知事記者会見 令和3年1月19日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年1月19日 知事記者会見

令和3年1月19日 記者会見室 

株式会社スマサポ 及び 株式会社HACARUS(ハカルス)が白浜町に新オフィスを開設します

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 今日は、発表は一つで、白浜に、建物自体を助成して作ってもらった「ANCHOR(アンカー)」がありますが、そこにまた二つの企業が入所しましたことを、発表させていただきます。

 お手元の資料にありますが、東京に本社があるスマサポという会社と、京都に本社があるHACARUS(ハカルス)という会社が、それぞれサテライトオフィスを置いてくれることになりました。

 スマサポは、不動産とIT技術を融合させたSMARTなくらしというのを標榜していて、入居者にいろいろなサービスを、ITを使ってやるというような事業をやっているようです。

 HACARUSは、AIを使って、産業分野の不良品とか、あるいは医療分野の診断支援をやる会社で、なかなか将来楽しみというような会社です。

 今回は、いつも知事室に来ていただいて調印式をやるのですが、たまたま相手側の企業は東京と京都なので、もうこの際、形式は止めようということで、調印式を行いません。本日付で発表です。

 以上です。

質問と回答

紀伊民報:今回の企業進出に対する受け止めと、コロナ禍で進出を決めた企業があったことについてのお考えをお願いします。

知事:まず、予想通りで、ANCHORはすぐいっぱいになると思っていましたが、コロナがあって、みんななかなか投資をするのも大変な中で、また二つ決まったので、良かったというふうに思っています。これが感想です。

 コロナとの関係で言うと、良いところも悪いところもあります。良いところは、東京にみんな集まって一極集中し過ぎると、(コロナが)うつりやすいわけだし、事業を円滑に進めるのは、少しリスクがあります。それは会社も分かってると思うので、そういう意味では、あちこち便利なところに別のオフィスを作っておくのは、一つの流れになるはずで、流れに沿った良いところです。悪いところは、いろんな意味で、コロナで業績がそんなに上がるはずがない。もちろん、中には、それが上手く作用して業績が上がってる会社もありますが、全体的な経済の調子が悪くなっています。業績があんまり上がってない中で、先を見て選んでいただいたことはありがたく、コロナにも関わらず決めてもらった。なので、コロナだから、こういうことも加速されるのと、コロナにも関わらず決めてもらったと、この両面あると思います。

紀伊民報:もともと施設に7室あって、今4室が埋まっていると思いますが、今後の進出の見込みはいかがですか。

知事:そのうち埋まると思います。

紀伊民報:今のところ、具体的な話は、特にありませんか。

知事:有るような無いようなですが、そんなことを言うわけにはいかないので、また決まったら発表します。経済の調子にもよりますが、どんどん他にも作ってもらったら、どんどん入るのではないかと思っています。そういうところにも、働きかけをしていきたいと思います。

紀伊民報:働きかけというのは、新たなオフィスですか。

知事:不動産系です。貸し不動産を提供しようという能力と意欲があるところにも、働きかけをしていきたいと思います。

朝日:発表事項とずれますが、コロナに関して、県内は高止まりが続いている状態だと思いますが、知事の受け止めを伺えますか。

知事:本当に高止まりで減らない。保健医療行政は最善を尽くして頑張っています。本当に労力が要って大変で、そこで頑張っていますから、囲い込みが成功して収まってくるといいと思いますが、なかなか収まりません。ちょっと減ったと思ったらまた増えたりで、しばらくはギリギリのところの戦いが続くということでしょう。

朝日:急激な上昇はせず、県としても追えてはいるけど、なかなか厳しいという認識ですか。

知事:追うのを怠ると、若干、どこかの県は、そんなことはもうしないと言った県がありますが、それは絶対爆発します。だって、ウイルスはいっぱいあるわけです。しかも、全員ウイルスを持っているなら同じですが、そういうわけではない。だから、ウイルスを持っている人の方が少ないわけですから、それは追わないといけない。追うのも大変だけど、必死になって頑張っています。特に、今、和歌山市が大変なので、あちこちから和歌山市に応援を出しています。県からも出し始めたし、看護協会の方も行っていただいてるし、和歌山市の保健師も投入されているし、一般的な職員も投入されていると思います。そうやって、大変なところに、上手く人を応援に出して何とか支えるのは、トップの仕事です。それがちゃんと全国でできてるのかと思いますが、和歌山県はそれを一生懸命やっています。

朝日:昨晩、静岡県で新型コロナウイルスの変異したウイルスが見つかったと発表がありましたが、その受け止めと、対応が何か変わるか変わらないかは。

知事:それは変わるはずがない。静岡県で頑張ってそこを抑え込んで欲しいと思います。それしかないです。

 変異株かどうか分かりませんが、冬になってからうつりやすい感じがします。第一波や第二波の初めの頃は、家族と一緒に過ごしていても、うつってる人ももちろん居ますが、家族でうつってないことが多かった。(最近は、)ほとんどうつってますから、数は増えます。なんかうつりやすい感じがするのは、病理学的な知見はないので、結果としての感覚しかありませんが、鳥取県の平井知事なんかは、和歌山よりもっと抑え込んでいますが、「うつりやすい」といって嘆息してました。同じように苦労しています。

NHK:大阪、京都、兵庫に緊急事態宣言が出されて明日で1週間です。今の時点の段階を、知事はどのように見ておられますか。

知事:和歌山も大変ですが、その3府県及び他県もみんな大変だと思います。緊急事態宣言をするのは、本当はあんまり意味がなくて、本当は緊急事態措置を激しくやるというところだと思います。ちゃんとそれをやり易くするということなので、緊急事態措置を激しくやれば、それぞれの住民の生活、あるいは所得や経済が、その分だけ破壊されていくわけですから、そういう意味では、辛い思いをして緊急事態宣言をしている、特に我が同胞の、大阪、兵庫、京都とか、みんな一生懸命、苦痛に耐えながらやっているということで、声援はしたいと思います。やることが本当に限られていて、本当にとにかく頑張ってくださいと言うしかない。その3府県に関しては全力で頑張っているので、とにかくちょっと心配しながら見守りたいというふうに思います。

 和歌山県は、例えば、その3府県から、絶対に人は来てはいけませんとは言いません。たくさんの人たちは、やっぱり往来しています。今、遊びの人は少ないと思いますが、大体は仕事で(往来)しているので、それを破壊するのはいけないし、一生懸命頑張っている。そういう府県の方にも悪いと思うのでやりませんが、逆に言うと、今だからではなく、感染リスクはずっとあるので、注意をしながらやっていこうではないかというふうに、和歌山県としては思います。住民に対してそういうふうに言いたいと思います。今のところ、(感染は)高止まりしてるけど、保健医療行政で頑張っているので、この間からずっと申し上げているような、最低限のことしか言っておりませんが、それだけは最低限ですから守って欲しいというふうに思います。

 特に、昨日、分かったのですが、明らかに罹っていると思われるケースで、なかなかお医者さんに行かなかったというか、お医者さんに行っても、たまたま陰性的所見だったとかがあるので、やっぱりもっと早くお医者さんに行って欲しいのと、お医者さんにはコロナを疑って欲しいと思います。体制はできてるので、早く見つけて、多くの人にうつさないうちに、しばらくの間だけ病院に入ってくださいということで、抑えていきたいと思います。だから、ちょっと異常かなと思ったら、すぐに電話をしてクリニック(へ行く)、クリニックも、「あれっ」と思ったらすぐ検査と、こういうことでお願いしたいと思います。

NHK:先ほどのお答えと重複するかもしれませんが、これから県民に向けて、コロナに対しての心構えというかメッセージをお願いできますか。

知事:コロナをシャットダウンするのは、なかなか難しくなっています。もっとやろうと思ったら、すべてを犠牲にしてやることはできますが、その時は、別の経路でもっと多くの亡くなる人が出てくるというふうに思います。ですから、全体の県民生活を守るためには、私は自分の部下が中心ですから本当に苦痛だけど、保健医療行政で何とか食い止めて、県民生活は注意をしながら続けていただくというふうにやるのが、一番ではないかと思います。思うのでそうしていますが、これがもっと大爆発が起こって、とてもじゃないけど行政では無理です、保健医療行政では無理ですとなると、他の地域みたいに、もっと行動の自粛をしてもらわないといけないかもしれない。そうなったらとんでもないことになるので、ぜひ、最低限の注意だけはしていますから、それだけは守って欲しいというふうに思います。

NHK:行動の自粛という判断に至る時というのは、どういう時でしょうか。

知事:それは、保健医療行政だけでは食い止められないということを判断した時です。そのチェックポイントがいっぱいありますが、チェックポイント1個超えたら自動的に(決める)という、そんな生易しいものではないので、その時に私が判断します。

時事:昨日、国で通常国会が召集され、首相が施政方針演説を行いました。国会に提出されたのが、来年度の予算は過去最高の106兆超えで、コロナ対策で19兆円という、非常に大きな予算が提出されましたが、国の対応をどのようにご覧になっていますか。

知事:まず、今こういう事態だから、財政も大変だけど、どうしても大きくなってしまう。それを躊躇なくと言ったら分かりませんが、結果として、あえて踏み切られた、コロナ対策にたくさんのものを投入された政府は、評価すべきだと思います。

時事:県としても、国に求めていた必要なコロナ対策には、十分な額が来てるという認識ですか。

知事:それがどう配分されるかは分かりませんが、ちゃんと国も考えてくれてると思います。

さらに、私がずっと言っていた、感染症法の改正を本格的にやってくれそうなので、これは大変いいことだと思います。私は、ずっと、特措法より感染症の方が大事だというふうに言って参りました。

 一つには、和歌山県は、最終の防御ラインを保健医療行政でやろうとしていますから、それを個人の意向で突破されたら、全体が破滅してしまうので、ここはもういろいろ批判をしないで、本当にそれに協力して欲しいということだと思います。

 いろんなことを言う人はいますが、実際、感染症法は、罹ってる人と、罹りそうな人しか相手にしない。罹っている人は陽性者だし、罹りそうな人は濃厚接触者です。その人たちしか相手にしないので、その人には協力してもらわないと、他のものすごい多くの人にあっという間にうつります。だから、私は嫌だとか言わないで、ちゃんと協力してもらうような制度、最悪の場合を考えると、協力しないといって頑張る、自分の意思だ、自由だ、と言うことを許さないということは、ちゃんと制度的に担保しておいた方がいいと思います。

 特措法(の改正)は、やったらいいと思います。私は賛成ですが、感染症法ほど熱心ではありません。なぜかというと、(特措法は、)うつりそうな、あるいはうつりやすそうなところに対して働きかける。そこで営業していてうつるとは限らない。感染症法はもううつっている人が対象です。うつってる人と、濃厚接触したのが分かってたら、ちゃんとキツくてもいいから、とにかくきちんとやらないといけない。きちんとやったらすぐ治る場合が多いし、治ると退院は結構早いので、とにかくしばらくは協力してもらう。それをしない人には、罰則もいいのではないかと私は思います。いろんな批判をする人もいますが、それじゃうつってもいいのかと言いたい。

時事:感染症法の罰則ですが、入院拒否で100万円以下、虚偽回答や調査の拒否で50万円以下と、結構厳しい感じがしますが、これについても妥当だと。

知事:金額は、あんまり多いとナンセンスになってきますが、ちゃんとした多さだと、いいのではないですか。

時事:和歌山県内ではあまり起こってないのですが、大都市を中心に、入院させるか、自宅療養させるか、ホテル療養させるかを、判断するまで待っていてくださいと言って調査中で待っている人たちが、結構急に悪くなって、亡くなったりしてるケースが相次いでいます。知事として、これはどういうところに問題があって、どういうふうに解決していったら良いと思いますか。

知事:まず、入院調整をしなければいけないのは行政です。もっと言えば、都道府県庁で、それを保健所を通じてやります。そういうところがやらなければいけないので、そんなことが起こったら、それは全部、都道府県庁の責任です。だけど、責任だからといって、批判するとか非難するだけで済む話でもない。というのは、一生懸命やっているけど、どうしても力が及ばなかったというのはある。だから、道義的に責任を追及するのは間違っていると思いますが、形式的には少なくとも責任です。そうすると、責任を果たすためにどうしたらいいかは二つあって、ベター論ですが、必死になって病院を増やす、あるいは施設を増やす。今、人出はズンッと減っていますから、流行ってないホテルに、「全部お願い」と言って、徹底的にそういうことを多くして、それで、血中酸素を測る装置を全部つけてみんなを見張っている。ひょっとしたら、この間ある人が言っていましたが、体育館を全部借りて、軽症者とか無症状者は、そこへ入っておいてもらったらいいのではないか。悪化してきたら、すぐにそこから本格的な病院に移るような体制を作るのも一つではないかと。いろんなやり方が考えられるので、もし和歌山でそうなってきたら当然私が考えますが、そこを考えるのも、それぞれの都道府県知事の、正に力の見せところだと思います。それを何もしてないというのはおかしい。

 それから、保健所は大変ですが、保健所は、例えば、ICUをやっている医療関係者とは大分違います。つまり、保健所の中に、普通の行政官でも事務官でもできるような仕事もあるし、ICUの看護師さんというわけではないけど、ある程度医学的な知識がないとちょっとまずいような仕事をしている人もいる。その仕事の局面もあるわけで、専門的な知識のところに、ど素人の事務系職員を投入したらめちゃくちゃになるけど、周りを分業しながら、どんどん他の人で代替していって、コアのところだけ保健所の専門的な人たちがやるようなことを考えるのは、行政の責任だと思います。

 和歌山県はそれほどめちゃくちゃではないけど、それはやっています。例えば、苦情処理は、保健所はしなくてもよくて、全部専用ダイヤルに「おいで、おいで」と。それからCOCOA(ココア)は、政府がちょっとやってみて良いような悪いようなですが、これも、COCOAで接触して心配だというのを、保健所にガンガンされたらたまったものではないから、COCOAの専用ダイヤルを作って、そっちへ行ってくださいという話をしている。それから、今忙しくなっている保健所には、他のところから応援団を出す。応援団は、別の仕事をしている保健師を動員したり、看護協会の退役看護師さんに無理を言って来てもらって助けてもらってる。それも、ICUをやってくださいと言ったらそれはできないけど、保健所の中で医学的知識を活かしながら助けるのはできないことはない。そんなことを総動員して対応していくのが当然で、それでも大変だと思います。それでもあんまり非難してはいけないけど、やらんでもよろしいと言ったら、もう終わりです。

時事:その上で、和歌山県が今やっている、軽症・無症状者を全員入院というのは、大事なことで続けていく。

知事:それは、続けられる限りは続けます。続けられる限り続けられるように、例えば、病院がこれ以上は無理だと言ったら、他のところを用意するとかを、その都度考えていくのが行政の責任だと思います。それをしないで、大変だからもうやらないでよろしいというのは、とんでもない話だと思います。爆発して、日本はヨーロッパと同じになる。

時事:今おっしゃられたような、最大限のことをすれば、今よりは調整中で亡くなったりする人は、ぐっと減ると思いますか。

知事:思いますけどね。だから、気の毒です。和歌山県は、何度も発表していますが、そうなるから、全員入院というのをずっと言っています。ちょっと前の夏ぐらいまでのデータを見てみたら、無症状で全員入院で、割合和歌山県は発見が早いので、さっさと入院してもらうのですが、6割ぐらいの人は後で発症している。そのうちの2割ぐらいは重症化して、1人は死んでしまいました。そういうことがありますから、症状がないと言っていても、大変だとなったら、すぐ緊急の処置ができるような体制にしておかないと、人は死にます。一部の人で、急激に悪くなる人もいる。

時事:ワクチン接種についてお伺いします。国のスケジュールでは、2月下旬には医療従事者への接種を開始するということで、医療従事者の接種は都道府県がやることになっていて、準備を進められているかと思います。これは、国の示したスケジュール通りに、最速でできるように準備は進んでいますか。

知事:進めるようにしたいと思います。これも、ドタバタの中で必死になってやっているから、最善を尽くして、そういうふうにしたいということしか言えません。

時事:他の都道府県や、県内の市町村でもいくつかできていますが、ワクチンを進めるための専用の部署やチームを作ったりしています。和歌山県では、現状、医務課や健康推進課が役割分担しながらやっている状態ですが、これはこのままでしょうか。

知事:一番専門的な人たちがやらないといけないので、そうでしょう。ただ、健康推進課の部隊は、今、コロナの司令塔なので、ものすごく大変です。事務系ですが、私の随行秘書なども1人応援に出していますし、政策審議課から(も出して)とかをしていますが、それでも大変です。だから、ワクチン接種の体制も、そこへボンと押し付けるのではなくて、全体として、福祉保健部長が体制を今一生懸命考えてます。可能であれば、福祉保健部の中で少しエクスパティーズ(専門知識)のある人が中心になってやったらいいと思いますが、人手が足りないことになったら、全庁的に対応します。

時事:その体制づくりも含め、今進めているということですか。

知事:そうです。そんなに、皆さんに、格好をつけて誇れるようなものができるかどうか分かりません。例えば、第一波の時に支援をした時も、専門のチームが密かにできていたのは、知ってますか。ちゃんと別室で必死になってやっていました。それは、商工観光労働部の人たちがみんな集まってやっていて、せいぜいそのぐらいかなと思います。

紀伊民報:先ほど、緊急事態宣言地域の大阪、京都、兵庫から、絶対に来ないでとは言いませんとおっしゃったと思いますが、例えば、旅行とか不要不急のものも含めてという認識でよろしいですか。

知事:今、旅行に来る余裕はないと思います。もちろん、症状のあるような人や、感染の恐れのある人には来てもらったら困るので、それは、ちゃんとそれぞれのところがチェックをされたらいいと思いますが、全部シャットアウトする必要は、必ずしもないのではないかと思います。

 現に、実は、その系統から全然出てない。ひょっとしたら紀北で、これは観光客がうつしたかなというのがちょっとあり、厳密には言いませんけど、「Go To」は少なくともないし、観光でうつったなというのは、ほとんど無いと思います。もしあったら、一番大爆発しているのは、田辺や白浜あるいは勝浦になりますが、それは皆さんご承知のような事態になっていて、それ以上のことを、過剰に言う必要はないのではないかというふうに、今のところ思っています。これも状況によるので、状況を見ながら、また判断していきます。

朝日:別件になりますが、16日の土曜日に、和歌山県主催で、同性パートナーシップ、男性と男性、女性と女性のカップルに、異性愛者いわゆる婚姻届と同様の関係であることを証明する制度に関する勉強会が、県主催でありましたが、県として同性パートナーシップについての考え方を伺えますか。

知事:私は、制度の点では、そんなに、制度を作ってというのを、あんまり熱心に推進したいとは思っていないのですが、差別をしてはいけないのは明らかで、そういう意味では、そういう人がいらっしゃって、懸命に生きようとしているのは、応援して差し上げたいと思います。

朝日:制度としてというよりも、啓発や相談体制を整えるのが先と言うことですか。

知事:そうです。まず、マイナスの方で、そういう人を異端視したり差別したりするのはいけませんというのが、一番大事なメッセージではないですか。それぞれみんな生きる生き方があるから、それをみんな尊重していきましょうということではないでしょうか。

朝日:その点で、和歌山県に関することで言うと、県営住宅の入居で同性カップルが認められていないことがあって、婚姻関係を証明するものや、事実婚関係にあっても、住民票とで、未婚の妻、未婚の夫というのがないと入れないというのがありますが、その点についてはいかがですか。

知事:まだ、そういうようなところが、たくさんあるかもしれません。だから、すべて検討ではないでしょうか。

朝日:どういう問題があるかも含めてということですか。

知事:今、そういう指摘をされたから、それをどうしようか考える。こんなところで、こう(問題が)あるからどうしようかと考える。一個一個、対応していくということではないですか。

 ただ、制度は悪用がある。そういう点でも、副作用、悪用が起こらないかどうかを、行政としては、やや考えなければいけないところもあるので、全体としてどう判断するかの検討を、一個一個していくということではないですか。

朝日:悪用、副作用というのは。

知事:例えば、私たち同性ですと言って、住居費を浮かすために、一緒に住みます、広いところが良いので、というふうに言っておこうとなったら困ります。そういうことがないとは思うけど、行政はそんなようなことも考えなければいけないのでないか、「大丈夫かな」「大丈夫ですよ」という、そんなことで判断していく。

朝日:同性だからということで一緒に住んでいるというのは、異性間でも変わらないのではないですか。

知事:同じです。だから、婚姻届とかを要求したりしていた。その時に、勝手に住居費を浮かすため、あるいは県営住宅に安く入るために、とりあえず仲良しということにしとこうというようなことは、異性でもある。だから、そういうことがないように、婚姻届が要ります。婚姻してなかったら、普通の男女関係と認めないのかとかの話など、いろいろ出てくるので、その都度、こうやったらこうなるかとかを考えながら、制度というのは考えていきます。

朝日:どういう問題があるか、どういう課題が当事者にとってあるかとか、その影響も踏まえながら、一つ一つやりながらということですか。

知事:今のような話で、真剣な同性愛者がいて、入りたいという場合は、入れて差し上げたいと私は思いますけど。

産経:コロナの関係で、大阪の重症化センターに看護師さんを派遣していましたが、派遣期間が終わっていると思います。再派遣の考えとか、延長とか、その辺りの考え方はいかがでしょうか。

知事:それは、大阪府が考えることです。期限が来て帰ってきてる人がいますが、大阪府からは、もっと居て欲しいとか、もっと出してとかは、今のところきていない。こっちも大変なので、今のところそんな状態です。

産経:特に、大阪から再要請みたいなものは無いのですか。

知事:少なくとも、私のところへは上がってきていません。

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