令和3年2月26日 知事囲み取材会見録

近畿3府県が緊急事態宣言対象地域から外れることに対する囲み取材(2月26日)

紀伊民報:大阪、京都、兵庫が、緊急事態宣言が解除される見通しになりましたが、その受け止めをお願いします。

知事:特に、3知事がいつも相談されて、足並みをそろえて政府に意見を言って、それが実ったということで、急いでやるために3知事で相談してやってもらうと、関西広域連合で決めたことですから、100%、サポートも支持もしてるし、それが実現したので良かったと思います。

 その背景は、もちろん、時短その他もちゃんとやっているところがあると思いますし、府県民の方々も協力したところもあると思いますが、ただ、関西広域連合の場などを借りて、保健医療行政、別の言葉で言うと積極的疫学調査ですが、それと、医療体制の整備を、各府県の経験を共有して皆で頑張ろうと。命令者はそれぞれの知事ですが、経験を活かしながら、いろんな人の経験も参考にしながら、頑張ろうということでやってきた。それがものすごく実ってると思います。

 例えば、首都圏と比べるのもどうかと思うけど、関西圏、京阪神を比べると、減り方が全然違います。それが、今回の宣言の解除になったと思います。だから、保健医療行政、積極的疫学調査をちゃんとやっているところと、それについてあんまり関心がないところで、大分差が出てきてるのではないか。日本のためには、そこはちゃんとやらないといけないということだと思います。

紀伊民報:これによって、和歌山県に考えられる影響はありますか。

知事:それは、もちろん、和歌山県としては、緊急事態宣言が無くなるか無くならないかにかかわらず、感染が収まってくることは、ものすごくありがたいことです。だって、しょっちゅう大阪や兵庫や京都と往来しながら、我々は生きていますから、そういうところの方々が主体的に頑張ってくれて、感染を減らしてくれたことは、和歌山県にとってはものすごく朗報です。

NHK:西村経済再生担当大臣が記者団に対して、変異したウイルスにも今後しっかり対応して欲しいということで、確保している病床を直ちに解除しないように、いわば条件付きの解除というお話しをされていましたが、これについてはいかがですか。

知事:それは、当然のことを西村経済再生担当大臣はおっしゃっていますが、さっき言ったみたいに、関西は、そういう点では全然、気を緩めたりしてないし、今は一時期に比べればものすごい減ってきましたが、一番大変な時でも、気力と基本的なトップからのメッセージは変わってません。積極的疫学調査をさぼって良いなんて一言も言ってません。苦しい中でみんな頑張ったのです。だから、これからも、そんなに楽観的に考えられるはずがないので、同じように、それぞれのリーダーのもとに、それぞれの府県で頑張ってくれると思います。和歌山県ももちろんです。

NHK:これからも、しっかり対策をされるということで、引き続きやっぱり飲食を控えるといった呼びかけもされていくような感じになりますか。

知事:全然私の言うことを聞いてませんね。全く違うことを言わないといけないのですが、質問を変えられたらどうですか。人の言うことを聞いてから、質問した方がいいのではないかな。答え終わり。もう一回、ずっと一番初めからやり直しましょうか。

毎日新聞:今、現在、和歌山では、不要不急の往来自粛として、感染拡大地域への呼びかけをされていますが、今回の宣言解除で、それらについて、変更したり、緩めたり、あるいはここは変えるみたいなことについて、今、考えられていることは、どのようなことでしょうか。

知事:これについては、まず、現在は、緊急事態宣言地域への往来は控えるようにとしています。これが減ったわけで、残ったところは当然残ります。減ったところをどうするかについては、なかなか難しい問題ですが、いろいろ打ち合わせをしたら、大阪も兵庫も京都も、府県民に対して不要不急の外出は止めましょうというふうに言っています。従って、そういうふうに言ってるところへ、和歌山県の人が不要不急の外出をしたら迷惑にもなりますから、和歌山県民に対しては、大阪と兵庫と京都に対しては、不要不急の外出を止めましょうというふうにお願いしようと思っています。

産経新聞:不要不急の外出自粛は、現状もそうだと思いますが、ここは継続という理解でよろしいですか。

知事:ちょっと違います。往来自粛と書いているところと、不要不急の外出は控えましょうというのは、言葉も違うし、ちょっと表現も違います。

 似たようなものだと思っていただいてもいいのですが、何で違っているかというと、大阪や京都や兵庫に対して、我々はやっぱり敬意を表さないといけないと思います。例えば、大阪や京都や兵庫の方々が、みずからの府県民に対して言ってもいないようなこと、例えば、和歌山の県民に対して、あそこへ行ってはいけませんとか言うのは、あんまりフェアではないと我々は思いますし、必要もないと思います。今までもそんなに言ってなかったのですから。だから、府県民に対して言っているのと全く同じ内容で、我々は自分の県民に対して、そういうふうにお願いをする。だから、ちょっと向こうの表現が違うので、こちらの表現も変えたということです。

 NHKさん、何かお聞きになりたいことがあったらどうぞ。先ほどは、どんどん流れの中で違うことを聞かれたので、聞いてなかったのかという感じがしましたが、それと関係なく、もう一回、一から言ってもいいです。理解する力があるなら。

NHK:改めて、県民の方へ呼びかけをお願いできますか。

知事:和歌山県民にとって、特に関係の深い大阪や兵庫や京都の感染者が減ってきて、緊急事態宣言の解除の対象になったことは、喜ばしいことだというふうに思います。宣言の解除自体というより、感染者が減ってきたこと自体が朗報だというふうに思います。

 ただ、大阪や兵庫や京都も、それぞれの府県民に対して不要不急の外出はお控えくださいというふうに言ってるので、和歌山県民に対しても、それを邪魔するようなことは困るので、協力をするという意味で、同じように、その3府県に対して不要不急の外出は控えましょうというふうに県民に言いたいということです。

産経新聞:緊急事態宣言期間中、実際に、和歌山県内の非製造業、観光や飲食とかで、実際にダメージを受けたところがあったと思いますが、その辺り、影響をどのように見るか、また期待などをお願いします。

知事:影響は、結構きついんです。特に、やっぱり飲食が、「これが急所だ」と言われて、それは当たってないこともないのですが、まあそうかと言って、感染がそんなに顕著でない地域も含めて、特に飲食、外出で飲食店への出入りに対する需要がガタッと減ってしまった。和歌山県は、別に時短もしていないし、飲食店に行くなとも言ってないけど、ガタッと減ってしまったことは事実で、データを取ると、去年の年末ぐらいから、特に今年になって大変な打撃を被っていることは、明らかです。それから、観光もそうです。これも、一時、去年の秋ぐらいに、ほとんど証拠はないと思いますが、観光が感染を増やしているということを、専門家も含めていっぱい言われて、総理大臣が攻撃されました。そういうようなことがあり、やっぱり観光はいけないのかなというふうなのが広がり、それまで観光業も回復してきたけど、一気にどん底にまた落ちました。

 そういう意味では、飲食、観光、旅行、交通。特に通勤通学は別にした臨時的な交通、そういうものがものすごい打撃を受けてますから、少しというぐらいの感じですが、県でできるだけの救済に入ろうかというので、今、補正予算をお願いしてます。

産経新聞:少しは回復するのでしょうか。

知事:これは様子見ていないと分かりません。少なくとも、感染者がガッと増えてきた時に比べれば、先は明るいと思います。ただ、まだ首都圏が残ってます。やっぱり、いろいろなものが発信されていくのは首都圏です。具体的に、例えば、実質的には、観光客が首都圏から来る、あるいはビジネスの往来が首都圏との間で盛んになることですが、それとともに、首都圏の動向が、毎日、テレビや新聞を通じて我々のところへ届けられる。しかも、一般論的に届けられます。ですから、国民のマインドは、大体、首都圏の動向によって随分違ってくるのではないかと思います。ですから、首都圏を何とかしなければ、やっぱり問題の解決にはならないような気がします。

産経新聞:別件になりますが、今日、河野大臣が、高齢者向けのワクチンについて、6月末までの配布を明言しました。県内でも、4月中頃から順次という形になっていますが、ただ、初めはかなり量が少なかったりする中で、どのような順番で打っていくか、その方針みたいなものはいかがでしょうか。

知事:順番というよりも、これは大変です。今日の河野大臣の発表は、河野大臣なりに努力してくださった結果で、これは評価しなければいけないと思います。少しは、お尻が切られたという意味ではちょっと良いけど、我々は4月1日ぐらいから、高齢者にはどんどんワクチンが打てるだろうという前提で準備をしろと言われて、必死になって準備を進めてきました。それで、県民の皆さんにもそういうつもりで私たちはPRしてきました。そういう意味で、確保がちゃんとできていなかったというのは、とんでもないことだというふうに私は思います。

 責任を追及するとか言ってもしょうがないので、厚生労働省は責任を感じたら、次はこういうことが起こらないように、かつリカバリーできるように、どんどん早く、実際のワクチンを確保してもらいたいというふうに思います。

 河野大臣は、6月下旬までは絶対、全部と言われましたが、もっと早くできるのならばやって欲しいというふうに思います。ちょっと、ここに来てニュースに接して、怒ってます。

産経新聞:実際には少しずつ届くという県の現状の中で、都道府県が、各市町村に対し、

知事:質問に答えてませんでした。ごめんなさい。ちょっと怒りに任せて。

 そこは、そんなに原則論を出すこともできないぐらいの状況です。だから、(ワクチンが)ちょっとしか来ないので、どこから先にやるかは、我々としては、毎回毎回、小出しにできないから平等にはできない。だから、今回はここに幾つ出しましょうと、30市町村をちゃんと見て、現実的に調整する。大体、平等になるようにすると言うしかない。

 市町村からすると、ここでまず打とうということを決めないといけない。そういう作業があります。ほとんどのところは、もうすでに、どこでどういうふうにして打つと決めています。我々は、その情報を持ってます。だけど、それを一斉にできない。一斉にやるぐらいのつもりでやっていましたが、一部しかできないから、バラバラとやれないので、本当はやりたくないだろうけど、市町村も、じゃここだけ先にやりましょう、その次はここをやりましょうという順番付けをやりながら、対応していかざるを得ないというのが答えです。

読売新聞:県内の新型コロナの感染者が、昨日、今日とゼロが続いています。今の現状をどういうふうにご覧になっていますか。

知事:今はゼロで非常にいいと思います。これは、主として、保健医療行政で、囲い込みを基本に忠実に一生懸命やってきた結果だと思います。もちろん、県民の方々も、最低限のことは守ってきてくださったと思います。最近、そういうのを逸脱して、無茶苦茶やっているというような話はあんまりありません。

 ただ、我々は、普通の生活を全部制限したわけではない。例えば、買い物に行ってはいけないとか、それを不要不急の外出だから止めなさいなんて言ってません。それから、飲食に行ったらいけないかといったら、そんなこと言ってません。気をつけながら行ってくださいと言ってるだけです。ですから、そこのところで、大分減った和歌山、あるいは減った関西と、減らないところのどこが違うのか、ちゃんと検証したらどうですかと私は思います。どこが違うかというと、ちゃんと保健医療行政で防ぐという心意気を示しているところと、それを放棄してしまったところの違いではありませんかと思いますけど。

 ただ、和歌山県だって、何もこれでもう大丈夫と思う状況ではない。毎日、私たちは、どこかで感染が出ていないかどうかを、今までと同じようにずっとウォッチして対応していかないといけない。ワクチンが、世界的にほとんど効いて、もうこの病気は大丈夫だというふうになるまで、我々の努力は続けなければいけない。

 それから、県民の方も、あんまり放埒なことは止めて、13か条、今度14か条になりますが、それだけを守ってくださいということだと思います。

読売新聞:今週末に3府県の緊急事態宣言が解除されて、以前、技監も指摘されていましたが、春になると人の移動も増えるなど、懸念材料みたいなもので、知事として考えられているものは。

知事:あんまりありません。春になるとそれ(人の移動)は増えるだろう。だけど、増えることだけが感染の主因だと言い張ってる人のいうことだと私は思っています。増えることによってリスクは増えるけど、そのリスクをある程度のところに止めることも、できているではないかと。

 感染は少し増えると思います。だけど、少し増えたら囲い込みをきちんとやれば、一つ一つ抑えていくことはできる、それから、クラスターにならないよう、特に、高齢者や障害者のいる病院や福祉施設などに入っていかないように努力することによって、ある程度のところでコントロールできるから、人の往来全体がすべての悪だと考えるのは、私は間違ってると思っています。

読売新聞:和歌山としては、そういった人の往来にも対応できるような状況を作っている。

知事:作ろうとしている、作っていかなければいけない。往来はいけませんと言ったら、それこそ我々は永久に下降線を描いて、大変な悲惨な状況に落ちていくことを意味します。そうならないように考えるのが、我々行政の仕事ではないかと思います。

 NHKさん、もう言わなくていいですか。何回でも言ってもいいです。

NHK:もう大丈夫です。

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