知事記者会見 令和3年4月27日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年4月27日 知事記者会見

令和3年4月27日 記者会見室 

県民の皆様へのお願い

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 今日は、発表事項は四つです。まず、コロナ関係で、特に新しいことがあるわけではないのですが、ゴールデンウィークを控えて、ぜひ、これまで和歌山県が申し上げてきたことを、皆さんよく守ってください。和歌山県は、あまり制限をしない方向でやってきましたが、現状では、皆さんに申し訳ないけど、制限をしないと保健医療行政だけでは対応できないのでお願いをしています。今、そういうことなので、ぜひご理解いただいて、今までとは違うというふうに考えてやって欲しいと思っています。我々は、お願いを始めてからいろいろ状況を見ていて、お手元に配ってる(県民の皆様へのお願いとして)16条とか18条とかありますが、その中からピックアップして、特に大事だと思ってること(フリップ1枚目)について、県民の皆さんにお願いをしたいと思います。

 まず、第一に、和歌山県がずっとやってなかった時短に踏み切りました。和歌山市を対象に、5月11日まで午後9時の時短で、これは、法律に基づく措置ですから、協力金が出ます。和歌山市が見回りを買って出てくれましたので、状況を聞いていますが、まだ、どうも開いてる店がいっぱいあるという報告が来ています。だんだん協力してくれるようになるのかもしれませんが、ぜひ時短にご協力をお願いします。県民の皆さんも、そういうことなので、この際、夜遅くまで居るのは我慢しようかというふうに、ぜひお願いしたいと思います。協力金は、ちゃんと守ってくれた人にお渡しするので、守ってくれない人には、自動的に出せないことになります。そういうことも含めて、お考えいただきたいというふうに思います。

 二番目は、不要不急の外出を控えることについて、お願いしたいというふうに思います。これは大変難しくて、あまり言い過ぎると、体調が悪いのに医者にも行かないことになったら困るし、毎日の散歩にも行かないことになって閉じこもると、余計に体を壊して、死亡率が高くなることもあるので、それぞれ考えてやってもらわないといけないのですが、一言で言うと、後へ延ばせることは不要不急だと、考えていただいたらいいのではないかというふうに思います。

 それから、飲食はさらに注意ということで、飲食の時に、マスクを外して会話をする。これは当然そういうことになりますが、その時にうつりやすいのは明らかなので、もちろん、安全対策をきちっとしている飲食店に行ってもらうのも大事ですが、飲食店の中でも、昔だったらいいことかもしれないけど、長い間ずっと侃々諤々の大議論をしてるとか、食べ終わっているのに、長い間マスクを外したまま会話をしてるとか、そういうようなことは、ぜひ注意をして欲しいということです。

 それから、より早くクリニックへの受診を。これはものすごく大事で、今すごくうつりやすいので、ちょっと熱がある、あるいはちょっと喉が痛いけど、大したことないと思ってたら、実は、その人は割合(症状が)重くならない人だけど、人にはたくさんうつしている場合が結構あるので、「あれ、ちょっと変だな」と思ったら、全く無症状の時は注意のしようがないんですが、大体少しは症状がある人が多いので、そういう人は、必ずクリニックへ行ってPCRをしてください。ちょっと調子が悪いんですと言っていただいたら、やってくれると思います。やってくれない時は、ご不満に思ったら、すぐに県庁に電話していただければいい。県庁のダイヤルがありますから、そういうところにご相談いただいても結構です。

 それから、病院・福祉サービスは施設内感染に注意ということで、これが起こりますと、お年寄りがバタバタと罹っていきます。そうすると大変なので、特に注意して欲しいということです。これについては、ちょっと前から、感染者が施設内に入らないよう、あるいは福祉サービスを行わないように、ちょっと変だなと思ったら、すぐに(結果が)分かる抗原キットで調べてくださいと(しています)。抗原キットは誤差がありますが、(検査して)ちょっと変なのが出てあれっと思ったら、保健所に連絡していただいて、PCR検査を本格的にやればいいので、抗原キットを利用してくださいということになってますが、早急に、今、方針を変えまして、今、感染がすごく多いので、しばらくの間はこのやり方を変えて、従業員の皆さん、働いてる人については、一週間に一回ぐらい抗原キットを利用してみんな調べてくださいと。もう(陰性と)分かってる人や検査済みの人とかはいいんですが、未検査の人は、感染が燃えさかりそうになってるこの時期だけ、抗原キットを使ってやってください。各施設に配っていますが、足りない可能性があります。これについては、追加的にどんどんと出していきますし、足りなくなったら、補正予算でまた買います。従って、抗原キットを使って検査をしてくださいということをお願いしたい。今、福祉部局から、一斉に各所へ流す予定になっています。

 それから、ゴールデンウィークを控えて、よく皆さんから意見が来ます。皆さん、大変恐れておられて、何とかしてくれという話があります。その中で、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言なんかを、早く宣言してしまえという意見をいくつか聞きます。だけど、これ、そんな簡単にはできません。今、まん延防止等重点措置については、和歌山に適用していただけませんかという話を(国と)協議に入っていますが、他の地域との関係でいうと、和歌山はそんなに(状況が)悪くないので、そう簡単に認めてくれる地合いではないということになります。緊急事態においてはもっとさらにです。ですから、宣言してしまえばいいというようなことについては、できないというふうに申し上げたいと思います。

 それから、他府県からの人の出入りを、完全にシャットアウトしようというような話があります。これもそんなに簡単にはできない。我々は今、他府県の人はいいですと言ってた時代ではなくて、どちらかというとネガティブに対応したいと思っていますが、関西広域連合では、来た人一人一人に、あなた何だと他府県の人に言うわけにいけないので、それぞれの府県民に対する呼びかけは、それぞれの首長の責任というふうにしています。ただ、これで十分かどうか分かりません。十分でなければ、一番これは危ないと思うようなところがあったら、また手は打っていきますが、基本的には、なかなかそう簡単にはできません。ということで、現在の措置になっているというふうに理解していただきたいと思います。

 支援策についても、結構、議論があります。特に、これ(フリップ2枚目)を見ていただきますと、和歌山市内の飲食店に特措法第24条第9項の時短要請をいたしましたので、これについては、協力してないところへは一切出ませんが、ちゃんと協力してるところへは、政府の定めにより、2万5000円から20万円までの協力金が出ることになり、今、手続き(の準備)をやっています。なぜ和歌山市だけ(協力金を)やるんだという話がありますが、それは実態に応じて必要だからそうしてるので、例えば、どこでも困っている、どの業種でも困っているというのはよく分かってますから、すべての業種の実態を把握して支援策を検討するということです。一切しないとは全く言ってない。ただ、どうやって(支援を)やったらいいのかは、実態に応じてやらないと、濡れ手に粟の協力金なんかを出してしまうとモラルハザードになりますし、本当に必要としてるところに必要なお金がいかないことになりますから、今、実態を把握してるところです。こんな混乱が始まったのはごく最近なので、その動向も踏まえて実態をきちんと把握しなければいけない。その間はどうするのかということになりますが、もともと、企業向けも、事業者向けも、個人向けも融資制度を作っています。融資は返さないといけないので、究極の解決にならないという説もありますが、今、本当に明日食べていくこともできないことになったら大変なので、それは融資で繋いでいただく。そのうち、そんなに民間で稼げるほどはたくさん出せませんが支援金も考える、こういうふうにお考えいただきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症の軽症患者を対象とした宿泊療養の開始について

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 次は、予告編を出していましたが、宿泊療養を開始します。今、和歌山県は、全国で二つだと思いますが、感染者がうんと少ない島根県とともに、全員入院体制を取っています。これは大変で、今、県庁がお願いをして、いろいろ病院の方々も協力してくださって、病床数は420まであります。ただ、どんどん感染者が増えてくると、なかなかマネジメントが難しい。入院調整は、毎日大変です。それを少し、害のない形で楽にしようとすれば、感染の発症の山を越えて治りかけの人は、ウイルスが消えるまで待っているだけの話になりますので、こういう方については、少し早めに出ていただいて、その出ていただく先が、ホテルにします。これはずっと昔から考えていて、実態が伴わなかったので今まで発動していませんでしたが、全員入院体制はまだ取れてますけど、これをやっぱりパンクさせるのは拙いので、より安全な方に舵を切るということで、ホテル療養を始めます。

 ホテル療養の場所は、「ホテルいとう」岩出市です。これは、実は今まで明らかにしていませんでしたが、去年の4月ぐらいからちゃんとお約束をしていまして、「ホテルいとう」の経営者の、大変なご厚意、社会的に貢献してあげようというご厚意に乗っかってお約束しています。その約束をしていたのを、和歌山県としては感染が今までで一番多かった時期に、発動させていただけませんかとお願いをして、準備がいりますから、5月1日からやろうということになりました。一応、7月31日までと予定していますが、状況により、延長の可能性は当然あるというふうにお考えいただきたいと思います。

 どういう人を対象にするかというと、よく、ホテル療養で、今は全国でめちゃくちゃになってるので、こういう言葉は、死語と言ったらおかしいんですが、あんまり誰も使わないんですけど、宿泊療養の利用方法で、入口と出口という話があります。我々は、基本は出口にしようというふうに思っています。どういうことかと言うと、(1)で、病院で入院してる患者のうち、発症後5日~7日経過して無症状・軽症であって、医師が宿泊療養可能と認めた人、または(ずっと)無症状で同じような場合もあります。こういう人は、もう悪くならないからホテルに出てもらうということで、これは出口戦略というか、ホテル利用の出口の方です。

 もう一つ、さらに、病院の事情を見て、(2)も用意をしておこうということで、10代20代は、いくらなんでも重症化リスクは少ない、ゼロに近いと言ってもいいと思います。従って、こういう方については、初めからホテルに入っていただいて、厳重な監視のもとで療養していただくことも、可能性として初めから予定しています。

 とりあえずは、(1)から始めようというふうに思っていて、5月1日からです。このところちょっと感染者も減ってきましたが、今日もそんなに少ないわけではありません。(陽性が)分かった人も昨日よりは多いから、まだまだ心配です。だから、我々、保健医療行政の方もきっちりやりますが、ゴールデンウィークを控えて、県民の皆さんにも、先ほど申し上げたとおり注意してもらいたいということです。

コロナ禍における離職者の再就職を目的とし研修受入れ企業で求人募集を開始します

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 次は、コロナ禍で離職者が随分増えてきています。今まで、ものすごく人手不足でしたが、そうでもなくなってきて、どちらかというと失業対策を一生懸命考えないといけない。全国もそうですが、和歌山県では、実は、経済という点に関して言うと、今瞬間的にはまだら模様です。ものすごく不況の業種もあるし、製造業の一部などは、割合少なくとも今までは好調です。そうすると、結構、人を雇って、もうちょっと増やしてもいい、元々、ずっと人手不足だったので、この際(雇用したい)というところが、和歌山県にもあります。従って、そういうところに、今、新型コロナで職を失ったような人を、できるだけマッチングして、就職していただくことは大事なことだと思います。

 そこで、今年の新政策で考えたのがこれで、まず、「2.」で書いていますが、直接型です。これは、企業が直接、研修受入れという名目で、人を雇っていただく。それは、(企業側が)この人を雇う可能性がある、(離職者側が)この企業だったら行ってもいいというふうに、大体もう(採用が)決まってるところは、そうしてもらう。ただし、やっぱり今まで異業種の中で働いていたわけだし、企業の風土みたいなやつがやっぱりあるかもしれない。それで合うかどうか分からないので、まず研修をしていただく。雇っていただいて、研修していただいて、この人だったらちゃんといけるということだったら、正規に転換していただくというスキームを作ったわけです。座学研修と職場実習が2ヶ月ぐらいで、非正規の場合は、雇用後3ヶ月以内に正規に転換していただくという約束事を守っていただいた企業に、このシステムに参加してもらうということで、企業の名前も書いています。お手元の(資料で)二枚目、三枚目、四枚目、こんなにたくさんの企業が参加して、人を雇ってもいいと言ってくれているので、ぜひ皆さん、そんなのがあると報道してもらいたいというふうに思います。

 三番目は、人材派遣会社が雇って、「この人はどういうところに向いてるか」、「こんな人がいますが」といろいろ考える。それで、座学研修とかマッチングを人材派遣会社がやって、その次に、この企業がいいのではないかといったら、職場実習に派遣して、実習先が、あの人は雇いますと言ったら、正規雇用に雇用するというシステムを作りました。これは間接型です。

 「2.」が直接型で、「3.」が間接型です。この両方を使ってやっていこうというふうに思ってます。「3.」は公募したところ、オフィスメイトという会社がやりたいというふうに言ってくれたので、オフィスメイトにまず雇ってもらって、研修を受けてもらって、どこかに世話してもらう、こういうようなやり方もあります。

株式会社ナカヱがオフィスを増設します

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 その次は、株式会社ナカヱ。印南に本社を置く会社ですが、飲料などを、インターネットを使ってどんどん届けたり売ったりしていて、非常に業績を伸ばしています。その会社が、ちょっと別のところにオフィスを増設して、配送センターとかを作ってもらうことになりましたので、これについて発表させていただきます。

 以上です。

質問と回答

NHK:時短要請の関係ですが、やっぱり(和歌山市の)新内とかだと、休業して閉まっている店も結構多く、かなり苦渋の決断でという話を経営者の方にも聞いています。かなり効果が出てるというか、そういう思いを持って休業まで踏み切るような方も出てくるということへの思いと、どういうふうに支えていくかをお願いします。

知事:まず、よく皆さん誤解しておられるのは、休業要請をした業種と地域にだけ助成をするのは不公平だという話があります。これは、ずっと昔から、一回目の時もそうですが、特定のことをしたから協力金と言ってお金を出すというのではなく、困ってる人はみんな助けますということはずっと言ってきました。ただ、そんなに無尽蔵に財源があるわけでもないし、どういう形でやったら一番効果的に助けることができるかを、今いろいろ検討してるところです。ちょっと後でないと、申請も受け付けられないので、今、一番良い方法を考えて、みんな助けるというふうにしていきたいと思っています。それは理想です。これが一番良いのではないかというのを考えて、おそらく、6月議会でお金をもらってやっていくことになると思います。

 協力金の方は、自動的に決まってる制度なので、議会にもお諮りしたところ、専決でよろしいということになりましたので、専決でやらせていただきます。

読売:ゴールデンウィークがいよいよスタートしますが、大阪など緊急事態宣言地域から和歌山に人が来る流れが想定されると思います。先ほど知事は、ネガティブに対応したいという言葉も使われたと思いますが、改めて、県のスタンスを聞かせてください。

知事:今、県民の皆さんに外出自粛を(要請)しているところですから、そんなものを無視して、我が物顔で、他県の人がやってくるのは好ましくないと思います。だけど、その方々に対して、一人一人捕捉して、何かできるかというとできない。だから、基本的には、関西広域連合で、それぞれの住民にそれぞれ(の首長が)メッセージを発して、他県へ逃げていくようなことはやってはいけませんというようなことを、言ってもらうという申し合わせはしています。ただ、人任せだけではいけないので、様子を見て、これはいけないというようなものは、こちらでまた手を打たないといけないかもしれない。それは、状況をずっと把握しながら、心配しながら見ています。

朝日:ホテル療養の件ですが、県のスタンスとしては、できる限り全員入院を続けるのか、それとも、137床のホテルの部屋分、可能な人に入ってもらうのか。

知事:まず、福祉保健部技監が、個々の調整をすると思いますが、入れる人がいたら移ってもらったらいいと、私は思います。なぜかというと、まだ少しは入れると思っていても、病院の状況を見たらパンパンになっています。それから、入院調整は、どこが10%空いてますとか、1床空いてますと言っても、すごく大変です。従って、少し余裕のある状況で、全員入院体制を敷いたほうが私はいいと思うので、そういう意味では、せっかく用意したから、該当者は移ってもらうというふうにした方が、私はいいと思います。個々の話は、毎日違ってきます。福祉保健部技監も、それでいいと言ってます。

紀伊民報:ホテル療養の件で、(2)で言うと、直接受け入れになっていますが、そういうことでしたら、全員入院というスタンスはちょっと崩れてしまう。

知事:そうです。(2)を発動したら、全員入院ではないでしょう。

紀伊民報:先週の会見で、全員入院は堅持する、努力するということでしたが、方針を変えざるを得なかったということでしょうか。

知事:そうです。ただ、(2)がすぐ発動するかどうかは状況次第なので、できるだけ全員入院体制は、堅持したほうが良いと思います。若年者は、ほとんどリスクがないとはいえ、やっぱりちょっと心配なのでその方(全員入院)がいいけど、それが難しかったら、(2)も発動できるように、システムは作っておくということです。まだ、現在のところは全員入院です。5月1日時点でも、初めは多分全員入院だと思います。ウワーッと(感染者が)増えてきたら、全員入院はギブアップというふうにせざるを得ないでしょう。

紀伊民報:まず、退院までの受け入れから始めて、それでも逼迫状況が続くようだったら、(2)に移ることを検討するということですか。

知事:その方がいいと私は思います。

朝日:ホテル療養で、「ホテルいとう」の137床は、全館貸し切る感じですか。

知事:そうです。本館は全館貸切です。

朝日:他の一般の方が入らないように、しっかりと区切る。

知事:一般の方は全部出ていただいて、一種の管理区域にすることになります。

朝日:ご厚意でということだったと思いますが、「ホテルいとう」にされた理由は、場所的な理由かどうか分かりませんが、他にも候補があったのでしょうか。

知事:昨年のことですから、いろんなところを探していて、たまたま、うちの担当が話をしたら、非常に好意的に考えてくれたので、(施設も)大きいし、そこを用意しておこうかというふうに思いました。当時は、今から考えると、入院収容力もウンと少なかったので、一気に(収容する)人数が増えるというぐらいの感じでしたが、今、随分コロナ病床数も増やしたので、137なんて大したことないではないかというふうに思うかもしれませんが、そこは大分違うと思います。

紀伊民報:ホテルですが、岩出市の1ヶ所ということで、例えば、紀南で対象の方がおられても、岩出のこのホテルに移ってもらうことになりますか。

知事:それが必要だったら。紀南の病院に入院してる人で、この人は早く出した方がいいというふうに思ったら、そこへ移ってもらう。車に乗っていっていただいて、そこへ移ってもらうことはあり得ます。

紀伊民報:(1)の対象の方であれば、(必ず)移ってもらうイメージでいいですか。

知事:それは、状況を見て、必要があったらそうします。たくさん(病床が)空いてる時に、(ホテルへ)移ってもらうだけでも、結構手間がかかります。だから、その手間と、今、病床がどのぐらい空いてるかによって、多分、福祉保健部技監の入院調整の判断が変わってきます。

紀伊民報:(1)の対象であるから、その方に全員移ってもらうということではなく、状況を見ながら(判断する)ということですか。

知事:状況を見ながらになると思います。今は(感染者が)ものすごくて、(病床使用率が)80%もありますから、今は移ってもらったらいいと思いますが、将来において、もっとずっと減ってきた時に、移さなくてもいいことになったら、そこでしばらく時間の経過を待ってもらって、そのまま退院ということもあるかもしれない。

紀伊民報:今後、ホテルの数を増やしていく可能性はありますか。

知事:それは分かりません。これも状況によるのではないでしょうか。

産経:ホテル療養の導入については、病床の逼迫という背景があると思いますが、入院患者数を見ていくと、今月中旬から急激に上がっている状況です。県としては、ホテル療養の下準備はずっと前からやっているという話ですが、具体的に準備し始めたのは、いつぐらいからですか。

知事:急激に上がった頃と考えていただいたらいいです。

産経:今月の中旬ぐらいからですか。

知事:何か感覚を忘れてしまいました。

産経:今月に入ってからですか

知事:もちろん今月に入ってからです。

産経:対象者を(1)、(2)と分けて、(1)からということで、入院していた方をホテルに入れるということですが、医療加護をどうするかという話があると思います。そのあたりの体制はいかがでしょうか。

知事:看護師さんや医師とか、少なくとも誰かに常駐していただいて、看護師さんは複数名ということになるでしょう。それとともに、ホテル側の中で、ちゃんと様子を見てる人、専門的な知識がなくても資格がなくても、きちんとマネジメントする人をちゃんと配置して、皆さんのお世話をしていくことになります。

産経:ホテルに移るタイミングが、重症化のリスクが比較的下がっている人たちが対象ですが、引き続き医療加護をしっかりしていく体制を取っていく。

知事:そうですが、そんなにものすごい医療加護が必要になっている人を移すのは無理です。例えば、酸素吸入している人はその対象になってないし、まだこれから重症化する可能性があるような人は対象になっていない。だから、医療加護が全く要りませんというのは間違いですが、かといって医療加護をたくさん必要とする人は、対象になりません。感覚的に言えば、じっとしていただいたら大丈夫かなというような人です。感覚です。

毎日:ホテル療養に関しては、他府県の事例では、勝手に外出しようとしていろいろトラブルがあったみたいな話もありますが、そこら辺の管理についてはどのようにされますか。

知事:それは、もちろんちゃんと管理はしないといけないので、それをきちんと準備した上で、5月1日から始めることになります。

毎日:ホテル借り上げとなると、少なからずお金が要ると思いますが、新たな補正予算を組まれた、あるいは予備費から転用されますか。金額も含めてどうですか。

知事:どっちだったかな。

健康推進課長:当初予算において、予算措置はしています。今年度予算で、12ヶ月分確保しています。

知事:そういうことです。

毎日:まん延防止や緊急事態宣言は、簡単に認めてもらえる地合いではないというご発言がありましたが、ホテル療養を、新たに方針を転換することも含めて、その辺、まん延防止等とかが、より受けやすくなるというような意味合いがあったりしますか。

知事:相対評価というのがあります。だから、和歌山県は、時系列で見たら今までで一番大変なので危機感がいっぱいですが、政府は相対的に考えている。そうすると、考えてみたら、今頃まだホテル療養を始めるぐらいで、他のところは、入院はできない、ホテルに入れない、めちゃくちゃになっているというところが圧倒的に多い。(和歌山は)まだ全員入院なんて言ってるのというような感じだから、相対的な感覚からすれば、違うのではないですかという議論はある。だから、こっち(まん延防止等重点措置)はそういう協議をやっているということです。緊急事態宣言はもっとすごいやつですから、ちょっと変ではないかと言われると思いますが、まん延防止は、法律を見たらそれ(めちゃくちゃに)にならないようにするということですから、別に言っても悪くはないと思いますが、一応ちゃんと協議してくださいということになっているので、協議をずっと続けています。状況を見ながらです。

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