知事記者会見 令和2年10月6日
知事記者会見
記者会見での発表事項等を紹介します
令和2年10月6日 知事記者会見
令和2年10月6日 記者会見室
令和3年度 新政策と予算編成方針
それでは、本日は、新政策と予算編成方針を説明したいと思います。それから、紀の国わかやま文化祭の公式リーフレットができました。Go To Eat キャンペーンの事前登録がこれから始まります。そんなようなことを説明したいと思います。
第一の案件でございますが、令和3年度の新政策と予算編成方針ができました。大体10月の初め、第一週の今頃に、金額の入っていない項目を発表しまして、これでもってこういう項目でやるぞということを宣言して、これから、もちろん県議会議員の先生はそうですが、市町村の方々といろいろ議論しながら、より良いものにしていくという作業が始まります。同時に、予算付けの作業を事務的に始めまして、そういうのをドッキングして、来年の1月、2月ぐらいに、予算査定という形でこれを固める、こんな段取りであります。
一見、今年も同じように進んでるように、一応、言っておりますが、今年はちょっと出来が未熟です。なぜならば、4月ぐらいから、コロナは収束するだろうから、元の状態を前提にして、和歌山県の新政策を考えようということでずっとやってきましたが、どうもこれはコロナとの戦いが長続きするなと。それから、また新たに見えてきたような話もいっぱいあるし、これはちょっとこのまま仕上げてもしょうがないということで、夏休みが終わったぐらいから、ちょっと軌道修正をしました。そんなことで、今日、ここ(資料)にある項目は、例年以上に項目であり、ひょっとしたら、最終の仕上がりの時に、項目も大分変わってる可能性もあるということで、これから仕上げていく途中経過だというふうにお考えいただきたいと思います。
項目も、大体、長計に即していろいろ組み立ててきたんですが、どうもそういう時代でもないので、大きくは、「コロナ禍から経済とくらしを守り切る」という項目と、「新しい世界への対応と挑戦」という二つに整理をしました。
前半の方で、第一は、コロナ不況に負けないで雇用と経済を守り抜くというのが命題になります。これは、新政策では毎回はあんまり出てこないような、例えば、県内企業の資金繰りとか、緊急に雇用の機会を確保するための方策とか、そんなことも出てますが、雇用のところでは、ずっと和歌山県の企業あるいは産業のかなりの部分が、慢性的な人材確保に苦労してきましたが、これは一種のチャンスでもあるわけで、この機会にそういう事業への就労も図らなければいかんということもあります。
当然、コロナ対策で雇用が失われた部分もあるし、これから何とか復活していけるんではないか、逆に伸びるんではないかという部分もあるので、職業訓練とかあるいは中途者の就職支援とかも強化をしていかないかんし、急に雇用情勢が悪化してますから、来年、内定を受けてる人達も、ちょっとどうなるか分からんところがあります。従って、そういう方々へのケアなんかも含めて、雇用対策は結構大事ということです。加えて、事業継続をしていくことになりますと、今までやらなければと思っていた、IT投資とかあるいは新技術、新サービスの創出などが、より切実に要求されてくるというふうに思うんです。そういうことについて、集中的に支援をするというふうに考えました。
今年の政策、それから来年の政策の流れとしては、どちらかというと人手不足対策にどうやって対応していくかということでしたが、これは両方を睨まないとやばいなというふうに思って、この辺はかなり書き換えていってます。
二番目は、観光産業の発展で、特に観光だけ特掲したんですが、やっぱりコロナで一番打撃を受けたのはこれです。当分の間、外国人の観光客の復活というのは、なかなか期待できない。ある時期になると期待できていくと思いますが、来年度の初めからすぐに期待できるとは思えない。そうすると、国内を中心に、観光産業をいかにして維持していくかということが大問題になるので、特にそこ(資料2ページ)にあるように、我々は、コロナからの蘇りの地だというキャッチフレーズで、和歌山にもぜひお越しくださいということを、やっていかないといかんでしょう。それから、団体旅行がやっぱりまだ辛いんです。それで、団体旅行で生きてきた観光産業の一部、例えばバスみたいなのがあるわけで、そういうのも含めて、教育旅行のさらなる誘致とかワーケーション。
これ和歌山県が提唱して流行らそうとしていたら、コロナ禍でさらに多くの関心を呼んでいる。特に、中央省庁も、ワーケーションを、ものすごく言葉を使って政策体系を作っていこうとしておられるんで、これに乗じてというか、ワーケーションをさらにアピールして、来てもらう。特に、テレワークが必要に迫られて、大都市なんかでも一般化してますが、今は、とにかくオフィスに来るなということで、家に留めてます。例えば、大都市、東京なんかの割と近いところの住宅事情、遠いとこもそうかもしれませんが、すごい狭いわけです。狭いところに、家族みんな住んでいて、中には、赤ちゃんがいたり病人がいたりするわけで、その中で、働きに行く人は家を空けてるから、家の中では別に仕事をしなくてもいいということで、一種の帰ってくるねぐらとして扱っていたお家です。従って、狭くても近いほうが良い、高くても良いということでしたが、それが、テレワークしなさいと言われてオフィスから追い出されてしまうと、職員環境がものすごく悪くなってるんです。きっとこれはいずれ社会問題になるだろうというふうに思うわけで、能率も落ちていくと思うんです。そうすると、それに対する対応として、ワーケーションをどんどん活用していけば、普段は少し我慢をしながら、時には仲間がみんな集まって、広い安全な空間で議論をしながら仕事をするということが、あってもいいんではないかということで、ワーケーションが、テレワーク環境の中での救世主になる可能性があると思うんです。ということで、頑張りたいと思います。
それから、農林水産業。これはどちらかというと、むしろコロナの中でも安全な産業として、食糧は必ず要りますから、これはチャンスだというふうに思うわけです。ここのところはそんなに変わってないんですけど、特に、生産基盤の強化、ICT技術(といった)スマート農業ですが、こういうものを、今年も一生懸命進めていますけれども、さらに強力にやっていこうというのと、皆さん買い物に行けないということもあって、オンラインで買い物をする場合が増えてます。従って、eコマースを活用した販売を、各農家さんあるいは農協さんなんかがマスターしていかないと、売り上げを伸ばすチャンスを逸することになりますから、今まで以上にそれを進めていこうというふうに思っております。また、人材の育成が大事なんで、特に、農業系高校、それから農林大学校がありますが、これの連携を進めていこうというふうに思っております。
その次は、保健医療行政の充実でコロナに打ち勝つ。コロナに打ち勝つというところで、コロナ対策で最も力を入れなければいけないのは、保健医療行政で頑張るというのが、一番効果的だし、他に対する副作用はあんまりない。ですから、政策の割り当て的に言っても、これを頑張らないかんのに、ちょっとなんか政府全体で認識がとろいなあ、ヨーロッパの真似ばっかりするなあと。真似してたら、またヨーロッパみたいになります。あそこは、これ(保健医療行政)がないから、ちょっと油断すると、最近のヨーロッパみたいにまたピューっと増えていくわけです。それを、今度はフランスがまた制限すると言い始めたのですが、制限すると経済がガーッ(下降)となる。こういうことの繰り返しになるわけで、やっぱり保健医療行政に頑張っていただかなければいけないんだけど、頑張れと言っても、ちゃんと援軍体制を整えていかないといけないので、和歌山県は、きちんと体制を整えるように頑張っていきたいと思います。
それから、質の高い医療体制の提供ということで、新しいところはないんですが、これまでやってきたような、地域拠点病院、最も中核的な病院、各地にある診療所その他、都市にあるクリニック、そういうものの体系をきちんと作って、その方々へ人材をちゃんと供給していくのを、地道にやっていこうというふうに思います。
三番目は、誰もが安心して暮らしていける体制を作る。コロナ禍でよく見たら、大変なことが起こるかもしれないと、我々は大変危惧しています。一つは、やっぱりストレスが高まる。そうすると、自殺者が出る可能性もあるし、貧窮者がとてもかわいそうなことになってる可能性もあるし、特に障害者なんかにしわ寄せがいってる可能性もある。そういうセーフティネットを、ちゃんとそこからこぼれないようにしていかないといかん。そのためには、助ける機関はたくさんあるわけですが、その連携をきちんと取りながら、協力して困ってる人を助けるという、しっかりしたシステムを作っていかないといかん。それを頑張ろうというのが第一です。
それから、SNSを中心に、コロナにかかったといって、必要ないのに人の名前を暴くとかいじめるとか、常軌を逸したようなことがいっぱい起こっています。和歌山県は、部落差別について、特にネットでいじめることについては許さんということで、そんなに歴史的に長くなくて今年からですが、条例を作って対応してきました。コロナの旧患者さん、あるいは、今、病院にいる人も含めてかもしれませんが、コロナの患者さん、その方々の人権をきちんと守るために条例を作って、ネットを中心にした誹謗中傷を禁止するということをやりたいというふうに思います。ただ禁止すると言って、やってはいけませんという条例を作って満足してるようなところが他所ではいっぱいありますが、もちろん和歌山県のことですから、そんなことでは止まらない。ちゃんと法律の許す限りにおいて手を打って、具体的ないじめを防がないかん。そのための手立てを可能にするような条例を作るということであります。
それから、コロナ禍でも、特に、介護福祉、障害福祉サービスというのは、手を抜くわけにはいかない。しかし一方、感染が怖いと言ってちょっと勤めを辞めようというような人も、今はだいぶ少なくなりましたが、3月、4月ぐらいは随分あった。和歌山県ではそんなになかったんですが、他所ではそういうことが一杯あった。そういうことがあってはいけないので、ちゃんと人材確保あるいは施設整備をきちんとやっとかないかんということは、大事だと思います。
それから、依存症です。子供のスマホとか、アルコールとか、ギャンブルとか、そういうのがいっぱいあるんで、これは引き続きになりますけども、さらに一層、強化をしていきたい。
それから、子供対策をやらんといかんというふうに思います。後でもちょっと出てきますが、特に里親をやっぱり強力に進めるようにしようということで、つなぐ取り組みを強化して頑張ろうということです。
それから、地域を守る取組の推進ということですが、やっぱり過疎が進んでくるのは当然ですが、都市の中でも、公共交通機関が敬遠される、特にコロナでもっと敬遠されるというのがある。それから、出歩かなくなるというのもあります。そうすると、もっと大変です。だけど、やっぱりあれ(公共交通機関)を守ってもらいたいという気持ちはあると思うんで、それはやっぱり、自分がちゃんと乗ってもらわないかんのです。(住民に)乗ってもらうようにしながら、どうやって我々の資産を未来につないでいくかということは、大変大事な問題だし、過疎地域で、ただお金を出して適当に路線バスを走らせておくけど、誰も乗ってないというのはあまり意味がないので、住民の方が、便利やね、利用しようかと思うような形に変えていかないかんということだと思います。
それから、過疎対策、地域振興対策。今後、例えば、東京の過密なんかを避けて和歌山へ行こうかなと思うような人たちの受入材料になるわけです。これは、地方都市も最近なってますが、コロナでは、地方都市も結構危ないというようなところもあります。そうすると、中山間地なんて絶対安全ですから、自然の中でやっぱりもう一回暮らし直そうという人たちの受け皿を、ちゃんと整備していくことは大事です。
それから、人口減少時代における生活環境の提供ということで、汚水処理の問題とか上下水道が、だいぶ前に作って、人口が減ってきてちょっと危機だということになってるんで、そういうものの維持をどうやっていくかと、汚水処理を進めるために、共同浄化槽にもお金を付けようかというようなことを考えております。
それから、特にえらい心配してるのは、コロナの時代なんでちょっと危険がいっぱいだから、赤ちゃんをつくるのは止めようというご家庭が多いんではないかと思います。和歌山では、医療もきちんとしてますし、別に妊婦さんが危険なわけではない。だけど、いろいろ心配はたくさんあるので、相談を強化するとか、あるいは、保育、これから特に移住してきた人も含めて、保育ニーズは高まっていくと思うんで、そういう方にどういうふうに対応するか。それから、働いてる人だけではなくて、保育に若干困難を抱えてる、例えば、働いてないけど子供さんがいっぱい居る場合もあります。そうすると、次は産めないねとなると、人口が減っていくわけなんで、せっかくですから、ちゃんと社会が助けて、そういう困難も解消していってあげたらいいというふうに思います。
それから、もう一つ心配は、コロナが怖いので家の中に閉じこもってじっとして、どんどん健康がむしばまれる。それから、お医者さんにも行かない、歯医者さんにも行かないということで、どんどん体が悪くなってる人がいるんではないかというふうに思うんです。従って、そうならないように、ちゃんと運動もするし、いろんなケアをするということを、ちょっと本格的に考えていかないかん。特に和歌山県は、健康長寿の観点では、あんまり成績が良くないんで、全国の成績が悪くなると思いますけど、和歌山はこの際巻き返して、逆転して良くしようというふうに思ってます。
それから、災害から命を守り切るということについては、従来からものすごい対策を加えてきたんで、プラスアルファぐらいになると思いますが、特に、和歌山県の地震津波対策として一番の欠点は、実は住宅の耐震化です。これの建替をどうやって進めるか。津波避難困難地域に古い住宅があった場合に、元の住宅のところへ建てないと耐震の補助金が出ない。単に家が変わってるだけで補助金をもらったらあかんやろということがあるのでそうなってますが、やっぱりこの際だから、避難困難地域から他所へ行くのはいいことにしようではないかというような議論を、今しています。
それから、避難された人を総合的に助けていかないかん。避難所に来てる時だけ面倒見て、帰ったらどうぞご自由にというわけにはいかんので、そのあと困ってる人をどうデータベース化して、総合的にどう助けていくかを考えていくことにしようではないかと、今考えています。
次は、新しい世界への対応と挑戦ということで、いつも申し上げておりますが、多分これからの時代、三つ変わる。
一つは、東京一極集中がなかなか維持できない。それは、コロナが怖いからというのと、コロナが怖くてやったテレワークが意外と上手くいったというのもあって、それだったらこういう(これまでの)システムでやっていくのは、別にやらなくてもいいとみんな思い始めているので、それは我々にとってはえらいチャンスです。同じようなことは、ちょっとミニサイズですけど、大阪の都心です。これについても、別に大阪都心にみんな集まらなくていいとなっていくと、いろんなチャンスが出てくるので、それが一つの流れになる。
もう一つは、海外に効率化重視で移転してしまった生産基盤がいっぱいある。そうすると、コロナで途絶する。今まで、時々、監督に行ったり技術指導に行ったりして上手くいってたのが、どうもいかん。あるいは、ほったらかしになって閉じられてしまうんではないかとかいうような議論もあります。それから、大分直ってきたようですが、3月ぐらいに特に起こったことは、サプライチェーンがずたずたになって、こちらはちゃんと作れるけど材料が無いとかがありました。それから、マスクとか医療器具とかが、一時めちゃくちゃ不足して、これはえらいこっちゃということになりました。そんなことはたくさんあると思うんです。そうすると、全体的には世界需要が減ってる中ではありますが、少し日本に回帰しないといけないんではないかという議論があるんで、それをどういうふうにして取り入れるかというのが、二つ目の流れだと思います。
三つ目は、オンラインあるいはWebが、いろんなところへ猛烈な勢いで広がってるわけですが、必要に迫られて広がった。便利だからというんではなくて、しょうがないからやってる。だけど、しょうがないから能率悪くやってるんでは駄目なんで、これからそれを基にして、さらにそこを発展させるようなことを考えるということが起こってくると思います。そこを、テイクチャンスしないといけない。このぐらいだと思います。
そうすると、第一は、大規模オフィス。東京や大阪なんかにいる大規模オフィスのもちろん一部ですが、和歌山へ来ていただくということを、今チャンスだから必死になってやらないといかんとなるわけです。以前は、何を言うてるんですか、田舎に行けますかと言って、けんもほろろにやられたんですけど、今はちょっと聞いてくれる雰囲気になってる。昨日も、非常に有望なIT企業が、本社のオフィスよりも広いオフィスを、市駅の上に作ってくれる進出協定を調印しました。県のセールスマンが上手くやって、共感を得て来てくれたんですけど、そういうことをガンガンやっていかないかんことになります。
その時に、社長さんが言ってましたが、たまたま会社上場の時にどうですかと言いに来てくれたんで、良いときに来てくれるなあと思って、何か気に入っちゃったとか言ってくれましたが、単にオフィスがあります、田舎です、リスク分散です、だけではやっぱり来ない可能性がある。そうすると、特に社員さんが東京にへばりついてるのを、引っぺがしてあっちへ行きなさいということをしないといけない。そうすると、緑があります、だけではいけないんで、ちゃんと緑の中で住宅があって、子供さんはちゃんと学校へ行けますから心配いりません、病院はちゃんと完備してます、環境はいいです、こんな便利なとこあります、買い物もちゃんとできます、なんていうのを、ちゃんと整えていかないかんのです。そういうことについて、各市町村と組んで、我々は、誘致の基盤を作っていくということを、これからやっていくというふうに、まず思ってます。
それから、ワーケーションについては、国の助成もありそうです。このあいだ発表された概算要求にも載っていました。従って、具体的になりつつあるんですけど、ワーケーションのための施設を作っていこうと考えております。
その次は、多様なニーズに応じた移住・定住大作戦ということで、このところの傾向で、もうすでにあったんですけど、地方都市の人気が高まってる。その前は、大都会に疲れて、私は自然の中で暮らすんだということで、中山間ばっかり狙ってたんですが、そうでもないので、例えば、和歌山市なんかも含めて積極的に売り込んでいかないかんということです。
それから、シェアオフィスとかコワーキングスペースとか、新しい時代の働き方にあったようなものを整備していくと、もう1回ここで書いておりますし、採用活動も、リモートの採用活動を、各社、一生懸命頑張ってやれるようにしとかないと、なかなか立派な人が来てくれないことになります。
6ページへいきまして、今度は「デジタル和歌山」であります。これはちょっと言うときますと、菅総理よりも私たちの方がちょっと早い。デジタル和歌山だと言って、企業もそうですが、特に緊急事態宣言の中で、いろんな助成金をもらうとき、和歌山県はアナログでやったのが多いけど、みんな必死こいてやったんで、近隣に比べると、そんなに劣ることはなかったと思います。例えば、10万円もらうにしても、結構早めに手続きは終わりました。だけど考えてみたら、あんなもの道具はあるんだから、もっとデジタルの装備がきちんとできてて、それを上手く目的に使えるようなことがパパッとできるようになれば、例えば、マイナンバーカードを差し込んだら、あっという間に10万円がスコンと入ります。あんなの別に審査がないんだから、そういうことになるはずなのに、ならないのは変だなあというところもあるし、市町村なんかの手続きとかが、デジタルで一発でできる、あるいは共通にできる、そういうことがまだまだなかなか進んでません。この際、それをゴリゴリやろうと考えたわけで、これが(資料「デジタル和歌山」の)一番下の、行政のデジタル化を強力に推進していくというところです。すでに、市町村にも、そういう話を今やろうじゃないかという提案をしまくっています。
もう一つは、Web商談。これがきっとものすごいこれから盛んになっていくだろうということで、一種のIT投資として、Web商談の投資の助成をしていこうというふうに思ってるんですが、その時に合わせて、そういうところで仕事をする場合に、例えば、県内企業がそれに応じたら優遇をするというようなことをすれば、県内にもデジタルトランスフォーメーションをサポートしようという企業が、きっと増えていくだろう。こういうことを、一石二鳥で考えてやっていこう、こんなことを今考えているわけです。若干ローカルコンテンツです。
それから、時代を見据えた新産業ということで、昨日のITもそうですが、IT、ロケット、IRというのは、三本柱だというふうに思っています。そういう意味で、それぞれやらなければいけないことがあり、ロケットなんかはもう追い上げ急ピッチみたいな感じもありますんで、頑張って参ります。
それから、教育人材の育成。これを、ちょっと新しい時代に応じてやろうということです。和歌山県は、随分、プログラム教育とか進んでるところがありますし、進んでるとは言えないけども、キャッチアップするために頑張ってる国際化教育とか、いろいろあるんですが、コロナで学校が休校になって、オンライン教育が嫌々始まりました。しかし考えてみたら、それをもっと上手くやることによって、教育効果を高めることができるんではないかというふうに思うわけです。例えば、学校に行けることになっても、担任の先生が1から100まで全部しゃべる必要はなくて、ものすごく教えることの上手な先生が、みんなで研究した上で一番効果的な教え方をして、オンラインでピューと流して、みんながそれを教室でもいいから聞いて、今度は先生とインタラクティブに議論するというようなやり方だってあるわけです。そんなようなことを、一遍、徹底的に考えてみようということを、教育委員会にお願いをして、来年は、それを実行できるように、いろんな手立てを加えていきたいと思います。もちろん、それが可能になるには、大分進んでますけど、1人1台のパソコンを持ってないといけないし、学校に置いといていいと思いますけど、休校になったら家へ持って帰ってやるというようなことが、できるようにならないといけないし、お家の通信環境も整えなければいけないし、学校の中でのシステムをちゃんと整えていかないかんし、ハードウェアだけではなく、さっき言ったみたいな、ものすごく教え方の上手な先生のソフトをどうやって作っていくかという議論をして、本当に作っていかないかんし、それに合わせて授業のやり方も変えていかないかんし、ものすごいやることはたくさんある。だけど、よりよい方向を目指すには、どうせ乗りかかった船だからやってしまおうではないかと、こんなことを今、議論しています。
それから、もちろん誹謗中傷、あるいは不登校の問題もあるし、奨学金、給付金の、我々が始めてきたものも充実していかないかんというようなことは、あるんではないかと思います。
最後に、以上のようなチャンスがあるんで、頑張ってキャッチアップしていきたい。そのための、基本的な基盤整備というのは必要です。通信環境は、私が来る前ぐらいから、随分、和歌山県は整備してるんで、あんまり不満も聞かれたことはない。それから、私が就任してから、携帯つながるプランとかもやってきたし、最後に残ってたブロードバンド化もほとんど全部できてますが、やっぱり道路については、大分済みましたけど、仕上げがまだまだ必要なんで大事だし、例えば、河川の不安定さというのは、人々の不安の対象になるというようなこともあるので、これはちゃんとやっていかないかん。
それから、白浜空港は、幸い、今は随分回復がだんだん進んできてますが、コロナの前に、岡田社長がお見えになってから、随分業績が良くなってきました。さらにいろいろ構想があって、国内のネットワークをもっと増やすとか、コロナで当分無理ですけどチャーター便を海外から入れてくるとか、それから、ビジネスジェットです。万博なども含めて、ビジネスジェットがあそこに置いておける、あるいはあそこを拠点にして海外と連絡する。そんなことができるようになったらええなというふうに思っていて、そのための整備もきちんとしなければいけないんで、それをやろうではないかと、こんなふうに考えてるということです。
以上が、新政策のとりあえずの発表ということです。
その次は、紀の国わかやま文化祭の公式リーフレットが完成をいたしました。
知事室長:予算編成方針の説明がいります。
あ、そうだ、予算編成方針を忘れました。予算編成方針については、あれ、僕の紙が付いてなかった。付いてたかな。あ、そうだ、もらった紙と違う、予習してる紙と変えてきたんで、最後の1枚紙が抜けました。
結論を言うと、来年も5%カットのシーリングは継続します。最終的には、やらなければいけないことがたくさんあるんで、どういうふうに最終的にでき上がるかということで、最終的な予算額が5%カットではない。予算編成の方針の中で、既存の予算については5%のシーリングを実施して、スクラップビルドをやったり事務事業の見直しをしたり、そんなことをしながらやっていくということです。
このところ、予算について言うと、私が就任してからの行革で、県庁の人材も随分減ってるんです。それまでに比べて9%減った状態でずっと維持してるんで、いろんな事業も程ほどできるようになり、基金もそんなに減らないで何とかやってきたんですが、最近は、投資案件が目白押しです。特に、国土強靱化でたくさんお金をくれるので、制度上、それをいただくためには、こちらも負担金を出さないといけない。それは躊躇してたらチャンスがどこかへいってしまいますから、何十年のチャンス到来ということで、それに応じてドーンとやってます。それに加えて、例えば、県立医大の薬学部もやっていかないかんし、長計には、ちょっと老朽化した二つの博物館は直して、もっと立派なものにするというようなことを書いてるし、それから、やっぱりどう考えても、環衛研(環境衛生研究センター)を直さないといかんというふうに思っていたり、いろんなあちこちの過去の投資のリニューアルを、きちんとやらないといけないのが残ってきてます。従って、贅沢に野放図にお金を使うわけには、今いかなくなっております。前も野放図に使ったわけではないんですが、もっと大変になってきてる。だからといって、財政だけ考えて過ごしてると、10年20年30年後に、やっぱり禍根を残すんで、投資はきちんとしとかないかん。財政運営も結構大変ですが、とりあえず、スクラップアンドビルト、事業見直しなどをやり、5%のマイナスシーリングで、とりあえずこれから始めてみよう、こんなことです。
~開催まで約1年~「紀の国わかやま文化祭2021」公式リーフレットが完成
次は、紀の国わかやま文化祭でございます。来年の開催まで、1年を切りかけてきたということで、いろいろ準備は着々と進んでいますが、今度は公式リーフレットができました。
これ(リーフレット)を見ると、なんかちょっとこう胸が騒いできます。上手いことできてまして、1回めくると、共通の事業、例えば、開会式はいつこんなふうにやるとか、県が自分で主催をして大々的にやると言ってるような文化事業とかが、ここに書いてます。今度開けていただくと、各地域、紀北、紀中、紀南で、それぞれこんなことをやるということを、一覧で書いています。これは、文化交流事業というのが中心に書かれてますが、国民文化祭の花みたいなもので、全国のそれぞれの文化団体が、開催県を中心にしてみんな集まってきていろんなことをする。こんなことでこんなことをやると、いろいろ書いています。これ(リーフレット)を見てると、何となく楽しくなります。それから、地味に書いてますが、下の方に字だけで小さく書いてある事業も、紙の都合で字だけにしたんですが、決して重要でないというわけではなく、次回から、もうちょっと紙の余裕がある時は、こういうものもちゃんと紹介したいというふうに思います。
これをあちこちに置いときますので、どうぞ見ていただきたい。7万5000部つくりました。県庁、市町村、文化施設、文化関係団体で県内イベントをやるところに、いっぱい置いておきますので、ぜひ皆さん、見てニヤッと笑って楽しんで、楽しみにして欲しいというふうに思っています。
和歌山「Go To Eatキャンペーン(食事券発行事業)」参加加盟店の事前登録について
それから、「Go To Eatキャンペーン(食事券発行事業)」が決まりました。全国的には、一次、二次にわたって決まって、9月の終わりに締め切られた二次の募集に、和歌山もそこでアプライしましたが、これで47都道府県全部そろったことになります。ちょっと手続きでもたもたしまして、1回目に遅れたんで大変申し訳ないというふうに思ってますが、その後、ちょっと巻き返しを図るべくいろいろ頑張っていて、9月の終わりに申請をする時には、その前から、商工会議所なんかで事前登録の手続き(の準備)がどんどん進んでます。このシステムは、(資料の)次のところに出ておりますが、国のお金で食事券の25%が上乗せされることになります。どこで買うかは、食事券発行事業者から買うわけで、和歌山県について言えば、政府に選ばれたのがJTBです。JTBで買えますが、JTBに飲食店が登録しとかないといけない。その登録は、合格したJTBが和歌山でやるためのシステムを作ってると思いますが、合格したから(システムができてから)受け付けますというと遅くなるので、先に事前登録の申請を商工会議所でやっといて、システムができたら、これ(飲食店)を入れてくださいで、スコンと入ることによって、実際の使用開始を早めようと、こんな作戦でいます。10月の下旬を目途に、和歌山県の食事券発行事業者が準備を進めておるということで、それ(システム)がパッとできたら、(飲食店を)パッと入れて、すぐに使うことができるように、我々もプッシュしていきたい、こんなふうに思っております。
なお、ちょっと恥ずかしいんですが、近畿では和歌山が一番遅くなりました。ただ、その他の8月ぐらいから合格してるところについても、実際の販売開始は10月の中下旬ぐらいからというのが多いので、実際は、そんなにたくさん利用者にご迷惑かけることはないんではないかというふうに、思っている次第です。
国勢調査の回答は10月7日までに!
それから、最後に一言ですが、国勢調査の回答が明日までです。これは、ぜひ皆さんやって欲しいということで、私も、当然ですが、オンラインでちょこまかと入れました。ちょこまかと入れると、ものすごく簡単に入ります。それから、オンライン以外のやり方で言うと、小さく折った紙が封筒の中に入っていて、それを鉛筆で黒丸に潰して、封筒に入れてポンと(ポストに)放り込めばいい。従って、そんなに大変なことはない。国勢調査ってすごくいろんなことを書くと思ってたら、最近は随分簡単になった。収入は幾らですかとかは無いし、家族構成とか、どんな職業ですかとか、簡単な分類とか、そんな感じになってるんで、負担はほとんどないと言ってもいいと思います。私も覚悟してコンピューターに向かったんですが、1時間ぐらいかかるかなと思ったら、10分ぐらいであっという間に終わりました。書く方も、もっと簡単にできるかもしれません。
ということで、必ず出して欲しいと思います。これを出さなかったらどうなのかということで、本人に対して別に調べ上げて処罰をすることはないんですが、そんなに人口がいないことになると、皆さんがお住まいになってる町の交付税なんかが下がってしまいます。そういう意味では、その他にも間接的不利益はありますから、結局は、こういうものに協力してちゃんと出したところは得をすることになる。損得だけで考えても、絶対に出したほうがいいということで、和歌山県の県民は、1人たりとも出さない人がないよう、お願いしたいというふうに思います。あと2日でございますので、よろしくお願いします。
以上です。
質問と回答
朝日:新政策と予算編成方針の「経済と暮らしを守り切る」のところで、観光産業の発展とあります。ウィズコロナの時代においても、和歌山県内の観光産業というのは、県内の主要産業といいますか、柱として捉えているということでよろしいですか。
知事:はい。もちろんそうです。それはもう永久にそうです。いつの時代もそうですが、(コロナで)一番ひどい目にあったのはこれでした。全国的に一番回復が早いのは、和歌山の観光産業だったと思いますが、回復というだけですから、もっともっと伸びていってもらう力があるんで、それは頑張らないかんということでしょう。
朝日:「蘇りの地、わかやま」キャンペーンの引き続きの展開とありますが、これまでも、申請だとか利用が結構順調に進んでるという話がありました。県としては、これまでも手応えがあるし、この継続が一番というふうに見ているということですか。
知事:今、何の話で言われました。
朝日:観光産業の発展のところで、「蘇りの地、わかやま」キャンペーンの引き続きの展開です。
知事:「蘇りの地、わかやま」というのは、総ネーミングです。その中に、例えば、大阪でこんなふうなキャンペーンを打つとか、JRの何とかにこうしようとか、感染予防の観点から、旅館の人たちが自分たちで申し合わせてこういう予防策をしようとか、それをアピールしようとか、たくさんあります。たくさんある中で、蘇りの地というのは、高野・熊野のキャッチフレーズですが、考えてみたら、世界中がコロナでひどい目にあった。だけど、人類は蘇らないといけない。それを、和歌山から始めよう、和歌山へ来ることによって力を得ていただいて始めよう、こんな総キャッチフレーズを作ったわけです。個々の話はまたいろいろある。
朝日:ちょっと話がずれますが、大企業のオフィス誘致や移住誘致のところで、特に移住・定住誘致のところだと思いますが、地方都市暮らしだとか地方暮らしが、今注目を集めてるという話です。各地方、同様な動きと言いますか呼び込みの競争が始まってると思いますが、和歌山として、どんなところが特にPRポイントになるか、どういうところが強みになると考えてますか。
知事:たくさんあると思いますが、その一、コロナにちゃんと対応できてる。だから、和歌山へ来られたら、ちゃんと面倒はきちんと見てくれるというのは、表面には出ないかもしれないけど、当然あり得ると思います。これは観光も同じです。
それから、立地環境として考えたら、実は交通の便がすごい良い。例えば、大阪を中心にして考えたら、簡単にテレワーク環境なんか取れる。それから、高速道路も、最近は良くなってるから、ずっと南の方まで簡単に行けます。それから、鉄道はちゃんとしてますから、新大阪から考えたら、東西あるいは北陸も含めて考えても良いと思いますが、東西南北の周辺から和歌山へ来ていただくのは、そんなに不便ではない。さらに、関空と南紀白浜空港という二つの空港がありますから、それぞれ使い道によって大変便利です。それが二つ目の条件です。
それから、当然のことながら、自然がいっぱいで、緑が結構多くて、過密ではない。過密というのは、一番嫌われるアイテムだと思うんで、過密ではないところというのが、これ逆説的な意味かもしれないけど売りになる。当然、渋滞もないし地価も安いことになります。一方、そんな田舎だから、いろんな意味で不便かというと、教育環境とか、医療環境とか、福祉とか、そういうのも別に遜色がないし、むしろ全国以上にきちんとしてるというふうには思うので、そういう意味では、なかなか良いんではないかというふうに思うんです。
そんなことをアピールしながら、これから頑張っていかないといけないというふうに思います。
時事:2ページのところに、環境衛生研究センターの再整備が書かれていて、長計の話でも触れられてましたが、これは具体的にはどういう。
知事:環衛研は、今コロナ対策ですごい第一線で頑張ってくれてますが、私も見に行きましたけど、建物がものすごく古くてちょっと気の毒だと。あんな立派な人たちが、重要な仕事をこなしている環境としては、ちょっとこれは申し訳ないと思うようなところがあります。研究者とか調査員とか、そういう方々の集合体ですが、あんまりそういう人達は、ワイワイと文句を言わない。環境なんか悪くても頑張ってしまうんですが、やっぱりそれではいかんのではないかというふうに思うんで、これはもう建て直そうというふうに思ってます。今の仕事を止めて建て直すわけにはいかんので、上手いこと仕事を継続しながら建て直さないかんということを、これから考えているところです。
時事:主にハード面で、実際に建て替えるというお話ですか。
知事:はい。
時事:コロナに関して、SNS等での誹謗中傷を禁止する条例を作るということですが、結構似たような、止めましょうねという条例があったりして、そういう呼びかけとかもすごく自治体からありますが、多分知事がおっしゃってるのは、そこからもう一段踏み込んで、本当にそれを防止するための条例を作りたいというお話だと思うんですが、例えば、それはどういうものですか。
時事:そこは、今法律的にいろいろ考えてるんで、今日の段階ではこれからのお楽しみということにしたいと思います。
読売:新施策の事業数とか、それを含めた事業数がどれぐらいになるかというのは、現段階では分かりますか。
知事:分かりません。
毎日:元々、来年度の新政策を考えてたところ軌道修正されたということですが、元々の予定ではどういったことを考えてたけど、軌道修正することになったのですか。
知事:全く新しいことばっかりではないんです。だけど、例えば、少子化対策なんてやっていかないといけないけど、コロナで、例えば、赤ちゃんを産むのも嫌だというふうに思われたら大変だというのが、もう一個加わっていくわけで、それの対応もしていかないといけない。それから、企業誘致とかは当然ずっとやってますが、今がチャンスだ、それ行けというのもあるし、従来型の製造業なんかで考えてた話で言うと、ちゃんと用地を造って、助成金を作って環境を整えていきますが、オフィスにいる人をバッと寄せてこようと思ったら、あの人たちが何が嫌でこっちへ来るかを考えたら、ちょっと別のことも考えないとあかんなあとか、何が嫌で行きたくないかということもある。後者で言うと、例えば、子弟の教育だろうと思うし、前者で言うと、ごみごみ狭いところにぎゅうぎゅう押し込まれて、どうせ行くんだったら、他所の大都会の町よりも、ゆっくり住めるところで職住近接でやっていきたいというふうに従業員が思いませんかというふうに思ったら、その受け皿を作っていかないかんということになります。
それから、大きく全然変わってるのは、人手不足対策だけで考えていた労働政策を、人余り、要するに、労働需給がすごい緩和してしまった失業対策みたいな話を加えていかないと、時代に合わないというところは、かなり違います。
まあ、少しずつ違うのと、ころっと違うのとの合わせ技です。
毎日:もともと決めてたものに、さらにコロナ対策も上乗せしてやっていく。
知事:そうです。
毎日:何点かちょっと細かいとこを伺いたいんですが、6ページに「デジタル和歌山」の実現で、行政のデジタル化を強力に推進していくということで、電子申請とかが書かれています。今、脱ハンコ化で各県が進められてるとこもあると思いますが、電子申請することによってハンコの問題も付いてくると思うんですけど、そのあたりは。
知事:それは付いてきますけど、象徴的な意味でハンコと言うのはいいと思うんで、別に反対はしませんが、そういう問題だけではないです。ですから、もっと根本的に考えて、どういうシステムを作れば社会が便利になるかということを、じっくり考えながら必要なことは対応していこうというのが大事なことだと思います。
毎日:今の段階では、どの書類はもうハンコは必要ないですよとかを、どんどんやっていくというよりは、
知事:そういう細かい話は後で付いてくるでしょう。
毎日:今現在、県の中で、これはもう要らないですというような書類が、新たにできてるという感じではないんですか。
知事:それは、片っ端らから、これまでも整理してきました。例えば、公共事業の申請なんか10年前と今日を比べると、(書類の)厚さとか、写真の数とか、調べて持って来いというものとか、全然違います。要らないものはどんどん減らしていったらいいと思うんで、ハンコなんかもその一環だろうと思います。ただ、我々が考えてるのは、そんなもんではないんです。
毎日:もう1点。避難者名簿のデータベース化ということで、まだ具体的には決まってないのかもしれないんですが、避難所を出てからの生活を支えていくという点において、データベース化したほうが良いということで、先ほどおっしゃったと思うんですけど、具体的にどういう活用のされ方を想定されてますか。
知事:今考えているので、ひょっとしたら、大したことにならない可能性もありますが、避難所に来た人が、防災ナビアプリを持ってると想定して、その防災ナビアプリで避難所に来た人たちが、把握されるところまでやりましょうというのが最低限です。さらに、それをその後の支援にどう結びつけるかというのは、これから考えることになっていてというか、私が考えろと言って、防災ナビアプリをピッといったらポッと入るとか、なんかそういうちょろいことだけでいいのかと言って、今やってもらってます。ただ、最終的には、どう考えてもそれしかないということになると、今、私は悪口を言いましたが、それで終わる可能性もあります。
時事:同じく個別のやつなんですが、保育ニーズがある、あらゆる世帯への支援を充実する、いろんな家庭がある中でそれを充実する、そこに全国トップクラスの取組を推進するという、ちょっと意気込みがありますが。
知事:すぐ、そういうのを書いてしまうやつがいるんです。時々、この辺が痒くなる。私はあんまり趣味じゃないんですが、まあ間違いでもない。例えば、今、和歌山県は、歴史的に言うとトップクラスでずっと来たんです。政府に追いつかれたんで、今トップクラスであるのが、0歳児の在宅支援ぐらいで、細かいところは出入りがあるんですけど、例えば、3人目からの保育料タダとか2人目もタダとか、そんなのずっと全国に先駆けて引っ張ってやってきました。そんなのがあるので気分で書いていますが、今ちょっと私が問題意識を持ってるのは、保育園に限らないんですけど、働いてる両親以外は面倒を見ないんです。0歳児の在宅だけ我々は面倒を見てますが、例えば、年子が生まれた、生まれようとしてる、あるいは生んでも良い、妊娠が分かりました、あるいは妊娠をしようかと思いました、そういう時に、小さいお子さんを育てるのはすごい大変です。さらに赤ちゃんができるんだ(となると)、うわっ大変となって、ちょっとしばらく何年か(産むのを)止めようという話になると、少子化になる。だから、専業主婦でも、本当に大変だったら助けてあげたらいいと、私は思うんです。でも、それをどうやって助けてあげたらいいかというのはすごい難しくて、保育園は、最近は和歌山県も結構いっぱいですから、働いてない人も入れると言ったら、制度の維持のためのお金がかかるだけでなく、本来の働いてるご両親のお子さんが先に入るべきところが入れなくなる可能性があり、それはなかなか難しい。じゃあどうしようか、なんてことを今考えてます。そういうのがちゃんと実現できたら、これは明らかにトップクラスです。だから、国に追いつかれたんで、また引き離そうと、こういうことです。
時事:そういう意味での、あらゆる世代への支援ということですか。
知事:そうです。
紀伊民報:4ページの、コロナに負けない健康づくりの中で、下の方に、利用者や家族の意欲向上を図るため、改善効果の見える化に取り組む、これは、具体的にどういうことを。
知事:具体的に、どういうふうにしたら一番効果的かなというのを考えてるということで、今のところ問題意識だけ書いてあるとご理解ください。だんだん具体化していきます。
紀伊民報:ちょっと話は変わるんですが、政務調査費の訴訟で大阪高裁の判決が出ましたけども、その受け止めをお願いします。
知事:私は、司法の判断というのは、原理原則的に考えたら、ちょっと安易ではないかと、若干思ってます。というのは、例えば、オフィスをいろんな名目に使ってる。その名目に使ってるのが五つあったら、オフィス代を五等分しろというのが、司法の判断です。だけど、県議としての政務オフィスとしてほとんど使っていて、いろいろ頼まれてしょうがないから、看板だけかけてた。看板だけの年もあるし、年間何回か電話がかかってくる年もあるというようなのを、全部等分にしなさいというのは、おかしいんではないかと思っています。しかし、それに対しては、ちゃんと実証しなければいけません。これにこれだけかかっていて、これにこれだけかかっていて、これにこれだけかかっているんで、これは全くかかっていません、これでこれだけ全部かかってます、どうですか、明らかでしょうということを、立証せないかんので、その立証に若干、和歌山県は負けとるというふうに思うんです。負けてるというのと、私のようなことを言うのがちょっと遅れたところもあります。弁護士さんの作戦かもしれませんが、それで負けぐせがついてるのと、ちゃんと実証ができていないところもある。そういう意味では、県議さんが、別にずるっこいことをやっておられたわけではないと思うけど、負けてしまってる現状は、現状として認めないといけない。私は、県議さんの気持ちは分かるから、何とか救済できないかと思ってるけど、法律的にできるかどうかは、これから考えて結論を出さなければいけないと思います。
紀伊民報:救済というのは、上告の可能性も含めて。
知事:もちろんそれだけです。それ以外はありません。県費で埋めるなんてことをしては、絶対いけません。
紀伊民報:上告するかについては、今まだ検討中という段階ですか。
知事:そうです。法律的にはなかなか難しいかもしれません。
産経:先週、知事は誕生日を迎えられたと思いますが、どのように過ごされたのかというのと、70歳なので、ご感想を一言お願いします。
知事:何曜日だったっけ。
知事室長:金曜日です。
知事:仕事をしてました。それが第一。第二は、とうとう70代になってしまった。それで、私が何か起こしたら、あるいはコロナにでもかかったら、70代男性と言われるなあと、偉いこっちゃと。それから、やっぱりだんだんと年だなあとか、そんなふうに思います。以上です。
朝日:政務調査費の件についてですが、検討を進めてるという話だったと思います。さらに新たな証拠を出さないと、もし上告した場合もなかなか厳しいと思いますが、その中で、県にとって裁判を続けるメリットといいますか、どんな点になりますか。
知事:例えば、県議さんからすれば、認められた政務調査を堂々としてやってるのに、認められた経費支出を堂々としてやっておったら、何か知らんけど、お前とこに看板がかかってると言われて、当然いただけるはずのお金をもらえなかった。それは正義に反するのではないかと県議さんが思われるのは、心持ちとして分からんでもないので、それは悪くないのではないですかといって応訴した。これは正しかったと思います。
それから、今でも、心情の問題として考えたら、そんなに非難することですかというふうには思っていますが、法律的に勝てるかどうかは分からないので、絶対勝てないということになれば、それは県議さんにご説明して、諦めてもらうしかないことになるかもしれません。その辺の法律論をちゃんと詰めておかないといけないんで、格好だけつけて、気分が分かるから公費を使ってというわけにはいきません。
だけど、繰り返しになりますが、この問題で、県議さんを道徳的に非難するようなことは、私は間違いだと思ってます。
朝日:県としては、これまでの話になるのかもしれないですけれども、県議さんが正当な支出だと思ってる以上は、県としても県議さんの活動を保証と言ったらあれですけれども、応訴したというのはこれまでですが、今後については。
知事:具体的にもっと言うと、ひょっとしたらというか、勝てるんではないかと思ってやってたわけです。負けるのが分かってるけど県議さんが怖いからやってるわけではないんです。だけど、現実には、残念ながらやっぱり負けたというのがあって、同じ理由で持っていったらまた負けますから、別の対応が法律的にあり得るのか。主張の気持ちは分かるんだけど、裁判で勝てるかどうかはまた別の話だから、勝てないことが分かってる裁判は、やっぱりやってはいけないというふうには思います。