政府からの臨時休校要請に対する知事記者囲み取材(2月28日)

政府からの臨時休校要請に対する知事記者囲み取材(2月28日)

記者取材での概要を紹介します

朝日新聞:昨日、安倍首相の方から、全国の学校を休校するよう要請がありました。それを受けて、県の対応について教えていただけますか。

知事:和歌山県は、事件があったもんですから、結果として他の地域よりも徹底的に調べていて、それで、一般的に蔓延しているということがないということが、ほぼ推察されるので、従って、そういう措置は必要ないと思っていましたが、全国的にそういうふうにされるということであるならば、それは従います。ということで、月曜日から全ての小・中・高の公立学校については休校をいたします。
 そういう方針でありますので、小中学校の所管する市町村の教育委員会にも、我々としての考え方を伝え、お勧めしようというふうに思っています。
 それから卒業式がその間にあると思われますけれども、お子さんのお気持ちを考えると、ちょっと忍びないところもありますが、授業も休んでるわけですから、従って、これも中止をすると。これは、県立高校について、そのようにいたしました。小中学校については、そこまで政府の指示と言いますか、指導は徹底してなかったと思います。それぞれの判断に任せるということだったので、それは県の考え方を示した上で、市町村にお任せしたいというふうに思います。
 ただし、高等学校の入学試験をしないと、来春から一年生がいなくなるというとんでもないことになりますから、それは安全を十分配慮した上でやらせていただきます。
 このような問題は感染を未然に防止するという観点からは有効であるのは疑いのないことですが、逆にそれをやることによって様々なマイナスが出てきます。それについて、政府は十分お考えになった上でのことだと思いますけれども、我々はまだ考えていないなというようなことについては、自分たちで補わせていただきます。
 それは何かと言うと、まずですね、学校に子供さんをお預けしている、特に小学校の児童なんてのは、やっぱり親御さんは、学校にお預けしているから安心ということで、親御さんが働きに行けるわけですね。それが、学校が預かってくれないということになると、どうしようもないということになって、休まないといけない。経済活動とか市民生活ももっと混乱しますから、これは基本的には学校でお預かりするようにしようと。政府の指令によっても、教職員は学校にいてよろしいということでございますので、授業がない分だけ、先生方は一応余裕ができます。従って、希望者の方々にだけ、学校で、所定の時間、お預かりをするということをやろうと思います。希望者の方々のご希望に沿ってということで、どちらかと言うと、例えば、おうちでちゃんと子育てすることができる人は、必要ないというふうに思いますけれども、おうちでは面倒を誰も見る人がいないという人はたくさんいらっしゃると思いますから、そういう人は、学校に預けていただいて結構であると、その受け皿は用意をいたしましょうということにしたいと思います。
 これは全ての小学校にお願いをしてやりたい。中学校以上になりますと、望ましいことじゃないかもしれないけど、子供さんを家に置いておかれても、生活はできるだろうというふうに思います。だけど小学校、特に低学年、高学年でも少し心配ですから、小学校の期間は、今のようなお預かりをするということを要望に応じてやるということをいたします。これを、我々は方針として、やりたいというふうに思っております。
 もちろん小学校のことですから、市町村の教育委員会にご了解いただかないといけないわけですけども、ご了解いただくようにしたいというふうに思ってます。なおこの期間は春休みが始まるまで。春休みの後はですね、普通の学校がない状態で、その親御さんが適宜、色んなことやっておられたわけですから、特段の理由がなければ、春休みが始まるまでの間、学校がやってるという前提で、生活が無茶苦茶にならないようにしたいと思っております。
 特に、実は医療関係者の方々で、若いお父さんお母さんがいらっしゃいます。両方とも働いておられる人もいらっしゃるわけです。ひょっとしたら、これから、その医療関係者に大いに頑張ってもらわなきゃいけない。まだ今そんな事態ではありませんが、大変な医療需要が発生する可能性もある。そういう時に、自分の子供さんの面倒を見なきゃいけないが、働きに行かなきゃいけない。一例ですけども、そういうことになったら、それはものすごく大変ですから、ちゃんと受け皿を作っておかないと、頑張ってやってくださいという訳にはいかんということであります。
 その他、今一例を挙げましたけども、他の方々も、皆それぞれご事情があるわけですから、文字を参酌してお預けいただく時は、受け入れたいと思っております。
 なお、全てではないんですけども、放課後児童クラブというのがあります。放課後児童預かりをやってるところがありますが、それについては、もちろん今まで通りやらせていただきます。それで、前半の方は先生が面倒見るので、後半の方は今まで通りということなんですが、多分、前半の方がある程度増えると、放課後のところに、実は量が増えるというか、数が増えるということが予想されますね。
 従って、先生方も、放課後は別ということで、知らないっていうことじゃなくて、協力して、全体として面倒見ていただこうというふうには思っております。お預かりするわけですから、そこはもう責任を持って、健康と安全には気をつけていかないといけない、そんなふうに思っています。
 それから一連の政府の基本方針及び総理の指示の中で、一つだけ、どうしても和歌山県は従わないというのがあります。それは何かと言うと、4日間は医師にかかるなというところであります。そこのところはですね、一番大事なことは、こうやって大分流行ってきたんで、いつどこでどういうふうにして、この感染者が発生するかもしれない。それで今のところは、早期に見つけて、他に拡がらないようにするということは大事なんで、それがじっと家にいるということによって、ひょっとしたら、その方がさらに二次感染をさせてしまう可能性もあるし、それから、ひょっとしたらその方がとても重い病気になる可能性がある。今までの和歌山県の例で言うと、我々はほとんど早期に発見しましたね。早期に発見した人は悪化してないんですよ。
 従って、早期に発見して、悪化させないようにするというのが、今の段階なのに、将来、たくさんの人が出てきて病院が崩壊したら困るというのを、今やってるっていうのは、あれはおかしいというふうに思いますので、それについては和歌山県は従いません。
 かと言って、特定の病院にわっと行かれたら困るので、それはもう普通の病院でも、紹介状持ってきて下さいという話になってると思います。従って、通常のクリニックにかかっていただいて、それで通常のクリニックで4日間熱が下がらないとか、何か変だなという場合はですね、医療関係者には肺炎を疑っていただくと。今までの症状でいっても、早期に結構肺炎になってる人が多いんです。症状がほとんどないのに肺炎になっているという場合もありました。従って、肺炎になりやすい風邪というのは、もう専門家の見立てですから、肺炎を疑っていただいて、肺炎になっとるということが、レントゲンとかCTとかで分かれば、その方にはPCR検査をしようと。それで、陽性だったら大変なんで、ちゃんとした病室に入っていただいて、隔離、手当をしようと。それから濃厚接触者については、今まで通りちゃんと調べよう、こういうふうにやっていこうと思ってます。ほとんど陰性だとは思います。肺炎とか風邪とか、たくさんの患者がいらっしゃるんで。ほとんどは陰性だと思いますので、その方々はそれでよろしいと。肺炎になってても、通常の肺炎の治療をしてもらえばいいということですね。従って、通常の肺炎の治療と言ったって、普通、肺炎はちょっと重病ですから、別にちゃんと隔離をする必要はないということであります。そのようにやっていきたいと思います。ただ、だからと言って、すぐ熱が出たので、すぐ検査して下さいと、これをやっていると、それこそ検体も検査も全然足りませんから、肺炎になった人はやりましょうと、こういう基準でやっていこうかなというふうに思っています。以上です。
 それから、イベントの話をしないといけませんね。現状は、和歌山は結構安全なところっていうことがたまたま証明されているので、あんまり注意しなくてもいいんじゃないかというふうに申し上げておりましたが、これもかなり強く指導がきていますから、県について言えば、大勢の人が集まる所については、できるだけ自粛するようにしたいと思います。小さい、例えば、理事会とかありますね。会合とか、そういうのまで中止する必要はないんで、そういうのはやります。
 そんなことでございますが、そうなると心配なのは、むしろ経済に対する影響です。これはもっと深刻に考えないといけないっていうふうに思いますけれども、そういうふうに政府の指導がきてるから、しょうがないということでありますけど、個別の話としては、もうちょっと今まで以上にウォッチしていかないといけないというふうになります。従って、今まで、既に相談窓口を公表しておりますが、その相談窓口に、皆さんどんどん来ていただいたらいいんじゃないかというふうに思います。電話なんかで相談していただいたら、まずいいかと思います。
 それから、我々の、特に商工部隊とか、企画部隊とか、農林部隊とか、そういう業界、経済活動に関係するところについては、こちらがただ黙って待つだけじゃなくて、積極的に事情を調査しに行って、ヒアリングをして、それで問題があったら、できるだけの手を打つと、出来るだけがどんな出来るだけかっていうのは分かりませんけど、できるだけ手を打つというふうにしていきたいっていうふうに思っております。以上です。

広報課長:質問をお受けします。

NHK:お話の中で関わりの深い県立学校について、卒業式は3月2日の予定だったんですけども、中止と仰いましたでしょうか。それとも今日前倒しという話を私も聞いておりましたので、そこが若干齟齬があるかなと思ったのですが。

知事:中止にしたらいいと思います。県立学校はね。

NHK:要請されたということですか。

知事:そうです。

NHK:分かりました。もう1点、かなり親も含めてですけども、学校に行かないことで、子供さんに負担のいく施策に今回なると思うんですけども、そういう子供さん方へのメッセージを。

知事:みんな心配はするんですけど、実は和歌山は結構調べているから、今は割合安全なところだと思うんですね。従って、休校しなくてもよかったような気がしますけど、全国一斉ということなんで、和歌山だけ(学校を)やりますという訳にはいきませんね。従って、それが従うということであります。子供さんたちは、そういう主旨ですから、あんまり色んなところに遊びに行って、今イベントなんかもどんどんなくなってますけど、できるだけおうちに居て、本を読んだり、そういうことをやっていただいたらいいんじゃないかというふうに思っています。むしろ子供さんに申し上げる話じゃなくて、保護者ですね。保護者がうちの子供、学校休みになったらどうしてくれるんだという話も絶対あるはずなんで、先ほど言ったみたいに、この問題の直接のマイナスだけは、県でカバーしようということになって、学校での預かりをやろうということであります。それは、ある程度リスクはあると思います。バンバン流行ってたら、それも止めたほうがいいというところなんですけど。バンバン流行ってる時ではないので、休校はするけれども、どうしても事情のある人については、預かりをするということにしたいというふうに思います。

朝日放送:今日、和歌山市の方が独自で、幼稚園の方も休園するというお話があったんですが、それについて知事はどのようにお考えですか。

知事:和歌山市がおやりになるのは結構ですけど、別に政府から幼稚園も(休園せよ)というのはありませんね。なぜないかって言うと、幼稚園の子供さんたちって、もっと親御さんから離れられないわけですね。親御さんから離れられない人を休校にすると、休校にした人はリスクが減っていいのかもしれませんが、その次に親御さんとの関係をどうやってカバーするんですかという問題は必ず発生します。従って、和歌山市もそれは考えないといけませんね。全県的にそれを進めるつもりはありません。

紀伊民報:紀伊民報です。休校の間、子供さんを預かるという件なんですけども、これはどれぐらいの時間預かっていただいて、何をしてもらうってことなんでしょうか。

知事:まずですね、通常の学校が始まる時間から預かり保育が終了する時間がありますね。今、放課後預かりをやってるわけですね。その放課後預かりの終了するところまで、その時間にします。従来は、午前中とか、授業やってる時はなしで、授業が終わったら、親御さんが働かなきゃいけない人は学童保育というのはやってましたね。その学童保育の時間が、確か大体6時ぐらいまでだったですね。始業時間から6時ぐらいまでの間、ずっと預かろうと、こういうふうに指令をしようと思っています。

紀伊民報:その間は何をやってもらうんでしょうか。

知事:基本的にはいろいろ本を読んだり、それから、先生がお話をしたり、少しぐらい校庭で遊んでもいいと思いますけど、そういうことをやってもらったらいいんじゃないかと思います。もちろん預かりについては、預かった時に何か事故が起こったらどうするのかとか、そういう議論が当然あります。ある意味では、起こってない時はつまらんことだと思われるかもしれないけど、それについては県が責任を持ちます。県が指令を出したんだから、県が責任を持つということでありますので、責任持ったからと言って事故が起こっちゃ困りますけどね。そういうことであります。

紀伊民報:その件については、県が市町村に対して、要請と言うか。

知事:そうですね。小学校ですから、管轄は公立校は何とか町立とか何とか市立何とか小学校ですね。何とか小学校の管轄は市町村ですから、市町村にその様に要請をしたいと思います。

紀伊民報:一方で、高校も含めてなんですけども、授業が遅れてしまうということがあるんですが、これについては。

知事:これは当然心配ですね。心配ですけども、そのように、総理自らそうしてくださいと仰るんだからしょうがないということですね。それは私はそういうことも含めて、色々マイナスがいっぱい出るんだから、和歌山県は大丈夫ですと、しませんと言ってましたけど、全国的にそうしろということでありますから、従いますと言ってるわけです。当然、今のご心配はあるでしょう。
だけど、その心配とは、どちらかと言うとちょっと長期的な問題で、その子の学力がちょっとマイナスになるねということですけど、さっき私が言いました対応は、実は今そこにある危機ですから、そっちだけはちゃんと我々でカバーしようと。学力の低下は、長い間かけてやっていくしかないんじゃないでしょうか。

紀伊民報:例えば、春休みに授業をやるとか。

知事:今のところ、そんなことはしません。これもまた逆に、政府がやれと言って来られたら、やりますけど。それは趣旨から言えば、学校における爆発的な感染を出来るだけ防ぐというのが、あの話だったと思いますから。学力が遅れるから、それじゃ補講しますとか、そんなことは逆にやってはいけないという前提でしょう。きっと論理的に言えば。というふうに思います。

紀伊民報:小中学校の卒業式なんですけども。県としての考えを伝えて、市町村にお任せするということでしたが、どういう考えをお伝えするのでしょうか。

知事:県立学校は止めますと。止めますので、市町村はね、政府の指令はそこまで及んでいませんけど、そのようにお考えいただいたらいいんじゃないでしょうか。そこは絶対に止めろとまでは言いません。

紀伊民報:県立学校は中止するということを伝えて、その後は考えて下さいということですか。

知事:思い出とかそういうことを考えると、私は子供たちをちょっと傷つけてるなと思いますよ。だけど考えてみたら、休校すること自体、一日休校すること自体、ひょっとしたらもっとすごいことかもしれませんね。だから、そういう休校と同じような意味で、卒業式も中止をするということを県立学校についてはそういうふうにしようと思いました。
ただ、入試については別だと。なぜならば、入試をしないと、来年から一年生がいなくなる。これはもう長期的にも中期的にも今でも、とんでもないことになっちゃうから、それは絶対やるということであります。

読売新聞:読売新聞です。私立への対応などで考えられたことはありますでしょうか。

知事:公立高校に対する県の考え方を早速お伝えして、それで、それぞれ考えてくださいというふうに申し上げようと思います。私立高校について言えば、どちらかと言うと、自分たちの教育方針というのでやってもらったらいい話なんで、それは今こうやって申し上げてるような、ちょっと強めのサジェスチョンというのをする必要はないというふうに思います。ただ、こういうことで全国的に学校がお休み、それから、総理のご見解について言えば、公立か私立か区別してませんでしたね。だから、そういうのを斟酌して、ご自身で考えてくださいっていうことですね。

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