知事記者会見 令和3年5月11日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年5月11日 知事記者会見

令和3年5月11日 記者会見室 

和歌山県内すべてのダムにおいて事前放流の運用開始

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 今日はそこ(資料)にあるような発表ですが、まず、第一に、和歌山県のすべてのダムで事前放流の運用を開始いたします。これは何かと言うと、ダムというのは、大体、治水目的のダムと利水目的のダムがあります。大体は、治水と利水が一緒になってるか、あるいは利水だけというのもたまにあります。しかし、よく考えたら、利水目的のダムでも、雨が一気に降ったら、あるいは降りそうだったら、治水に役立たせることができます。それで、治水と利水と(両方の目的が)あるものも、治水は治水目的で、利水のところはほったらかしというのが基本で、これまではずっとそうしてきましたが、和歌山県が実は先鞭をつけまして、紀伊半島大水害の直後、関西電力が利水ダムとして利用していた四つのダムで、関西電力と協定を結び、確か2010年(正しくは2011年)が紀伊半島大水害なので、その時に、関西電力の当時の八木社長と口頭で合意していただいて、次の年の4月ぐらいだったと思いますが、文書による合意を交わしました。口頭の合意も含めて、ずっと今まで四つのダム、北から二川、椿山、殿山、七川、そのうち殿山ダムは、関西電力のオール利水ダムで、残りは、治水と利水があって、治水の部分は和歌山県が責任を持ってコントロールしているし、利水の部分は、関西電力の営業資産になります。こういうふうになっていましたが、治水部分に貯まっている水は、これから大雨が降る、大台風が来るということになると、まずバーッと(水を)抜きます。これは当然ですが、利水のところは、目的が違うからそれまでは頼んでいなかった。紀伊半島大水害の時も、頼んでいませんでした。椿山ダムは、治水空間だけでもすごい(容量)ですから、まあ大丈夫だろうと思っていましたが、それを上回る自然の猛威があったので、これはもう利水の空間を使わせてもらうしかないというふうに思い、思い切って八木社長にお願いをしたら、OKしていただいたということです。

 今まで、この時点で数えていませんが、四つのダムで、全部で50数回、ひょっとしたら60回を超えてるかもしれないぐらい、この十年間で、危ない時は関西電力に協力していただいて(水を)抜いてきました。

 それで、これはものすごくいいので、そういうことを和歌山県は国に対して進言していました。これは絶対やったらいい。関西電力も了解してくれたし、和歌山県は補償なしですが、補償してくださいと言われたら、一日(分)の電力だけではないけど、したらいい。そういうふうに、国交省の幹部に一生懸命進言をしていましたが、そうですねと言いながら、やはり電力事業を所掌してるわけではないので、なかなか手が出せなかったのでしょう。  

 それで、やったらいいのにと思ってたら、三年ほど前、愛媛県にある国のダムで、かつ電力利用の部分があるダムで、ものすごく雨が降って、一気に水が溢れて下流に被害が出ました。今、溢れてとアバウトに言いましたが、感覚的に言った話で、実は、溢れる前に、ただし書き放流という河川法上の決まりがあり、ダムが壊れないように、満杯になって上からジャバジャバと(水が)溢れるより先に、放流して水位調整します。そういうふうになると、今まで、流れ込む量から出す量を引いてダムにどんどん貯めていって、出す量は少しだから下流も何とか洪水にならなかったけど、(満杯になったので)上から入る量と下から出る量を同じにするただし書き放流となり、まさに紀伊半島大水害の時の椿山ダムと同じことが起こって、いっぺんに水位がブワーッと下流で上がって、大勢の人が犠牲になった事件がありました。ほれ見ろと言ったらいけませんが、やっぱり(事前放流を)やるべきではと私も大分言っていましたが、どうも聞いたら、全く私の情報が入ってないのに思いついてやれと言った人が1人います。それが菅総理で、官房長官の時です。それは、本に書いていて、和歌山県から勉強したと一言も書いてないけど、思いついたのですかね。それで、命令が来たので国交省も動き出して、今、全国的にそういうふうにしようというスキームができて、動き出してます。

 和歌山県の四つのダムは、かなり大きいダムです。二級河川の中でもかなり大きいダムで、これはかなり効果があると思ってやったのですが、今回発表した三つのダムは、それほど大きくありません。効果は、四つのダムに比べると、何分の一か何十分の一になります。しかし、実際に堤防が越水する時は、その何分の一とか何十分の一のところでそういうことが起こる可能性があり、やれること何でもやってしまえばいいので、国からの働きかけがありましたから、広川ダム、切目川ダム、島ノ瀬ダム、これは四つのダムと大分構造が違いますが、それぞれ調整することにいたしました。

 詳しくは、ダムの中身はいろいろあるんで、これ(資料を)じっと眺めていただいて、専門家に聞いていただいたら分かりますが、広川ダムで77万立米、切目川ダムで67万立米、島ノ瀬ダムで9万立米分(の水)を抜いておくことを、これからやっていきたいというふうに思います。

公共工事等における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策の一層の推進について

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 その次は、公共工事で新型コロナ感染症が加速しているのではないかという議論があります。関西広域連合でも、一ヶ月ぐらい前にそういう議論があって、いろんなところに申し入れようという事とともに、自分たちもやろうというふうに思いました。申し入れは、国の公共工事も、納期、納期と言うと、納期が迫ったから突貫工事で集中的にやるから人が密になりうつる。あるいは、無理矢理、感染地域から人を集めてきて、ワンワン働いてもらってお仲間にうつったというようなことがないよう、慎重にやってくださいというのが国に対するお願いです。当然、県も市町村も工事はあり、特に、県の工事は多いので、県の工事でも、そういう事情でなかなか難しかったら、納期を若干フレキシブルにしますというようなことをやりましょうということで、「2.」のところに書いている、施工中の工事等における工期延長への柔軟な対応をやろう。これは、関西広域連合でも申し合わせていて、多分、こうやって発表してるのは、和歌山県が初めてではないかと思いますが、みんな同じような考え方でやろうとしています。

 それから、感染拡大防止対策に係る契約の変更ということで、そうやって(工期を)延ばすと、費用がかかることもあります。そういう時は、事情を言ってくれたら応じます。何でも「はいはい、その通り」というわけにはいきませんが、事情をちゃんと聞いて、ひょっとしたら追加費用を払ってあげますというようなことが二番目。

 三番目は、マスク着用を励行して欲しいということです。野外で働いている建設工事の方がいて、あんまり人もいないし屋外でやる。これから暑くなって、必ずマスクしておけというのは、ひょっとしたら別の健康上の障害が出る可能性もあり、無理はできませんが、一番問題になってるのは、屋外におけるマスクなし作業に慣れた人が、屋内でご飯を食べる時やみんなで会議する時もマスクをしない、建設工事現場では、マスクしないというふうに決めてる、これはいけません。それから、県庁が飲食店のパトロールをしてる時にいくつか発見しましたが、近くの建設現場の方がお店に来てくださるのは非常に結構だけど、その方々が入ってくる時からマスクをしていない。それで、結構大声で喋りながらお食事なさっていると、なかなか(注意を)言えないという問題があって、これは、やっぱり建設現場の管理者の方から、ちゃんと注意をしてもらおうということになりました。近くのコンビニや食堂とかへ行く時は、必ずマスクをしていって、食べる時は仕方ないけど、食べ終わったら、またマスクを付けて、お話をするなり何なりしてくれというのが、三番目です。

 さらに、「1.」で新たな取組がありますが、これは和歌山県独自です。第一に、県外からの建設従事者の往来に対する対応で、例えば、今、和歌山に比べると大阪の感染レベルはかなり高い。大阪の方が、毎日、和歌山の建設現場に通わなければいけないとすれば、宿舎などをちゃんと用意して、感染地と切り離してこっちで仕事をしてもらったらいいのではないか。そうすると、宿泊施設を確保するような要請をし、それに対して、必要な費用であれば面倒を見ることもあるべしということで、相談してくださいということです。

 それから、三密回避のためには、やっぱりちょっとICTなどを積極的に活用して、それに対してインセンティブを付与して、こうやったらあまり人が密集しないとかも考えながら工事してほしいということを、「1.」のところで書いています。

 そんなことで、工事現場が感染の媒介になってしまうことは、ぜひ避けようという工夫です。こういうのを発表してるところは、ひょっとしたら和歌山県だけかもしれませんが、和歌山県はやろうとしています。

医療従事者のワクチン接種状況と市町村へのワクチン配分状況について

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 その次は、ワクチンの現状と今後を申し上げたいと思います。まず、医療従事者のワクチンですが、まだ終わってないではないかというような声が一部聞かれます。確かに終わっていませんが、かなり進んでることは事実です。医療従事者というのは、かなりいろんな人が入っていて、例えば、直接、新型コロナの人と対峙する人だけではなく、後ろの方でサポートしてるような人も入ってますから、かなりの人数になりますが、それでも、一回目は77%以上終わってます。二回目は34%終わっています。

 今後どうなるかと言うと、実は、今週末までに、全部、国から(ワクチンが)来ます。この全部来るやつのそれぞれの接種場所を、県庁の医務課が中心になって医療機関にアナウンスしますから、そこへ行っていただいて、来週、一回目は少なくとも打ち終える体制になっていきます。それが医療従事者対応で、これは一回目ですが、三週間後には二回目が完了する予定ですから、医療従事者は間もなく終わります。

 市町村へのワクチンの配分状況は、和歌山県は特に高齢者が多いとこですから、対象者が結構多くて30万人以上います。配分状況は、来週とその次の週の分の配分を書いていますが、70%近く配分できる予定になっています。従って、6月の初めぐらいまでに、一回目をこの方々(70%近くの高齢者)も打てることになります。そうすると、6月一週目にばかり打つわけではなく、残りの人も6月末までに全部来ることになっていて、6月末までにいつ来るかを、近く国が発表する流れになってます。何箱をいつまでとなると、自動的に、県は、その何箱はどこへ行きますといって、高齢者が多いところへたくさん配ります。まず、5月24日、5月31日の週の配分、すなわち6月の初めぐらいまでに一回目を打てる人の数が67%ぐらいになりますし、6月末を超えて7月初めぐらいまでに少なくとも100%いけることになります。国からは、7月末までに全部終われというような話が来ていて、結構いろんな人が言ってきます。そんなもの、ちゃんと量さえ送ってくれたら、100%打ちますから、そんなことは心配してくれなくても結構です。それよりも、配分を早くしろ、それがあなた方の仕事だというふうに、国に対して言っています。

 よくマスコミも含めて、他県はひょっとしたらそうなのかもしれませんが、打ち手がないから困って打てないとか言ってるところがあると思いますが、和歌山県は、ごく一部のところを除くとそんな状況にはありません。皆さんがお住まいになっておられる和歌山市は、大変多くのクリニックが常に協力してくれていて、クリニックにいつ打ってくれるかの予約を、普通にすればいい。もちろん、今日打ってとかは無理ですし、何日は(予約が)満杯ですとか言われると思いますが、そういうことを、特にかかりつけ医を中心に言っていただければ、どんどん予約ができていく状態になっています。

 従って、一番大事なことは、和歌山県について言えば、国が早く配分することです。それから、一部の市町村で、和歌山市みたいにクリニックで対応しようと決めているけど、クリニックのリクルートがちょっと遅れているところが、どことは言いませんが実はあります。そういうところは、市町村の方で、ちゃんと市民のためにやってくださいというふうに言わないといけない。そんなのを、嫌だとか言ってたら、そんなクリニックの人は、本当に病気を治す気はあるのかという気持ちになります。従って、市民から白い目で見られると思いますから、ぜひ協力して打ってあげたらいいのではないか。

 新型コロナウイルスに対するワクチンは一回で終わるようなワクチンではないです。多分、毎年毎年、続いていく仕事になっていくので、もちろん今だってクリニックが損するわけではありませんが、普通に収入が得られるような仕事になっていくはずです。従って、どんどん打っていただくように協力していただければいいのではないか。そのクリニックなどあるいは会場に、上手くワクチンが到達するように配慮するのが市町村の仕事だし、国からいただいたワクチンを市町村の当局にちゃんと届けるのが県の仕事で、県に必要な量をくださるのが国の仕事で、それをさぼらない。今、一番大事なのは、本質は最後です。私は、医者が足りないなんて言うのは、和歌山県的に見ると、量を確保できない責任逃れでやってるのではないかという、下衆の勘繰りみたいなことも考えたくなるぐらいです。この本質は、量をちゃんと確保してもらうことではないかというふうに私は思います。

 別紙に、市町村への配分状況が書いています。5月24日、31日の週の配分で、追加配分後の比率が、次のようになります。なお、北山村は昨日打ったんですが、最小単位が一箱ですから、一箱を配ってみんなでいっぺんに打ったということです。みんなというのは、若い人も含めて打って良いということなので、そうさせてもらいました。なお、もちろん余りますから、余った分を置いておく必要は全くないし、長く置けないので、近くの町、多分、新宮市になると思いますが、初めから計算して、新宮市で使ってもらうことになるのではないか。新宮市と新聞に書いてなかったんで、変だなと思っていますが、間違ってたらごめんなさい。多分、そういうふうになってると思います。

県民の皆様へのお願い(5月7日)

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 最後に、県民の皆様へのお願いです。この間、臨時の囲み取材で、緊急事態宣言の延長の時に皆さんに申し上げたことが、話題事項で紙に書いています。

 大きな話は、不要不急の外出自粛は延長ですということと、時短も延長です。単純に延長です。時短を延長すると、法律の規定に基づいて協力金が出ますので、二枚目の別紙では、5月12日から5月31日までの要請期間における協力金の支給要件はこういうことで、延長で休んでもらったら出ますということを申し上げています。最後の紙は、今まで申し上げたことを捨てないで、全部載せています。

 この(資料)一枚目の紙で、変更後で割と一番初めに書いていますが、これは当たり前です。緊急事態宣言あるいはまん延防止等の対象区域が増えたので、当然そこへの不要不急の外出は止めてくださいというのは当たり前の話です。一番大事なことは、和歌山県でも不要不急の外出は依然として自粛ですということと、大阪から乗り越えてくることを防ぐために、和歌山市に限って21時までの時短を要請していますが、これは継続します、これが大事なメッセージで、あとはちゃんと守ってくださいということです。

 最近でも、我々は、これはかなり危ないと思うようなところは、徹底的にお願いをしてます。依然として、大人数とは言いませんが、かなりの人数が集まってカラオケパーティーをやっているというようなのが見つかりましたので、ご注意を申し上げ、かつ、体調の変化にずっと注意しつつ、確認まではできませんが、しばらくあまり他の人と接触しないようにしておいてください。そのうちの一人が、ちょっとでも体調が悪くなったらすぐに調べて、仮にその人が陽性だったら、残りの方は全員、濃厚接触者になってしまいます。カラオケも大分減ってきたので、あんまりうるさく言わないで済むように早くならないかなと思いますが、もうちょっとの間、我慢しといてもらった方が絶対にいいと思うので、今だけだと思ってお願いをしたい。

 それから、不要不急の外出も、今だけだと思ってお願いしたい。ただ、一般的に言うと、和歌山はちょっと下火ですが、周りがなかなか収まらないので、なかなか楽観的には言えません。

 そういうことで、県民の皆さんに、依然として不自由をお願いしますが、よろしくお願い申し上げます。

 以上です。

質問と回答

朝日:ダムのことで、紀伊半島大水害を教訓に災害の備えとしてやってこられたと思います。10年経ってすべてのダムができましたが、何か苦労した点というか、利権者との調整で、どんなところに苦労されましたか。

知事:実は、むちゃくちゃ苦労するだろうと思っていました。なぜなら、普通に商売でやってる話を、県の治水目的のためにくれと言ったわけです。要するに、犠牲になれと。商売で儲かるわけですが、儲かる機会を自分で捨てろと私は言ったわけです。それを、そんなことは(できません)と言うのではないかと思いましたが、八木さんという社長は、当時、人命には変えられませんからやりますと、いきなり一発で回答してくれました。私は感動しました。それで、細かいことを打ち合わせしましたが、言った瞬間から次にドーンと来そうな時はお願いをして、(水を)抜いてもらいました。だから、私は、具体的にそんなに苦労していない。

朝日:今回の三つも、そんなに苦労せずにですか。

知事:今回の三つは、こういうとあれですが、小さいから、絶対に決め手になるとはそんなに思ってなかった。小さいし、構造を見たら、島ノ瀬ダムは上からズルズルと(水を)抜くだけで、(効果が)少しです。なので、まあいいかというような感じでしたが、国から、小さいところも含めて全部やれという話があったので、やらせてもらいました。

 この辺は、利用目的が電力ではなく、農業であったり県自身がコントロールしてるような部分です。利害関係者は、農協とかあると思いますが、割と説得もしやすいし、自分だったら、「はい、分かりました」ということになります。

 そういうことで、私はそんなに苦労はしていませんが、一々話し合いをしないといけないから、農業関係者にも事情を説明しないといけないので、そういう意味では、事務的には、職員は汗をかいてくれたと思います。

朝日:ワクチンの件で、医療従事者が6月末に完了予定です。これは、知事から見ると、現状から見ればスムーズにいってるかと思いますが、当初から見るとどんなふうに受け止めていますか。

知事:今年の1月ぐらいの感じで言うと、とんでもない遅さです。世界的に見ると、とんでもない遅さです。1月から見るととんでもない遅さというのは、1月の時に、日本国政府は、7億人のワクチンを確保してますと言っていました。記録に残っています。ああいうところから見ると、とんでもない遅さです。その時に、7億人分来るのかなと思う状態で、ワクチンの体制はこんなふうにするから、医療従事者は県でやり、県に配るから市町村に配らせ、実施主体は市町村と決まった。我々は、その時点で、市町村に対して、緊急にバンバン打ちまくるような体制を作れと言って、かなり強烈にお願いをして、みんなその気になってくれた。そしたら、その後に出てきたのは、ちょっとしか来ないという話になって、和歌山市長なんてカンカンになって怒ってました。そんなことがあるので、どこから見るかを考えると、1月ぐらいから見ればとんでもない話です。それから、イギリスは6割ぐらい終わってる、アメリカも半分ぐらいです。嫌だという特別な人がいるので、100にはならない。そういう意味では、ああいう国と比べると、日本も先進国のはずなのに、何ということだというふうに思います。

 ただ、和歌山県は、とにかく早く打とうということを努力してきたので、今、新聞などで、二回目打った人は何人と載っていますが、東京都と和歌山県はほとんど変わらない。人口で言えばものすごく違うし、配分量ももちろん東京の方が多いのですが、それだけ、和歌山県と市町村が必死になって努力してるのは、あれで分かります。

 最近から見ると、割合、続々と来るので、こんなに遅くなってけしからんと言った時から考えると、最近はまあまあで、来るのも対応もちゃんとしてます。

NHK:ワクチンの関係で、モデルナ製で都道府県立の接種会場をという国の策もありますが、それについてはいかがですか。

知事:今のも含めて、ワクチンの確保が遅れたことに対する、目くらましとしか思えません。だって、(和歌山県は)どこで滞ってますか。(国が)滞ってるのに、都道府県で自分でやれなんて、今頃から言う必要は全くない。滞ってるところはやったらいい。市町村がなかなかできなくてモタモタしてて、有能ではない市町村がいっぱいいる県は、県(の会場)がいるのならやってしまえばいいと思います。和歌山県は、市町村はみんな頑張ってます。これ(資料を)見たら分かると思いますが、ちょっとどうかなというところもあるので、そういうところはギャンギャン言っています。多分、地元でそういうことを説得していただくのが一番早い。ということで、目くらまし作戦でしょうか。

NHK:当初から、5月のゴールデンウイーク、大型連休中の自粛ということで呼びかけをされて来られましたが、その効果についてはどう受け止めておられますか。

知事:これは、はっきり言うと分かりません。和歌山県は、今日は、多分、昨日よりもちょっと増えると思いますが、今、ちょっと減ってるけど、和歌山県の、このぐらいだったら(大丈夫)というような、自粛なんか言ってない前のレベルから言えば、まだまだ多い。それから、周りを見たらものすごく多いけど、関係を断つことはできない。そうすると、よっぽど注意してないと危ないので、注意をし続けないといけない。その注意というのは、よく気の緩みとか言われるような、一般の県民の方々の注意が弱くなるのも問題だし、もう一つは、当局が、疲れてダレてきて機能不全になっていく。保健医療行政が機能不全になっていくという、緩みというよりも疲れも、やっぱり問題です。

 和歌山県は、みんな本当に疲れてると思うけど、一生懸命やってくれてるので、そっちは大丈夫です。県民の方も、まだカラオケしてる人もいるけど、大体の人は、穏やかな生活をしていただいてるように思うので、ぜひ気を付けてやってくださいということを、継続する時期かなというふうに思います。

NHK:ちょっと下火が続いていった時に、本当は、知事も経済活動もできるだけ(動かす)という立場かと思いますが、5月31日まで至らず、制限を緩和することは。

知事:それは、可能性としてはあると思います。私は、自粛自粛と言って、やたらと県民の行動に水をぶっかけて、感染者の数だけ減らすことを目的にするのは、違うのではないかと思います。ただ、まだまだそんな時期ではありません。まだ、全然安心してない状態です。可能性としてはあるかもしれないけど、多分、和歌山県だけギューッと下火になっても、周りが下火になってこないと、なかなか次の優位ステップにいけないのではないかという感じがします。

紀伊民報:公共工事の感染防止対策ですが、県内でも、公共工事による感染拡大というのは、結構あったのでしょうか。

知事:ちょっとありました。結構というのがどのぐらいかというのは、今すごくたくさん(感染者が)いて、(一日の感染者は)和歌山県は少ないけど、延べ人数はかなりいらっしゃる。そういうことを考えると、建設現場の宿舎みたいなところでクラスターが起こったというようなのもあります。それから、クラスター認定まではしてないけど、建設現場で接触した人同士でうつってるのは、結構あります。

紀伊民報:それは県の発注工事でですか。

知事:いやいや、いろいろです。

紀伊民報:県のも含めて。

知事:いろいろあります。

 それから、さっき言い忘れましたが、今、建設の話だけしましたが、国に対する申し入れは、一番初めに怒ったのは鳥取県知事です。感染が大変大変といって、鳥取県はものすごく鉄壁な防衛陣を引いています。そういう時に、東京から会計検査院が県庁に大挙して押し寄せてきて、どういうことだ、何で今しなければいけないんだと、すごく怒ってました。そういう点については、やっぱり時期を考えてくれということは、国に対して申し入れをしてるところです。だから、建設だけではないです。

紀伊民報:その件については、知事会として申し入れをされた。

知事:知事会でも、そういうことをちょっと書いてもらうように言ってちょっと書いてますし、具体的に政府の方と話をする時は、私の方からこんな議論がありましたと言っておきました。

紀伊民報:宿泊施設の確保、要請ですが、先日のお話の中で、補助金を出すという話がありましたが。

知事:その(資料の)下に、「2.」で書いています。感染拡大防止対策に係る契約の変更とかで面倒を見てあげるというようなことが、あるべしというふうに考えてくださいということです。

紀伊民報:全額が対象になりますか。

知事:細かいことを決めてるわけではないので、こうこうしかじかでこういう必要があるので、県の言うことを聞こうと思ったらこうなりますが、これを追加費用で入れていいですかとか、そのようなことをいろいろご相談いただくということです。

紀伊民報:先ほどのお話の中で、かなりの人数が集まってカラオケをしている例があったというお話でしたが、ちょっと聞き取れなかったところがあります。そのグループの中で、まだ感染者が出てないけど、自宅待機をお願いしている。

知事:感染者がいるかどうか分かりません。ですから、別に症状もないし、検査をする対象でもまだない。しかし、もし仮に、症状は無いけどうつってる人がその中に一人でもいたら、食事しながらカラオケをしてるから、他の人にものすごくうつってる可能性があります。だから、あまり出歩かないで、次の人にうつさないようにちょっと自制してくださいというお願いは、その人たちにしておこうというふうに思っています。それと、ご自身の体調を見ていて、あれ、ちょっと倦怠感が出てきたとか、熱が出てきて夏風邪かなというのは、今は、新型コロナを疑わなければいけない。そして、一人がクリニックへ行って、陽性ですと言われたら、その人はもちろん入院ですが、残りの方へ行って、バーッと検査しまくらないといけない。

紀伊民報:あまり出歩かないようにということで、自宅待機を要請してるところまでではない。

知事:濃厚接触者でもないので、あんまりきついことは言えないのですが、説得です。

紀伊民報:県として把握して、様子を見てる。

知事:様子を見てるというか、一応言っている。

紀伊民報:そういうのは何件もありますか。

知事:あんまり聞かないでください。

紀伊民報:全国的に感染が収まらない中で、オリンピックの中止や延期など、どうするかという話がありますが、知事はどういうお考えでしょうか。

知事:私は、オリンピックは、もちろん日本国民のものだけど、やっぱり一番大事なのは、アスリートのものだと思います。アスリートが、腕を競う場だったのではないかというふうに思います。だから、無観客でも何でも、その時の状況に応じてやればいい。でないと、中止と言ったら、中止しろと言ってる人は満足かもしれないけど、そのために一生懸命頑張ってたアスリートの人たちが本当の主役で、その主役の人たちのことを考えるべきではないか。残りの人は、会場に行けなくてもテレビ見てたらいいではないかというふうに思います。私は、アスリートのことを考えて、やってあげるべきだというふうに思います。

紀伊民報:感染状況によって、たとえ無観客でもやったほうがいい。

知事:見に行く人は自らの楽しみのためにやってるんだろうけど、その人よりも重視すべきは、アスリートではないかというふうに思います。それこそ、人生を懸けて必死になってやっています。それを、他の人が結構感染があるからといって止めてしまうというのは、そういう中でやるのが、望ましいことではないし嬉しいことではないけど、やっぱりアスリートのことを一番に考えてあげるべきではないかというふうに思います。

読売:公共工事の話ですが、ICTの積極活用の要請は、具体的にどういったことをしていただきますか。Webカメラによる現場臨場等の活用というのもありますが。

知事:これは、いろいろありますが、こういうことだというのを、私が説明する能力はありません。具体的には、ICTを活用して、例えば、人が密にならないような工事の段取りを上手いこと考えるとか、そういうことは普段でもやったらいいけど、この際、そういうのを導入したいと言ったら、積極的にお金をやるというような話を言ってる。具体的な事例でどんなことがあるかは、個々の企業の秘密みたいなところもあるので言えるかどうか分かりませんが、そこに担当の課長がいるので、聞いていただいてもいいです。言うかどうか分かりません。

読売:これによって、例えば、現場責任者の方が、現場でなくWebカメラ越しに遠くにいて、労災が増える懸念があるとか、そういった心配はないでしょうか。

技術調査課長:現場の責任者の方は、基本的に現場にいらっしゃらないといけない。

読売:工事現場というと、目視や点検などが大切な場所ではないかというふうに想像しますが。

知事:そういうふうに今想像してるやつを、全部無しにはできない。だから、グチャグチャグチャと人間が集まってやる段取りを考えた時に、ここでちょんと(ICTで仕事を)やって、この人がこっちでちょんと(ICTで仕事を)やって、ちゃっちゃっちゃっと(計画したら)、全部で(一部、ICTを活用しても)完成は同じということもあり得るでしょう。そういうぐらいの感じで、ありとあらゆることを全部、すべての規則とかはどうでもいいというのは違います。

読売:県内ですと、どうしても、一昨年に起きた鉄パイプの落下事故があるので。

知事:そっちの方がはるかに大事です。

読売:そういったことが起きないような対策を当然取った上で、ICTの活用を推進する。

知事:そうです。そういうのを犠牲にするようなやり方は駄目です。

毎日:新型コロナの病床数のことで伺いたいのですが、今現在440床あって、さらに増やす方向性を示されてると思いますが、具体的な数字があれば教えていただきたいのと、ホテルでの宿泊療養で、打ち出しはされましたが、まだ運用がないと思います。優先順位を含めてどのようにお考えでしょうか。

知事:まず、今440床と発表しています。もうちょっと増やそうかなというふうに、今、思っていましたが、どうするかは、現在のところよく分かりません。現場で、福祉保健部技監がいろいろ考えてるので、それに全権を任せています。従って、県庁全体が分かりませんではなく、私が分かりません。

 二番目に、ホテルは予備にとっています。どんな予備かと言うと、(確保した病床が)パンパンになってきた時に、100%かどうかは別にして、この人はもう悪化しないというような病状の推移がある。従って、まだ新型コロナの伝染力はあるけどあまり悪化しないような人は、病院からどんどん出てもらって、病床を空けてもらって、ホテルに入ってもらうことを、我々は考えています。従って、他所のように、いきなり陽性が分かった人を、あなたはホテルへ行ってくださいなんて、そんなことは基本的にはしません。ただ、例外は、10代、20代は、肺炎を起こして悪化するというのが、今まで観察されていない。従って、10代、20代で大量にボンと(感染者が)出たような時は、みんなまとめていきなりホテルへ入ってもらうことも、あるかもしれない。

 基本的に、これは出口で使います。今、なぜ出口で使ってないのかと言ったら、病院から出ていただかなければいけないようなインセンティブがあんまり無い。なぜ無いかと言うと、ちょっと(感染者が)減ってきたからです。だけど、永久に無くて済むかと言ったら分からない。和歌山県も、(一日辺りの感染者が)50とか60になる可能性もあります。そういう時は、病床を緊急に空けないといけないので、ホテルを躊躇無く使うことになります。せっかくだから普段から使ったらというと、実は、これは移送に時間と労力がかかるので、移ってもらうのも手間です。その手間と、置いておく時の病院の混み方が、どっちがどっちかという比較考量です。今は、混み方に余裕があるので、移ってもらう手間の方が高いから、移ってもらわないで最後まで病院にいてもらおうというふうに考えています。毎日毎日、状況は変わってきます。

産経:ワクチンの話ですが、国の配送スケジュールは別にして、県内では3月8日から医療従事者がスタートしたと思いますが、6月中ぐらいに打ち終わるという中で、今のところ、スムーズにいってたのか、それともちょっとした目詰まりがあったという報告があったのか。

知事:スムーズにいってるのではないですか。無いのは(ワクチンの)数だけです。だから、さっさと3月にドッカーンと来ていたら、もちろん一時期に集中しますが、集中するなら、テクニカルにバーッと分けてバッバッと打つのは、いとも簡単です。

産経:医療従事者が打ち終わるということで、病院でのクラスターとかの懸念がなくなるのかなというところがあり、そこに対する安心みたいな部分は。

知事:それは、必ずしも医学的に言えないのではないか。例えば、医療従事者が、発症しないあるいは重症化しないというのは、良いことです。多分、ファイザーの場合、(感染しない確率が)90とか95とか言われるから、かなり効くのでしょう。だけど、ウイルスを運ばないかどうかはまた別の話で、ちょっとでもうつりやすいウイルスがあったら、医療従事者も、ウイルスをたくさん吸い込むようなところへ行って、それで(その後に)患者を診たら、こんなところ(服など)に付いていたりして、うつす可能性があります。若干、体内にも(ウイルスが)入ってるでしょう。ですから、やっぱりずっと注意をしていかないといけないのではないかと思います。

 ちょっと、今、懸念してるのは、多分、医療従事者の方は、まさにおっしゃったように、病院はかなりリスクが下がってきます。病院は割合、他の点でも医学的に進んでいるので、病院でクラスターも起こったけど、割合、比較的防御が固いと考えていいし、病院関係者以外の人はあんまり入ってこないところです。それに対し、福祉施設は体の弱い人が入っているし、福祉サービスも体の弱い人が受けていますが、ここに従事してる人は、ものすごく多種多様です。特に、ちょっとしたアルバイトで一部そういう仕事に従事してる方は、たくさんいらっしゃる。その方が、本人が気を付けてても家族からうつされている可能性があって、そうすると、症状があったらいけませんが、無いうちに福祉サービスに従事してうつすのはまずい。ここのところを防がないといけないので、和歌山県はどうしてるかというと、症状があろうとなかろうと、怪しくなかろうと何であろうと、今だけ当分の間、とにかく一週間に一回、配っている抗原キットを使ってどんどん検査してくれという話をしてるので、これで何とか、そういうサービスのところへの持ち込みを防ぎたいと思っています。

 和歌山県のやることは、大体国がついてきます。この間の対処方針でも、抗原キットを配りまくるから(検査を)やれと、西村大臣が言ってました。別に言わせたわけではなく、大体ついてきます。国よりちょっと早いのですが、早いから100%かどうか分からないので、すごく心配しています。

和歌山放送:知事は国の仕事もされてきて、今の発言に非常に感慨深く思いましたが、やはり、自分が国にいた時に、こういうことだったらできるのではないかと思ったことが、今の新型コロナの政策の中に反映されてるのでしょうか。

知事:どうかな、あまり反映されてないのではないかな。というのは、やることが遅い。それから、私がいた経産省はインベーダーと言われていて、人のことにも文句をつけるわけです。経済とか国富とかが任務だから、そういうことと関係ないことをつべこべ言うのはルール違反だけど、こんなことをしてたら日本経済がグチャグチャになってしまうではないかという話だったら、遠慮なく注文を付けてました。

 最近どうかというと、そうでもないような気もします。例えば、厚労省のワクチンの確保なんて、今やっておかないと駄目でしょうというような話や、どうやってやってるのとか、ちょっと横から口出しをして、「えー、契約もしてない。そんなの経済のルールから言えばナンセンスですよ」ぐらいは言わないといけないというようなこともある。それから、経産省の仕事はそういうことなので、あまり今回はそんな大事な仕事ではないのですが、経産省の仕事で言えば、ちょっと丸投げが多い。もうちょっと自分たちで、昔はやっていたけどなという感じはします。

 それから、他省の感じで言えば、インベーダーが文句を言うかどうかは別にして、やっぱり自分たちでもっと考えて、先を読んで、論理的に仕事をしていかないと駄目だと思います。だけど、中へ入れば大変なことはいっぱいあるので、私のような年寄りがゴチャゴチャ言うのは、多分アンフェアでしょう。

和歌山放送:地方行政を預かるようになってから、見えたものはありますか。例えば、ワクチンの供給が少ないと感じて何か行動を起こそうとか、国に対してどういうアクションをしたらいいかというようなことはありますか。

知事:別に、地方行政に来たから分かるわけではなく、一般論ではないです。個々の話としては、ワクチンを早く打てとか偉そうに言ってくるので、怒鳴り返してます。

和歌山放送:地方と国との温度差が、ちょっと気になってたのでお尋ねしました。

知事:どんな温度差ですか。

和歌山放送:一様には、ワクチンの問題でも、新型コロナ対策でも動いていますが、地方の持ってるジレンマと国の動きが、ちょっと合わないと思いまして。

知事:多分、今言われたのは、国が得ている情報をどの辺から得ているかということと関係するでしょう。和歌山は、地方で人口も少なくて、東京の中央省庁のグループから言えば、私みたいなOBがギャーギャー言わないと、情報がインプットされない。和歌山放送で幾らワーワー言っても、そういう人たちには全く聞こえない。それから、全国紙の方が和歌山版でワーワー言っても、あんまり聞こえない。ところが、これ意味がある情報なのかというような話も、東京都知事がペチャッと言うと載るわけです。そういう意味では、ひょっとしたら、接種体制の遅れみたいなものを、東京や首都圏とかで政府が感じて、それを一般化して、総理なんてものすごい熱心だから、総務省に言って早くやらせるといって、総務省から電話がかかってきた可能性があります。だから、多分、私だけではなくて、全国の、地方で特に完璧にやってるようなあちこちの知事さんからすると、何を言ってるんだという話は、すぐに反論で出てくるから、多分それをまた総務省で集約して、実はこういう感じですと総理に報告に行くと思います。だから、それはそれで、ある意味では機能はしてるというふうに考えるべきではないかと思います。

共同通信:ワクチンの市町村配分で、細かい点かもしれませんが、田辺市の配分が心なしか少ない。追加配分比率とかを見ていると、箱という単位で分けるしかないからかもしれませんが、極端に少ないのですが、何か理由はありますか。

知事:あります。

共同通信:どのようなものですか。

知事:露骨に言うと、和歌山県で唯一、たくさん持って行っても、ちょっと前までなかなか打てない状況にありました。たくさん持って行っても打てないから、それなら他所へ先に回すというと、はい、結構です、というような話があった。それでは田辺市の人はまずいので、今、早く田辺市でもたくさん打てるような体制をちゃんと作ったらどうかという話をしています。すぐにこれは解消していくと思います。

共同通信:そうすると、当面の間、例えば、同じ保健所管内で余剰が出たところからまわしていく。

知事:同じ保健所管内とは限りません。県で配分しているから、打てるところへどんどんまわしていきます。冷凍冷蔵庫の中で何十日も眠ってるのは、無駄です。

共同通信:順次、解消されていく。

知事:そうだと思います。それは、私も、我々の部下で医務課を中心とするようなグループも、常に毎日、目を光らしてるので、遅いではないかという話は言っています。和歌山県を一般的に考えて、全部遅いではないかと言われたら片腹痛いけど、和歌山県の中で若干温度差もあって、不必要に遅ければ、それはちゃんとしなければ損ですよという話は申し上げています。

紀伊民報:今のお話で、田辺市が進んでいないということですが、これはさっきおっしゃったクリニックのリクルートがあんまり進んでないというところでしょうか。

知事:まあ、そうでしょう。それができなかったら別のことを考えたらいいのですが、大体、クリニックは都市に多い。田辺市は第二の都市で、結構クリニックの数が多いので、そういう方々が、よし、やってやるぞ、と思われたら、世の中が進んでいくのではないですか。和歌山市も、初めはちょっと皆さんおっかなびっくりだったので、一番初めに手懸けられると手を挙げられたところは、ちょっと少なめだったみたいです。だけど、和歌山市は人口が多いので、市長さんが(ワクチンを)もっとくれという話を、毎日のように私に言われてました。同時に、和歌山市はなかなか立派で、そういうところにもリクルートを一生懸命しました。それから、聞くところによると、市民の人たちが、例えば、接種をしないクリニックに対して、「先生、おかしいじゃないか」と文句を言ったところもあるやに聞いています。やっぱりそれはそうで、日頃の患者さんや、この場合で言うと新型コロナの恐怖から早く逃れたいと思ってる人、そういう人に早く打ってあげる、そのために尽くしてあげるのは、近隣のクリニックの方々の、やっぱり使命感みたいなものではないですか。それを、和歌山市はかなり達成してきたので、今、どんどん打てるような体制になってます。言わなかったけど、若干の問題が起こって、40箱が何月までに来ますと厚労省から言われたので、(そのうち和歌山市へは)半分来るかと思って、以前の考え方は、何箱来ます(となったら)、半分、半分で来ると思って、半分来た時点で打ってあげますといって予約を受け付けたら、実は最後(の週)に一遍に来て、当たり前ですが、予約を受け付けたのに、ごめんごめん来なかったとクリニックは言い訳します。そうすると、市役所にいろんな苦情がいっぱい来たというような話もあったようです。でも、そのぐらい一生懸命やってます。

紀伊民報:田辺市で、クリニックのリクルートが進んでいないのは、どういう理由が。

知事:それは知りません。分かりません。

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