知事記者会見 令和2年10月20日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和2年10月20日 知事記者会見
令和2年10月20日 記者会見室
『大規模オフィス移転・多数移住奨励金』を創設します!
それでは、お手元の資料に基づきまして、発表をいたします。
まず、一番初め、『大規模オフィス移転・多数移住奨励金』というのは、少し虫のいいようなタイトルですけども、これを作ります。この制度は、(資料の)次のページの色刷りのところに載っておりますけれども、一言で言うと、今、東京一極集中はコロナで崩れかけている。それで、テレワークなんかしないとどうもあかんことになってるし、都心に集めるのもどうかというふうになってる。それから、テレワークだけだと、何か狭い家の家族事情で、例えば、赤ちゃんなんかいつもギャーギャー泣いてるとか、そういうところもあります。ですから、もうちょっと良い環境で仕事をさせてあげたらいいんで、それはパーマネントリーにサテライトを作って分散させるやり方と、もう一つは、ワーケーションで、たまにはちょっとリフレッシュして、浩然の気を養って想像力を高めてこいというのもあります。従って、これはチャンスだというふうに思ってるわけです。
従って、誘致をしたいんですけど、やっぱり簡単にはいきません。まず、オフィスがありますか。それから、移住を伴う、従業員をいきなり雇っても駄目ですから、初めのうちはとにかく移さないと仕事にならないので、そういうのありますか。それから、別途、さらに考えてるんですが、学校はどうですか、病院はどうですか、そういうような話がいろいろあるんで、それを総合的にちゃんと叶えられるようなパッケージを作って、セールスをするというのが大事だろうということです。それで、今、次の新政策でいこうとしてるんですが、そのうちのオフィスについては、「さあ、やろう」と思っても時間がかかるので、こういうインセンティブの奨励金を作って、要するにデベロッパーの人たち、もちろん和歌山のデベロッパーでも良いんだけど、例えば、東京や大阪や大都市で、今まで東京一極集中を支えていた、つまり、都心にビルを造ってやっていた企業が、ひょっとしたら、ちょっと次の展開を考えないとやばいかなと思ってる可能性があるんで、そういう人たちも含めて、ちょっとインセンティブをつけて、やってみてくれませんかというようなことを言うてみよう、こういうことでございます。
ただ、ビルを造ればいいというのではなくて、ちゃんと100名以上の転入雇用がなされることが条件で、従来は、奨励金の上限が3億円だったんですが、10億円にする。つまり、たくさんの人が来てくれる場合は、限度が高くなりますというような感じにいたします。
それから、企業の転入もそうだし、転入のためのオフィスを作るのも同様に、建設費用の3分の1を助成しますが、最高限度は10億円にいたしますということです。
そんなようなことを、二つまとめて発表いたします。これから、これを一つの武器にして、お金で釣るというのはなかなか難しいんですが、大いにセールスをかけていきたいというふうに思っております。
南紀白浜空港展望広場(空港公園)内施設整備に関する民間提案を募集します
その次は、同じような流れですが、南紀白浜空港に展望広場があって、公園みたいになっていますが、あんまり人が入ってない。その展望広場に、例えば、ワーケーションとか、あるいはサテライトオフィスのところとか、あるいはアミューズメントがあってもいいんですが、ここを使って、空港と一体となった人寄せをしませんかということを提案募集してみようと、こういうふうに考えております。
募集受付については、明日から1ヶ月で、説明会は10月27日にします。発表は、11月下旬か12月上旬頃をもって精力的にやろう。これが募集提案の中身です。その結果、誰も出してくれなかったらしょうがないけど、少なくとも1社が合格すると、今度は二次募集として、この(一次募集合格の)提案に沿ってやる人いませんかという公募をいたします。一次募集、つまり本件の提案で合格した人が、そのまま、はいどうぞお造りくださいというのではない。やっぱり、もっと上手に造れる人がいるかもしれない。ただ、一次募集の時に、多少お金を使ってます。いろいろシミュレーションしたり、調査をしたり、コンピューターまわしたりというようなことをやってると思うんで、一次募集で合格した人は、総合評価方式の中の得点を上げるということで、二次募集をする。それを乗り越えたら、別の人が造ってもいいことになります。
二次募集以下のスケジュールはまだきちっと決めておりませんが、これはどんどんやっていきたいというふうに思います。そうしますと、白浜空港に着くと、今でも温泉地までタクシーで5分ぐらいで行けますが、他があったらそこ(へ行く)というのも、なかなか楽しかろうというふうに思うんで、これを利用して何かができるといい。その何かは、これからの提案の中身で「おっ、これだ」と思うようなやつができればいいということになります。
今なお就職活動中の優秀な学生確保に対する取組について
もう一つは、今なお就職活動中の、来年3月の卒業生に対しては、今、急速に雇用環境、就職戦線が去年と大違いになってしまって、一部報道なんかでは、内定したのに切られたというような人もいるし、就職活動の時期になかなか内定できない、本社訪問もできないとか、今年の4年生はすごい大変です。和歌山県も、それはちょっと危ないかなということで、例えば、採用をちょっと控えるという動きが一方で、全国並みにあると思いますが、それでも、和歌山県の企業は、従来から人が十分採れてなくて、それが成長阻害要因になったのが結構一杯あるんで、この際、そういうちょっと就職が決まらなくて困ってるような方々に、もう1回チャンスを差し上げて、それでやってみようということが、今回の目的です。
県庁がいくらそんなこと言うても、和歌山県の民間の企業の方々に、「別にもう間に合ってます」と言われたら終わりなんで、これから増えていくと思いますが、少なくとも、(資料の)上記20社については、「いやもう大歓迎です、参加させてもらいます」と言うてこられたんで、20社もあれば、学生さんの選択の幅も広がるし、一応やってみようということで、これから大PRに入りたいというふうに思います。皆さんも、ぜひ、和歌山版だけではなくて全国版に載るように、何かちょっといろいろ工夫して欲しいというのが、私のお願いです。
今のところ、少なくとも20社ということで、今日のこの発表を聞きつけて、今まであまり考えてなかった、あるいは逡巡してたところも、じゃあうちもやってみようというふうに思う可能性が高いと私は踏んでいます。従って、最低20社を県庁が保証で、あと、どんどん来てくれた人はもちろん拒みませんので、求人の企業が、多分もっと無茶苦茶、増えていくのでないかというふうに思っております。
こんなことで、11月28日に大阪市内で、リアルの説明会をやります。生の説明会もやりますし、やっぱりこういうご時世ですから、なかなかそこへ来れない、あるいは大阪まで行けないという方がたくさんいらっしゃると思うんで、ウェブでも公開するように工夫をしたいというふうに思っております。11月28日に、対面形式の面接会みたいなものを、大阪でやりますということです。場所は決まってますか。
労働政策課:梅田の阪急グランドビルを予定しております。
梅田の阪急グランドビル。何時から。
労働政策課:13時からを予定しています。
書いとけば良かったんですが、梅田の阪急グランドビル、13時からということです。
県水産試験場 漁業調査船「きのくに」の竣工式を行います
その次は、漁業調査船「きのくに」が、新しくなり竣工いたします。その竣工式を、11月2日月曜日の14時から、これいつも串本に常駐しておりますので、串本で行うということです。
こんな格好(資料写真)の船ができます。この漁業調査船というのは、潮の状況を見たり、あるいは魚群探知をしたり、そういうことを調べて、漁業者がお魚がより獲りやすくなるようないろんな情報を発信することが目的ですが、最近は、メタンハイドレートの賦存調査を、ここ何年か、ちょっと忘れましたが大分やってます。
これは、もちろん紀伊半島沖にもあると思いますけど、地層型、つまり石油と同じような構造のメタンハイドレートと、表層型、あるいは砂層型というメタンハイドレートと二つあるんです。奥の方にあるやつ(地層型)は、それはこんなもん(魚群探知機での調査)では分からんので、物理探査という石油と同じような形で探査をしていくことになるんですが、表層型、あるいは砂層型のものについては、魚群探知機で有るのが分かってしまう。魚群探知機で見つける方式を発明したのが、青山千春さんという方で、この方は、発見方法に関する特許も持ってますが、そんなもんでお金儲けなんかする必要はないと言って、特許を取った上で、それを自由に使ってよろしいということにしています。他の人が邪魔しに来ないように、かなりの国の特許を取っています。青山千春さんは、東京海洋大学の准教授ですが、来てくれます。
魚群探知機のスペックについては、今まで古いやつがあって、青山さんのご指導を受けて、無理矢理、古いやつでメタンハイドレートの賦存状況を調査してましたが、やっぱり性能の良いやつの方がいいわけですから、予算との関係もありますけど、このぐらいが一番いいだろうということで、アドバイスをしてもらって載せました。
今回は、講演もしてもらいます。一つは、当然メインの目的はお魚ですから、新漁業調査船が、本県の漁業にどういう役に立っていくかというようなことを、水産試験場長にやってもらいますが、もう一つは、メタンハイドレート調査の現状と今後の展開について、青山さんご自身にしゃべってもらうという、進水式で単純にバーッといくだけではなくて、シンポジウムを兼ねた竣工式ということにさせていただきます。どうぞ皆さん、面白いと思いますので、見に来ていただければというふうに思います。
わかやまスマート農業フェアを開催します
その次は、「わかやまスマート農業フェア」。これは、今年の大新政策だし、来年以降もコロナであろうとなかろうと、これはずっと続けていかないといけないということで、熱心に取り組んでいます。スマート農業フェアを開催いたしますので、どうぞ皆さん取材にお越しください。また、多くの農業関係者の方に来ていただいたらいいのではないかというふうに思っております。
以上です。
質問と回答
朝日:就職活動の件ですが、これは企業側からこういった要望があったのか、それとも県として、こういうイベントがあった方がいいのではないかとなったのか。
知事:企業からあったかどうかは、あんまり承知してないんですが、基本的には、私が言い出したと言うべきですかね。こういうのがあるはずだと言って、テレビとか新聞とかで、内定切りだとか就職が大変だとか、そういうのを見るにつけ、これはもう和歌山が一肌脱いで、助けてあげるといったらちょっと言い過ぎですが、ちょっと義憤に駆られてというのが、一番初めの発想です。じゃあ意向はどうかを調査したら、「歓迎、歓迎」というのが一杯出てきて、少なくとも20社もそろったんで、それじゃあまあ一発、一旗揚げようと、こういうふうに思ったわけです。
朝日:関連してですが、開催地が大阪市というのは、学生の利便性を考えてということですか。
知事:もちろん、そうです。東京も多くの学生さんがいると思うんですが、和歌山で就職したいと思ってる方は、やっぱり割と関西の人が多い。それから、和歌山出身の人だっていますが、そういう方は、大阪や京都の大学に通ってる人が多い。だから、そういう方々の利便性を考えて、大阪でやったらいいのではないかと。和歌山には、その後、ちょっとここ見所があると思ったら、会社訪問に来てもらったらいいと思います。
紀伊民報:空港公園の施設のことでお伺いします。先ほどアミューズメントとかも申し上げましたが、これはITオフィスとかに限らず、どんな施設でも構わない。
知事:今のところは。初めから、アイディア募集と言ってるのに、これでなければいけませんと言ったら、募集にならないでしょう。だから今は、フリーにどんどん提案してくださいということです。
紀伊民報:白浜とかのITオフィス募集の事業とは、また別の話ですか。
知事:別の話だけど、一緒になるかもしれない。つまり、ITオフィスで行きましょうといって、こういうアイデアがあるから、実は心の中で私はやろうと思っていて、二次募集も参加しますというのが出てくる可能性がある。そしたら、それを採用したら、ITオフィス振興策そのものになってしまいます。
だから、結果的にはどこへ流れていくか分からんけど、可能性のないところに、可能性がないだろうと思うようなことは我々しないから、ITオフィスとかワーケーションオフィスとか、そういうものがあったらええなという気持ちのもとに始めてるということです。
紀伊民報:一次募集(で提案した企業)は、加点評価があるということですが、一次募集を通過した企業自体に、補助金とか、別のインセンティブは無いんですか。
知事:それは無いです。ちょっと忘れましたが、一次募集で合格した企業は、おめでとうといって、お金をあげるんだったっけ。
商工観光労働総務課:一次募集で合格したところには、あくまでも加点評価だけです。
知事:そうすると、そこで止めたら持ち出し損になるんだね。
商工観光労働総務課:そうです。
知事:そういうことだそうです。
紀伊民報:改めて、この事業で、紀南の活性化にどうつなげていきたいか、コメントいただいてよろしいですか。
知事:とにかく、今ちょっと、いろいろな意味で弾みがつきつつある。ANCHOR(アンカー)もできて入り始めてるし、風から言うと、東京一極集中はどうかなあというふうにみんな思って、いろいろ模索してるとこです。そしたら、成功してる人が一杯いる白浜の辺りはいいし、過密かというとまだ全然です。従って、まだいろいろ可能性がある中で、その可能性の一つが県有地だから、県有地も活用したほうがいいということで今回の企画をしましたが、別に県有地だけでなく、民有地も含めて、ありとあらゆる可能性は追求していきたいと思います。
結構、鉄は熱いうちに打てというか、そういう流れが来てるときに一生懸命やらないと駄目ですから、今がチャンスと言う事で、県も熱心にやろうと思いますので、関係民間企業、いろんな業種があると思いますが、みんなそれぞれ自分の可能性を、ちょっとトライしてみようという気分になってもらったらいいと思います。
時事:就職活動の説明会の件ですが、これは知事が全国的な状況を見て募集をかけたところ、20社がばっと集まってきたということで、感覚としては、学生と、学生が欲しい企業側との間でのミスマッチがあるとお考えですか。
知事:そうですね。元々、新政策の説明の時も言いましたが、コロナが来る前は、和歌山県企業群は、人出不足で困ってた。それは、やっぱり東京なんかの華やかな都心の企業なんかに、条件が悪くてもみんな憧れでもって吸われてしまうところがあったと思うんです。こっち(和歌山)の方が、本当は条件が良いのにというようなことでPRしてたけど、それが、もうオフィスへ来るな、テレワークだからめったに来るなとなると、何もそこに立派なオフィスを維持するのもちょっと非効率だし、わざわざそこに行きたいと思うのも非効率だから、企業の活動自体はいいんだから、別のところで働いて貢献しようというような人たちとか、そういう人達を上手く使って全国展開してやっていこうとか、そういうことを考える経営者とかが、絶対一杯いるはずです。
ちょっと別の方へ外れた。こっち(企業誘致)へ話がいきました。今のはもとい。
我々は、なかなか人が取れないで困っていた。そこへコロナが来て、実は内定してたけど、今、急に状況が悪くなったんで、内定者がそのまま就職して給料を払うのは難しいから、もう勘弁してくださいというような人たちが一杯出てきた。あるいは、就職戦線が始まったのが4月ぐらいと考えたら、4月ぐらいからすでにコロナは爆発してたわけですから、これはいかんぞということで、内定を手控えする企業も出てきて、去年みたいに、学生さんの売り手市場ではなくなっている。そうすると、まだ内定をもらえてない学生さんが一杯いるかもしれない。一方では、元々欲しかったということで、通常通りに採ってると思いますけど、その採り方がまだ不足だという企業は、和歌山にもいる。そしたら、両方マッチングさせてあげるのが、一番いいのではないかというふうに思ったということです。
時事:ワーケーションのお話も出ましたが、大規模オフィス移転の事業ですが、これは新年度事業ということですか。
知事:これは、今から始めますということで、発表しました。ただ、この瞬間に「はい」といって決まったとする。だけど、実際にお金を執行するのは、大分後になります。従って、来年度予算で、これが上手くいった時の予算措置はしますけど、そういう意味では、直ちに始める新政策です。
時事:今回の事業ですが、やっぱり転入雇用100人以上というところが肝なのかなと思いますが、これまでの県の誘致とは違って、大規模にすごくたくさんの人が来て欲しいという気持ちからですか。
知事:元々、たくさんの人が来て欲しいけど、そんな簡単にはいかない。従って、IT系の企業なんかは、小さくても助成しますとか、助成額の比率を大きくしました。例えば製造業は、基本的に10分の1ぐらいが中心だったと思いますが、ITになると3分の1ぐらいにしますとか、いろいろ優遇してました。だけど、イメージ(的に)小さいところかなあということで限度額も低いし、それから、小さいIT系企業だったら、和歌山市でも田辺市でも入るとこは、まだ不動産状況はタイトではないから、そんなに作らなくてもいいし、あるいは作ったやつに入ればいい。だけど、これからを考えたら、たくさんの人がドンと来ることになると、最適な不動産がないことでむしろ上手くいかないとかが考えられるから、受け皿を作る人にも助成する。これはANCHORの精神です。IT系のオフィスを誘致する時は助成しますが、そのためのオフィスを作ってもらう(企業)にも同じように助成します、これはANCHORで始めました。それと同じことを、別に特定の事業でなくてもいいんで、多くの人がドーンと来てくれるようなオフィスを作り、ビルを建てるだけではなく、受け入れをちゃんとしてくれるなら助成金あげますと、こういう感じです。
時事:これまでの実績という意味で言えば、やっぱり大規模な企業をもっと誘致したかったが、なかなかできてこなかったという現状はありますか。
知事:あります。ITなんてのは、みんなそんなに大きくないでしょう。クオリティソフトが本社移転で一番大きいけど、その次はセールスフォース・ドットコムだと思いますが、交代交代でやっているから、常時いるのは10人程度です。常時100人以上いるというのは、今まで、クオリティソフト以外はなかったと思います。誘致した企業、クオリティソフトが誘致かどうかはちょっとよく分かんなくて里帰りかもしれないけど、そういう企業もどんどん誘致したいと思ってます。今までやったやつ(誘致した企業)の中では、コールセンターはもうちょっと大きい。
産経:今月初めに、IR関係で基本方針の新しい案が出ました。あの時は、まだちょっと中身を精査してという話だったと思いますが、中身を見ると、コロナを含む感染症対策とか、事業者の公平性を取るとか、依存症対策とか、その辺りが盛り込まれました。スケジュールのことについてはいろいろ思いはあるかと思いますが、まず、新しく盛り込まれた内容については、どのように評価されていますか。
知事:極めてごもっともだと思います。コロナなんてのは、この構想をしてた時には創造力の範囲の中に入ってなかった話で、今はとても大事なことですから、基本方針でそれをちゃんと入れてもらわないと駄目というふうに言われるのは、正しいと思います。それから、汚職対策なんてのは無くて当たり前だけど、現実には、不思議な起こり方をしました。つまり、全く考えられないようなところで、勝手に話がいって、裁判はまだでしょうけど、犯罪になったというのはありました。だから、やっぱりこれも、もうちょっときちんと、どうやって防ぐかということをやってもらわないと困るとか、そういうことについて、きちんと載せてちょうだいと基本方針に入れますというのは、正しいと思います。
我々も、我々なりにちょっと膨らまして入れるかもしれませんが、それは実施方針に当然入れるし、それを基にして、業者さんがどうやってそれを叶えていくかということは、事細かく、業者さんの申請の中身に入れてもらわないといけません。それを我々が審査させてもらうことになります。極めて、ごもっともな追加点だと思います。
産経:期間が延びたことにより、いろんな懸念が想定された中で、和歌山県に来てるクレアベストとサンシティの2社については、引き続き、和歌山県のIRを頑張るという意向を表明されてるのは聞き及んでますが、それについての知事の受け止めと、改めて、県としてIRを推進するという立場に変わりがないかというところをお願いします。
知事:まず、2社には大変迷惑をかけたと思います。かけたのは、形式的には我々だけど、実際にそれを強制させたのは国だから、あんまり道徳的に申し訳ないと思ってないけど、形式的にはやっぱり迷惑をかけたので、ごめんなさいと言わないといけないんで、そう思ってます。
だけど、まあしょうがないから、これでやってくださいと言ったら、分かった分かったということで、怒ってると思いますが、結論としてやってくれることになったんで、それは大変ありがたいことで、感謝しなければいけないと思います。
それから、もちろん和歌山県は、ずっともう10年以上、これは和歌山の発展戦略のために絶対必要ですというふうに言ってきました。今回、基本方針(案)の改正として追加されたところは、弊害の除去の部分がもうちょっと高くなったというふうに思いますが、もちろんそういうことについても、国以上に我々は防護策を講じてやっていくつもりだったから、今後も、全く考え方に変わりがあるはずがないというふうに思います。
和歌山以外のところも考えたらいいと思いますから、そういうところも、今度の基本方針に従って、良いIRを作るように競争していったらいいのではないかというふうに思います。
朝日:IRの話に関連してですが、先週の週刊文春でIR関係の話が出て、県として東京事務所を通じて文藝春秋に抗議したと聞き及んでいますが、県としての記事の受け止めを、改めて伺えますか。
知事:県が知ってるところと、県と関係ないところがあります。県と関係ないところについてはコメントいたしませんが、県で知ってる限りのところに関して言えば、めちゃくちゃという感じがあります。もうあほらしくて忘れてしまいましたが、何かの企みでこんなことやってるに相違ないとかあるんだけど、そんなこと皆さん自身が、県がずっとやってきたことを、人も代わってるけど会社としてはずっと和歌山支局はフォローしてくれてた。そうしたら、これ(記事の内容は)全然違うということが、証拠を持って示せるわけです。そういうことについて、そうなんです(記事の内容が間違ってます)と。だから、恥ずかしいのではありませんか、そんないい加減なこと言わないでくださいということを、文春の編集部に言いに行かせました。
結果は、ちょっとさぼって聞いてないんですが、予想はされます。「あっそう」といったら終わりだと思いますが、中身はやばいと思ってるんではないですか。
毎日:IRの件で、新しい募集スケジュールの発表などはもう少しかかりそうですか。
知事:今、事務的にやってると思いますのでそんなにかかりませんが、今の瞬間は私はまだこうしましょうかと聞いてない。そんなにゆっくりするつもりはなくて、自動的にこのぐらいかなというのは出てくると思います。
毎日:今月中ぐらいに発表されるとか、目途はございますか。
知事:聞いてないので分かりません。でも、別にそんな遅くする必要はないと思います。
時事:週刊誌への抗議の件ですが、和歌山県として、報道を見た時に、事実と違うことは往々にしてあると思うんですが、そういう場合は、今回のように毎度、抗議を申し入れるものですか。
知事:よく怒ってしまって、何々新聞立入禁止とかを、感情的に言う人がいます。あれは、私は間違いだと(思います)。だけど、例えば、こういう場で間違ってますというのは、ガンガン言ったらいいと思います。それはそれで、人間は間違いをするもんだから、ごめんと言うか、次の時にちょっと修正しとこうとか、それはいろいろあってもいいと思いますが、ちゃんと言うのはちゃんと言わなきゃいけない。
だけど、言論を封殺したり、聴取の聞き取りの機会を飛ばしたり、アメリカ大統領みたいに来るなと言ったり、あれは間違いだと思ってます。文春に関して言うと、ここ(記者会見)で言うてもいいんだけど、遠いから、ここがおかしいとかが届かない。だから、直接言いに行かさないといけないということで、行かせました。時事通信だったらここで言えば良い。
時事:言うべきことは言うスタンスですか。
知事:もちろんです。だから、文春を読むのはやめようとか、そんなことは言いません。明らかに間違いですから、間違いは間違いと言ったらいい。皆さんに、記者会見でも囲みでもやろうかと言ったら、馬鹿馬鹿しいからあんなものを聞く気もしないと皆さんおっしゃってたんで、その機会もなかったんだけど、驚くべき内容でした。
文春は、和歌山県について、実は2回書いたんです。大体、文春というのは、別に価値判断してるわけではないんですが、99.9%、刑法犯の有罪率みたいですが、大体悪口です。ところが、0.1%、絶賛した記事があるんです。知ってますか。僕はそれ以外見たことがない。和歌山県のおもてなしトイレを、ルポライターかなんかが取材して、本当に絶賛してくれた。それで、文春に褒められた唯一の主体といって、和歌山県は今まで1勝0敗でしたが、今回は、意味もないことで悪口を言われたから、1勝1敗です。