)言わなかったかもしれないけど、何かちょっとあやしい症状が出ていたら、いろいろ仕掛けは作っていて、物を配ったり、あるいはそういうこと(新型コロナを発見できる)ができるようなシステムを作ってるし、国費でできるので、この際、先生方もためらわず、ぜひ、それを患者さんに適用して欲しいというふうに思います。PCR検査が一番いいのですが、それが無い時は、あるところを紹介してあげたら良いと思うし、検査キットがあるところがほとんどなので、検査キットで調べていただきたいというふうに思います。多分、いろいろ診療に慣れておられる人は、このぐらいだったら抗生物質をちょっと飲ませておけばいいとか、そういうふうに簡単に判断してしまうのではないかというふうに思いますが、新型コロナに罹ってる場合があるので、ためらわず検査をして欲しい、これがお願いです。

 それから、病院や福祉サービスは、施設内感染に特に注意して欲しい。昨日もまたクラスターが一つ出ましたが、ああいうのが出ると、大勢の年寄りや体の弱い人にうつってしまうことがあるので、注意はしていただいていますが、念には念を入れてお願いしたい。特に、通所サービス、あるいはデイサービスやグループホームとかは、割合、こういう言い方をしていいかどうか知りませんが、特養なんかに比べると、症状が軽い場合のサービスです。こういう方については、実は、多くの方が介護やケアに参加しています。そういう方が見逃されることがあり、家族からうつっていて症状が無かったら分からない場合があるので、念のため、検査キットをそういうところに配っているので、しばらくの間、一週間に一回ぐらいどんどん検査をしてください。ちょっと落ち着いてきたら、疑わしい事例、事象のある人だけに限りますが、今はどんどん使っていただいて結構ですから、やってください。こういうことをお願いしたいと思います。

 それから、何といっても、やっぱり最終的な決め手はワクチンになります。昨日のニュースなどでもたくさん報道されていましたが、和歌山県は、今、高齢者へのワクチンの接種状況は、日本一です。別に、たくさんワクチンをくれたからこうなったわけではなくて、くれたものを片っ端らから打ってるからです。その体制を、高齢者は市町村が担当なので、それぞれの市町村で一番ふさわしいやり方を県と議論をした上で決めて、強烈に(接種に協力してくれる人を)リクルートしたり、根回しをしたり、準備をしたり、そういうことをやってきた結果です。従って、別にたくさん(ワクチンを)くれたからこうなったわけではなく、逆に言うと、ほとんど足りなくなっています。私たちは何をしなければいけないかというと、せっかく先行してどんどん打ってるのに、途中でワクチンが来なくなってしまったら、そこで期間が空いてしまう。これは日本のために何の意味もないことです。従って、そういった体制を整えてどんどん打ってしまったところには、どんどん次のステップに移れるようにワクチンを供給して欲しいということを、明日、とりわけ河野大臣ですが、言いにいくつもりです。和歌山県を待たせていても、他のところが進むわけではない。逆に言うと、和歌山県のように早くやってるところに、とにかくワクチンをどんどん供給したら、早く進んで終わってしまう。終わってしまったら、次は、遅れてるところへ回せます。そういうふうにした方がはるかに良いので、他のところが、例えば、高齢者が終わってないからしばらく待っておけというのは、ナンセンスだと思います。そんなことを力説してきたいというふうに思っています。私は、それが日本のためだと、絶対に信じています。

「飲食・宿泊・旅行業給付金」申請受付期間を延長します!

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 今日の発表事項としては、三つございまして、飲食・宿泊・旅行業給付金の申請受付期間を延長します。誤解していただくとまずいのですが、これは2月県議会で了承を受けて、今もう実行してるもので、第三波の1月、2月の時の、飲食店に対する急激な影響や、飲食店、旅行業、宿泊業、ずっと続いてきた運送業について対応するということです。データを(事業者が)自分で整理して、申請する期間が5月31日でしたが、間に合わない人がいたら困るので、6月30日まで延長します。

 その時に、このぐらいでいいかなと、我々が、実態を調べて、判断をして、業種について特定しました。しかし、その後いろいろ調べると、大変大きな事象ではないけど、特定の業者さんについて、飲食店と同じような影響を受けてる、飲食店あるいは宿泊業の絡みで影響を受けてる業種がありました。それは、その業種全部を調べると大したことはないかもしれないけど、特定の人にとってはとても影響がある場合もあったので、この際、それを追加しようということで、そこ(資料)にあるように、酒類などの製造業者または酒類の販売業者で、飲食店にお酒を届けてる人です。それから、自動車運転代行事業者。お飲みになった方で、代行サービスを使って家に帰ることがありますが、そもそも飲食店がものすごく流行らなくなって業績が悪くなると、当然、代行業の方も、業績が悪くなる人がいます。いろんな兼業をしてるので、ひょっとしたら、あんまり悪くなってない人もいますが、悪くなってる人は申請してもらったらいいということです。それから、海上運送事業者。これは運送業の並びで、陸上だけに限る必要もないので、海上運送事業者を追加しておきます。ですから、今まで、ちょっと待ってと言ってた事業者の方は、この際、データを整えて申請をしてくれればいいことになります。これが第一です。

和田精工株式会社がかつらぎ町に進出します

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 その次は、企業誘致案件で、和田精工株式会社が、かつらぎ町に進出します。場所は、かつらぎ町の、割合、工場なんかが多い、サカイキャニングとかが固まってるところですが、そこに新しく工場を作っていただきます。投資予定は、結構多くて17億円ぐらい、地元雇用は20名ぐらいを雇っていただくことになります。何をしてる会社かというと、プラスチック射出成形品製造およびベアリング製造業者ですが、特に、今、注射器とかが流行ってます。具体的にどんな注射器か、私は今聞いてませんが、ひょっとしたら新型コロナの影響なんかもあるかもしれません。従って、医療機器等の部品の製造を拡大させるために、新工場を建設することになって、もともと堺の会社ですが、かつらぎ町に出てきていただくことになりました。

入札制度の一部見直しについて

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 その次は、入札制度の一部見直しをいたします。もともと和歌山県は、私が知事になった時以来、かなり徹底した県内優先の入札制度を作っています。もちろん、法に触れるものとか、正義に反するようなものとか、そんなことはできませんが、これはいけると思うのは、県の工事だから県の方々に申請していただくのがよろしかろうということで、原則として県内優先にしています。特に、土木工事はあっという間にやってしまったのですが、難しいのは、ソフトなサービス事業で、設計とか、今回出てくるような補償関係のコンサルとかで、様々な何とかコンサルというのは、たくさんこの(工事の)周りにある。そういうところは、能力が必要ではないかとか、いろんな議論があって、なかなか県内優先を一律に決めていいというものでもなかったので、まだ手が付いてないところがいくつかありました。それをどんどんと減らしていってたのですが、今回、補償関係コンサルタント業務について、県内優先を徹底していきたいということで、発表させてもらいます。

 これは何をする会社かというと、例えば、道路を作るあるいは電線地中化をすることになると、家の前をほじくり返すとか、あるいは少しかわしていただく、そういうことが出てきます。その時に、実態上、いくら(補償額を)お支払いしたらいいのかとかについて、考えて決めていただくような会社です。従って、我々が工事などをどんどんやってると、補償コンサルタントにも仕事が出てくるので、それをじっと見たら、もうちょっと県内優先ができるので、詳しくはそこ(資料)に書いていますが、簡易な業務については、全部県内にしよう。それ以外は、県内と県外を混合でやっていくかということで、今日は発表して、6月1日の入札公告からやらせていただくことにします。

 以上です。

質問と回答

朝日:給付金の件ですが、先ほど知事も言っていたように、飲食業、宿泊業だけではなく、それに関連する事業者の人も助けたいという思いで。

知事:あくまでも、強い関連のある(業種)です。先ほど、ちょっと誤解されるといけないのですがと言って、その後を言わなかったんですが、実は、救済するのはこれだけ(の業種)と限ってるわけではなく、これは1月、2月の話です。今回、より深刻なのは4月以降です。4月、5月、6月辺りをどんなふうにして救済したらいいか。業種別に動向を徹底的に調べて、この業種は好調だなというところは違いますが、やっぱり全体が傷んでる、その中でも特に業績が急降下したようなところは、やっぱり救済しないといけない。時短要請をしてるかしてないか関係なく、それを、6月の県議会に出す予定なので、これで終わりと思わないでくださいということです。

朝日:今回の、1月、2月に飲食・宿泊業に関連した業種を救う。

知事:前に申し上げてた第三波の時の打撃の救済策を、2月議会でやらせてもらいましたが、その予算をもらってるものを、少しだけ関連の業種にも広げ、申請期間も少し後でもいいですとした。それだけです。

朝日:ワクチンの件ですが、河野大臣に言いにいくつもりで、直接会って、どんどん(ワクチンを)回して欲しいということですが、回すというのは、高齢者だけではなく、その後の基礎疾患とかも含めてですか。

知事:そうです。和歌山県は、小さい市町村が多い。そうすると、一箱いってパッと開けると、要するに高齢者で止めるのはすごく難しい。そうすると、内閣府に聞いたら、次(の順番の人に)打ってもいいという話は、もらっています。例えば、順番を変えてはいけませんが、次の順番は、60から64歳と基礎疾患のある人に限られていて、そこへズズズっと入ってるところもあるし、これから入ろうと思ってるところもあります。そうすると、そこで終わるかと言うと、今度はそのための箱が来ると、その次がちょっとまた余ったりする。そうすると、一般の人に回したらいいだろうという話になって、打てるんだから打ってしまえと。他所は打てないから困ってるけど、(和歌山は)どんどん打てるから、どんどん打ってしまう。そうすると、小さいところが多いから、もう一個来たら、次やって終わってしまうところもある。そういうのを、どんどんやらせてもらう。和歌山市に関して言うと、あれだけ大きな仕掛けを作ったんです。ものすごい開業医の方が協力してくれて、あちこちワクチン射場だらけです。それで、みんなそれぞれのところで予約していますが、その次にちゃんと(ワクチンが)来る保証がないと、せっかくやるぞと言ってくださった人が困ってしまう。さらに、和歌山市は、若い人たちや働いてる人たちは、仕事があるから開業医に行きにくいだろう。そうすると、休日に限るかどうか分かりませんが、休日に(ワクチン接種を)やってあげようかということと、もう一つか二つか知りませんが、バスケットクローズ(包括)的に、集団接種場も作るという動きになっています。例えば、開業医で協力してくれてる人が、休日がなくなりますが、休日にそこへ行ってもらうとか、そういうことをいろいろ考えています。そこでやるぞと言って考えたら、実は開店休業になりました、それは、全く馬鹿馬鹿しい。だから、やれるところはどんどん打って早く終わらせる。和歌山が終わったらもういらないので、その分を、次に、ちょっとゆっくりしてるところにバーンと出したらいいことになります。こういうことを、どんどんやりましょうと。まだ早いとか言って、弾が国にあるのに送ってくれないのはおかしいことだと思っています。ただ、弾がないかもしれないので、ないのはしょうがないけど、それは政府が必死になって、ファイザーとかから、どんどん送ってもらいたいということです。

言葉を間違えましたが、ワクチンは内閣府ではなく内閣官房です。河野大臣がいるところも内閣官房です。

朝日:大臣からどんな反応が来るかまた教えてください。

知事:どんどん打っていいとは言われていますが、打った分を次に送ってくれるところの言質まで取れてないので、そっちも言ってくれなければ、どんどん打てないではないかということを、主張したいと思います。

朝日:5月31日までの時短要請の件で、今、内閣官房と相談しているということだと思いますが、大阪も延長に向けて調整に入ってることもあり、和歌山県としては、31日以降どんなふうにしていこうと考えていますか。

知事:それは、延長できるかどうか今考えています。あるいは、すべきかどうかも考えています。もともと、あまり実態がなく予防的な意味で防いでたので、その効果がどうなるかもありますが、国全体から見ると、国の弁護をするわけではないのですが、他のところがめちゃくちゃになってるから、和歌山のように、予防でやり続けて給付金をもらい続けるのは止めてもらえませんかという議論は、当然出てきます。そんなことを聞きながら、国と相談しています。

朝日:そうすると、国が、引き続き和歌山も続けていいと言われたら、知事としては続けていくのか、それともそこで打ち切りたいとかはありますか。

知事:それは、そんな気もします。絶対にそうしなければいけないという実態上の要請はないけど、どうかなと。悩ましいです。

朝日:批判的な意見もあるというのは、予防的な意味で給付金をもらうのはどうかという批判的な意見もあるということですか。

知事:そうです。あの時は、大阪がめちゃくちゃで、一気に強烈に時短を始めるということでした。そうすると、今まで夜の町で飲んでた人たちが、大挙して来られると困ると言って、予防的にやってたわけです。それは、(国は)論理としては分かるというふうに言ってくれてました。その時に、そういうことの要請は、徳島県と和歌山市ぐらいでしたが、今や全国で、実態のあるもっとひどいところがいっぱいあるので、もういいでしょうという議論はあると思います。

産経:時短の関係で、先ほど、批判の声もというようなことを言われていましたが。

知事:それは国から、ちょっともういい加減にしたらどうですかということを、批判といったかもしれません。

産経:特に、市民からそういう声があったわけではない。

知事:まあ、ありません。そんなにない。ただ、今日の投書なんかで、一般的に、自粛はもう止めたらどうですかというような議論、あまり自粛自粛というのはよくありませんという、お医者さんからの投書なんかありましたが、それは一般論です。

産経:河野大臣にワクチンの件で要望という話でしたが、打つ体制はできているので、途切れなく供給してくださいという趣旨かと思います。現状、スムーズに流れてると思いますが。

知事:そんなにスムーズに流れてません。県内で打つ状況はスムーズだけど、物がそんなに満足するほど来てません。

産経:打つ状況はスムーズに来てると思いますが、一方で、今、(ワクチン接種のために)病院に行ってる方々は、もともとワクチンを打ちたいと思ってる方々が順番に行っている状況で、市民の声とかを聞いてみると、まだちょっとワクチンは何となく心配だというような声もあったりします。そこについて、改めて知事から一言、呼びかけいただけたら。

知事:これは、打った人が増えてくると実態が分かってきます。例えば、バタバタ副反応で倒れてるような人が出てきたということであれば、みんな怖くなってしまいますが、そんなのありますかね。私なんかもへっちゃらだったので、本当に効いてるのかなと思ったりしていますが、そういう人が圧倒的に多い。そうすると、一方で、新型コロナ感染は、特に変異種はキツイから、そっちの生命リスクの方がはるかに高い。従って、多分、副反応だなんだといって止めたいと言ってる人が、どんどん減ってくるのではないかというふうに思います。私は、打とうと思うのが正しいというふうに思います。

産経:河野大臣に要望をして、供給が来るようになったら、自治体側は、次の段階の人たちに案内をしていくという流れになると思いますが、高齢者以降の方々への案内方法とか、その辺りは固まってきていますか。

知事:これは、高齢者に対する案内と全く一緒でしょう。接種券を配り、市町村の方々に、いつどこで(ワクチン接種を)やれますとアナウンスする。高齢者の方々は、割合スーッといっていました。最後の第三段階は一番大きいので、時間はもうちょっとかかると思いますが、それでどんどんやっていけばいい。例えば、接種券の用意なんかは全部できてます。できてるので、私はもう配ったらどうだと県の担当にちょっと打診をしてみたら、あんまり早く配ると無くすのではないかという議論もある。東京なんかで接種券が遅れて予約ができなかったという人がいました。あんな馬鹿馬鹿しいことをやってはいけないけど、逆にあまり早すぎて、(接種券が)どこかへいってしまったという人がいると、もう一回取りに行ったり、再発行してもらったり大変です。だから、その辺の兼ね合いです。もうそこまで用意していて、「よーい、ドン」と言ったら、パッと行けるようには、各自治体ともなっています。北山村は終わってしまいました。

時事:不要不急の外出自粛について、これも5月31日までが期限となっています。県内の感染状況は落ち着いてきた感じもある中で、これは延長する考えですか。

知事:これは悩ましい。もうちょっと、二、三日考えたいと思います。何が悩ましいかというと、まず、急にメッセージを変えて、ぶり返したらどうしようというふうに思います。和歌山県も、一般市民に対して、強制力を発揮してとか、どこかに自粛警察を出してとか、そんなことはしてなく一般的なメッセージですが、やっぱりよく聞いてくださってる人もいます。そういう人にどういう影響を与えるかということも考えないといけないし、逆に言うと、あんまり閉じこもりすぎると、本当に聞いてくださって、全部後回しにして、極端なケース、他の病気の検診にも行かなかったようなケースがあるとすると、かえってその人に対する命の危険に繋がります。その辺を、どう兼ね合うかは悩ましいというふうに、今考えているところです。

時事:解除するときの基準とかはあったりしますか。

知事:それはありません。一般的に言うと、感染者がうんと減ってきて、近隣もちょっと落ち着いてきたということだと思います。それから、もちろん、大阪とか東京はまだずっと続いていて、兵庫もそうかもしれませんが、今の和歌山の現状から言うとこれはあり得ないけど、医療がひっ迫してめちゃくちゃになってきたら、当然、解除はできないと思います。だからといって、楽ではない。まだ酸素を吸ってる(酸素投与)人は随分たくさんいて、病院の方の負担はすごく大きい。苦労をかけながら、何とか今の状況に持ってきたので、別に楽観してるわけでも何でもないけど、よく言われる、病院のひっ迫というのは、他県に比べればない。あとは、感染者がどのぐらいあるかと、一般的に近隣県がどのようになってるかが、基準というか判断材料です。これは、なんぼになったらどうするとか、そういう簡単なものではないです。

毎日:飲食店の時短要請は、予防的措置とおっしゃいましたが、その予防的措置の効果は、今の時点でどのようにご覧になれれてますか。

知事:それは効果があったと思います。だって、シャットアウトしてしまったから。正確に言うと、ちょっとだけ開けてる店もあるみたいですが、和歌山市もよく見回ってくれてるので、ほぼシャットアウトしてしまった。そこは乗り越えられないので、効果はあったと思いますが、その壁を作ることがtoo much(トゥーマッチ)ではないかと、(国から)ちょっと言われ始めてるということです。

毎日:ある意味、シャットアウトしたことが、感染者の減少にも多少繋がってるというふうにお考えですか。

知事:そう言いたいです。無駄なことをやったなんて言われたら立つ瀬がないので、それは言いたいけど、その部分が何%で残りはどれだけとか、そんなこと言えない。それはそうと思うよというぐらいだと思います。

毎日:誘客プランのリフレッシュプランはまだ実行されてませんが、新型コロナに関する諸々の数値が、ピーク時よりは大分下がってきました。その点、リフレッシュはどのようにお考えですか。

知事:リフレッシュは、我々が考えているのは、県内の方々の県内への旅行なので、県内の感染者がかなり楽観できるようになってくれば、また考えてもいいと思います。ただ、これは振興策です。今は、どちらかと言うと抑制してる。なので、まず抑制を取って、普通でいいです、もう何も言いませんというのが次にあって、それから、よかったらちょっと助成しますから、もっと行ってあげてくださいということです。この(ような)段階を踏んでやらないといけないので、いきなりブレーキを踏んでおいて、次にアクセルを急に踏むのは、ちょっと違います。だから、次はニュートラルにする。その後、しばらくまた様子見て、いけそうだったらアクセルを踏むということでしょう。

毎日:そうすると、実施はもうしばらく様子見ですか。

知事:そうなると思います。まだ、和歌山にしたら、前に比べれば圧倒的に減ってきたけど、ほんのちょっとしか出てなかったところが、二桁にすぐなってしまう状態ですから、そんなに油断はできません。

朝日:オリンピックの事前合宿です。和歌山県もカナダやオーストラリアから受け入れをして良いという体制になってると思いますが、なかなか進まない中で、県としては、今の感染状況とかを見て、どんなふうに考えてますか。

知事:まず、オリンピックをやることになったら、どこかで事前合宿がいるのかいらないのかという話です。例えば、本国から来てすぐに本番をやってしまう方が良いというふうに考える国もあるかもしれないし、ちょっと体を慣らして事前合宿というふうに考えるところもあるかもしれない。和歌山県で、かつて(事前合宿を)申し込まれて話がついていたところについては、完全に向こうの国が決めることです。もはや、我々が、ぜひ来てくださいというようなものではない。それから、非常にバラ色のオリンピックが予想されていた時には、日本の多くの人と、ホームタウンだったかな、要するに仲良し地域を作って交流もしましょうという話でした。(今は)そんなことを言ってる雰囲気ではないと思います。ですから、合宿をやらせて欲しいか、もう結構ですというか、そういう地合いではないかな(と思います)。それは相手にお任せするしかないと思います。ホームタウンでしたかね。

朝日:ホストタウン。

知事:ホストタウンです。ごめんなさい。

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