知事記者会見 令和2年5月19日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和2年5月19日 知事記者会見

令和2年5月19日 記者会見室 

和歌山県が中国四川省と覚書を締結!!

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 今日は発表が二つでございまして、和歌山県が中国の四川省と覚書を締結いたしました。手続きは大分前で3月24日でございますが、郵送で覚書を交換いたしました。ちょっと遅れましたが、今日は発表させていただきます。

 四川省との関係の前に、和歌山県は、36年前に、山東省と友好姉妹県省関係を結んでおります。その時は、外務省が日本の各県に割り当てた感じになってるんですけど、なかなか立派な友好関係を作ってきたという自負があります。

 しかし、もう一ついろいろ考えると、パンダでは四川省のジャイアントパンダ繁殖研究基地と白浜のアドベンチャーワールドが、大変良い関係をずっと続けてきて、中国以外では、世界一パンダをたくさん繁殖させることに成功してるところです。

 それから、今はコロナで大打撃ですけれども、中国からの観光客を考えますと、実は四川省は、私の記憶では、人口当たりにすると一番中国で海外に遊びに行く人達です。そこと協力しておくと良いと思うし、四川省は蜀の国で、三国志以来のすごく我々にとって憧れの地ですから、こちらから遊びに行くのもなかなかよろしいし、実際に素晴らしいところがいっぱいありますから、お互いに観光交流も出来る。

 それから、観光以外の経済全体も、大変実力のある素晴らしいところなので、和歌山県としてはいろいろな交流も出来ていくだろうし、後でちょっと述べますが、地震のあるところです。そういう意味で、災害との戦いということについて、いろいろな協力、あるいは知見の交換が出来たら良い。

 こういうことで、去年の10月に、私が四川省を訪問いたしまして、観光プロモーションも一緒にしてきたんですけども、こんな感じで四川省と仲良くしようと思っていたら、向こうの省長の尹力(いんりき)さんが、友好省県関係になりませんかと、向こうからおっしゃってくれました。その時は、ちょっと日本の相場も考えないといけないので、返事を保留しましたが、いろいろ調べたら、それは別にやっておかしいことはないので、大歓迎だということで、すぐに話を進めることにしたということです。

 尹力さんがそういうことを言ってくれたのは、パンダの友好関係というのもありますけど、もう一つは、四川省で地震があった時に、二階自民党幹事長が、早速ミッションを組織し、援助物資をいっぱい持って駆けつけた。それが現地の人たちの心を打ち、尹力さんが今でも覚えてるわけです。それの確か10周年だったと思いますが、2018年に、またもう1回、友好議員団を率いて二階先生が来てくれたということで、向こうからそんな話があって、私もあんまり調べていなくて行ったんですけど、なるほどこういうものかと思いました。

 ですから、四川省との関係は、この二つの大変立派な関係によって支えられてきた。それを、和歌山県と四川省が、今度は両当事者になって、さらに進めていこうと、こんな感じです。

 流れとしては、今回の友好の覚書は、そこ(資料)についておりますが、目標を書いたぐらいです。観光、防災・減災、青少年、医療、教育、経済分野などで、交流及び協力を推進するのが目的ですが、これでやりましょうといって実務的にいろいろ話を進めて、来年、コロナが収まっていればということですが、私が訪中をして、次はステップアップして、友好県省関係の調印をしようと、こんな感じを抱いています。

 ということで、そんな事が出来ましたということを、ご報告しておきたいと思います。

わかやま産品販路開拓アクションプログラム2020

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 二つ目は、毎年、年度初めにやっているアクションプログラムグループの第2弾で、農産物以外の産品の販路開拓アクションプログラムというのを発表させてもらいます。

 これについては、実は4月の初めぐらいにいつも発表しているので、1月、2月、3月とずっといろいろ議論して作り上げてきて、発表寸前になっていましたが、3月末ぐらいからコロナが大変ということに日本もなったことから、このままやっても絵空事になるので、しばらくちょっとお蔵入りさせました。その間、今の世の中に一番合うような形で作り替えようということにして、お手元の簡略版を見ていただきますと、1と2は付け加えたところです。3が元々出来てたところで、今から考えるともう間に合わないというようないくつかのところは外して、なかなか難しいかもしれませんが、今からひょっとしたらこのまま世界的に収まってくれたら、回復の兆しが見えた段階で活用いただける事業を並べておいたということです。

 1は、今、厳しい状況下にある事業者への支援。これは、とにかくプロモーションだとか何とかという話ではなくて、今、生き延びるために助けますということを言ってる話が、ずっと紹介されています。これの中身は皆さんよくお分かりですから、省略をさせていただきます。

 2番目は、今出来ることです。今、こういう商工業者が出来ることは何かと言うと、特に、やっぱりウェブを使って販路開拓をしていこうというのが一つと、もう一つは、将来に備えて準備をしておこうという、二つがあると思います。太字で線を引いてるのが、特にそういうウェブ型のもの、それから将来にあたっての調査ということで、その辺を新たに、むしろ重点化して書き加えたということになります。こういうのが、今のこのご時世の中でも、一生懸命やろうと思ったら出来ることで、事業者の皆さんにお勧めして、県としてもいろいろ振興策はつけていますから、その振興策を使いながら、どんどんコロナに負けずに頑張ってもらったら良いんじゃないかと、こんな流れになっております。

 中身はちょっと見といていただいたらよろしいかと思いますので、詳しくは、企業振興課長が情熱を込めて語ってくれるでしょう。取材も大いにしてあげてください。

 以上です。

質問と回答

朝日:中国四川省との友好関係についてですが、コロナに関して、和歌山県にマスクが四川省と山東省から来たことがあったと思います。これも、友好関係の一環でしょうか。

知事:もちろんそうですけど、別に覚書があるからという話ではなく、その前から仲良くしましょう、それを目指してお互いに努力しましょうということで、昨年の10月に帰って来てました。まず我々が分かったのは、日本がこうなると思ってなかったから、中国が大変だから支援をせねばと言って、今年の1月ぐらいにマスクを大量に買って送ろうとしましたが、時ちょっと遅くてもう手に入らなかった。それで、手に入るものは何かと調べたら、医療用の使い捨ての手袋がまだ買えるということで、もちろん山東省もそうですけど、5万枚を買って送りました。そしたら、向こうが収束してきて、今度は四川省からマスクを1万枚くれました。これが3月で、そんな感じになっています。

朝日:コロナでこの先のことはなかなか見通せないと思いますが、来年1月に友好都市関係を締結する予定ということで、その前後や先も含めて、具体的にこういうことをしたいというイメージはありますか。

知事:まず今ある友好関係、例えば、パンダだとかは大事にしていきたいと思います。それから、観光というのは、お互いにものすごくピッタリです。和歌山は割と南国風のイメージがあります。四川省はそんなに寒いとこばっかりでもないけど、やっぱり内陸ですから、内陸の良さがあります。そうすると、歴史はお互いに古いし、食べ物も、和歌山の物と四川料理とは全然違います。お互いに変わったものを味わいに行くのは、大変観光としても良いので、ものすごく力を入れたいと思います。

 その他もたくさんありまして、我々は地震・津波、向こうは津波はありませんけど、地震は怖い。それから、風水害の話も、我々は苦労しながらいろいろ知見を高めている。こんなものは、知的所有権を主張してもしょうがないので、こういう時はこうしましたという意見交換が出来ると思います。四川省も、同じようにして苦労しながらきっとその知見は残ってるわけですから、それについていろいろ教えてもらうことがあるだろうと思います。

 それから、教育とか青少年とかも、これから機会を見て、まだ具体的にどこがということはないんですけど、どんどん進めていったら良いと思うし、その中で具体的に言うと、和歌山県立医科大学と四川省の医科大学がありますが、向こうもレベルが高いので、交流したら良いんじゃないかと思ってます。その他、経済一般ということになりますが、そういうのはなかなか期待が出来ると思います。

読売:四川省の関係でもう1点ですが、友好都市関係を締結する前に覚書を一旦結んで、来年1月にという段取りにしたのは、どういう理由からでしょうか。

知事:友好省県関係というのは、最近そんなにたくさんないんです。中国も若干、中央国家の影響力が強いとこなんで、勝手にいろいろなことが出来るわけじゃない。だから、こういうことをしますと言って説得するには、段階を踏んでやったほうが良いのではないかいうのが特に中国側の意向で、我々もやっぱり結んだけども、後は放ったらかしというのは良くない。ですから、それは1も2もなく賛成だということで、ステップアップしながらやっていこうというふうに考え、両方の意向が合いました。

読売:この覚書を元にいろいろ交流を深めていって、来年1月の締結を目指していくというステップを踏んでいくということですか。

知事:そうです。そうしたいと思っています。

NHK:発表項目と違いますが、コロナの休業要請の関係です。21日に国の方で緊急事態宣言の解除を検討されて、大阪の方でさらに休業要請を解除するか検討するようですが、和歌山県としては、その様子を見ながら判断するということですか。

知事:元々そうしなきゃいけない。さぼってるわけにはいきません。従って、予定としては、21日に国が何か決めそうで、大阪や京阪神地方は、多分21日か22日かよく分かんないけど、ちょっと制度が変わるでしょう。そうすると、その二つを参考にしながら、我々も自分のところの実態を踏まえて、微修正をしていかないといけないと思います。今のところ21日か22日よく分かりませんけど、別にゆっくり構えてる必要はないんで、そういう時に我々も本部を開いて、また対策を変えるということをするだろうというふうに思います。

NHK:対策を変えるというのは、今も休業要請が続いてところについて、解除する可能性もあるということでしょうか。

知事:そうです。今のところ、前回の15日から事態が悪化してるわけじゃないんで、さらにきつくするということは、今のところ必要ないと思います。緩くするのをどこまで出来るか。元々、制限をしてることが、本当は良くないことです。コロナの感染がはびこってるから、しょうがないのでやってるんで、必要のないことまでやったらまずいということですから、緩くする方にどこまでやるかを考えることになると思います。

 何度も言ってますように、和歌山県もそうだし、ほとんどの都道府県は、保健行政、それから医療体制がものすごいしっかりしてます。そこが頑張ってるので、ヨーロッパやアメリカみたいにはなかなかなりにくい。その前提で、大都市なんかでそれがちょっと崩れてきた時に、国民に対するものすごい自粛をお願いした。政府絡みでお願いをしたわけですけど、それにばっかりいつまでも頼る必要は無い。そういう意味では、大阪府知事が言い出してるような考え方は、十分私は傾聴に値すると思います。

 ただいつも言ってるように、この機会だから、地方の各県と同じような保健体制、医療体制を、もう一度ピシっと締め直して確立して欲しいと思います。それは、他県の話ですからただのアドバイスで、評価してることは事実です。

NHK:休業要請が残ってる施設は、3密と言うか感染リスクが高いところだと思いますが、基本的に大阪が解除したらするということで、和歌山が先駆けることは無いのでしょうか。

知事:それは分かりません。大阪との関係で合わさなきゃいけないのは、例えば、パチンコ屋さん。あれは、片方が重くて片方が軽いと、重い方から軽い方に人が流れます。従って、大阪と和歌山は、今は感染リスクも高低があります。大阪がほとんど近づいてきましたが、まだあるとすると、人が流れるのは良くないので、そういう人が流れやすい業種については合わせたほうが良い。だけど、流れやすくない業種については、独自で考えたら良いと思います。独自で考える時に、我々の独自の見解もあるし、政府がどういうふうな対処方針を出す、どういうスタンスで臨むかということも、一応聞かないといけません。政府に対しても批判はありますけど、聞かないで批判するのは間違いですから、そこはちゃんと聞いてから、我々は論理的に考えていくということでしょう。

時事:先週の16日だと思いますが、西村経済再生担当大臣が、緊急事態宣言の解除等を受けて、あちこちで気の緩みが見られるというようなことを言いました。これについて、県内でも人出は増えたと思いますが、知事の受け止めをお願いします。

知事:西村経済再生担当大臣が、なぜ批判されたかと言うと、外したのは本人なのに、外しといて気の緩みもないだろうと言われたんじゃないかと、私はそう理解しています。私は、西村経済再生担当大臣とも仲良しですから、あれあれと。こんなこと言っちゃってと、むしろ心配するような感じで受け止めましたが、やっぱり批判をする人が多かったということだと思います。

 西村経済再生担当大臣が、あの時点で言わなきゃいけないことは、外しましたが、和歌山みたいに、安全な生活ということを一生懸命やってくださいという、賢い消費生活を訴えたら良かったと思うし、もう一つは、せっかく減ってきたんだから、この機会にガタガタになってる、事実上医療崩壊を起こした大都市について、もう直すことは出来るので、もう1回立て直したら良いんじゃないですかということを、言うべきだったんじゃないかと思いますけど。まあ人のことですから。

時事:ちょっと伝え方がまずかったんではないかと。

知事:まあ、そうですね。確かに批判される材料は与えたと思います。

時事:和歌山の県民も、休業要請が一部解除されたりして、週末も出かけたりした方がいらっしゃると思いますが、お店が開いてる以上、安全に気を付ければ、罪悪感を感じることなくお出かけして良いと考えてよろしいですか。

知事:和歌山県は完全に哲学を変えました。不要不急の外出というのは、もう言いませんと言いました。それは、私にとっては勇気のいることです。それで感染が拡大したら、あんなことを言うからだという話になる。だけど、それはやっぱり、不要不急という括りで意味付けるより、安全で意味付けた方が、はるかに生産的だろうというふうに思ったわけです。ですから、お店が勝手に開いてるのではなくて、お店も開けるときは安全対策をきっちりしてください。特に、休業要請や我々が注意してくださいと言ったお店、業種、施設は、自分でガイドラインを作ってやってくださいとしていて、(ガイドラインも)公開されてます。そういう形でやってください。

 それから、県民の方も、危ないところには行かずに、安全なところに行ってください。安全なところへ行くんだったら、家に閉じこもっておれと言うつもりはありません。これがメッセージです。

 ですから、その上で、私が気の緩みがあるなどと言ったら、馬鹿者と言われますので、そういうことは言いません。

産経:少し前になりますが、4月16日に緊急事態宣言が全国に拡大されて、約1ヶ月で解除される状態になりました。この期間の、やったことによる感染防止の効果や、デメリットとしてはやっぱり経済面の影響があったと思います。その両方を鑑みて、どのように総括あるいは評価されますか。

知事:まず、ヨーロッパとアメリカとかと比べると、私は日本人自身が、日本の政策と、日本の政府と、それから日本人をもっと評価すべきだと思います。テレビを見てると、ドイツが偉いとか言ってますが、人口比で、日本の15倍も感染者や死亡者を出して、何が偉いかというふうに思います。しかも、ヨーロッパやアメリカは、はっきり言うと、日本の戦後体制では無い。あそこは、日本の戦前体制がまだ残ってる国で、戒厳令みたいなことが出来るわけです。外出禁止で出た途端に罰金です。それだけ厳しくしといて、感染が日本と比べて圧倒的に止まってないのは、何か秘密があると思います。

 私は、その秘密は、日本に保健所という体制があって、感染症法をきちんと守っていて、きちんと隔離するということを、一生懸命みんなが考えて協力してというところが一つ。もう一つは、強制力が無くても、国民の大多数が政府に協力したことだと思います。この二つをちゃんと評価しないで、あそこは偉いとか何とか言って、何かおかしいなあというふうに本当は思っています。

 その証拠に、ドイツやアメリカのテレビの映像を見てると、まず、町の中がスカーンと誰も出られなくなって、日本以上にみんな閉じこもっているという映像が一つ。それからもう一つは、大病院の重症患者のところがごった返していて、大変な騒ぎになってる。この二つの映像しか出ません。

 この感染症をずっと考えたら、自粛もそうだけど、レベルはどのぐらいかと言えば、日本なんか、はるかに甘い。だけど、重症者が無茶苦茶になる前、和歌山は特にきついけど、他のところもまあまあ一生懸命やってるのは、要するに、保健当局が片っ端から検査して隔離している。病院に入っていただいてます。この映像が出ないということは、やってないんじゃないかと思います。

 初めは失敗したと思いますけど、割と成功してる韓国を見たら、PCRの自動車による検査ばっかり有名になって、その頃は全然止まらなかった。あれを偉い偉いとみんな言ったんだけど、少しも偉くないと私は思ってましたが、その後は、きちっと隔離するようになりました。それで、この間、ナイトクラブでとんでもないことが起こりましたが、あの時に、大臣が一番初めに何を言ったかと言うと、行った人は名乗り出てくださいと。つまり、隔離しますし検査しますから、名乗り出てください、それが拡がらせない手段で大事なことですと。ここは映像になって出てるわけです。ニューヨークとかフランスとかは、ちゃんとやってないというところが、やっぱりすごい大きい違いじゃないかと思います。日本は、もっと日本のことを誇ろう。どこを誇ったら良いのかは一つ忘れてることがあって、保健行政、それから医療の人たちが一生懸命やってくださってるというところを、もっと誇ろう。そこがおかしかったら爆発する、アメリカやヨーロッパみたいになるということを教訓として得よう。これが大事なことじゃないかとか私は思います。

産経:そういう意味では、1ヶ月の間に、大都市圏の一部が破綻という話もありましたが。

知事:それは、初めに破綻したから、緊急事態宣言になったんです。破綻しなかったら、ボツボツ行ったんですけど、そこからは自粛を武器にしてドンとやった。それは、ヨーロッパやアメリカの自粛に比べたら大したことはない。だけど、自粛を中心にしてドンとやったら、本当に効果があった。日本に比べれば効果が大したことはないヨーロッパやアメリカと比べたら、大違いです。これは何でだろうと考えるべきです。

産経:つまり、自粛と県当局の医療の両方の働きが相乗化したことで、抑え込みが出来たという評価でしょうか。

知事:多分、自粛によって、保健当局の破綻を救ったんです。和歌山は予防という意味で救ってもらってます。それを国民に救ってもらった。国民は救ってあげたけど、ものすごい犠牲を払った。要するに、生活経済という犠牲を払った。だから、大阪府知事が言うように、ある程度のところで抑え込みながら付き合っていかざるを得ないという考え方を、私は間違いでないと思います。勇気のある発言だと思います。

朝日:ちょっと前の話になりますが、12日に新型コロナへの感染を発表した和歌山市の男性の件です。当日の発表で、遊びに行ったようだと、14日の関西テレビの生放送でも大阪に遊びに行ってと、ちょっと踏み込んだ発言をされてましたが、ちょっと踏み込んだ発言をした理由を伺えますか。

知事:遊びに行ったんです。遊びに行ったのは本人が言っています。

朝日:そこまで言わなくても良いのかなというのが一つあって、例えば、山梨で感染した人が、バーベキューへ行ったりなど少し軽率な行動があったと報道され、多くの誹謗中傷を集めた件があったと思います。そこまで、行政のトップが言う必要があるのかなと思うのですが。

知事:言う必要はないですけど、本人がそう言っておられるし、和歌山県としては、一番初めに遊びに行かないでくださいと。勤務とか通学とかは止めることは出来ないというレベルでも、遊びに行くのだけは止めてくださいと、その時からバンバンうつってたので。あれだけ言って、しかも県内のほとんどの人が家に閉じこもるような協力をしてくれた中で、何で一番行ってはいけないとなってるところ、大阪だって危ないと言って、大阪自体が全部自粛要請をしたりしてるわけです。何で行くかというふうに思いませんか。

朝日:それは非常に思いますが、放送の場などでオープンに言う必要はないのではないかなと思いますが。

知事:オープンに言うのは、県の要請を全く無視されたということを言ってるわけです。

朝日:確かにそうだとは思いますが、感染予防の観点から見て、

知事:感染予防の観点から、県の言ってることは聞いてくださいと。聞いてくれないとこうなりますよと言ってるわけです。

朝日:ただ、いくら気を付けていても感染するときはあると思います。

知事:それはそうです。普通の生活をしている、あるいは仕事でやむなく誰かと接する時に、たまたまウイルスが付いていてうつってしまうことは、たくさんあります。それをいちいち言いますか。

朝日:それは言わないと思います。

知事:そういうことを私は言ってると、朝日新聞は思いますか。感染がよく分からない、別に守っててもうつる時があるのはその通りです。守っててうつった人を、ここでうつったらしいと私は言いますか。

朝日:それは言わないと思います。知事も、今までもそのケースでは言ってません。今回は、県の自粛要請だとか行かないでと言ってるのに反して行ったからでしょうか。

知事:反して行ったら、感染予防によろしくないということを言ってるわけです。

朝日:全員が全員、聞いてくれるのが、一番理想だと思いますが。

知事:黙ってたら、余計に聞いてくれない人が増えるでしょう。それに対し、もし間違ってると言うのなら、朝日新聞は論陣を張ってもらいたい。

朝日:改めてあの時に、県外に不要不急の外出はしないでくださいというのは十分理解が出来ますが、遊びに行ったのを、わざわざ強調する必要があったのかなと思いますが。

知事:そしたら、どういうふうにしてうつったのかが分からない人がたくさん出るかもしれない。こういうふうにしてうつった人の名前なんか明らかにしていない。別にその人をいじめてるわけじゃない。遊びに行ったらうつりましたから、県の言うことはちゃんと聞いてください。でないと、もっとうつるかもしれませんと言ってるのは、何が悪いんですか。その論陣を張ってもらいたい。

朝日:感染拡大防止の観点から、これからそういうケースが出るか分かりませんが、遊びに行ってしまってうつってしまった時に、遊びに行ったからうつったと言われてしまうと、

知事:さっき時事通信さんに聞かれたけど、遊びに行くことが、別に良い悪いでは無くしました。不要不急でも良いけど、安全な外出にしてくださいと言ってるわけです。今も、大阪あるいは感染地域には遊びに行かないください、もっと言えば、ちょっとやり過ぎな気がするけど、県外に遊びに行かないでくださいというメッセージを出しています。徳島県に遊びに行ってうつるかなという感じもするんだけど、一応、全国的にそういうことになってるから、そこは目をつぶって従っています。だけど、やっぱり特定警戒地域については、まだまだ論理的に言うと、ウイルスの伝播を容認しているようなメカニズムがある。そうすると、少なくともリスクは和歌山や徳島なんかよりも高いので、そこへ行かないでくださいということは言い続けないといけないし、言い続けます。

朝日:こちらがちょっと危惧してたのが、感染した人が、遊びに行ったと責められることに抵抗感があるため、保健当局の聞き取りにちゃんと答えてくれないケースが出てしまうんじゃないのかなと危惧しています。知事は和歌山モデルをこれまで進めてきてましたが、肝となるのはヒアリングで、感染者がどういう行動したかを聞き取って、囲い込むのが肝だと思うのですが、そこにダメージになるのではないかと思いますが。

知事:それは、極めて正しいです。正しいんですが、本件は、これはまた個別の話をするとまずいんだけど、ちょっとこれは報道しないでくださいね。全く逆なんです。この人は、どこ行ったということをあんまり言ってくれなかった。それで余計いかんよねと。ちゃんと言ってくださいと、別に責めたり何もしないんだから、ということを言ってる人なんです。これ言うと、またいじめが来るとまずいから、これは別に言う必要はない、あなたに言ってる。そういうことです。だから一般論としては正しい。だけど、本件については、全く逆。

朝日:それと遊びに行ったってオープンにした理由がいまいち分からないのですが。応じてもらえなかった、いろいろ言ってもらえなかったというところと。

知事:応じてもらえなかったんですから、ちゃんとしゃべってもらわないといけない。そうすると、遊びに行って、しゃべらないという人がいたら、もっと困るわけで、それなら遊びに行かないようにしないといけないじゃないですか。だから、もうしょうがないから、遊びに行ったらうつりましたよというふうに言ってるわけです。その他は、ある程度しゃべってくれてるんですが、それも、なんかちょっと怪しいんですけどね。それで、行動履歴なんてのは、しゃべってくれたところに行ったら、来てないぞとか、そういうことが結構あるわけです。でもこれはもうどうしようもない。本当は、私は、もうちょっと強い権限を与えるべきだと思います。感染症法上の。思いますけどね。論理的に論陣を張ってください。

NHK:先ほどの件で、ちなみに盛り場に行ったという話で、天王寺に行かれたと思いますが、結局この方はどこに行ってたのですか。推測だと思いますが、盛り場というのは。

知事:それは言ったらいけません。後でこっそり教えます。何かそんなこと言うから、またしゃべりたくなる。ちょっと自制心が出ました。後でこっそり教えてあげます。NHKで報道してはいけません。

読売:ちょっと戻ってしまいますが、緊急事態宣言が解除されてから初の週末を迎え、月曜日に学校の分散登校なども始まりました。週末から週明けの人の動きについて、知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。

知事:私なんか投書を見てるけど、やっぱり、ちょっと県外の車なんかに対して神経質になってる人はずっといますが、大分減ってきました。特に、この週末でそれが増えたかと言うと、そうでもなかったような気がします。我々も、実は、県外と県内はかなり区別をしてます。制度は出来るだけ合わしてるし、県外の人がドバッと来そうなところは、いろいろ工夫しながらですけど、事実上一括りにすると、工夫しながら自粛してくださいということにしてます。そういう意味では、そんなに県外の人がドバーッと来たという感じは無いんじゃないかという気がします。県内の人が、ちょっと人通りが増えた、あるいは散歩する人が増えたのは当然で、それは良いですと言いました。それに対して、別に批判もありません。

 問題は、ガイドラインを、今のところかなり厳しく、自分たちも含めて設定してもらって、守ってもらおうとしています。これは、守って欲しいと思います。このガイドラインも、今はすごい厳しいけど、コロナがこの先で収束していったら、どんどん落としていったら良いと思います。例えば、映画館なんて、ポツンポツンしか座れません。だけど、そんなことをずっと長年続けていたら採算が合わない。だから、コロナが無くなってもう平気だということになったら、段階的に落としてもらったら良い。今はちょっと用心的なガイドラインを作ってもらって、県民の皆さんも行く時は安全を心掛けて行く。政府が、嬉しそうに3密ばかり言うから、3密じゃなきゃ良いんだろうという風潮になってしまってるので、それはちょっと違います。やっぱり密接になったらちょっと問題で、窓を開けたら良いというもんでもないということを、県民の皆さんには訴えたいと思ってます。それで、県民の皆さんも注意をし、お店も注意をし、だんだん段階的に回復していく、再生していくことが大事だと思います。

朝日放送:ここ1週間、近畿の感染者数が、ゴールデンウィークの自粛要請、並びにその他の動きによって封じ込められてまして、人数が減ってきました。そんな中、21日に、政府が、緊急事態宣言がまだ残ってる大阪、京都、兵庫を解除するかもしれないという一部報道があります。隣接する県の知事としまして、どのように受け止められてるかをお願いいたします。

知事:解除されるかはまだ分かんないんで、これについてコメントするのはちょっと時期尚早です。だけど、現に大阪や兵庫や京都も、感染者がほとんどなくなりつつあります。これは、本当に素晴らしいことです。3府県の、もちろん行政はそうですけど、県民に対して心から感謝を申し上げたいというふうに思います。何となれば、和歌山県は、自分とこだけ良くても、そういうところの影響がとても大きいところだし、そういう府県がなかったら生きていけないとこですから、そういうところが自ら努力されて抑え込まれたということについて、本当に評価をしたいし、感謝をしたいと思います。

朝日放送:もう一つですが、先週17日の日曜日が、兵庫県の1が再陽性ということで、近畿の感染者がゼロでした。2月13日に和歌山で発生し、その前に奈良がありましたが、その中でゼロという日が出たことについて、知事としてどのように受け止められていますか。

知事:さっき言ったみたいに、同じことです。素晴らしいと思います。評価もしたいし、県民のご努力に深い敬意を表しますし、和歌山としても、大変ありがたい、感謝を申し上げたいと思います。あえて付け加えると、こうやって出来たら、余裕が出来るんです。大阪なんかも、自宅療養者がどんどん今減ってます。そういう意味で、ウイルスを外に逃がさない、日本が本来持っていた保健行政機能を、この機会に回復されたら良いかなというふうに思います。

 皆さんにはお配りしてる資料ですけど、和歌山では、症状がほとんど出ない、あるいは消えてしまってから45日陰性が消えなかった人がいる。今も、40日消えない人がいる。命が危ないとかは全く無いけど、消えない。この方々を、国が認めた基準、あるいはWHOの基準で、2週間前に自宅療養をさせる、要するに、もう入院しなくてよろしいと言って自動的に外に放り出し、2週間経ったら、経過観察期間も外れるわけですから、自由にどこへ行ってもよろしいということになったら、それはやっぱりうつされる人が出る可能性がある事態です。

 そこのところは、少しずつ変えてるけど、国の対処方針にあんな変なことを書かないで、今こそきっちりやれということを、国は言うべき段階なんだけどなあというふうに思います。今申し上げたのは、決して悪口じゃなくて、国に対してはちょっと悪口言いましたけど、3府県に対しては、本当に評価し感謝します。特に、保健のところも合わせて頑張ってくださいということをお願いする、これだけの話です。

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