知事記者会見 令和3年1月13日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和3年1月13日 知事記者会見

令和3年1月13日 記者会見室 

県内の新型コロナウイルスの感染動向及び県民の皆様へのお願い

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 今日はそんなに材料はないのですが、コロナの関係について申し上げたいと思います。新年初めての会見で、みなさん、明けましておめでとうございます。

 資料を若干用意しておきました。毎日、福祉保健部から発表していますから、個別の話は、皆さんフォローしていただいてると思いますが、まとめますとこうなります。

 第三波は、なかなか急激に拡大をいたしましたので、和歌山もかなり増えました。そういう意味では、あんまり楽観できない状況だというふうに思っています。(資料では)ちょっとピークの21人から減ってるように見えますが、まだ、一本調子で減っていくという見通しを持っていません。従って、注意をしていかないといけないということだと思います。

 その次に、地域別に言うとどうなるかというと、やっぱり和歌山市が多い。その次は、橋本保健所管内が多い。和歌山市は和歌山市保健所で、保健所別にやっていますが、そういうところが多い。一概には言えないかもしれませんが、大阪とのルートが開けてるところです。大阪の先には他の地域もあるし、そういう地域との往来、あるいは、あんまり遊びに行かないようにと言ってるけど、遊びに行かれた方もいるかもしれません。そういう行きやすいところは、割合、今は多くなっていて、保健所のキャパの問題もあり大変です。そういう意味では、よく認識しておいていただきたいと思います。

 それから、第三波における新規感染者の年代別推移を考えますと、ちょっと高齢者が多いのが、第三波の初めの方でしたが、年末年始にかけて随分若い人が増えました。これは、明らかに、若い人が帰省等の機会に集まって、ちょっと羽目を外された感じがあります。若い人がうつりますとその家族にもうつるから、そっちの方も増えるわけで、若干、その点は特色になってきています。

 医療提供体制は、刻々と変わっていくので、我々は、最終的に400床の目途はつけていますが、現有では、272床をコロナ用に空けてもらっています。この数字は結構変わっていきます。1ヶ月ぐらい前は200床ちょっとぐらいだったと思いますが、少し多目に、もう少し空けてくださいという感じです。400床までは無理を言えば空けられる状態ですが、それを超えると、かなり難しくなってくるということだと思います。

 それから、ステージの計算をいたしますと、和歌山県は「ステージ2」が多いのですが、「ステージ3」になっているところもあります。そういう意味で、病床使用率は「ステージ3」です。ただ、各県のステージ数を比較してはいけない。和歌山県は全員入院ですから、全員入院のところとは比較できます。兵庫県は、自宅療養は一切させないということで頑張ってるけど、入院という意味では、初めは和歌山と同じようなやり方を堅持しておられたんですが、病院はちょっと無理になって、入院と宿泊施設療養という二つです。東京は、それに加えて、大部分のところは自宅、あるいは自宅と決めないで待ちというのが結構ある状態なので、病床数の地域別単純比較はあんまり意味がない。だけど、和歌山県の方針はずっと一緒ですから、時系列での比較は意味があるので、結構、和歌山県も増えてるということを、分かっていただきたいと思います。

 PCR検査の陽性率は10%ぐらいありますが、これも地域を跨って比較すると、あまり意味がなく、時系列比較がよろしいと私は思います。というのは、和歌山県は、あまり無駄玉を打ってない。その代わり、「これは」と思うところは、広めに網をかけて、濃厚接触者であろうと、濃厚接触者とも言えないけど念のための周りの人も(検査を)やってるし、もちろん、症状が有る無しに関係なく、片っ端らからやっています。一般的に適当にやってる、ちょっと今日はこの辺をザーッとたくさんやってみようという感じではやっていないので、そういう意味では、比較的高めに出る可能性があります。ちょっとよく分かりませんが、一番高めに出るのは、濃厚接触者が分かっているのに全部しないし他もしない、これが一番高めに出ます。その次は、分かってたら全部やるし、前広に周りを囲むという和歌山みたいなところが結構高めに出ます。いわゆる社会検査みたいな感じで、片っ端らから「分からないからやってしまえ」といってワーッとやってるところは、かなり低く出る。それでも結構あるということは、いっぱい流行ってるということです。

 こんなことなので、他県とこれを比較してもあんまり意味がないのですが、時系列比較は意味があります。和歌山県は、狙い撃ちですから、結構、そんなに低くはならず、低い時は、PCR検査の数が減ります。時系列的に言うと、もっと少ない2%ぐらいの時もありましたが、今、10%を超えてるので、結構高いというべきだろうと思います。

 前週比は、結構高止まりをしているので、あまりよろしくない。こういうことです。

 そこで、今日は、報道によると、関西と、関東の残りの栃木県と、中京圏の愛知県、岐阜県と、福岡県と、もちろん我が3府県が、緊急事態宣言の対象になるというふうに報道されていて、多分そうなるのだろうと思います。

 そうなったことを前提にして、(県民への)お願いを書いています(資料6ページ)。赤字のところが、新しく、ある意味で強化されたところで、緊急事態宣言対象区域は、従来は首都圏だけでしたが、それ以外の区域へも、不要不急の往来は控えて欲しいというのを、県民に呼びかけようと思います。

 それから、在宅勤務、テレワークあるいは時差出勤などの取組を、和歌山でもできるだけやって欲しい。これはなかなか、事業所によってはできるところとできないところがあり、県庁などはものすごくできにくいところですが、できるところは取組を進めて欲しいというふうに思っています。

 特に、大阪との関係でいうと、大阪の方も、和歌山に出勤して来られる人もいます。そういう人は、大阪が、できるだけ他所へ行かないようにというメッセージを出していて、大阪の事業所に和歌山から通うのは大阪でメッセージを出してもらいますが、逆の場合は、和歌山で、できるだけテレワークでやりましょうというふうに言っておかないといけないので、これを書いています。

 あとは一緒で、ついでに言うと、成人式なんかは終わってるし、年末年始も終わってるので、その辺は削除しています。

 もう一つ、昨日だと思いますが、教育委員会から指令を出しました。クラブ活動の遠征をしてうつったケースが出て、しかも、それは、割と感染が強い地域に行って、練習試合でした。クラブ活動の集大成で全国大会が開かれるのは、大体、無観客で注意をしてやるということで、それも全部禁止と言うつもりはないのですが、練習試合などは別にやらなくてもいいのではと思うので、それについてはちょっと厳しめにしようということです。(資料7ページに)「1」、「2」、「3」とあり、「1」は、県外の学校との練習試合や合同練習などは止めてください。これはもうはっきり禁止にする。それから、県内の学校との練習試合や合同練習は、原則禁止にします。クラブ活動を止めろというつもりはないけど、合同練習とか練習試合は、ちょっと我慢してもクラブ活動は維持できると思うので、そこは原則禁止にし、特別の理由があるときは、しょうがないかもしれないということです。大会等への出場停止については、前から、こんな場合はどうするという話があり、出場停止や大会中止というのがあるので、それによって判断する。それから、いろいろ教育委員会に相談をしてくださいということです。

 重ねて、原則的なことを申し上げますと、和歌山県は、できるだけ県民生活が破滅的な状態にならないようにしなければいけないことも考えて、できるだけそちらの方はあまり制限をせず、その代わりに、他のどこの県よりも、保健医療行政は、我々の、どちらかというと自分たちの仕事ですが、それはものすごく精緻にやっています。しかし、ちょっと敵(ウイルス)も強い。感染力も結構強いので、やっぱり守って欲しいところは、他所に比べると最低限に近いぐらい少ないのですが、それだけは守って欲しいということで、県民の皆さんによろしくお願いしたい。そうすれば、もうちょっと感染圧力が減ってくると、従来どおりの方針で、県民生活を破壊しないようにやっていけると思います。だけど、これが突破されてしまうと、それこそヨーロッパみたいなことをやっていかないといけないことになってしまうので、それは何としても避けたい。我々は避けるように努力をしていますが、県民の皆さんも、最低限のところは守っていただいて協力して欲しいということです。

 ちなみに、復習いたしますと、何でこんなこと言っているかというと、4月に緊急事態宣言がありました。和歌山県も緊急事態宣言下にあり、確か21日間、かなり多くの業種に対して休業要請をしました。それから、県外からの往来も止めろというふうに、基本的には言いました。その結果、何が起こったかというと、全部で120億円ぐらいの直接的損害が、その当該業種において発生しています。それから、関連業種の波及を入れると、1400億円(下線部については誤りであり、正しくは約630億円です)近くの影響がさらにあり、(併せて)1500億円(下線部については誤りであり、正しくは約750億円です)に近いぐらいの影響が出てしまう。そうなると、国の補給金や支給金、それから県の支援金を全部足しても、到底そんなものは間に合わない。

 だから、いろんなとこで生活に困ったり、あるいは、過度の自粛によって健康を害したりする人たちがたくさん出てきて、それがまた命を縮めることにもなるので、できるだけこれでやりたいけど、技監なんかの苦労はもう限界です。そういう意味で、最低限のことだけ言いますから、ぜひそれだけは守って欲しい。

 以上です。

質問と回答

NHK大阪など関西エリアの宣言発令のタイミングですが、先日、連合長としてコメントをいただいてますが、和歌山県知事としては、このタイミングが遅いのが早いのか。

知事:我々も、5日の時点では、みんなに協力していただきながら、これで乗り切れるのではないかと思ったわけですから、政府に対して、遅いとか何とかということを言う筋合いのものではない。私も頼みましたけど、お願いと言ってからは、週末を挟んですぐにやってくれそうなので、それも苦情を言う筋合いのものではないと思います。

NHK:経済関係の話ともリンクしますが、宣言地域からの誘客、来客については求めないということですか。

知事:そこは、今、そんなことを「言う」「言わない」に関わらず、例えば、観光については、たくさん流行ってるところの方々は、とにかく旅行へ行くような雰囲気ではないと思います。だから、あえて言いませんが、別に勧めてるわけでもない。勧めているのは、ここにもありますが、ガイドラインをちゃんと守って、「あれ、これおかしいな」と思ったら、ちょっとお客さんにもいろいろ言ってもらったらいいし、「熱があるのですが、行っていいですか」(と聞かれたら)、「それは止めてください」と言わないといけないというふうに思います。

NHK:今回は、経済と感染のバランスの中でどうするかということだと思いますが、大阪では、それなりの休業要請や時短要請が出てる中で、和歌山としては、そういう要請はしない。

知事:それは、必要があったら必ずやります。それは、保健医療行政が他のどこよりも一生懸命やって最善は尽くしているけども、敵の方が強大だったら、敵というのはウイルスですが、とにかくウイルスがウロウロするのを止めないといけない。これは、今考えられてることよりも、もっと私は思い切ったことやったらいいと思っていますが、そこは法律の問題もあり、できるかどうか分かりません。ですが、それをどこかでやる可能性は、全然否定しません。だけど、そうでなければ、今(の県民へのお願い)、何とか頑張ろうと思ってます。

朝日:県内の感染状況について、各ステージごとの今の分析数字が出てると思いますが、それぞれの数字の全体を見て、改めて、県内の感染状況はどういう状況にあるのか、他県と比較してというより時系列的に見て、どのように考えてるかを伺えますか。

知事:実は、和歌山県は、ものすごくこの棒グラフ(資料3ページ)を見て分かりますが、この辺でキューッと減った後、ウワーッと増えていて、そういう意味では、実はレベルは低いけど、感染急増地域です。これを必死になってそこで止めないと、感染が少ない地域だけど急増地域が、感染多い地域になったら、他のところと同じように、行動の自粛とかそういうことで水をかけないと、もう持たないことになります。そうならないように、一番うつりやすいところだけは言っていますから、それは注意してほしいということです。

朝日:現在の状況から考えて、宣言対象区域に要請も一つの選択肢としてあると思いますが、少なくとも、今の段階ではそういう状況ではないということですか。

知事:そうです。

朝日:今日、隣県の大阪も含めた近畿圏で、宣言対象区域に指定される見込みになりました。なかなか難しいのが出口、解除をどのタイミングでするかが、今後難しい判断になると思います。隣県の和歌山として、どういうタイミングで、どういう状況になったら解除するのが妥当だと思いますか。

知事:それについて、私は定見がありません。それこそ、それぞれの宣言区域の知事さんは、当然、感染が抑制されているかも考えるだろうし、ゼロになるまでやってもらうかというと、それぞれの生活や経済などの全部に責任がある。だから、それも考えながらやっていくわけだし、因果関係とか状況とか、いろんなものがたくさんあると思うので、そこは一概に決められないのではないかと。よく、数字を決めているところがあって、和歌山県もそうですが、やっぱり最終的にはその時の判断になるので、あんまり硬すぎる形は役に立たないというふうに、最近思ってます。

朝日:そこは、各自治体のトップが責任を持って状況を見ながら判断していく。

知事:それから、宣言は国の権限です。今は半分だけ言いましたが、各自治体の判断もあるし、それを国と相談して、国も今度は科学的にも考えるでしょう。それから、地政学的に、この地域はどうしなければいけないかも考えるでしょう。そういうことも全部合わさって、結論が出るのではないかと思います。

時事:コロナに関連してですが、まず、全国的な自粛要請の話で、知事は従来、保健医療行政がまずきっちり頑張らないと駄目だとおっしゃってますが、全国や政府の発言を見ると、やっぱりもっともっと自粛せよというメッセージが強くて、西村経済再生担当大臣は、お昼のランチも自粛してくださいというようなことを言っています。営業時間短縮は、20時以降を止めろと言っているのにお昼も駄目なのかということで、何かどんどん窮屈な感じになっていますが、ここについてはどのようにお考えですか。

知事:それは、やっぱり西村さんの立場から言うと、食事の時にうつるというのが大体分かってきて、我々もそう思ってます。家族内とか職場内とかは波及効果で、一番初めにうつってくるのは、やっぱり食事が多い。だから、食事のところは夜も昼も同じでしょうというので、西村さんの発言になったのではないかと思いますが、一方で、じゃあ食事も止めようと言ったら、外食産業は全滅します。全滅した時の責任まで考えると、ちょっと言いにくいから、注意して、ぐらいの感じではないかと思います。西村さんも、休業要請まで言っていませんし、対処方針にそんなこと書いていません。

時事:知事が従来おっしゃっていた感染症法の改正ですが、ついに政府で検討を始めまして、積極的疫学調査で、保健所の聞き取りに対して、ある種それを義務化する、従わなかったら罰則をつけるというようなことが議論されているようですが、ここについて受け止めをお願いします。

知事:きわめて評価します。それは、大変な苦労をしてやっています。もちろん、素直に全部言ってくれる人も多いのですが、中には協力しない人がいて、それを「そうですか」と言って見逃したら、それこそ何もしてないのと同じになります。そこからどんどんうつったら、その後がどのぐらい大変になるかということで、私は、実は、特措法の改正より感染症法の改正の方が、少なくとも和歌山県のようにちゃんとやってるところは、意味があると思っています。

そういう意味で、しばらく報道されなかったので、大丈夫かなあと思って、関西広域連合でもお願いをし、それから政府にも働きかけたら、これはいけることが分かって、だんだん報道も出てきました。だから、それを忘れずに考えてくれていて、評価したいと思っています。

時事:特措法も含めて、法整備の話を議論するのが遅いのではないか、もっと早くという声もあったと思います。

知事:世の中では、特に特措法で言われています。私は、特措法は、途中で和歌山県の大方針を、第一波の後に少し変えてますから、そういう意味では、特措法にそんなにこだわらなかったのですが、感染症法は、もうズーッと問題を抱えつつ来たので、感染症法については、もうちょっと早く変えてもらったら良かったというふうに思います。ただ、感染症法についての関心が、今でも十分とは言えません。世の中は、「8割おじさん」の話ばっかりしています。そういう中にあっても、感染症法も大事だというのを厚労省が覚えていて、別に世の中からワーワー言われていないのに、ちゃんと法改正のスケジュールに乗せてくれたということは、評価すべきことだと思ってます。

時事:ワクチンについてですが、全国的には2月末頃にもスタートするのではないかということですが、県内でも、スムーズで迅速な接種を進めるために、どういうような準備を進めていますか。

知事:大人数を相手にしてやらなければいけないので、10万円を配った給付金の時のようなイメージがあります。実施主体は市町村になりますが、市町村が勝手に(やって)といったら、そういうのが上手ではないところは随分ガタガタになるので、県でいろいろ指導して、今、上手くいくように一生懸命体制を整える努力しています。もし、その過程でおかしいと思うことがあったら、国に言っていかないといけない。

時事:一部の人は、ワクチンは副作用がすごくあるのではないかということで、ちょっと怖いというような声もありますが、知事ご自身は、ワクチンは進んで接種しますか。

知事:進んで接種していただきたいと思います。私は70代だから、割と早くやってくれるのではないかな。

時事:知事ご自身も、接種を受けられる。

知事:もちろんです。やっぱり、副作用とかはあるかもしれません。だけど、こういうふうに大混乱が起こってる時に、副作用がないような薬を作ってもらわないといけないけど、完璧を期してたら、それこそ別の要因で、混乱や命が失われることが惹起されてきます。ですから、一応、オーソリティが認めたようなものは、こんなに混乱してるのだから、どんどん接種したら良いと私は思います。

ただ、学者が、「こんな副作用があるはずだ」とかおっしゃることを、弾圧してはいけません。言論は自由であるべきだと思いますが、そればっかり強調して報道するのは、ちょっと人心を惑わすかなというふうに思います。言論は自由だけど、私たちは、大局的な形からすれば、やっぱりワクチンはやったほうが良いのではないかと思います。

毎日:緊急事態宣言のことでお聞きします。先ほどの質問とかぶるかもしれませんが、2点あり、まず、現時点で、県内に緊急事態宣言を要請する段階ではないという認識で良いかということと、もし、要請することになれば、具体的に、例えば病床使用率とかで、こういった指標を超えた場合には検討しないといけないのではないかというお考えがあれば教えてください。

知事:まず、現在はもちろん(要請は)ありません。(要請が)ある時は、いろいろ状況を見てになります。その時に、やっぱり一番大事なのは病床使用率です。ただ、さっきも言ったように、和歌山県の病床使用率は、一部の県から見たら天国みたいな病床使用率です。つまり、全員入院でもあのぐらいです。じゃあ、全員入院でなくてもいいのかというと、そこはまた判断で、和歌山県の病床率が100に近くなってきたら必ずやります、というように考えるのはどうかというふうに思うので、その時の状況で技監のご意見を聞きながら考えます。

読売:4月の緊急事態宣言の時は、他府県から越境してのパチンコとかの来県が問題になったと思いますが、今回、その辺について何か対策とかがあれば。

知事:例えば、乱暴な言葉を使って考えます。規制レベルが隣とこっち(和歌山)で違うと、それを逃れるためにこっちへ来る場合があり、かつてはパチンコがそうだったと思います。そういう意味では、今回も、緊急事態宣言というより緊急事態措置を、厳密にやる緊急事態宣言対象区域と、それ以外のところで差が出ると思います。ただ、それ(措置)は、今どんなふうにしてとりあえず出るかというと、「時短要請」と「夜の外出」をものすごく厳しくします。「夜の外出」も、20時以降という話です。それ(20時)までは、大阪ではそんなに厳しくされないし、和歌山県は夜も厳しくされないから、夜だけ和歌山へ行こうと、あんまり考えられないのではないか。前回もいろいろ調べたら、和歌山県は、実は、休業要請業種は休業要請しましたが、一般の飲食店に対しては1回も休業要請をしてないし、かつ時短要請もしてません。それで、大阪の客が夜中だけバーッと来るようになったかはもう徹底的に調べてますが、そんなことは全くありませんでした。従って、あんまり考えなくてもいいのではないか。ただ、実態はよく見とかないといけないということでしょう。

読売:今、多分、飲食店のことを想定してお話いただいたと思いますが、パチンコ店とかについても同様ですか。

知事:パチンコ店は、今回は入ってない。大阪も、一般的にパチンコ店なんか関係なしというふうになっています。

読売:特段、今回は心配されていない。

知事:そうです。大阪の方は、近くへ行くでしょう。

産経:年末年始のことについてですが、年末から、県内への帰省自体、県内に戻ってくること自体(の自粛)は求めないということを言われていましたが、結果として、年末年始の感染状況を見ると、帰ってきた若者を中心に感染し、一部広がったところもあります。そのあたりで、当時、年末のメッセージ性の妥当性とかその辺りは、どのように考えていますか。

知事:正直に言うと、ちょっと弱かったかなというふうには思っています。私が何か言っても強制力がないので、どのぐらい聞いてくれたかどうか分かりませんが、帰省まで全部止めるのはなというぐらいの気持ちで、ただし、帰省の人は感染しているリスクが高いので、お年寄りにうつさないように、食事なんか別にしばらくしろとか、そんなようなことを言っていましたが、少し緩かったかなという感じは、正直します。というのは、どうやって広がったかを技監チームが全部調べてくれていますが、やっぱり帰省が多い。そういう意味では、ちょっと甘かったかなと正直言って思っています。

産経:知事のお考えとしては、基本的に制限をできるだけしないようにという思いがあって、経済を回すためにもという思いがあっての考えだったのかなとも思いますが、その意味で、今日、改めて呼びかけられた、言ったことだけはちゃんと守ってというところに、文脈として繋がると思うのですが。

知事:そういうことです。別に、経済が好きだから言ってるわけではない。生活ができなくなったら何が起こるかを想像してみたら分かるので、一番大事なのは命ですから、「命」か「経済」かではなくて、「命」か「命」かなんです。どうやったら命を守れるかを考えたら、今の段階では、これで頑張ろうというのが今の姿です。今の段階というのは、あんまり制限をしないで、ほどほどに活動はしてもらうけど、一番危ないところだけは抑えて、保健医療行政は、だんだん大変になってきてますが、ぎりぎり頑張ることで、どこまで持つか。持たせてもらった方が県民にとっては絶対に良いので、露骨に危ないところだけは守ってと言ってますから、それだけは少なくとも守ってください。それで様子を見ましょうということです。

産経:つまり、今日の呼びかけを受けて、実効性がなかったり、もしくは感染がさらに広がってきたら、さらに強い措置も検討せざるをえない。

知事:もちろんそうです。常に毎日それを考えてます。

時事:コロナから離れますが、太地町で定置網に引っかかっていたミンククジラですが、引っかかることはよくあることですという発表が県からもありました。あれが、昨日の朝方につり上げられて捕獲されました。捕獲自体もよくあることらしいのですが、知事から何か受け止めはありますか。

知事:どちらかというと、おそらく全世界、少なくとも日本は完璧に分かってますから、必ず全日本、(年間)100何頭ぐらいのクジラが(定置網等に)かかって暴れるから、多分、ほとんどすぐに捕獲して、処分してるのだろうと思います。しかし、太地町は、いつもクジラで我々生きてるわけだから、無駄に獲る必要もないので、そういう気持ちはものすごく強いから、いつも何とか逃げろといってずっとやっています。ただ、海も荒れてるし、クジラはそこが楽しいのか何か分かりませんが、出ていかない。始めのところの穴はものすごく大きくて、出て行くはずなのに出て行かない。だんだん3段階に(狭く)なっていて、最後のところはもう身動きできないぐらいのとこへ(クジラが)突っ込んでしまった。もうしょうがないので捕獲処分をされたようですが、それは、太地町の漁師の方々を非難するのは、ちょっと間違ってるのではないかと私は思います。

時事:逃がす努力を十分した上で。

知事:逃げてもらいたいのは、漁師さんも、殺クジラ鬼ではないから、好き好んで死んだらいいと思ってるわけではない。だから、世の中の世界の人たちが逃がしてあげたいと思っているのと、全く同じ気持ちでずっといたけど、上手くいかなかったということです。

時事:一方で、他所でも同じことをやっているのに、やっぱり太地町だからということで、ターゲットにされて、ネット上でワッと注目されていることもありますが、ここについてはいかがですか。

知事:一般的な受容される人が、世の中の常識とか実態とか、そういうことをまず理解して欲しいなあというふうに思います。そのネットを見て感じる人が感じることはみんな一緒で、漁師さんもネットを見た動物大好きな人も、一緒です。だけど、何か悪いことをしてると言って、ちょっと煽ってる人がいるわけですが、煽ってるのが、世の中の相場あるいは実態から言って妥当かどうか。そこはちょっと考えた方がいいと思います。

時事:煽ってる人と、ネット上でそういう情報を見た人に対して。

知事:煽ってる人は、もう煽りたいからやっています。だから、見た人が、「やっぱりそうだな」と思うか、「でもねえ」と思うか、いろいろあると思いますが、我々としては、本当は逃げて欲しいんだけどなあ、みんなそう思ってるのだけど、というぐらいの感じで受け取って欲しいと思います。

時事:年が明けてから、日本はコロナや緊急事態宣言ですごく大騒ぎしていますが、世界に目を向けると、やはりアメリカの大統領選挙で、トランプの支持者と言われる人が、議会の窓ガラスを割って侵入するという、ちょっと異常な事態が起きました。これについて、何か受け止めはありますか。

知事:他国のことですから、こちらが変なことを言ってもしょうがないのですが、アメリカのほとんどの方は、眉をひそめていると思います。

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