知事記者会見 令和2年6月30日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和2年6月30日 知事記者会見
令和2年6月30日 記者会見室
避難所運営における感染症対策について
おはようございます。今日は、議会が終わりましたので、幾つか溜まっておりまして、それを発表させてもらいます。
まず、避難所運営における感染症対策についてです。もともと、避難所運営マニュアルの作成モデルを県で作って、避難所は市町村の仕事なんですけど、こんなふうにやったらどうですかというようなことを、ずっと、偉そうに言うと指導、まあ情報提供をやってきましたが、特に、コロナが流行ってる時に災害が同時に起こると、皆さんが避難所にワーッと入って、そこでうつるんじゃないかという問題意識が、全国的に高まっています。
和歌山の場合、実は、災害の時にいろいろテレビなんかで映ってるのを見たら、そんなワンワン混んでるところはあんまり無いんですけど、そうは言っても、あれはむしろ避難する人が少なすぎて問題だというようなことが正しいんで、実際に避難する人がドワーッと来ると、やっぱりこういうことも考えとかないかんということでございます。
そこで、一番初めにある、ちょっと細かい字で横長の資料(資料2ページ)がありますけども、このチャートを作りました。来られたら、熱を測って、この人は大丈夫そうな人か、そうでない人かに分けて、大丈夫そうな人は、いつものように体育館みたいな大部屋に入ってもらいますが、その時も、後ろ(資料3ページ)にございますように、レイアウトを考えて、間隔を空けたり、ダンボールのパーティションを作ったり、そんなふうにしましょうと。それから、熱のある人とかあれっと思うような人は、その次のページ(資料4ページ)にありますけども、和歌山県は大体避難所は小学校なんかが多くて、教室がいっぱいあるんで、そういうところへ個室にして移ってもらおうと、こんな考え方であります。
細かいことはその中(資料)に書いていますが、ここで若干、全国的に多分誤解があるのが一つあって、これは避難所で避難場所ではない。避難場所というのは、例えば、津波が来たぞとか大水が出たぞといったら、施設なんか無くてもいいから、安全なところへとにかく逃げ上がれと。命を助けるためには、その方が大事だということを、すぐ忘れるんです。ですから、和歌山県でいうと、津波なんかの時は、高いところへ時間内に逃げないといけないので、例えば、裏山に逃げるということは決めておくと、そこに年寄りではとても上れない崖があったりすると大変だから、階段を作っておくとかをずっとやってきましたので、そこのところは全く変わっていない。そういうところへ逃げて、とにかく命を助ける。助かったら、その次に、そこの裏山の何も無いところでずっと何日もいるわけにいかないので、水が引いたり津波が引いた時にどうするか。家が無事だったら家へ帰れば良いけど、家も流されたということになると、避難所へ行かないといけないということで、避難所は高台にあるから大丈夫ということになると、そこへ行ってもらう。
そこだと、市町村の人が面倒を見るし、市町村が手一杯の時は、和歌山県の用意している緊急機動隊が行って世話をする、こうなるわけです。その時に、その避難所は、何日間、ひょっとしたら何週間かもたさないといけないので、装備はしてあるけども、その装備でこんなことがいるぞというのを、改めてその装備の中に今回加えてもらった。
特に、段ボールのパーティションは、あんまり無い。あるところもあるんですけど、無いところが多い。従って、この前の補正予算で、段ボールのパーティションを県が購入して、施設毎にボンとお譲りすることにしようということにいたしました。それを使って、いざという時に、この(資料の)3枚目の紙にあるようなものをバンバン作ってもらって、中に入ってもらうということでございます。
きのくにICTプログラミングコンテスト Switch Up WAKAYAMA 2020を開催します!
その次は、きのくにICTプログラミングコンテスト、Switch Up WAKAYAMA2020。なんでSwitch Upかよく分かりませんが、そういうことでございます。
和歌山県は、小中高の全員、プログラミング教育をする。これは、パソコンを持って、例えば、パソコンで授業を教えてもらうとか、遠隔授業、オンライン授業なんかで使いましょうというのも、もちろん意義がある立派なことですが、それと違って、その中で使われる、システムのプログラミングを自分で作れるようになろうというのが、和歌山県の目的です。それで、良いものを作ったら、コンテストで褒めてあげようというのが今回の主旨でございまして、これは何も1ヶ所に集まる必要はないんで、それぞれの学校やお家で一生懸命作って、出してもらえば良いということです。
11月24日までが募集期間になってまして、そこで審査をいたしまして、優秀賞を発表したり賞をあげたりすることになっています。なお、全国小中学生プログラミング大会というのがあり、そこへ優秀作品を推薦していくことになっております。
令和2年度「わかやま地域課題解決型起業支援補助金」採択者決定!
その次は、令和2年度の「わかやま地域課題解決型起業支援補助金」採択者決定ということで、ずらっと並んでおります。
これは、次のページ(資料2ページ)を見ていただきますと、こんなになっておりまして、和歌山県は、ちょっと起業が少ないなあというところがあって、いろいろ気に病んで、創業支援のプログラムをいろいろ作っています。これは、去年から新しく加わった創業支援パッケージで、左から右にドドドーと流れていくスタイルになっています。
まず、「わかやま起業塾」というのをやりまして、起業するにはこんなことを考えとかないといけません、アイディアだけじゃこけるので、お金の算段とか会計の処理とかもあり、そういうこともちゃんと大事ですということを、企業塾で教える。
それで、よしということになると、「わかやま地域課題解決型起業支援補助金」をもらって、起業する。起業した後も、なかなかいろいろ分からないこともたくさんあるので、県で、マネージャーを中心に、資金繰りとか商品PRとか、いろいろ寄り添って教えてあげて、二人三脚で走るというふうになっています。
それから、ふるさと納税型のクラウドファンディングを使わしてあげることになっておりまして、和歌山県にふるさと納税をしていただくと、地方税分だけ得をすると言ったらおかしいんですけど、損をしないで納税が出来ます。従って、地方税をまけてくれるということになるので、それをプラスアルファにしてもらう。和歌山県のふるさと納税のボックスを作って、そのボックスの中に、例えば、A社というのを作って、A社に向けてA社用で納税してもらうと、ふるさと納税のメリットもあるし、A社はそれを使って頑張れる、こんな感じです。
今回は、(資料2ページ)真ん中の上のところで、わかやま地域課題解決型起業支援補助金というのを、審査してもらったら、25者が合格しました。なお、合格率は半分以下ぐらいで、50幾つぐらい(応募が)あったようですが、それはやっぱり良いものからということで、こうやって選んでもらった。それで、移住者のところに○がありますけども、これを機会に移住しようという人と、移住した後に出した人がいます。そういうことになっておりまして、移住の時の武器になると思ってるわけです。
その他、もっと大掛かりにやろうと思うと、一気に何億円も誰かにお金を出してもらって、経営者もどんどん入ってもらってということがあり得るわけです。それについては、「スタートアップ創出支援チーム」というのがあって、今年は9月ごろ、コロナでちょっとズルズルと延びたんですけど、新人コンクールというかオーデイションみたいな感じで、例えば、山口百恵さんみたいな人が出てきて歌うと、プロダクションが前にいて、あの人を私のところにと言って話がまとまるというようなことがあります。それと同じようなことを、和歌山県はもう5、6年やっていて、ファンドみたいな人にたくさん来てもらって、その場で、こんな創業をしたい、こんな新しいことやりたいと、プレゼンしてもらいます。そうすると、これいけるなと思ったら、その人がスポンサーになって、ひょっとしたらお金なんか出してくれるかもしれない。出してくれると、成功したら創業者利得を取って、ファンドの方は資金回収すれば良いと、こんな感じになるわけです。それに加えて、もう一つのシステムのうちの真ん中が今回決まりましたということでございます。
第8期「わかやま塾」開講のお知らせ
さらにその次、「わかやま塾」開校のお知らせで、7月15日からやります。大体、6月ぐらいからやることになってましたが、6月はちょっとパスをいたしました。4月のプログラムからやるということになっておりまして、私が塾長ですが、ちょっとこの日は東京に行くので、ちょうどバッティングして出られないんですけど、塾頭の中野BCの会長さんが仕切ってくださる。
1回目は、和歌山出身の元内閣法制局長官の阪田さんに、国の法制だけじゃなく、政治行政制度のいろはみたいなものを教えてもらう。それから、垣内さんも和歌山出身で、京都に住んでおられますけど、SCREENホールディングスという、ものすごく大きい会社の会長さんです。それで、どんなふうにして今までビジネスをしてきたかということの心がけ編をやってもらう。順番が逆になりましたが、わかやま塾というのは、知識編と心がけ編を合わせたものです。概要は後で公表しますが、そのものずばりはちょっと報道陣はご遠慮いただきたいということになっています。その後の予定もずっとありますが、コロナが流行ってこなければどんどんやりますけど、また流行ってきたりすると、ちょっと出来ないかもしれないという、とりあえず嵐の中の船出であるということで、どんどんやろうということです。
知事監視製品の新規指定をします
それから、知事監視製品の新規指定をいたします。和歌山県が始めて、真似してるところが若干あるようですが、とんでもない危険ドラッグ、脱法ドラッグというようなものについて、和歌山県は、独自の工夫をして取り締まりをしています。
これは、薬事法とかの法の目をくぐって悪いことをしてる連中なんで、製造のところで国が取り締まってくれないかなあと思うんですけども、なかなか難しいわけです。
薬事法は、やっぱりきちんとした法律なので、取り締まりはあるんですが、危険であるということを立証しないと、なかなか難しい。例えば、東京都は石原さんの時に、国が遅いからついに怒って、都で調べると言って、都限り(の指定)、大阪が追随したと思いますけど、東京とか大阪みたいな大きくて研究機関が充実してるところは、自分で調べて禁止の薬物にしている。だから、薬事法の禁止薬物と、(都道府県の)指定薬物、ちょっと用語が明らかではありませんので、後ろの人(薬務課長)に聞いてください。禁止薬物と指定薬物がある。その指定薬物も一応調べないといけないのですが、調べてるうちに製品を変えるわけです。これはいかんということで、和歌山県はよーしと思って、工夫をいたしました。
どういう工夫をしたかと言うと、薬事法で禁止では無いけど、いくら何でも体内に入れてはいけないという一般的な、要するに、認められたものでなければ、体内に入れてはいけない、吸引してはいけない、そういうことは明らかです。そこで、この悪い人たちはどうするかと言うと、これはアロマですとかお香ですとか言って、適当に売るわけです。それならば、それを逆手に取って、アロマであるとお香であると言うならば、お香とアロマ以外には使うなと、販売店とか和歌山に売る場合のインターネットでちゃんと言っていただいて、消費者に誓約書を出してもらって売りなさい、これを和歌山県はルールとしてるわけです。そうすると、和歌山の販売店は一気にゼロになりまして、インターネットも和歌山県には売りませんとか書いてあるところが、今もあるかどうか知りませんが、結構あったようです。
そんなことですが、次から次へと製品が変わるので、また監視製品として指定していかないといけない。ちなみに、消費者も、例えば、誓約書を守らないで、吸引したり使用したりすると、過料を科せられます。いきなり消費者に過料を科すというのは、多分、日本で和歌山だけじゃないかと思いますが、そういうことで取り締まりをしております。今のところ、過料を科した人はいないのですが、ちょっと怪しい人がいたら、監視は大いにしていこうと思っております。
新型コロナウイルス感染症に係る支援策一覧を更新しました
それから、新型コロナウイルス感染症に係る支援策を更新しました。(資料の)1枚目は通知ですから、2枚目が大事です。この間の和歌山県と国の一次補正と、もともとある制度と、この間の和歌山県と国の二次補正を、全部溶け込ました形で作っておりまして、これは県庁のいろんな部局や振興局にありますし、市町村にも置いてますし、商工会議所とか商工会にも置いてます。見ていただいて、これ忘れてたから申請しようと思ったら、どんどんやっていただいたら良いということでございます。
令和2年度わかやまスマート農業実践塾(施設園芸コース)受講生募集開始!
それから、スマート農業実践塾の募集を開始いたします。和歌山県は、販売促進とかも頑張っていますが、生産性を上げていくのは、人手に頼っていると、やっぱりだんだんと高齢化していくし、そんなに人口が増えないわけですから、なかなか難しい。和歌山県の農業の伸びは、コロナの前はすごかった。全国1、2位でバーっと伸びてましたが、さらに伸ばしていくためには、やっぱり生産性も上げていかないといけない。その時に、スマート農業が生産側では一番の肝だということで、スマート農業をみんなで勉強して、ITを導入したり、機器を導入したり、設備を工夫したりしてやっていこうと。そのための補助金ももちろん作っていますが、これは、まず一番初めの実践塾。勉強して、自分ところをこんなふうにしようと思ったら、次々と助成が出てくる、こんな感じです。
「土砂災害危険度メッシュ」のNHK和歌山放送局におけるデータ放送配信について
その次は、NHK様に感謝をしないといけないのですが、「土砂災害危険度メッシュ」の、NHK和歌山放送局におけるデータ放送配信が出来るようになりました。NHK様、ありがとうございます。
ただし、テレビ和歌山に関しては、平成24年5月ですから、8年前からやっていただいておりますので、もっと感謝ということでございます。
以上です。
広報課長:知事監視製品の新規指定の説明の中で、知事から薬事法と説明がありましたが、正しくは薬機法なので訂正しておきます。
知事:薬機法。そんな法律ありましたか。
広報課長:薬事法が機械の関係とセットになって、薬機法に変わりました。
知事:名前が変わった。機は機械の機ですか。
薬務課長:そうです。名前が変わりまして、医薬品医療機器等法とも訳されます。
知事:それは失礼しました。
質問と回答
NHK:避難所の運営マニュアルですが、結構、最近、全国で避難せずに亡くなる方がいらっしゃると思います。今回、コロナが出てるので、コロナが怖いから避難しないという人もいるかもしれないのですが、そういう方に向けて何かメッセージをお願いします。
知事:これはもう圧倒的に間違いです。感染リスクを考えたら、天文学的に違います。ですから、今日、バンと災害が起こったときに、避難所へ行くと人がいっぱいいるから止めとこうと考えたら、絶対にそっちの方が命が危ない。まず、とにかく逃げるということが大事で、逃げた時に、リスクはそんなに大したこと無いけど、さらに少ない方が良いからやっている、このぐらいに考えていただいたら良いと思います。特に、こういう話は、最近、誰かが思いついた。今から2ヵ月ぐらい前に、防災を考えてる人が、コロナの時に避難所へ行くと、密になるということを考えて言い出して、流行りました。これ、ものすごく大事なことのように思われてますが、もっと大事なことは、災害が起こったらちゃんと正しく逃げる。こっちの方が、天文学的に大事なことです。
NHK:今回、パーティションとかをやることで、避難所の収容人数が減ったりとか、そういう恐れはありますか。
知事:NHKさんは、きっと東京や大都市のことを考えてるでしょ。和歌山の避難所の絵を見たことありますか。ということで、全然大丈夫です。
朝日:今日の発表内容とちょっとずれますが、観光に関して、そろそろ夏の時期、海水浴シーズンになってきます。和歌山県内の海水浴場は、白浜とか和歌山市とか開けるところが多いですが、近畿だと閉めるところも結構多くて、可能性として、和歌山にたくさん人が来ることが想定されると思います。県として、観光を呼び込む、本来は呼び込みたい立場だと思いますが、一方で感染リスクもある中で、どのような立場で、そもそも観光客が和歌山に、海に遊びに来てくださいと積極的に呼び込んでいくのか、それとも、そこまでおおっぴらには言えないのか、どういうスタンスでしょうか。
知事:大いに来ていただいたら良いと思います。ただ、いつも言ってるように、安全な営業、安全な生活、安全な外出、そういうことが大事で、来ていただいても良いけど、これはちょっとうつりやすいなあと思うようなところ、うつる可能性があるなあと思うようなところは、用心することが大事です。その用心の結果、例えば、サービス水準がちょっと落ちるというようなことが、仮に一部あったとしても、それはしょうがない。その前提で、大いに来てもらったら良いんじゃないかと思います。
現在、調べてみると、なんで止めとくのというところがあるでしょう。阪神地方及び和歌山のいくつかのところで、今年はもう海を開きませんというところがあります。それで、危ないから止めとくのか聞いたら、どうもそうでもなくて、要するに、急に言われても、ちゃんと協力してくれる要員が揃いませんと。例えば、学生のアルバイトを雇って、ライフセーバーをちゃんと付けとかないといけないけど、それが手当を出来ませんとか、駐車場の世話をする人が、ちょっと嫌がってでしょうか、今年はもう止めとくと言われる、そういうところが結構あったりして、準備が出来ませんというところが多い。開けてるところに人が来る可能性はあるけど、全部が全部入れる必要は無いし、駐車場がいっぱいだったら、それ以上はお断りすれば良いわけですから、安全な営業でやってもらったらそれで良いと私は思います。
朝日:となると、受け入れる県民といいますか、近くに住む和歌山県の住民の方々としても、そんなに目くじらを立てずに、例年通り受け入れてくれたらということですか。
知事:まあ、そんな感じです。
産経:少し前ですが、四十日余りぐらいぶりに、県内で新型コロナウイルス感染者が確認されました。その時の会見は、技監とかがされて、知事が出られなかった。メルマガでも、その一部の理由を、一大事という印象が大きすぎるとか、職員さんもだんだん慣れてきたと言われてましたが、改めて、県民として、どのように受け止めたら良いんでしょうか。
知事:もともと自分で出たのは、別にええ格好をしたいわけでは無く、若干、妬み嫉みみたいなものを受けましたが、上手くやってるとかそんな気持ちは全くなくて、嫌なことは自分で引き受けなきゃいけない。当時は一大事の嫌なことですから、引き受けなきゃいけないというのと、それから、初めはどんなものの言い方をしたら、皆さん報道陣との関係で良いか、どのぐらいまでしゃべって良いかということについて、やっぱり責任者でないとなかなか判断がつかない。責任者だったら失敗したらごめんなさいと言えば良いけど、部下の方は、まだこれ聞いてなかったなあ許し得てなかったなあといって、特に何かごまかし的発言をすると、余計に世の中が混乱する。どことは言いませんが、他所でちょっとそういう傾向がありました。ですから、自分でいきましょうということで、ずっとやってきました。まあ数回ぐらいでも本当は良かったかもしれないんですけど、乗りかかった船で最後までというか、途中で止めると職場放棄みたいになるので、ずっとやってました。
一時、それが収まって、和歌山県もいろんな自粛をどんどん解除していった時期になりました。その時に、絶対にコロナは出ます、世界中がこんな状態だから、和歌山で出ないということを目指すことは出来ません。だけど、いつも言ってるように、コロナ対策は、保健医療行政と県民の自粛の総和、足し算です。前半の保健医療行政の方は、まだ健全性を保っておるので、一生懸命県庁は頑張って、隔離したり検査したりしますから、そんなに広がる、一般の人たちが、明日、私がうつるんじゃないのといって心配するほどの確率には、とりあえずなりません。
従って、うわっ大変と思って萎縮して、県民の皆さんが、もう商売を止めとこかとか言うと、今日は良くても、明日、今度は経済的な問題で、命とは言わないけど、生活が脅かされることが出てくるわけですから、県民の皆さんも、少し勇気を持って、理性的に行動していただくのが、今は一番良いんじゃないかと。だから、他所から来た人も全部を排除するんじゃなくて、あんまり危ないことをしてたら、ちょっと止めていただけませんかというのはあるけども、一概に、例えば、泊まりに来てる人で他所の人はみんなお断りとか、それはちょっとやり過ぎじゃないかというところもあります。
従って、あんまり、自分が(会見に)出て、「たいへん、たいへん」と言うと、「たいへん、たいへん」意識が強くなり過ぎるので、私は出ませんと5月の終わりに宣言をしまして、その通り、今、実行してるとこです。
産経:そういう意味では、2月初めは、ある意味、経験したことのない中で、非常事態ということで、知事が出られたと思うんですが。
知事:非常事態というのはちょっと言い過ぎだと思います。例えば、災害の時も、非常事態的災害と、いくつかがけ崩れがバカバカ起こって、いっぱいあちこち不通というのと、9年前の12号とはちょっと違います。12号の時は、明らかに非常事態です。その後、非常事態とはちょっと言いにくいけど、やっぱり災害の時は嫌なことだから自分で出ますと言って、ずっとやっていますが、コロナはそのぐらいかな。非常事態というのはちょっと言い過ぎだと思います。
産経:そういう意味で、今、ポツポツ出るのは、日常的にこれからもあると思いますが、今後、改めて知事が出てこられるのは、どういうタイミングを想定されてますか。
知事:これも予告をしておりますが、我々がもう力が及ばなくなって、決めている再起動基準みたいな感じになってきて、その時はもう全国的だと思いますが、県民の皆さんに、自粛で助けてもらわないと、とてもじゃないが保健医療行政だけで手が回らないということになった、あるいはなりそうだという時は、また県民の皆さんにお願いをしないといけない。これも、とても辛いことだし、申し訳ないことだけど、お願いしないといけないから、その時は自分でやります。
読売:発表事項の補助金の話の中で、和歌山県が、起業がちょっと少ないなあというお話しがありました。その中で、先日の県議会の一般質問でも、商工観光労働部長さんがお答えしましたが、今後の企業誘致をどうされますかという県議さんの質問に対し、コロナで東京一極集中の危険性も分かってきた中で、リモートワークが可能な企業の本社機能の一部移転など、新しい誘致に取り組んで参りますというお話がありました。白浜のワーケーションについても、県は従来から力を入れてやってらしたと思いますが、改めてこの状況で、ワーケーションの方の誘致を、どういうふうにやっていこうかというお考えがあれば、お聞かせ願えればと思います。
知事:ワーケーションの方だけの話をしますと、ワーケーションというのが、かなり有力な、かつ、数少ない手段かなあという時期がありました。なぜかというと、みんな東京一極集中で、それはちょっと非効率じゃないのと評論家はみんな言うけど、企業の人達は、とにかくそれでみんな固めてしまわないと気が済まないというような経営をしてるわけです。その時に、ワーケーションというのは、それに対する一種の修正で、一時期だけ生産性を上げて、頭をリフレッシュするために地方へ行って、遊びも少し入れて気分を良くして、それで頭を良くして良い仕事しませんかというのがワーケーションですが、今、ひょっとしたらワーケーションを超えてという世の中になる可能性がある。
というのは、例えばテレビや新聞なんかでも出てきてるように、テレワークで大丈夫だったなら、何でこんな都市のど真ん中に何人も来いといって人を集めて、ビルを維持しとかないといけないんだ、高いんじゃないのという人たちが出てくる可能性がある。それから、テレワークだったら、別に東京の近郊の一番混み合ってるところ、狭いところに住んで、何かセコセコとテレワークしなくても、自分の生まれ故郷へ一時行って、1ヶ月に一回ぐらい打ち合わせの度に出てくれば良いんじゃないのとか、こんな議論もあります。これは全部想像で、世の中が大いに変わっていくんだろうと思いますが、はっきり言うと、どう変わるかは分かんない。だから、商工観光労働部長はあんなことを言ってますが、そのことに見通しがあって言ってるわけじゃない。可能性がいっぱいあって、どっちへ世の中が流れていくかをちゃんと人よりも早く捕まえて、人よりも早く手を打たないと、あっと思ったら、潜在的なお客さんをみんな他所に取られてたという可能性もある。
従って、今、いろいろ模索してるところです。偵察にも行かなきゃいけないし、勉強もしないといけないし、マスコミの皆さんにも教えてもらわないといけない。今、そういう意味で、非常に焦って模索中です。
読売:やっぱり、先に手を打ちたいという思いがある。
知事:それはそうです。和歌山県は、ずっと昔は割と栄えてて、割とのんびり構えてたのが、何十年か続いたんです。そしたら、えらい調子が悪くなってしまった。最近、ちょっと盛り返してるとこもありますけど、これはやっぱり世の中が動く時に、パッといかないといけない。実は、和歌山がなぜ良かったかと言うと、戦後すぐ大混乱が起こった時に、やっぱり行動が早かったから、ものすごく栄えた時期、ものすごくと言っても大したことないけど、要するに、相対的にかなり良いとこへいってた時代がある。私の子供のころなんてまさにそうです。だけど、そうすると、ちょっとこれでいけるだろうとみんな思うけど、今はまた世の中が大混乱で、戦後の混乱ぐらいの大混乱、大混乱というか大変動期になる気がするんです。そうすると、それをキャッチアップしてチャンスを生かさないと、和歌山県もいけないというふうに思うので、これから大変難しい正念場です。
読売:いろんな手立てを講じられて、企業誘致をしていくことになると思いますが、やっぱりサテライトオフィス、ワーケーション、テレワークの人たちを呼び込むということでしょうか。
知事:何がかは分からない。そんな簡単じゃないと思います。
毎日:医療従事者の宿泊支援についてお聞きします。以前の記者会見でもお伺いしましたが、先日の県議会の一般質問でも議題になってたと思いますが、医療従事者の方々が安心してより働けるように、制度変更は今のところ検討されてないでしょうか。
知事:今の制度で良いんじゃないかと思います。あんまり利用者が少ないと言うんだけど、あの制度を作った時ぐらいから、患者さんもものすごく減ってて、新規患者さんはほとんど無い。無理に家へ帰らないでホテルへ泊まれというのは変な話だし、お疲れになったらホテルも用意されていますというところが良いんじゃないかと思います。だから、利用者が少なければ少なくても良いんじゃないかと。制度は変えるつもりは無いけれども、小さくするつもりも、廃止するつもりもないけど、利用者どんどんいらっしゃい、もっと優遇します、そんなことも必要ないでしょう。そういうことです。
毎日:今の制度設計だと、医療従事者の方々の疲労を軽減するためにということで作られているので、勤務された日に限って利用が出来ますということになってると思うんですけど、お家に帰って、家族にうつしたり高齢者にうつしたりが心配でホテルを利用したいという方々は、1日ではなく複数日を利用したいという声も結構上がってますが、その辺りはいかがでしょうか。
知事:今の想像力で、例えば、コロナに従事しておられる人は、毎日同じことをしませんか、というふうに想像すれば、別に、毎日泊まって良いわけです。泊まりたくないんだから、お家に帰ったって良いでしょ。
毎日:必ずしも毎日勤務されてる方ばかりじゃなくて、応援で入ったりしている方々もいらっしゃると思うんですけど。
知事:応援で入った時に、そうすれば良い。
毎日:それは、あくまで1日しか利用が出来ないじゃないですか。皆さんが気にされてるのは、潜伏期間の約2週間ぐらい利用が出来ると、もっと利用しやすいと。
知事:それは、分かりました。うつってるかもしれないから、一発でうつって、もうとにかくその辺で歩いてる人がみんなコロナだという、ちょっと考えすぎの方に迎合しようと思ったら、そうなります。だけど、世の中には相場があるので、あんまりそれを正当化して言うのは、ちょっと社会正義に反するんじゃないでしょうか。
毎日:他府県では、そういうふうな利用の仕方も、結構、制度として出来てるので、出来ないことは無いのかなと思うんですが。
知事:やろうと思ったら何でも出来ますが、そこまでしますかと。そこまでしている他府県はどこですか。
毎日:新潟県とか。
知事:新潟県もそんなに流行ってるわけじゃありませんから、それはそれで別に非難はしませんけど、それを真似する必要は無いと思います。例えば、一時の東京とか大阪とか、そういうところは院内感染だらけです。そういうことになると、やっぱり家に帰ってこないでちょうだいという気持ちも、正当化される気がするけれども、和歌山でそれを言ったら、ちょっとおかしいんじゃないですか。
毎日:心配し過ぎでしょうか。
知事:心配し過ぎだし、その風潮に制度で対応するということは、それが正しいということになります。そうすると、その辺に、医療従事者はみんなアウトということを認めてるぐらいの感じになる。それはまた社会正義に反するんじゃないですか。どうですか。
毎日:社会正義に反するとは思わないんですけども、心配する人と、自分は大丈夫だろうと思う人、そこの考え方や感じ方は、人それぞれでしょうが。
知事:心配する人に制度を寄せるわけでしょ。心配する人がいるということは、医療従事者はみんな感染してるに相違ないということを、是認してることになりませんか。ちょっときついこと言われたでしょう。そういうことをゆっくり考えて、後でまたもう1回聞いてください。
NHK:県民への情報発信という点で聞きたいんですけども、この記者会見も、しばらく経ってから、動画が公開されたり、文字起こしが公開されてますが、たまに一部切り取られるといいますか、外されてることがあると思います。
例えば、5月19日です。5月に、大阪に行かれて感染した一人の方についての、知事と記者とのやり取りや、私とのやり取りとかが一部切り取られてまして、後日、議員から開示請求があり、それが一部公開されて、ネット上には一部内容を修正しましたというだけが載ってるんですけども、まず、このことについて知事はどう思われていますか。
知事:私は割とおしゃべりです。良く言えば率直、悪く言えばおっちょこちょい。それで、割合たくさんしゃべるんです。それで、NHKさんや時事通信さんが、何かそれらしく、ちょっとあっちでこそこそっと教えてというような時に、すぐしゃべっちゃうんです。でも、そんなことをすると、やっぱりそれはおかしいじゃないですかと言って、こういう立派な人がいるわけです。立派な人がそれはおかしいと言って、切ってもらうというのはしょうがないんじゃないですか。
NHK:基準として、個人情報の保護とか、行政の仕事に支障をきたすとかあると思うんです。今回の場合で言うと、
知事:まあでも、言ってしまったらもう覚えてるから、本当はそういうことを言わないようにしなきゃいけないんだけど、良く言えば率直、悪く言えばおっちょこちょいなんで、すぐ言っちゃって、NHKさんなんかが、ワーワーつまらないことを聞いたら、それは後で教えてあげるからとか、ここでは言えないよねとか、そんなことを議事録に残すのはいかんというのは、どうもあっちが正しい。NHKだと、僕が上司にボコボコに怒られるとこです。
NHK:今回、一部隠して、それを後で開示請求があれば開示するというのは、どういう意味があるのかなと思いまして。本来隠さなくて良いものを隠したのか。
知事:それは別にあれじゃないですか。人間のやることだから、初めからちょっと切り過ぎたと思うところは、復活させても良いんじゃないの。別に誰が言ったからどうのこうのとかいう話じゃなくて、変なことを聞いた記者さんがどうのこうのということもどうでも良くて、まあそんなもんじゃないですか。
NHK:無いと思いますが、今は、決裁ラインというものが、広報課の中で完結してると思います。まあ言ってみましたらフリーハンドと言いますか、チェック体制が無いわけですが、例えば、今いったら恣意的には無いと思うんですけども、そういうことが起きる可能性があると思います。
知事:そうそう。だから逆に、私のような権力を持ってる人、和歌山県では権力を持ってる人です。そういう人が、あれは不都合だから切っといてくれとか、あんまり言っちゃいけない。言ったことには責任を持たないといけない。だけど、やっぱり、県庁の品格とかがあるから、これはちょっとおかしいじゃないですか、こんな雑談みたいなものは止めましょうというのは、広報課長が考えてもおかしくないと思います。私は広報課長をサポートします。全権委任します。
NHK:これまでと同様に、新たなチェック体制は付けなくて良い。
知事:付けない方が良いんじゃないですか。あんまり付けたら、何というか私が変なことをしそうな気がする。いやいや、しないよ、しないからしないような制度を作ってますが、例えば、変な悪いことしそうな知事が現れたとする。そしたら、何かちょっとあれは選挙に響くなあとか言って切っといてくれとか、そんなことを言う輩が出てきたら、それは困ります。だから、一切、口は出さないという方が良いんじゃないですか。
時事:今の件に関連してですが、まず、事実を確認しますと、5月19日、朝日新聞さんの質問のところで、私のICレコーダーによると、39分12秒から41分00秒まで、1分48秒、約2分間切られていました。これは、和歌山県の質疑会見録の文章も切れてますし、全く同じ部分がYouTubeの動画も切った上で、そこをつないで、まるで何も無かったかのように、記者の質問ごと切られています。さらに言うと、その後に続いていたNHKさんの質問の部分も、最初にアップされた状態では切られていて、それは37秒に渡って切られていました。まず、これは先ほどのお話だと、権力者は言ったことに責任を持たないと、という言葉もありましたけれどが、今回切ったことについて、知事は指示してないということですか。
知事:はい。してません。
時事:じゃあ担当課が担当課の判断でやった。
知事:やった。で、やりそうな感じはありましたね。
時事:それはどういうことですか。
知事:それは、広報課長が色をなして怒りました。時事通信さんとNHKさんと私がしゃべっていたら、そんなこと言っちゃいけませんと言ってました。だから、それはやっぱり、広報課長の判断は、後で考えたら正しいと思いました。
時事:切る、そこの部分について切るということは、知事は正しいと。
知事:本当は、ああいう話に乗ってはいけなかったんでしょう。記者さんは何を言っても良くて、それは別に構わないわけですけど、私が、うろうろと乗ってしまったというのは、いけないというふうに思ったんでしょう。それは、僕は後で考えたら、それはそうだというふうに思います。
時事:知事自身は、自分の言うことに責任を持って言っているつもりだが。
知事:時には間違う。
時事:時には間違うことがあって、今回に関しては、雑談という言葉がありましたが、雑談みたいなことだから、切る判断はよしとする。
知事:その雑談の中身が、若干、プライバシーにもちょっと響いたかなということでしょう。そんなに響いてないと思って言ったんだけど、やっぱりよく考えたら、響いてるのかもしれない。
時事:和歌山県には、情報公開条例がありまして、ここの前文には、はっきりと、県が保有する情報は、県民の共有の財産だと書いています。個人の権利を侵害することがないよう留意した上で、十分に県民に情報を出して、県政の活動を県民に説明する責務があると、はっきり書いてあります。
知事:その通りです。
時事:そんな中で、原則、県が持っている情報というのは、県民に出さなければいけない。しかし、その中で、出さなくても良いというか、出すべきではない非開示情報というのがありまして、個人情報もそうですし、先ほどあった個人のプライバシーに関することだとか、契約に関することだとか、いろんなものがあります。ここにかかってくるものを出さないというのは分かるんですけれども、今回切られた部分が、果たしてこれに該当するのか、個人の特定に繋がったりですとか、個人の利益を害するというものに該当するのかというところについて、深い県庁内での議論があったんでしょうか。
知事:県庁内の議論は、私との関係でいうとありません。だけど、深い思いを、広報課長や広報課の諸君は、今の公開条例との関係で判断をしたはずです。明らかに、今言いませんけど、ちょっと言いそうになりましたが、それから、後でこっちで教えてあげるなんて、あれはいけません。
時事:その発言自体は、プライバシーとは何の関係も無いと思いますが、それをあえて切ったこと、後で教えてあげると
知事:つまり、問いの方から分かるわけです。問いの方から、それを教えてちょうだいと言われたでしょ。それで、それはちょっとここでは言えないけどあっちでと、それを記者会見で言うのはいけないでしょう。つまり、それを言おうとしてるということなんで、それは間違いです。私の間違い。
時事:言おうとしていることそのものを公表することで、知事ご自身は、ダメージがあるかもしれません。ただ、それは、そのやりとり、後で教えてあげますということ自体が、プライバシーを侵害する、もしくは個人の利益を阻害するものでない限りは、切る必要は無いんじゃないですか。
知事:そこは難しい判断で、それじゃあ、プライバシーに関することを記者さんに言っていますということは、いけないんじゃないの。言うということは止めたわけだから、止めて良かったんじゃない。
時事:プライバシーに関わることそのものを出さないというのは分かるんですが、プライバシーに関わることを知事が言いそうになったということは、それ自体は県民への正しい情報提供だと思います。仁坂知事はこういう人だというのを、正しく知ってもらうという意味があると思います。
知事:まあそうかもしれない。だから、どっから切るかということで、時事通信さんみたいな方が、ちょっとこそっと教えてとか言って、こそっと教えたると言ったら、あいつおっちょこちょいだなと、それで、広報課長に怒られるから、別のところでも言わなかったと思いますが、そういうおっちょこちょいなとこあるんだねということは、別に県民の人に分かってもらっても構わないんだけど、その部分だけ切り取って出すのは、テクニック的に難しい。だから、もうバサッと切ったんじゃないの。それを、そんなに間違いとは思いませんけど。それを、今こうやって、ちょっとおっちょこちょいだからと言ってるわけです。
時事:知事のお考えは分かりましたが、一つテクニックという言葉ありました。どこを切るかというのは、当然、その時々に応じて、県庁内で話し合いが行われて判断されると思うんですけれども、もう一つ問題だなと思ったのが、5月19日の知事会見の質疑のテキストを見ますと、全くそこにそういうやりとりがあったこと、そして、それを切り取ったということが分からない状態になっています。
つまり、県民はホームページを見て、知事記者会見はこういうふうになっていると見ますが、そこに、例えば、この部分はこういう理由で切りましたと一言でもあれば良いんですけれども、それも分からない。YouTube上でも、分かりません。知事の記者会見録のところには、読みやすくするために整理することはありますという、ただし書きが一番最初に書いてあるだけで、今回の切り取りは、はっきり言って読みやすさのための整理という範疇を超えていることなので、そこはきちんと県民に、ここの部分はこういう理由で切りましたというのを伝えるべきだと思います。そうしないと、県民が知りたくなった時に、開示請求すら出来ない、そこにそんなやりとりが存在してることすら分からない状態になっていると思いますが、そこについていかがですか。
知事:なるほどという気がします。ただ、なるほどと言うんだけど、それで良いのかどうか、まあよく検討します。時事通信さんの論理は、なかなか鋭いというふうには思いました。
時事:分かりました。あとは、編集するときのプロセスの問題ですが、知事会見というのは、原則、一応県庁と記者クラブとの合同開催ということになっていて、開催する場合は、記者クラブの幹事社を通して一緒に開催するという形になっているはずです。会見録をホームページに載せるようになったことを知る当時の人に聞くと、やっぱりその時は、会見録を載せたいというのが、まず県庁側から話があって、それに対して、それは良いです。ただ、ちょっと時間をおいて上げてくださいというお話と、もう一つは、ホームページに載せる以上は、原則編集はしないでくださいと、ありのままを載せてくださいというお話があったそうです。
で、その後、場合によっては今回のように、会見の内容そのものと関係が無いような議論があって、そこを切り取ったということも過去にあったんですけれども、その時も、当局と知事が、議会でそれについて答弁しているところがありますが、そこでもやはりクラブと協議をしながら、どこを切るかということをやっていきたいというお話を、知事はされてます。平成25年の9月議会でのお答えですけれども、私がもう1点問題にしたいのは、やっぱり今回、その2分ないし最初は3分ぐらいそこを切り取る時に、記者クラブに対して、全く何も伝えてもらえなかったということです。確認したんですけれども、記者クラブにも伝えない、県民にも分かるようになってない、そんな中で自由に切り取られると、情報は何でもいいように変えて載せることが出来てしまいますので、クラブとの協議という点については、いかがですか。
知事:それもなかなか鋭い感じがいたします。ですから、これも含めて、ちょっと広報課長とよく相談してみたいと思います。
時事:分かりました。あとは最後に確認ですけれども、今回は一部のやり取りが切り取られていたということがありますけれども、この今の一連の、NHKさんが質問され、私とも知事がやり取りしてますけれども、このやり取り自体も関係が無いので切り取ったほうが良いとお考えでしょうか。
知事:僕は、あんまり切り取らなくても良いと思ってるんだけど、これも広報課長に聞いてみましょう。
広報課長:そのままあげます。
知事:あげるんだって。
時事:分かりました。ありがとうございます。
知事:全部、あんまり切り取らなくても良いと思ってます。恥ずかしいことは恥ずかしいと。だけど、やっぱりプライバシーに絡んでるなあという判断があると、やっぱり皆さんとも相談の上、やったほうが良いのかもしれない。
関西テレビ:少し前の話ですが、有田養鶏にようやく捜査が入ったということで、そのことについての受け止めと、あと考えがありましたらお聞かせください。
知事:もともと、ちょっといろいろな問題がありました。経営が悪くなったというのはしょうがないと言ったらおかしいんですが、よくある話だけど、その後、放置していた。その結果、動物愛護法に、虐待になっちゃうんじゃないかという議論もあった。そうこうしてるうちに、どんどん死んじゃって、放っておくわけにいかなくなった。しかも、経営者は、現に資力が無いみたい。しょうがないから、代理で県がお金を出して、かなり高いんですけど、代執行をしました。その代執行のお金は、経営者に請求をしないといけない。しかし、経営者がやったことについて、刑事上の問題が有ったか無かったかは、別に代執行で消えるわけではない。そういうことも含めて、全部きちんとしてもらったら良いんじゃないかと思います。
関西テレビ:生産の再開の目途は立っていない状況について、どう思われますか。
知事:それは、ある意味で、大変残念なことです。というのは、紀州梅どり、梅たまごというのは、私なんかものすごく宣伝をしていた。非常に確立した良いブランドだったんです。良いたまごも出来てた。そういう意味で、誰かがそのノウハウを引き継いで、別に同じところでなくてもいいから、やってもらったら良いと思うけど、今のところその目途がまだ立ってないということは、和歌山県にとって残念なことだなということはあります。ただ、うちの担当部局なんかは、今、一生懸命、それをもう1回復活させようと思って努力してるとこで、その努力の結果、上手くいくと良いなと思ってます。