知事記者会見 令和3年10月20日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年10月20日 知事記者会見

令和3年10月20日 記者会見室


 今日は、発表事項が四つですが、毎回やっていた新型コロナについての話は、あまり言うことはありません。この間、ちょっとお時間をいただいて、岸田総理のところへ(行って)申し上げてきましたが、明日、厚労大臣と経済再生担当大臣のご予定をいただいていますので、またいろいろ議論してきたいと思います。

 ただ、我々がずっと言っていた、保健行政の強化と、医療行政というか医療体制の強化の二つについては、かなり、厚労省が熱心に進めようという動きにようやくなってくれて、私は、非常に、これから期待できるのではないかというふうに思っています。和歌山県が、何ヶ月もあるいは何年もずっと言い続けたことが、ようやくちょっと認められつつあるかなということで、次の時代も少し明るいかもしれないという気がします。

 アポをもらっていましたが、選挙ですから、ひょっとしたら厚労大臣は、「ごめん、後で」ということになって、明日は無理かもしれないという情報が入りました。

企業の新規事業開発を支援する株式会社Relic(レリック)が和歌山市と白浜町にサテライトオフィスを同時に開設

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 発表事項の一つ目は、株式会社Relic(レリック)という会社があります。非常に新しい会社で、東京を本拠地として面白いクラウドサービス、面白いというのは、クラウドサービスの対象が新規事業開拓で、新規事業開発の企画立案や、会社運用のためのシステムを作らないといけないとか、それを元にして事業化するとか、そういうことを一気通貫で全部クラウドサービスでやりますという企業です。

 今の時代に大変マッチしているのではないかというふうに思いますが、あっという間に、この企業自体が大発展いたしまして、今、6年間で、2500社を超える顧客がいて、12000以上の事業を支援したというふうな実績があります。どんどん業容も拡大しているので、和歌山で、次の発展をということで、和歌山市と白浜町の両方に、同時にサテライトオフィスを作ってくれることになりました。

 あまり中身をゴリゴリ聞いているわけではないので、調印式の時にまたお聞きしようと思いますが、和歌山市ではシステム開発、白浜町ではインサイドセールスをする。特に、このインサイドセールスというのは、どこの部分をどうするのかはあまり詳しくないのですが、この二つを、別々に和歌山県に拠点を置いてくれることになりました。

 10月25日、朝から創業者の北嶋さんというCEOがお越しになって、県庁で調印式を行います。なお、最終的には、3年間でだんだん増やして、正社員55名を雇ってくださることになりましたので、大変良かったと思っています。

学生関係人口マッチングアプリ「わかやま CREW」の開設について

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 その次は、学生関係人口マッチングアプリ「わかやま CREW」の開設です。そこ(資料)にロゴが載っていますが、和歌山の関係人口を増やそうと(いうことです)。関係人口とは何だというと、何らかの意味で和歌山に関係した人を増やして、最終的に、そのうちの何人かは、移住をしようとか副業しようとか、そういうふうに和歌山のために貢献してくれればいいと思っていますが、初めから、移住と言うと、ちょっと引く人もいるでしょうから、関係人口を増やそうということです。

 関係人口をどこで増やすかというと、特に学生さんで増やそう。学生さんは、夏休みとか、あるいは単位が取れた後は少し暇とか、就職が決まった後は暇とか、いろんな自由な時間が結構ありますから、そういう時に、学生さん自身も、将来の役に立つような社会勉強をしたらいいのではないかというような気持ちは、十分あると思います。和歌山県としては、そういう方の需要に、いろいろな体験メニューを提供して応えていこうと思いますが、学生さんからすると、何をしたらいいのか、どこでそういう機会があるのか、分からない。従って、このマッチングアプリを使って、マッチングしてもらったらいいということです。

 その前提としては、そういう学生さんを受け入れると、必ずしも慈善事業的に受け入れるよりも、人手が足りないところが多いし、一緒に働いてもらったら賑やかで良いというようなところもあるから、(学生さんを)ウェルカムの人達に、お越しくださいという体験メニューや、こんなところで働いてくださいということを、農家とか企業とかから募集みたいな形で出してもらって、一方で、学生さんには、自分はこういう人ですと、多少の自己紹介などをしてもらう。

 それで、両方で、お互いにこの人いいなと思うと、うちでやりませんかと言って申し込んだり、あるいはやらしてくれませんかといって申し込んだりする。それを、アプリ上でやれるようにしておこうという考え方です。

 これを発案した人は、発音は悪いんですが、「わかやま CREW」というのをダジャレで「和歌山来る」というふうに発想したそうです。きっと、英語の発音の成績が悪かったであろうというふうに思いますが、「和歌山来る」です。

最優先すべき流域内の詳細点検箇所とそれ以外の区域における現地点検箇所の抽出が完了

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 その次は、たびたび申し上げていますが、熱海の盛土が崩れたことに関して、和歌山でそんな危険のあるところはないか調べようということで、県庁挙げて調べています。調べているのは、別紙1のこういう段取りで調べていて、左の方は、まず土砂災害警戒区域で調べるし、それ以外のところも調べます。まずは、過去の記録からも調べるし、航空写真とか宇宙の情報とかからも(調べて)、「あれ」というようなところがあったら、どんどん怪しいところに入れていくし、一番右の住民からの情報ということで、「私のところの後ろの山のあれは、大丈夫ですか」というような話も、どんどん寄せていただいて、それで整理していくということです。

 土砂災害警戒区域の方は、ちょっと先行していて、現地点検箇所の抽出が9月初めに終わっています。まず、どんなところに盛土があるかは838ヶ所あり、その中でいろいろ調べて、これはちょっと調べたほうがいいというのが76ヶ所で、これを、現地に行って点検してきました。点検の結果、今度はピンクになりますが、次の2ヶ所については、必ずしも安全とは言えないので、ちょっと詳細に、例えばボーリングをしたり、いろんなことをして、詳細に調べた方がいい。他のところは、目視して大丈夫だろうというふうに一応判断できたので、除外していきますが、この2ヶ所については、若干のお金もかけて徹底的に調べるところが、ピンクのところです。調べた結果は、あと一月ぐらい経ったらまた報告しますという流れになっています。

 一方、土砂災害警戒区域以外のところについては、今日は10月20日で、一ヶ月ぐらい遅れて、現地点検箇所でどこを調べたらよいかという484ヶ所の抽出が、ようやくできました。今、うちの職員その他で、目視で点検に出ます。その結果、また、どうもこれはボーリングでもして調べたほうがいいというところが出てきたら、一ヶ月遅れぐらいで、それを指定して調べるという段取りです。

 今、土砂災害警戒区域の部分を2ヶ所に絞って、それはそこ(資料)にあるところで、どんなところかは、航空写真がありますが、確かにちょっとこれは危ないかもしれないというようなことで、さらに詳細に調べに行こうというところまできています。

 このように、言うだけ番長ではなく、どんどんと順を追って着実に調べています。詳細をさらにお知りになりたい人は、そこに砂防課長がいますから、ぜひ聞いてください。

日本遺産「葛城修験」を知ろう!訪れよう!~秋シーズン特別企画がスタートします!~

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 その次は、日本遺産「葛城修験」です。去年6月に、葛城修験が日本遺産に認められたのですが、これは、加太から始まって、最終的には奈良県と大阪の間にある信貴山(あたり)まで、ずっと繋がっている修験道で、役行者なんかが大活躍したところです。今でもずっと、ここで山伏姿になって修験をやられているような方がたくさんいらっしゃるわけですが、一般的に、ハイキングルートとしても、なかなか楽しめるところです。

 これの楽しみ方への便宜を高めるために、「YAMAP」という登山アプリがあります。私は、こんなものをできる年でもないので使っていませんが、登山家あるいはハイカーなどは、これを結構使っておられるそうです。携帯が繋がらないようなところでも、GPSで、右だ左だというのがよく分かるそうです。この「YAMAP」の中に、葛城修験の地域を全部入れて、(資料の)その次の別紙の上に地図がありますが、スタンプラリーのポイントを作ります。それで、アプリを入れておいてずっと歩いていくと、スタンプラリーのところへ行くだけで、そこのスタンプラリーがポンと入ります。それを全部貯めると、豪華景品とか表彰(アプリ上でデジタルバッジが獲得可能)とかになります。それを、11月中旬ぐらいまでに始めますという予告を申し上げておきます。19種類のモデルコースがあり、スタンプラリーがどんどん貯まっていくということです。

 もう一つは、葛城修験日本遺産活用推進協議会があります。和歌山県、大阪府、奈良県内の20市町村が参加していますが、そこで、葛城修験道全体のパネルの展示を、順番に回っていって、その地域の方々にお見せするという、一種のイベントを行います。10月30日、(紀の国わかやま)文化祭の開会日から始まり、今年度いっぱいまで、順番に20(市町村)回っていきます。いついつどこという詳細は、いずれ発表をさせていただきます。
 以上です。

質問と回答

NHK:前半の2件に関連しますが、新型コロナで、都市から地方へという流れが強まったかと思いますが、現状、それは維持されているというふうに知事は捉えているかというのが一つと、それを継続的でかつ力強いものにするためには、どうされていくのかという二点をお願いいたします。

知事:もともと、東京一極集中なんて持たないというようなことは、みんな思い始めていて、新型コロナの前から、和歌山県は、サテライトオフィスなんかで少し流行り始めていましたし、ワーケーションもちょっとブームになっていました。ところが、新型コロナがものすごく流行って、特に、東京の大手の企業、大手でなくてもそうですが、東京の都心部でいろんなビジネスをやっている会社などは、(新型コロナが)うつると困るからということでしょうが、どんどんテレワークを導入して、社員さんにあまり(会社に)来るなというふうにやってみた。それは、企業防衛上考えたと思いますが、意外と上手くいった。しょうがないからとりあえずやったのだろうと思いますが、そんなに生産性が落ちなかった部分もある。ただ、最近聞いてみると、やっぱり、次の仕事をどう企画するかとか、新しい仕事をどう開発するかというのは、やっぱり対面でやってみないと(いけないか)なという議論も、あることは事実です。

 そうすると、テレワークで、あまり(会社に)来るな、来なくてもよろしいとなって、企業はどうするかと言うと、都心のオフィスをちょっと縮小します。この間、富士通に聞いたら、これからガンガンやっていくというようなことを言っておられました。一方、社員さんはどうするかと言うと、お家で働いてくださいとなるので、お家が余りにも狭い人たちが、東京近辺にはいっぱいいますから、なかなか悲惨な状況になっているのではないかというふうに思います。

 そうすると、我々が考えなければいけないのは、この人たちに和歌山へ来てもらったらいいというふうに思いますし、その流れはまだ止まっていないと思います。ところが、放っておくと、ちょっとは来るけど、来ない。なぜかと言うと、例えば、時々は東京の都心部のオフィスに来い、一週間に一回でいいからとなっても、飛行機を使ってとか、新幹線を使って遠くの方からとか(になってしまい)、なかなかそこ(が進まない理由になっていること)まで発想が回らない人の方が多いと思います。この間、富士通と契約したみたいに、オフィスに来なくてもよろしいと言ったら、それは全然話は別になりますが、まだそういうとこは少ない。

 そうすると、やっぱりサテライトオフィスごと、和歌山で一部の人たちが働いていただいたらどうでしょうとか、ワーケーションでいかがでしょうとか、そういうことは大いにあり得るし、それをしないと、東京の外縁、大関東圏みたいなところ以外は、あまり利するところはない。従って、今一生懸命頑張っている。

 では、新型コロナが無くなったらどうなるかと言うと、私は、この流れは、今や嫌々やっているわけではないので、こっちの方が生産性が良くてかつ会社の利益にもなり、従業員の皆さんも嫌ではないとなると、続くのではないかと思います。そうすると、我々が今やっている努力は、もっと一生懸命ずっと続けてやらないといけないと言えるので、今回は一つ成功しましたが、こういうのを、何百となく付け加えていかないといけないというふうに思います。

NHK:新型コロナの第六波がどうなるかという知事の見方ですが、まだ、全然、都市部も含めて今は落ち着いていますが、やっぱりどう油断してはならないのか、その辺りいかがですか。

知事:今減ってきたのは、都心部などで自粛したということもありますが、やっぱり、ワクチンが大きかったと思います。田舎の方では、それに加えて、保健医療行政を熱心にやっていたら、敵が少し弱くなってきたので、大いに囲い込み、積極的疫学調査が上手くいくようになって、和歌山も含めて、かなりゼロに近いところまで抑えることができています。そういう意味では、とりあえず良かったというふうには思います。

 ただ、今やらなければいけないことは何かと言うと、多くの地方圏と残った少し大都会があります。その大都会みたいなところで、ある程度減ってきたからまあいいかと言ったら、ある程度の底だまりができます。底だまりは、またうつり始めると、グアーッと増えます。他所から影響がどんどん入ってくるからまた(新型コロナが)流行ってきますが、一旦ゼロに近いところまで落ちていると、そのスピードがある程度抑えられます。従って、今、ちょっと余裕が出たこの時期にこそ、大都会も、保健医療行政などを立て直して、強力にして、ウンと抑え込まないといけないし、それは次に備えることにもなるのではないかというふうに思います。

 では、第六波はもう無いのかと言うと、多分、私はあるのではないかと思います。というのは、今回も帰省などで広がりましたが、年末年始になると、人が結構動きます。そうすると、先ほど言ったみたいに、完全に抑え込まれているところの人の場合、いくら来てもいいのですが、ひょっとしたらまだ何人か感染しているようなところの人が、ワーッと来始めると、それなりにどこかに引き込まれる可能性があるので、やっぱり第六波はあるのではないか。それよりも、感染がある程度残っているところの人が、お互いにうつし合うことがあるかもしれない。これは加速度的にバンといきますから、そっちが先です。従って、それが、最終的にはひょっとしたら全国に及ぶ可能性がある。

 第五波と(比べる)とどうなのかは、よく分かりません。学者さんによっては、第五波より大きいと言う人もいるし、少ないと言う人もいます。私は、多分、山は来ると思うけど、ワクチンが効いているので、うつりにくくなっているという要素があるから、前よりは(山が)低いのではないかと思いますが、どのぐらい低いかは分かりません。

 さらに、重症になる人の割合は少ないのではないか。なぜかと言うと、ワクチンが効いているからです。(波は)第五波よりも小さくて弱いような気がするけど、どうも、何ヶ月かに一回またワーッと流行ってくるので、あり得るのではないかというのが、私の予想です。どう来ても、和歌山はちゃんと対応できるように備えています。

毎日放送:先週、六十谷の水管橋の現場に、解散した後ですが、国会議員の方が現場視察に来られまして、市長から国へ要望もされていました。市の事業ですが、県として、今回の復旧について、どういうふうなお考えがありますか。

知事:復旧そのものについては、県は、市役所の仕事なのでと冷たくしていることは全くできないから、全面的に、市役所に応援に行って、実質的には、県・市一体となって取り組みました。それはそれで良かったと思います。

 細かく言ってもしょうがないのですが、かつて起こったことで、一番のポイントは、早く応急復旧しようということです。そしたら、隣の六十谷橋を使ったら早いのと、もう一つ、最大のネックになったのが、鋳鉄管の手当です。それを、経産省にいろいろ必死になって当たってもらって目途がついたので、早い復旧になりました。それから、工事にあたっては、国交省などがものすごく助けてくれました。それを、県選出の国会議員などが一生懸命頼んでくれて、みんなで力を合わせて、早くできたところは、良かったのではないか。

 ただ、今、一つの橋が使えないので、当然、渋滞になります。相変わらず、不便を偲んでいただいていて、しかも応急ですから、恒久的にどうするかは、早く決めてやっていかないといけない。基本的には、住民とご相談して、市長さんや市役所が主体的にお決めになる。でも、早くというところがポイントだと私は思います。どうするかということを、早く方針を決めて、早く動き出す。それを、県あるいは国は一生懸命応援するということではないでしょうか。

日経:新型コロナに戻りますが、県として、ブースター接種、3回目の接種の準備としては、どのようになっていますか。

知事:これは、県としてというより、国からこんなふうにしなさいという方針が示されていて、イメージとしては、12月から医療関係者に打ち始め、年が明けると、それ以外の方で早めに打った人にどんどん打っていこうという考え方のようです。

 前は、医療関係者は、県で直轄事業でやりなさいということでした。だから、市町村を介さないで、県から病院あるいは医療関係者の集団に、例えば、大きな病院でやるからみんな集まってくださいとか、そういうようなことで対応していましたが、その後に行われた、住民への接種システムと、上手く合わなかったという反省が、国としてはあるようです。従って、きちんと把握するためには、市町村にやってもらったほうが良いというふうに考えて、市町村にやってもらえるよう、県としてアレンジせよという指導が来ています。

 和歌山県は、もちろん反対する理由もないので、今、市町村とそんな打ち合わせをしているところです。ただ、例えば、大病院の人が、市町村の行うクリニックや集団接種とかに行くのは面倒だから、全部、大病院の中で片っ端からやりますという希望があるところは、そこでやっていただくことにする。そうしたら、大病院のある町にワクチンが届いて、そこ(大病院)へ持っていくようなシステムを作らないといけない。それから、そこでいくらやるのか、その人たちは、住民としては実はどこに住んでいて、放っておくと住民接種券はそっちへ行くから、そっち(住所地)へ行かないでこっち(大病院)でやってくださいとか、そんな調整を県としてやらないといけない。それを、今やろうとしているところで、まだ完成はしていません。まあ、そんな手続き(の話)はあまり皆さん関心はないでしょうから、基本的には、次は、市町村が中心になって、12月ぐらいから医療関係者、年が明けたら、65歳以上でワクチン接種した日にちが早い人から順番にやっていく、これが今の考え方です。

時事通信:盛土の総点検についてですが、詳細点検箇所になった2ヶ所は、どういった点に問題があって詳細に点検することになったのでしょうか。

知事:見ていただいたら分かると思いますが、今のところ、目視や過去の記録のチェックなどをやっています。目視は、私のような素人ではなく、ちょっとプロがやっていますが、写真を見ていただくと、ちょっと崩れそうだなとか思います。そういうのを見たら、ここはどうしてもちゃんと調べないと危ないから、詳細に調査しようということになります。

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