知事記者会見 令和3年1月26日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年1月26日 知事記者会見

令和3年1月26日 記者会見室 

県内の新型コロナウイルス感染動向及び県民の皆様へのお願い

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 今日は発表事項が三つで、申し上げたいと思います。

 まず、コロナの関係ですが、注意事項を一つ追加しました。それだけ言うとちょっと味気ないので、全体の動向などもご説明しながら、そこに至った経緯を申し上げたいと思います。

 まず、感染については、昨日の発表が9人で久しぶりに一桁になりましたが、まだご覧のようにいつ上がるか分からない感じなので、保健医療当局の努力とか病院関係者のご努力とかはずっと続いています。退院者も多いのですが新規感染者も多く、かつ病床状況について言うと、後でご説明した方がいいのですが、ちょっとまた高齢者が増えてきていて、高齢者が重症化するとなかなか退院できない。ですから、病床に長く留まられることが多いので、ちょっと病床状況が苦しくなってきます。従って、やっぱりそういう方々に感染がバッと広がらないように、注意事項を守って欲しいということです。

 場所別では、湯浅保健所管内が増えました。これは、クラスターにはなってないけどちょっと個別の案件があったので、感染者が増えたということです。

 それから、先ほどちょっと言いましたが、若い人たちの比率がちょっと減ってきました。年末から年始にかけて、特に、若い人がたくさん感染する、あるいは感染させるというのが多かったのですが、帰省も一段落したということで、ちょっとそこは減ってきたけど、逆に、その方々が感染させたかなと思うようなところで感染者が出ているので、特に、40代、50代が増えているとともに、高齢者も前よりは増えているということで、これはあんまり安心できない、とこういう状況です。

 医療提供体制は、最大400床まで約束させていただいていて、必要に応じて増やしていくということですが、かなり(感染者が)増えてきているので、現在、330床まで使用できるように増やしていただいています。

 ステージでチェックすると、こんな(資料1の5枚目)感じになっていて、ステージ3のところがいくつか出ているので、新規感染者を抑えながら、ステージ3のところがまた減っていくことを本当は期待していますが、期待だけで上手くいくわけではないので、戦いは続いています。

 そこで、県民の皆様へのお願いということで、今まで確かちょっと増えていて12ヶ条です。他県に比べると圧倒的にピンポイントでお願いをしていますが、ある意味では、あんまり全面的な制限は課さないということでやってきているつもりです。その分だけ、保健医療当局および病院関係者の苦労は大変になりますが、それでも、最低限のことは守って欲しいと言って、その最低限をぜひ守ってくれということで、最低限の中に一つ付け加えます。

 それは、職場内でもマスクの着用を徹底するということです。これは、各企業にも、県の産業関係のルートを通じて注意をずっとお願いしていますが、皆さんのようなメディアでもお願いしたいというふうに思います。マスクをしていても仕事はできるし、飲食の時だけ外さないといけないけど、普通の時ははめていたって、特別の障害のある方は別ですが、普通に仕事ができるのではないかということで、ここはぜひ守って欲しいと思います。特に、県庁でいうと私ですが、職場あるいはグループの中で身分の高い方の人が、仕事熱心な人が多いので、割合「そんなもの自分は罹らないぞ、怖くないぞ」と言って、割と無頓着にマスクを外して、大声で叱咤激励しているとか、説教しているとか、指令しているとか、そういうことが結構あり、たくさんはありませんが、あんまり上司に言えないような方が、私のところへも投書をしてこられる場合もあります。一般的に、そういう目で見られているとこもあり、仕事には支障はないはずなので、ぜひここは守って欲しいということです。

 それから、特に私が思うにということですが、これいつもずっと言っていることで、症状があるけどなかなかお医者さんに行かない、クリニックも含めて診察を受けに行かない人が多い。「こんなもの大したことない」と言って、例年のように、頑張って仕事に行ったり通学したりするという、そっちが美徳というような感じになっていると思います。それが、とうとうやっぱりもうあかんということで診察を受けたら、その人は肺炎が起こっているし、周りにもかなり広範にうつっていて、三次感染もすぐ観察されるケースがあります。従って、和歌山県は、かかりつけ医に電話したら、PCRの手配はすぐやってくれますので、そんなとこが障害には全くなっていませんから、ぜひ、ちょっと変なんだけどとか、なんか熱が出たんだけどとか、味覚が何か変なんだけどとか、そういう疑わしい症状があったら、すぐにかかりつけ医へ電話か、(かかりつけ医が)なかったら県庁のダイヤルに電話して欲しい。これを、徹底して欲しいと思います。ということを申し上げたいと思います。

 ところで、和歌山県は昨日9人で、よくテレビなんか見ていると、週末明けなのでと言っているテレビ局が多いのですが、それ自体がおかしい。つまり、土日はあんまり働いてないということをその地域は言っているわけで、もちろん、土日全部を精勤しなければいけないことはないのですが、検査や指導や入院措置とかは、和歌山県は、交代で1日も休まずきちんとやっていますので、昨日が少なかったのは日曜日の後のせいだというふうなことを、他県みたいに考えてもらったら困る。最近、何曜日にしては少ないとかの報道が多いのですが、それは、テレビ局自体あるいは新聞社かもしれませんが、まったく正邪、当否の別が麻痺しているというふうに思います。

農林水産関係試験研究機関の研究成果を発表します

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 その次は、農林水産関係の試験研究機関の研究成果を発表します。いちいち言いませんが、(資料2の)後ろにずっと一覧とかが書いています。やっぱり、関心のある事業者の方や農林水産業の方や加工業の方とかが、聞きに来てくれると良いと思います。こんな時代なのでオンラインでやろうかとも思ったのですが、やっぱり細かいところは分からないことがあるので、大きな会場で、人はまばらでちゃんと説明をし、見学をする時は小人数に分けて、感染症対策をきちんとやって、それで見学をしてもらうことにしようというふうにしました。

 そんな(資料2)日程になっていますが、行きたい人は、普通だったらその都度来ていただいたらいいのですが、ドッと1日に押しかけるのはまずいので、整理をしたいと思いますから、行きたい日に事前に申し込みをしてもらいたい。それで、感染対策を万全にしたいと思っています。

 発表課題については、要旨がそれぞれ1枚ずつあるし、要旨の一覧表もあります。

 私だけの感想で、全部面白くてよくやってくれていますが、私なんか「ほーっ、これは面白いな」と思ったのは、一つは、シロアマダイの種苗生産がついにできるようになりましたというのは、ちょっと「なるほど」というふうに思います。これは、磯にいる高級魚で、大きいやつは1万円ぐらいするらしい。それで、自然のものなんですが、種苗を足していかないと資源が減っていく可能性があるので種苗を足したいけど、どうやったら足せるかが分からないというのがあったわけです。その生産技術を確立して、ちゃんとできたということです。これから、水産試験場で種苗を作って、ポイントにボンボン撒いていくことになります。

 林業試験場関係では、シイです。和歌山県にいっぱいある木で、自然にいっぱいあるし大木もいっぱいあります。このシイをフローリング材にできたら、なかなか木目も良いし、固いし、これはいいのではないかというふうに我々は思っていますが、問題は乾燥技術で、下手に乾燥させるとパリンコと割れる。割れたら床材になりませんから、割れないような乾燥技術をどうやって作るかがポイントで、人工乾燥と加熱、それと自然乾燥を上手く組み合わせてやれるようになりました。スダジイとコジイがあってコジイの方で、これいっぱいありますから、これが使えれば大分ちがうということです。

 農業関係は、「ししわかまる」。これは、ここで途中でしたが発表させてもらったもので、「ししわかまる」ができてもう売っていますが、どんどん広げていけば面白いということです。

 果樹試験場は、最後のシカ。シカというのは、習性上潜り込むそうで、潜り込む習性を利用してどんどん潜り込ます。今までだったら1匹潜り込んだらガチャンとふたが閉まるので、音でみんなブワーッと逃げてしまいますが、これ(今回の囲いわな)は、どんどん潜り込んでいくということで、複数獲れることも考えられます。従って、潜り込み習性を利用した囲いわなというので、私は特許を取ろうというふうに思っているところです。

 いろいろございますので、別にどれと言いませんが、皆さんご興味のあるところは、それぞれ取材していただければと思いますので、よろしくお願いします。その便宜は、研究推進室長が図りますので、何か言っていただいたらちゃんと面倒を見ますので、よろしくお願いします。

知事監視製品の新規指定をします

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 それから、知事監視製品の新規指定をいたします。今回はちょっと少ないかなと思いますが、それでもこんなにたくさんあります。どんどん無茶苦茶なやつを出しているというふうに思っていて、根っこを断つのは国でないとできないので、和歌山県に入ってきたのは、これで迎撃していくことになっています。

 新しい方もいらっしゃるのでちょっと説明しておきますと、こういう危険ドラッグの類は、基本的には薬事法(正しくは薬機法、以下同じ)で対応します。薬事法で対応して、薬事法のちょっと名前忘れましたけども指定薬品(指定薬物)かなんかになって、それを使っていると、すぐに逮捕されたりしますが、ただ、なかなか危険性というのを証明しないとそういうのに指定できない。2年ぐらいかかるという話もあります。それでは遅いので、忘れましたけど指定製品(知事指定薬物)というのを、(後ろの職員に向かって)別にいいよ。別にいいと言ってるのに。そんな邪魔をしないでください。

 それで、都道府県の条例で、それ(製品)を指定することもできるということです。それは、都道府県といえども禁止にするわけですから、それが危ないということがなければ、なかなかできないことになります。そういうことですから、自分で検査をする能力が和歌山県はそんなにありません。環境衛生研究センターなんかでやったらいいのですが、そんなにたくさんの物をどんどんできるわけではないので、東京や大阪のようなところで、そういうこと(指定)をやって、それを証明されたらその材料をもらってきてこっちが指定するというようなこともやっています。

 その次に、今度は、そこに間に合わないようなものが、もう一番問題です。そういう時は、法律の建前からすると、摂取したり、嗅いで吸い込んだり、体に打ったりするものは、積極的に医薬品として認められているもの以外は、やってはいけない。しかし、一般的に、例えば、これはお香ですとか、あるいは研磨剤ですとか言って、適当に売ってるやつが世の中に腐るほどあります。従って、それも本当はいけないのですが、それを規制するのはなかなか難しいので、それならば、例えば、アロマだとかお香だとかいうのであれば、アロマ、お香の使用をちゃんと説明して、使用者に誓約書を取ってもらって売ってくださいと、こういうようなのが監視製品の制度です。

 それで、この監視製品になると、その手続きを怠って消費者にちゃんと教えないで売ったりすると、その人に直罰がかかります。さらに、消費者も、そういう手続きを怠って勝手に買って吸引したりすると、その人も直罰がかかります。そういうふうな制度になっていて、これは、利用者、消費者が直ちに直罰されることなので、ぜひ気を付けて欲しいというふうに思います。

 そんなことをしたら、和歌山県から、実は販売所があっという間に全部なくなりました。今も復活はしてないと思います。それから、全部ではないと思いますが、インターネットで販売をしてる連中がいますが、和歌山県にだけは売りませんとか、そういうことを表示してる人も出てきました。

 そんなことで、この監視製品は続けていて、担当の諸君は、何か怪しいことがないかと思って目を光らせていますので、皆さん注意をして欲しいということです。

 以上です。

質問と回答

朝日:新型コロナに関連してですが、昨日の発表で、県内の感染者が1,000人を超えましたが、まず、それについての知事の受け止めを伺えますか。

知事:長い間ですから、全体で1,000人を超えたのはちょっと一種の感慨ですが、0に限りなく近づけるが一番いいのですが、なかなか全力を尽くしても1,000人いってしまったかというぐらいの感じが、私の正直な気持ちです。全力を尽くしたというのは、他の県よりもとは言わないけど、他の県とトップを争うぐらいの制度で、保健医療行政をきちんとやり、医療関係者が頑張ってくれているということですが、それでも、1,000人出てきたということで、容易ならざる敵だというふうに思います。

 特に最近は、昨日はちょっと減ったけど、まだ分かりませんから、今日もまた増えるかもしれませんし、ちょっとリスクが前よりは高まっているので、注意した普通の生活をして欲しいというふうに思います。

朝日:感染者に関係して、1,000人のうち500人がここ直近50日間で急激な増え方をしていますが、その点についての知事の受け止めと、改めて、コロナ対策の難しさみたいな点を伺えますか。

知事:まず、和歌山県はあんまり制限をしなかった。生活や経済が破壊されないように、あまり制限をしなかったということですが、それでも、何でもいいというわけではなく、最低限の注意をしたつもりでしたが、ちょっと(制限を)超えたかなというような案件がいくつかあったということと、それから、守ってもらっていたけど、やっぱりうつったかというのも結構あります。だから、なかなかこれをシャットアウトするのは難しいというふうに思いました。

 特に年末年始は、帰省を一つのきっかけにして感染したケースが結構ありました。帰省客に対しては、私はあんまり帰省そのものを駄目と言わなかったのですが、ちょっと甘かったかなという感じは、はっきり言ってしています。

朝日:県内の感染状況を見ると、県外からの引き込み例というのが多いと思いますが、特に、大阪、東京圏が徐々に落ち着いてるというか、数字だけ見れば横ばい、右肩下がりかなという気がしますが、知事はどのように見てらっしゃいますか。

知事:そういう感じもあります。帰省はみんな県外ですからそういうのもあるし、帰省と関係なくても、しょっちゅう皆さんは大阪や東京なんかに行っておられますから、そういう時の飲食とかも結構ありました。ただ、最近はちょっと心配であり、少しそっちの方がいいのかなと思うのは、おっしゃるように、直接大阪から来たかなというのがちょっと減ってきて、逆に、あれ、どこからうつったかな、というようなのが増えてきた。ですから、これはますます大変になってくるので、油断しないでやっていきたいと思っています。

朝日:県民へのお願いで、感染拡大地域、緊急事態宣言対象区域への不要不急の往来はというのがありますが、まだ宣言は出てますし、感染者はそういった地域でもある程度落ち着き始めてると言っても、引き続き警戒が必要というのは変わらないということでよろしいですか。

知事:そうですね。そこ(県民へのお願い)に書いているような意味での、緊急事態宣言対象地域への不要不急の往来の自粛は、やっぱりものすごく大事だと思うし、その下に書いている、そこ(感染が拡大している地域)で飲食をしないというのは、緊急事態宣言の発表よりもはるか前から、これはちょっと危ないということでかなり厳しく言ってきたつもりですが、ごく最近はともかくとして、結構ありました。あんまり聞かれてなかったような気がするので、飲食は和歌山でして、外出はともかくスッと帰ってきてくれたらうつらなかったのではないかというようなケースが、第三波の初期の頃には結構たくさんあったような気がします。

時事:ワクチンについてお伺いしたいのですが、国が国民に対して示してるスケジュールが、いろんな情報が錯綜したり後ずれしたりしている状況です。今、県として、国から、明確なスケジュールやもらえる冷凍庫の数が幾つであるとかは、来ていますか。

知事:来てると思います。私は、幾つかとか来てるかとか、そういう実務的なことをいちいちチェックしているわけではないけど、こういう形でやります、それで今、市町村が実施しないといけないのですが、市町村とどういうやり方をするか、県が相談に応じながら、きちんと仕上げていかないといけないので、昨日も説明を受けましたし、県としては全力を挙げて、それが上手くいくようにしたいと思っています。

時事:冷凍庫が幾つかというのは、はっきり数字があるのですか。

知事:あると思いますけど、ちょっと私は聞いていません。その辺で「うんうん」と言っていますから、後で担当の医務課の人に聞いてください。

時事:一方で、県が担当する医療従事者分の接種ですが、いつ頃に開始できますか。

知事:これも昨日聞いたのですが、後で(担当課に)聞いてください。ちゃんと、何月からこうするとか、ビシッとできてます。何月の何時だというのは暗記してなくて、資料を持ってこなかった。

時事:接種場所や実施医療機関とかも、大体の目途が付いていますか。

知事:目途を付けなければいけないということです。

時事:これからですか。

知事:考え方はともかくとして、付けなければいけないということで、付けようとしています。

時事:和歌山市で、誤送信されて、コロナに感染した414人の個人情報が流出した可能性があるということがありました。このことについて、まず受け止めをお願いします。

知事:これは、個人情報ですから細心の注意をもってやっぱり扱わないといけないので、私も変なことをしゃべらないようにしないといけない。個人情報に関わることで、不必要なことをしゃべらないようにしなければいけないといつも思っていますが、人間は過ちを犯すことがあります。だから、和歌山市の方も、その類いだったのではないかと思います。やっぱり、再発は絶対に防止しなければいけませんが、かといって、元気をなくして、コロナとの戦いを手控えるとか、戦闘能力をなくすとか、意欲をなくすとか、そういうことのないように頑張ってくださいと言うしかないと思います。

時事:コロナに罹ったということが、名前も含め入院先の医療機関とか行動履歴や感染経路も出てしまうということで、聞き取り調査が和歌山モデルの肝でしたが、そこで、正直に言いたくないなという一つの理由になってしまうと思いますが、そこの懸念はありますか。

知事:そうなったら、もう大変なことになります。ミスはあるので、ミスはミスとして、こんなものが普通にまかり通っているわけではないのですから、ちゃんと協力はしてもらわないといけません。

時事:この件は、記者発表するため、コロナの感染データを分析した資料を作るために、どうしても庁内ではできなくて、自宅にデータを持って帰ってということがあったそうです。今日も、和歌山県からすごく詳しいデータが出てきてますが、こういうのを作るために、すごく職員に負担やしわ寄せが行っていることが、和歌山県ではありますか。

知事:それは、そういうのを作ろうと思ったら、多少、時間はかかります。だけど、記者さんの立場に立ったら知りたいでしょうし、県民もやっぱり知りたいです。だから、そこのところの兼ね合いで、やっぱり一番大事なのはコロナの拡大防止を図ることで、記者さんがいくら詳しいことを教えろと言っても、そんなこといちいちやってたら大事なことができませんと言って断ることもありますが、できるならば、ちゃんと資料は整理して、資料を整理したことによって対策も考えられます。そういうこともあるので、やれるならやったらいいと思います。でも、私が知りたいからぜひ教えろという人は多いけど、それはちょっと全部に答えられない。プライバシーに関することなんかは、特に駄目です。

時事:県は、過度な負担にならないように、バランスをとっている。

知事:まあ、そうです。

時事:和歌山市のこの事案は、結局、個人情報の入ったデータを個人の職員のメールアドレスに送ったということですが、和歌山県でも、コロナの個人情報とかを個人メールに送って仕事をすることはありますか。

知事:ないと思いますけど。その分だけ、休日も夜も含めて、残業したりし休日出勤してくれている人がたくさんいます。それから、この問題ではありませんが、自分が早く帰った時に、私も送ってもらうこともあります。こんな問題ではないけど、大したことないようなものはそういうことがありますが、その時はPDFで送ってきてくれて、そのPDFを解除するための暗号はこうですと2回送ってきます。それでパッとやっているので、もうちょっと厳重ですけど。

時事:それは知事に限らず、データを持ち出すときはそうなるのですか。

知事:全員そうなります。だから、自分からすると、面倒だなと。一回暗証番号を覚えても、その都度消えますから、次に開く時に、暗証番号を入れろと言われるので、「ええい、うるさい」とか言いながら、入れたらポッと出てきます。

産経:今、国会で議論をされてる感染症法の話ですが、先週も罰則規定の話は出てきましたが、改めて、罰則規定を設けるのをどう評価するかというのと、和歌山県の場合、全員入院という方針を取っていますが、無症状の人で入院を拒否したケースで、実際に入院拒否に罰則を適用できるのかどうかは、どのような運用になるのですか。

知事:まず、感染している人を隔離するのは、感染症法の大原則です。これが無かったら、全く意味がない。だけど、今はなかなかエンフォースメント(法執行)というのですが、強制的にそれを守らせるような仕組みがない。だから、あくまでも嫌だと言って頑張るような人がいたら、もう対応しきれないという、えらい困ったことになります。その結果、その人だけの問題であればそれはいいかもしれないけど、実はこの問題は、他にうつさないことも大事です。

 二つあって、その人を急激な病状の悪化から防ぐことと、他にうつさないことの二つがある。私はずっと無症状でいるはずだから、入院なんかしたくなくて普通にやる、それはわがままというもので、その人達を入院させて隔離をする。隔離だからどこかに閉じ込めるだけでもいいのかもしれませんが、悪化することもあって、統計的に我々が調査したら、無症状のまま退院する人は4割しかいない。だから、そういう人達を入院させることを、できる限りにおいてはさせる、これは当たり前のことです。無症状の方の話はそういうことなので、(入院)させなければいけない。いけないならば、無症状でもPCR検査で陽性が出たら、それは十分人にうつせるわけですから、守ってもらわないといけない。いけないならば、罰則もやむを得ない。

 こういうことで、私は、法案の原案には100%賛成です。ただ、量刑がどうであるかは別にこだわりません。何年以内とか、何万円とか、それは別にそれぞれの相場を考えたらいい。政府提案の場合は、私も法律を作った時に、量刑は総務省とゴリゴリ議論しましたが、もう徹底的に縦横斜めを調べて、法務省から指導が来ますから、私は分からないけど、相場感はできてるのでしょう。というふうに思います。

 これを、しないでもいいのではないかという人がいるとしたら、感染症をコロナなんていくらうつっても良いんだと言ってるのと同じだと思います。だってその人は本当にうつってるんですから。特措法の方は、そういう(うつりやすい)環境を落とすということだから、本当にその店が発生してるかどうか、発生元になるかどうか、それは確率の問題なので、ちょっと同列には論じられないと思いますが、感染症法の方は、何を文句言ってるんだというふうに思います。

 それから、すぐ、権力の乱用とかそんなことを言うわけです。某新聞もきっと言うと思います。言うと思いますが、権力の乱用的な乱用をしたら、皆さんのような立派なマスコミがきっと叩く。叩かれると大変。だから、権力の行使には、今みんなものすごく慎重になっています。権限があったとしても、権限を行使するかどうかは、その時のやむを得ないかどうかという判断を我々がしてやります。しかも、コロナだけです。だから、針小棒大なことを言わないでくれと。法律の専門家みたいな人が出てきて言っていますが、止めてよというふうに、現場で戦ってる人の身にもなってみろというふうに思いますけど。

産経:実際に、県内で入院拒否のケースもあったかと思いますが、実際に入院拒否があった場合に、どんなリスクが実際にあるのか。

知事:入院拒否で、(県の保健所で)最後まで拒否した人はいないと思います。お願いして、説得して、それでものすごく苦労して、あなたここに入院してくださいと、ちゃんと他県ではうらやむような措置をやっていて、他県だとそれができないでいます。当初は、嫌だ嫌だと言って騒ぐ人が何人かはいました。だけど、そうやったらこうなりますとか一生懸命説得して、その分だけさっきの時事通信さんの話ではないけど、はっきり言うと、たくさんの人的支援を使って、何とか入院していただいたということです。だから、その人たちに対して、そんなことをしたら罰金か何かになりますというようなことは、十分説得材料にはなると思います。

 実際にそうするかどうかは、ちゃんと言うことを聞いてくれれば、やる必要はないんです。片っ端らから捕まえるなんて誰も言ってない。

産経:罰則の量刑については、実効性があるものをしてくれたらということですか。

知事:そこは、私は意見はありません。だけど、何かしらの罰則を否定をするような人は、コロナと戦わなくてもいいというようなタイプの人だと思います。

産経:病床の話もありましたが、全員入院を維持していくことと、病床の兼ね合いとがあると思います。まだ使用率が50%にも達してない状況で仮定の話になりますが、どのぐらいまで続けれるのかという部分についてはいかがですか。

知事:最大400床なので、400床を目一杯使っても、これはあかんと思ったら、次はホテルでしょう。次は自宅でしょう。その都度、別の人手なんかもいっぱいかかってくるし、どういう体制でやるかということで、ただでさえ少ない医師を、例えば、ホテルの担当のところにもちょっと回さないといけない、あるいは看護師さんもそうしなければいけないから、余計大変です。だから、そういう意味では、何とか踏み留まることが大事なので、そのために頑張っています。その順番でやっていくことになって、そういう事態になれば、その時はちょっと行動の変容なんかもお願いせざるを得ないのではないかと、私は思いますけど。

産経:つまり、病床の次はホテル、自宅での療養を積み上げていって、それでも間に合わなかった場合、もしくはそのマンパワーが足りなかった場合は、

知事:もうちょっと手前ではないかな。

産経:そうならない限りは、原則、ずっと全員入院は続けていく。

知事:全員入院は、ぜひ続けたい。これは、感染の防止拡大にも、その本人の命を最大限救うためにも、ぜひ必要です。他のところはやってないとこが多いのですが、別に好き好んでやってないわけではない。できればやりたいけどできないということなので、それを責め立てるのも気の毒だけど、それならば、近隣の県なんかもガンガンやっていますが、キャパを増やしていく努力は、それぞれの地域でどんどんやっとくべきだと思います。

毎日:確保病床のことでお伺いしたいのですが、最大400床の中で、今330床で残り70床と、結構以前よりも迫ってきてるイメージですが、この最大400床というのは、これ以上はもう増やせない。

知事:そんなことはないです。そんなことはないけど、かなり困難ではあるでしょう。一からお願いしますと言って頼んで、今までやってる別のスタイルの病床を、スコッと空けてもらわないといけないので、400床までいくのと、400床を超えるのでは、困難さはもっと違うでしょう。

毎日:少し増やせるかもしれないけど、なかなかここからじゃあさらに100床とかということは難しい。

知事:それは分かりません。

毎日:400床を超えてくると、先ほどおっしゃったように、宿泊療養も考えていかないといけない。

知事:考えないといけないと思います。いろいろ、次々とまた考えていかないといけないわけで、その状況を見ながら舵取りをしていくということでしょう。

毎日:今、330床を確保してる中で、一般病床へのしわ寄せとか、その辺はどうでしょうか。

知事:それはもちろんありますが、その少ないところから、だんだん空けてもらっています。0と言えるはずがない。0というのは、余ってたということだから、そんなことはないので、他のところも、県民の健康のために、当然しわ寄せを甘んじて受けていただいています。そういうことで、感謝をしないといけないと思います。

毎日:それによって、例えば、手術を先延ばしにしないといけないとか、何か直接患者さんに影響が出ている段階ではない。

知事:それは、直接あの人がこうということはないけど、ないはずがない。それはやっぱりあると思いますが、それがもう耐え難いような、ものすごいものだったら困るので、そこは増やす方の困難性がもっと高まってきます。無茶苦茶増やせば、それがものすごく増えていく。今のところ、0であるはずがないけど、何とかちょっとそっちにしわ寄せをして、何とかやり繰りしましょうということで、各病院が甘んじて受けていただいてるというふうに理解してもらいたいと思います。

時事:「Go To トラベル」についてお伺いしたいのですが、知事は、従来、「Go To」犯人説、「Go To」によってコロナ患者が増えたということは、証拠がない、調査していかないといけないと仰ってましたが、先日、京都大学の研究チームが、第二波で「Go To トラベル」が始まったことによって、コロナ感染者が6から7倍増加したという分析結果が出てます。これをもって知事の言ってることに反論とも言えないかもしれませんが、研究の一つということで、どうお考えでしょうか。

知事:まず、読んだこともないので、分かりません。分かりませんが、6倍か7倍増えたというのは、コロナの総数と「Go To」が始まったということの、二つの事象を見てるだけではないかと、直感的に思います。京都大学の誰が調べたのですか。

時事:西浦博教授です。

知事:要するに、医学とか保健医療行政とかを、あんまり分からない人がやった。それは二つの事象を比べたら、「Go To」が始まった時と増えたのと相関関係がありますとか言うのは、馬鹿でもできます。それはしかし、因果関係をちゃんと立証していかないといけないので、その時に何万とあったケースを全部立証するのは難しいけど、少なくとも和歌山県なんかは、ちゃんと感染源を特定していこうという努力をずっとやってきています。それは何も、統計を取るためにやってるわけではなく、犯人説を何とかにするためにやってるわけではない。本当、一人一人の感染を防ぐためにやっています。その結果、たくさんのことが分かるわけです。分かったら、「Go To」と関係ないことは、明らかに分かります。例えば、和歌山県で言うと、「Go To」で言えば、夏の初めは「Go To」の適用対象外で、その時も結構(感染が)流行っていましたが、一番流行ってるところから、ババババッと増えていくはずです。そんなの馬鹿でも分かります。全くありません。それは時事通信さんもよく分かってます。だから、あなた何言ってんのというふうに、若干思いますけど、和歌山県知事なんかが言うよりも、京都大学教授というと、権威があります。時事通信さんは記事にしやすいですね。

時事:それもあって広まったんだと思いますが。

知事:ただ、観光でもないと言ってたのですが、これ観光と違うかなあと思うのが、1件2人あります。だから、観光についても、全くリスクは0ではない。だけど、少なくとも、感染が拡大したことについての観光主犯説、あるいは「Go To」主犯説は、まず根拠を示してから言いなさいというふうに思いますけど。「Go To」をどうするかは別な話です。今流行ってるから、やるかやらないかということまで、私はそんなことを議論してるわけではない。少なくとも、犯人説というのはお止めなさいということです。

時事:一方で、国の第三次補正予算案の中に、「Go Toトラベル」事業も入ってまして、首相もしかるべき時に再開に備えて計上しているということですが、知事も「Go To」をいずれ再開することについては、賛成でいらっしゃいますか。

知事:別にいいと思います。私は、あんまりプロモーションで引っ張るというのは、第一義的にはあんまり評価してない。だけど、現にもう大変苦労してる人が多いから、カンフル剤として別にあってもおかしくはない。実際に、十分効果があったと思います。私は、制限をしないことが経済にとって一番大事なことだというふうに思っていますが、別にカンフル剤も否定はしない。カンフル剤の一つとして、「Go To」があってもいい。ただ、それは、今はちょっとやれないなあという感じはあります。じゃあいつやるかというのは分からない。補正予算に乗せるのは、3月までに全部やってしまうのなら、それはちょっと難しいかもしれないけど、確か私の理解だと繰り延べできます。どのぐらいまでできるか知らないけど、その時に感染が収まってたら、もう1回カンフル剤をかまして、経済を立て直すこともあり得るので、別にそんなに間違ったことをやってるとは私は思いません。ただ、使えない可能性もあります。不要になる可能性もあります。それは可能性です。

時事:別件ですが、濃厚接触者の調査、積極的疫学調査についてです。和歌山県は、徹底して疫学調査をやってると思いますが、やはり、全国的に特に大都市圏で、濃厚接触者の調査が十分に行えないということで、縮小方針を取ろうと決めたところがあります。神奈川県を初め東京都とかでも、やはり重症化リスクの高い人を優先してやっていくという方針を打ち出してますが、これについて受け止めをお願いします。

知事:まあ良いのですが、重症化リスクが高い人に、誰がうつすんですかね。

時事:重症化リスクが高い人だけが。

知事:独立して、重症化リスクの高い人からうつされるとは考えられないでしょう。

時事:国立感染症研究所では、高齢者等の重症化リスクのあるものへ波及し得るところを、優先的に調査しようというふうに言ってます。

知事:そうそう。必ず優先的に調査をしてということを言ってるので、例えば、和歌山県も確認してますが、和歌山県のように全部(調査を)したらいけないかと言ったら、そんなことありませんと。要するに、(全部の調査を)できないから重症化リスクが高いところの周辺なんかを重点的にやったほうがいいですと言って線を決めただけで、やってはいけないと言ってるわけではないし、やらなくてもいいと言ってるわけではない。それで、先ほど言ったように、重症化リスクの高い人は守らないといけませんが、重症化リスクの高い人に誰がうつすんですかということを考えたら、若い人だって感染してる人はうつします。それで、うつったら、重症化リスクが高いんだから、一気に重症化します。だから、もともとの一般的にうつった可能性のある人は、きちんと手当をする。すなわち、隔離をしたり、入院をしたり、自宅待機をしたりして、人にうつさないようにする、これが当たり前です。だけど、それも、余りにも数が多くてできなくなってる。これは同情すべきだと思います。だけど、しないでもいいのと、同情すべきというか責め立てるべきだというのと(は別です)。責め立てるのはちょっと気の毒だと思いますが、やらなくてもいいというのは、また全然次元の違う話で、とんでもないことです。

時事:東京都で言うと、飲食店や一般企業での調査は、そこでの感染は原則として調査しなくていいというふうに決めていますが、これもそういうふうに決めない方がいいという意見ですか。

知事:それは、よく分かりません。そしたら、どうして飲食店は、営業時短をしなければいけないのですかね。そんなところを調べないでいいと言うのだったら、時短しなくていいほうが、もっとリスクが少ない。あそこでうつってるのではないの、あそこが感染源になってるのではないかと思ったら、ちゃんと調査しにいくべきです。だけど、そう思わないところにまで行く必要はない。

 それから、これは保健所が大変なんです。和歌山県も、本当は大変です。大変で頑張ってくれていますが、数がまだ今のところの状態だから頑張れる。だけど、それがもっと増えてきたら、今の現有勢力では頑張れないかもしれない。そうすると、保健所が全部代替できないような人たちだけでできているかというと、そうでもない。我々、普段だったら、保健所にかかってくる電話は保健所で聞きますが、この時期だからガーンとくるので、全部電話なんてのは本庁に飛ばしています。というような話が、和歌山県で言えばもういっぱいあります。そういうことを、まずやってご覧なさいというふうに僕は思いますけど。

 我々で調べたら、保健所の機能の中で、コアな部分、コアな部分という定義をしますと、専門的知識がいって、または及び、公権力の行使に当たる部分は、保健所の人がやらないといけないと思います。だけど、残りの部分について、ヒアリングとか、輸送とか、移送とかは、どんどん委託できると思います。民間にすら委託できると思うし、その前としては、県庁や区役所の一般的な仕事をしてる人たちが、ここが一大事だと言ってバーッと助けに行くのは当然ではないですか、と私は思いますけど。だから、今、ある保健所の人が困っていて大変な状況にあるのは、責め立てるのは間違ってると思いますけど、しないでもいいというのは無茶苦茶です。

 新聞の方や通信社の方に、仕事がいっぱいなので、もうお前は記事を追わなくてもいいと言うのと同じです。それが追える限りにおいて追ったらいいわけです。それ以上追えませんと言うのは当然です。だから、追える限りにおいて、忙しいので、じゃあお前はもう記事を書かなくてもいいと言ったら、それはおかしいでしょうということになります。

読売:1月13日の定例会見の際にも、感染状況のステージの発表をいただきまして、その際は、ステージ3に近いけれどまだ2ということでしたが、今日はもう3に上がったということで。

知事:どこが。

読売:ステージです。感染状況が県全体として。

知事:県全体としてどこの。いくつか項目あるではないですか。

読売:(資料の)一番上に書いているのは、本県の直近の感染状況は、国の基準で見てみると、医療提供体制等の負荷の状況からステージ3の状態にあるとありますが。

知事:全体で。そうですね、赤が多いから。赤が多数までいってないけど、この中で、半分近くになっています。そういうことで、一言でいうとステージ3だなあという、24日時点ではそんな感じがするということです。

読売:これは、11日の段階ではまだステージ2だったと思いますが、いつの段階でステージを引き上げたとかは言えるのですか。

知事:いやいや、毎日毎日。これがちょっと減ってくると、また3に近いけどまた2に戻りましたとかになるので、一般的な総括だというふうにお考えください。

読売:知事としては、特にステージの2から3に上がったので、危機感を急に上げているとかは。

知事:急に上げることはありません。ずっと危機感はあります。ただ、危機感があるからといって騒ぎ立てるのも意味がないし、今までやってきたことを、頑張り通すことが大事だと思います。

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