知事記者会見 令和2年9月1日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和2年9月1日 知事記者会見

令和2年9月1日 記者会見室 

和歌山県は県内下水道事業実施の23市町と合同で下水道管路施設災害支援協定を締結します

PDF形式を開きます資料1(PDF形式 82キロバイト)

 皆さんおはようございます。今日は発表事項が四つございますが、第一は、和歌山県の下水道施設が壊れた時に、下水道管路管理業協会というのが、全国団体としてありまして、そこに多くの管路事業者が結集してますが、和歌山県は、この協会に入っている業者さんが一社しかいない。そこで、県下の23市町と一緒に、この協会と協力協定を結んで、いざとなったら、例えば、地震とか水害とか、あるいはそんなことなくても、このあいだみたいに穴が空くということもありますから、そういう時に助けてくれと言ったら、助けてくれる(下線部については、本協定は、地震・大雨等の自然災害により被災した下水道管路施設が対象であり、誤りです)。こういうふうな、協定を結びました。

 全国で11件目だそうでございます。それが第一点でございます。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止について

PDF形式を開きます資料2(PDF形式 251キロバイト)

 それから第二点は、コロナ関係でございますが、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止について」という、この地味な記者発表の紙があります。これで見ていただきますと、従来から何回かに分けて、県は事業者の視察に行ってます。事業者の監視というか事業者の監督というか、事業者がちゃんとガイドラインを守ってもらってるかということを見て回ってるんですが、その結果を、改めて発表させていただきます。

 前回は8月4日で、今度は9月1日ということで、まだ100点でなかったところを中心にして、何度も行かしてもらいたいということにしております。総評は、前回よりもさらにガイドラインの遵守は進んでいるというふうに思います。前回、ちょっと今一ですねというふうに言って、ご注意申し上げたところなんかで、改善されてるところが結構たくさんあるということでした。

 ただ今回は、特に商業施設で、休業要請対象ではないようなところも随分たくさんやりました。その結果、ちょっとガイドラインをあんまり遵守してない。ガイドラインがきつ過ぎるのかもしれませんが、ガイドラインを自分で決めて発表してもらってるんですけど、それとの関係でいうと、今一だなあというところがたくさん発見されました。

 例えば、コンビニエンスストアとかドラッグストアとかは、遵守率が結構低いわけです。これはどういうことかと言っていろいろ調べてみますと、別にいい加減というわけでは必ずしもないんですけれども、ガイドラインの中に、店の中がいっぱいになってきたら、表で待ってもらうというのがあるわけです。大勢の人を中に入れない。そのところが、今一というか、ちゃんとやってない。だから、お客さんがワーッと来たらワーッと入ってしまうということがあって、ここのところの点が低くなっています。ドラッグストアも同じような状態で、この辺はガイドラインとの関係で、やっぱりちゃんと守ってもらったほうが良いのではないですかというような、注意を申し上げております。

 ただ、コンビニなんかは、あんまり働いてる人が少ないから、どんなふうにしてこのガイドラインを、自分で決めたわけで県が無理矢理やれと言ったわけではないんですが、どうやって守ったら良いのかというのがあって、コンビニのブランドを持ってる統括会社にもちゃんと問題提起をしておけという話をしています。それからもう一つは、発熱などがある人はご遠慮くださいというアナウンスを時々してもらうことになってるんですが、それが無いとか、掲示が無いとか、そのようなこともありました。

 もう一つ成績の悪いグループは、博物館のグループです。これは、休業要請というよりも自主的に止めたようなところがあるんですが、これで共通して問題だと思ったのは、職員の検温をしていない。例えば、県庁なんかでも、症状があるのに使命感から来てもらって周りにうつしてしまったら、後で大変なことになります。そういう意味で、博物館は、お客さんも来るわけですから、職員自体がやっぱり気を付けなければいけないということで、職員の検温をしてないとこが多かったんで、点が悪いということです。それはちゃんとやってくださいという話をしてるんで、この辺は割とすぐ100点になるのではないかというふうに思っています。

 飲食店、喫茶店、居酒屋等というところはたくさんあるんで、これ悉皆ということは出来ませんけども、このぐらいの成績でした。これも100点の方が良いんですけど、総じて言うと、割と守ってくれてるとは思うんですけど、やっぱり守ってくれてないところで現に発生してるんで、注意してくださいということをずっと注意して回ってます。 そういうことが分かりました。

 その中で、これは私たちの発表というよりも、ライブハウスは、我々の調査でも100点になっておるんですが、全部で11社の方々が、自分たちでちゃんとやろうではないかということで、自分たちもお互いに監視もし合いながら、きっちりやってるところは、こういう表示(資料2枚目のシール)を自分たちで表示をして、お客さんに安全に楽しんでもらおうという努力をしている。非常に良いことだと思います。この間、旅館、ホテルがそういうこともやられましたけど、ああいうことの2番目になりますけど、評価したいと思っています。

田辺市・白浜町・上富田町にお住まいの皆様へのお願い(自粛要請の解除)

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 それから、最近ちょっと感染も減ってきました。全国的にもちょっと減ってきたんですけど、和歌山は急速に落ち着きを取り戻しつつあります。特に、田辺、白浜、上富田については、正直言ってちょっと危機感を持ってたんです。そこで、次の発表になりますが、資料のオレンジの枠の下の方に書いてるように、8月18日に、この地域限定で、市民の皆さんに、カラオケに行かないでください、それから、夜遅くまで長時間の飲食を控えてくださいという、ちょっと他の地域に言ってないようなことを言いました。それはなぜかというと、特に飲食店系で集団感染が出たことが明らかで、ひょっとしたらまだ捕捉していない陽性患者さんが、カラオケのファンとかで、そういうところにいっぱい居るのではないかというふうに思って、(陽性患者が)まあいいやといって、その方々が今度は別のカラオケ店に行ってまた(カラオケを)やると、そこでまた再生産される。それから、夜遅くまで飲んでるということでうつったという可能性もあるということで、ちょっとこの辺はブレーキを踏もうということで、やらせてもらいました。結果、このグループでは、8月21日に検体採取した人が最後の陽性患者です。従って、そこから2週間経ってるんで、9月4日、朝の9時から、この特別のお願いは解除します。もう言いません。ですから、カラオケをしないようにとも言いませんし、夜遅くまでの飲食をしないようにということも言いませんが、奨励してるわけでありません。カラオケはともかくとして、夜遅くまでの飲食を奨励してるわけではないんで、そういうことは、一般的な注意をして欲しい。安全な外出、安全な生活、安全な営業ということです。

 そこで、皆さんのお手元に配っておるような、一般的な8カ条のお願いは継続ですので、この3市町の方もこれだけは守って欲しい。改めて読みませんけど、これだけは守ってやって欲しいということでございます。逆に言うとこれだけで良いということです。

新型コロナウイルス感染症に対する今後の取り組み

PDF形式を開きます資料4(PDF形式 78キロバイト)

 そういうことなんですが、最後のところで、新型コロナウイルス感染症に対する今後の取り組みということを発表させてもらいます。

 これは、今、感染症がちょっと下火になり、入院患者はどんどん減りますから、現時点で7人です。随分減って、何となくちょっとほっとしてるということですが、福祉保健部技監のチーム、それから、和歌山県中の保健所、それに協力している県や一部市町村の職員なんかが、必死で対応している。その前提で減ってきてるというふうにお考えいただきたいと思います。

 さらに、今は7人ですけど、ちょっとハンドルミスをしたりすると、バーンと増える。バーンと増えるのが幾つかバンバンバーンといくと、一時50人ぐらいまでいきましたけど、たくさん増える可能性は、今後もあります。

 従って、検査体制の拡充とか、保健所体制の整備とか、医療提供体制の確保とか、その他とか、和歌山県は割と優等生だと思うんだけど、さらに強化しといたほうが良いということで、次のようなことをやらしてもらいつつありますということを発表します。

 まず、検査体制の拡充なんですけれども、行政検査の充実ということで、県は今60検体、調べれることになってます。60検体というけど、実は、大変なことになったら、何度も繰り返しやってくれてるんで、これで終わりというわけではないんですけど、一応、残業とか徹夜とかを前提にして計算するのはおかしいんで、要するに、これだけの装置がありますというのを、100にしますということであります。

 その次は、和歌山県特有の工夫で、和歌山県が考えて、良かれと思って体制を敷いてる、和歌山県特有の鉄壁の体制なんですけど、こいつを拡充します。何かと言うと、現在、10病院に時間短縮型PCR検査機器を導入してるわけです。それで、(よく)30分と言っていたんですが間違いで、70分でパッと分かる。これは、何のために入れてるかというと、いくつかの複合目的がありますが、第一義的には、院内感染を防止するためです。まず、救急患者なんかを同時に受け入れてくれている立派な病院が多いわけです。そういうところに、たまたまコロナの患者さんが、まだ見つかっていない状態で入ってきたと考える。そうすると、その人は別の症状で当然入ってくるわけですから、熱があるかないか、ある人が多いだろうけど、例えば、昔あった例でいうと、脳梗塞を起こしているので緊急手術をしなければいけない、あるいは複雑骨折で早く外科手術をせないかん、こういうようなことがあるし、あるいはなんか(の理由で)入院してもらおうという時に、この人がコロナと違うかということを、ちゃんと調べられないといかんわけです。普通のスタイルでモタモタしてると、その人が死んでしまったりするから、さっさとやらないといけないんですけど、院内感染も怖い。従って、(患者が)入ってきてこれはちょっと調べようということであれば、その人のPCR検査をすぐ採ってもらって、70分で結論が出ますから、それで、陽性だったら陽性者の扱いをするし、陰性だったら陰性の人の扱いをすればいいということで、そこで分けられる。これを第一義的な目的として、今ちょっと我々にとって一番コロナ対策で頼りにしそうな10病院に、全部入れてるわけです。そういうところをもうちょっと増やそうということで、16病院にいたします。

 さらに、これからインフルエンザの季節になってきます。だから、コロナだけ調べられるよりも、インフルエンザとか何でも分かってしまうというような機器があった方が良いんで、それを2病院に設置する予定であります。

 もう一つは、抗原検査という方式があります。確実性からするとちょっと悪いんですけど、この人がコロナに感染してるかどうかというのがパッと分かるというか、簡単に調べるという抗原検査があります。これを、今も随分と入ってるんですけど、全県の診療所とかに、どんどん入れてもらおうということで、抗原の簡易キット、例えば、今までで言えばこの(資料の)右の方にありますけど、レントゲンを撮って肺炎だから保健所に行って調べてもらう。こういうことでやってきましたが、そんなに重いかなあ、ちょっと調べてみようと言って抗原検査で調べるということも出来ます。大体、これは民間に出すんですかね、クリニックから民間に出して、

技監:自分の診療所で出来ます。

知事:自分の診療所で出来るんだって、ごめんなさい。診療所で出来て、陽性と分かったら、これちょっと不確実なんですけど、大変だと言って保健所に言ってもらう。こういうことになります。

 それから、保健所体制の整備で、大流行してる大都市なんかはこれが大変だといってヒーヒー言ってるわけで、和歌山県もそれは大変なんですけど、出来るだけ保健所の人たちを守るように工夫してます。保健所職員は、保健所職員でないと出来ない仕事、疫学調査とか、感染者等の健康観察とか、入院の世話とかは、プロであるこの人たちでないと出来ないんだけど、例えば、周辺の調査に行くとか、あなたどこへ行ってましたかとかについては、助けることが出来る。従って、振興局の他の部局の職員とか、主力部隊でない人たちに、いろいろお願いをしてる。また、もうずっとですけど、電話相談の受け皿を本庁に置いていて、今はもう委託してるんですけど、そういう人たちにやってもらって、保健所に何でもかんでも集中させないようにする。テレビの画像なんかでよく出てきますけど、あれ、よくあんな状態で放っておいて、行政の親分、私に匹敵するような人が平気だなというふうに思いますし、テレビでそういうことをやったらどうだというような、ちょっとぐらいNHKなんかが言ってあげたら良いのではないかというふうに思います。この間、田辺保健所が大変な目に遭いました。たくさんの人が検査をしなければいけないということでしたが、他のところの人たちを、ワーッと応援に出して対応しました。それから、保健所、看護協会、管轄市町村にいる保健師の方も、応援に来てくださるという体制が出来ていて、一時的に大変になったところには、そういう人たちがワーッといくということで対応していこうとしています。

 それから、自宅療養者の対応。これは我々は(資料の)右にあるように、基本的に全部入院させようとしています。というのは、初期の頃にガーンと悪化する人がいて、下手すると死んでしまうんで、やっぱり初めから自宅療養というのはとても危険だと思うんですけど、最近、退院基準が簡単になった。今のところそれで事故も起こってないんですけど、実は、その時点で陽性の人が多いわけです。従って、その後もちゃんと経過観察は厳重にするという方式で、これは自宅ですけど、その対応をそれぞれのところで考えてもらっています。

 それから、医療提供体制なんですけども、一番初めにあるように、全員入院でいきたいというふうに思っています。退院は、最近、割合簡易になってきたんですけども、その後は経過観察です。

 その下に、感染拡大に備え400床の病床を確保予定と書いてありますが、この400床を拡大する、あるいは拡大しつつある時に、これはちょっと大変だという事態になる可能性もあります。可能性があったら、回復期にある者は宿泊療養に移行するという方針でいます。つまり、初めはすぐ入ってもらうんだけど、治るなというふうにほぼ分かってきた時は、あんまりぶり返さないんで、そういう人は、退院基準に達するまで、ホテルに行ってくださいということにする予定です。そこまでいかないのでまだ発動はしておりませんが、そういう用意もしてます。だから、400プラス後何ぼかというのがさらに加わるんで、かなり容量はあると考えていただいたら良いと思います。

 重症者用病床は、40床を確保する予定になっていまして、これも伸び縮みしますけど、最終的には40床までいけるという見通しを立てています。

 それから、検体採取可能医療機関が大分増えてきまして、普通のクリニックや病院でもやってもらえるようになりましたんで、全部を、保健所とか、例えば日赤みたいな病院に連れて行ってやる必要は必ずしもなくなってるから、大分楽になりつつあるということです。

 最後に、本県独自に推奨している、クリニック受診から検体採取可能医療機関紹介システム、これは、ずっと続けようということであります。

 その他のところに書いてあるのは、今秋から冬にかけて、当然、インフルエンザ、普通の風邪、そういうのがガンガン流行ってくると思うんです。インフルエンザでも重症化して、命に別条がある可能性があります。インフルエンザで随分たくさんの人が、毎年死んでいるわけです。従って、インフルエンザとコロナが同時にかかる、同時に流行るというのはあんまり良くないので、インフルエンザの予防接種は、例年以上にみんなにやってもらおうということで、勧奨していきたいというふうに思っています。

 このように、和歌山県は、今のところ、ちょっとこう少し安心の方向へ行ってるし、このように、再拡大をしても対応できるような体制は整えてるんですけど、ちょっと心配なのは、安倍総理の最後の会見で、感染症法について運用を見直すと。それはなぜかというと、大都市など、大都市と言わないんだけど、要するに、現場の医療機関と保健所が大混乱してて大変だから、あそこが過労死したら大変だからというようなことを言うんですけど、それはおかしいのではないかと。そんなことで、感染症法の運用を改めてもらって、我々がちゃんと措置入院が出来ないようになったら、それこそ絶対に和歌山県でも爆発します。一部、意図してさぼってるとは言いませんけど、やり方が多分悪くて成績の悪いところに合わして、他の県が対応できないようにするなんてのは、とんでもない話だというふうに思います。

 それは、我々も知事会などを通じて、あるいは直接に問題意識は伝えていて、そんな無茶苦茶なことはなさらないと思いますけど、一番大事なことは、国民ないしは患者さんの命と健康を守るということです。そのために、医療保健行政があり、そしてお医者さんがある。自分たちのことを考えてはいかんわけです。究極の目的は、国民を守るということですから、自分を守ってはいけないということだと、私は固く信じております。

 以上です。

 それから、先ほど言いました、検査体制の拡充とか、いくつかお金のかかるところがあります。これについては、9月議会がもうじき始まりますので、議会にお願いをして、強化させていただくように、予算化をしていただかないと執行できませんから、そういう準備も今してるとこでございます。

 以上です。

質問と回答

毎日:最後の知事のお話にあった、政府の方で宿泊療養の徹底をということで方針が出たところについて、知事は異論を唱えられたと思うんですけど、和歌山県としては、今ここにもあるように、入院体制がしっかりしてるので、引き続き皆さん入院してもらうという方針でやっていくということですか。

知事:もちろんそうです。何も初めから、宿泊療養に第一義的にやる必要はない。自宅療養はもっとそうです。現実に容量がなくなったら、ちょっと我慢しててとか、いずれの場合もセカンドベストというのはある。だけど、それを原則にしたら絶対いけません。ということをちゃんと考えてもらわないと、一体、厚生労働省は、感染を抑え込みたいのか、スウェーデンみたいになっても良いのか。全く理解できないということだと、私は思ってます。

毎日:おそらく政府の方では、東京とか大阪のように医療体制が逼迫してるとこを想定して、そういう方針を打ち出されてるんだと思うんですけど、それを全国一律の基準にするのはおかしいということでしょうか。

知事:東京や大阪でも私はおかしいと思ってます。東京都民は、リスクが多くてもいいのかと言ったら、そんなことはないんで、できれば、東京都の医療保健行政と医療機関が協力をして、和歌山のように、よりリスクの少ないやり方できちっとやったら良いと思います。それを、感染症法が後押しをするようにしとかないといけない。ただ、それは、例えば、それがちょっと上手くいかないからといって逮捕するかとか、そんなことはどこにも書いてないわけですから、それをプレッシャーと感じて、どうやったら行政が上手くいくか、措置が上手くいくかということを、それこそ心血を注いで、それぞれ考えてもらったら良い。我々は常にそうしてます。

毎日:それについて、国の方にも強く求めてるということでおっしゃってたと思うんですけど、要望書とかそういったものを出されたりしてるんですか。

知事:この間、関西広域連合で要望書をまとめて、木曜日の関西広域連合の公開の場で披露しました。私は、それを持って、次の日に西村大臣のところへ行ってきました。広域連合の右代表としても、和歌山県知事としても、西村大臣のところへ行ってきました。厚労省にも事務的にお届けはしています。

毎日:それについて、何か反応みたいなものはありましたか。

知事:問題意識を伝えてお願いをしたということで、とりあえず議論しといてもらいたい。個々の話をいちいち披露してたら大変だから、西村大臣に悪いので、共同コミュニケみたいなやつはありませんから、それをどう取ったとか何とかは主観も入る話なんで、ちょっと遠慮しときたいと思います。

朝日:県内のコロナの感染状況について、田辺管内の自粛要請解除ということで、ここ数日は感染者が出ない日も続いてますけれども、捉え方として、県内における第2波は落ち着いたと考えているのか、その辺りどのように考えてますか。

知事:これは、それほど楽観していない。まず、ちょっと安心かな、でもそれほど楽観してない。良い方から言うと、全国の感染が7月末で多分ピークだと専門家が言っていて、だんだん減りつつあります。そういう意味では、ちょっとリスクがだんだん減ってるという点は、良い方に思ってます。しかし、大阪とか東京とかでは、数十とかいう患者さんが出てるわけです。亡くなってる人も、当然いっぱい出てくるわけです。だからそういう意味では、日本全体として封じ込めに成功してるわけではない。ですから、患者さんが、例えば、東京や大阪でうつって和歌山に入ってきて、和歌山の一番ずっと心配してるような弱いところにたまたま感染してしまったりすると、これは和歌山でドンといっちゃう可能性もあるわけです。ですから、いつも用心しながら対応していかないといけないんで、それほど安心はしていない。こんな感じです。

朝日:大阪とか東京で数十人という患者が出ているというお話がありました。今後も、続けていく県内の方への呼びかけとして、特に感染が拡大している地域に出かけての会食とかをしないようにというのがあると思うんですけれども、ここで言う特に感染が拡大している地域というのは、首都圏や大阪あたりを想定しているのですか。

知事:初めは、大阪と首都圏とはっきり書いてた。だけど、例えば、名古屋の繁華街はどうかというと、やっぱりそうです。それから、もうだいぶ収まってきたと思いますが、阪神地方とか京都とかどうかと言ったら、ちょっと危ない時もありました。今も危ないかな。それから、福岡も多いし沖縄も多い。そういう多いところへわざわざ行って、そこで羽目を外して飲食に励むというのは止めましょう、それは和歌山でお付き合いしてもらったら良いのではないですかというふうに、まだ思ってるということです。

朝日:具体的に指定するというよりかは、状況を見ながら、各県民の方に判断してもらいながらというイメージですか。

知事:そうです。毎日、感染者が何人出たとか、新聞に出る。ああいうのを見ながら、ここが流行ってると思ったら、そこへ飲食に出かけるというのは止めてくださいということです。

朝日:呼びかけのところで、飲食や宿泊というのが出てると思うんですけれども、県内の7、8月の感染状況を見ていると、カラオケを通じての感染拡大というのもあったと思います。そういう、感染が拡大している地域に行ってのカラオケだとか、唾液が飛び交うような運動だとか、様々なものがあると思うんですが、その点についての注意の呼びかけなどは含まれないのですか。

知事:カラオケを特定するのは、そこまでする必要はないだろうというふうに思うんです。この間のダイニングバーも、飲食兼カラオケです。だから、飲食ということで、カラオケ装置付きのやつもあるしないのもあるし、というぐらいのふわっとした感じで、注意をしてもらったら良いのではないかと思ってます。宿泊の方は、一般的に泊まるなと言ってるわけではない。これは、若い人たちが、俺のマンションにみんな来いと言って、朝まで酒を酌み交わして人生を語ったりしてるという時に、一発でうつってしまったので、今はそれはすごい危ないですと言ってるだけで、一般的にホテルへ行くなとか、そんなことを言ってるわけではない。

朝日:ちょっと前の話になると思うんですけれども、感染の対応として、県外からの受入自粛で基準を設けていて、(他府県で)40人以上が出た時は自粛をするというのがあったと思います。それは現在も有効ということですか。

知事:現在も有効です。発動基準みたいなやつは、あんまりそんなコロコロコロコロ変える必要はないと思います。発動の基準で、例えば40人以上、今もそういう意味では、大阪との関係で言えば、ちょっと手放しでは油断できない。でも、どのぐらいでやっておけば収まるか、大阪との関係を絶ったら我々は生きていけないわけですから、どのぐらいなら良いかということを考えて呼びかけをする。今は少なくとも、わざわざ流行ってるとこへ行って、ご飯を食べに行ったり、いろんな街でお遊びをして帰ってくる、それは止めましょう、そのぐらいでとりあえず良いだろうと。もっとドカーンときたら、それじゃあまた考えなければいけないことが、いろいろ出てくるかもしれません。だけど、今はそのぐらいで良いだろうと、こういうことです。

朝日:措置を考え始めるきっかけとして、基準として40人以上というのが一つある。その基準が生きてるということで、基準に達した時の措置として、県外受入自粛の強化等というのも、まだ続いている。ここに出ている措置のメインの、県外受入自粛の強化という部分については、結局ここまでされてこなくて、等の部分でという話だったんですけども、

知事:ちょっと例示が望ましくなかったかなという反省はありますけど、いろいろな措置を加えますというふうに考えていただいたら良いかと思います。

朝日:その辺り、書きぶりを変えるだとか、基準は変えないけれどもというのは。

知事:まあ、変えなくてもそう解釈できるから良いんじゃないですか。あんまりちょろちょろ変えるのも。

朝日:これまでと同じように、引き続きというかたちですか。

知事:そうです。

時事:コロナ感染症に対する今後の取り組みの中で、病床数のところで、重症者用病床を40床確保予定とありますが、少し前に、病床者の基準について話題になっていたかと思うんですが、和歌山県では、酸素投与を行った人は重症だというふうにしてますが、ここにある40床確保する重症者病床というのは、和歌山基準ですか。

知事:和歌山県です。あれっ違いますか。違うそうです。すみません。

技監:もっと厳密に、ICUとかHCUとか、そういうことを想定しております。

時事:国の基準ということですか。国は、ICUか人工呼吸器かECMO(エクモ)使用のいずれかですが。

技監:そういうことです。

時事:その設備を備えた病床数。

技監:そういうことです。

時事:当然、酸素投与も出来る。

技監:もちろん。

時事:発表ベースでは、酸素投与を重症者数としてカウントしている和歌山県ですけれども、それは今後も変わらない。

知事:はい。それは変わらなくていこうと思います。ただ、国に対しては、この基準で報告してこいと国が言うので、計算し直して出してる。だから、和歌山県は、ほとんど重傷者がいない県かもしれません。

時事:国より厳しい基準で発表されるのはなぜですか。

知事:それは、酸素吸入をしなければいけないというのは、かなり医学的に考えたら、ちょっとやばいわけです。放っておいたら危ないかもしれない。放っておいたら危ないかもしれないようなやつは、重症者と考えた方が、より実態に即してるだろうと思うから、です。

時事:分かりました。

NHK:ちょっと話が変わりまして、この4日で紀伊半島豪雨から9年になりますけども、ちょっと台風もまた近づいてるかもしれないという状況ですが、豪雨災害にどう備えていかれるか、改めてお伺いします。

知事:とにかく、災害というのは忘れたころに来るんです。だから、忘れないようにして、いつも万全を期さなければいけないということだと思うんです。制度自体は、別に廃止してるわけではないんで、どんどん改善されて、あの頃よりも良いものが出来てます。毎年毎年むしろ出来てる。だけど、その制度の使い方みたいなやつについて、ちょっと感度が鈍くなったら、宝の持ち腐れになって、人の命を救えないということを恐れてます。ですから、いつも、どんな制度があって、どれをどういうふうに考えて、あの時は危ないとか、そういうことはいつも思ってなければいけない。

 それは、我が当局、私は当局の親分なので、当局としてもそういうことは思ってないといけないけど、県民の皆さんも思っておいてもらわないと。避難なんてあんなものはもういいでしょうなんて言われたら、それはものすごい危ないんです。ですから、装置はたくさんある。例えば、がけ崩れの危険性を高める(ことが分かる)ような、テレビを使った情報メッセージもあるし、オーソドックスには、避難勧告や避難指示もあるし、各放送局は、リアルタイムで雨雲とか何とかをみんな見せてくれてます。そういうことを考えて、それから、最近、私はいつも見てヒヤヒヤしてるんですけど、県庁のホームページから、ダムがどこまで溜まってるかとか、川の堤防までどのぐらい距離があるかとか、和歌山県はリアルタイムで全部分かる。ついでに奈良県の大滝ダムまで分かる。そんなことを見ながら、これはやばいぞというような時は、地震で逃げるところと、水害で逃げるところは違いますけど、早い目に逃げといてもらうというのは、大事なことだと思います。そういうことを、みんなで注意して、災害は来る時はしょうがないんだけど、そこから命だけは守り、出来れば物的損害も少なくするようにしたいというふうに、切に思ってます。

NHK:もう1点、また話が変わって恐縮ですが、今、自民党総裁選の形式決定とか、名乗り上げていらっしゃる方がいますが、次期総裁、次期首相の方に、和歌山県としては、地方としては何を望まれるのか、お願いいたします。

知事:基本的に、安倍政権がおやりになったことは割と評価をしていて、時々文句は言います。今日もちょっと言ったし、それから、4日以上病院行ってはいけないとか、(そんなことは)おかしいのではないかと、そんなことは言いますけど、総じて、例えば、国土強靱化とか、ちょっと近いけど高速道路も随分お金をつけてくれたし、景気が最悪だったのを、少なくとも人手不足が見られるほど良くしてくれた。外交もまあまあです。これを、別のことを考えて、グチャグチャにせんといてくださいというのが、最低限思うことです。

 その中で、やっぱり我々地方圏にいるわけですから、地方にいる者たち、人口比で言うと少ないんですけど、大都会の人たち以上に困ってることがないかというようなことを、いつも考えてくださるというか、そういう総理が出てこられると良いと思います。

NHK:もう1点追加で。個別で言うと、GOTOでありますとかワーケーション辺りも、少しまた光が当たりつつあるかと思うんですが、その辺り、個別の和歌山県の事情について、ご要望はありますか。

知事:振興策というのは、それほど私めちゃくちゃ期待してるわけではない。だけど、悪口を言う方もいます。それも、ちょっとおかしいと思います。地方の観光圏の窮状なんかを察して、出来るだけ助けてやろうと言ってくださるわけですから、それについては、素直に感謝をせないかんと思います。その上で、我々は観光なんかも事毎にやっていかないといけないから、最大限、例えば、来られた人にうつされないように、上手いことガイドラインなんか上手くやって、それで注意をしながらお客さんに接していって、それで楽しんでもらったら良いのではないかと思うんです。

 ですから、そんなにゴリゴリやってくださいというつもりもないんですけど、少なくとも悪口を言うのは、全然当たらない。感謝はすべきだというふうに思います。あとは、それぞれの持ってる観光地の、それぞれのアピールです。和歌山県は、それに対しては人後に落ちないと思うし、それから、そもそも和歌山県が保健医療で頑張っていて、感染は出るけれども、無茶苦茶に広がってるような感じはあまりしないというふうに思ってもらえることが、最大のセールスポイントになってると思います。ですから、そういうことをみんなで注意しながら頑張っていこうということが大事なことで、むしろ、そんなに政府が変なことをしなければ、政府にやってくださいという話ではないと、自分でやらなければいけないことだと思います。

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