知事記者会見 令和3年2月2日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年2月2日 知事記者会見

令和3年2月2日 記者会見室 

南紀白浜空港展望広場(空港公園)内ビジネス拠点整備・運営事業の事業者募集を開始します

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 今日は発表事項が六つと話題事項が一つです。発表事項その一は、南紀白浜空港の展望広場にビジネス拠点整備・運営事業を行うことを県として決めていますが、これについての事業者募集を開始します。これについてはちょっと復習になりますが、前にアイデア募集をしました。アイデア募集をして、そのアイデアもなかなか良かったのですが、今度はそのアイデアに誰か乗りますかということで、本格的な事業者募集をします。

 事業者選定方式は、公募型プロポーザル方式で、縛りはつけておかないといけないので、「県から事業用地を借地し、ワーケーションやICT企業誘致、空港利用者の利便性向上に資するビジネス拠点を民間事業者が整備・運営する」というコンセプトで応募してくださいとなっています。

 そこ(資料)に条件があって、タダで貸してくださいとかは駄目ですということを書いていますので、この条件に自分のビジネスが合致すると思うところは、出してもらえばいいということになります。

 募集受付期間は、明日から3月2日までです。説明会もやりますので、どうぞよろしく。審査結果の公表は、3月中旬ぐらいになろうかというふうに思います。

大谷大学と就職支援協定を締結します

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 その次は、就職支援協定ですが、京都の大谷大学、確か西本願寺系の大学ですか。ごめんなさい、間違えました。大変失礼なことを言いました。東本願寺系の大学で、大谷大学と就職支援協定を締結します。

 学長先生に2月9日に来ていただき、知事室で調印式を行いたいと思います。どんどん就職協定大学が増えてきて、大学では、和歌山県の出身者であるかないかにかかわらず、和歌山県のいろんな就職情報をどんどん流してもらって、学生さんが和歌山について考えることを助けてもらおうということです。我々も、積極的に説明会なんかに行きたいと思います。

 そんなことで、大谷大学が、就職支援協定を締結するということになりました。

ロンリープラネット「Best in Travel 2021」のサスティナビリティー部門に「和歌山」が選出されました

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 その次は、大変名誉なことで、ロンリープラネット。この間、究極の旅先というので、世界で500、日本の中では和歌山県の熊野古道と高野山が2位と5位で、何とベストファイブのうち二つも入りましたが、今度は、世界一になりました。

 ロンリープラネットが毎年やっていますが、「Best in Travel2021」の部門別の賞で、和歌山というネーミングで、サスティナビリティー部門で一位になりました。他にも、コミュニティー部門とダイバーシティ部門がありますが、三つあるうちの一つ、サスティナビリティー部門で、世界一になりました。残りのところは、そこ(資料)にあるとおりです。(資料の)後ろに、訳文も含めてその時の発表文が載っていますが、大変名誉なことであるというふうに思いますので、つたないですが翻訳を朗読いたします。

 『銀色に輝く瀑布、白大理石のような石灰岩の海岸、手つかずの深い森など、和歌山県全域に広がる豊かな自然美は、この国にとって三種の神器よりも価値があるように感じます。

  この地では、極上の癒しとして素晴らしいアウトドア体験ができます。例えば、長旅の疲れで重くなった肩を癒してくれる天然の温泉、まるで熱帯雨林の中を歩いているようにゆったりとした時間が流れる森に包まれた巡礼路、さらには、心を穏やかに歩く昔懐かしい感じがする山のハイキング道など。読者の最もお気に入りのサスティナブルな旅行先として和歌山県が選ばれることは全く不思議なことではありません。

  サスティナビリティ(持続可能性)とは、観光客が地域に与える環境、経済、社会文化的なプレッシャーを軽減するために考案された保全のための考え方です。しかし、私達の読者は、松尾芭蕉が俳句に詠んだように和歌山県をそれ以上の「癒しの地」だとして捉えています。「自然に回帰する体験は、何物に替えがたいものです。」と、メールでコメントを寄せてくれた人もいます。読者から寄せられた推薦文のほとんどすべてが、和歌山の自然への近さとその自然を維持する人々の誇りについて雄弁に語っています。

  「サスティナビリティーを追求した驚くべき観光地として和歌山が持つ強みを疑う余地はありません。大自然を背景に地域と観光とをマネジメントできているのです。」と、2017年に和歌山を訪れたフォトジャーナリストのジェームズ・ガブリエル・マーティンさんは言います。

  旅行者は、農家民泊「JUGEMU」での農業体験を通じた交流プログラムを通じて日本の田舎暮らしを体験したり、自家菜園で収穫した食材だけを使用した料理を提供するレストラン「Villa AiDA」でサスティナブルな食事を楽しんだりすることができます。

 要するに、自然環境の保全とは、この地に古くから存在していた考え方そのものです。日本で宗教が誕生する以前から、この地の人々は森や山を崇拝し、紀伊半島の森の間を歩くことに敬虔な思いを抱いてきました。和歌山県内を縦横に通じる熊野古道の巡礼道は、数百年前に武士や天皇が通った古い道と同じものです。

 「旅行者は、高野山のお寺に滞在し、僧侶とともに早起きして瞑想やサスティナブルな精進料理を体験したり、串本や白浜のサンゴ礁の海でサスティナブルな方法で管理されているダイビングを楽しんだりと、サスティナブルそのものと言える世界を体験することができます。」とマーティンさんは言います。「ここでの生活のリズムはまったく別のもので、大自然の美しさは至上のものです。」と彼は称賛しています。』

 大変名誉ある発表をしていただきまして、感謝をしたいと思います。たくさんの読者がこれを見ておられるので、多分、エネルギーが溜まっているだろうなと。今、観光客が世界から来れませんから、「こんな時にコロナか」というのが本当に残念ですが、しょうがないので、サスティナビリティーを大事にしながら、コロナの禍が過ぎるのを待ちたいというふうに思っています。

国道425号【川又(かわまた)工区】の供用について

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 次は、国道425号【川又工区】の供用についてです。425号線は、だいぶ道の改良が進んできました。基本的には、観光バスが入れ違えて走れるような道を作っていこうという、川筋ネットワークの一つですが、最後の難所と言うべきところが川又工区です。ここの2.8キロメートルを、ついに直しました。3月7日11時から、供用を祝う会を現地で行いたいというふうに思います。感染の問題もありますが、今のところ、感染に気を付けながらやりたいというふうに思っています。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止について

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 その次ですが、新型コロナについては、和歌山もなかなかちょっとレベルが、感染者の数が上がって、呻吟をしているところです。ちょっと下がりましたが、まだまだ油断できないところです。特に、お店あるいは県民の方々がよく行かれるような場所については、考え方として、来て悪いとは言わないけど、お店側でガイドラインをきちんと守るようにする。そのガイドラインは、主として業界で作って、自分たちで守るようにして、お客さんに感染が広がらないよう、自分たちへも感染が持ち込まれないようにしようというふうに考えています。

 それで、全部ではありませんが、大体、お店の前に、きいちゃんが入っている関西広域連合が作ったロゴの紙と、その下に業界ごとに事細かくガイドラインの遵守事項を書いているものを貼っているお店が多いと思いますが、ちゃんと守ってくれているかを、和歌山県は、度重ねて調査しています。これは強制力も何もありませんが、あんまり成績が良くないお店には、説得するとかお願いするとかをしながら、多くの県庁の職員が、期間を決めてワーッと回っています。最近、感染が広がってきたので、このガイドラインの遵守はどうなっているかについて、もう一度調べてもらいました。

 実際に調べたのは、1月18日から27日までの約10日間です。今回は、特に飲食系で職員が頑張ってくれて、格段に調査件数が増えています。次の紙(資料)を見ていただくと、全体の数は足し算しないと分かりませんが、特に飲食系のところを見ていただきますと、従来の調査件数が、1回目は468、2回目は833、その次は1,881、今回は6,326とものすごく増えています。そんなことを、皆さんに発表したいと思います。

 一番簡単にまとめますと、表紙のようになります。これについて言うと、前回のものがありませんが、飲食店をかなり大きく広げたこともあり、その分だけ全体の達成度が低くなっています。だけど、達成されていないところには、次回までによろしくというような話をしていますので、次回はまた高くなっていくのではないか、カバレッジ(対象範囲)もどんどん広げていったらいいと、そんなふうに思っている次第です。

 総じて、よく守ってくれているのではないかというふうに思いますが、お店なんかもどうしてもマンネリ化と形骸化というのは人間の常ですので、いつも新しい気持ちで注意してやってくださいということは、お願いしたいというふうに思います。

 ちょっとお詫び方々申し上げないといけないのですが、コロナの関係で、私が1週間前に記者会見をした時に、ちょっと説明があんまりよろしくなくて、皆さんに誤解を与えたというふうに思う節がありました。

 一部の新聞を見てびっくりしたのですが、和歌山県はステージ3というふうに知事が言明したというふうにあって、資料にはこういう要素から見るとここはステージ3のところですというようなことが強調して書いていました。なんか聞かれたので、あまりそこを真面目に見てなかったので、「あれおかしいな、総括判断を自分はしてないけど」と思いながらモゴモゴ言ってしまったので、総括判断をしたように取られて、それはちょっとtoo much(トゥーマッチ)なので、技監にすぐ打ち消していただきました。個々の判断はデータの問題ですが、全体として見た場合にどこ(のステージ)にあるかは、対策との関係で大変重要なので、それは私がみんなの意見も聞きながらやります。従って、実はやっている段階ではございません。皆さんが悪いのではなくて、私の言い方が不十分だったので、申し訳ないということです。まだ判断をしていないということです。

県内飲食業に係る新型コロナウイルスの影響について

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 次は、飲食業に掛かるコロナの影響。これはガイドライン遵守じゃなくて、どのぐらい飲食店が打撃を受けているかということです。毎年、12月は割合お客さんが多いのに対して1月はちょっと減ると、こういう感じでしたが、これで見ると、両方とも昨年よりかなり減っている。昨年の1月までは、コロナの影響が出ていない普通の年だったので、そのぐらい今年もあったらいいのですが、やっぱり随分減ったのがここで分かります。特に、夜だけ営業をしているお店は、昼だけのお店よりも、ガタッと減っています。

 そんな状態で、おそらく他県はやってないと思いますけど、和歌山の減り方は、多分、他県よりは顕著ではないと思いますが、これだけ減ったら皆さん大変なので、早くコロナが収まって、お客さんが楽しく利用できるようになるといいなというふうに思う次第です。そこはやっぱり、保健医療行政も頑張り、最低限の注意を県民の皆さんもやっていただいたらいいなというのが結論だと思います。

和歌山県内トヨタ系販売会社5社と災害時の給電車両に関する協定を締結します

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 その次は、和歌山県内のトヨタ系販売会社5社と災害時の給電車両に関する協定を締結します。トヨタ系の販売会社が5社ありますが、この5社を合わせて、県とともに、災害時の給電車両についての協定を結びたいというふうに思っています。

 これについては、日産と三菱は、すでに特定の車両を貸してあげるというような話をしていただいていますが、特にトヨタ系は、ハイブリットと水素が強く、もちろん電気もありますが、ハイブリッドも含めてそれを災害時には貸してあげるということでお願いして、調印式それからデモンストレーションを、2月3日のお昼ぐらいから、知事室と表(県庁正面玄関前)でやりますので、ぜひ取材をしてください。
 

 それから、ちょっと申し上げますと、取材との関係でまた広報課長がご相談に行きますが、私は何でも取材に応じたいと思っています。言葉遣いなんか乱暴なことが多いので、ちょっとどうかという表現をすることもありますが、しくじったと思ったら謝ればいいので、黙って消すということは止めたいというふうに思っています。一方、かつてこんなことがありました。あるテレビ局が、特に大阪の保健医療行政をどう思いますかということで取材したいということで、私は、ちゃんと30分ぐらいは答えましたが、実際にそこで出しますといったテレビ番組では、全く全部無視されて、これは何のこっちゃというふうに思いました。その時は、大阪について若干問題点を指摘したもので、その前後では大阪も一生懸命やっているけどというようなことを付け加えていましたが、それが知事メッセージでちょっと話題になって、それについての見解をというので、同じことを言って、大阪は一生懸命やっているけど、こういうテクニカルなところで助言をしたりしたのですがというようなことを言ったら、全部無視されて、多分、喧嘩を演出したかったのではないかというふうに思います。それで、私の発言は全くなく顔写真がバカバカ出て、評論家が出てきて盛んに喧嘩していることを前提にしていろいろコメントをしている。これ酷いのではないかと若干思いましたが、皆さんの編集方針とかあるから、つまむなと言ってもなかなか難しい。従って、取材に応じたものについては、全部インターネット放送で流すというふうに(相談)したいと思います。この記者会見なんかもそうしたいと思いますが、それをやると、例えば、テレビ局は放映時間よりも先にインターネットへ出てしまったらまずいではないかとか、新聞は紙面が出るよりも先にやられたらかなわないとか、いろんな議論があると思います。私も経済産業省の時からその議論はよく知っているので、そこは皆さんの業務に支障が出ないように条件を付けてやっていきたい、こんなふうに思う次第ですということを打ち合わせしていますので、またご相談があるかと思います。この間、香港(誤りで、正しくは台湾)の大臣のオードリー・タンが、今と同じようなことを言っていて、その代わりに彼はどんどん(メディアに)出るということでバカバカやっているようで、それはいいことだと。つままれるのは嫌だから全部出すと言っていました。そんなことでやっていきたいと一応思っていますが、皆さんと広報課長を通じてご相談をします。どうぞ取材は空いている限りいつでも応じますので、よろしくお願いします。

 以上です。

質問と回答

時事:ワクチン接種について伺いたいのですが、和歌山県は、ワクチン接種で市町村とどのように連携していくのか、また市町村をどのように支援していくのですか。

知事:まず、市町村がやらなければいけないのですが、市町村だから勝手にやれと言ったらむちゃくちゃになる可能性、むちゃくちゃと言ったら言い過ぎです。いろいろと齟齬が生じたり、なかなか難しかったりする可能性があるので、ぴったり支援をしていかないといけないと思います。その支援というのは、いっぱいあると思います。アドバイスもあるし、人的あるいは物的な支援ということもあるかもしれません。それは、これから、実施計画を市町村の部分で次々と作っていくので、それをビタッと裏側からフォローしながら、助言していくような体制を今作っています。そういうタイムスケジュールとか行動方針とかは、福祉保健部、特に医務課が中心になって、他のところもありますが、そういうことを考えているところです。

 それから、病院関係者は県でやりなさいということになっていて、一番初めにやりなさいということになっています。それを、まずきちんと実施して市町村に範を垂れないと、助言もナンセンスになるから、そこのところを全力を挙げて、まずはきちんとやることも大事だというふうに思います。

時事:ワクチン接種に関して、民間企業と協定を結んでやっていこうという自治体も出てきていますが、和歌山県として、ワクチン接種を効率的に進めていくために、何か工夫する点とかはありますか。

知事:それは、みんなそれぞれの事情があるので、一律にこうしなければいけないということを先に決める必要は必ずしもないと思います。こうやってやりなさいというのは、むしろ国からスケジューリングとか機材の提供とかの話が全部来るから、それをどうやって流していくかということで、例えば、自分のところにマンパワーや専門的な技術が不足しているような市町村は、おっしゃるようなことを別にしても構わないと思いますが、全部そうしなさいというのもナンセンスだし、さっき言いましたように、市町村の状況に応じて、ちゃんとフォローしながらアドバイスをしていくということが、正しいというふうに思います。

朝日:コロナに関連して、まず、県内の感染状況について、最近、新規感染者数が減っているような気がしていますが、知事はどのように見てらっしゃいますか。

知事:ちょっと減ってきたことは少しホッとしていますが、例えば、ある施設とか会社とか組織とかにパッと引き込まれたら一遍にガバッと増えるので、人数だけで云々はできないというふうに思います。従って、いつも言っているように、和歌山県は保健医療行政をきちんとやっていくことを一つの柱にして、もう一つは、経済活動や生活は、最低限のお願いを守っていただきながらそんなに制限をしないということでやってきましたが、それができることを願います。

 ただ、もう一つの問題は、和歌山県がそれでいっても、今度はお客さんが来なくなったというのがあります。それから商売が、向こう側が大混乱しているので、普通にやろうと思ってもなかなかできないこともあります。典型は観光ですが、そういうこともあるので、全国的にみんな頑張って早く抑えて欲しいというふうに思います。

朝日:感染者が県内で増えてきた時に、県民へのお願いを県として何度か出されたと思います。その辺りの遵守状況というか、感染減にどの程度役立ったと考えていますか。

知事:最低限とはいえ、今ここを言っておかないとまた同じことが繰り返されるなということは、その都度加えてきました。今のところ、あれ(県民へのお願い)を減らす必要はないと思います。かつては減らしたのもあります。覚えておられると思いますが、例えば、田辺、白浜地域の方々は、ほんのしばらくの間、カラオケに行かないでくださいというようなことも言いました。それは収まったので解除しましたが、そういうタイプの、もう解除していいものは多分ないというふうに今思います。もうちょっとしたらまたあるかもしれません。

朝日:全国の感染状況の話もありましたが、緊急事態宣言の延長が政府で議論されていると思います。対象地域と隣接する和歌山の知事として、その辺りどのように考えていますか。

知事:少し減ってきた感じはありますが、本質的なところはあまり変わってないと思います。そういう意味では、緊急事態宣言を発出した時あるいはその直後ぐらいと今とで、ものすごい差があるかというとないと思うので、当然、延長はすべきだろうというふうに思います。

朝日:その点で、本質的なところは変わってない。具体的にどういったところが変わっていないのでしょうか。

知事:例えば、感染者も結構たくさんいます。例えば、千何百人いた時と、何百人いた時というふうに考えると、何百人でも保健所や行政が追うのは難しいでしょう。それが難しくなくなっていかないと、最終的には感染を防遏できないと思います。ですから、そこのところは、もうちょっと減らないといけない。もう一つの問題は、もうちょっと減ってきた時に、今度はガタガタになっている、要するにちょっと戦線が乱れている保健医療行政を、ちゃんと立て直そうという気力と技術がなかったら、永遠にこれは続くのではないかというので、危機感を持っています。

紀伊民報:空港公園のビジネス拠点ですが、完成すればビジネス施設としては町内で4ヶ所目になりますか。

知事:そうです。

紀伊民報:紀南の玄関口ということもありますが、この事業に期待することをコメントいただけますか。

知事:この事業だけではなく、白浜、田辺、あの辺の地域で、サテライトオフィスを作ろうという動きや、ワーケーションの対象として大変いいなという動きが、結構起こっています。今回のケースもその一環ですが、考えてみたら、まだまだ潜在的な力からすると、全然桁が足りないと私は思っています。ですから今回のケースも、成功させていかないといけないし、それで成功したからもう終わりかというとそんなことはなくて、まだこれから桁を増やすような努力をしていかないといけない。その潜在力が十分あると思うのは、先ほどのロンリープラネットが、サスティナビリティー部門でなんと言っても世界一で、それだけ評価されているから、そういう中で仕事をしませんかと言うことは、ものすごくいいキャッチフレーズになると思うし、そこ(資料)には書いていませんが、交通です。これは随分もう必死の思いで努力をしてきたから、高速道路も空港も随分整備されてきています。もちろんJRは健在だし、その三つを使えば、潜在的な能力をちゃんと叶えるような桁の違う発展ができるのではないか、そういう期待をしています。そこまで我々の努力は続くというふうに考えていただきたいと思います。

紀伊民報:ステージの件ですが、24日にステージを上げて、その後改善したので二、三日で下げたという説明を受けましたが、そもそも上げる判断をされてなかったということですか。

知事:それは私が悪いので、別に皆さんが間違って放出されたわけではありません。大体、ステージの判断は、総括判断と各論の判断に分かれます。各論の判断は、数字がバシッと決まっているので、それぞれ発表しています。今度は、ひょっとしたら私がステージ判断をちゃんと皆さんに申し上げて、だからこうしなければいけないという局面が来るかもしれないということです。緊急事態宣言が発出されているところの方々は、ステージ4が中心だと思いますが、そういうことを判断して要請を指定されています。そういう事態になっていないのでまだ判断をしてなかったけど、ちょっと私の言い方が悪かったのでしてるように取られたかなと。それは申し訳ないというふうに思っています。

紀伊民報:数字上は3だけど、総括判断までしてなかったということですか。

知事:3というのは、(個別に)3が幾つかあるのと、総括判断をするのとは段階が違います。そういうものですが、ちょっと私もうろたえて、質問にちゃんと打ち消さなかったのが失敗です。あれは質問する方が正しくて、答える方がちょっと間違えました。

紀伊民報:前回の記者会見を訂正するというのでなく、説明が不十分だったという捉え方で。

知事:そうです。皆さんが(個別の)3が多くなってきたから、(ステージ)3に近いよねとか、3みたいなものだとか、3だなと知事が言っているというのも、間違いではない。だけど、もう(ステージ)3の段階でありますと力説をして、だからこうしなければいけませんという事態ではなかったし、(個別の)3が多くなっているものも、急にまた2に戻ったりしました。大体そんなことは分かっていて、ずっと続かなければ戻ることは先週も分かっていたし、今も分かっています。だけど、今もまた増えていく可能性がある事態なので、総括判断をする段階でもない。それは、各県の知事がやりなさいというふうに言われているので、「あれれ」と若干思ったけど、きっちり説明しなかった私が悪いということです。記事を訂正していただく必要はありません。それで結構です。

産経:緊急事態宣言の延長について、先ほど延長すべきだろうというようなお話をされていましたが、これを受けて、県民への呼びかけの内容は、特に更新とかは考えてないという理解でよろしいですか。

知事:はい。同じです。

産経:ロンリープラネットの件ですが、最近、海外の雑誌とかで評価されることが増えていますけど、何で評価が上がってきたかは、どういう取り組みをしてきたからとか、どういうのが効いてきているとお考えですか。

知事:それはやっぱり、情報発信をきちんとし、日頃のプロモーションを一生懸命やり、観光行政をやり、民間の方々も一生懸命頑張りということの総和ではないですか。そうすると、自然に評価が上がってきます。それで一つ上がったら他の人が見るから、「それ何」、「おお、すごい」ということになる可能性があるので、それは非常にいいことです。

 ずっと、「こんなにいいのに」とか言って嘆いているだけではいけないので、頑張って一生懸命やってきたら、だんだんと評価が高まってきて良かったと。これは、それで終わりではないので、今度は、本当にお客さんを迎えた時に、「その通りだったね」ということを、またみんなに発信してもらうような、そういう努力を官民挙げてやっていかないといけないということでしょう。

毎日:飲食店への影響についてお伺いします。調査結果が出たと思いますが、これについて知事は率直に、思ったより影響があったかなかったかというのは、どのように受け止めていますか。

知事:それは、大変だと。こういうのが長く続いたら、なかなか本当に営業が大変だというふうに思って心を痛めています。コロナの時代なので、他所よりは少しマシかもしれないけど、やっぱりそれは深刻だというふうに思います。前みたいに、スパッと休業要請をして支援をする、支援はこれだけといって、国からもたくさんくれましたが、そういうふうになかなか動けませんが、今度はきめ細かくやっていくということでしょう。いろんな救済措置がもともとあるから、ご相談に応じながら何とか生き延びてもらうようにやっていくことを、きめ細かくやっていかないといけないというふうに思います。

毎日:細かくやっていくというのは、県として新しく支援制度を作るという訳ではなく、今ある制度の中で、それを使って上手くやっていく。

知事:もちろん、近い将来、そういうことをダーンとやることを、全く否定はしていません。だけど、今日、今これからやりますというわけではありません。そういうドーンと新制度を作りますとか言わなくても、もともと、県の振興策やコロナ対策で続いているような話がないことはない。雇用調整給付金(誤りで、正しくは雇用調整助成金)はそうですし金融制度なんかもそうで、たくさんあります。そういうのを、何とか使いながら生き延びてもらえるように、我々も相談に応じるということでしょう。

朝日:感染状況について、今は落ち着いていますが、1月に入って感染者が非常に増えて、亡くなった方もとても多かった。7人が亡くなられたと思いますが、その点について受け止め、何がこうさせてしまったのか。

知事:データを取りますと、和歌山県はちゃんとケアしているので、助けられる命というか放置して助けられなかったのは1件もない。全力を挙げて最善のことをしたけど、コロナに罹ってしまったら助からなかった。見ていただきますと、1人を除いて、全員80代です。しかも、大体、お年寄りは基礎疾患があります。だから、そういうところに引き込んで、うんと初期だったら何とか薬で止められるかもしれないけど、結構、時間が経ってから発見されるようなことになったら、ちょっと命がなくなる人も結構います。だけど、全部ではなくてその中の何割かですから、お年寄りの方が(コロナに)なっても、決してもう絶望的になる必要はないというふうに思います。一生懸命みんなで世話をすればいいということだと思います。一番初めに申し上げなければいけないのは、亡くなられた方に、本当にお気の毒でお悔やみを申し上げたいと思いますし、私はいつも、「ええっ」と言って心が沈みます。家族は余計でしょう。

朝日:改めて、高齢の方が罹ると、なかなか重症化する傾向があると思いますが、県民の方に呼びかけるようなことがありましたらお願いします。

知事:今、(県民へのお願いが)13条になりましたが、その中でも、特に本件について大事なことが三つぐらいあると思います。

 一つは、症状がある場合、自分でもちょっと分かって「あれっ」と思いますから、とにかく、かかりつけ医や(相談)ダイヤルをまわして、どんどんお医者さんに調べてもらってください。無理して、仕事を続けるとか学校へ行くとかは止める。それは、とりもなおさず、家族にもあんまりうつさないことになります。

 二つ目は、特に高齢者の施設あるいはもちろん病院もそうですが、そういうところに持ち込まないように、持ち込ませないように、発熱チェックとか防護とかをきちんとやってくださいということが、大変大事なことだと思います。

 三つ目は、かなりちょっと我々の対策の中では、一番キツめというか強めに書いていますが、福祉施設に勤めている方あるいは病院に勤めている方は、当分の間、家族以外と会食しないでほしいというのがあります。これなんか、「何で私たちだけが」というふうに当然思われると思いますが、その意味するところは、自分が勤めている先のお年寄りや体の弱い人に、仮に感染が引き込まれたら大変なことになるので、申し訳ないけど守ってくれませんかということを言っています。

 この三つは、特に注意して欲しいというふうに思います。

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