知事記者会見 令和3年10月26日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年10月26日 知事記者会見

令和3年10月26日 記者会見室


 今日は、発表事項が三つありますが、その前に新型コロナの話を少しだけします。

 全国もそうですが、和歌山県は、ようやく新型コロナ(の感染者)が、時々ゼロというふうになりました。そういう意味では、少し県民の皆さんに安心していただけるのではないかと思います。ただ、最近起こったことを三つ例示して、何に気を付けないといけないかを申し上げたいと思います。

 一つは、昨日、お一人の感染者が出ましたが、和歌山に住んでいる人で大阪に勤務している人です。どうやら、大阪の勤務先に陽性者がいるということで、誰かということを詮索するのは止めていただきたいのですが、何を言いたいかと言うと、やっぱり、普通の勤務などでも、まだ周りに感染者がいないわけではないので、気を付けていただきたい。食事をするなとか言いませんが、(食事を)する時も、お家へ帰る時も、いろいろ気を付けて、普通の生活だけど気を付けて生活していただければいいと思います。勤務は大丈夫とあまり思わないほうがいいということです。

 二つ目は、良かった方の例です。和歌山県が(感染者が)ゼロとか1とかで止まっている要因は二つあって、一つの方は、学校で、県外から通学している子供さんの陽性が判明しました。県外ですからなかなか発見できなくて、どうも、しばらく前から家族がうつっていたのが分かって調べたら、子供さんも陽性だった。それで、感染したかもしれない時から結構学校へ来ているので、これは大変だということで、連絡があり、和歌山県も、念入りに学校関係者のPCR検査をした結果、誰もうつっていなかったことが分かって、良かったわけです。だけど、これも、学校が、非常に気を付けて、感染者が出たら、周りにうつしていないかどうかをきちんと把握して、局地的に抑えていこうという気持ちがあるから、そういうふうになったので、これは良いことだと思います。

 もっとヒットだと思うのは、ある福祉施設で、その福祉施設に県外から設備関係の作業をしに来られる人がお見えになった。その方は、もちろん熱もないし、元気でいらっしゃったのですが、設備関係の作業をするためには、建物の中をあっちこっち行ったりします。そこには、高齢者の方がいらっしゃるわけですから、うつったら大変なので、念のため、県から配っている抗原検査キットで検査してもらったら、陽性でした。和歌山で発見ですから、和歌山カウントになっていますが、県外の方が仕事に来られることは、別にしょうがないと思いますが、何を言いたいかと言うと、高齢者施設などで一回引き込んだら、かなり命に関わるような感染をしてしまうので、初めての人をちゃんと入口のところで検査してから入ってもらったという、大ヒットだと思います。

 そういう意味で、皆さん少しずつ注意をしていただいたら、普通の生活をしていただいて結構です。新型コロナが無いわけではないので、こうなったら大変だという想像力を働かして、それぞれ行動して欲しいということを言いたいと思います。

関西大学と就職支援協定を締結します

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 発表事項ですが、関西大学と就職支援協定を締結することになりました。お手元の資料にありますが、その他の大学13校の方々とは、すでに就職協定を結んでいて、県庁を含めた和歌山県内の就職先について、できるだけ学生さんにいろいろ情報提供していただいたり、説明会の機会をいただいたり、そんなことで協力してあげようと言ってくれている学校です。

 その13校に加えて、今回、関西大学と就職支援協定を結ぶことになりました。11月2日、関西大学学長さんの前田裕さんが和歌山県庁に来てくださり、サインをすることになります。

 関西大学は、昔からの大学で、全体では結構大きくて3万人ぐらいいらっしゃる。和歌山県からも、結構たくさん行っているし、和歌山県に就職する人も結構多いということで、今後、こういう機会が増えていったらいいというふうに思います。

 それで、キックオフイベントを12月15日に開催いたします。関西大学の梅田キャンパスで、県内企業にも参加してもらって、予備的就職活動というか、企業説明会の塊みたいなことをやります。また、県内企業に就職しているOBの若手職員さん、内定を受けている学生さんとかと、「どうでしたか、どうですか」というような話をしてもらいます。和歌山県からも、もちろん情報提供いたします。

収穫時期が早く食味の優れる甘柿新品種「紀州あかね」を開発しました

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 その次は、お手元に(柿を)配っていますが、「紀州あかね」というヒット商品が、またできました。お手元には食べやすいように切っていますが、(切る前は)ご覧のように、ものすごくゴツゴツゴツしています。力強いけれど大丈夫かというようなゴツゴツさがありますが、これがめちゃくちゃ甘い。私も食べさせてもらいましたが、そこ(資料)にあるように、食味・特徴は、糖度が17%前後あり、シャキシャキ感です。柿には、柔らかいのもあるし固いのもありますが、これは固い方の甘柿です。食味が大変よろしいということで、これをまた新しいヒット商品として、どんどん増やしていったらいいのではないかと思います。桃栗3年柿8年と言いますから、8年もかからないかもしれませんが、果樹なので植えてからすぐにできるわけではない。来年から植え始めて、収穫は、令和7年秋以降の見通しで、それまでは市場に出回らないのですが、これを楽しみに、何年か待って欲しいというぐらいの美味しさです。

 皆さんのところへもお配りしているので、食べていただいて、美味しいと思ったら、一宿一飯の恩義ですから、ぜひ美味しいと書いていただきたい。美味しいと思いつつ、黙って書かないのはちょっと問題だというふうに思います。不味いと思ったら、書かなくて結構です。

県内小学校等への県産農水産物(鯨肉・魚・ジビエ・みかん)の提供を実施します

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 それから、小学校等への県産農水産物の提供を、久しぶりに実施いたします。やっぱり、県産品愛用を進めるためには、子供の頃から、美味しいものを食べつけることも大事です。特に、果物やお魚は、骨を取ったり皮を剥いたりしなければいけないところもあります。そういうことが面倒くさいというような子供がたくさん出ると、ちょっと困るわけで、そういうことを子供の頃から癖をつけてもらおうというふうに思います。ちょっと苦労して皮を剥いたら、ものすごく美味しいものが出てくるという経験をしてもらうことは、何よりも大事だという考え方です。県内の国公私立の小学校と中学校、一部の特別支援学校にお出しします。皮を剥く時に器具を使うので、それが危ないかもしれない一部のところは提供しませんが、大体のみんなに提供します。

 それで、(今回、提供するのは)「鯨肉」と、魚は「まさば」と「まあじ」、「ジビエ」、「みかん」です。それぞれ日にちはこんなふうに決まっていて、できるだけ多くの人に出てもらって、出前授業をして、食べ方の学習とかも一緒にしてもらいながら、給食を味わっていただいたらいいのではないかというふうに思っています。

 以上です。

質問と回答

NHK:全国で時短が解除されたり、全国的にも感染が少なくなってきて、ちょっとした気の緩みとかが生まれてくる頃だと思います。先ほどもありましたが、和歌山県内で、これからここを気をつけて欲しいとか、そういったものがあれば教えてください。

知事:よく、気の緩みと言って、ご飯を食べに行くのが全部気の緩みだというような報道をたくさんします。私は、あれはちょっとやり過ぎだと思います。人が動くのは気の緩みだというのは、人が動くのは全部悪いというふうな見解があるからそうなる。確かに、めちゃくちゃ流行っていたら、そういうことをしなければいけない時もあるけど、ある程度の(落ち着いた)ところへいったら、人の動きというより、保健医療行政で、制約しながら、気を付けながら、行動パターンに気を付けながら生活していったら、いろんなところへ遊びに行っても、ご飯を食べに行っても、飲みに行っても、大丈夫ではないかというふうに思います。

 和歌山県は、そういう考え方で、できるだけやってきました。全国は、そうではないし、政府も専門家も、人流を目の敵にしてずっとやってきて、他のところはあまりうるさく言わなかったのが、これまでのところだと思います。和歌山県は、政府がうるさく言わないところを一生懸命やっていたという違いがあり、これは、多分、和歌山県だけではなく、割と成績の良い地方は、みんな同じことをやっていたように私は思います。

 だから、全体を反省して、何が悪かったのかを考えて、追加をいろいろ指令することが大事ですというふうに申し上げていたし、総理にも経済再生担当大臣にも申し上げに行きました。そうした(結果)かどうか分かりませんが、幸い、その前後ぐらいから、厚労省から通知が来て、和歌山県は(すでに)やったことですが、保健所の機能を、大変な時に拡充できるような方策を考えておけとか、医療提供体制を、(感染者が)このぐらいになる可能性もあるので、そうなった時に備えてどうするかは考えておけというようなことの、指令が来るようになっています。それは、大変いいことではないかというふうに思います。

 和歌山県は、人流そのものについて抑制はしませんが、さっき言いましたように、感染がまだちょっとあるところで羽目を外すと危ないかもしれないとか、福祉施設などをやっている人は、この人は症状が無いみたいだけど、新顔だから、検査してもらってから入ってもらおうとか、そういう事をいろいろ注意していったら、いろんな面で、普通の生活が復活していけるのではないかと、私は思っています。

 もう一つは、やっぱりワクチンがものすごく効いているのではないかと思います。こんなにシューッと収束してきたのは、人流は全然落ちていませんから、感染させられる方の人が、ワクチンを打ってるから耐性ができている人が多くて、ワクチンを打っていない時に比べると、感染していくケースがウンと減ってるのではないか。それでシューッと減ってきたのではないかと思います。

 そういう意味では、特に高齢者(のワクチン接種)について、ものすごく菅総理が強引に急がせました。あれは、私は、みんな感謝しなければいけないと思います。和歌山県はそんなこと言われなくてもガーッとやっていましたが、一般的には、打ち手が少ないのでできませんという甘い事をみんな言っていた時に、ものすごく強引にやりました。あれは、なかなか偉いと思うべきではないかと思いますが、非難をするのはみんなしますが、褒めてあげるのは一つもしないのは、どういうことかと私は思います。

産経:後ろのポスターにもありますが、いよいよ今週末から、(紀の国)わかやま文化祭が始まります。いよいよというところでのご所感と、県内外からもたくさんの方が参加されると思いますが、その方々へのメッセージを一言お願いします。

知事:まず、いよいよで、10月30日から始まりますが、ワクワクするような気分です。すでに、それに焦点を合わせるような活動が始まっています。何かと言うと、三つの和歌山県の博物館が、それぞれ特別展をやり始めています。これは、文化祭の期間をカバーするような形でやりますが、ものすごく良い。学芸員の人たちが、やっぱり力を入れて、一生懸命そこに焦点を当てて考えてくださったので、ものすごく良いものができていますから、ぜひ皆さん、見に行って欲しいというふうに思います。

 今度は、そこだけではなく、30日以降は全体がワーッと動き出します。そうすると、ちょうど新型コロナも収まっている頃でもあるし、演劇鑑賞とか、絵画鑑賞とか、催物とかがいっぱい出るので、それを皆さん楽しんでいただきたいと思います。

 これは、県内の方に限らず、県外の方も参加してもらったらいいので、ぜひこの機会に、和歌山に文化鑑賞を(しに来てください)というふうに私は思います。ただ、この間の総文祭みたいに、高校生がそれぞれ技を競うような感じのイベントではなく、楽しむイベントですから、代表団がドッと乗り込んでくるという感じではないかもしれません。ただ、県内の人も県外の人も、ぜひじっくり、秋の文化を楽しんで欲しいというふうに思います。特に、県内の人にとっては、何十年に一回の大イベントで、今年は、和歌山県150年でもあるし、こういう機会に、ぜひ、いろいろいっぱいありますから、自分の好きなところを見ていただきたいと思います。

時事:紀州あかねについて伺います。開発に結構長い年数が掛かっていますが、苦労されたこととかあったらお願いします。

知事:それは、絶対にあったはずです。血のにじむような努力を、かき・もも研究所の人たちがやって、初めてこれができます。だけど、私は自分でそれをやったわけではないので、偉いとは思うけども、どう偉いかは、取材に行ってもらいたい。取材に行ったら、もう一回食べさせてくれるかもしれないので、ぜひ、かき・もも研究所に行ってあげてください。

時事:もし分かったらでいいのですが、これまでに使った予算額の合計は。

知事:それは、研究推進室長とかがいますから、その辺に聞いてください。大したことはありません。

毎日:リフレッシュプランですが、売り出すたびに数時間で売れる形で非常に好評のようですが、そこのご所感と、需要というか、県民の方も求められているのが、改めて分かったような気がしますが、県として、さらに追加のお考えとかありますか。

知事:今、リフレッシュプランと言われて、私はニヤッと笑ったというか、苦笑いをしたのですが、いい話だと思います。Go Toキャンペーンがまだ始まっていないから、とりあえず落ち込みに落ち込んでいる観光産業を、もう一回リフレッシュするとともに、今までちょっと我慢していた県民の方々に、特に安全な県内で、旅行の楽しみを味わっていただこうと思っているから、いい話だと思いますが、券の売り方がすごく難しい。(購入に)時間が掛かったらいけないので、DXに頼っていてウェブで申し込むのですが、ものすごく(アクセスが)集中します。前もバーンと売り切れてしまったので、これはまずいだろうといって、いろんな人に機会を与えるために(アクセスを)分散させようとしたら、その一回一回が、またペンペンと売り切れる。

 全体としては、使ってもいないのにたくさん(チケットを)しがまえこむのは駄目です。一回あたりも、在庫というか自分が持っている枚数も分かりますから、それぞれに制限があって、いっぺんにたくさんしがまえこむことはできないのですが、こういう心理が、そこに至るまではワッとかかってしまう。はっきり言うと、ちょっとしまったというふうに思っています。

 一回一回、いろいろ工夫していますが、それでも人気に負けているところがあります。また次の機会があるので、その時はどうしようかと考えています。全体としては、良いことではないかと思いますが、券の売り方がすごく難しくなっていて、いろいろお叱りを受けています。

毎日:県として、さらに予算を積みますみたいなこともお考えですか。

知事:状況を見てですが、基本的には、窮余の一策としてやっているようなところがあるので、需要があるから、はいはいと言って旅行にいつも補助しますというのは間違いです。だから、窮余の一策の窮余がどのぐらい「窮」かによって、次をどうするかが決まってくるということです。お金は有限なので、一番困っている人のところへ出してあげたい。それがどこかを、いつもキョロキョロしながら見て、困っている人のところへ差し上げるようにしたいとは思います。

観光産業が困っているのは明らかだったので、今やっていますが、状況を見ながらまた考えていきます。

共同:新型コロナの話ですが、第六波があるとしても先が見通せない中で、政府が、第五波のピーク時と比べて、入院患者の受入2割増を掲げているようです。和歌山は、全員入院を堅持するとなると、相当数の病床を増やさないと厳しいと思いますし、一部の試算では、ちょっと不足するのではないかという恐れが出ていますが、その辺りの準備は、いかがでしょうか。

知事:まず、今は感染があまりないので、(確保病床を)一回解除して、またよろしくという形で落としてもらって、他の病気に充ててもらうのが、今やらなければいけないことだというふうに思います。

 政府が言っておられることは間違ってはいないと思うし、しかも、常にそれで用意しておけと言うのではなく、そういうことができるようにしておけと言っているので、それは正しいと思います。

 その考え方としては、ワクチンが行き渡っているから(感染者が)減るので、一回(病床数を)落とす。しかし、デルタ株に変わるようなものすごい株が出るとも限らない。それが出たら、今度は、一旦落としたやつから二倍になる計算で、そうなっても大丈夫なように用意しておく。それは、病院だけではなく、すべて用意しておこうということで、それは正しいと思いますが、それぞれ、どうやってやるかをちゃんと考えておかないといけない。

 和歌山県は、基本的には、全員入院体制を踏襲していきたいと思っていますが、この間も、ちょっと危ないと思って出口としてのホテルを用意しました。これは、入口としてのホテルとは違うので、他府県とは随分違いますが、出口としてのホテルを、もうちょっと用意しておいた方がいいかもしれないなという感じはあります。

 さらに、出口がもっと窮屈になってくると、入口で使いながらケアをしていくこともあり得ると思っています。そういう、柔軟な形での用意を、和歌山県はもちろんしておくし、他県も、和歌山みたいに、ちゃんとやっておかなければいけないということだと思っています。

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